JP3510657B2 - 易接着性ポリエステルフイルム - Google Patents

易接着性ポリエステルフイルム

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JP3510657B2
JP3510657B2 JP02125194A JP2125194A JP3510657B2 JP 3510657 B2 JP3510657 B2 JP 3510657B2 JP 02125194 A JP02125194 A JP 02125194A JP 2125194 A JP2125194 A JP 2125194A JP 3510657 B2 JP3510657 B2 JP 3510657B2
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は易接着性ポリエステルフ
イルムに関し、さらに詳しくは耐熱性に優れかつ高い
接着力と低い帯電性を有する易接着性ポリエステルフイ
ルムに関する。 【0002】 【従来の技術】ポリエステルフイルムは物理的性質、化
学的性質に優れ、種々の用途に用いられている。しか
し、ポリエステルフイルムは接着性に劣るという欠点が
あり、用途によっては易接着性を付与する前処理が必要
である。 【0003】ポリエステルフイルムに易接着性を付与す
る手段として、従来、易接着性ポリエステル樹脂の水性
液例えば水分散体を塗布して易接着層(プライマー層)
を設けることが提案されかつ実用化されている。例え
ば、ポリマー分子内にスルホン酸塩基を0.5モル%以
上導入した親水性ポリエステル樹脂の水性液を塗布する
ことが知られている。しかし、この親水性ポリエステル
樹脂は二次転移点(Tg)が低く、耐湿熱性に劣るとい
う欠点がある。また、水性液の安定化のために界面活性
剤を添加することが多いが、この界面活性剤によっても
耐熱性が低下するという問題をかかえている。 【0004】ポリエステル樹脂の二次転移点(Tg)を
高めるには剛直な成分を導入するのが有効であるが、こ
の場合接着性の特性が低下する傾向があり、また親水性
も低くなり例えば溶解性も低くなり、限界がある。ま
た、ポリエステル分子内にスルホン酸塩基が多量ある
と、帯電性が強く、これによるトラブルも生じる。 【0005】特開昭63―115747号公報には、
(A)全ジカルボン酸成分に対し0.5〜15モル%の
スルホン酸金属塩基含有ジカルボン酸を含有する混合ジ
カルボン酸成分とグリコール成分とから形成された水不
溶性ポリエステル共重合体及び(B)下記式 【0006】 【化1】 【0007】(但し、n,mは6〜1200の整数、R
1 ,R2 は炭素数が1〜4のアルキレン基又はアリーレ
ン基、R1≠R2 でありかつR1 ,R2 のうちいずれか
一方が炭素数3以上のアルキレン基又はアリレーン基)
で示される共重合物の混合物を含有する層が少なくとも
片面に積層されてなることを特徴とする、透明で帯電防
止性に優れた熱可塑性樹脂フイルム積層物が開示されて
いる。しかし、このフイルム積層物の帯電防止性は十分
であるとは言えず、また低いHLBの界面活性剤の添加
で接着特性が低下する傾向がある。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接着
性、耐熱性に優れかつ帯電性の低い易接着性ポリエステ
ルフイルムを提供することにある。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、次の構成からなる。 【0010】(A)ポリマー分子側鎖に0.01モル%
以上、0.5モル%未満(全カルボン酸成分当り)のス
ルホン酸塩基を有するポリエステル樹脂75〜96重量
%と(B)エチレンオキシド―プロピレンオキシド共重
合体4〜25重量%からなる組成物を含む易接着層を、
ポリエステルフイルムの少くとも片面に設けている易接
着性ポリエステルフイルムであって、該共重合体(B)
のエチレンオキシド成分とプロピレンオキシド成分の重
量比が95:5〜10:90である易接着性ポリエステ
ルフイルム。 【0011】本発明においてポリエステルフイルムを構
成するポリエステルは結晶性の芳香族ポリエステルであ
り、この酸成分としては例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジ
フェニルジカルボン酸等を、またグリコール成分として
は例えばエチレングリコール、1,4―ブタンジオー
ル、1,4―シクロヘキサンジメタノール、1,6―ヘ
キサンジオール等を挙げることができる。これらの中、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン―2,6―
ナフタレンジカルボキシレートが好ましい。前記芳香族
ポリエステルとしてはホモポリマーはもちろんのこと、
上記成分等のコポリマーも使用することができる。 【0012】前記芳香族ポリエステルには、滑剤とし
て、カオリン、炭酸カルシウム、シリカ、酸化アルミニ
ウム、架橋シリコーン樹脂、架橋ポリスチレン、架橋ア
クリル樹脂等からなる微粒子を任意に含有させることが
できる。 【0013】ポリエステルフイルムは二軸配向フイルム
が好ましく、また厚さは3〜260μmであることが好
ましい。 【0014】本発明において易接着層(プライマー層)
を構成するポリエステル樹脂(A)はポリマー分子側鎖
0.01モル%以上、0.5モル%未満(全カルボン
酸成分当り)のスルホン酸塩基を有するポリエステルで
ある。 【0015】ポリエステル樹脂(A)を構成するカルボ
ン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、2,6―ナフタレンジカルボン酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸、4,4′―ジフェニルジカルボン酸、フェ
ニルインダンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、
5―Naスルホイソフタル酸、トリメリット酸等を、ま
たアルコール成分としてはエチレングリコール、ジエチ
レングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4―ブ
タンジオール、1,6―ヘキサンジオール、1,6―シ
クロヘキサンジメタノール、、ジメチロールプロピオン
酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ビスフェノ
ールAのアルキレンオキシド付加物等を例示することが
できる。 【0016】ポリエステル樹脂(A)の分子内にスルホ
ン酸塩基を導入するには、スルホン酸塩基(例えばNa
スルホネート、Liスルホネート、Kスルホネート、ア
ンモニウムスルホネート、ポリアルキルホスフィンスル
ホネート等)を有する化合物、例えば5―Naスルホイ
ソフタル酸、5―Kスルホイソフタル酸、5―Naスル
ホテレフタル酸、5―Kスルホテレフタル酸等をポリエ
ステル形成の酸成分又はアルコール成分の一部として使
用するとよい。 【0017】ポリエステル樹脂(A)中のスルホン酸塩
基の量は、全カルボン酸成分当り、0.01モル%以
上、0.5モル%未満、好ましくは0.4モル%以下で
ある。この量が0.5モル%以上になると、帯電性が強
く、低帯電性の目的を達成することができない。 【0018】本発明において易接着層(プライマー層)
を構成するエチレンオキシド―プロピレンオキシド共重
合体(B)はブロック共重合体、ランダム共重合体のい
ずれでもよいが、前者の方が好ましい。両成分の割合
は、エチレンオキシド成分/プロピレンオキシド成分の
重量(%)比が95/5〜10/90であることが必要
である。平均分子量は200〜50万、特に500〜3
万であることが好ましい。 【0019】ポリエステル樹脂(A)と共重合体(B)
の重量(%)比は96:4〜75:25、好ましくは9
5:5〜80:20である。共重合体(B)が4重量%
未満であると帯電防止性が不十分となり、他方25重量
%を超えると耐熱性が低下するようになる。 【0020】本発明においてプライマー塗布液には、前
記ポリエステル樹脂(A)及び共重合体(B)以外に、
他の樹脂、有機や無機のフィラー、着色剤、界面活性
剤、紫外線吸収剤等を添加することができる。塗布液
は、水溶液、水分散液、乳化液等任意の形で使用でき
る。 【0021】プライマー塗布液の塗布は未延伸フイル
ム、一軸延伸フイルム、二軸延伸フイルム等に適用され
る。これらの中縦方向に延伸した一軸延伸フイルムに塗
布することが好ましい。この場合、塗布後、横延伸、さ
らに場合によっては再縦延伸や再横延伸を行なうことが
できる。延伸処理は従来から知られている条件、方法で
行なうことができる。例えば、延伸倍率は二軸方向に夫
々2.5倍以上、好ましくは3.0倍以上であり、面積
倍率は8倍以上、好ましくは8〜30倍である。 【0022】プライマー層(塗膜)の厚さは任意である
が、0.01〜3μmであることが好ましい。 【0023】このようにして得られる易接着性ポリエス
テルフイルムは、接着性、耐熱性、帯電防止性に優れ、
特に磁性塗料、UVインキ等に対する接着性に優れる。
そして、包装材料、印刷材料、磁気カード、磁気テー
プ、磁気ディスク等に有用である。 【0024】 【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、各特性値は下記の方法で測定した。 【0025】1.接着性 プライマー被覆ポリエステルフイルムに評価用塗料をマ
イヤーバーで乾燥後の厚さが約4μmになるように塗布
し、100℃で3分間乾燥する。その後60℃で24時
間エージングし、次いでスコッチテープ No.600
(3M社製)巾12.7mm,長さ15cmを気泡の入
らないように粘着し、この上をJISC2701(19
75)記載の手動式荷重ロールでならし、密着させ、テ
ープ巾に切り出す。これを180度剥離した時の強力を
測定する。 [評価用塗料] 固形分換算で、 ウレタン樹脂 ニッポラン2304 25重量部(日本ポリウレタン製) 塩ビ・酢ビ樹脂 エスレックA 50重量部(積水化学製) 分散剤 レシオンP 1重量部(理研ビタミン製) 磁性剤 CTX―860 500重量部(戸田化学製) をメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン混
合溶剤に溶解し、40%液にし、サンドグライダーで2
時間分散する。その後架橋剤のコロネートL 25重量
部(固形分換算)を添加し、よく攪拌して磁性塗料を得
る。 【0026】2.帯電性 片面プライマー被覆ポリエステルフイルム(10μm×
500mm×3000m)を23℃×75%RHの雰囲
気下150m/min のスピードで巻き返し、そのロ
ールの剥離帯電量をヒューグルエレクトロニクス(株)
製のデジタル式試験電気測定器Model―203を用
いて測定する。 【0027】3.耐熱性 100℃に加熱した表面速度4m/分の熱ロールにプラ
イマー被覆ポリエステルフイルムのプライマー面を接
し、40分間後にロールの表面を評価する。 ロール表面に異物がみられない ……○ ロール表面に若干異物がみられる ……△ ロール表面に多量の異物がみられる……× 【0028】[実施例1] 固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレートの未延
伸シートを縦方向に3.6倍延伸した後、その片面にテ
レフタル酸(95モル%)―イソフタル酸(4.9モル
%)―5―Naスルホイソフルタル酸(0.1モル%)
―エチレングリコール(70モル%)―ネオペンチルグ
リコール(10モル%)―ビスフェノールA・プロピレ
ンオキシド付加物(20モル%)共重合ポリエステル
(A―1)85wt%、エチレンオキシド(50wt
%)―プロピレンオキシド(50wt%)ブロック共重
合体(B―1)10wt%及び粒径60nmのシリカ5
wt%からなる組成物の4wt%濃度の水性液をロール
コーターで塗布した。次いで、乾燥しつつ横方向に3.
9倍延伸し、230℃で熱固定して厚さ14μmのフイ
ルムを得た。膜厚は0.04μmであった。このフイル
ムの特性を表1に示す。 【0029】[比較例1] 実施例1において水性液を塗布しない以外は同様に行な
った。得られたフイルムの特性を表1に示す。 【0030】[実施例2〜、比較例2〜3] 実施例1において、塗布物の組成、比率を表1に示すよ
うに変更する以外は同様に行なった。得られたフイルム
の特性を表1に示す。 【0031】 【表1】 【0032】註) ポリエステル:A―3] テレフタル酸(74モル%)―イソフタル酸(20モル
%)―5―Kスルホイソフタル酸(6モル%)―エチレ
ングリコール(70モル%)―ネオペンチルグリコール
(20モル%)―1,4―ブタンジオール(10モル
%)共重合ポリエステル。 [エチレンオキシド―プロピレンオキシド共重合体:B
―2] エチレンオキシド(70wt%)―プロピレンオキシド
(30wt%)ブロック共重合体。 [界面活性剤:C―1] ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル。 【0033】 【発明の効果】本発明における易接着層(プライマー
層)は、ポリエステル樹脂(A)中のスルホン酸塩基の
量が0.01モル%以上、0.5モル%未満であること
と、エチレンオキシド―プロピレンオキシド共重合体
(B)を併用しているため、接着性と耐熱性に優れ、か
つ両成分の効果で帯電し難いという特長を有する。さら
にエチレンオキシド―プロピレンオキシド共重合体
(B)は比較的親水性が良く、塗布液の濡れ性も改良す
ると共に塗工時の特性も良化する。加えて、プライマー
層の耐熱性が良いと、製膜工程中の塗工においてロール
による削れを防止する。接着性としては磁気塗料、UV
インキ、等に対して優れた特性を発現する。帯電性が低
下しているので、易接着性ポリエステルフイルムを二次
加工するときに様々なトラブルを回避することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−115747(JP,A) 特開 平5−310975(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 27/36 B29C 55/02 C08J 7/04 C08L 67/02

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 (A)ポリマー分子側鎖に0.01モル
    %以上、0.5モル%未満(全カルボン酸成分当り)の
    スルホン酸塩基を有するポリエステル樹脂75〜96重
    量%と(B)エチレンオキシド―プロピレンオキシド共
    重合体4〜25重量%からなる組成物を含む易接着層
    を、ポリエステルフイルムの少くとも片面に設けている
    易接着性ポリエステルフイルムであって、該共重合体
    (B)のエチレンオキシド成分とプロピレンオキシド成
    分の重量比が95:5〜10:90である易接着性ポリ
    エステルフイルム。
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