JPH06126803A

JPH06126803A - 芯金入りトリムの押出方法

Info

Publication number: JPH06126803A
Application number: JP4276328A
Authority: JP
Inventors: Masahiro Nozaki; 政博野崎; Kiyoshi Shigeki; 清繁木
Original assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Current assignee: Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date: 1992-10-14
Filing date: 1992-10-14
Publication date: 1994-05-10
Anticipated expiration: 2017-11-11
Also published as: JP3343955B2

Abstract

(57)【要約】【目的】簡易な方法を用いて、インサートのスリット
や機械振動の影響を受けず良好な外観を呈する芯金入り
トリムを製造することができる芯金入りトリムの押出方
法を提供する。【構成】押出成形機において、インサート７には、最
初にＥＰＤＭソリッドゴムが被覆されてトリム本体部２
が形成され、その後、トリム本体部２にＥＰＤＭスポン
ジゴムが被覆されてシール部３、シールリップ４、及び
カバー部５が形成される。押出成形機１２から前駆体１
ａが押し出された際、カバー部５は付着部５ａのみがト
リム本体部２に付着し、その他の部分はトリム本体部２
から分離された状態となっている。その後、前駆体１ａ
は、一対のローラ間に導入され、カバー部５がトリム本
体部２に圧着される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば自動車用ウエ
ザストリップのような芯金入りトリムを備えた製品の芯
金入りトリムの押出方法に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】通常、ウエザストリップ等のトリムには
芯金としてのインサートが埋設され、同インサートには
ウエザストリップ等の成形体の可撓性を得るために、格
子状等のスリット）が形成されている。ところが、この
ようなスリットを有するインサートをウエザストリップ
等のトリムに埋設すると、その外表面にスリットのパタ
ーンが凹凸状に浮き出てしまうという問題が生じる。

【０００３】そこで、従来から、上記問題を解消するも
のとして、特開昭６４−８３４３２号公報や、特開平２
−５０２５５５号公報が提案されている。これら公報の
発明は、インサートの外表面上に所定の硬度を有する他
の部材を配設し、その部材によりインサートのスリット
の凹凸が成形体（ウエザストリップ）の表面上に現出す
るのを防止するものであった。

【０００４】又、他の手法として特開昭５６−９０７４
４号公報が提案されている。この公報の発明は、ウエザ
ストリップのトリム部にスポンジゴムよりなる被覆層を
被覆し、その被覆層の外表面を梨地処理にてビロード状
にすることによって、ウエザストリップの外観の見栄え
を向上させようとするものであった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記各公報
のうち、特開昭６４−８３４３２号公報，特開平２−５
０２５５５号公報では、問題を解決するためには他の部
材が必要となるとともに、その他の部材を供給するため
に別の装置が必要となる。そのため、生産性や実現容易
性に問題があった。

【０００６】又、特開昭５６−９０７４４号公報では、
梨地処理の際に粉塵が発生したり、その梨地処理のため
の他の設備が必要となったりする。さらに、ウエザスト
リップの外表面に凹凸ができる要因としては、成形機に
よる振動が考えられる。つまり、インサートが押出成形
機内においてその送り時に発生する振動（脈動）を受け
ると、高分子材料製の被覆部の外表面に微小な波打ちが
発生してしまう。

【０００７】この発明は、上記問題に着目してなされた
ものであって、その目的とするところは、簡易な方法を
用いて、インサートのスリットや機械振動の影響を受け
ず良好な外観を呈する芯金入りトリムを製造することが
できる芯金入りトリムの押出方法を提供することにあ
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、芯金入りトリムの製造時における芯金
入りトリムの押出方法であって、押出成形機にて、複数
のスリットを有するインサートにゴムや樹脂等の高分子
材料からなる第１の被覆部を被覆するとともに、前記第
１の被覆部から突出分離した状態で第２の被覆部を形成
して押し出し、その後、ローラにより前記第２の被覆部
を前記第１の被覆部に圧着させることを要旨とするもの
である。

【０００９】

【作用】上記構成によれば、押出成形機にて、インサー
トに第１の被覆部が被覆されるとともに、第１の被覆部
から突出分離した状態で第２の被覆部が形成されて押し
出される。このとき、第１の被覆部の表面にインサート
のスリットによる凹凸ができるが、その第１の被覆部に
第２の被覆部が圧着されることにより、インサートのス
リットによる凹凸が吸収される。その結果、仕上がる芯
金入りトリムは良好な外観を呈する。

【００１０】

【実施例】以下、この発明を具体化した一実施例につい
て図面に従って説明する。図４に示すように、ウエザス
トリップ１は断面略Ｕ字状のトリム本体部２と、そのト
リム本体部２に形成された中空状のシール部３とを備え
ている。トリム本体部２の車外側側壁の先端部にはシー
ルリップ４が形成され、又、トリム本体部２の外周部に
はカバー部５が形成されている。トリム本体部２はＥＰ
ＤＭソリッドゴム（硬質ゴム）よりなり、シール部３、
シールリップ４、及びカバー部５はＥＰＤＭスポンジゴ
ム（軟質ゴム）よりなっている。なお、本実施例におい
て、トリム本体部２が第１の被覆部をなし、カバー部５
が第２の被覆部をなしている。

【００１１】又、トリム本体部２の内側には、複数の保
持リップ６が形成されている。そして、ウエザストリッ
プ１が自動車のトランクやドア等のボディ開口部周縁の
フランジ部に装着された場合には、保持リップ６にてフ
ランジ部に挟持できるとともに、前記シールリップ４に
てボディ開口部周縁に密接できるようになっている。

【００１２】トリム本体部２の内部には、芯金としての
金属製（例えば、ステンレス製）のインサート７が埋設
されている。図５に示すように、インサート７には所定
間隔毎にスリットとしての幅の広い穴８と幅の狭い穴９
とが設けられている。換言すれば、このインサート７は
幅の狭い穴８を有する骨片１０と、隣接し合う骨片１０
同士を相互に連結する橋渡し部１１とが交互に連なった
構成となっている。そして、この橋渡し部１１は、後述
する分離工程において、張力を加えた状態で屈曲される
ことにより容易に分断され、図４に示す状態では複数の
骨片１０が分離された状態で埋設されている。

【００１３】図１には、ウエザストリップ１の製造工程
における押出及び加硫工程の装置を簡略化して示してい
る。押出成形機１２にはＥＰＤＭソリッドゴム及びＥＰ
ＤＭスポンジゴムの２種類のゴムを押出成形機１２に供
給するための供給装置１３が備え付けられている。押出
成形機１２の下流側には押出成形機１２より押し出され
た前駆体１ａ（切断されてウエザストリップ１となる前
の状態を示すもの）を導入するための一対の相対向する
ローラ１４Ａ，１４Ｂが配設されている。このローラ１
４Ａ，１４Ｂと前記押出成形機１２とは別体であり、押
出成形機１２による振動はローラ１４Ａ，１４Ｂに伝達
されないようになっている。又、上記ローラ１４Ａ，１
４Ｂの下流側には、ゴムを加硫するための加硫槽１５が
配設されている。

【００１４】次に、上記の装置を用いてウエザストリッ
プ１を製造する方法について図１〜図３に従って説明す
る。なお、図２は図１のＸ−Ｘ線断面を示す図であり、
図３は図１のＹ−Ｙ線断面を示す図である。

【００１５】先ず、帯状のインサート７が巻回されたド
ラム（図示略）からインサート７が取り出されるととも
に、このインサート７が押出成形機１２に導入される。
そして、押出成形機１２において、供給装置１３から２
種類のゴムが供給され、そのゴムがインサート７を被覆
して押し出される。このようにして、略平板状の前駆体
１ａが得られる。このとき、図２に示すように、インサ
ート７には、ＥＰＤＭソリッドゴムが被覆されてトリム
本体部２が形成されるとともに、トリム本体部２の所定
部位にＥＰＤＭスポンジゴムが同時押出成形されてシー
ル部３、シールリップ４、及びカバー部５が形成され
る。前駆体１ａが押出成形機１２から押し出された際、
カバー部５は付着部５ａのみがトリム本体部２に付着
し、その他の部分はトリム本体部２から分離された状態
となっている。

【００１６】次いで、図２の状態の前駆体１ａがローラ
１４Ａ，１４Ｂ間に導入され、同ローラ１４Ａ，１４Ｂ
にてトリム本体部２から分離した状態のカバー部５がト
リム本体部２に圧着される。このとき、トリム本体部２
に形成された保持リップ６はローラ１４Ｂの凹部１６に
配される。

【００１７】その後、前駆体１ａは加硫槽１５に導か
れ、加硫工程に供される。つまり、加硫槽１５において
トリム本体部２及びシール部３，シールリップ４，カバ
ー部５を形成する２種類のゴムの加硫が行われる。そし
て、加硫された前駆体１ａは屈曲ローラ（図示略）に導
かれ、前駆体１ａ内部のインサート７が屈曲疲労によっ
て各々の骨片１０に分離される。続いて、前駆体１ａは
曲げ加工機（図示略）に導かれ、前駆体１ａのトリム本
体部２が断面Ｕ字状に曲げ加工される。そして、曲げ加
工された前駆体１ａは、切断装置（図示略）に導かれ、
所望の長さに切断される。上記のような一連の製造工程
にてウエザストリップ１が製造される。

【００１８】以上詳述したように、本実施例の芯金入り
トリムの押出方法によれば、押出成形機１２にて、複数
の穴８，９を有するインサート７にＥＰＤＭソリッドゴ
ムからなるトリム本体部２が被覆される。又、トリム本
体部２から突出分離した状態で、ＥＰＤＭスポンジゴム
からなるカバー部５が形成され、押出成形機１２から押
し出される。その後、ローラ１４Ａ，１４Ｂによりカバ
ー部５がトリム本体部２に圧着される。

【００１９】上記構成によれば、押出成形機１２により
インサート７にトリム本体部２が被覆された際、トリム
本体部２の表面にインサート７の穴８，９による凹凸が
できるが、そのトリム本体部２にカバー部５が圧着され
ることにより、インサート７の穴８，９による凹凸が吸
収される。その結果、得られるウエザストリップ１は、
インサート７の穴８，９に影響されず、良好な外観を呈
する。又、従来の方法とは異なり、他の部材を必要とす
ることなく簡易な方法にて目的を達成することができ、
生産性の向上を実現することができる。

【００２０】さらに、上記構成によれば、ローラ１４
Ａ，１４Ｂには押出成形機１２の振動が伝わらないため
に、押出成形機１２の振動に起因するウエザストリップ
１の表面の波打ちの発生を防止することができる。

【００２１】ここで、上記実施例の応用例を図６及び図
７に示す。なお、図６は図１のＸ−Ｘ線断面図であり、
図７は図１のＹ−Ｙ線断面図である。図６に示すよう
に、押出成形機１２による押出後、ウエザストリップ１
のトリム本体部２にはヒレ状のカバー部５が形成されて
いる。そして、図７に示すように、一対のローラ１４
Ａ，１４Ｂにてカバー部材５がトリム本体部２に圧着さ
れ、がバー部５は中空状態で形成される。

【００２２】この応用例によれば、中空状態のカバー部
５も容易に成形できる。又、このとき、中空部のガス抜
き工程が不要となり、生産性が向上する。

【００２３】

【発明の効果】この発明によれば、簡易な方法を用い
て、インサートのスリットや機械振動の影響を受けず良
好な外観を呈する芯金入りトリムを製造することができ
るという優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を具体化した一実施例を示す構成図であ
る。

【図２】図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図３】図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【図４】ウエザストリップを示す斜視図である。

【図５】インサートを示す平面図である。

【図６】応用例における図１のＸ−Ｘ線断面図である。

【図７】応用例における図１のＹ−Ｙ線断面図である。

【符号の説明】１…ウエザストリップ、２…第１の被覆部としての本体
部、５…第２の被覆部としてのカバー部、７…インサー
ト、８，９…スリットとしての穴、１２…押出成形機、
１４Ａ，１４Ｂ…ローラ。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】芯金入りトリム（１）の製造時における
芯金入りトリム（１）の押出方法であって、押出成形機
（１２）にて、複数のスリット（８，９）を有するイン
サート（７）に高分子材料からなる第１の被覆部（２）
を被覆するとともに、前記第１の被覆部（２）から突出
分離した状態で第２の被覆部（５）を形成して押し出
し、その後、ローラ（１４Ａ，１４Ｂ）により前記第２
の被覆部（５）を前記第１の被覆部（２）に圧着させる
ことを特徴とする芯金入りトリムの押出方法。