JPH06126695A - プロッタを用いたロール紙の切断方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリッジに把持したカッターを移動させる
移動経路直下の記録面上にカッターの刃先を遊挿する溝
を備えたプロッタを用いて、記録面上に送り出した一区
画分のロール紙をそれに連なる後方のロール紙からキャ
リッジに把持したカッターにより切断する切断方法を得
る。 【構成】 ロール紙２０の一方の側とその他方の側と
を、ロール紙２０のほぼ中央部に切残し部２２を残し
て、ロール紙２０のほぼ中央部からロール紙２０側縁に
かけてキャリッジに把持したカッターにより順次斜めに
切断する。次いで、その両側を切断したロール紙２０を
記録面１０上で往復移動させて、記録面１０前方に垂れ
下がったロール紙２０ｃをその自重を用いてそれに連な
るロール紙の切残し部２２から分離する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、プロッタの記録面に送
り出したロール紙を切断するロール紙の切断方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来より、記録面後方にロール紙を記録
面と平行に並べて支持して、そのロール紙を順次記録面
に送り出すことができるようにしたプロッタがある。

【０００３】このプロッタにおいては、そのキャリッジ
に把持したカッターを用いて記録面上に送り出したロー
ル紙を所定形状にカットした後に、その所定形状にカッ
トした一区画分のロール紙をそれに連なる後方のロール
紙から所定長さに切断する必要がある。

【０００４】そのため、従来のプロッタにおいては、ロ
ール紙を支持した側と反対側の記録面前部に特殊なカッ
ター機構を備えて、上記のようにして所定形状にカット
した一区画分のロール紙をそれに連なる後方のロール紙
から切断している。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記カ
ッター機構は、複雑な形状をしていて、その取付け作業
とメンテナンスに多大な手数と時間を要した。それと共
に、上記カッター機構は、高価なものであって、プロッ
タをコストアップさせる原因となっていた。

【０００６】本発明は、このような課題を解消した、複
雑高価なロール紙切断用のカッター機構を不要とするプ
ロッタを用いたロール紙の切断方法（以下、ロール紙の
切断方法という）を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のロール紙の切断方法は、記録面後方にロー
ル紙を記録面上に送り出し可能に記録面と平行に並べて
支持すると共に、キャリッジに把持したカッターを移動
させる移動経路直下の記録面上にカッターの刃先を浮か
せた状態で遊挿する溝を備えたプロッタにおいて、次の
工程を含むことを特徴としている。 Ａ．ロール紙の一方の側をロール紙のほぼ中央部からロ
ール紙の一方の側縁にかけてカッターにより斜めに切断
する工程。 Ｂ．Ａ工程で切残したロール紙の他方の側を、ロール紙
のほぼ中央部に切残し部を残して、ロール紙のほぼ中央
部からロール紙の他方の側縁にかけてカッターにより斜
めに切断する工程。 Ｃ．Ａ工程及びＢ工程によりその両側を切断したロール
紙を記録面上でその前後に往復移動させて、記録面前方
に垂れ下がったロール紙を、そのロール紙の自重を用い
て、それに連なるロール紙の前記切残し部から分離する
工程。

【０００８】

【作用】上記構成のロール紙の切断方法においては、Ａ
工程において、ロール紙の一方の側をロール紙のほぼ中
央部からロール紙の一方の側縁にかけてカッターにより
切断している。

【０００９】そのため、ロール紙の一方の側をロール紙
のほぼ中央部からロール紙の一方の側縁にかけてカッタ
ーで切断した際には、切断中のロール紙の一方の側の両
側部が切断前のロール紙の一方の側縁部分とロール紙の
他方の側とでそれぞれ支持される。そして、切断中のロ
ール紙の一方の側が記録面前方に垂れ下がって、その垂
れ下がったロール紙の自重により、ロール紙の一方の側
に連なるロール紙の他方の側が破れる等するのが防止さ
れる。

【００１０】次いで、Ｂ工程において、ロール紙の他方
の側を、ロール紙のほぼ中央部に切残し部を残して、ロ
ール紙のほぼ中央部からロール紙の他方の側縁にかけて
カッターで切断している。

【００１１】そのため、ロール紙の他方の側をロール紙
のほぼ中央部からロール紙の他方の側縁にかけてカッタ
ーで切断した際には、切断中のロール紙の他方の側の両
側部がロール紙のほぼ中央部の切残し部と切断前のロー
ル紙の他方の側縁部分とでそれぞれ支持される。そし
て、切断中のロール紙の他方の側が記録面前方に垂れ下
がって、その垂れ下がったロール紙の自重により、ロー
ル紙の他方の側に連なるロール紙のほぼ中央部の切残し
部が破れる等するのが防止される。

【００１２】また、ロール紙の一方の側とその他方の側
とをカッターにより切断する際には、ロール紙を斜めに
切断している。言い換えれば、ロール紙を、そのほぼ中
央部の切残し部を中心にＶ字状、逆Ｖ字状又は斜めスト
レート状に切断している。

【００１３】そのため、そのＶ字状、逆Ｖ字状又は斜め
ストレート状に切断したロール紙前端縁を、記録面上に
備えた溝上端両側の内側縁に引っ掛からせずに、その内
側縁上を順次乗り越えさせて、記録面上をその前後に円
滑に移動させることができる。そして、記録面上に次々
と送り出すロール紙を所定形状に歪みなく的確にカット
し続けることができる。

【００１４】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に従い説明す
る。図１と図２は本発明のロール紙の切断方法に用いる
プロッタの一例を示し、図１はその概略構造を示す側面
図、図２はその溝を備えた記録面周辺の拡大側面断面図
である。以下に、このプロッタを説明する。

【００１５】図において、１０は、ロール紙を供給する
記録面であって、横に長いほぼ蒲鉾状をしている。

【００１６】記録面１０後方には、芯材２４周囲にロー
ル状に巻き付けたロール紙２０を支持する支持手段７０
を備えて、その支持手段７０にロール紙２０を巻き戻し
可能に記録面１０と平行に並べて支持している。

【００１７】３０は、支持手段７０に支持したロール紙
２０から巻き戻して記録面１０上に供給したロール紙２
０を記録面１０上をその前後（Ｙ方向）に移動させる用
紙移動手段である。用紙移動手段３０は、記録面１０の
左右内側に備えた駆動ローラ３２であって、その一部周
囲面を記録面１０上に露出させた駆動ローラ３２と、そ
の駆動ローラ３２に対向させて備えたピンチローラ３４
とから形成している。そして、駆動ローラ３２とピンチ
ローラ３４との間にロール紙２０を挟持した状態で駆動
ローラ３２を回転させることにより、ロール紙２０を記
録面１０上を駆動ローラ３２の回転方向に当たるＹ方向
に移動させることができる。

【００１８】記録面１０上方には、ガイドレール１２を
備えて、そのガイドレール１２にキャリッジ４０を摺動
自在に支持している。そして、ガイドレール１２に沿っ
てキャリッジ４０を記録面１０上をその左右（Ｘ方向）
に移動させることができるようにしている。

【００１９】キャリッジ４０には、カッター５０を記録
面１０上に降下、押接させたり記録面１０上方に上昇さ
せたりする昇降手段（図示せず）を備えている。そし
て、その昇降手段にカッター５０を把持させることがで
きるようにしている。

【００２０】カッター５０には、図２に示したように、
その胴部下端に平面状をなす顎５２を備えて、記録面１
０に搭載したロール紙２０上にカッター５０を降下させ
た際に、その顎５２をロール紙２０表面に当接、係止さ
せて、カッターの刃先５０ａがロール紙２０を貫いてそ
の下方に長く突出するのを防いでいる。

【００２１】キャリッジ４０に昇降手段を介して把持し
たカッター５０を移動させる移動経路直下の記録面１０
上には、カッターの刃先５０ａを浮かせた状態で遊挿す
る溝６０を設けている。

【００２２】図１と図２に示したプロッタは、以上のよ
うに構成していて、このプロッタにおいては、用紙移動
手段３０により記録面１０上に送り出したロール紙２０
を記録面１０上をＹ方向に移動させながら、キャリッジ
４０をガイドレール１２に沿って記録面１０上をＸ方向
に移動させて、キャリッジ４０に把持したカッター５０
で記録面１０上に送り出したロール紙２０を所定形状に
カットすることができるようにしている。

【００２３】また、記録面１０に搭載したロール紙２０
上にカッター５０を降下させた際には、図２に示したよ
うに、カッターの顎５２をロール紙２０表面に当接、係
止させて、カッターの刃先５０ａがロール紙２０を貫い
てその下方に長く突出するのを防ぐことができるように
している。それと共に、ロール紙２０を貫いてその下方
に降下したカッターの刃先５０ａを記録面１０上に設け
た溝６０内に浮かせた状態で遊挿して、カッターの刃先
５０ａが硬い記録面１０上に突き当たって破損するのを
防ぐことができるようにしている。

【００２４】本発明のロール紙の切断方法は、このよう
な記録面１０後方にロール紙２０を支持手段７０を用い
て記録面１０上に送り出し可能に記録面１０と平行に並
べて支持すると共に、カッター５０の移動経路直下の記
録面１０上にカッターの刃先５０ａを浮かせた状態で遊
挿する溝６０を設けたプロッタを用いて記録面１０上に
送り出したロール紙２０を切断する方法に関するもので
ある。以下に、上記プロッタを用いた本発明のロール紙
の切断方法の好適な実施例を説明する。

【００２５】図３に示したように、記録面１０上に送り
出したロール紙２０の一方の側（図では右側）をロール
紙２０のほぼ中央部からロール紙の一方の側縁（図では
右側縁）２０ａにかけてキャリッジ４０に把持したカッ
ター５０により切断する。

【００２６】その際には、図３に示したように、ロール
紙２０の一方の側を支持手段７０に支持したロール紙２
０の記録面１０上への送り出し方向（図の矢印方向）と
逆方向の斜め後方に切断する。

【００２７】又は、図３に破線で示したように、ロール
紙２０の一方の側を支持手段７０に支持したロール紙２
０の記録面１０上への送り出し方向（図の矢印方向）と
同一方向の斜め前方に切断する。

【００２８】次いで、ロール紙２０の他方の側（図では
左側）を、ロール紙２０のほぼ中央部に切残し部２２を
残して、ロール紙２０のほぼ中央部からロール紙２０の
他方の側縁（図では左側縁）２０ｂにかけてキャリッジ
４０に把持したカッター５０により切断する。

【００２９】その際には、図３に示したように、ロール
紙２０の他方の側を支持手段７０に支持したロール紙２
０の記録面１０上への送り出し方向（図の矢印方向）と
逆方向の斜め後方に切断する。

【００３０】又は、図３に破線で示したように、ロール
紙２０の他方の側を支持手段７０に支持したロール紙２
０の記録面１０上への送り出し方向（図の矢印方向）と
同一方向の斜め前方に切断する。

【００３１】次いで、上記のようにして、その両側を切
断したロール紙２０を、移動手段３０により記録面１０
上をその前後に往復移動させる。そして、ロール紙２０
の送り出し方向に当たる記録面１０前端側縁からその前
方に垂れ下がったロール紙２０ｃを、そのロール紙２０
ｃの自重を用いて、それに連なるロール紙の切残し部２
２から分離する。

【００３２】すると、ロール紙２０の一方の側をロール
紙２０のほぼ中央部からロール紙の一方の側縁２０ａに
かけてカッター５０により切断した際には、切断中のロ
ール紙２０の一方の側の両側部が切断前のロール紙の一
方の側縁２０ａ部分と未切断のロール紙２０の他方の側
とでそれぞれ支持される。そして、切断中のロール紙２
０の一方の側が記録面１０前端側縁からその下方に垂れ
下がって、その垂れ下がったロール紙２０ｃの自重によ
り、ロール紙２０の一方の側に連なるロール紙２０の他
方の側が破れる等するのが防止される。

【００３３】次いで、ロール紙２０の他方の側を、ロー
ル紙２０のほぼ中央部に切残し部２２を残して、ロール
紙２０のほぼ中央部からロール紙の他方の側縁２０ｂに
かけてカッター５０により切断した際には、切断中のロ
ール紙２０の他方の側の両側部がロール紙２０のほぼ中
央部の切残し部２２と切断前のロール紙の他方の側縁２
０ｂ部分とでそれぞれ支持される。そして、切断中のロ
ール紙２０の他方の側が記録面１０前端側縁からその下
方に垂れ下がって、その垂れ下がったロール紙２０ｃの
自重により、ロール紙２０の他方の側に連なるロール紙
の切残し部２２やそれに連なる後方のロール紙２０が破
れる等するのが防止される。

【００３４】また、ロール紙２０の一方の側とその他方
の側とをカッター５０により切断する際には、図３に実
線又は破線で示したように、ロール紙２０をＶ字状、逆
Ｖ字状又は斜めストレート状に切断している。そのた
め、そのＶ字状、逆Ｖ字状又は斜めストレート状に切断
したロール紙２０前端縁が、記録面１０上に備えた溝６
０上端開口部両側の内側縁に引っ掛からずに、その溝６
０上端開口部両側の内側縁上を順次円滑に乗り越えて、
記録面１０上をその前後に的確に移動する。そして、記
録面１０上に次々と送り出すロール紙２０がカッター５
０により所定形状に歪みなくカットし続けられる。

【００３５】なお、上述ロール紙の切断方法において
は、ロール紙２０のほぼ中央部に残す切残し部２２の長
さは、記録面１０前方に垂れ下がるロール紙２０ｃが、
その自重により、それに連なる後方のロール紙２０から
離脱、落下するのを防ぐことのできる最小限に近い幅の
例えば０．５ｍｍとするのが良く、そのようにすれば、
上述ロール紙の切断方法を用いてロール紙２０を切断す
る際に、ロール紙２０を記録面１０上をその前後に往復
移動させて、記録面１０前端側縁からその下方に垂れ下
がったロール紙２０ｃを、そのロール紙２０ｃの自重を
用いて、それに連なるロール紙の切残し部２２から確実
かつ容易に分離することができて都合が良い。また、ロ
ール紙２０を斜めに切断する際の切断角度は、そのロー
ル紙２０のほぼ中央部に当たる切断開始箇所とそのロー
ル紙２０の側縁に当たる切断終了箇所との距離が記録面
１０上に備えた溝６０上端開口部の横幅より大きくなる
ように設定するのが良く、そのようにすれば、切断した
ロール紙２０前端縁を溝６０上端開口部両側の内側縁上
をそれらの内側縁に引っ掛からせずに確実に順次円滑に
乗り越えさせることができて都合が良い。

【００３６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明のロール紙
の切断方法によれば、記録面上に送り出したロール紙を
所定形状にカットするカッターを用いて、記録面上に送
り出したロール紙を一区画分ずつ所定長さに切断するこ
とができる。そして、記録面上に送り出したロール紙を
一区画分ずつ切断するための複雑かつ高価なカッター機
構を別途備える必要をなくして、プロッタの製造及びメ
ンテナンスの容易化が図れる。

【００３７】それと共に、カッターを用いてロール紙を
切断中に、記録面前端側縁からその下方に垂れ下がった
ロール紙の自重により、それに連なるロール紙の切残し
部やさらにそれに連なる後方のロール紙が破れる等する
のを的確に防止できる。

【００３８】さらに、カッターを用いて切断したロール
紙前端縁を、記録面上に備えた溝上端開口部両側の内側
縁に引っ掛からせずに、それらの溝上端開口部両側の内
側縁上を円滑に乗り越えさせることができる。そして、
記録面上に次々と送り出すロール紙を記録面上をその前
後に円滑に移動させて、その記録面上に送り出したロー
ル紙を所定形状に歪みなく的確にカットし続けることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のロール紙の切断方法に用いるプロッタ
の概略構造を示す側面図である。

【図２】本発明のロール紙の切断方法に用いるプロッタ
の溝を備えた記録面周辺の拡大側面断面図である。

【図３】本発明のロール紙の切断方法を示す平面図であ
る。

【符号の説明】

１０ 記録面 ２０ ロール紙 ２０ａ、２０ｂ ロール紙の側縁 ２２ 切残し部 ３０ 用紙移動手段 ４０ キャリッジ ５０ カッター ５０ａ カッターの刃先 ６０ 溝 ７０ 支持手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録面後方にロール紙を記録面上に送り
   出し可能に記録面と平行に並べて支持すると共に、キャ
   リッジに把持したカッターを移動させる移動経路直下の
   記録面上にカッターの刃先を浮かせた状態で遊挿する溝
   を備えたプロッタにおいて、次の工程を含むことを特徴
   とするプロッタを用いたロール紙の切断方法。 Ａ．ロール紙の一方の側をロール紙のほぼ中央部からロ
   ール紙の一方の側縁にかけてカッターにより斜めに切断
   する工程。 Ｂ．Ａ工程で切残したロール紙の他方の側を、ロール紙
   のほぼ中央部に切残し部を残して、ロール紙のほぼ中央
   部からロール紙の他方の側縁にかけてカッターにより斜
   めに切断する工程。 Ｃ．Ａ工程及びＢ工程によりその両側を切断したロール
   紙を記録面上でその前後に往復移動させて、記録面前方
   に垂れ下がったロール紙を、そのロール紙の自重を用い
   て、それに連なるロール紙の前記切残し部から分離する
   工程。