JP3039352U

JP3039352U - 植物栽培容器の封緘用粘着シ−ト

Info

Publication number: JP3039352U
Application number: JP1997000229U
Authority: JP
Inventors: 眞平樋口; 弘男佐藤; 悟長尾; 健一郎宮
Original assignee: Nichiban Co Ltd
Current assignee: Nichiban Co Ltd
Priority date: 1997-01-07
Filing date: 1997-01-07
Publication date: 1997-07-15
Anticipated expiration: 2003-01-07

Abstract

(57)【要約】【課題】キノコ類の栽培において、種菌を培養する培
養容器の開口部を、酸素を通すが雑菌を通さないように
封緘する粘着シ−トを得る。【解決手段】酸素は通すが雑菌は通さない不織布で基
材（２）を構成し、この基材（２）の片面に粘着剤層
（３）を形成する。この粘着剤層（３）には、独立した
微細孔（４）・・・が多数設けられている。この粘着シ
−ト（１）は、適宜の長さにカットしても、このシ−ト
周縁からシ−トの中央部に雑菌が侵入するおそれはな
い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、シメジ，ナメコ，エノキダケ，ヒラタケ，マイタケ，タモギタケ，マツタケ等の食用茸菌類の培養基を生育させる際に用いる培養容器やその他の植物栽培容器の開口部を封緘するための封緘用粘着シ−トに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

種々のキノコ等の培養基として、所定の栄養剤が混合された鋸屑からなる雑菌抵抗性を有する固形培地が用いられているが、この培養基はビンや耐熱性プラスチック袋等の培養容器へ詰められ高圧殺菌や常圧殺菌した後、該容器に設けた開口部から種菌を接種し、該種菌を培養するように構成されている。そして、その際、上記開口部から雑菌が入らないよう通気性を有するが雑菌を通さないようにした抗菌性を備えた部材で上記開口部はシ−ルされる。

【０００３】従来そのような部材としては、例えば、実公昭６１−４０５１９号公報に示すように、微孔性シ−トの片面に該微孔性シ−トよりも通気度が大きい補強シ−トを重ね合わせてその周縁を熱融着し、かつ全周縁に感圧性接着剤層を設けて栽培用のビンの蓋に設けた貫通孔に貼付けるようにしたり、実開昭５６−５９８３５号公報に示すように多孔性フィルムの裏面に両面粘着テープを貼付け、該両面粘着テープにより培養袋の孔に貼付けたりしている。

【０００４】しかし、上記微孔性シ−トと補強シ−トを用いるものでは、２枚のシ−トを重ね合わせてその周縁部を熱融着しておかなければならないので、構成が複雑であり、また孔の大きさに合ったものを複数用意しておかなければならないし、両面粘着テープを用いるものでは両面粘着テープで完全に孔の周囲を取り囲むように貼付けないと、両面粘着テープ間の隙間から雑菌が侵入してしまうという欠点をがあった。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、上記のようにキノコ栽培用の袋やビンその他の植物栽培容器の開口部を、抗菌性と通気性を以て封緘するに際し、従来のような複雑な構成によらず、１枚のシ−トで種々の開口部に適用でき、かつ雑菌の侵入も防止できるようにした植物栽培容器の封緘用粘着シ−トを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、酸素は通すがキノコ等の栽培に不適な雑菌は通さない程度の通気性を有する基材の一側全面に一部に粘着剤が塗布されていない微細孔を独立的に多数設けたりして適宜の通気性を具備させた粘着剤層を形成したことを特徴とする植物栽培容器の封緘用粘着シ−トが提供される。

【０００７】

【考案の実施の形態】

本考案において、シメジ，ナメコその他の食用茸菌類の培養に必要な酸素は通すが培養に悪影響を与える雑菌は通さない程度の通気性を有する基材（２）としては、不織布，布，通気性プラスチックシ−ト等を用いることができるが、好ましくは不織布を用いるとよく、粘着剤層（３）を含めた粘着シ−ト（１）全体の透気度（JIS P8117 による透気度試験方法）が約0.１秒〜約５秒になるような基材を選択すればよい。

【０００８】上記基材（２）に塗布する粘着剤層（３）は、貼付する栽培容器に合ったアクリル系，ゴム系，シリコ−ン系等の適宜の粘着剤で構成することができ、例えばポリエチレン，ポリプロピレン等のプラスチック袋を栽培容器とするときは一例として下記の如き配合例の粘着剤を用いることができる。天然ゴム７０部（重量部）合成ゴム３０Ｃ₅石油樹脂５０テルペン樹脂２０ポリブテン１０炭酸カルシウム３０老化防止剤１

【０００９】上記の粘着剤層（３）に通気性をもたせるには、該粘着剤層を塗布形成する際、一部に粘着剤層が塗布されていない微細孔（４）・・・を形成するようにすればよい。該微細孔（４）は、後記するように栽培容器（５）の開口部（６）をシ −ルする大きさに本考案の粘着シ−ト（１）を形成したときに、該微細孔を介してシ−トの周縁部と開口部（６）が連通されないよう該微細孔（４）・・・を独立して多数設けるようにしてあり、図３（Ａ）に示すように円形にしたり、図３（Ｂ）に示すように角形にしたり適宜の形状にでき、上記粘着剤層を塗布する際にパタ−ンコ−トすることにより形成することができる。なお、該微細孔（４）の直径は、約0.３mm〜１mm程度、好ましくは約0.５mmとし、その数量は約250,00 0 個/m²〜300,000 個/m²程度、好ましくは約270,000 個/m²程度とするとよい。

【００１０】上記の如く形成した粘着シ−ト（１）は、適宜の幅、例えば約５cmの幅のテ− プ状に形成され、上記基材（２）の背面に剥離処理を施せばロ−ル状に巻き取ることができ、この場合には剥離紙は必要としないが、剥離紙（７）を上記粘着剤層（３）に仮着してシ−ト状にすることもできる。この際、図２に示すように、剥離紙（７）の中央に切目（８）を設けておくと、一層使用しやすい。

【００１１】図４は、使用する場合の具体例を示し、殺菌後の培養基を入れたポリエチレン袋等の植物栽培容器（５）に開口部（６）をあけ（図４（Ａ））、次に該開口部（６）から食用茸菌類等の種菌を接種し（図４（Ｂ））、この開口部（６）に上記粘着シ−ト（１）を貼り、該開口部を封緘する。その後、上記容器（５）を培養室等において最適の温度，湿度状態で培養すると、上記シ−ト（１）の基材は酸素は通すが雑菌を通さず、また粘着剤層（３）も通気性を有していて全体として抗菌性を備えた通気性を有するので、菌糸は充分に生育し、好適に栽培することができる。

【００１２】

【実施例】

基材（２）として、透気度が0.５秒以下の通気性を有し、抗菌性を備えた不織布（例えばデクスタ−パシフィック株式会社製のＤＸ−３５９２）を用い、上述の粘着剤をパタ−ンコ−トして直径約0.５mmの円形の微細孔（４）・・・を1m² 当り約270,000 個設けて通気性の粘着剤層（３）を形成し、その表面に剥離紙（７）を貼り合わせた。この剥離紙（７）を剥して透気度を測定したところ、約２秒であった。椎茸の栽培過程におけるポリエチレン袋に設けた長さ約３cm程度の開口部をシ −ルするため、上記シ−ト（１）を長さ約５cm程度に切断して上記開口部に貼付した。この際、上記微細孔（４）・・・は独立して設けられているので、上記シ −ト（１）の周縁と上記開口部が、上記微細孔を介して連通することはなかった。その後、従来の椎茸の栽培過程と同様の条件で培養育成したところ、９０日後には従来のものと同じ大きさのものをほぼ同量得ることができた。

【００１３】

【考案の効果】

本考案は以上のように構成され、酸素は通すが雑菌は通さない通気性を有する基材に通気性を有する粘着剤層を形成した封緘用粘着シ−トで植物栽培容器の開口部を封緘するようにしたので、上記粘着シ−ト自体の構造が簡単で経済的に得られ、開口部の大きさに応じて適宜の大きさにカットして使用することができ、その上独立した微細孔・・・で粘着剤層に通気性をもたせたから、どの位置でカットしても上記通気性と抗菌性は阻害されることがなく、極めて使用しやすい封緘用粘着シ−トであり、食用茸菌類の培養容器その他の適宜の植物栽培容器に好適に適用することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す拡大断面図。

【図２】剥離紙の一部を剥した状態の斜視図。

【図３】微細孔のパタ−ンの一例を示し、（Ａ）は円
形，（Ｂ）は角形の微細孔を示す平面図。

【図４】使用状態を示す説明図。

【符号の説明】

１粘着シ−ト２基材３粘着剤層４微細孔７剥離紙

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０９Ｊ 7/02 ＪＬＥＣ０９Ｊ 7/02 ＪＬＥ 7/04 ＪＨＶ 7/04 ＪＨＶＪＨＷＪＨＷ (72)考案者宮健一郎東京都文京区関口二丁目３番３号ニチバン株式会社内

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】酸素は通すが雑菌は通さない通気性を有
する基材を具備し、該基材の片面に通気性を有する粘着
剤層を形成したことを特徴とする植物栽培容器の封緘用
粘着シ−ト。
【請求項２】上記粘着剤層には、粘着剤が塗布されて
いない微細孔が独立して多数設けられている請求項１に
記載の植物栽培容器の封緘用粘着シ−ト。
【請求項３】上記基材と粘着剤層の透気度は、0.１秒
〜５秒である請求項１または２に記載の植物栽培容器の
封緘用粘着シ−ト。
【請求項４】上記粘着剤層には、剥離紙が仮着され、
該剥離紙には切目が設けられている請求項１ないし３の
いずれかに記載の植物栽培容器の封緘用粘着シ−ト。