JPH0851861A - きのこの培養方法及びそれに用いるきのこ培養袋 - Google Patents

きのこの培養方法及びそれに用いるきのこ培養袋

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JPH0851861A
JPH0851861A JP6211758A JP21175894A JPH0851861A JP H0851861 A JPH0851861 A JP H0851861A JP 6211758 A JP6211758 A JP 6211758A JP 21175894 A JP21175894 A JP 21175894A JP H0851861 A JPH0851861 A JP H0851861A
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JP
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sheet
mushroom
sheets
bag
culture
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JP6211758A
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Inventor
Keiji Iguchi
圭二 井口
Takahiko Baba
隆彦 馬場
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KAWAKAMI SHOJI KK
NIDAIKI KK
Kanebo Ltd
Original Assignee
KAWAKAMI SHOJI KK
NIDAIKI KK
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】きのこの生育を早期にバラツキなく実現できる
きのこの培養方法及びそれに用いるきのこ培養袋を提供
する。 【構成】2枚以上の通気性シートを用い、各隣接するシ
ート間を散在状に施した接着剤で接着固定させる。そし
て各シート間に形成された空気層を介して、袋の内外を
通気させる包装シートで培養基を被覆し、きのこを培養
する。空気層を介することにより、通気性が向上すると
共にシート間を接着する接合部分が空気流通の障害物構
造となることで雑菌の浸入を阻止することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、きのこの生育を早期に
バラツキなく、しかも低価格で実現できるきのこの培養
方法及びそれに用いるきのこ培養袋に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、きのこの人工栽培は、榾木を用
い、農家において零細的に行われているが、現在、工業
的生産工程において量産することが考えられている。例
えば、えのき茸やひら茸等では、瓶にきのこ培地を詰
め、これに種菌を接種し培養して栽培することが行われ
ている。しかしながら、このような瓶栽培は、えのき茸
やひら茸のようなきのこには適用できるものの、なめ
こ、まいたけ、しいたけ等では、瓶の口が狭く、ここか
らきのこを採取することが困難なため適用できない。そ
のため、上記なめこ、まいたけ、しいたけ等の人工栽培
では、培養袋を用い、その袋内に培地を詰め、きのこ種
菌を接種して袋の開口部を閉じ、これを培養した後、袋
の肩口を破って菌床を取り出し、きのこを発生させるこ
とが行われている。
【0003】このようなきのこ培養袋を用いての人工栽
培は、例えば、図8に示すようなプラスチックフィルム
製の透明な培養袋7aを用い、その上部開口部に、該開
口をリング状の肩口キャップ90内に通してそれを外側
に折り返し、その状態で、内部にフィルター8を有する
キャップ100を肩口キャップ90に嵌着して密封し、
培養袋7a内部に雑菌を侵入させないようにして培養す
ることが行われている。これにより、外気は、上記キャ
ップ100に設けられているフィルター8を通して流入
するため、雑菌がここで除去されて培養袋8内に入るよ
うになっている。しかしながら、このように培養袋7a
の上部にフィルター内蔵のキャップ100を嵌着する方
法では、その組立が煩雑であり自動化が困難であるとい
う問題点があった。
【0004】そこで、上記の肩口キャップ90、キャッ
プ100のセットに代えて、図9に示すような、袋7b
の一部にフィルター13を装着し、その袋7b内にきの
こ培地20を充填した後、上部を密封14して使用する
きのこ培養袋7bが提案されている。
【0005】この場合、前述した肩口キャップセットを
用いる場合に比し、きのこ培養基製造に関わる作業が大
巾に改善される。しかしながら、上記した培養袋は、菌
糸の生長に必要な通気部分に高価なフィルターを設けて
いるため余り安く作ることが出来ない。一般に、きのこ
の人工培養は連続的に工場で大量に生産され、しかも、
培養後は該袋は廃棄されるものであるため、培養袋は出
来るだけ安価であることが好ましい。
【0006】そこで、この問題点を解決するために、こ
のような袋にフィルターを接着する方法に代えて、プラ
スチック袋の一部に微細孔(0.02〜0.4μ)を形
成し、その微細孔にフィルター作用をもたせて雑菌の侵
入を防止するというキノコ培養袋が提案されている(実
公昭57−22518号)。又、培養基を被覆する包装
シートが2枚以上の多孔性合性樹脂シートからなり、か
つ隣接するシート間において一方のシートの各孔が他方
のシートの各孔とそれぞれ実質的に重複しないもので形
成されている培養袋(特公平2−57886号公報)も
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た前者キノコ培養袋(実公昭57−22518号)は、
その微細孔がプラスチック袋の袋材の厚み方向に形成さ
れており、上記袋材の厚みは極く薄いものであるため、
微細孔の長さも必然的に極く短くなって充分な濾過距離
をとることができず、雑菌の侵入を有効に阻止しえない
という大きな欠点を有している。そのうえ、上記の微細
孔ではキノコ菌糸を培養するに充分な通気(酸素の吸
入、二酸化炭素の排出)を実現することができず、逆
に、この酸素の供給と二酸化炭素の排出を一枚のプラス
チックフィルムの微細孔だけでまかなおうとすると、こ
の調整の困難さから培養基内水分の蒸発が促進されて培
養基が乾燥し、キノコの安定な培養に問題が生じる。ま
た上記容器は袋状であることから、微細孔と培地との間
に充分な空間が確保することができず、したがって、こ
の空間部分で内部呼吸によるガスと外部の空気との混合
がなされて、培養雰囲気の向上性が保たれることがな
く、しかもキノコ菌が蔓延して培地が膨張して微細孔が
塞がれるという事態の発生も生じる。
【0008】又、前述した後者の培養袋(特公平2−5
7886号公報)にあっては、2枚以上の多孔性合成樹
脂シートを、隣接するシート間に於て該シートの各孔が
実質的に重複しない包装シートとしたため、前者の様な
培養基水分の過蒸散による培養基の乾燥や、多孔性合性
樹脂シートの空気孔を介して培養基へ有害菌が侵入する
ことが防止されるが、隣接する多孔性シートは互いに摺
動可能に重ね合わせられているため、隣接するシートの
各孔が実質的に重複しない様に配置したとしても、柔軟
な該シートは培養基の収容状態、袋の折ぐせ等によりシ
ワが入ったりして、各孔が重複する場合が生じ、その結
果、実質的には前者と同様の問題点を生ずる。
【0009】更に、隣接するシート同士が内部の培養基
充填圧力により密着してしまうと、空気の流通が阻止さ
る。又、担子菌類の培養は、培養継続するに従って菌の
呼吸作用により培養基内水分の上昇がみられ、この呼吸
生成水が隣接するシート間隙に入り孔を防ぐため空気の
流通を著しく阻害すると共に雑菌が水を伝って容易に培
養内基に入り汚染を生じる。更に、このシートの密着
は、各培養基によって異なるため、培養のバラツキを生
じ、ひいては栽培の収量や品質のバラツキが生じ、安定
生産が不可能となる。
【0010】本発明は、上述した従来技術の問題点に鑑
みなされたもので、きのこの生育を早期にバラツキな
く、しかも低価格で実現できるきのこの培養方法及びそ
れに用いるきのこ培養袋を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、2枚以上
の通気性シートを多層に用い、各隣接するシート間を散
在状に施した接着剤で接着固定させて各シート間に空気
層を形成させた包装シートできのこ培養袋をつくり、こ
の培養袋にきのこ培養基を入れて殺菌し、さらにきのこ
種菌を接種した後、開口部を密封し、前記空気層を介し
て袋の内外を通気させながら培養することを特徴とする
きのこの培養方法によって達成される。
【0012】又、この培養方法を実現する袋は包装シー
トが、多孔性プラスチックシート、又は/及び合成繊維
からなる通気性シートを多層に用い、各隣接するシート
間を散在状に施した接着剤で接着固定させる各シート間
に空気層を形成させ、かつ隣接するシート間において一
方のシートの各孔が他方のシートの各孔とそれぞれ実質
的に重複しない配列であることを特徴とするきのこ培養
袋によって達成される。
【0013】
【作用】上記のように構成された通気性シートを多層に
用い、各隣接するシート間を散在状に施した接着剤で接
着させて各シート間に空気層を形成させた包装シートで
培養基を被覆し、栽培すると、袋内外の空気の流通は前
記空気層を介して行なわれるため、ここで雑菌が十分に
除去されると共に、きのこの菌糸の生育に必要な酸素の
供給及び生育に伴い発生する炭酸ガス等の除去が程よく
行なわれる。また、きのこの菌糸の呼吸作用により培養
基内に生成する余分な水分も適度に外気中に蒸散される
ので、培養基内は常に菌糸の生育に好適な環境となり、
培養基内を速やかに、かつ均一に菌糸が蔓延し、短期間
に収量良く子実体を得ることが出来る。
【0014】更に空気層だけではなく、各隣接する通気
性シートの各孔が互いに重複しない配列にすることによ
り、空気の流通を均一かつ安定して維持させながら、雑
菌の進入を効率よく阻止することが出来る。又、シート
間を接着する接合部分を迂回経路として障害物構造とす
ることで除菌を確実に達成させることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明する。本発明は、
2枚以上の多孔性の通気性シートを散在状に施した接着
剤で接着させて各シート間に空気層を形成させ、袋の内
外を各シート間の空気層を介して流通させる包装シート
で培養袋を構成させ、栽培することを特徴とするきのこ
の培養方法である。
【0016】この包装シートの構造の一例を図1に、
又、該シートの空気の流通経路の説明図を図2に示す。
これらの図に於て、2a,2bは多孔性プラスチックシ
ートで接合させるシート2a,2bの各孔が重複しない
状態にして一定の厚みの接着剤で接合される。したがっ
て、この接合されたシート2a,2bを介しての空気の
流通は、シート間に形成された空気層4を通して迂回さ
れた通路50a,50b,50c,50dを経由して流
通するため、雑菌の侵入を効率良く阻止することが出来
る。
【0017】ここに、本発明に用いるシートの材質とし
ては、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、又はそれらの共
重合体、ブレンドポリマー等の合成樹脂から形成された
フイルム及びシートが挙げられる。尚、それらの1種或
いは2種以上、又はそれらとアルミ箔などの金属箔をラ
ミネート(積層)したものも使用することができる。本
発明では、上記した合成樹脂シート上に、針を周壁に植
設したロール、またはルレットの、該針を突刺させて破
裂口又は亀裂口を形成するか、パンチ(Punch)に
より穿孔(突抜き)するか、カッターナイフのようなも
ので間歇的に切れ目を形成するかして、多孔性の通気性
シートを得る。
【0018】又、本発明に用いる通気性シートは、上記
の様に、合成樹脂シートに穴を穿設したものの他、ポリ
カーボネートシート、繊維、不織布、紙、マニラ麻等の
様な、素材本来が通気性を有するシートを用い、前記多
孔性合成樹脂シートと組み合せて用いても良い。又、多
孔性合成樹脂シート及び不織布等の孔径は、培養基の構
成素材、例えば鋸屑、糠等、が通過出来ない大きさとす
ることが好ましく、具体的には2mm以下が特に好まし
い。また孔の形状としては前記したように破裂口(亀裂
口)、穿孔及び切れ目等が挙げられるが、この内破裂口
(亀裂口)の場合、酸素ガス及び炭酸ガスの交換は該破
裂口(亀裂口)を通じて任意に行われるが通常は該破裂
口(亀裂口)が閉鎖しているので、外部から有害菌によ
る侵入が少なく、培養基が汚染されにくいので菌糸の培
養に長期間を必要とするきのこの種類に好適である。
【0019】そして、次に上記した多孔性の通気性シー
トを2枚重ね、各隣接するシート間を散在状に施した接
着剤で接着固定し、各シート間に空気層を形成させ包装
シートを得る。この場合、上下、左右、あるいは内外に
隣接するシート間において、一方のシートの各孔が他方
のシートの各孔とそれぞれ実質的に重複しないように相
互にずらした状態に配置して接着することにより、より
効率的に雑菌の侵入を防止できる。この様に本発明は、
上記の構成からなる包装シートを用いて培養袋を作り、
きのこ類の培養袋として用いると、菌糸の生育に必要な
酸素の供給及び生育に伴い発生する炭酸ガスの除去が程
よく行われ、又菌類の培養過程で呼吸作用により生成さ
れる余分な水分も適度に気中に蒸散されるので、培養基
内は常に菌糸の生育に好適な環境となり、菌糸培養を速
やかにし、短期間に安定して収量良く子実体を得ること
ができる。
【0020】そして、前記通気性シートを接着する接着
剤は、例えばウレタン系接着剤やポリエステル系接着剤
などのドライラミネーションや、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等の押し出しラミネーションなど特に限定する
ものではなく、又、シート同士が接着し易い様にアンカ
ーコート処理等をすることも可能である。又、この接着
剤の厚みは1mm以下が空気の流通及び水分の蒸散が程
よく行われ、しかも雑菌の侵入を防止出来るので好まし
い。
【0021】そして、この接着剤の配置及び形状は、図
3から図6にその態様を示す。図3の平面図に示す例
は、隣接するシートの各孔1a,1bが一列ずれた状態
で貼り合わされ、接着剤の形状を棒状にしたもので、空
気の流通は空気層4aを経由して流通する。次に、図4
(A)の平面図に示す例は、シートの各孔の配置は図3
と同様であるが、接着剤の形状をコ型にし、空気の流通
経路を更に迂回経路としたものである。次に図4(B)
の平面図に示す例は、隣接するシートの各孔1a,1b
をテレコに配置し、その各孔の四方を僅かの隙間を空け
て棒状の接着剤形状で接着したものである。
【0022】図5及び図6は、接着剤3にて接着された
通気性シート2a,2b間の断面構造を示すもので、図
5は、各シート2a,2bに多孔性合成樹脂シートを用
いた例である。図6(A)は、一方に通気性を有するポ
リカーボネートシート5、他方に多孔性合成樹脂シート
2bを用いた例である。又、図6(B)は、一方に凹凸
加工シートを、他方に多孔性合成樹脂シート2bを用い
た例を示し、空気層に制圧効果を持たせ、空気の流通を
均一にすると共に、水分の蒸散を効率化したものであ
る。又、きのこ培養袋として用いる包装シートの一面に
前記凹凸模様が形成されたシートを用いると、静電気、
水分等によりフィルム同士が結着しても、容易に剥離す
ることが出来るため、きのこ培養袋の開閉及び供給、搬
送作業が容易に行なえ、自動化が容易となる利点を有す
る。
【0023】この凹凸模様の形成は、例えば、通気性シ
ートに、彫刻した板またはロール型を押して、凹凸模様
を付けるエンボス加工を施したり、或いは、予め、金属
箔やプラスチックフィルムに型押しし、他の材料との貼
り合わせたりすることによって行う。また、繊維、不織
布、紙、マニラ麻またはジン皮繊維、化学パルプ等を貼
り合わせた薄葉紙等が持つ、梨子地、絹目、布目等の自
然の凹凸模様を利用して、収容材の表面を加工するよう
にてもよい。その際、型押しする凹凸のエッジ、マーキ
ングの圧力等により、培養袋にピンホールができないよ
うに注意することは言うまでもない。又、上記収容材の
凹凸模様は、梨子地、絹目、布目、水紋、ストライプ、
格子目等が挙げられ、適宜選択して凹凸模様を形成させ
ればよい。
【0024】そして、多孔性合成樹脂シートの孔の数
は、外気側のシートよりも培養基側のシート、特に培養
基に接するシートの方を多くした方が、雑菌防止に効果
があり均一に菌糸を蔓延させることができるので好まし
い。また通気性シートの枚数は多い程、即ち、2枚に比
べて3枚の方が、有害菌の侵入をより効果的に防止でき
る。
【0025】次に、多孔性の通気性シートは、図7
(A)の平面図に示すように、該通気性シートを全面に
用いても良いし、同図(B)又は(C)の平面図に示す
ように、培養袋7のタテ方向の一部の範囲に、あるい
は、培養基の上部空隙部にのみ設ける様にしても良く、
通気性シートの面積で通気量を調製することも可能であ
る。次に、この培養袋の形状は、特に限定しないが通常
一般に用いられているガセットタイプや、スタンディン
グパウチなどの袋形状が良く、必要に応じて開口部に密
封可能なチャック、等を取付けてもよい。また、開口部
をステップラー、ヒートシーラーなどによって接合して
も良いく、折り曲げてクリップや接着テープ,ホッチギ
ス,輪ゴムなどで簡易に留めることも可能である。
【0026】次に、本発明のきのこ培養法は、例えば、
次のようにして行う。まず、鋸屑、米糠等を混合し、加
水して水分調整されたきのこ培養基を、培養袋に充填す
る。そして、全体の形を整え、袋の上部を一文字状に閉
じ合わせて、培養基に沿って折り曲げた後、加熱滅菌器
に入れて滅菌する。または、充填後滅菌するのではな
く、きのこ培養袋及びきのこ培養基の双方を、予め、別
々に滅菌し、その後、培養袋にきのこ培地を充填するよ
うにしてもよい。次いで、滅菌終了後、冷却室(クラス
10万程度)に入れる。この冷却室内で25℃以下に冷
却した後、所望のきのこ種菌を接種する。このようにし
てきのこ種菌の接種を終えたものに対して、きのこ培養
袋の開口部を閉じ、培養する。上記用いられるきのこ培
養基の原料は、例えば、鋸屑等の木質材料、バガス、籾
殻、わら、ビートパルプ、コーンコブ等の植物繊維質原
料等の1種または2種以上を主原料とし、これに、米
糠、麸、糖蜜、大豆粕、ビール粕、魚粉等の栄養物質を
加えたものが挙げられ、通常のきのこの栽培に用いられ
ているものであればよい。
【0027】また、本発明の対象となるきのことして
は、えのきたけ、ひらたけ、なめこ、しいたけ、まいた
け、たもぎたけ、くりたけ、まんねんたけ、ぬめりすぎ
たけ、はたけしめじ、ときいろひらたけ、むきたけ、や
なぎまつたけ、ならたけ、やまぶしたけ、まつおうじ、
ぶなはりたけ等が挙げられる。
【0028】次に、本発明の実施例に基づいて説明す
る。 (実施例1)20μのポリプロピレン製のプラスチック
シートに、250μの穴を2cm間隔の1cmピッチで
開け、図4(A)の様に耐熱性の接着剤を配置し、別途
プラスチックシートに800μの穴を2cm間隔の1c
mピッチで開けた多孔性シートを貼り合わせた。その
際、2枚のシートの各孔が互いに重複しない様にした。
上記、通気性シートを用い、800μ穴の多孔性シート
を外側にして、直径12cm,長さ35cmのガゼット
袋を作り、キノコ培養袋とした。次に、このキノコ培養
袋に、鋸屑4重量部(以下「部」に略す)米糠1部に加
水し含水率70%に調整した内地を1kg充填した。そ
して、全体の形を整え、袋の上部を一文字状に閉じ合わ
せて、培養基に沿って折り曲げた後、高圧蒸気滅菌釜内
に入れ、120℃において90分間保持して滅菌した。
次いで、これを冷却室(クラス10万程度)に取り出
し、培地温度が25℃になるまで冷却したのち、シイタ
ケオガクズ種菌を5g接種し、袋上部をヒートシールで
密封した後、培養室で培養した。この培養室は20〜2
5℃,90%湿度に管理されていて床面が清潔に保たれ
ていた。
【0029】(実施例2)ポリプロピレン製シートに1
50μの穴を1cm間隔の5mmピッチで開け、図3の
様に耐熱性の接着剤を配置し、別途エンボス加工によ
り、図6(B)の様に凸凹を設けた、凸凹シートに同様
の150μ穴を穿孔したものを各孔が互いに重複しない
様に貼り合わせた。この通気性シートを厚さ50μのポ
リプロピレンシートの一部に幅4cmの帯状になる様に
配置し、図7(B)に示す直径12cm長さ35cmの
キノコ培養袋をつくった。
【0030】(実施例3)内側のシート及び接着剤の配
置は、実施例1と同様であるが、外側のシートは、厚さ
10μのポリカーボネート薄層シートとした。この通気
性シートを厚さ50μのポリプロピレンシートの一部に
配置し、図7(C)に示す袋上部に10cm×10cm
の通気部を有するキノコ培養袋をつくった。
【0031】(比較例1)実施例1と同様の多孔性プラ
スチックシートを用いてキノコ培養袋を作ったが、接着
剤は用いず、2枚の多孔性プラスチックシートを重ねた
だけで、シートは相互に摺動可能であった。
【0032】(比較例2)市販肩口キャップを使用する
と共に、スポンジフィルター付きキャップを用い、図8
に示すようにして培養を行った。
【0033】以上の実施例および比較例における落下菌
によるコンタミ率と菌糸成長の状態を検査し、その結果
を以下の表に示した。尚、それぞれの実験は200の培
養袋を用いて行った結果をしめしている。
【0034】
【表1】
【0035】上記の表からも明らかなように、実施例の
ものは、いずれも落下菌によるコンタミ率が比較例より
も少なく、かつ菌糸蔓延の状態も良好であることがわか
る。特に、比較例1は、接着剤以外の条件は実施例1と
全く同じであるが、培養途中の雑菌汚染が極めて多く、
菌糸蔓延状態も、菌糸蔓延に要する平均日数が遅れるだ
けでなく、各培養基の固体別のバラツキが大きく安定生
産は、難しいと考えられた。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明に係るきのこ培養袋
は、通気性シートを多層に用い、各隣接するシート間を
散在状に施した接着剤で固定し、各シート間に形成され
た空気層を介して、袋内外の流通を行うため、培養袋の
内外の空気の流通を常に均一かつ安定して維持させるこ
とができる。
【0037】したがって、きのこの菌糸の生育に必要な
酸素の供給及び生育に伴い発生する炭酸ガス等の除去が
程よく行なわれ、また、きのこの菌糸の呼吸作用により
培養基内に生成する余分な水分も適度に外気中に蒸散さ
れるので、培養基内は常に菌糸の生育に好適な環境とな
り、培養基内を速やかに、かつ均一に菌糸が蔓延し、短
期間に収量良く子実体を得ることが出来る。又、多孔性
の通気性シートを多層に用いた場合、各隣接するシート
の各孔が互いに重複しない配列とし、更に、シート間を
接着する接合部分を迂回経路として障害物構造としたか
ら、雑菌の侵入を確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】きのこ培養袋の一例を示す破断断面構造図であ
る。
【図2】図1の空気流通経路を示す説明図である。
【図3】図1の一部平面図である。
【図4】(A)(B)は、きのこ培養袋の他の実施例の
平面図である。
【図5】図1の一部断面図である。
【図6】きのこ培養袋の他の実施例の一部断面図であ
り、(A)はポリカーボネートシートとの組合せ、
(B)は、凹凸模様を有するシートとの組合せの例であ
る。
【図7】多孔性の通気性シートを培養袋全体に用いた例
(A)、又は、一部に用いた例(B)(C)を示す該袋
の平面図である。
【図8】従来のきのこ培養基の一例を示す説明図であ
る。
【図9】従来のきのこ培養基の他の例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1a,1b 孔 2a,2b 多孔性の通気性シート 3 接着剤 4 空気路 5 ポリカーボネートシート 6 凹凸加工シート 10,20 培養基

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2枚以上の通気性シートを多層に用い、
    各隣接するシート間を散在状に施した接着剤で接着固定
    させて各シート間に空気層を形成させた包装シートでき
    のこ培養袋をつくり、この培養袋にきのこ培養基を入れ
    て殺菌し、さらにきのこ種菌を接種した後、開口部を密
    封し、前記空気層を介して袋の内外を通気させながら培
    養することを特徴とするきのこの培養方法。
  2. 【請求項2】 包装シートが、多孔性の合成樹脂シート
    からなる通気性シートを多層に用い、各隣接するシート
    間を散在状に施した接着剤で接着固定させて各シート間
    に空気層を形成させ、かつ隣接するシート間において一
    方のシートの各孔が他方のシートの各孔とそれぞれ実質
    的に重複しない配列であることを特徴とするきのこ培養
    袋。
  3. 【請求項3】 培養袋の一部又は全面が通気性シートで
    形成されたことを特徴とする請求項2記載のきのこ培養
    袋。
JP6211758A 1994-08-12 1994-08-12 きのこの培養方法及びそれに用いるきのこ培養袋 Pending JPH0851861A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007228871A (ja) * 2006-02-28 2007-09-13 Sakato Sangyo:Kk キノコ栽培用袋体

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