JPH06136105A - 改質ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造方法 - Google Patents

改質ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造方法

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JPH06136105A
JPH06136105A JP4282902A JP28290292A JPH06136105A JP H06136105 A JPH06136105 A JP H06136105A JP 4282902 A JP4282902 A JP 4282902A JP 28290292 A JP28290292 A JP 28290292A JP H06136105 A JPH06136105 A JP H06136105A
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邦明 川口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温使用においてテトラヒドロフラン等のガ
ス発生量が少なく、且つ、溶融時の昇華物量の少ない改
質ポリブチレンテレフタレート樹脂を提供する。 【構成】 テレフタル酸またはその低級アルコールエス
テルを主体とする酸成分と、1,4 −ブタンジオールを主
体とするジオール成分からポリエステルを製造するに際
し、特定の芳香族スルホン酸化合物を、予めジオール成
分或いはジオール成分と酸成分との混合成分中に、その
酸成分に対して 0.001〜0.5 モル%溶解した後、反応触
媒を添加してエステル化又はエステル交換反応を行い、
更に重縮合反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温使用においてテト
ラヒドロフラン等のガス発生量が少なく、且つ、溶融加
工時の昇華物量の少ない安定な改質ポリブチレンテレフ
タレート樹脂の製造方法、及びかかる製造法によって調
製された改質ポリブチレンテレフタレート樹脂又はその
組成物よりなる成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリブ
チレンテレフタレート(以下、PBTと略す場合もあ
る)は結晶性の熱可塑性樹脂として、機械的性質、電気
的性質、化学的性質、物理的性質に優れているため、エ
ンジニアリングプラスチックとして自動車、電気・電子
機器等の広範な用途に使用されている。また、保香性、
水蒸気等のガスバリヤー性等にも優れ、食料品、化粧品
等の容器、包装用フィルム等のパッケージングの分野に
おいても重用されている。しかし、PBTは、成形加工
上の問題として、溶融状態で加熱されることにより樹脂
の分解でガスや昇華物が発生し、これが原因となって成
形品中にボイドが発生したり、金型やロール等の成形用
機器に付着して汚染や腐食を引き起こすことがある。ま
た樹脂の成形作業は実際の生産工程においては必ずしも
連続的に行なわれるとは限らず断続的に成形作業が行な
われる事も多く、このような場合には樹脂が溶融状態で
成形機内で長時間滞留しやすいために特にガス及び昇華
物発生の問題は深刻であり、改良が望まれている。又、
これらのPBTを用いた成形品は、高温下で使用する場
合にもテトラヒドロフラン等のガスの発生が生じ、リレ
ー、スイッチ、コネクター等の電気または電子部品では
その金属接点を汚染または腐食させ、また、食料品、飲
料品、化粧品等の容器、包装フィルム等では内容物に異
臭を移したり、味覚を損ねたりする問題が生じている。
このように成形品におけるガス発生の低減もまた大いに
望まれている課題である。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる要
求に鑑みPBT系樹脂の優れた物性を保持し、しかも特
に高温使用においてテトラヒドロフラン等のガス発生量
が少なく、且つ、溶融時の昇華物量の少ない改質ポリブ
チレンテレフタレート樹脂を得るべく鋭意検討を重ねた
結果、本発明に到達した。即ち、本発明はテレフタル酸
またはその低級アルコールエステルを主体とする酸成分
と、1,4 −ブタンジオールを主体とするジオール成分か
らポリエステルを製造するに際し、下記一般式(I)で
示される化合物の少なくとも一種を、予めジオール成分
或いはジオール成分と酸成分との混合成分中に、その酸
成分に対して 0.001〜0.5 モル%溶解した後、反応触媒
を添加してエステル化又はエステル交換反応を行い、更
に重縮合反応を行うことを特徴とする改質ポリブチレン
テレフタレートの製造方法、及び該製造法により生成し
た改質PBT樹脂又はその組成物より成る成形品であ
る。 Ar-(SO3M)n (I) (但し、Arは置換基を有しないベンゼン環またはナフタ
レン環、又は置換基として炭素数1〜30のアルキル基,
炭素数2〜30のアルケニル基,アルキニル基を有するベ
ンゼン環またはナフタレン環である。n は1または2で
ある。M はテトラアルキルホスホニウム基、テトラアル
キルアンモニウム基、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、バリウム、カルシウムより選ばれる基又は元素であ
る。)本発明の改質ポリブチレンテレフタレートは、テ
レフタル酸またはそれらの低級アルコールエステルを主
体とする酸成分と、1,4 −ブタンジオールを主体とする
ジオール成分から得られるブチレンテレフタレート単位
を主たる構成要素とするもので、ホモポリエステルおよ
び共重合ポリエステルを包含する。
【0004】共重合ポリエステルを調製する場合には、
酸構成成分コモノマーとして前記主要構成酸成分以外に
酸成分として 2,6−ナフタレンジカルボン酸、 2,7−ナ
フタレンジカルボン酸、ジフェン酸、アジピン酸、セバ
シン酸、ドデカンジカルボン酸、1,4 −シクロヘキサン
ジカルボン酸あるいはこれらのジメチルエステル等の従
来公知の二官能性カルボン酸またはその低級アルコール
エステルの一種または二種以上を用いることが可能であ
る。また、ジオール構成成分コモノマーとして前記主要
構成ジオール成分以外にエチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、1,3 −プロパ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサン
ジオール、1,10−デカンジオール、1,4 −シクロヘキサ
ンジオール、p−キシリデングリコール、ハイドロキノ
ンのアルキレンオキシド付加体、2,2 −ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンのアルキレンオキシド付加
体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンのアルキ
レンオキシド付加体、2,6 −ジヒドロキシナフタレンの
エチレンオキシド付加体等の従来公知の二官能性ジオー
ルの一種または二種以上を用いることが可能である。ま
たコモノマーとして難燃性を付与するために上記物質の
ハロゲン置換体を用いても良い。また、トリメシン酸ト
リメチル、トリメリット酸トリメチル、トリメチロール
プロパン、ペンタエリスリトールの如き三官能以上の多
官能化合物、ステアリルアルコール、o−ベンゾイル安
息香酸メチル、含エポキシ化合物の如き単官能化合物、
p−ヒドロキシエトキシベンゼンカルボン酸メチルの如
きヒドロキシカルボン酸誘導体、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラヒドロフランの如きポリアルキレング
リコール等を少量使用或いは、上記共重合成分と併用す
ることも可能である。これらの共重合成分の導入量は、
好ましくは全構成繰り返しエステル単位に対し30モル%
以下であり、特に好ましくは20モル%以下である。
【0005】本発明における改質ポリブチレンテレフタ
レート樹脂の製造は、下記一般式(I)で示される芳香
族スルホン酸化合物の少なくとも一種を、予めジオール
成分或いはジオール成分と酸成分との混合成分中に、そ
の酸成分に対して 0.001〜0.5 モル%溶解させることを
特徴とする。 Ar-(SO3M)n (I) (但し、Arは置換基を有しないベンゼン環またはナフタ
レン環、又は置換基として炭素数1〜30のアルキル基,
炭素数2〜30のアルケニル基,アルキニル基を有するベ
ンゼン環またはナフタレン環である。n は1または2で
ある。M はテトラアルキルホスホニウム基、テトラアル
キルアンモニウム基、リチウム、ナトリウム、カリウ
ム、バリウム、カルシウムより選ばれる基又は元素であ
る。)具体的な上記一般式(I)で示される化合物とし
ては、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム、
4−ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニ
ウム、4−メチルベンゼンスルホン酸テトラブチルホス
ホニウム、4−ビニルベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム、ベンゼンスルホン酸テトラブチルアンモ
ニウム、4−ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチル
アンモニウム、4−メチルベンゼンスルホン酸テトラブ
チルアンモニウム、4−ビニルベンゼンスルホン酸テト
ラブチルアンモニウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、4−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−
メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、4−ビニルベン
ゼンスルホン酸ナトリウム、4−ドデシルベンゼンスル
ホン酸カリウム、4−ドデシルベンゼンスルホン酸カル
シウム、3,5 −ジメチルベンゼンスルホン酸テトラブチ
ルホスホニウム、1−アルキルナフタレン−7−スルホ
ン酸テトラブチルホスホニウム等が例示される。
【0006】これらの一般式(I)で示される芳香族ス
ルホン酸化合物は、モノマー調合段階からエステル交換
反応またはエステル化反応開始までの任意の時期に添加
し、予めモノマー中に溶解させることが必要である。即
ち、1,4 −ブタンジオールを主体とするジオール成分
中、或いはジオール成分とテレフタル酸またはその低級
アルコールエステルを主体とする酸成分との混合成分中
に、上記一般式で示される化合物を一旦溶解させた後
に、エステル化又はエステル交換反応触媒を添加する。
尚、触媒はモノマー成分の一部と混合添加してもよい。
一般式(I)で示される芳香族スルホン酸化合物及び触
媒の添加は、上記の条件を満たす範囲であれば必要に応
じて任意の段階に数回に分けて添加することも可能であ
る。一般式(I)で示される化合物が 1,4−ブタンジオ
ールを主体とするジオール成分中、或いはジオール成分
とテレフタル酸またはその低級アルコールエステルを主
体とする酸成分との混合成分中に溶解する以前に、エス
テル化又はエステル交換反応触媒を添加することは、一
般式(I)で示される化合物の溶解度を低下させ、重合
体及びその成形品に微小異物として残り、その外観や物
性を阻害したり、或いは本発明の目的とする溶融成形加
工時又は成形品のテトラヒドロフラン等のガス発生量、
昇華物量の低減効果が少なくなるため好ましくない。上
記の芳香族スルホン酸化合物の添加量は単独あるいは二
種以上を併せて、酸成分モノマーに対して 0.001〜0.5
モル%が好ましい。特に好ましい添加量は0.01〜0.3 モ
ル%である。上記溶解量が 0.001モル%より少ない場合
は成形品の高温使用においてテトラヒドロフラン等のガ
ス発生量、および溶融時の昇華物量の低減効果が少な
く、また、 0.5モル%よりも多い場合には上記効果が平
衡に達する上、不溶解のまま、重合品に微小異物として
残り、成形品の外観不良、機械的強度の低下等を生じ好
ましくない。
【0007】本発明の方法において、酸成分としてテレ
フタル酸の低級アルコールエステルを用いる場合のエス
テル交換反応は、テレフタル酸の低級アルコールエステ
ルと1,4 −ブタンジオールをモル比1:1〜1:2とし
て常圧下において行う。実用的な反応速度を得るため、
予め上記の芳香族スルホン酸化合物の溶解後、触媒を添
加する。触媒としてはチタン化合物、スズ化合物、酸化
鉛、酢酸鉛、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、酢酸マンガンなどが
例示され、その中でも有機チタネート化合物、四塩化チ
タン化合物及びこれらの加水分解物或いは加アルコール
分解物、酸化スズ、酢酸スズ、有機スズ化合物等が好適
である。具体的には、テトラブチルチタネート、テトラ
プロピルチタネート、テトラエチルチタネート、テトラ
メチルチタネート及びそれらの加水分解物、四塩化チタ
ン及び硫酸チタン等の加水分解物、チタンフッ化カリ、
チタンフッ化亜鉛、チタンフッ化コバルトなどの無機チ
タン化合物、シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリ等の
ポリエステル製造触媒として従来公知のチタン化合物、
および/又はジブチルスズオキシド、ジブチルスズアセ
テート、ジオクチルスズジアセテート、ジフェニルスズ
ジラウリルメリカプチド、ポリジブチルスズセバケー
ト、ジブチルスズエチレングリコレート、ジオクチルス
ズチオサリチレート、ジフェニルスズベンゼンスルホネ
ート、ジメチルスズ−p−トルエンスルホネート等のポ
リエステル製造触媒として従来公知のスズ化合物が挙げ
られる。特に好ましいものとしては、テトラブチルチタ
ネート、テトラプロピルチタネート、四塩化チタンの加
水分解物、ジブチルスズオキシド、ジブチルスズアセテ
ート、ジオクチルスズジアセテート等が挙げられる。
【0008】これらの触媒の使用量はチタン化合物系、
スズ化合物系およびこれらの混合系を例にした場合、触
媒をチタンおよびスズ(混合系の場合はその合計)とし
て好ましくは10〜1200ppm (対ポリマー)、特に好まし
くは30〜1000ppm (対ポリマー)とするのがよい。触媒
の添加は反応系中の温度が 170℃以下であることが好ま
しく、必要に応じて反応中数回に分けて加えることも可
能である。この後、反応温度は、連続的に生成するメタ
ノール等の低級アルコールを除去しながら 230℃以下ま
で上げることが可能である。反応系の温度が 170℃以上
で触媒の添加を行うと、生成するメタノール等の低級ア
ルコールの留出速度が高くなるため留出管上部への突沸
が顕著となり、装置の閉塞トラブル等の異常をきたすた
め好ましくない。
【0009】また、酸成分としてテレフタル酸を主たる
原料とするエステル化反応はテレフタル酸1モルに対し
て、1,4 −ブタンジオール1〜5モルの割合で常圧下又
は加圧下でおこない、上記の芳香族スルホン酸化合物の
溶解後、上記のチタン化合物あるいはスズ化合物等のエ
ステル化反応触媒を加えて、連続的に生成する水を除去
しながら行われる。この場合も触媒の添加は反応系中の
温度が 170℃以下であることが好ましく、必要に応じて
反応中数回に分けることも可能である。この後、反応温
度 250℃以下まで上げることが可能である。
【0010】重縮合反応は上記エステル交換反応或いは
エステル化反応によって得られる生成物を 190〜270 ℃
で反応系を減圧にし過剰の1,4 −ブタンジオール及び反
応副生物を連続的に除去しながら所望の重合度が得られ
るまで溶融重合を行う。重縮合反応で実用的な反応速度
を得るための触媒としては、前記エステル交換反応或い
はエステル化反応に使用される触媒がそのまま使用可能
であり、また重縮合反応の速度を向上するために重縮合
反応開始以前に更にこれらの一種又は二種以上を追加す
ることも可能である。また、モノマー調合段階又は重合
段階に立体障害性フェノール、りん系化合物等の従来公
知の安定剤を加えることも可能である。尚、重縮合反応
速度に対し、本発明で添加する芳香族スルホン酸化合物
は本発明の規定する添加量においては悪影響を与えず、
何ら重縮合反応を妨げるものではない。
【0011】溶融重合により得られた本発明の改質ポリ
ブチレンテレフタレートはオルソクロロフェノール中25
℃の固有粘度が 0.5〜1.2 程度の値のものであり、これ
は次いで冷却固化し、粉砕またはペレット化される。ま
た高重合度を必要とする場合には用途に応じて固相重合
に移行することも可能である。固相重合は通常公知の方
法にて行なわれ、所望の重合度は滞留時間、処理温度等
により適宜調節することができる。
【0012】尚、本発明の改質ポリブチレンテレフタレ
ート樹脂は、必要に応じ他の熱可塑性樹脂、添加剤、有
機充填剤、無機充填剤等の一種または二種以上を重合
中、又は重合後に補助的に添加配合した組成物として使
用することもできる。ここで熱可塑性樹脂としてはポリ
エステルエラストマーおよび本発明以外のポリエステル
系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート、ポリアセター
ル、ポリアリーレンオキシド、ポリアリーレンスルフィ
ド、フッ素樹脂等が例示される。また、添加剤として
は、従来公知の紫外線吸収剤や抗酸化剤等の安定剤、帯
電防止剤、難燃剤、難燃助剤、染料や顔料等の着色剤、
潤滑剤、可塑剤、滑剤、離型剤、結晶核剤等が例示され
る。また、無機充填剤としては、ガラス繊維、ミルドガ
ラスファイバー、ガラスビーズ、ガラスフレーク、シリ
カ、アルミナ繊維、ジルコニア繊維、チタン酸カリウム
繊維、カーボン繊維、カーボンブラック、黒鉛、珪酸カ
ルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレ
ー等の珪酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ア
ンチモン、アルミナ等の金属酸化物、カルシウム、マグ
ネシウム、亜鉛等の金属の炭酸塩や硫酸塩、さらには炭
化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等が例示され、有機充填
剤としては高融点の芳香族ポリエステル繊維、液晶性ポ
リエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊
維、ポリイミド繊維等が例示される。
【0013】電気・電子部品或いは自動車部品等に成形
品として使用する場合はその使用環境により難燃性を要
求される場合が数多くあり、難燃剤、難燃助剤の配合が
必須となることが多い。難燃剤としては臭素化ポリカー
ボネート、臭素化エポキシ化合物、臭素化ジフェニル、
臭素化ジフェニルエーテル等の公知のハロゲン含有化合
物系難燃剤が使用でき、また、難燃助剤としては三酸化
アンチモン、五酸化アンチモン、ハロゲン化アンチモン
等のアンチモン化合物の他、亜鉛、ビスマスを含む金属
化合物、水酸化マグネシウム或いはアスベストの如き粘
土質珪酸塩等が使用できる。また、抗酸化剤等の安定剤
を適量使用することは本発明における効果をさらに向上
させるため好ましい。
【0014】本発明の改質PBT樹脂及びその組成物
は、射出成形、押出成形、ブロー成形、圧縮成形、真空
成形等、各種の成形法が適用可能であり、各種の成形部
品、フィルム、シート等に加工して各種の用途に供され
る。
【0015】
【発明の効果】本発明により製造された改質ポリブチレ
ンテレフタレート樹脂は、優れた物性を有し、特に溶融
成形加工時の安定性が優れ、分解昇華物の発生量が少な
く、且つ高温使用においてテトラヒドロフラン等のガス
発生量が少なく、リレー、スイッチ、コネクター等の電
気または電子部品として金属部の汚染、腐食等を生じる
ことなく、また、食料品、化粧品の容器、包装フィルム
等としても内容物を汚染することがなく好適である。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚、生成樹脂の特性評価は以下の通り行なった。 (1)発生ガス、及びその発生量測定 射出成形機にて一定の条件でASTM1号引張り試験片を作
成し、これを一定の粒径に粉砕したものを試料とした。
試料は5gとり、20mlのヘッドスペース中に、140 ℃で
2時間放置した後、発生したガスを下記の条件でガスク
ロマトグラフィーによって測定した。試料の重量に対し
て、発生したガスの重量をppm で示した。 装置 ;横河ヒューレット・パッカードHP58
90A カラム ;HR−1701,0.32mm径×30m カラム温度 ;50℃(1分間)→5℃/min → 250℃
(1分間) ディテクター;FID (2)溶融加熱減量測定 熱重量分析装置(パーキンエルマー、TGA−7)によ
りペレットより切り出したサンプル10mgを用いて、窒素
フロー雰囲気下、 260℃で溶融加熱し、溶融時間5分か
ら15分の間の10分間における重量減少率を測定した。 (3)機械的強度評価 ASTM D 256に準じてアイゾット衝撃強さ(ノッチ側)を
測定した。
【0017】実施例1〜3、比較例1〜2 攪拌機及び留出塔を備えた反応器を十分に窒素置換した
後、予め 140℃の1,4−ブタンジオール(1,4 BD)145
重量部中に所定量のベンゼンスルホン酸テトラブチル
ホスホニウム(I−a)を添加し溶解させた。次いで、
同温においてテレフタル酸ジメチル(DMT) 246重量
部、及びチタニウムテトラブトキシド0.16重量部を仕込
み、エステル交換反応を行い、徐々に温度を上昇させ副
生するメタノールを留去した。留出メタノールが理論量
の88重量%を越えた時点で反応物質の温度を 200℃に上
昇させ、次いでこれを別の反応器に移し、1時間で 0.5
torrまで減圧し、同時に反応温度を 250℃まで上昇さ
せ、この状態で 1.5時間攪拌を続けた後、溶融物を排出
口からストランドとして押し出し、そのストランドを水
で冷却し、熱風下を通して付着水を除去しペレット状の
改質PBT樹脂を得た。得られたポリエステルの固有粘
度をオルソクロロフェノール中25℃で測定し、更に、上
記特性評価を行った。発生ガスとしては、1−ブテン、
テトラヒドロフラン、3−ブテン−1−オール等のガス
が観測された。結果を表1に示す。比較のため該芳香族
スルホン酸化合物を全く使用しない場合(比較例1) 、
並びに、I−aの添加量が本発明の範囲外の場合(比較
例2)についても同様の方法で評価した。結果を併せて
表1に示す。尚、比較例2にて得られたポリエステル中
には、白色の微小粒子が観測された。
【0018】実施例4〜6、比較例3〜4 ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム(I−
a)の代わりに4−ドデシルベンゼンスルホン酸テトラ
ブチルホスホニウム(I−b)、4−メチルベンゼンス
ルホン酸テトラブチルアンモニウム(I−c)、4−ビ
ニルベンゼンスルホン酸ナトリウム(I−d)をそれぞ
れ所定量(0.1 モル%;対DMT)用いた以外は実施例
2と同様に溶融重合を行い改質PBT樹脂を得た。結果
を表2に示す。尚、比較のため一般式(I)で示される
構造と異なる、3,5 −ジカルボキシベンゼンスルホン酸
(I’−e)、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸ナト
リウム(I’−f)を使用した場合についても同様に評
価した。結果を併せて表2に示す。
【0019】実施例7 1,4 BD145 重量部とDMT 246重量部の 140℃の混合
溶液中にベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム
(I−a)0.56重量部(0.1 モル%対DMT)を溶解さ
せた。次いで、同温においてチタニウムテトラブトキシ
ド0.16重量部仕込み、常圧下でエステル交換反応をおこ
ない、徐々に温度を上昇させ副生するメタノールを留出
した。反応物質の温度が 200℃に上昇した時点で、これ
を別の反応器に移し、減圧し、同時に反応温度を 250℃
まで上昇させ、改質PBT樹脂を得た。得られたポリエ
ステルについて実施例2と同様の方法で評価した。結果
を表3に示す。
【0020】比較例5 1,4 BD 145重量部とDMT 246重量部に、先にチタニ
ウムテトラブトキシド0.16重量部を仕込み、昇温させ、
反応系内の温度が 140℃の時点で、ベンゼンスルホン酸
テトラブチルホスホニウム(I−a)0.56重量部(0.1
モル%)を添加し、更に徐々に温度を上昇させ副生する
メタノールを留去した。反応物質の温度が200 ℃に上昇
した時点で、これを別の反応器に移し、減圧し、同時に
反応温度を250 ℃まで上昇させ、PBT樹脂を得た。得
られたポリエステルについて実施例2と同様の方法で評
価した。結果を併せて表3に示す。生成ポリエステル中
には白色の微小粒子が観測され、成形品の表面状態も不
良であった。
【0021】実施例8〜9、比較例6〜7 共重合成分としてDMTの一部(10モル%)をイソフタ
ル酸ジメチル(DMI)とした場合(実施例8)、及び
1,4BDの一部(2.5 モル%)を2,2 −ビス〔3,5 −ジ
ブロモ−4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プ
ロパン(BrEBPA)とした場合(実施例9)につい
て実施例2と同様に溶融重合を行い、共重合ポリエステ
ルを得た。結果を表4に示す。尚、比較のため該芳香族
スルホン酸化合物を全く使用しない場合(比較例6、
7)についても同様の方法で評価した。結果を併せて表
4に示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【表3】
【0025】
【表4】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テレフタル酸またはその低級アルコール
    エステルを主体とする酸成分と、1,4 −ブタンジオール
    を主体とするジオール成分からポリエステルを製造する
    に際し、下記一般式(I)で示される化合物の少なくと
    も一種を、予めジオール成分或いはジオール成分と酸成
    分との混合成分中に、その酸成分に対して 0.001〜0.5
    モル%溶解した後、反応触媒を添加してエステル化又は
    エステル交換反応を行い、更に重縮合反応を行うことを
    特徴とする改質ポリブチレンテレフタレート樹脂の製造
    方法。 Ar-(SO3M)n (I) (但し、Arは置換基を有しないベンゼン環またはナフタ
    レン環、又は置換基として炭素数1〜30のアルキル基,
    炭素数2〜30のアルケニル基,アルキニル基を有するベ
    ンゼン環またはナフタレン環である。n は1または2で
    ある。M はテトラアルキルホスホニウム基、テトラアル
    キルアンモニウム基、リチウム、ナトリウム、カリウ
    ム、バリウム、カルシウムより選ばれる基又は元素であ
    る。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の製造法により生成した改
    質ポリブチレンテレフタレート樹脂又はその組成物より
    成る成形品。
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