JPS608760Y2 - 椅子の背もたれ装置

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【考案の詳細な説明】本考案は椅子の背もたれを傾斜させる装置に関するもの
である。

理容、美容あるいは医療に用いる椅子では背もたれが傾
斜するものが存在する。

この場合椅子の水平部分すなわち体重が加わる座席部が
水平のま＼で背もたれだけが傾斜する構造では腰部が座
席部の前方にずれ、背中が背もたれの下方にずれること
が多い。

従って傾斜させたときにも起こしたときにも座っている
人は一旦座りなおして衣服の背中に生じたずれを直すよ
うな動作が必要となる。

本考案はこのような欠点を改善するためになされたもの
で背もたれと共に座席も傾斜し、座っている人が背中に
不自然な動きや衣服のずれを感じることのない椅子を提
供することを目的とする。

次に実施例について説明する。

１は基台でありこの基台１上部には水平ピン２を回転自
在に挿入する。

この水平ピン２に座席の基礎台となる水平腰板２１を取
り付は更に腰板２１両側にはひじかけ２２固定用のブラ
ケット２３を固定する。

従って、腰板２１、ひじかけ２２とも水平ピン２を中心
に傾斜自在である。

一方基台１後方に枝フランジ１１を突設し、この枝フラ
ンジ１１の端にはチルトシリンダ３の基端片３１をピン
３５を介して回転自在に軸支する。

このチルトシリンダ３は油圧供給により伸縮するラム３
２を有し、このラム３２の自由端は椅子の背もたれ４の
骨組材４１にピン４４で軸支する。

なお３３はチルトシリンダ３への給油、排油孔である。

更に背もたれ４の骨組材４１とひじかけ固定用ブラケッ
ト２３との間に背もたれ支持リンク４２で連結し、背も
たれ４はこの支持りンク４２のひじかけ固定用ブラケッ
ト２３側のピン４３を中心に傾斜、起倒するよう構成す
る。

またチルトシリンダ３の基端片３１近くと腰板２１の端
との間を腰板２１引張りリンク３４によって連結する。

次に作動について説明する。

チルトシリンダ３のラム３２が伸張しているときには背
もたれ４は起立状態にある。

座席に座った状態でシリンダ３内の油圧を抜くと（理美
容師等がバルブを操作する）座った人の体重、及びシリ
ンダ３に設けた付勢ばね（引張りばねで、ラム３２の下
降を助勢する）の弾力でラム３２は徐々にシリンダ３内
に入って縮少する。

したがって、骨組材４１は下降するが、該骨組材４１に
固定されている背もたれ支持リンク４２がブラケット２
３のピン４３に枢着されているので、上記骨組材４１の
下降力はピン４３を支点とする後方（図面の左方）への
回動力に変換される。

よって、シリンダ゛３は枝フランジ１１のピン３５を支
点として後方へ回動し、背もたれ４はその上部が後方へ
回動した傾斜状態となる。

シリンダ３の後方への回動は基端片３１の後方へのわず
かな回動をもたらし、該基端片３１と腰板２１を連結し
た引張りリンク３４の後方への引張りにより、基台１に
回転自在に挿入されている水平ピン２に取付けた腰板２
１の前方が上方へ回動して傾斜状態となる。

従って背もたれ４の傾斜と共に腰板２１は徐々に傾斜し
、座っている人は背中だけを引っ張られるといった異和
感は感じない。

背もたれ４を起す場合は、チルトシリンダ３内へ油圧を
供給するラム３２が上昇する。

したがって、骨組材４１が上昇するが、背もたれ支持リ
ンク４２とブラケット２３の枢着により、骨組材４１の
上昇力はピン４３を支点とした前方（図面の右方）への
回動力に変換される。

よって、シリンダ３は枝フランジ１１のピン３５を支点
として前方へ回動し、背もたれ４はその上部が前方へ回
動して起立状態となる。

そして、シリンダ３の前方への回動は引張りリンク３４
の前方への押出し力となり、腰板２１は水平ピン２１の
回動によりその前方が下降して水平状態となる。

本考案は上記したように背もたれの傾斜運動と座席の腰
板の傾斜運動とを連動したものであり座っている人は傾
斜後、あるいは起立後に姿勢を直したり座り直す必要が
ないきわめて自然な動きをする椅子である。

【図面の簡単な説明】

図は本考案に係る椅子の背もたれ傾斜装置の一実施例の
作動状態の構成国である。１・・・・・・基台、３・・・・・・チルトシリンダ、
４・・・・・・背もたれ。

【実用新案登録請求の範囲】