JPH0613657Y2 - 移動農機における操作レバ−装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本考案はコンバインの変速装置、前処理昇降装置又は走
行車に対して作業機を昇降させる播種機、苗植機、トラ
クタ等、操作レバーのセット角をポテンショメータで検
出し、この検出値と作動部の作動角を検出するポテンシ
ョメータの検出値とを比較して制御する移動農機におけ
る操作レバー装置に関する。

（ロ）従来技術 従来、操作レバーにポテンショメータを付設してその操
作角を検出し、作動部のアクチュエータにもポテンショ
メータを付設して作動角を検出し、これら２つのポテン
ショメータにより作動部を操作レバーの設定値どおりに
自動制御するようにした移動農機における変速レバー装
置は既に知られている。

（ハ）考案が解決しようとする問題点 前記既知の移動農機における操作レバー装置はポテンシ
ョメータを操作レバーに装着するための構造が複雑で部
品点数が多くなってコスト高になると共に取付工数が多
くなり、かつポテンショメータの操作レバーに対する角
度の調整が極めて面倒であった。

（ニ）問題点を解決するための手段 本考案は前述のように操作レバーの操作角をポテンショ
メータにより検出し、この検出値により作動部のアクチ
ュエータを制御するようにした移動農機において、前記
操作レバーを受部材に支軸でブレーキ板およびワッシャ
ーを介して傾動可能に枢支し、前記ポテンショメータを
取付けるブラケットには、前記支軸に介装するワッシャ
ーに嵌合する孔を穿設すると共に、基部を前記受部材に
螺着し、前記ポテンショメータを操作レバーに連動連結
することにより、ポテンショメータを取付けた状態のブ
ラケットを、前記ワッシャーを取付け及び芯出し治具と
して利用しながら装着し、その下部を受部材に螺着する
ことができるようにして前述の問題点を解決した。

（ホ）作用 操作レバーにポテンショメータを取付ける時、操作レバ
ーを受部材から突出した支軸にブレーキ板、ワッシャー
等を介して締着し、ポテンショメータを取付るブラケッ
トに穿設した孔を、上記ワッシャーに嵌合し、ブラケッ
トの基部を前記受部材に止着する。

しかる後、前記ポテンショメータから上方へ突出した検
出アームを操作レバーに傾動可能に連繋する。

この状態で前記操作レバーを支軸の回りに傾動すると、
それに追従してポテンショメータが操作レバーの傾動角
を検出し、これを設定値として作動部のアクチュエータ
に付設したポテンショメータの検出値と比較しながら、
作動部に附随するポテンショメータの検出値が操作レバ
ーに附随するポテンショメータの設定値と一致するまで
自動制御する。

（ヘ）実施例 本考案の一実施例を図面に示すコンバインの変速装置に
ついて説明すると、１は機台２上の一側寄りに搭載した
脱穀装置であって、その他側には前方から順に操作盤３
及び運転席５で構成された操縦部と穀粒タンク６を設
け、前記脱穀装置１の前方には分草体７、穀稈引起体８
及び掻込体等で構成された刈取装置10を上下傾動可能な
前処理枠に装着し、該刈取装置10と脱穀装置１との間に
は、図示してないが従来のものと同様、扱深さ調節装置
を兼ねていて刈取穀稈を脱穀装置１に搬送供給する穀稈
搬送体を介装してある。

また、前記運転席５の下部の機台２にはラジエター11ａ
を有するエンジン11を取付けてあり、その上部から外側
に亘る部分は外側下部が回動自在に枢支されたエンジン
カバー12により覆われている。

更に、前記運転部と脱穀装置１との間に設けた操作パネ
ル16は前部パネル16ａと後部パネル16ｂとからなり、運
転席５の前方でかつデッキ部及び操作盤３の側方に位置
する前部パネル16ａに穿設した複数のガイド溝には前後
進変速及び無段変速を行なう操作レバー13、ミッション
ケース内の変速ギヤを変速作動させる副変速レバー14及
び刈取部昇降レバー15を前後傾動可能に挿通し、それに
続く後部パネル16ｂに穿設したガイド溝には脱穀クラッ
チレバー17及び刈取クラッチレバー18を前後傾動可能に
挿通し、前記操作パネル16よりも穀稈搬送装置側には刈
取変速レバー20の操作パネル21を設けてある。

更に、前記操作パネル16の下部に設けたパイプからなる
レバーフレーム22は運転席５の側部から操作盤３の側部
にまで亘っていて前部を操作盤３に向けて折曲してあ
り、その端部に固定した取付板23を操作盤３の側板3aの
外側面に重合し、サイドクラッチレバー25,25を支持し
た支軸26の端部に固定した取付板27を上記側板3aの内側
面に重合してボルト28・・により三者を共締めにし、後
部は機台２の横桟に立設した支柱30に螺着してあり、中
間部は側下方へ垂下した腕板31を、カウンターケース32
と一体な縦ブラケット33にボルト33ａで螺着することに
より支持し、前記縦ブラケット33の前部のレバーフレー
ム22から垂下させた支持板34の下部寄りを縦ブラケット
33の下部に突設した横ブラケット35にボルト36で螺着す
ることにより横振れしないようになし、前記操作レバー
13の基部は、一端が受部材38に熔接された支軸41により
前後傾動可能に支持され、受部材38の下部は上記支持板
34の下部に前後方向の支軸37で横傾動可能に枢支されて
おり、刈取部昇降レバー15は前記縦ブラケット33に、刈
取変速レバー20は上記縦ブラケット33と平行な別の縦ブ
ラケット33にそれぞれ横方向の支軸により枢支されてい
る。

前記後部パネル16ｂは第４図に示すように運転席５の前
部と対応する部位は前部パネル16ａと一体で同じ高さで
あるが、それより後部は順次高くなるように上昇傾斜し
ており、レバーフレーム22の後端に固定したブラケット
46には、排気口47を有する後面板48を螺着することによ
り後部パネル16ｂに嵌合して支持し、該後部パネル16ｂ
の後端部は庇状に突出して上記排気口47の後方の上部及
び両側部を覆っている。

また、前記脱穀クラッチレバー17及び刈取クラッチレバ
ー18は第３図に示す如く前記レバーフレーム22のエンジ
ン11と対向する部位に立設した支持板51により支軸52を
介して前記前部パネル16ａより高い位置に枢支されてい
る。

而して、ブラケット40は下部を受部材38に向けて折曲す
ることにより正面視でＬ字状に形成し、中間部に中心が
前記支軸41の軸芯と一致すると共にワッシャー55が嵌合
する円形の孔54を穿設し、上部にはポテンショメータ57
を取付板57ａとボルト57ｂとにより装着し、前記支軸41
にて、操作レバー13の基部と、その左右に介装したブレ
ーキ板38ａ，38ａと、重合した２枚の皿バネ56と、ワッ
シャー55とを嵌挿して枢支すると共に、それらをナット
55ａにより締付けて操作レバー13を制動するようにな
し、次いで、前述のようにポテンショメータ57を組付け
たブラケット40を持って、ポテンシャメータ57から上方
へ突出した検出アーム57ｃの上端の切欠溝51ａを、操作
レバー13から突出したピン13ａに傾動可能に遊嵌すると
共に前記孔54をワッシャー55の回りに密に嵌合した後、
ブラケット40の下部をボルト58で受部材38にボルト58で
螺着する。

操作レバー13を制動すべく皿バネ56を受け止める前記ワ
ッシャー55を、ブラケット40を取付ける時の芯出し治具
にすることができると共に少ない部品で簡単に取付ける
ことができ、しかも、操作レバー13に対するポテンショ
メータ57の取付角度を正しく０にして操作レバー13をそ
のガイド溝の横方向部分に入れて中立にした時、ポテン
ショメータ57の設定値を正確に０にすることができる。

その際、少なくともワッシャー55の中心孔及び孔54の中
心と前記ポテンショメータ57の中心は、ブラケット40の
板面と直交する方向（第１図に示す側面視）からみて操
作レバー13の軸芯と一致する位置に設けてあり、この例
ではボルト58を挿通する孔も同一直線上に穿設してあ
る。

また、無段変速用の割りプーリの溝幅を拡縮させるカム
は図示してないが油圧シリンダーにより回動するように
なっており、前記ポテンショメータ57は前記カムの回動
量を検出するポテンショメータに連繋されているので、
両ポテンショメータの検出値が異る間、油圧シリンダー
の油路に介装されている電磁弁の増速側又は減速側をON
となし、検出値が一致すると電磁弁はOFFになる。

60は前記受部材38のボスから突出したアーム61をミッシ
ョンケース62内のギヤを前後進に切換る変速レバー63に
連動連結したロッド、65は機台２に立設されていてラジ
エター11ａの周りを囲んだ枠体であって、この枠体65と
前記レバーフレーム22とを連結した横梁66は両者を枠組
構成にして強度アップを図ると共に運転席５を支持す
る。

前述のコンバインにおいて、刈取装置10が刈取った穀稈
は穀稈搬送装置が後送し、脱穀装置１は上記穀稈を脱穀
処理し、選別された穀粒は揚穀筒により穀粒タンク６に
投入される。

また、刈取脱穀作業中、作業状況に応じて前記操作レバ
ー13、副変速レバー14、刈取部昇降レバー15、刈取変速
レバー20、刈取クラッチレバー18又は脱穀クラッチレバ
ー17等を適宜操作するが、該脱穀クラッチレバー17及び
刈取クラッチレバー18を操作する時、操作パネル13の後
部パネル13ｂは後部が高くなるように上昇傾斜してお
り、かつそれらのクラッチレバー17,18は前部の前部パ
ネル16ａより高い位置に枢支されているので、操縦者は
運転席５に着席した状態でそのまま手を伸ばして上記ク
ラッチレバー17又は18を把持して適切なストロークで前
後傾動させることができる。

更に、走行中、操作レバー13を第３図に示すようにガイ
ド溝の横方向部分にセットするとポテンショメータ57の
設定値は０になるので、無段変速は行なわれず、前後方
向のガイド溝に入れて前後傾動すると、ポテンショメー
タ57の検出アーム57ｃが追従して傾動して傾動角を検出
し、油圧シリンダが作動して無段変速装置の割りプーリ
ーの溝幅を拡縮するので無段変速される。

（ト）考案の効果 本考案は前述のように操作レバー13の操作角をポテンシ
ョメータ57により検出し、この検出値により作動部のア
クチュエータを制御するようにした移動農機において、
前記操作レバー13を受部材38に支軸41でブレーキ板38ａ
およびワッシャー55を介して傾動可能に枢支し、前記ポ
テンショメータ57を取付けるブラケット40には、前記支
軸41に介装するワッシャー55に嵌合する孔54を穿設する
と共に、基部を前記受部材38に螺着し、前記ポテンショ
メータ57を操作レバー13に連動連結したので、操作レバ
ー13の支軸41に締着されたワッシャー55に、ポテンショ
メータ57のブラケット40の孔54を嵌合して基部を受部材
38に止着するだけでポテンショメータ57を適正な位置及
び姿勢に取付けることができる。

また、ポテンショメータ57のブラケット40を装着する
時、前記ワッシャー55を操作レバー13とブラケット40と
の芯出し治具に利用することができ、部品点数及び組付
け工数を少なくしてコストダウンを図ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであって、第１図は
要部の側面図、第２図は同上正面図、第３図はレバー取
付部の一部を破断した斜視図、第４図は操作パネル部の
斜視図、第５図はコンバインの斜視図である。 16……操作パネル、13……操作レバー、22……レバーフ
レーム、37,41……支軸、38……受部材、38ａ……ブレ
ーキ板、40……ブラケット、54……孔、55……ワッシャ
ー、57……ポテンショメータ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】操作レバー13の操作角をポテンショメータ
   57により検出し、この検出値により作動部のアクチュエ
   ータを制御するようにした移動農機において、前記操作
   レバー13を受部材38に支軸41でブレーキ板38aおよびワ
   ッシャー55を介して傾動可能に枢支し、前記ポテンショ
   メータ57を取付けるブラケット40には、前記支軸41に介
   装するワッシャー55に嵌合する孔54を穿設すると共に、
   基部を前記受部材38に螺着し、前記ポテンショメータ57
   を操作レバー13に連動連結したことを特徴とする移動農
   機における操作レバー装置。