JPH0613595U - パチンコ店等店用の自動復帰椅子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 スムーズに、かつ安心して着座姿勢に入り得
るとともに、安定した着座状態が確保でき、長時間の着
座でも疲労感が少ない床面から立上る方式等の柱体に装
置される自動復帰椅子を提供する。 【構成】 椅子用の立上り方式の柱体と、この柱体に略
９０゜直角水平状に架承される取付けベース３と、この
取付けベースに傾斜状に枢着された揺動ベース６と、こ
の揺動ベースと取付けベースとの間に設けた揺動ベース
の復帰を司る復帰手段と、揺動ベースの復帰位置を規制
する規制手段と、揺動ベースに取付けられた背もたれ一
体化のシート１１と、で構成された自動復帰椅子であっ
て、シートの先端部が、取付けベースの水平位置より、
下方に装置される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、パチンコ店、スタンド店、その他床面より立上り方式等の柱体に装 置される自動復帰椅子の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、前記柱体に装置された椅子（以下、パチンコ店用の椅子で説明する。） は、椅子相互間、又は椅子と壁面との間に、通行用の間隔（殊に、緊急時に必要 である。）を設けることが義務づけられている。

【０００３】 しかし、都心、スペースが確保できないパチンコ店等では、前記間隔を少しで も小さくし遊技台の設置台数の確保を図ったり、又は、店の雰囲気の向上を図っ たりすることが試みられている。

【０００４】 また在来の水平設置形の椅子では、そのシート面に置かれた物（例えば、火の 付いたタバコの吸殻）が、落下せず困ることがあった。

【０００５】 以上の点を考慮して、先行技術の調査いたしました処、従来技術文献が検索さ れました。

【０００６】 先ず、第一に、実公昭２９−３１５７号の自動的に旧位に復する軽便椅子があ り、立上り方式の足杆に、バネで復帰する椅子を設けた構成で、不必要時に、足 杆の真上に復帰する装置である。

【０００７】 次に、第二に、実公昭６１−３４０１号の身体弱者用の椅子座部の構造があり 、座板支持台に、バネを介して座板を傾斜状態に立上らせる構造で、座板が水平 状態でロック可能とした装置である。

【０００８】 また、その他、一部に電動リクライニングチェアーとして、そのシートが傾斜 状に、自動制御できる椅子が見当る。

【０００９】

【考案が解決しようとする課題】

前述の技術文献の中で、実公昭２９−３１５７号は、簡易で単純な機構であり 、大変便利である反面、小型で座り心地が悪く、かつ長時間の着座には、不向き であること、立設復帰状態から着座することから、不安定であり、着座に対して 、大変に気をつかうこと、等の課題が考えられる。

【００１０】 次に実公昭６１−３４０１号は、着座に対する安定性と、長時間の着座には適 している反面、バネを介しての復帰であり、座部の復帰位置が必ずしも一定には ならない。

【００１１】 それがため、着座時に、手で誘導するか、又は慎重に着座する必要があって、 簡易で、かつ使用に利便な椅子とは、到底云えない処であります。

【００１２】 また前記電動リクライニングチェアーは、有益である反面、構造が複雑である こと、操作が大変であること、コスト高となること、等の課題があるとともに、 店用の椅子には、とても採用できない機構である。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案は、シートの復帰位置を常に一定と、着座し易くすること、ま たシートの先端部を、取付けベースの水平位置より、下方に装置して、シート着 座時に、人の重みを柱体の上方で受け止めること、長時間の着座にも疲労感を覚 えないこと、等を目的として下記の構成を採用する。

【００１４】 即ち、本考案パチンコ店等店用の自動復帰椅子は、 在来の椅子用の立上り方式の柱体と、 この柱体に略９０゜直角水平状に架承される取付けベースと、 この取付けベースに傾斜状に枢着された揺動ベースと、 この揺動ベースと前記取付けベースとの間に設けた当該揺動ベースの復帰を司 る復帰手段と、 前記揺動ベースの復帰位置を規制する規制手段と、 前記揺動ベースに取付けられた背もたれ一体化のシートと、 で構成された自動復帰椅子であって、 前記シートが、前記取付けベースの水平位置より、下方に装置されることを特 徴とする構造である。

【００１５】

【作用】

次に、本考案の作用（着座状況）を説明する。

【００１６】 取付けベースに対して揺動ベースが、最大揺動時で、かつ規制手段により、シ ートが所定の傾斜位置で、かつシートの先端部（以下、単に先端部とする。）が 、取付けベースの下方にある状況下、即ち、シートが復帰状態にあるとき、人の 尻部をシート上に軽く添接した後、そのまま体重をシートにかける。

【００１７】 この体重により、シートが押し下げられていくと、取付けベースに設けた取付 軸が、揺動ベースの円弧状孔に誘導され、揺動ベースの後部は、後述する先部よ り大きな移動距離で、かつ時計方向への円弧状軌跡で、しかも所定の移動スピー ドをもって移動する。

【００１８】 一方、同状況下で、揺動ベースの先部は、揺動ベースに設けた移動軸が、取付 ベースの円弧状孔に誘導され、この揺動ベースの先部は、所定の小さい時計方向 の円弧状軌跡で、かつ所定の移動スピードをもって移動する。

【００１９】 前記両移動がスムーズに進捗することにより、シートの先端部は、取付けベー スの下方より、この取付けベースと同じ水平位置に移行するとともに、揺動ベー スがシートとともに後方に移動し、かつ前記移動軸の後方移動を介して、バネを 圧縮していく。

【００２０】 これにより着座者の重心が、丁度柱体の上面に位置する状況となって、その全 重心を、柱体で確実に受け止めることができる。

【００２１】 このシートの移動を介して、着座者は容易、かつ確実に着座することができ、 かつバネは圧縮状態に維持される。

【００２２】 その後、着座者が立上ると、圧縮されていたバネが反撥し、揺動ベースの移動 軸が、シートの先端部側に押圧されるとともに、この移動軸は、取付けベースに 設けた円弧状孔に誘導され、前述とは逆に反時計方向の円弧状軌跡で、かつ所定 の移動スピードをもって原位置（傾斜状態）に復帰する。

【００２３】 また前記バネの反撥により、揺動ベースの後部は、当該揺動ベースに設けられ た円弧状孔にガイドされ、反時計方向で、かつ前記先部より大きな移動距離で、 しかもシートの先端部方向にスライド、当該シートの先端部が、取付けベースの 水平位置より下方に位置する最初の状態に復帰する。

【００２４】 尚後述する取付けベースと、揺動ベースとが枢着された構造では、当該揺動ベ ースは、移動しない機構となっているが、前述と同様に、当該揺動ベースは、着 座姿勢により時計方向に揺動し、着座できる。

【００２５】 そして、その後、起立することにより、復帰手段を介して当該揺動ベースが、 復帰する構造となっている。

【００２６】 勿論、前記取付けベースに、水平方向の移動機構を付与することもできる。

【００２７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を、図面に基づいて説明する。

【００２８】 先ず、図１〜図１０に示す機構は、揺動ベースが移動する考案であり、１は床 面Ｈに立設された柱体を構成する柱体本体で、この柱体本体１には、同柱体を構 成する自動復帰方式の回転柱体杆２が挿設されている。勿論柱体本体１のみで柱 体を構成してもよい。また柱体本体１を、移動式のベース上に立設した構造でも よい。

【００２９】 この回転柱体杆２の上端には、正面視して凹形をなす取付けベース３がほぼ水 平状態に固設されているとともに、この取付けベース３には、取付けベース３に 設けた取付軸４と、その先部に穿設した円弧状孔５と、を介して正面視して倒凹 形をなす揺動ベース６が跨設けられている。

【００３０】 具体的には、取付軸４が、揺動ベース６に差渡し設けた円弧状孔７に挿設され 、揺動ベース６に差渡し設けた移動軸８が、取付けベース３に設けた円弧状孔５ に挿設されることにより、取付けベース３に揺動ベース６が、揺動自在かつ水平 方向に移動自在に設けれられる。

【００３１】 図中１０は移動軸８と取付けベース３の突片３ａとの間に設けられた復帰手段 を構成するバネ（圧縮バネ）で、このバネ１０は移動軸８の後退により圧縮され （シートへの着座）、原位置への復帰により復元（シートよりの起立）する構造 となっている。

【００３２】 そして、前記取付けベース３には背もたれ１０を備えたシート１１が取付けら れる。

【００３３】 尚図中１２は取付けベース３の水平方向における移動機構である。

【００３４】 図中６１は揺動ベース６の後面板を示しており、取付けベース３の後方をガー ドする目的に設けられている。

【００３５】 以下、他の実施例の要部を説明する。

【００３６】 図４はリンク機構１３を介して、取付けベース３と揺動ベース６とを連係し、 バネ９の反撥で復帰する構造である。

【００３７】 図５は取付けベース３に水平状孔５１を穿設し、この水平状孔５１に揺動ベー ス６の移動軸８を設けるとともに、取付けベース３と揺動ベース６との間にクラ ンクアーム１４を設けた構造である。

【００３８】 図７は、図４の変形例であって、バネ９に替り引張りバネ１９を設けた構造で ある。

【００３９】 図８は、図５の変形例であって、バネ９に替り引張りバネ１９を設けた構造で ある。

【００４０】 図９は、図６の変形例であって、バネ９に替え引張りバネ１９を設けた構造で ある。

【００４１】 図１０は、図１〜図３の変形例であって、バネ９に替え引張りバネ１９を設け た構造である。

【００４２】 次に図１１〜図１６に示す機構は、取付けベース３に揺動ベース６が枢軸１５ を介して、枢着された各例であって、揺動ベース６は一定の水平位置で、揺動す る構造となっている。

【００４３】 即ち、図１１は取付けベース３と揺動ベース６とを、リンク１３ａを介して連 係した構造である。

【００４４】 図１２は取付けベース３に差渡し設けた取付軸４と、揺動ベース６に穿設した 円弧状孔７との連係により揺動する構造である。

【００４５】 図１３は取付けベース３に枢着したクランクアーム１４を、揺動ベース６の直 線状孔７１に連係し、しかもクランクアーム１４の連係側を、前記直線状孔７１ に移動可能に設けた構造である。

【００４６】 図１４は枢着された取付けベース３と、揺動ベース６との間に復帰位置への規 制を兼ねたバネ２９を設けた例であり、最も単純な構造となっている。

【００４７】 図１５は枢着された取付けベース３と、揺動ベース６との間に復帰位置への規 制を兼ねたトーションバネ３９を設けた例であり、この考案も単純な構造となっ ている。

【００４８】 図１６は枢着された取付けベース３と、揺動ベース６との間に復帰位置への規 制を兼ねた戻りバネ４９を設けた例であり、この考案も同様に単純な構造となっ ている。

【００４９】 尚前記図１１〜図１６の取付けベース３と、揺動ベース６とが枢着方式の場合 は、前記移動機構１２を組み込むと、シート１１への心地よい着座と、パチンコ 台との間にスペースが保て有益である。また通行用の間隔も広くなり有意義であ る。勿論図１〜図１０の各例の場合も、前記移動機構１２を組み込むことも有り 得る。

【００５０】 また前記バネ９、引張りバネ１９、復帰位置への規制を兼ねたバネ２９等に替 え、例えばガススプリング、ゴムスプリング等にする構造でもよい。

【００５１】 以上各例の機構を説明、図示したが、要は取付けベース３に、揺動ベース６が 揺動自在に枢着され、揺動ベース６に取付けられたシート１１の先端部が、前記 取付けベース３の水平位置より、下方に装置される構造であれば、いずれでも可 能である。

【００５２】 尚揺動ベース６とシート１１との取付け構造の一例を示すと、図２の如く、揺 動ベース６の左右の上面鍔片６２に、それぞれ当て部材１６を介してシート１１ の座板（図示せず）に螺着する構成を採用する。

【００５３】

【考案の効果】

以上詳述した如く、取付けベースに、揺動ベースを揺動自在に枢着し、この揺 動ベースに取付けたシートを無着座状態では、傾斜状に静置させるとともに、こ のシートの先端部を、前記取付けベースの水平位置より、下方に装置させる構成 であるので、下記のような効果を有する。

【００５４】 （１）シートの先端部が、下方に装置されており、スムーズに、かつ安心して着 座姿勢に入りえる。

【００５５】 （２）着座した場合、その重心が丁度柱体の延長線上にあり、その荷重に十分に 対応できることと、安定した着座状態が確保できる。

【００５６】 （３）柱体上にシートが移動することから、長時間の着座でも疲労感が少ない。

【００５７】 （４）在来のパチンコ店用の柱体に装着でき、大変有益で、かつ汎用性がある。

【００５８】 （５）通行用の間隔が広くなり、通行に便利であること、及び店の雰囲気がよく なる。また同じスペースに、設置されるパチンコ台の数も増える。

【００５９】 また本考案は、揺動ベースに復帰規制手段を設けてあるので、下記のような効 果を有する。

【００６０】 （６）着座時に、常時一定の姿勢で可能となる。

【００６１】 （７）各店ともシートが、同じ傾斜状態を確保しており、使い易いことと、心地 よい着座が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】全体の一部欠截の側面図である。

【図２】取付けベースと、揺動ベースとの関係を示す一
部欠截の拡大斜視図である。

【図３】要部の拡大側面図である。

【図４】リンク機構を備えた取付けベースと揺動ベース
との関係を示す側面図である。

【図５】取付けベースと、水平状孔を備えた揺動ベース
との関係を示す側面図である。

【図６】クランクアームを備えた取付けベースと、揺動
ベースとの関係を示す側面図である。

【図７】図４の変形例を示す側面図である。

【図８】図５の変形例を示す側面図である

【図９】図６の変形例を示す側面図である

【図１０】図２の変形例を示す側面図である。

【図１１】図４の他の変形例を示す側面図である。

【図１２】図５の他の変形例を示す側面図である。

【図１３】図６の他の変形例を示す側面図である。

【図１４】取付けベースと、揺動ベースとの関係を示す
他の例を示した側面図である。

【図１５】取付けベースと、揺動ベースとの関係を示す
その他の例を示した側面図である。

【図１６】取付けベースと、揺動ベースとの関係を示す
更に他の例を示した側面図である。

【符号の説明】

１ 柱体本体 ２ 回転柱体杆 ３ 取付けベース ４ 取付軸 ５ 円弧状孔 ５１ 水平状孔 ６ 揺動ベース ７ 円弧状孔 ７１ 直線状孔 ８ 移動軸 ９ バネ １９ 引張りバネ ２９ 復帰位置への規制を兼ねたバネ ３９ 復帰位置への規制を兼ねたトーションバネ ４９ 復帰位置への規制を兼ねた戻りバネ １０ 背もたれ １１ シート １２ 移動機構 １３ リンク機構 １４ クランクアーム １５ 枢軸

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 在来の椅子用の立上り方式の柱体と、 この柱体に略９０゜直角水平状に架承される取付けベー
   スと、 この取付けベースに傾斜状に枢着された揺動ベースと、 この揺動ベースと前記取付けベースとの間に設けた当該
   揺動ベースの復帰を司る復帰手段と、 前記揺動ベースの復帰位置を規制する規制手段と、 前記揺動ベースに取付けられた背もたれ一体化のシート
   と、 で構成された自動復帰椅子であって、 前記シートが、前記取付けベースの水平位置より、下方
   に装置されることを特徴とするパチンコ店等店用の自動
   復帰椅子。
2. 【請求項２】 請求項１の取付けベースには、揺動ベー
   スが跨設されており、取付けベースに差渡した取付軸
   が、前記揺動ベースの側面に穿設した円弧状孔に挿設さ
   れているとともに、揺動ベースに差渡した移動軸が、取
   付けベースの円弧状孔に挿設され、前記移動軸の移動を
   介して、自動復帰手段用のバネを圧縮又は解放する構成
   とした請求項１のパチンコ店等店用の自動復帰椅子。
3. 【請求項３】 請求項１の立上り方式の柱体が、柱体本
   体と、自動回転復帰用の回転柱体杆とで構成されている
   請求項１のパチンコ店等店用の自動復帰椅子。