JPH0614260Y2 - カセット装填装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈技術分野〉 本考案は、ビデオムービーなどのカセット装填装置に関
する。

〈従来技術〉 第６図は、ビデオムービーに使用されるコンパクトカセ
ット、いわゆる、Ｃカセットの斜視図である。

このコンパクトカセット１は、磁気テープが巻回された
供給リール２と巻取りリール３とを内蔵しており、前面
には、磁気テープ４の磁性面を保護するために蓋５が揺
動自在に設けられており、この蓋５は、板ばね６によっ
て矢符Ａ方向に付勢された摺動部材７に当接しており、
これによって、所定の角度を境にして、閉蓋方向または
開蓋方向に付勢されるようになっている。

巻取りリール３の外周には、ビデオムービーへの装填時
に、該ビデオムービーの巻取り用の駆動ギアに噛合う巻
き上げギア３ａが形成されており、この巻き上げギア３
ａは、カセットケース９の開口部８からカセットケース
９外に臨んでいる。

第７図は、上記コンパクトカセット１が装填される従来
例のカセット装填装置付近の平面図である。シャーシ１
０には、コンパクトカセット１をビデオムービーの所定
の位置に装填する、いわゆる、ポップアップ形のカセッ
ト装填装置１１が設けられている。また、コンパクトカ
セット１の装填位置の前方（図の上方）寄りには、回転
磁気ヘッドを有するドラム１２と、このドラム１２にコ
ンパクトカセット１内の磁気テープ４を所定角度で巻き
付けるためのローディング部材１３，１４および傾斜ポ
ール１５ａを有する揺動アーム１５が設けられている。

このポップアップ形のカセット装填装置１１では、コン
パクトカセット１が挿入されるカセットハウジング１６
ａを、第８図に示されるコンパクトカセット１の挿入位
置と、第９図に示されるコンパクトカセット１の所定の
装填位置との間で昇降させる昇降リンク機構１７を備え
ている。

次に、コンパクトカセット１の装填の際の動作を説明す
る。先ず、第８図に示されるコンパクトカセット１の挿
入位置において、コンパクトカセット１をカセットハウ
ジング１６ａに矢符Ｂ方向に挿入し、さらに、矢符Ｃ方
向に押圧すると、カセットハウジング１６ａが降下し、
この降下の途中で、開蓋用の部材１８の動作によってコ
ンパクトカセット１の蓋５が半開状態とされる。

このカセットハウジング１６ａの降下によって、コンパ
クトカセット１の前面の磁気テープ４は、第７図に示さ
れるように、ドラム１２と、ローディング部材１３，１
４および揺動アーム１５の傾斜ポール１５ａとの間に降
下する。なお、コンパクトカセット１の蓋５は、キャビ
ネット１９の端部１９ａに当接し、降下が終了した第９
図に示される所定の装填位置では、全開状態となる。

また、このときには、コンパクトカセット１の供給リー
ル２は、図示しないリール台に係合し、巻取りリール３
は、その外周の巻き上げギア３ａが図示しない駆動ギア
に噛合う。そして、この所定の装填位置において、カセ
ットハウジング１６ａは、図示しないロック部材により
ロックされる。

ところが、このような従来例のカセット装填装置１１で
は、コンパクトカセット１をカセットハウジング１６ａ
に挿入する前に、コンパクトカセット１の磁気テープ４
が蛇行して弛んでいるような場合、すなわち、振動など
の外力によって、供給リール２および巻取りリール３が
回転して磁気テープ４が緩んでしまったような場合にそ
のままの状態でカセットハウジング１６ａに挿入してカ
セットハウジング１６ａを降下させると、コンパクトカ
セット１の前面の磁気テープ４が所定の位置に降下せ
ず、ドラム１２やローディング部材１３，１４などに引
っ掛かったりして磁気テープ４が捩れたりする場合があ
り、かかる場合には、磁気テープ４がドラム１２に所定
の角度で巻き付けられないことになり、ビデオムービー
が動作しなかったり、磁気テープ４を傷めてしまうなど
の難点がある。

〈考案の目的〉 本考案は、上述の点に鑑みて為されたものであって、コ
ンパクトカセットの磁気テープに弛みがあっても磁気テ
ープがビデオムービーの所定の位置に装填されるように
したカセット装填装置を提供することを目的とする。

〈考案の構成〉 本考案では、上述の目的を達成するために、内部に磁気
テープが巻き取られる巻き取りリールとそれに連動する
巻き上げギアとを有するコンパクトカセットが挿入され
るカセットハウジングを備えたカセット装填装置におい
て、前記カセットハウジングには、当該カセットハウジ
ング内への前記コンパクトカセットの挿入に伴って前記
巻き上げギアに係合しながら当該巻き上げギアを、その
巻き取りリールに対して磁気テープが巻き取られる方向
に付勢する弾性部材を設けている。

上記構成によれば、コンパクトカセットのカセットハウ
ジングへの挿入時に、磁気テープが巻き取られて弛みが
除去されることになり、カセットハウジングの降下時
に、コンパクトカセットの前面の磁気テープが、所定の
位置に正しく降下することになる。

〈実施例〉 以下、図面によって本考案の実施例について、詳細に説
明する。

第１図は、本考案の一実施例の側面図であり、第８図お
よび第９図の従来例に対応する部分には、同一の参照符
を付す。

この実施例のカセット装填装置は、ビデオムービーに備
えられており、第６図に示されるコンパクトカセット、
いわゆる、Ｃカセットが装填される。

このコンパクトカセット１は、上述のように、磁気テー
プ４が巻回された供給リール２と巻取りリール３とを内
蔵しており、前面には、磁気テープ４の磁性面を保護す
るために蓋５が揺動自在に設けられており、この蓋５
は、板ばね６によって矢符Ａ方向に付勢された摺動部材
７に当接しており、所定の角度を境にして、閉蓋方向ま
たは開蓋方向に付勢されるようになっている。

巻取りリール３の外周には、ビデオムービーへの装填時
に、該ビデオムービーの巻取り用の駆動ギアに噛合う巻
き上げギア３ａが形成されており、この巻き上げギア３
ａは、カセットケース９の開口部８からカセットケース
９外に臨んでいる。

このカセット装填装置は、いわゆる、ポップアップ形で
あり、従来例と同様に、コンパクトカセット１が挿入さ
れるカセットハウジング１６を、第１図に示されるコン
パクトカセット１の挿入位置と、第９図に対応する所定
の装填位置との間で昇降させる昇降リンク機構１７を備
えており、この昇降動作については、上述の従来例と同
様である。

この実施例のカセット装填装置では、コンパクトカセッ
ト１の磁気テープ４が蛇行して弛んでいるような場合に
カセットハウジング１６に挿入してカセットハウジング
１６を降下させてもコンパクトカセット１の前面の磁気
テープ４がドラム１２やローディング部材１３，１４な
どに引っ掛かったりしないようにするため、次のように
構成している。

すなわち、この実施例では、カセットハウジング１６の
一方の側壁には、長方形状の開口部２０が形成され、こ
の開口部２０からカセットハウジング１６内に突出する
弾性部材２１が設けられており、この弾性部材２１によ
って、後述のようにコンパクトカセット１の挿入に伴っ
て該コンパクトカセット１の巻き上げギア３ａに係合し
ながら当該巻き上げギア３ａを磁気テープ４が巻き取ら
れる方向に付勢するようにしている。

第２図〜第５図は、コンパクトカセット１のカセットハ
ウジング１６への挿入動作を示す第１図の切断面線Ａ−
Ａから見た断面図である。

この弾性部材２１は、カセットハウジング１６の外側の
側壁に固着された基部２１ａと、この基部２１ａから開
口部２０を経てカセットハウジング１６の内方に延出す
る第１延出部２１ｂと、この第１延出部２１ｂからカセ
ットハウジング１６の外方に延出する第２延出部２１ｃ
とを有しており、弾性を有する材料から構成されてい
る。

この第１，第２延出部２１ｂ，２１ｃの長さや折曲部の
角度は、コンパクトカセット１のカセットハウジング１
６への挿入の際に、コンパクトカセット１の巻き上げギ
ア３ａに両延出部２１ｂ，２１ｃ間の折曲部が係合しや
すく、また、コンパクトカセット１の抜き出しの際に
は、弾性部材２１の前記折曲部がコンパクトカセット１
の巻き上げギア３ａに係合しにくいように選ばれる。

次に、上記構成を有するカセット装填装置にコンパクト
カセット１を挿入する際の動作を説明する。

先ず、第２図に示されるように、コンパクトカセット１
をカセットハウジング１６に矢符Ｄで示されるように挿
入していくと、コンパクトカセット１の端部が、弾性部
材２１の傾斜した第２延出部２１ｃに当接し、弾性部材
２１が、第３図に示されるように弾性変形する。

さらに、コンパクトカセット１を挿入すると、弾性部材
２１の第１，第２延出部２１ｂ，２１ｃ間の折曲部が、
第４図に示されるように、コンパクトカセット１の巻取
りリール３の巻き上げギア３ａに係合し、コンパクトカ
セット１の挿入に伴って巻き上げギア３ａが時計方向に
回転し、巻取りリール３が巻き取られ、これによって、
コンパクトカセット１の磁気テープ４が巻き取られるこ
とになる。

そして、さらにコンパクトカセット１を挿入すると、弾
性部材２１の第２延出部２１ｃがコンパクトカセット１
の端部に当接して摺動し、第５図に示されるように、コ
ンパクトカセット１のケース外に案内されてコンパクト
カセット１のカセットハウジング１６への挿入が完了す
る。

その後、カセットハウジング１６が降下して第９図の従
来例と同様に、所定の装填位置に装填されるのである
が、コンパクトカセット１をカセットハウジング１６に
挿入する際に、弾性部材２１によってコンパクトカセッ
ト１の磁気テープ４が巻き上げられて磁気テープ４の弛
みが除去されているので、コンパクトカセット１の前面
の磁気テープ４は、ドラム１２と、ローディング部材１
３，１４および揺動アーム１５のポール１５ａとの間の
所定の位置に降下することになり、従来例のように磁気
テープ４がドラム１２に所定の角度で巻き付けられない
ためにビデオムービーが動作しなかったり、あるいは、
磁気テープ４を傷めたりするといったことがない。

なお、コンパクトカセット１をカセットハウジング１６
から抜き出す場合には、上述と逆の動作となるが、抜き
出しの場合には、弾性部材２１の折曲部は、巻き上げギ
ア３ａに係合することなく、その表面を滑ることになる
ので、巻き上げギア３ａが回転することはない。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によれば、カセットハウジングに
は、当該カセットハウジング内へのコンパクトカセット
の挿入に伴って巻き上げギアに係合しながら当該巻き上
げギアを、その巻き取りリールに対して磁気テープが巻
き取られる方向に付勢する弾性部材を設けているので、
コンパクトカセットのカセットハウジングへの挿入時
に、磁気テープが巻き上げられて弛みが除去されること
になり、カセットハウジングの降下時に、コンパクトカ
セットの前面のテープが、所定の位置に正しく降下する
ことになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の側面図、第２図ないし第５
図は第１図の動作説明のための弾性部材付近を拡大した
平面図、第６図はコンパクトカセットの斜視図、第７図
は従来例の平面図、第８図および第９図は従来例の動作
説明のための側面図である。 １……コンパクトカセット、３……巻取りリール、３ａ
……巻き上げギア、４……磁気テープ、１６……カセッ
トハウジング、２１……弾性部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に磁気テープが巻き取られる巻き取り
   リールとそれに連動する巻き上げギアとを有するコンパ
   クトカセットが挿入されるカセットハウジングを備えた
   カセット装填装置において、 前記カセットハウジングには、当該カセットハウジング
   内への前記コンパクトカセットの挿入に伴って前記巻き
   上げギアに係合しながら当該巻き上げギアを、その巻き
   取りリールに対して磁気テープが巻き取られる方向に付
   勢する弾性部材を設けたことを特徴とするカセット装填
   装置。