JPH0614464Y2 - 横置型電解コンデンサ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は封口構造を改良した横置型の電解コンデンサに
関する。

（従来の技術） 回路基板への電子部品の搭載に関しては、最近フェイス
ボンディングタイプ（面実装型）が多く使われるように
なってきた。アルミニウム電解コンデンサにおいても、
フェイスボンディング用に改良が加えられた種々のタイ
プが知られている。

横置型非外装タイプもそのうちの一つであり、絶縁性樹
脂等によりモールドする樹脂外装型に比べて安価で小型
にできるという利点がある。

（考案が解決しようとする課題） 一般に電解コンデンサはアルミニウム等の金属ケースに
巻回したコンデンサ素子を収納し、弾性封口体等により
密封した後、熱収縮性のスリーブ等を装着して製造され
る。横置型非外装タイプ電解コンデンサの場合はさらに
第８図に示したようにリード線を折り曲げてその先端を
コンデンサ下面とほぼ同一平面上に位置させるように形
成される。

このような横置型電解コンデンサにおいて横方向（水平
方向）の寸法を小さくするためにはリード線をなるべく
コンデンサ端面の近傍で折り曲げる必要がある。ところ
が第８図に示したように端面には通常金属ケースの上絞
り部が形成されており、小径のコンデンサにおいては、
リード線と金属ケース上絞り部との間隔が極めて小さく
なり接触してショート不良となる場合が生ずる。また、
金属ケース上絞り部とリード線折り曲げ部とは絶縁スリ
ーブ一枚で隔離されているのみであり、スリーブの装着
具合やはんだ付け時の２次収縮あるいははんだの付着具
合によってはやはりショート不良となる危険性がある。

本考案は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目
的とするところは、金属ケースとリード線とのショート
を防止するとともに、基板上に安定して載置できる横置
型電解コンデンサを提供するにある。

（課題を解決するための手段） 上記目的による本考案では、陽極箔および陰極箔をセパ
レータとともに巻回してなるコンデンサ素子を金属ケー
スに収納し弾性封口体により密封するとともに、弾性封
口体に設けた貫通孔に外部接続用の引出端子を挿通した
横置型電解コンデンサにおいて、 前記弾性封口体の端部を金属ケース開口端よりも外方に
突出させ、該突出部位を金属ケース開口端の外径よりも
大径となる大径部に形成するとともに、該大径部のコン
デンサ下面側にあたる部分に平坦部を設けたことを特徴
としている。

（作用） 金属ケース開口端が、弾性封口体の大径部に隠蔽されて
コンデンサ端面側に露出しないので、該コンデンサ端面
に沿って折り曲げられるリード線との間の電気絶縁性が
高度に確保される。そして、弾性封口体に大径部の部分
に平坦部を形成することにより、基板上に載置した際に
転がらず、基板上に安定して載置することができる。

（実施例） 以下本考案の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図において、１０はコンデンサ素子であり、陽極箔
および陰極箔をセパレータとともに巻回して形成され
る。陽極箔、陰極箔のそれぞれには丸棒状の引出端子１
２が接続され、この引出端子１２には外部接続用のリー
ド線１４が接続される。

１６は電気絶縁性を有する材料、例えばブチルゴム等に
より形成された弾性封口体であり、第２図で示されるよ
うに、上記の引出端子１２およびリード線１４挿通用の
貫通孔１８が形成され、また一端部側は大径部２０に形
成されている。

電解液が含浸されたコンデンサ素子１０はアルミニウム
等からなる金属ケース２２に収納され、また弾性封口体
１６はその貫通孔１８に引出端子１２およびリード線１
４が挿通されて金属ケース２２の入口側に配置される。
その際、金属ケース２２の開口端が弾性封口体１６の大
径部２０の壁面に当接されるようになる。そして、弾性
封口体１６の小径部に対応する部位の金属ケース２２部
分が絞り込まれてケース内が密封され、また熱収縮性等
の絶縁スリーブ２４が金属ケース２２および弾性封口体
１６の大径部２０の外周部に装着され、そして横置型と
して所定の方向にリード線１４が折り曲げられて電解コ
ンデンサに形成されている。

第２図に示す例では、弾性封口体１６の大径部２０の金
属ケース２２側壁面に環状溝を形成し、該環状溝内に金
属ケース２２の開口端側が所定範囲に亙って没入するよ
うにしている。

そして本考案では、弾性封口体１６の大径部２０の回路
基板に接する部分に平坦部３０を設けている。

したがって本実施例では、金属ケース２２開口端が、弾
性封口体１６の大径部に隠蔽されてコンデンサ端面側に
露出しないので、該コンデンサ端面に沿って折り曲げら
れるリード線１４との間の電気絶縁性が高度に確保され
る。

また、弾性封口体１６の大径部２０の回路基板に接する
部分に平坦部３０を設けているので、回路基板２８に装
着した際の電解コンデンサの安定性をより向上させるこ
とができる。

電解コンデンサは円柱状をなすので、横置型にした場合
転がり易いのであるが、金属ケース２２の開口部を封じ
る弾性封口体１６の大径部２０に平坦部３０を形成する
という簡単な構造で安定性を向上させることができるの
である。

第４図は、引出端子１２外周に係止爪３２を突設させた
実施例を示す。

本実施例では、係止爪３２が弾性封口体１６の貫通孔１
８内壁にくい込むので、はんだ付け時の高温印加の際等
に内圧が上昇しても、弾性封口体１６が外方にふくらむ
のを防止でき、密閉性を維持できる。

また第５図では、引出端子１２の中途部を樽状の大径部
に形成している。

本実施例においても、内圧上昇の際、弾性封口体１６が
外方へふくらむのを防止できる。

なお、リード線１４の折り曲げ形状は特に限定されない
のはもちろんであり、第３図、第６図、第７図に例示す
る他種々の折り曲げ形状が採用される。

以上本考案につき好適な実施例を挙げて種々説明した
が、本考案はこの実施例に限定されるものではなく、考
案の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るの
はもちろんである。

（考案の効果） 以上のように本考案に係る横置型電解コンデンサによれ
ば、金属ケース開口端が、弾性封口体の大径部に隠蔽さ
れてコンデンサ端面側に露出しないので、該コンデンサ
端面に沿って折り曲げられるリード線との間の電気絶縁
性が高度に確保される。そして、弾性封口体の大径部の
部分に平坦部を形成することにより、基板上に載置した
際に転がらず、基板上に安定して載置することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は電解コンデンサの断面図、第２図は電解コンデ
ンサの他の実施例を示す断面図、第３図は電解コンデン
サの側面図、第４図は引出端子外周に係止爪を設けた例
を示す断面図、第５図は引出端子中途部外周を大径に形
成した例を示す断面図、第６図および第７図はリード線
の折り曲げ形状の一例を示す側面図、第８図は従来の電
解コンデンサの断面図を示す。 １０……コンデンサ素子、１２……引出端子、１４……
リード線、１６……弾性封口体、１８……貫通孔、２０
……大径部、２２……金属ケース、２４……絶縁スリー
ブ、３０……平坦部、３２……係止爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】陽極箔および陰極箔をセパレータとともに
   巻回してなるコンデンサ素子を金属ケースに収納し弾性
   封口体により密封するとともに、弾性封口体に設けた貫
   通孔に外部接続用の引出端子を挿通した横置型電解コン
   デンサにおいて、 前記弾性封口体の端部を金属ケース開口端よりも外方に
   突出させ、該突出部位を金属ケース開口端の外径よりも
   大径となる大径部に形成するとともに、該大径部のコン
   デンサ下面側にあたる部分に平坦部を設けたことを特徴
   とする横置型電解コンデンサ。