JPH04747Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、座板の高さ及び背もたれの姿勢を、
変更可能に構成した椅子の構造に関するものであ
る。

〔従来の技術〕

椅子における座板の高さを変更する機構として
は、特公昭34−5484号公報や実開昭53−158511号
公報に記載されているように、リンク機構に構成
するものが知られている。

他方、座板の後方に位置する背もたれの傾斜角
度を調節する機構も種々あるが、例えば実公昭47
−5471号公報のものでは、座板を前方に引き出す
と背もたれが後方に大きく倒れて、寝椅子として
利用できるものであつた。

〔考案が解決しようとする課題〕

このように、従来の椅子では、背もたれの角度
を一定にしたまま座板の高さを上下動させるだけ
のものか、座板の高さを変化させないで背もたれ
の傾斜角度を変えて安楽姿勢がとれるようにした
もので、したがつて、食事のときのようにテーブ
ルに対して向かう椅子では座板の高さが高くなけ
ればならず、食後にはその椅子に座つたまま安息
できるように座板が低くなると共に背もたれの傾
斜角度が大きくなるように、一つの椅子を多用途
に使えるように構成したものがなかつた。

本考案は、座板の高さを高くすると、これに連
動して背もたれが自動的に起立し、座板の高を低
くすると、これに連動して背もたれが自動的に倒
れるようにすることにより、一つの椅子を多用途
に使えるようにすることを目的とするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕 この目的を達成するため本考案は、椅子におけ
る本体フレームに、上面に座板を備えた座フレー
ムを、前後一対のリンクを介して上下動可能に取
り付けて、この座フレームと、前記本体フレーム
との間に、前記座板の高さを無段階的に調節でき
るようにした高さ調節機構を設ける一方、前記座
板の後方に配設した背もたれ体に対する支持フレ
ームの下端を、前記座フレームにおける後端部に
対して回動自在に枢着し、前記支持フレームに
は、当該支持フレームの座フレームに対する枢着
部から更に下方に延びる延長部を設け、この延長
部の下端を、前記本体フレームに対して前方向に
向かつて下向きの傾斜状に設けたガイド溝に、当
該ガイド溝の長手方向に摺動自在に係着する構成
にした。

〔作用〕

この構成において、座板を、高さ調節機構によ
つて下降すると、この座板の座フレームに対して
枢着した背もたれ用支持フレームも下降するが、
この背もたれ用支持フレームにおける延長部が同
時に下降し、該延長部の下端が傾斜状のガイド溝
によつて、前方向に移動することになるから、前
記背もたれ体は、前記座板の下降に連動して後ろ
向きに倒れ回動する。

また、前記座板を、高さ調節機構によつて上昇
すると、この座板の座フレームに対して枢着した
背もたれ用支持フレームも上昇するが、この背も
たれ用支持フレームにおける延長部が同時に上昇
し、該延長部の下端が傾斜状のガイド溝によつ
て、後ろ方向に移動することになるから、前記背
もたれ体は、前記座板の上昇に連動して前方向に
起立回動する。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面について説明する
と、図において、符号１は、本体を、符号３は、
該本体１に対して上下動できるクツシヨン性を有
する座板を、符号４は、該座板３の後部に配設し
たクツシヨン性を有する背もたれ体を示す。

前記本体１は、枠型本体フレーム５の左右両側
面に側面用カバー板２を、前面に前面用カバー板
６を、後面に後面用カバー板７を各々装着したも
のに構成している。

前記座板３を支持する座フレーム８は、前記本
体フレーム５の左右両側の前後部に各々基端をピ
ン９，１０にて枢着した前後一対の計４本のリン
ク１１，１２の各上端とピン１３，１４にて枢着
され、側面視４辺形リンク機構となるようにして
いる。

前記背もたれ体４は、正面視において略門型に
形成した支持フレーム１５にて支持する構成であ
り、この支持フレーム１５の左右両側の下部を、
前記座フレーム８の左右両後端部に対して枢軸１
６を介して回動自在に枢着する。

また、前記本体フレーム５の左右に突設した左
右一対のガイド板１７には、前方に行くに従つて
下向きとなるように傾斜したガイド溝１８を設け
る一方、前記背もたれ体４に対する支持フレーム
１５の左右両側の下部には、下向きの延長部１５
ａを設けて、この延長部１５ａの下端に設けたピ
ン１９を、前記傾斜状ガイド溝１８内に、摺動自
在に係着する。

また、符号２０は、前記座板３に対する高さ調
節機構の一つの実施例であるところのガススプリ
ング機構を示し、該ガススプリング機構２０にお
けるシリンダ２１内にフリーピストン２２を介し
て奥側にガス２３を封入し、前記シリンダ２１内
に摺動自在に嵌挿したピストン２４に取付くピス
トンロツド２５には操作杆２６を摺動自在に嵌挿
し、前記ピストン２４に設けた弁２７を開閉して
当該ピストン２４両側におけるシリンダ２１内の
ガス又は液体を出入りさせてピストンロツド２５
をシリンダ２１に対して任意に無段階に出没調節
できるように構成しており、該ガススプリング機
構２０を前記本体フレーム５と座フレーム８との
間に装架し、前記本体１の一側板に設けた操作レ
バー２８に連結したワイヤー２９及びレバー３０
にて前記操作杆２６を駆動するように構成するも
のである。

この構成において、座板３に座る人が操作レバ
ー２８を引き、操作杆２６を押して弁２７を開け
ると、人の荷重によりピストンロツド２５をシリ
ンダ２１内に押しこみ、座板３は下降する。この
とき、背もたれ体４における支持フレーム１５も
下降し、その延長部１５ａ下端のピン１９が、傾
斜状ガイド溝１８に沿つて前方下部に移動するか
ら、座フレーム８後端に枢軸１６を介して取付く
支持フレーム１５の上端側が後向きに倒れ傾斜
し、したがつて、この状態では、第１図の実線で
示すように安楽姿勢をとることができる。

反対に、座板３から腰を浮かせた状態で前記操
作レバー２８を引くと、ピストン２４両側におけ
るシリンダ２１内のガス又は液体の出入りが自由
となり、シリンダ２１内のフリーピストン２２よ
り奥のガス２３力によりピストンロツド２５をシ
リンダ２１に対して任意に無段階的に突出させる
ので、その任意位置で操作レバー２８を離して弁
２７を閉じれば、座板３を本体１に対して上昇さ
せた位置で固定でき、これに連動して、背もたれ
体４における支持フレーム１５も上昇し、その延
長部１５ａ下端のピン１９が、傾斜状ガイド溝１
８に沿つて後方上部に移動するから、座フレーム
８後端に枢軸１６を介して取付く支持フレーム１
５の上端側が前方向に起立回動するのであり、座
板３を最大に高くしたとき、背もたれ体４は、第
１図に一点鎖線で示すように、略垂直状になる。

〔考案の効果〕

このように、本考案によると、椅子における座
板の高さを、無段階的に調節できるものでありな
がら、この座板の高さ調節に連動して、背もたれ
体を、座板の高さを高くすると背もたれ体が起立
回動し、座板の高さを低くすると背もたれ体が後
ろ方向に倒れ回動するように無段階的に回動する
ことができるから、一つの椅子で多用途に使える
ことができる。

しかも、本考案は、前記座板の高さ調節に連動
して、背もたれ体を回動する作用を、座フレーム
の後端に前記背もたれ体の支持フレームを枢着
し、この支持フレームの延長部を、傾斜状のガイ
ド溝に係合すると言う構成によつて達成するもの
で、その構造が簡単であるから、前記のように多
目的に使用できる椅子を、安価に提供できると共
に、軽量化することができ、加えて、故障が少な
くて耐久性の高い形態で提供できる効果をも有す
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は椅子の
側面図、第２図はフレーム部の構造を示す側面
図、第３図は第２図の−線視断面図、第４図
はガススプリング装置の断面図である。 １……本体、３……座板、４……背もたれ体、
５……本体フレーム、８……座フレーム、１１，
１２……リンク、１５……支持フレーム、１５ａ
……延長部、１６……枢軸、１７……ガイド板、
１８……傾斜状ガイド溝、１９……ピン、２０…
…ガススプリング装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 椅子における本体フレームに、上面に座板を備
   えた座フレームを、前後一体のリンクを介して上
   下動可能に取り付けて、この座フレームと、前記
   本体フレームとの間に、前記座板の高さを無段階
   的に調節できるようにした高さ調節機構を設ける
   一方、前記座板の後方に配設した背もたれ体に対
   する支持フレームの下端を、前記座フレームにお
   ける後端部に対して回動自在に枢着し、前記支持
   フレームには、当該支持フレームの座フレームに
   対する枢着部から更に下方に延びる延長部を設
   け、この延長部を、前記本体フレームに対して前
   方向に向かつて下向きの傾斜状に設けたガイド溝
   に、当該ガイド溝の長手方向に摺動自在に係着し
   たことを特徴とする椅子。