JPH0355190Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は小型テープカセツト用アダプタに係
り、特にテープローデイング機構を動作させる操
作ノブにテープローデイング及び／又はアンロー
デイング動作が終了近傍に到つたことを操作者に
感知させる手段を設け、操作者に操作上の注意を
捉し、使い勝手の良い小型テープカセツト用アダ
プタを提供することを目的とする。

本出願人は先に標準形テープカセツトより小型
のテープカセツト、及びこの小型テープカセツト
を標準形記録再生装置に装着するときに用いるア
ダプタを提案した。このアダプタは、操作ノブを
一方向に操作してテープローデイング機構をテー
プを小型テープカセツトより引き出す方向に動作
させ、逆方向に操作してテープローデイング機構
をテープを小型テープカセツト内に戻す方向に動
作させる構成としてある。

このアダプタにおいて、アダプタ筺体は不透明
であり内部のテープローデイング機構の動作状態
は外部より目視出来ず、動作ノブを最終位置まで
勢いよく操作してしまうことがある。このような
場合には、テープローデイング機構がストツパに
勢い良く衝突して部品を破損したり、歯車の歯を
欠いたり、更にはテープに過大なテンシヨンを付
与してテープを傷める等の不都合が起こるという
等の問題点があつた。

本考案は上記問題点を解決したものであり、標
準形テープカセツトより小型のテープカセツト５
を標準形テープカセツト用記録再生装置に装着す
るときに用いられる小型テープカセツト用アダプ
タ１であつて、 略円形の回動操作部材７と、 該回動操作部材７を一方向に回動操作すること
により、上記小型テープカセツト用アダプタ１内
の上記小型テープカセツト５内に収納されている
テープ２１を標準形テープカセツトのテープパス
２２に対応したローデイング完了位置へ引き出
し、上記回動操作部材７を逆方向に回動操作する
ことにより、前記ローデイング完了位置にあるテ
ープ２１を小型テープカセツト５内に収納された
アンローデイング完了位置へ戻す、上記回動操作
部材７と連動したローデイングアーム１３，１７
からなるテープローデイング機構とを有し、 上記回動操作部材７を、その周縁部６０に指先
を当てがつて動かすことができるように上記周縁
部６０の一部が上記アダプタの筺体２より外部に
突出するように設け、且つ上記回動操作部材７の
周縁部６０のうち前記テープ２１が前記ローデイ
ング完了位置近傍又は前記アンローデイング完了
位置近傍にあるときに上記筺体の外部に突出する
近傍部分６３，６４を、その他の部分とは指先へ
の感触が異なる形状としたことを特徴とする小型
テープカセツト用アダプタとしてなる構成とした
ものである。以下図面と共にその一実施例につい
て説明する。

第１図に示すように、テープカセツト用アダプ
タ１は、アダプタ筺体２と前側壁３とよりなり、
標準形テープカセツトと実質上同じ外形寸法を有
し、内部に小型テープカセツト収納部４を有す
る。このアダプタ１は、操作ノブ４１を矢印方向
に摺動させてトツプカバー６をピン部材３５，３
６を支軸に開蓋させ、収納部４内に標準形テープ
カセツトより小型である小型テープカセツト５を
収納し、再びトツプカバー６を小型テープカセツ
ト５を覆うように閉じ、更には操作ノブ７を回動
操作してアダプタ内でテープローデイングを行な
つて所定のテープパスを形成して、標準形記録再
生装置のカセツトハウジング内に挿入されて当該
装置に装着される。

小型テープカセツト５は、第２図に示すよう
に、磁気テープを収納したカセツト筺体８と、こ
の前面側に設けてあり通常は閉じており内部の磁
気テープを保護している蓋９とよりなる。この蓋
９は閉蓋位置と水平な開蓋位置との間をピン１０
を中心に回動し、Ｕ字状板ばねと押圧杆との作用
で各位置にクリツク的に保持される。

テープローデイング機構（ローデイング機構）
は、回動操作部材７の回動操作により、これに連
動されたローデイングアーム１３，１７が回動
し、このローデイングアーム１３，１７のポール
１９，２０により小型テープカセツト５の磁気テ
ープ２１をローデイング（アンローデイング）す
るように構成されたものである。

回動操作部材７を時計方向に回動操作すると、
回動部材に連結された特殊チエーン１１が固定ガ
イド板１２のＪ字形ガイド溝１２ａ内に巻き込ま
れるように引き込まれ、ローデイングアーム１３
は特殊チエーン１１に引かれてピン１４を中心に
時計方向に二点鎖線で示す位置まで回動する。ま
た、アーム１３の回動はリンク１５（矢印X₁方
向に移動する）及び歯車列１６を介して伝達さ
れ、ローデイングアーム１７がピン１８を中心に
反時計方向に二点鎖線で示す位置まで回動する。

従つて、前記ローデイングアーム１３，１７の
回動により、ポール１９，２０がカセツト収納部
４内に収納されている小型テープカセツト５より
磁気テープ２１を引き出し、アダプタ１内でテー
プローデイング動作が行なわれ、標準形テープカ
セツトの前面側テープパスに対応するテープパス
２２が形成されることになる（ローデイング完了
位置）。アダプタ１はこの状態で、標準形テープ
カセツトの場合と同様に、標準形記録再生装置に
装着されて、小型テープカセツト５の磁気テープ
２１に対して記録再生が行なわれる。

また、アダプタ１を使用後、小型テープカセツ
ト５を収納部４より取り出す際には、回動操作部
材７を反時計方向に操作する。この操作により、
特殊チエーン１１が固定ガイド板１２より繰り出
されて、アーム１３が反時計方向に回動し、更に
はリンク１５（矢印X₂方向に移動する）、歯車列
１６を介してアーム１７が時計方向に回動し、更
には操作ノブ７の回動が歯車列２３を介して小型
テープカセツト５内の巻取リール２４に伝達さ
れ、これが時計方向に回転してテープを巻き取
る。これにより、テープ２１がカセツト５内に巻
回収納されてテープアンローデイングが行なわれ
る（アンローデイング完了位置）。この後、トツ
プカバー６を開いて小型テープカセツト５を押し
上げて収納部４より取り出す。

次に本考案の要部であるテープローデイング・
アンローデイング操作ノブ機構の構成及び動作に
ついて説明する（第３図乃至第６図参照）。

回動操作部材７は、第３図及び第４図に示すよ
うに、回動操作部材７の周縁６０がアダプタ筺体
２の右側面２ｂの窓６１より突出するように配設
してある。

操作者は指先を回動操作部材の周縁部６０に当
てがつて引いたり押したりして操作し、回動操作
部材７は軸６２を中心に回動する。

円弧状操作部６０の反時計方向端近傍（磁気テ
ープ２１がローデイング完了位置にある時に、ア
ダプタ筺体２の窓６１より外部に突出する部分）
は凹部６３としてあり、時計方向端時計方向端近
傍（磁気テープ２１がアンローデイング完了位置
にある時に、アダプタ筺体２の窓６１より突出す
る部分）は第５図に併せて示すように薄肉鍔部６
４としてある。凹部６３及び薄肉鍔部６４は夫々
操作者に指先触感の変化を与えて、ローデイング
及びアンローデイング動作の終了が近いことを感
知させる作用するように、その他の部分とは指先
への感触が異なる形状とされている。

また、回動操作部材７の下面は凹部６５となつ
ており、この内周壁面はカムローラ６６と協働す
るカム面６７となつている。カム面６７は円弧面
の両端にＶ字溝６８，６９を有してなる。カムロ
ーラ６６は、ピン７０に軸支してありばね７１に
より時計方向に回動付勢されているレバー７２上
に支持されている。回動操作部材７は、ローデイ
ング開始前（アンローデイング完了後）は、第３
図に示すように、カムローラ６６がＶ字溝６８内
に嵌合してクリツク的にロツクされ、ローデイン
グ完了後は、第４図に示すように、カムローラ６
６が別のＶ字溝６９内に嵌合して同様にクリツク
的にロツクされる。特にローデイング完了後で
は、凹部６５と平坦面７３とが窓６１内に並び、
回動操作部材の周縁部６０はアダプタ筺体２より
突出しない状態となる。

ここで、Ｖ字溝６８はカムローラ６６に比べて
大としてあり、カムローラ６６は回動操作部材７
を第３図の位置より比較的大なる角度回動させた
後にＶ字溝６８より抜け出す。このため、ローデ
イング操作を少し行なつた状態では、カムローラ
６６はなおもＶ字溝６８の傾斜面６８ａを押圧し
ており、こり段階で回動操作部材の周縁部６０よ
り指先を離すと、回動操作部材７はその回動位置
に留まらずに、カムローラ６６の作用で元の位置
まで回動復帰する。これにより、多少動き出した
ローデイング機構も元の状態に戻る。またアンロ
ーデイング操作を終了近傍まで行なうと、カムロ
ーラ６６がＶ字溝６８内に一部入り込み、以後は
指先を回動操作部材７より離しても、回動操作部
材７はカムローラ６６の作用で自動的にアンロー
デイング完了位置まで回動し、ローデイング機構
は確実にアンローデイング完了状態となる。

また、回動操作部材７の上面の所定位置に、
「START」文字７４と「END」文字７５とが印
されており、文字７４はローデイング開始前及び
アンローデイング完了時に窓７６より覗出してア
ダプタ１がローデイング開始前又はアンローデイ
ング完了状態にあることを表示するようにしてい
る。別の文字７５はローデイング完了時に窓７６
より覗出して、アダプタ１がローデイング完了状
態にあることを表示する。

また、第６図に示すように、回動操作部材７の
上面に文字７４，７５の他に、梨地パターン７７
を印することもできる。この梨地パターン７７は
両文字間に円弧状に幅を変えて形成してある。こ
の操作ノブ７Ａの場合には、ローデイング開始前
（アンローデイング完了）及びローデイング完了
の他に、梨地パターン７７の幅の変化状態よりロ
ーデイング動作の進行状態も表示出来る。

上述の如く、本考案によれば、略円形の回動操
作部材をその周縁部をアダプタ筺体より外部に突
出させて設けた構成であるため、これを回動操作
するときには、周縁部のうち指先を当てがう位置
を順次移しつつ引いたり押したりする操作を行な
うことにより、且つこの略円形の操作部材の周縁
部のうち、テープローデイング完了位置又はアン
ローデイング完了位置にあるときに外部に突出す
る近傍部分を、その他の部分とは指先の感触が異
なる形状としてなる構成であるため、操作者は回
動操作部材を操作完了位置近傍まで操作すると指
先の感触で操作が最終段階に到つたことを感知す
ることが出来、然して操作上の注意が捉されて、
それまで勢い良く操作してきた場合にも操作力を
加減してローデイング機構を大なる衝撃を伴わず
に最終位置に到らしめることが出来、テープロー
デイング機構を破損させたり、テープを痛めたり
することもなく、使い勝手が良くなり、また触覚
的に感知させるため、例えば、よそ見をしながら
操作した場合にも操作完了位置近傍に到つたこと
を感知させることが出来、目盛等に基づく目視に
よる場合に比べて、使い勝手が良いという特長を
有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案になる小型テープカセツト用ア
ダプタの一実施例の平面図、第２図は第１図のア
ダプタ内に収納される小型テープカセツトの一例
の斜視図、第３図及び第４図は夫々操作ノブ機構
のローデイング操作前及びアダプタ操作完了後の
状態を一部を断面して示す平面図、第５図は操作
ノブの形状を示す第３図中−線に沿
う断面図、第６図は操作ノブの変形例を示す平面
図である。 １……テープカセツト用アダプタ、２……アダ
プタ筺体、３……前側蓋、４……小型テープカセ
ツト収納部、５……小型テープカセツト、６……
トツプカバー、７……回動操作部材、８……カセ
ツト筺体、９……蓋、１０……ピン、１１……特
殊チエーン、１２……固体ガイド板、１３，１７
……ローデイングアーム、１４，１８……ピン、
１５……リンク、１６，２３……歯車列、１９，
２０……ポール、２１……磁気テープ、２２……
テープパス、２４……巻取リール、６０……回動
操作部材の周縁部、６１……窓、６２……軸、６
３……凹部、６４……薄肉鍔部、６５……凹部、
６６……カムローラ、６７……カム面、６８，６
９……Ｖ字溝、７０……ピン、７１……ばね、７
２……レバー、７３……平坦面、７４……
「START」文字、７５……「END」文字、７６
……窓、７７……梨地パターン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 標準形テープカセツトより小型のテープカセツ
   ト５を標準形テープカセツト用記録再生装置に装
   着するときに用いられる小型テープカセツト用ア
   ダプタ１であつて、 略円形の回動操作部材７と、 該回動操作部材７を一方向に回動操作すること
   により、上記小型テープカセツト用アダプタ１内
   の上記小型テープカセツト５内に収納されている
   テープ２１を標準形テープカセツトのテープパス
   ２２に対応したローデイング完了位置へ引き出
   し、上記回動操作部材７を逆方向に回動操作する
   ことにより、前記ローデイング完了位置にあるテ
   ープ２１を小型テープカセツト５内に収納された
   アンローデイング完了位置へ戻す、上記回動操作
   部材７と連動したローデイングアーム１３，１７
   からなるテープローデイング機構とを有し、 上記回動操作部材７を、その周縁部６０に指先
   を当てがつて動かすことができるように上記周縁
   部６０の一部が上記アダプタの筺体２より外部に
   突出するように設け、且つ上記回動操作部材７の
   周縁部６０のうち前記テープ２１が前記ローデイ
   ング完了位置近傍又は前記アンローデイング完了
   位置近傍にあるときに上記筺体の外部に突出する
   近傍部分６３，６４を、その他の部分とは指先へ
   の感触が異なる形状としたことを特徴とする小型
   テープカセツト用アダプタ。