JPH06136154A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH06136154A
JPH06136154A JP26032092A JP26032092A JPH06136154A JP H06136154 A JPH06136154 A JP H06136154A JP 26032092 A JP26032092 A JP 26032092A JP 26032092 A JP26032092 A JP 26032092A JP H06136154 A JPH06136154 A JP H06136154A
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JP
Japan
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film
particles
polymer particles
weight
crosslinked polymer
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Application number
JP26032092A
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English (en)
Inventor
Kazuo Endo
一夫 遠藤
Noboru Sato
昇 佐藤
Masahiko Fujimoto
正彦 藤本
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Diafoil Co Ltd
Original Assignee
Diafoil Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面均一性、走行性および耐摩耗性に優れた
二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。 【構成】 0.05〜2倍重量のアルミニウム化合物
と、0.01〜5倍重量の多価カルボン酸のアルカリ金
属塩化合物、そのアンモニウム中和物およびその部分ア
ンモニウム中和物から選ばれる少なくとも1種の化合物
とにより、順次処理されてなる平均粒径0.01〜3μ
m架橋高分子粒子を0.01〜3重量%含有することを
特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル中におけ
る分散性およびポリエステルとの親和性を改良した架橋
高分子粒子を含有してなる、走行性と耐摩耗性の優れた
二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エステル、特にポリエチレンテレフタレートを原料とす
るポリエステルフィルムは優れた物理的、化学的特性を
有することから産業用資材として広く用いられている
が、近年各用途において高級志向が著しくなり、フィル
ム表面が均一であることが強く望まれるようになった。
また、例えばフィルム同士あるいはフィルムと基材が高
速で接触したときの両者の間の摩擦、摩耗によるフィル
ム表層の擦り傷や粒子脱落による摩耗粉の発生に代表さ
れる摩耗特性が必ずしも十分でなく、この点の改良も待
望されている。特に厳しい品質が要求される磁気記録用
途においてはこれらの点を高度に満足する必要がある。
従来、ポリエステルフィルムの走行性および耐摩耗性を
改良する手段としてはフィルムの表面を適度に粗面化す
る方法が知られており、ある程度その改良がなされてい
るが、必ずしも十分な結果は得られていない。例えば、
微粒子としてポリエステル製造時の触媒残渣等からのい
わゆる析出粒子を用いた場合は、延伸により析出粒子が
破壊されやすいため、走行性や耐摩耗性が劣り、また析
出粒子の再生使用も困難である。
【0003】また、酸化ケイ素、硫酸バリウム、二酸化
チタン、リン酸カルシウム等のポリエステルに不活性な
無機化合物粒子を添加した場合は、延伸により粒子が破
壊、変形されることはなく、比較的急峻な突起を与える
ことができ、走行性は改良されるが、通常それらの粒子
の粒度分布は広く、粒子の脱落も生じやすいため、例え
ば磁気記録媒体用として用いた場合、しばしば電磁変換
特性の悪化やドロップアウトの多発を引き起こしてしま
う。これらの点を克服するため、特開平2−15594
8号公報、特開平2−194049号公報等にポリエス
テルとの親和性に優れる有機の架橋高分子粒子を用いる
ことが提案されている。しかしながら、一般に有機の架
橋高分子粒子はポリエステル重合時あるいは溶融成形時
に軟化しやすく、これらに起因しポリエステル中で必ず
しも良好な分散性を示さず、しばしば凝集し粗大粒子と
して挙動してしまい、前述の無機粒子の場合と同様、例
えば磁気記録媒体用として用いた場合、しばしば電磁変
換特性の悪化やドロップアウトの多発を引き起こしてし
まう。さらに磁気記録媒体用途においては、長時間記録
用のベースフィルムが強く望まれている。この用途にお
いてはベースフィルムの高強度化が必要不可欠であり、
かかる特性を満足するフィルムを得るためには、通常の
延伸よりさらに強く延伸する必要がある。このような場
合、従来の有機の架橋高分子粒子ではポリエステルとの
親和性が不足しフィルム表層から粒子が脱落しやすく、
しばしば電磁変換特性の悪化やドロップアウトの多発を
引き起こしてしまう。このように、これまでフィルムの
表面均一性、走行性および耐摩耗性を高度なレベルで満
足するポリエステルフィルムは得られていないのが実情
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはかかる実情
に鑑み、走行性と耐摩耗性とを同時に高度に満たし、フ
ィルムとした場合に必要な諸特性をも十分に満足し得る
優れた二軸配向ポリエステルフィルムを提供すべく鋭意
検討を重ねた結果、特定の架橋高分子粒子を配合するな
らば、かかる要求特性を満たすことができることを知見
し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明の要旨
は、0.05〜2倍重量のアルミニウム化合物と、0.
01〜5倍重量の多価カルボン酸のアルカリ金属塩化合
物、そのアンモニウム中和物およびその部分アンモニウ
ム中和物から選ばれる少なくとも1種の化合物とによ
り、順次処理されてなる平均粒径0.01〜3μm架橋
高分子粒子を0.01〜3重量%含有することを特徴と
する二軸配向ポリエステルフィルムに存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
いうポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸またはその
エステルとグリコールとを主たる出発原料として得られ
るポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%以上
がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−2,6
−ナフタレート単位を有するポリエステルを指す。そし
て、上記の範囲を逸脱しない条件下に他の第三成分を含
有していてもよい。芳香族ジカルボン酸成分としては、
例えば、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカル
ボン酸以外に、例えば、イソフタル酸、フタル酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、p−
オキシエトキシ安息香酸等)等を用いることができる。
グリコール成分としては、エチレングリコール以外に、
例えば、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上
を用いることができる。
【0006】本発明の重要な構成要件は、ポリエステル
中に含有する粒子として、アルミニウム化合物と、多価
カルボン酸のアルカリ金属塩化合物、そのアンモニウム
中和物、その部分アンモニウム中和物から選ばれる少な
くとも1種の化合物で、順次処理されてなる架橋高分子
粒子を用いることにある。本発明に適用しうる架橋高分
子粒子としては、例えば、分子中に唯1個の脂肪族の不
飽和結合を有するモノビニル化合物(A)の一種以上
と、架橋剤として分子中に2個以上の脂肪族の不飽和結
合を有する化合物(B)の一種以上とを特定の重合開始
剤の存在下、乳化重合法で共重合させることにより得る
ことができる。ここで言う乳化重合法とは、シード乳化
重合等の概念も包括した広義の乳化重合を指す。化合物
(A)としては、アクリル酸、メタクリル酸およびこれ
らのアルキルまたはグリシジルエステル、無水マレイン
酸およびそのアルキル誘導体、ビニルグリシジルエーテ
ル、酢酸ビニル、スチレン、アルキル置換スチレン等を
挙げることができる。また化合物(B)としては、ジビ
ニルベンゼン、ジビニルスルホン、エチレングリコール
ジメタクリレート、1,4ブタンジオールジアクリレー
ト等を挙げることができる。化合物(A)および(B)
は各々一種類以上用いるが、窒素原子を有する化合物や
エチレンを共重合させてもよい。重合開始剤としては、
例えば過硫酸カリウム、過硫酸カリウム−チオ硫酸ナト
リウム、過酸化水素等の水溶性の重合開始剤を挙げるこ
とができるが、勿論これらに限定される訳ではない。
【0007】上記化合物の組み合わせあるいは粒子の合
成条件によっては一部凝集粒子が生成する場合もあるの
で、粒子の分散安定性を保持するため下記の分散安定剤
を用いることが好ましい。例えば脂肪酸塩、アルキル硫
酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキ
ルスルホコハク酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸塩、ア
ルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルまたはア
ルキルアリル硫酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤
やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエ
チレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘
導体、ポリオキシエチレン−オキシプロピレンブロック
コポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステ
ル等の非イオン性界面活性剤やアルキルアミン塩、第4
級アンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤およびアルキ
ルベタイン、アミンオキサイド等の両性界面活性剤であ
る。その中でも特にアルキルジフェニルエーテルジスル
フォン酸塩で代表される陰イオン性界面活性剤が好適に
用いられる。本発明で用いる架橋高分子粒子は、窒素ガ
ス中300℃で2時間加熱後の重量減少が20重量%以
下、さらには10重量%以下である耐熱性の良いものが
好ましい。この値が20重量%を超えると該粒子同士が
融着し凝集粒子となるので好ましくない。
【0008】本発明における架橋高分子粒子製造の一態
様を示すと次のとおりである。すなわち、水媒体中に過
硫酸カリウム等の水溶性の重合開始剤とアルキルジフェ
ニルエーテルジスルホン酸塩等の分散安定剤とを所定量
溶解した後、所定量の化合物(A)および(B)の混合
溶液を添加する。しかる後、重合開始剤の分解開始温度
以上、好ましくは30〜90℃で攪拌下3〜10時間程
度の反応を行う。この場合、粒子は均一に分散した水ス
ラリーとして得られる。いずれにしても本発明の主旨を
満たすならば、架橋高分子粒子の製造法は問わない。本
発明において、架橋高分子粒子を処理するアルミニウム
化合物としては、例えば水酸化アルミニウム、アルミン
酸ナトリウム、アルミン酸亜鉛、酸化アルミニウムなど
のアルミニウム化合物などが挙げられ、好ましくは水酸
化アルミニウム、酸化アルミニウム、さらに好ましくは
γ型、δ型またはθ型の酸化アルミニウムである。通
常、酸化アルミニウムの一次粒径は5〜40nmの範囲
にあるが、しばしば0.5μmを超える凝集体を形成し
ているので、0.2μm以下、好ましくは0.1μm以
下に解砕して使用することが望ましい。また、処理に用
いるアルミニウム化合物は、架橋高分子粒子に対し、
0.05〜2倍重量であり、好ましくは0.1〜1倍重
量である。この値が0.05倍未満では、続いて処理す
る多価カルボン酸のアルカリ金属塩化合物などとの親和
性が劣るので好ましくない。またこの値が2倍を超えて
も多価カルボン酸のアルカリ金属塩化合物などとの親和
性は最早それ以上改良されないばかりか、逆にアルミニ
ウム化合物の凝集による粗大異物が生成するようになる
ので好ましくない。
【0009】本発明においては、上記のアルミニウム化
合物による処理に続いて、多価カルボン酸のアルカリ金
属塩化合物、そのアンモニウム中和物およびその部分ア
ンモニウム中和物から選ばれる少なくとも1種の化合物
で処理する。処理に用いる化合物としては、例えば、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム誘
導体またはそれらの共重合体、ポリアクリル酸ナトリウ
ムとポリエチレングリコールモノメタクリレート共重合
体、ポリアクリル酸ナトリウムとメトキシポリエチレン
グリコールとポリプロピレングリコールモノメタクリレ
ート共重合体あるいはこれらの部分アンモニウム中和物
などが挙げられるがもちろんこれらに限定されるもので
はない。処理に用いる多価カルボン酸のアルカリ金属塩
化合物などの化合物は、架橋高分子粒子に対し、0.0
1〜5倍重量であり、好ましくは0.05〜3倍重量で
ある。この値が0.01倍重量未満ではポリエステル中
での粒子の分散性および親和性が劣るので好ましくな
い。また、この値が5倍重量を超えても、分散性および
ポリエステルとの親和性は最早それ以上改良されないば
かりか、逆に多価カルボン酸のアルカリ金属塩化合物な
どによる粗大異物が生成するようになるので好ましくな
い。
【0010】本発明におけるアルミニウム化合物および
多価カルボン酸のアルカリ金属塩化合物などによる架橋
高分子粒子の処理は、例えば前述の架橋高分子粒子製造
後の水スラリーを30〜50℃に加温し、所定量のアル
ミニウム化合物を加え攪拌下、約1時間処理を行う。次
に所定量のポリアクリル酸ナトリウムとメトキシポリエ
チレングリコールとポリプロピレングリコールモノメタ
クリレート共重合体の部分アンモニウム中和物を加え、
アルミニウム化合物の場合と同様の処理を行うことによ
りなされるが、勿論これらの方法に限定される訳ではな
い。上記処理を施された架橋高分子粒子の表面には、ア
ルミニウム化合物などの処理に用いた処理剤が吸着して
いる。処理後の架橋高分子粒子の平均粒径は0.01〜
3μm、好ましくは0.05〜2μm、さらに好ましく
は0.1〜1.5μmである。平均粒径が0.01μm
未満ではフィルムの走行性や耐摩耗性が不十分である。
また、平均粒径が3μmを超えると表面粗度が大きくな
り過ぎ好ましくない。また、上記処理後の架橋高分子粒
子の重量平均粒径(Dw)と数平均粒径(Dn)との比
(Dw/Dn)は1.3以下が好ましく、さらに好まし
くは1.2以下、特に好ましくは1.1以下である。こ
の比が1.3を超えると、均一なフィルム表面が得られ
ないことがある。また、処理後の架橋高分子粒子は多孔
質であってもそうでなくてもよいが、多孔質の方がポリ
エステルとの親和性により優れているので好ましい。
【0011】本発明においては、上記処理を施した架橋
高分子粒子をポリエステルフィルムに、0.01〜3重
量%、好ましくは0.05〜2重量%配合する。配合量
が0.01重量%未満ではフィルムの滑り性や耐摩耗性
が不十分であるし、逆に3重量%を超えるとフィルムの
表面粗度が大きくなり過ぎ、電磁気特性が低下するので
好ましくない。本発明の特定の架橋高分子粒子を含むポ
リエステルを製造する方法は特に限定されるものではな
く、公知の方法を採用しうる。例えば該粒子および併用
する添加粒子は、ポリエステルの合成反応中に添加する
ことが好ましい。特に、エステル交換反応またはエステ
ル化反応終了後、重縮合反応開始前に添加することが好
ましい。なお添加する粒子は、通常、エチレングリコー
ルのスラリーとして添加するが、必要に応じ事前に解
砕、分散、分級、濾過等の処理を施しておいてもよい。
また、添加するエチレングリコールのスラリー濃度は通
常、3〜50重量%、好ましくは10〜40%とする。
スラリーの粒子濃度が3重量%未満では、エチレングリ
コールの使用量が増し、エチレングリコールの原単位が
大きくなる。また、粒子濃度が50重量%を超えたスラ
リーを添加すると、粒子の分散性が悪化する傾向があ
る。なお、ポリエステル合成の重縮合反応触媒として
は、Sb,Ti,Ge,Sn,Si化合物等の通常用い
られている触媒が使用される。
【0012】このように本発明においては、特定の架橋
高分子粒子を用いるが、幾つかの次の要件が組み合わさ
れたときに、その効果が特に顕著なものとなる。エチレ
ンテレフタレート単位を80モル%以上含むフィルムの
場合、粒子を含むフィルムの厚み方向の屈折率を1.4
90以上とすることにより、易滑性、耐摩耗性および磁
性層との接着性を高度に改良することができる。厚み方
向の屈折率は、好ましくは1.492〜1.505であ
る。かかる物性を有するフィルムは、例えば縦延伸後の
複屈折率を4.0×10-2〜8.0×10-2程度とする
ことによって得ることができる。幅方向の屈折率
(nTD)と長手方向の屈折率(nMD)との差(Δn:n
TD−n MD)が0.020以上の場合、特に、裁断性に優
れ、磁気テープのベースフィルムとして適したものとな
り好ましい。ここでいう裁断性とは、磁気テープをシェ
アーカッター等でスリットする際の特性であり、裁断性
が悪い場合には、切り口が筋状にめくれ上がったり、切
り口からヒゲや粉が発生したりする。かかる現象が生じ
た場合、テープに白粉が付着し、電磁変換特性を悪化さ
せたり、ドロップアウトを誘起する。Δnは、好ましく
は0.025以上、さらに好ましくは0.035以上、
特に好ましくは0.042以上である。Δnが余り大き
すぎる場合は、熱収縮率等の不都合が生じるため、Δn
の上限は、0.060とすることが好ましい。
【0013】さらに、フィルムの縦方向のヤング率と横
方向のヤング率の和は、好ましくは800kg/mm2
以上、さらに好ましくは900kg/mm2 以上、特に
好ましくは1000kg/mm2 以上である。また、横
方向のヤング率と縦方向のヤング率の差は、0〜200
kg/mm2 未満が好ましく、100〜200kg/m
2 未満がさらに好ましく、150〜200kg/mm
2 未満が特に好ましい。フィルムのヤング率が上記の範
囲を満足する場合、テープエッジダメージ、耐久性およ
び裁断性の改良効果が大きくなり、特に好ましい。ポリ
エステルフィルムの極限粘度は、0.52〜0.62が
好ましく、0.54〜0.59がさらに好ましい。極限
粘度が低いほど、フィルムの裁断性が良好であるが、極
限粘度が0.52未満の場合は、製膜時にフィルム破断
が多発して生産性に支障をきたすことがある。一方、極
限粘度が0.62を超える場合は、フィルムの裁断性改
良効果が小さくなる傾向がある。
【0014】上述の特性を有するフィルムの製膜方法と
しては以下の方法が推奨される。すなわち、本発明の構
成要件を満足する粒子を含有するポリエステル原料を準
備し、常法により乾燥した後、押出し機により、200
〜320℃で押し出して、キャスティングドラム上で冷
却固化させて無定形シートを形成する。この際、常法の
静電印化法を用いるならば、均一厚さの無定形シートが
得られるので好ましい。次いで、上記の無定形シートを
用いて二軸延伸熱固定を行う。すなわち縦延伸倍率2.
5〜9.0の範囲内で縦方向に延伸し、次いで横方向に
延伸倍率3.0倍以上、さらに好ましくは3.3倍以
上、特に好ましくは3.7倍以上で延伸後、さらに好ま
しくは110℃〜180℃の温度で縦方向に1.05〜
2.5倍再延伸を行った後、200℃〜250℃、さら
に好ましくは210℃〜240℃の温度で熱処理する。
もちろんこの際、再縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛
緩、再縦延伸前または後微小倍率縦延伸等の手法を適宜
採用も可能である。また、同様に横方向に再延伸を行っ
てもよい。また、必要に応じて製膜工程内で各種の表面
処理等を施しても構わない。
【0015】本発明のポリエステルフィルムの製膜工程
において、破断等がなく生産スピードが高い、すなわ
ち、生産性が高い方が好ましい。したがって、縦延伸倍
率は4.5〜9.0倍がさらに好ましく、5.0〜9.
0倍の範囲内にあることが特に好ましい。このような高
い縦延伸倍率を実現する方法としては以下の方法が好ま
しい。すなわち前記縦方向の延伸が、(A)非晶状態の
無定形シートを延伸倍率1.2〜4.0倍で複屈折率が
1.0×10-3〜2.5×10-2、さらに好ましくは
1.5×10-2〜2.5×10-2となるように一段また
は多段で縦延伸し、(B)フィルム温度をガラス転移点
以下に冷却することなく、延伸倍率1.1〜3.5倍で
複屈折率が3.0×10-2〜8.0×10-2となるよう
に一段または多段で縦延伸し、(C)フィルム温度をガ
ラス転移点以下に冷却した後、(D)フィルム温度をガ
ラス転移点以上に加熱して一段または多段で縦延伸する
工程からなることが好ましい。また本発明のポリエステ
ルフィルムにおいて、特に好ましいフィルム強度または
複屈折率にするために、縦横延伸後の熱処理前に、11
0〜180℃の温度で縦方向に1.05〜2.5倍再縦
延伸および/または再横延伸を行うことが特に好まし
い。
【0016】本発明の効果は、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート単位を80モル%以上含むフィルムによれ
ば、特に顕著なものとなる。ポリエステルフィルムの中
でも特にポリエチレン−2,6−ナフタレート単位を8
0モル%以上含むフィルムは、機械的強度や耐熱性に優
れていることから注目されているが、該フィルムはフィ
ルムの走行速度や張力の点においてしばしばより厳しい
条件下で使用されるので、特に耐摩耗性の改良が望まれ
ている。特に、該粒子を含むかかるフィルムの縦方向の
ヤング率と横方向のヤング率の和が好ましくは1300
kg/mm2 以上、さらに好ましくは1400kg/m
2 以上、特に好ましくは1500kg/mm2 以上の
場合に、その耐摩耗性の改良効果が顕著である。ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムの製膜方法とし
ては公知の方法を用いることができる。 本発明におい
ては、その要旨を超えない範囲で、他の粒子を一種以上
併用して、さらにフィルムの走行性、耐摩耗性、耐擦傷
性等を改良することが可能である。 かかる粒子の一つ
として析出粒子を挙げることができる。ここでいう析出
粒子とは、例えばエステル交換触媒としてアルカリ金属
またはアルカリ土類金属化合物を用いた系を常法により
重合することにより反応系内に析出するものを指す。ま
た、エステル交換反応あるいは重縮合反応時にテレフタ
ル酸を添加することにより析出させてもよい。これらの
場合、リン酸、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、
リン酸トリブチル、酸性リン酸エチル、亜リン酸、亜リ
ン酸トリメチル、亜リン酸トリエチル、亜リン酸トリブ
チル等のリン化合物の一種以上を存在させてもよい。ま
た、エステル化工程を経る場合にもこれらの方法で不活
性物質粒子を析出させることができる。例えば、エステ
ル化反応終了前または後にアルカリ金属またはアルカリ
土類金属化合物を存在させ、リン化合物の存在下あるい
は非存在下に重縮合反応を行う。いずれにしても本発明
でいう析出粒子にはカルシウム、リチウム、アンチモ
ン、リン等の元素が一種以上含まれている。
【0017】また、併用する粒子の一つとして添加粒子
も用いることができる。ここでいう添加粒子とはポリエ
ステルに外部から添加する粒子を指すが、具体的にはカ
オリン、タルク、カーボンブラック、硫化モリブデン、
石膏、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、フッ化リチウ
ム、フッ化カルシウム、ゼオライト、リン酸カルシウ
ム、二酸化ケイ素、二酸化チタン等を挙げることができ
る。なお、本発明において併用する粒子は、その平均粒
径が本発明の架橋高分子粒子の平均粒径より大きい場合
は、架橋高分子粒子と同量以下が好ましく、0.005
〜0.5倍重量がさらに好ましく、0.01〜0.3倍
重量が特に好ましい。一方、その平均粒径が本発明の架
橋高分子粒子の平均粒径より小さい場合は、架橋高分子
粒子と同量以上が好ましく、1〜20倍重量がさらに好
ましい。本発明においては、平均粒径の異なる本発明の
架橋高分子粒子を二種以上用いてもよい。特に、巻き特
性および走行性改良等を目的として、大粒子の架橋高分
子粒子と小粒子の架橋高分子粒子を組み合わせることは
さらに好ましい態様である。ここで大粒子の架橋高分子
粒子とは、平均粒径が0.5〜2μmのものを指し、そ
の含有量は0.005〜0.15重量%が特に好まし
く、一方、小粒子の架橋高分子粒子とは、平均粒径が
0.10〜0.8μmのものを指し、その含有量は0.
20〜3.0重量%が特に好ましい。
【0018】特に磁気記録媒体用として好適な本発明の
フィルムは、特定の粒子と特定のフィルム物性との組み
合わせにより初めて得られるものであるが、そのフィル
ム表面粗度は中心線平均粗さ(Ra)は、0.003〜
0.05μmが好ましく、0.003〜0.03μmが
さらに好ましく、0.004〜0.02μmが特に好ま
しい。さらに、本発明のフィルムの最大突起高さ(R
t)と中心線平均粗さ(Ra)の比(Rt/Ra)は1
5以下であることが好ましく、12以下であることがさ
らに好ましく、5以上10以下が特に好ましい。Rt/
Ra値が15を超える場合、ベースフィルム表面の均一
性が劣る傾向があり、走行性または耐摩耗性が劣ること
がある。本発明のフィルムは、本発明の構成要件を満足
していれば、単層または2層以上の積層フィルムであっ
てもよい。本発明のフィルムはビデオテープ用のベース
フィルムとして賞用されるほか、オーディオ用、フロッ
ピーディスク用のそれとして用いた場合にも特に効果を
発揮し得る。もちろん必要に応じ、コンデンサーの誘電
体用、包装用、製版用、その他の用途に用いることも可
能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。実施例にお
ける種々の物性および特性の測定方法、定義は下記のと
おりである。実施例および比較例中「部」とあるは「重
量部」を示す。 (1)平均粒径および粒度分布値 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径d50を平均粒径とした。なお、この値は重量
平均粒径(Dw)であるが、同時に数平均粒径(Dn)
も求め、両者の比(Dw/Dn)を粒度分布の指標とし
た。 (2)重量減少率 島津製作所製熱分析装置(DT−20Bs型)を用い、
窒素ガス流通下(200ml/min)室温から10℃
/minの昇温速度で300℃まで加熱し、300℃で
30分保持した後の重量減少率を求めた。 (3)フィルムの極限粘度 ポリマー1gをフェノール/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、3
0℃で測定した。
【0020】(4)フィルムの屈折率 アタゴ光学社製アッベ式屈折計を用い、フィルムの厚さ
方向の屈折率(nα)、幅方向の屈折率(nTD)および
長手方向の屈折率(nMD)を測定した。なお、屈折率の
測定はナトリウムD線を用いた。 (5)ヤング率(引張弾性率) (株)インテスコ製 引張試験機インテスコモデル20
01型を用いて、温度23℃、湿度50%RHに調節さ
れた室内において、長さ300mm、幅20mmの試料
フィルムを、10%/minの歪速度で引張り、引張応
力−歪曲線の初めの直線部分を用いて次式によってヤン
グ率(E)を計算した。
【数1】E=Δσ/Δε (上記式中、E、Δσ、Δεはそれぞれヤング率(kg
/mm2 )、直線上の2点間の元の平均断面積による応
力差、同じ2点間の歪差を表す) (6)フィルム表面の平均粗さおよび粗さの均一性 日本工業規格JIS B0601に記載されている方法
に従い、(株)小坂研究所製 表面粗さ測定機(SE−
3F)を用いて、中心線平均粗さ(Ra)および最大高
さ(Rt)を求めた。なお、使用した触針の半径は、
2.0μm、荷重は30mgであり、カットオフ値は
0.08mmである。Rt/Raが小さいほど表面が均
一である。
【0021】(7)走行性 フィルムの滑り性により評価した。滑り性は、固定した
硬質クロムメッキ金属ロール(直径6mm)にフィルム
を巻き付け角(θ)135°で接触させ、53g(T
2 )の荷重を一端にかけて、1m/minの速度でこれ
を走行させ、他端の抵抗力(T1 ,g)を測定し、次式
により走行中の摩擦係数(μd)を求めた。
【数2】μd=0.424・ln(T1 /53) (8)粗大突起数 フィルム表面にアルミニウムを蒸着し、ニコンオプチフ
ォト干渉顕微鏡を用い、二光束法にて測定した。測定波
長は0.54μmで3次以上の干渉縞を示す突起(突起
高さ0.81μm以上)個数を100cm2 の面積に亘
り測定し粗大突起数とした。
【0022】(9)摩耗特性 固定した直径6mmの硬質クロム製固定ピン(材質SU
S420−J2、仕上げ0.2S)に幅10mmのフィ
ルムを巻きつけ角135°で接触させ、速度は11.4
m/min、初期張力300gで、200mのフィルム
を計5000mにわたって走行させ、ピンに付着した摩
耗白粉量を目視評価し、下に示すランク別に評価を行っ
た。 ランクA:全く付着しない ランクB:微量付着する ランクC:少量(ランクBよりは多い)付着する ランクD:極めて多く付着する (10)フィルムの巻き特性 ポリエステルフィルムの巻き取り作業時のロールの巻き
ずれ、シワ入りおよび巻き姿等の良否を総合的に判断し
た。
【0023】(11)磁気テープ特性 磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂30部、ニトロ
セルロース10部、塩化ビニル−酢酸セルロース共重合
体10部、レシチン5部、シクロヘキサノン100部、
メチルイソブチルケトン100部、およびメチルエチル
ケトン300部をボールミルにて48時間混合分散後ポ
リイソシアネート化合物5部を加えて磁性塗料とし、こ
れをポリエステルフィルムに塗布した後、塗料が十分乾
燥固化する前に磁気配向させ、その後乾燥し、2μmの
膜厚の磁性層を形成した。次いで、鏡面仕上げの金属ロ
ールとポリエステル系複合樹脂ロールとから構成されて
いる5段のスーパーカレンダーを用い、ロール温度85
℃、線圧250kg/cm、走行速度80m/minの
条件下、上記の磁気テープ5000mを7回繰り返し走
行させ、樹脂ロールに付着する白粉量を目視評価し、下
に示すランク別に評価を行った。 ◎…樹脂ロールに白粉の付着は全く見られない 〇…樹脂ロールに白粉の付着はほとんど見られない △…極く僅かな白粉の付着が見られる ×…明らかに白粉の付着が見られる
【0024】カレンダ処理後のフィルムを1/2インチ
幅にスリットした後、松下電気製NV−3700型ビデ
オデッキにより、常速にて下記の磁気テープ特性を評価
した。○電磁変換特性(VTRヘッド出力) シンクロスコープにより測定周波数が4メガヘルツにお
けるVTRヘッド出力を測定し、基準テープと比較し下
に示すランク別に評価を行った。 ◎…基準テープより非常に優れる 〇…基準テープと同等である △…基準テープより劣る ×…明らかに基準テープより劣り、実用に耐えない ○最大ドロップアウト数 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)ドロップアウトカウンタ
ーでドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当り
のドロップアウト数に換算した。その測定を20回繰り
返し、換算値の最大値を最大ドロップアウト数とした。
【0025】実施例1 [架橋高分子粒子の製造]脱塩水1500部に水溶性重
合開始剤の過硫酸カリウム3.2部と分散安定剤として
陰イオン界面活性剤のラウリルナトリウム(商品名:エ
マール 0 花王株式会社製)1部を添加し均一に溶解
させた後、エチレングリコールジメタクリレート65
部、メチルメタクリレート10部、1.4ブタンジオー
ルジアクリレート5部およびジビニルベンゼン20部の
混合溶液を加え、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら70
℃−12時間重合反応を行った。反応率は98%で、得
られた粒子の平均粒径は0.50μm、粒度分布値(D
w/Dn)は1.05であった。得られた粒子を電子顕
微鏡で観察したところ、ほぼ球状であった。次いで、得
られた粒子の水スラリーを50℃に冷却し、二次粒径が
0.05μmのδ型酸化アルミニウム50部を加え1時
間撹拌後、ポリアクリル酸ナトリウム/メトキシポリエ
チレングレコール/ポリプロピレングリコールモノメタ
クリレート共重合体の部分アンモニウム中和物1部を加
え、さらに1時間撹拌処理した後、エチレングリコール
2000部を加え、加熱減圧下で水を留去した。
【0026】[ポリエステルの製造]ジメチルテレフタ
レート100部、エチレングリコール60部および酢酸
マグネシウム4水塩0.09部を反応器にとり、加熱昇
温するとともにメタノールを留去してエステル交換反応
を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで昇温
し実質的にエステル交換反応を終了した。次いで、上記
スラリー8部を添加した。スラリー添加後、さらにリン
酸0.03部、三酸化アンチモン0.04部を加えて4
時間重縮合反応を行い、極限粘度0.61のポリエチレ
ンテレフタレートを得た。その内部を顕微鏡で観察した
ところ、粒子が均一に分散していることが確認された。
次いで、得られたポリエステルを乾燥後、290℃で溶
融押出し、無定形シートを得た。かかる無定形シートを
多段のニップロールの周速差を利用して、まず縦方向に
第1段目としてフィルム温度112℃で3.0倍延伸
後、連続して縦方向に第2段目としてフィルム温度11
3℃で1.5倍延伸した。なお、第1段目の延伸後のフ
ィルムの複屈折率は1.5×10-2であり、第2段目の
延伸後のフィルムの複屈折率は3.9×10-2であっ
た。次いで得られたフィルムを一旦40℃に冷却した
後、さらにフィルム温度98℃に加熱し、1.2倍で延
伸した。得られた縦延伸フィルムの複屈折率は6.1×
10-2であった。次に、テンター内で横方向に105℃
で3.95倍延伸後、さらに縦方向に125℃で1.0
5倍延伸し、220℃で熱処理を行い、厚さ15μmの
フィルムを得た。得られたフィルムのヤング率は縦方向
が430kg/mm2 、横方向が620kg/mm2
あった。またフィルムの極限粘度は0.59であった。
得られたフィルムに磁性層を塗布し磁気テープを得、そ
の特性を測定した。
【0027】比較例1 実施例1の架橋高分子粒子製造において、δ型の酸化ア
ルミニウムおよびポリアクリル酸ナトリウム/メトキシ
ポリエチレングレコール/ポリプロピレングリコールモ
ノメタクリレート共重合体の部分アンモニウム中和物を
用いない以外は実施例1と同様にしてフィルムを得、そ
の特性を評価した。 比較例2 実施例1の架橋高分子粒子製造において、ポリアクリル
酸ナトリウム/メトキシポリエチレングレコール/ポリ
プロピレングリコールモノメタクリレート共重合体の部
分アンモニウム中和物を用いない以外は実施例1と同様
にしてフィルムを得、その特性を評価した。 比較例3 実施例1の架橋高分子粒子製造において、δ型の酸化ア
ルミニウムを用いない以外は実施例1と同様にしてフィ
ルムを得、その特性を評価した。 比較例4 実施例1において、平均粒径が0.45μm、粒度分布
値(Dw/Dn)=1.35のカオリン粒子を用い、表
2に示す含有量とするほかは実施例1と同様にしてポリ
エチレンテレフタレートフィルムを得、その特性を評価
した。
【0028】実施例2 実施例1で用いた架橋高分子粒子を用い、実施例1のフ
ィルム製造と同様に縦および横方向に延伸した後、13
0℃で縦方向に1.08倍延伸し、220℃で熱処理を
行い、縦方向に強化された厚み9.8μmのフィルムを
得、その特性を評価した。 比較例5 比較例2で用いた架橋高分子粒子を用いる以外は実施例
2と同様にしてフィルムを得、その特性を評価した。 実施例3 実施例1のポリエステルの製造において、ジメチルテレ
フタレートの代わりにジメチル−2,6−ジメチルナフ
タレートを用いるほかは実施例1と同様にしてエステル
交換反応を行った。次いで、実施例1で用いた架橋高分
子粒子含有エチレングリコールスラリー8部を添加し、
さらにリン酸0.03部、三酸化アンチモン0.04部
を加えて常法により重縮合反応を行い、極限粘度0.5
9のポリエチレン−2,6−ナフタレートを得た。次い
で得られたポリマーを0.3mmHg、235℃で7時
間固相重合し、極限粘度0.68のポリエチレン−2,
6−ナフタレートを得た。得られたポリマーを295℃
で押出機よりシート状に押し出し、静電印加冷却法を用
いて厚さ100μmの無定形シートを得た。次いで、1
40℃で縦方向に4.2倍、テンターで横方向に3.9
倍延伸した。さらに160℃で1.8倍再縦延伸をした
後、220℃で間熱処理を行い、厚み8μmのポリエチ
レン−2,6−ナフタレートフィルムを得、その特性を
評価した。以上、得られた結果をまとめて下記表1〜3
に示す。
【0029】
【表1】 (表中、EGDMはエチレングリコールジメタクリレー
ト、MMAはメチルメタクリレート、BDDAは1.4
ブタンジオールジアクリレート、DVBはジビニルベン
ゼンを表し、a* はポリアクリル酸ナトリウム/メトキ
シポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコール
モノメタクリレート共重合体の部分アンモニウム中和物
を表す)
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】本発明のフィルムは、均一微細な表面構
造を有しており、特に耐摩耗性および走行性等に優れ、
磁気記録媒体用ベースフィルムをはじめとする産業用資
材として有用であり、その工業的価値は高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 4F 105:32 4F B29L 7:00 4F

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.05〜2倍重量のアルミニウム化合
    物と、0.01〜5倍重量の多価カルボン酸のアルカリ
    金属塩化合物、そのアンモニウム中和物およびその部分
    アンモニウム中和物から選ばれる少なくとも1種の化合
    物とにより、順次処理されてなる平均粒径0.01〜3
    μm架橋高分子粒子を0.01〜3重量%含有すること
    を特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010082953A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Unitika Ltd 逐次二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010082953A (ja) * 2008-09-30 2010-04-15 Unitika Ltd 逐次二軸延伸ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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