JPH06141678A - きのこ培養法及びそれに用いるきのこ培養袋 - Google Patents

きのこ培養法及びそれに用いるきのこ培養袋

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JPH06141678A
JPH06141678A JP4327405A JP32740592A JPH06141678A JP H06141678 A JPH06141678 A JP H06141678A JP 4327405 A JP4327405 A JP 4327405A JP 32740592 A JP32740592 A JP 32740592A JP H06141678 A JPH06141678 A JP H06141678A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フィルム状材からなる収容材の表面に、エン
ボス加工等により凹凸模様を形成させたきのこ培養袋を
用い、このきのこ培養袋にきのこ培地を充填する工程
と、上記収容材ときのこ培地とを加熱滅菌する工程と、
上記きのこ培地にきのこ種菌を接種する工程と、上記収
容材の開口部を閉じて培養する工程とを行う。 【効果】 フィルム同士の結着や、ヒートセットによる
フィルムの硬化を防止し、きのこ培養袋の開閉を容易に
し、作業の自動化を促進することができる。また、フィ
ルム同士もしくはフィルムと培地とが密着することを抑
制でき、酸素の供給や炭酸ガス等の排出、呼吸に伴って
生じる分解水の蒸散を効率的に行え、よって、きのこの
良好な生育が図れ、栽培期間の短縮、子実体の収量の増
大が行える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、良好にきのこを量産し
得るきのこ培養法及びそれに用いるきのこ培養袋に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、きのこの人工栽培は、榾木を用
い、農家において零細的に行われているが、現在、工業
的生産工程において量産することが考えられている。例
えば、えのき茸やひら茸等では、瓶にきのこ培地を詰
め、これに種菌を接種し培養して栽培することが行われ
ている。しかしながら、このような瓶栽培は、えのき茸
やひら茸のようなきのこには適用できるものの、なめ
こ、まいたけ、しいたけ等では、瓶の口が狭く、ここか
らきのこを採取することができないために適用できな
い。そのため、上記なめこ、まいたけ、しいたけ等の人
工栽培では、培養袋を用い、その袋内に培地を詰め、き
のこ種菌を接種して袋の開口部を閉じ、これを培養した
後、袋の肩口を破って菌床を取り出し、きのこを発生さ
せることが行われている。
【0003】このようなきのこ培養袋を用いての人工栽
培は、例えば、図1に示すようなプラスチックフィルム
製の透明な培養袋1を用い、その上部開口をリング状の
肩口キャップ2内を通して外側に折り返し、その状態
で、内部にフィルター3を有するキャップ4を肩口キャ
ップ2に嵌着して密封し、培養袋1内部に雑菌を侵入さ
せないようにして培養することが行われている。この場
合、外気は、上記キャップ4に設けられているフィルタ
ー3を通し、雑菌を除かれて培養袋1内に入るようにな
っている。しかしながら、このように培養袋1の上部を
肩口キャップ2内に入れた後、外側に折り返し、そこに
フィルター3内蔵のキャップ4を嵌着するという操作は
煩雑であり、自動化はなかなか困難である。
【0004】そこで、上記の肩口キャップ2、キャップ
4のセットに代えて、図2に示すような、袋6の一部に
フィルター3を装着し、その袋6内にきのこ培地5を充
填した後、上部を密封して使用するきのこ培養袋6や、
プラスチックフィルム製袋の一部に微細孔を形成させ、
その微細孔にフィルター作用をもたせて雑菌の侵入を防
止するきのこ培養袋(実公昭57−22518号公
報)、また、2枚以上の多孔性合成樹脂シートできのこ
培養基を被覆し、きのこを栽培する方法(特公平2−5
7886号公報)等、様々なきのこ培養袋もしくは栽培
法が提案されている。例えば、図2に示すフィルター付
培養袋を用いてのきのこ培養基の培養は、まず、培養袋
を開封してきのこ培地を充填した後開口部を閉じ、加熱
滅菌した後、再度培養袋を開封し、きのこ種菌を接種し
た後、再度開口部を閉じて上部をシールし、培養すると
いう工程をとる。
【0005】更に、培養袋の密封を安価になし得る培養
法として、図3に示すように、ポリプロピレンフィルム
製透明袋からなる培養袋1の上部開口7を一文字状に閉
じて、ミシンで縫合し、開口部を糸8で閉じる方法(特
公平4−7651号公報)及び図4に示すように、培養
袋1の内外部を連通する空気流路9を残してヒートシー
ル10する方法(特公平3−71085号公報)があ
る。上記改良された培養袋を用いたり、縫合や空気流路
を残したヒートシール等によりきのこ培養袋を密封した
りすることにより、きのこ培養基製造の際、肩口キャッ
プセットを用いる場合の煩雑な操作をある程度簡易な作
業へ改善することが可能となった。
【0006】しかしながら、上記培養袋を用いて、自動
化によるきのこ培養基の量産を行う場合、培養袋として
用いるプラスチックフィルムが持つ特性として、フィル
ムを相互に重ね合わせたとき、静電気や、培地の水分、
真空圧等により、密着性が高くなり、培養袋を開封する
操作が極めて難しくなる。
【0007】また、きのこの人工栽培においては、目的
とするきのこ菌糸のみを純粋培養するために、きのこ培
地を加熱滅菌するが、このとき、培養袋として用いるプ
ラスチックフィルムも加熱されるので、フィルムが硬化
(ヒートセット)し、培養袋を開封する操作は、更に困
難となる。また、一度ヒートセットしたプラスチックフ
ィルムは、柔軟性が無く、ヒートセットされた状態へ戻
ろうとする傾向があるので、手作業で、フィルム同士の
結着を引き剥がすことに労力を要し、しかも、きのこ種
菌を接種した後、フィルムを閉じる際、フィルムが硬化
し、折り癖が付いているため作業が一定化できず、その
後の工程での自動化を妨げる要因となる。
【0008】また、きのこの菌糸は、培養袋に設けられ
たフィルター等の通気部分を介して呼吸を行い生長する
が、培養の長期継続により、成育に必要な酸素の欠乏、
発生する炭酸ガス等の呼吸ガスの滞留が生じ、しばし
ば、著しい菌糸生長の低下や、トリコデルマ等の有害菌
による汚染が発生する。更に、きのこ菌の呼吸作用によ
って生じる分解水(呼吸生成水)が、きのこ培養基内空
隙部に充満し、上記傾向は助長される。この現象は、従
来、フィルター等の培養袋通気部の通気不足と考えら
れ、往々にして、フィルター等の通気部の仕様を高額化
せしめ、ひいては、それが製造されるきのこのコストを
上昇させる結果となっていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、本発明者らは、用い
るプラスチックフィルム等の収容材の表面に、エンボス
加工等で凹凸模様を形成させることにより、フィルムを
相互に重ね合わせた際に、密着性を引き起こす要因とな
るフィルム同士の接触面積を適度に調整し、収容材の開
閉作業を容易にすると共に、きのこ培地を加熱殺菌する
際に生じるプラスチックフィルムのヒートセットを適度
に緩衝し、フィルムに柔軟性を維持させることができ、
加熱殺菌後の工程の自動化を可能ならしめることを見出
した。
【0010】また、きのこの培養という側面から、きの
こ菌糸の生育不良の現象は、培養袋のプラスチックフィ
ルムが持つ密着性という特性により、フィルム相互の密
着による、培養基内の空気の循環不足であることを解明
し、上記のように、プラスチックフィルムの表面に凹凸
模様を付けることにより、フィルム同士が密着すること
により生じる空気流路の遮断を防止することを可能とし
た。更に、フィルム全面に凹凸模様を設けると、フィル
ム同士の空隙のみならず、フィルムときのこ培地との間
に形成される空隙をコントロールすることも可能とし
た。これにより、きのこの培養に際し、呼吸に必要な酸
素の供給、培養からの炭酸ガス等の排出を程よく行い、
また、きのこ菌糸の呼吸によって生じる分解水(呼吸生
成水)の蒸散及び分解熱の発散を効率的に行い、いわゆ
る、培養基内のムレ現象を防止し、短期間に安定して培
養が行え、収量よくきのこの子実体を得ることができる
ことを見出した。
【0011】本発明の目的は、自動化によるきのこ培養
基の量産も可能で、しかも、きのこのコストの低減を実
現でき、かつ、安定してきのこを培養することができる
きのこ培養法及びそれに用いるきのこ培養袋を提供する
にある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、フィルム
状材からなる収容材にきのこ培地を充填する工程と、上
記収容材ときのこ培地とを加熱滅菌する工程と、上記き
のこ培地にきのこ種菌を接種する工程と、上記収容材の
開口部を閉じて培養する工程とを備えたきのこ培養法で
あって、上記収容材として、表面に凹凸模様が形成され
ている収容材を用いることを特徴とするきのこ培養法、
並びに、フィルム状材からなり、表面に凹凸模様が形成
されていることを特徴とするきのこ培養袋によって達成
される。
【0013】次に、本発明を詳しく説明する。まず、本
発明に使用する収容材(きのこ培養袋)は、フィルム状
材からなり、その表面に凹凸模様が形成されている。上
記収容材の材質は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等のプ
ラスチックフィルムが挙げられ、それらを2種以上組み
合わせてもよい。また、これらと、アルミ箔等の金属箔
とを貼り合わせたもの、ナイロン、綿、ガラス等の繊
維、不織布、紙等を組み合わせたものでもよい。
【0014】また、凹凸模様の形成は、例えば、上記プ
ラスチックフィルムに、彫刻した板またはロール型を押
して、凹凸模様を付けるエンボス加工を施したり、或い
は、予め、金属箔やプラスチックフィルムに型押しし、
他の材料との貼り合わせたりすることによって行う。ま
た、繊維、不織布、紙、マニラ麻またはジン皮繊維、化
学パルプ等を貼り合わせた薄葉紙等が持つ、梨子地、絹
目、布目等の自然の凹凸模様を利用して、収容材の表面
を加工するようにしてもよい。その際、型押しする凹凸
のエッジ、マーキングの圧力等により、培養袋にピンホ
ールができないように注意することは言うまでもない。
【0015】上記収容材の凹凸模様は、梨子地、絹目、
布目、水紋、ストライプ、格子目等が挙げられ、適宜選
択して凹凸模様を形成させればよい。また、図5(a)
に示すように、全体に凹凸模様を形成させてもよいし、
図5(b)〜(e)に示すように、凹凸模様部分11と
加工を施さない平滑な部分12とを組み合わせてもよ
い。また、上記凹凸模様は、袋開口部付近に設けるだけ
でもよいが、袋全面に設けることが好ましい。また、上
記凹凸模様の厚みは、通常、1mm以下とすればよい。
【0016】上記凹凸模様を有するフィルム状材で、有
底筒状、有底角状、筒状等に成形された培養袋を用い、
きのこ培養法は、例えば、次のようにして行う。すなわ
ち、まず、鋸屑、米糠等を混合し、加水して水分調整さ
れたきのこ培地を、培養袋に充填する。そして、全体の
形を整え、袋の上部を一文字状に閉じ合わせて、培地に
沿って折り曲げた後、加熱滅菌器に入れて滅菌する。ま
たは、充填後滅菌するのではなく、きのこ培養袋及びき
のこ培地の双方を、予め、別々に滅菌し、その後、培養
袋にきのこ培地を充填するようにしてもよい。
【0017】次いで、滅菌終了後、冷却室(クラス10
万程度)に入れる。この冷却室内で25℃以下に冷却し
た後、所望のきのこ種菌を接種する。このようにしてき
のこ種菌の接種を終えたものに対して、きのこ培養袋の
開口部を閉じ、培養する。
【0018】開口部を閉じる方法は、図1のキャップ、
図2のフィルター付き培養袋、図3の糸での密封、図4
の空気流路を残したヒートシール、培養袋上部の折り曲
げ等、従来行われている方法により適宜行えばよい。ま
た、上記一連の操作は、手作業により行っても、機械に
よって自動化により行ってもよい。
【0019】上記のように、表面に凹凸模様を形成させ
たきのこ培養袋を用いることにより、煩雑な手作業を開
放し、自動化も容易に達成され、きのこ培養基の量産が
可能で、しかも、きのこのコストの低減を実現でき、更
に、きのこの培養においても、短時間に安定して培養す
ることが可能となる。
【0020】上記用いられるきのこ培地の原料は、例え
ば、鋸屑等の木質原料、バガス、籾殻、わら、ビートパ
ルプ、コーンコブ等の植物繊維質原料等の1種または2
種以上を主原料とし、これに、米糠、麸、糖蜜、大豆
粕、ビール粕、魚粉等の栄養物質を加えたものが挙げら
れ、通常のきのこの栽培に用いられているものであれば
よい。
【0021】また、本発明の対象となるきのことして
は、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、しいたけ、まいた
け、たもぎたけ、くりたけ、まんねんたけ、ぬめりすぎ
たけ、はたけしめじ、ときいろひらたけ、むきたけ、や
なぎまつたけ、やまぶしたけ、まつおうじ、ぶなはりた
け等が挙げられる。
【0022】次に、全面に梨子地のエンボス加工を行っ
たきのこ培養袋13を用い、培養袋上部開口を一文字状
に閉じ合わせ、フィルムを重合させたときの重合部分
を、図6に示す。図6に示すように、重合面S上での培
養袋13相互の密着は、矢印Pで示されるように、空気
路14を残してスポット的に接触しているだけで、平滑
なフィルムに比べて、密着している面積は減少してい
る。従って、フィルムの開閉作業が容易となる。また、
加熱滅菌時のフィルムのヒートセットを適度に緩和し、
柔軟性を維持することができ、滅菌、冷却後のフィルム
開閉を容易にして、手作業を簡易にするだけでなく、自
動化も可能とする。
【0023】また、これまでのフィルムは、静電気や、
空気中の水分、温度により、フィルムの性質が微妙に異
なり、例えば、きのこ培地をきのこ培養袋に充填する際
の培養袋の供給作業においても、培養袋の滑り方や結着
性が違い、機械的に安定して供給することができなかっ
たが、本発明により、フィルムの性質が前述の静電気や
水分、温度等に影響されなくなり、培養袋の供給作業を
安定化することができる。
【0024】更に、きのこの培養の面からは、例えば、
図6において、培養袋13は、重合面Sで、矢印Pのよ
うに、スポット的に接触しているが、この状態は同時に
空気路14を形成する。空気路14は、フィルム相互の
密着性を調整し、積極的にきのこの呼吸に必要な酸素の
供給や炭酸ガス等の排出及び呼吸に伴って生じる分解水
の蒸散が充分かつ安定して行われ、従って、きのこの生
育が促進され、しかも、ばらつきが少なく、ひいては、
収穫されるきのこの収量も安定するものである。また、
培養袋全面に凹凸模様を設けると、フィルム相互の密着
性のみならず、フィルムときのこ培地との密着性も調整
できるので、より好適である。
【0025】この空気路14は、エンボス加工に用いる
型押しの模様により、空気の流路を連続的にも断続的に
もすることができ、フィルムの皺を人工的に、しかも、
安定して付けるものである。これまでは、このフィルム
の皺が適度に付けば、フィルム相互や培地との間に、良
好な間隙ができ、きのこが順調に生育したが、皺が付か
なければ、きのこの生育は遅延し、逆に、皺が付き過ぎ
れば、有害菌による汚染が生じていた。本発明により、
これらのばらつきを適度に調整することが可能となる。
【0026】更に、図7に示すように、フィルムの凹凸
模様の形だけでなく、凹凸模様を付けた部分と、図中x
で表す従来の平滑な部分の面積を変えることにより、フ
ィルムの密着性を調整してもよい。また、有害菌の侵入
に関しては、図6に示す空気路14は微細であるため
に、例えば、図1〜図4のような開口部を閉じる方法を
用いても、何ら汚染に関し、従来のフィルムと変わるも
のではない。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明は、きのこ培養袋
として用いるフィルムの表面に、凹凸模様を付けること
により、静電気、空気中の水分、温度等によるフィルム
の結着や、柔軟性の差異、あるいは、加熱滅菌時に生じ
るフィルムのヒートセットを防止し、その結果、きのこ
培養袋の開閉及び供給、搬送等の作業を簡易にすること
ができ、これまで手作業でしかなし得なかった、きのこ
培養袋を用いたきのこ培養基の製造において、自動化も
行え、大量生産を実現し得る。
【0028】また、本発明により、好気的な性質を持
つ、なめこ、まいたけ、しいたけ等のきのこの呼吸に必
要な酸素の供給や炭酸ガス等の排出、呼吸に伴って生じ
る分解水の蒸散を効率的に行うため、安定した培養を行
うことができ、きのこは旺盛に生育し、栽培期間を短縮
するだけでなく、子実体の収量を増大させ得、きのこの
コストの低減を実現できる。しかも、凹凸模様成形で生
じる空気流路は、微細であるため、有害菌による汚染頻
度は何ら従来の培養袋と変わるものではない。
【0029】次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。 (実施例1)円筒形に押し出し成形された直径12c
m、厚み50μのポリプロピレン製透明プラスチックフ
ィルムにエンボス加工を施し、図5(a)に示すよう
に、全面に、梨子地の凹凸模様を施した。この円筒フィ
ルムを長さ35cmに切断し、フィルムの一端側を、そ
の折り部分が中央部で接触するように、ガゼット折り込
みをして底部をヒートシールすることにより、きのこ培
養袋を作成した。そして、この培養袋に適当な穴を開
け、フィルターを装着することにより、図2に示すフィ
ルター付培養袋とした。
【0030】次に、このきのこ培養袋に、鋸屑、米糠を
10対3の割合で混合し、これに水を加えて水分調整し
た培地を、1kg充填した。そして、全体の形を整え、
袋の上部を一文字状に閉じ合わせて、培地に沿って折り
曲げた後、これを、121℃で120分間加圧高温滅菌
し、その後、冷却室で培地温度が25℃になるまで、冷
却した。次いで、植菌作業を実施し、その際、植菌作業
者に、加熱滅菌後のヒートセットされた培養袋の開封性
の難易度を5段階評価してもらった。
【0031】また、培養袋を開封し、まいたけ鋸屑種菌
を5g接種し、培養袋の上部開口を再び一文字状に閉じ
合わせ、ヒートシールで密閉するという一連の操作につ
いて、植菌作業者が単位時間当たり処理できた培地数量
を調べた。そして、上記密封培養袋を培養室に移し、培
養を行った。この培養室は、20〜25度、90%湿度
に管理されていて床面が清潔に保たれていた。また、培
養時の評価は、落下菌によるコンタミ数と菌糸生長の状
態を検査し、検体数は300本とした。
【0032】(実施例2〜4、比較例1)透明プラスチ
ックフィルムのエンボス加工を、図5(d)に示すよう
に、ストライプ柄とし、梨子地の凹凸模様部分11と平
滑部分12との面積比率を、表1に示すようにし、その
他は実施例1と同様にして、測定及び培養を行った。表
1に、植菌作業時の測定結果と培養結果を示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果から、きのこ培養袋の一部に凹
凸模様を形成させることにより、加熱滅菌後のヒートセ
ットされた培養袋の開口部分を容易に開封することがで
き、しかも、折り癖が少ないために、時間当たりの作業
性が極めて向上していることがわかる。また、実施例の
きのこ培養基は、いずれも落下菌によるコンタミ数が少
なく、かつ、菌糸蔓延の速度が早いことがわかる。
【0035】(実施例5)円筒形に押し出し成形され
た、直径12cm、厚み50μのポリエチレン製プラス
チックフィルムをエンボス加工し、図5(a)に示すよ
うに、全面に、布目の凹凸模様を施した。この円筒フィ
ルムを長さ35cmに切断し、フィルムの一端側をその
折り部分が中央で接触するように、ガゼット折り込みを
して底部をヒートシールすることにより、きのこ培養袋
を作成した。
【0036】次に、このきのこ培養袋に、鋸屑、米糠を
4対1の割合で混合し、これに水を加えて水分調整した
培地を1kg充填した。そして、全体の形を整え、袋の
上部を一文字状に閉じ合わせて培地に沿って折り曲げた
後、これを、121℃で120分間加圧高温滅菌し、そ
の後、冷却室で培地温度が25℃になるまで、冷却し
た。次いで、しいたけ鋸屑種菌を5g接種し、培養袋の
上部開口を図3に示すように、ミシン機で2列に縫い合
わせて開口部を閉じた。縫合におけるミシン糸は、綿糸
を用いた。そして、20〜25℃、90%湿度に管理さ
れた培養室へ移動し、培養を行った。
【0037】(実施例6)培養袋の上部開口の密封を図
4に示すように、空気流路を残した状態でヒートシール
した。それ以外は実施例1と同様にして培養を行った。
【0038】(実施例7)市販肩口キャップを使用する
と共に、スポンジフィルター付キャップを用い、図1に
示すようにして、培養を行った。
【0039】(比較例2〜4)エンボス加工をせず、従
来の表面が平滑なポリエチレン製きのこ培養袋を用い
た。それ以外はそれぞれ実施例5〜7と同様にして培養
を行った。
【0040】以上の実施例及び比較例における落下菌に
よるコンタミ数と菌糸生長の状態を検査した。また、し
いたけ発生収率を調べた。その結果を表2に示す。尚、
それぞれの実験は、300の培養袋を用いて行った結果
を示している。
【0041】
【表2】
【0042】表2の結果から、実施例5〜7は、それぞ
れ比較例2〜4と比較して、落下菌によるコンタミ数
は、同程度であり、菌糸蔓延時間を短縮し、従って、し
いたけ菌糸は旺盛に生育し、また、しいたけ子実体の収
量が増収したことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】きのこ培養基の一例を示す説明図。
【図2】きのこ培養基の一例を示す説明図。
【図3】きのこ培養基の一例を示す説明図。
【図4】きのこ培養基の一例を示す説明図。
【図5】本発明のきのこ培養袋の凹凸模様形成の一実施
態様を示す説明図。
【図6】本発明のきのこ培養袋の重合部分の拡大説明
図。
【図7】本発明のきのこ培養袋の重合部分の一実施態様
を示す拡大説明図。
【符号の説明】
1 培養袋 5 きのこ培地 11 凹凸模様部分 12 平滑な部分 13 エンボス加工培養袋 14 空気路

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム状材からなる収容材にきのこ培
    地を充填する工程と、上記収容材ときのこ培地とを加熱
    滅菌する工程と、上記きのこ培地にきのこ種菌を接種す
    る工程と、上記収容材の開口部を閉じて培養する工程と
    を備えたきのこ培養法であって、上記収容材として、表
    面に凹凸模様が形成されている収容材を用いることを特
    徴とするきのこ培養法。
  2. 【請求項2】 フィルム状材からなり、表面に凹凸模様
    が形成されていることを特徴とするきのこ培養袋。
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