JPH06126347A - 金属パイプ穴あけ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属パイプにパンチの打抜きによって横穴を
あけるための装置を提供するもので、窪みやバリのない
横穴を効率よく開設し、生産性，品質を向上させる。 【構成】 機台１上に前後に進退自在なるように摺動台
３を設け、該摺動台３上にパイプ４４の一端を把持する
チャック２３を回転自在に設け、該摺動台３の前方に該
摺動台３と連結棒４５をもって一体的に連結された摺動
部材８を設けて該摺動部材８上に該パイプ４４の他端を
支持する押金５６を設け、該パイプ４４を該機台１上に
長手方向に進退自在でかつ回転自在なるように支持し、
さらに、該機台１の後端部に心棒７０を片持支持し該心
棒７０の自由端を前記チャック２３中に後方より貫挿し
て該パイプ４４中に進入させると共に、該機台１の略々
中央部に打抜プレス７３を設け該心棒７０を進入させた
部位にて該パイプ４４を打抜き穴あけ加工する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は金属パイプに打抜きによ
って横穴をあけるための装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】例えばエアコン等に使用される熱交換器
は銅パイプ等の金属パイプに多数の横穴をあけ、この横
穴中に別の金属パイプの一端を挿し込んでロー付けする
ことにより組立てられる。

【０００３】ところで、上記金属パイプへの穴あけ加工
は、従来からパンチによる打抜加工、或いはドリルによ
る切削穿孔加工によりなされていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしパンチにより打
抜加工ではその衝撃によって穴周囲のパイプ壁面を窪ま
せバリも多く生じる欠点があり、また、ドリルによる穿
孔では加工に時間を要すると共に穴内に削り屑（特に銅
パイプでは糸状の屑が粘着する）が付着しその除去に手
数が掛るという問題があった。さらには一側面に多数の
横穴を狭い間隔で開設するとパイプ全体がその方向にそ
ってしまうという問題があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の金属パイプ穴あ
け装置は上記問題点を解消しようとするもので、機台上
に前後に進退自在なるように摺動台を設け、該摺動台上
にパイプの一端を把持するチャックを回転自在に設け、
該摺動台の前方に該摺動台と連結棒をもって一体的に連
結された摺動部材を設けて該摺動部材上に該パイプの他
端を支持する押金を設け、該パイプを該機台上に長手方
向に進退自在でかつ回転自在なるように支持し、さら
に、該機台の後端部に心棒を片持支持し該心棒の自由端
を前記チャック中に後方より貫挿して該パイプ中に進入
させると共に、該機台の略々中央部に打抜プレスを設け
該心棒を進入させた部位にて該パイプを打抜き穴あけ加
工するようにしたことを特徴としたものである。

【０００６】

【作用】パイプ中に心棒を進入させて打抜することによ
りパイプの変形およびパイプ壁面の窪み，バリの発生を
防止でき、品質および生産性を向上させる。

【０００７】

【実施例】次に図と共に本発明の一実施例を説明する。
図１にこの金属パイプ穴あけ装置の全体の側面、図２に
その平面を示す。機台１は図１における約左半分は水平
にレール２，２が設けられ該レール２，２上を前後に摺
動自在なるように摺動台３が設けられている。また図１
中約右半分は案内軸４，５が軸受片６，７間に架される
ことにより水平に支持され、該案内軸４，５に沿って進
退自在なるように摺動部材８が設けられている。なお
９，９は摺動台３に設けられたスライドシュー、１０，
１１は摺動部材８に設けられたスライド軸受を示す。

【０００８】１２は両端部を軸受１３，１４に支持する
ことによりレール２，２と平行なるように支持されたボ
ールネジの軸部で、該軸部１２の一端にプーリ１５が設
けられている。１６は機台１に固設されたステッピング
モータで、該モータ１６の出力軸に設けられたプーリ１
７と前記プーリ１５との間にタイミングベルト１８が張
設されている。そして該軸部１２と螺合するボールネジ
１９が前記摺動台３に設けられている。このためモータ
１６の駆動により軸部１２が回転すると摺動台３が前後
に進退動する。

【０００９】摺動台３上にはボルト２０により基板２１
を垂直に固設し、該基板２１には軸受２２を解してチャ
ック２３を回転自在に支持ている。２４は該チャック２
３を回転駆動するため基板２１上に取付板８２を介して
固設されたステッピングモータで、該モータ２４の回転
軸に設けられたプーリ２５とチャック２３を構成してい
る円筒体２８の後方突出部に固設されたプーリ２６にタ
イミングベルト２７を巻掛することにより該タイミング
ベルト２７を介してチャック２３を所望角度に回転でき
るようにしている。

【００１０】チャック２３は円筒体２８の外周に外筒体
３８を軸方向にスライド可能に設けてなり、該円筒体２
８の前方部に傾動可能に軸支３５された複数の爪片２９
によりチャック本体３０が着脱可能に設けられている。
３１は該爪片２９を止着するため外筒体３８の前方部中
に配設された押え片、３２は該押え片３１の外周を囲う
ため外筒体３８の外周に固着された環状体である。チャ
ック本体３０は縦方向にスリ割３３が形成され、その外
周面３４はテーパ状に形成され、該外周面３４に接する
ように外筒体３８の前方開口縁の内周面がテーパ状に形
成されている。そして該外筒体３８の前端面にボルト３
６により円環状の前面板３７が固着され、前記環状体３
２の前端面が該前面板３７の背面に相対している。

【００１１】３９は外筒体３８の外周にクロスローラベ
アリング４０を介して設けられたシリンダ組付板で、該
組付板３９の両側張出部に図４に示したように一対の流
体シリンダ４１が固設され、該流体シリンダ４１のピス
トンロッド４２を前記基板２１の前面に穿設された有底
係合孔４３に遊嵌している。このため流体シリンダ４１
を作動させピストンロッド４２を伸長させ基板２１を押
圧するとその反力として該流体シリンダ４１が固設され
た組付板３９が前方に押され該組付板３９はクロスロー
ラベアリング４０を介して外筒体３８に設けられている
ので該外筒体３８が前方にスライドしそのテーパ状の前
方開口縁内周面が前記チャック本体３０の外周面３４を
圧着するため該チャック本体３０の内径が窄むようにな
る。チャック本体３０の内周面は前方が大径なる段状に
形成されその大径部分に図示したように被加工用のパイ
プ４４の一端を把持できる。なおそのパイプ４４の把持
部を解くにはピストンロッド４２を反対に収縮させれば
よい。なお、クロスローラベアリング４０はモータ２４
の作動によりチャック２３を回転させても流体シリンダ
４１が伴回転しないようにするために外筒体３８と組付
板３９の間に設けられている。

【００１２】４５は摺動台３と摺動部材８と一体的に連
結するため案内軸４，５と平行に配設された連結棒であ
る。摺動台３上に突設されたピン４６により球体４７を
支持し、該球体４７の外周面に回転および傾動自在に継
手４８を設け該継手４８に該連結棒４５の一端を連結し
ている。また、摺動部材８にはハンドル４９により締付
操作し得る締結部材５０が設けられ、該締結部材５０は
ハンドル４９を緩めることにより該摺動部材８を連結棒
４５に沿って摺動自在とする。このため摺動台３と摺動
部材８との間隔を上記操作により調整し該ハンドル４９
を締付することで一定に保持できる。

【００１３】摺動部材８には組付板５１が固着され該組
付板５１に流体シリンダ５２，流体シリンダ５３および
スラスト軸受５４が夫々水平に固設されている。そして
流体シリンダ５２のピストンロッド５５先端に円錐形の
押金５６を連結部材５７を介在させることにより回転自
在に設けている。また、他方の流体シリンダ５３のピス
トンロッド５８先端には取付板５９を固着し、該取付板
５９に一端を固着したガイド軸６０を前記スラスト軸受
５４中に挿通している。取付板５９にはさらに流体シリ
ンダ６１が設けられると共に支軸６２を突設し、該支軸
６２に流体シリンダ６１の作動により材料受棚６３を傾
動自在なるように枢支している。

【００１４】一方、機台１の後端部に固設された固定部
材６４に後方に伸びる平行な一対の案内軸６５を設け、
該案内軸６５の先端に固定板６６を設け、該固定板６６
に流体シリンダ６７を固設し、該案内軸６５に沿って進
退動可能に締結部材６８を設け、流体シリンダ６７のピ
ストンロッド端を該締結部材６８に連結することで該流
体シリンダ６７の作動により締結部材６８が進退動する
ように構成する。締結部材６８にはハンドル６９を締付
することで中空パイプ状の心棒７０を片持支持し得る。
そして該心棒７０の自由端に心金８２を固着し、該心金
８２をチャック２３中に後方より貫挿してパイプ４４中
に進入し得るようにする。なお心金８２には上下に貫通
する抜孔７１が開設されている。また、７２は該心棒７
０中に圧縮空気を吹込むため締結部材６８の一側に設け
られたプラグである。

【００１５】７３は機台１の略々中央部に固設された打
抜プレスで、該打抜プレス７３はフレーム７４上に流体
シリンダ７５が垂設され、該流体シリンダ７５の作動に
よりパンチ７６が上下動するようになっている。パンチ
７６は中空状に形成され、プラグ７７より給気した圧縮
空気が該パンチ７６の先端より吹出すようにしている。
７８はパイプ４４を乗架保持し得るようにフレーム７４
に設けられた上面に円弧状凹所を有する加工台である。
また、７９は支軸８０により軸支された材料受棚で、該
材料受棚７９は流体シリンダ８１の作動により傾動しパ
イプ４４を支持し得る。

【００１６】このように構成された金属パイプ穴あけ装
置では、材料受棚６３，材料受棚７９上にパイプ４４を
支持し、該パイプ４４の端に流体シリンダ５２の作動に
押金５６を進出させて係合させ、該パイプ４４をチャッ
ク２３のチャック本体３０中に進入させる。そして流体
シリンダ４１を作動させ組付板３９，外筒体３８，環状
体３２，前面板３７を前方に進出させることによりチャ
ック本体３０の内径を窄め連結棒４５を締付することに
より摺動台３と摺動部材８とを一体的に連結する。

【００１７】一方、締結部材６８には予め心棒７０を片
持支持し、流体シリンダ６７を作動させ該心棒７０をチ
ャック２３方向に進出させることにより心金８２を図３
に示したようにパイプ４４中に進入させ抜孔７１がパン
チ７６の真下に合致するようにして停止させる。そし
て、流体シリンダ７５の作動でパンチ７６を圧下させパ
イプ４４を打抜き穴あけ加工する。なお、この打抜きに
よつて生じた抜屑はプラグ７２，プラグ７７より心棒７
０中，パイプ４４中に圧縮空気を送給すればその風圧に
よりパイプ４４中を押金５６方向に向けて移動するので
処置がし易くなる。

【００１８】こうしてパイプ４４に開設される横穴は、
モータ２４の作動によりチャック２３の所要角度回転さ
せることにより必要に応じ同一円周上に多数個開設でき
る。なお心棒７０はチャック２３によっては把持されて
いないので、心棒７０はパイプ４４と伴廻りすることな
く常に抜孔７１はパンチ７６に対峙する。

【００１９】そして、モータ１６の作動により軸部１２
を回転させ摺動台３をレール２に沿って移動させればパ
イプ４４は摺動部材８と共に図１，２に破断線で示した
ように進退動するため所要位置で摺動台３を停止させれ
ばパイプ４４に所要位置の横穴を必要に応じて多数開設
することも簡単にできる。こうして所要の横穴を開設で
きたところで心棒７０を後退させピストンロッド４２を
収縮させチャック本体３０を開ければパイプ４４の把持
は解かれるのでパイプ４４は材料受棚６３，材料受棚７
９上に乗り該材料受棚６３，材料受棚７９を傾動させる
ことによりこの装置から離脱できる。

【００２０】

【発明の効果】このように本発明の金属パイプ穴あけ装
置は、機台上に前後に進退自在なるように摺動台を設
け、該摺動台上にパイプの一端を把持するチャックを回
転自在に設け、該摺動台の前方に該摺動台と連結棒をも
って一体的に連結された摺動部材を設けて該摺動部材上
に該パイプの他端を支持する押金を設け、該パイプを該
機台上に長手方向に進退自在でかつ回転自在なるように
支持し、さらに、該機台の後端部に心棒を片持支持し該
心棒の自由端を前記チャック中に後方より貫挿して該パ
イプ中に進入させると共に、該機台の略々中央部に打抜
プレスを設け該心棒を進入させた部位にて該パイプを打
抜き穴あけ加工するようにしたので、パイプ中に心棒を
進入させて打抜することを機械的に容易に行ない、高い
生産性をもって窪みやバリのない横穴を所望に開設でき
るようにする有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す金属パイプ穴あけ装置
の側面図。

【図２】図１の平面図。

【図３】図１の部分拡大縦断面図。

【図４】図３の右側面図。

【図５】図１の部分拡大図。

【図６】図５のＡーＡ線断面図。

【図７】図５の平面図。

【符号の説明】

１ 機台 ２ レール ３ 摺動台 ４ 案内軸 ５ 案内軸 ８ 摺動部材 ２３ チャック ３０ チャック本体 ４４ パイプ ４５ 連結棒 ５０ 締結部材 ５６ 押金 ６８ 締結部材 ７０ 心棒 ７３ 打抜プレス ７６ パンチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機台上に前後に進退自在なるように摺動
   台を設け、該摺動台上にパイプの一端を把持するチャッ
   クを回転自在に設け、該摺動台の前方に該摺動台と連結
   棒をもって一体的に連結された摺動部材を設けて該摺動
   部材上に該パイプの他端を支持する押金を設け、該パイ
   プを該機台上に長手方向に進退自在でかつ回転自在なる
   ように支持し、さらに、該機台の後端部に心棒を片持支
   持し該心棒の自由端を前記チャック中に後方より貫挿し
   て該パイプ中に進入させると共に、該機台の略々中央部
   に打抜プレスを設け該心棒を進入させた部位にて該パイ
   プを打抜き穴あけ加工するようにしたことを特徴とする
   金属パイプ穴あけ装置。