JPH06120997A - デジタル復調回路 - Google Patents
デジタル復調回路Info
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- JPH06120997A JPH06120997A JP4266137A JP26613792A JPH06120997A JP H06120997 A JPH06120997 A JP H06120997A JP 4266137 A JP4266137 A JP 4266137A JP 26613792 A JP26613792 A JP 26613792A JP H06120997 A JPH06120997 A JP H06120997A
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- Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
- Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】位相同期ループ全体の遅延を少なくし、位相同
期を行なえる周波数の範囲を広げ、引き込み後の位相ジ
ッタを減らすようにする。 【構成】準同期直交検波回路51は入力デジタル変調波
を直交する各位相軸の成分に変換し、かつ周波数変換
し、変換出力はA/D変換器56、58でデジタル化さ
れ、デジタル化出力は複素乗算器60で位相検波され、
検波出力からシンボル検出器62、63で復調出力を得
る。位相比較器64ではシンボルと所定位相軸との位相
差が検出され、位相差出力はフィルタ65を介して数値
制御発振器66の周波数制御端子に供給され、数値制御
発振器66の発振出力が複素乗算器60に検波軸の信号
として与えられる。ここで、位相比較器64、フィルタ
65、数値制御発振器66、複素乗算器60の動作クロ
ックの周波数を、A/D変換器56、57の動作クロッ
クの2倍以上の整数倍にするものである。
期を行なえる周波数の範囲を広げ、引き込み後の位相ジ
ッタを減らすようにする。 【構成】準同期直交検波回路51は入力デジタル変調波
を直交する各位相軸の成分に変換し、かつ周波数変換
し、変換出力はA/D変換器56、58でデジタル化さ
れ、デジタル化出力は複素乗算器60で位相検波され、
検波出力からシンボル検出器62、63で復調出力を得
る。位相比較器64ではシンボルと所定位相軸との位相
差が検出され、位相差出力はフィルタ65を介して数値
制御発振器66の周波数制御端子に供給され、数値制御
発振器66の発振出力が複素乗算器60に検波軸の信号
として与えられる。ここで、位相比較器64、フィルタ
65、数値制御発振器66、複素乗算器60の動作クロ
ックの周波数を、A/D変換器56、57の動作クロッ
クの2倍以上の整数倍にするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、テレビジョン信号
(以下TV信号と略する)などのデジタル伝送及び受信
システムに用られるデジタル復調回路に関するもので、
特に直交変調されて伝送されてきた信号を受信復調する
装置に有効な回路である。
(以下TV信号と略する)などのデジタル伝送及び受信
システムに用られるデジタル復調回路に関するもので、
特に直交変調されて伝送されてきた信号を受信復調する
装置に有効な回路である。
【0002】
【従来の技術】(第1図)に従来用いられてきた直交変
調波用復調装置の構成例を模式的に示す。入力信号は、
入力端子10を介して準同期直交検波回路15を構成す
る乗算器11、12に供給される。乗算器11、12に
は互いに90度位相のことなる局部発振出力が供給され
ている。13は局部発振器、14は90度移相器であ
る。乗算器11、12の各出力はアナログデジタル(A
/D)変換器16、17にそれぞれ供給されてデジタル
化される。A/D変換器16、17の出力は、それぞれ
巡回型(FIR)フィルタ18、19を介して複素乗算
器20に入力される。複素乗算器20からは複素数で表
現した演算処理が行われQ軸成分、I軸成分が導出され
る。複素乗算器20から出力された各軸の成分は、シン
ボル検出器25、26にそれぞれ入力されると共に、ク
ロック再生回路27にも入力されている。さらに複素乗
算器20の出力は、位相比較器21にも入力される。
調波用復調装置の構成例を模式的に示す。入力信号は、
入力端子10を介して準同期直交検波回路15を構成す
る乗算器11、12に供給される。乗算器11、12に
は互いに90度位相のことなる局部発振出力が供給され
ている。13は局部発振器、14は90度移相器であ
る。乗算器11、12の各出力はアナログデジタル(A
/D)変換器16、17にそれぞれ供給されてデジタル
化される。A/D変換器16、17の出力は、それぞれ
巡回型(FIR)フィルタ18、19を介して複素乗算
器20に入力される。複素乗算器20からは複素数で表
現した演算処理が行われQ軸成分、I軸成分が導出され
る。複素乗算器20から出力された各軸の成分は、シン
ボル検出器25、26にそれぞれ入力されると共に、ク
ロック再生回路27にも入力されている。さらに複素乗
算器20の出力は、位相比較器21にも入力される。
【0003】位相比較器21は、複素乗算器20の出力
を用いて、FIRフィルタ18、19からの入力シンボ
ルが検波軸に対してどれほどの位相差を持っているかを
検出し、その位相差に見合った制御信号を得、この制御
信号を低域通過フィルタ(LPF)22を介して数値制
御発振器(NCO)51の制御端子へ与える。数値制御
発振器23の出力は、複素乗算器20に検波軸信号とし
て与えられる。この場合、互いに90度位相の異なる2
つの検波軸信号を得るために、一方は90度移相器24
により位相調整されている。
を用いて、FIRフィルタ18、19からの入力シンボ
ルが検波軸に対してどれほどの位相差を持っているかを
検出し、その位相差に見合った制御信号を得、この制御
信号を低域通過フィルタ(LPF)22を介して数値制
御発振器(NCO)51の制御端子へ与える。数値制御
発振器23の出力は、複素乗算器20に検波軸信号とし
て与えられる。この場合、互いに90度位相の異なる2
つの検波軸信号を得るために、一方は90度移相器24
により位相調整されている。
【0004】上記の回路は、QPSKとQAMの両方の
変調方式に対応する準同期直交検波回路と位相同期回路
である。A/D変換器16と17,FIRフィルタ18
と19、複素乗算器20、位相比較器21、低域通過フ
ィルタ22、NCO23は、全て同じ内部クロックに同
期して動作している。
変調方式に対応する準同期直交検波回路と位相同期回路
である。A/D変換器16と17,FIRフィルタ18
と19、複素乗算器20、位相比較器21、低域通過フ
ィルタ22、NCO23は、全て同じ内部クロックに同
期して動作している。
【0005】今、内部クロックの周波数をfs とする。
簡単のため、この復調器に入力するIF入力信号は、連
続した同じシンボルであり、かつノイズがのっていない
ものとする。
簡単のため、この復調器に入力するIF入力信号は、連
続した同じシンボルであり、かつノイズがのっていない
ものとする。
【0006】ここで、fs =400KHz であり、IFの
入力周波数finと準同期直交検波回路15の局部発振器
13の発振周波数ft の間の周波数差Δfが Δf=|fin−ft |=10KHz であるとする。このときA/D変換器16と17の出力
をそれぞれQ,Iとして直交座標系に表すと(第2図)
のようになる。ある時刻に(第2図)中の位置31にあ
ったシンボルは、fs の1サンプリング周期後には位置
32に移動している。そのときのシンボルの角度変位Δ
θは Δθ=360°×(ft ÷fs )=360°×10KHz ÷400KHz =9° である。A/D変換器16と17の出力は、位相検波用
複素乗算器20でNCO23からの出力と乗算されて検
波される。NCO23の出力は、シンボルの検波軸Q,
Iの回転の大きさと方向を表現しており、位相検波用複
素乗算器20は、このNCO23の出力を基準の軸とし
て、準同期直交検波された入力のシンボルの位相を求め
る。
入力周波数finと準同期直交検波回路15の局部発振器
13の発振周波数ft の間の周波数差Δfが Δf=|fin−ft |=10KHz であるとする。このときA/D変換器16と17の出力
をそれぞれQ,Iとして直交座標系に表すと(第2図)
のようになる。ある時刻に(第2図)中の位置31にあ
ったシンボルは、fs の1サンプリング周期後には位置
32に移動している。そのときのシンボルの角度変位Δ
θは Δθ=360°×(ft ÷fs )=360°×10KHz ÷400KHz =9° である。A/D変換器16と17の出力は、位相検波用
複素乗算器20でNCO23からの出力と乗算されて検
波される。NCO23の出力は、シンボルの検波軸Q,
Iの回転の大きさと方向を表現しており、位相検波用複
素乗算器20は、このNCO23の出力を基準の軸とし
て、準同期直交検波された入力のシンボルの位相を求め
る。
【0007】位相比較器21は、複素乗算器20のQ、
I出力からシンボルが本来あるべき位相の45゜と実際
のシンボルの位相の差を求め、それに応じてNCO23
の発振周波数を調節している。つまり、現在シンボルが
存在している位相が本来あるべき位相から正の方向にず
れている場合にはNCO23の発振周波数を増し、負の
方向にずれている場合には発振周波数を減らす。ここ
で、主な直交振幅変調は90゜ごとに回転対称である。
I出力からシンボルが本来あるべき位相の45゜と実際
のシンボルの位相の差を求め、それに応じてNCO23
の発振周波数を調節している。つまり、現在シンボルが
存在している位相が本来あるべき位相から正の方向にず
れている場合にはNCO23の発振周波数を増し、負の
方向にずれている場合には発振周波数を減らす。ここ
で、主な直交振幅変調は90゜ごとに回転対称である。
【0008】そのために、位相比較器21から出力され
る位相差は、原理的に±45°(幅90°)の範囲に限
られ、この範囲以上の位相差が検出されたときには位相
差は折り畳まれて±45゜の範囲におさめられる。例え
ば(第3図)の位置41の様に、シンボルが本来あるべ
き位置からの位相差が+45°〜+90°の時は、位相
比較器21はシンボルが位置42にあるとみなすために
出力は−45°〜0°となり、−45°〜−90°のと
きには+45°〜0°となる。このため、位相比較器2
1に入力されるシンボルが±45゜を越える位相差を持
っている場合には、位相比較器21は、シンボルが実際
にずれている方向とは逆の方向の位相差を検出するた
め、NCO23に与える制御信号も逆になる。その結
果、NCO23の発振によって複素乗算器20の検波軸
の回転方向が入力シンボルの回転方向とは逆向きにな
り、検波軸がIF入力シンボルに位相同期しなくなる。
る位相差は、原理的に±45°(幅90°)の範囲に限
られ、この範囲以上の位相差が検出されたときには位相
差は折り畳まれて±45゜の範囲におさめられる。例え
ば(第3図)の位置41の様に、シンボルが本来あるべ
き位置からの位相差が+45°〜+90°の時は、位相
比較器21はシンボルが位置42にあるとみなすために
出力は−45°〜0°となり、−45°〜−90°のと
きには+45°〜0°となる。このため、位相比較器2
1に入力されるシンボルが±45゜を越える位相差を持
っている場合には、位相比較器21は、シンボルが実際
にずれている方向とは逆の方向の位相差を検出するた
め、NCO23に与える制御信号も逆になる。その結
果、NCO23の発振によって複素乗算器20の検波軸
の回転方向が入力シンボルの回転方向とは逆向きにな
り、検波軸がIF入力シンボルに位相同期しなくなる。
【0009】ここで、位相比較器21と、低域通過フィ
ルタ22と、NCO23は、それぞれ内部にラッチ回路
を持っている。特にQPSK信号はシンボルレートが速
いので、各所にラッチ回路を入れてデータの同期をとり
ながら処理をすることが不可欠である。このラッチ回路
のために、複素乗算器20から出力されたデータがNC
O20の出力に反映されるまでには数〜数十クロックの
遅れがでる。この位相同期ループ内の遅延があるため
に、NCO23の出力である検波軸と、FIRフィルタ
18と19から複素乗算器20に入力されるシンボルの
間の位相差は、余計に大きくなる。
ルタ22と、NCO23は、それぞれ内部にラッチ回路
を持っている。特にQPSK信号はシンボルレートが速
いので、各所にラッチ回路を入れてデータの同期をとり
ながら処理をすることが不可欠である。このラッチ回路
のために、複素乗算器20から出力されたデータがNC
O20の出力に反映されるまでには数〜数十クロックの
遅れがでる。この位相同期ループ内の遅延があるため
に、NCO23の出力である検波軸と、FIRフィルタ
18と19から複素乗算器20に入力されるシンボルの
間の位相差は、余計に大きくなる。
【0010】たとえば、今、複素乗算器20からNCO
23までに生じる信号の遅れが6クロックであるとす
る。すなわち、複素乗算器20にFIRフィルタ18と
19から入力するシンボルに対して、NCO23の出力
は6クロック以前のデータの結果となる。fs=400KH
z 、Δf=10KHz とすると、前述のようにfs が1ク
ロック進むごとに9°ずつシンボルが移動するので、複
素乗算器20の出力である入力シンボルとNCO23か
らの検波軸の位相差は、9°×6クロック=54°であ
る。54°>45°なので、前述のように位相比較器2
1が検出する位相差は、−90°+54°=−36゜と
なる。このため、NCO23に入力される制御信号は、
シンボルの回転方向とは逆向きに検波軸が回転するよう
に加えられ、結局NCO23は、実際に存在している周
波数差とは全く別の周波数で発振してしまう。
23までに生じる信号の遅れが6クロックであるとす
る。すなわち、複素乗算器20にFIRフィルタ18と
19から入力するシンボルに対して、NCO23の出力
は6クロック以前のデータの結果となる。fs=400KH
z 、Δf=10KHz とすると、前述のようにfs が1ク
ロック進むごとに9°ずつシンボルが移動するので、複
素乗算器20の出力である入力シンボルとNCO23か
らの検波軸の位相差は、9°×6クロック=54°であ
る。54°>45°なので、前述のように位相比較器2
1が検出する位相差は、−90°+54°=−36゜と
なる。このため、NCO23に入力される制御信号は、
シンボルの回転方向とは逆向きに検波軸が回転するよう
に加えられ、結局NCO23は、実際に存在している周
波数差とは全く別の周波数で発振してしまう。
【0011】また、QAMはシンボルレートが遅いの
で、処理中のデータの同期をとるためのラッチ回路は、
QPSKほど必要とはならない可能性がある。しかし、
シンボルレートが遅いために、クロック再生回路27に
よってこのシンボルレートに同期しなければならないサ
ンプリング周波数が低くなる。サンプリング周波数が低
いと、シンボル間の位相差は大きくなるので、位相比較
器21が検出する位相差も大きくなり、前記した位相同
期ループ内の遅延が大きくなることと同様な状態となっ
て、周波数引き込み範囲が狭くなる。さらに、QAMの
シンボルレートが遅いために、自動周波数制御(AF
C)ループを用いて位相同期回路に入力する信号の周波
数離調を減少することは難しく、QAMの位相同期回路
はQPSKのものよりもさらに広い引き込み周波数幅を
持たなければならない。
で、処理中のデータの同期をとるためのラッチ回路は、
QPSKほど必要とはならない可能性がある。しかし、
シンボルレートが遅いために、クロック再生回路27に
よってこのシンボルレートに同期しなければならないサ
ンプリング周波数が低くなる。サンプリング周波数が低
いと、シンボル間の位相差は大きくなるので、位相比較
器21が検出する位相差も大きくなり、前記した位相同
期ループ内の遅延が大きくなることと同様な状態となっ
て、周波数引き込み範囲が狭くなる。さらに、QAMの
シンボルレートが遅いために、自動周波数制御(AF
C)ループを用いて位相同期回路に入力する信号の周波
数離調を減少することは難しく、QAMの位相同期回路
はQPSKのものよりもさらに広い引き込み周波数幅を
持たなければならない。
【0012】以上の状況は、回路のクロックレートfs
と、周波数差Δfと、回路内で信号をフィードバックす
るために必要な信号遅れの関係によって決定される。つ
まり、位相同期できる周波数の引き込み範囲の幅は、複
素乗算器20からNCO23までの間で発生するデータ
の信号遅れによって決まり、これが大きくなるほど引き
込み範囲は狭くなる。この引き込み範囲の広狭は、前記
したようにQPSKやQAMの位相同期性能に関わる。
と、周波数差Δfと、回路内で信号をフィードバックす
るために必要な信号遅れの関係によって決定される。つ
まり、位相同期できる周波数の引き込み範囲の幅は、複
素乗算器20からNCO23までの間で発生するデータ
の信号遅れによって決まり、これが大きくなるほど引き
込み範囲は狭くなる。この引き込み範囲の広狭は、前記
したようにQPSKやQAMの位相同期性能に関わる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記したようにデジタ
ル変調波の復調回路では、位相同期のためにフィードバ
ック制御を行なうときに、データのフィードバック時間
が遅れるために位相同期できる周波数差の範囲が狭くな
るという問題がある。
ル変調波の復調回路では、位相同期のためにフィードバ
ック制御を行なうときに、データのフィードバック時間
が遅れるために位相同期できる周波数差の範囲が狭くな
るという問題がある。
【0014】そこでこの発明は、位相同期ループ内での
データフィードバック時間の遅れを少なくし、位相同期
を行える周波数の範囲を広げることができるデジタル復
調回路を提供することを目的とする。
データフィードバック時間の遅れを少なくし、位相同期
を行える周波数の範囲を広げることができるデジタル復
調回路を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、位相同期回
路内で位相同期ループを構成する位相検波用複素乗算
器、位相比較器、低域通過フィルター、NCOといった
各要素のうち少なくとも位相比較器の動作クロックの周
波数を、ループ外のA/D変換器やフィルター等の動作
クロックの周波数のN倍(ただし、Nは2以上の整数)
とするものである。
路内で位相同期ループを構成する位相検波用複素乗算
器、位相比較器、低域通過フィルター、NCOといった
各要素のうち少なくとも位相比較器の動作クロックの周
波数を、ループ外のA/D変換器やフィルター等の動作
クロックの周波数のN倍(ただし、Nは2以上の整数)
とするものである。
【0016】
【作用】上記のようにすることで、シンボルのデータ
が、複素乗算器から出力されてNCOを制御し、検波軸
の位相情報として複素乗算器に再び入力されるまでの時
間を少なくし、シンボルを位相同期検波する際に、無駄
に大きい位相差を少なくできる。その結果、位相同期で
きる周波数差の範囲が広がる。
が、複素乗算器から出力されてNCOを制御し、検波軸
の位相情報として複素乗算器に再び入力されるまでの時
間を少なくし、シンボルを位相同期検波する際に、無駄
に大きい位相差を少なくできる。その結果、位相同期で
きる周波数差の範囲が広がる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
明する。
【0018】図1はこの発明の一実施例である。この復
調回路は直交振幅変調されたアナログ信号を入力とし、
互いに直交するQ、I軸方向に検波されたデジタル信号
を復調出力とする。
調回路は直交振幅変調されたアナログ信号を入力とし、
互いに直交するQ、I軸方向に検波されたデジタル信号
を復調出力とする。
【0019】入力端子50から入力された信号finは、
2系統に分けられ、準同期直交検波回路51の乗算器5
2、53に供給される。乗算器52、53には、局部発
振器54が発振する周波数ft の正弦波が入力されてい
る。入力信号は、乗算器52、53において正弦波と乗
算されることにより、それぞれ周波数
2系統に分けられ、準同期直交検波回路51の乗算器5
2、53に供給される。乗算器52、53には、局部発
振器54が発振する周波数ft の正弦波が入力されてい
る。入力信号は、乗算器52、53において正弦波と乗
算されることにより、それぞれ周波数
【0020】fin−ft =Δfの信号となる。ここで、
局部発振器54から乗算器52に入力している正弦波
は、乗算器53に入力している正弦波に対して位相が9
0゜ずれている。このずれは、90°移相器55により
実現されている。
局部発振器54から乗算器52に入力している正弦波
は、乗算器53に入力している正弦波に対して位相が9
0゜ずれている。このずれは、90°移相器55により
実現されている。
【0021】準同期直交検波回路51の出力は、A/D
変換器56と57によって、サンプリング周波数fs で
デジタル信号に変換される。これらの信号は、それぞれ
FIRフィルタ58と59によって不要な高域周波数成
分を除去されたあと、複素乗算器60に入力され、NC
O66の出力信号の位相を検波軸として位相検波され
る。複素乗算器60の出力はシンボル検出器62と63
に入力されるとともに、位相比較器64に入力される。
位相比較器64は複素乗算器60の出力を用いて、FI
Rフィルタ58、59からの入力シンボルが検波軸に対
してどれほどの位相差を持っているかを検出し、その位
相差に見合った制御信号を得、この制御信号を低域通過
フィルタ65を介してNCO66の制御端子に与えてい
る。普通、FIRフィルタからの入力シンボルにのって
いるノイズの影響で、位相比較器64の出力信号は変動
する。低域通過フィルタ65は、この位相比較器64の
出力に含まれるノイズ成分を減少させて出力する。NC
O66は、低域通過フィルタ65の出力をシンボル間の
位相差とみなしてこれを積分し、その結果を正弦波に変
換して出力する。NCO66の出力は、複素乗算器60
に入力されるが、その際には互いに位相が90゜ずれた
2つの正弦波に変換されて入力される。90°移相器6
7はそのために設けられている。
変換器56と57によって、サンプリング周波数fs で
デジタル信号に変換される。これらの信号は、それぞれ
FIRフィルタ58と59によって不要な高域周波数成
分を除去されたあと、複素乗算器60に入力され、NC
O66の出力信号の位相を検波軸として位相検波され
る。複素乗算器60の出力はシンボル検出器62と63
に入力されるとともに、位相比較器64に入力される。
位相比較器64は複素乗算器60の出力を用いて、FI
Rフィルタ58、59からの入力シンボルが検波軸に対
してどれほどの位相差を持っているかを検出し、その位
相差に見合った制御信号を得、この制御信号を低域通過
フィルタ65を介してNCO66の制御端子に与えてい
る。普通、FIRフィルタからの入力シンボルにのって
いるノイズの影響で、位相比較器64の出力信号は変動
する。低域通過フィルタ65は、この位相比較器64の
出力に含まれるノイズ成分を減少させて出力する。NC
O66は、低域通過フィルタ65の出力をシンボル間の
位相差とみなしてこれを積分し、その結果を正弦波に変
換して出力する。NCO66の出力は、複素乗算器60
に入力されるが、その際には互いに位相が90゜ずれた
2つの正弦波に変換されて入力される。90°移相器6
7はそのために設けられている。
【0022】ここで、位相比較器64、低域通過フィル
タ65、NCO66の各部は、それぞれ内部演算を行な
うためにデータを入力してから出力するまでの間にそれ
ぞれ一定の時間がかかる。これらのうち、低域通過フィ
ルタ65の構成例を図2に示す。
タ65、NCO66の各部は、それぞれ内部演算を行な
うためにデータを入力してから出力するまでの間にそれ
ぞれ一定の時間がかかる。これらのうち、低域通過フィ
ルタ65の構成例を図2に示す。
【0023】図2のフィルタは、直接系と積分系の2系
統からなる完全2次のフィルタで、乗算器71、72
と、加算器73、75、遅延要素74からなっている。
これらの要素のうち、加算器の構成例を図3に示す。こ
の加算器は4ビット加算器(ADD)と遅延要素(ラッ
チ回路(D))とで構成されており、入力AとBそれぞ
れkビットを4ビットずつ、キャリーフローとあわせて
加算していく。図の下側の段が下位4ビットの加算系統
であり、順次上の段が上位側の加算系統である。ここ
で、キャリーフローと入力データの同期をとるために、
4ビット加算器の前後には遅延要素のラッチ回路を設け
ている。入力データAとBのどのビットも、加算されて
出力データとなるまでにラッチ回路をn段通るので、図
3の加算器の処理にはnクロック以上の時間が必要とな
る。加算器はフィルター以外の部分でも使われており、
また、加算器以外の処理にもそれに見合ったクロック数
を要する。
統からなる完全2次のフィルタで、乗算器71、72
と、加算器73、75、遅延要素74からなっている。
これらの要素のうち、加算器の構成例を図3に示す。こ
の加算器は4ビット加算器(ADD)と遅延要素(ラッ
チ回路(D))とで構成されており、入力AとBそれぞ
れkビットを4ビットずつ、キャリーフローとあわせて
加算していく。図の下側の段が下位4ビットの加算系統
であり、順次上の段が上位側の加算系統である。ここ
で、キャリーフローと入力データの同期をとるために、
4ビット加算器の前後には遅延要素のラッチ回路を設け
ている。入力データAとBのどのビットも、加算されて
出力データとなるまでにラッチ回路をn段通るので、図
3の加算器の処理にはnクロック以上の時間が必要とな
る。加算器はフィルター以外の部分でも使われており、
また、加算器以外の処理にもそれに見合ったクロック数
を要する。
【0024】ここに述べたような遅延要素の影響で、位
相同期回路の周波数引き込み性能が劣化することは前に
述べた。この劣化を少なくするために、この実施例で
は、複素乗算器60から、位相比較器64、低域通過フ
ィルタ65、NCO66等を経て複素乗算器60に戻る
位相同期ループの各部の動作クロック周波数をA/D変
換器56、57や、FIRフィルタ58、59の動作ク
ロック周波数のN倍(Nは2以上の整数)とする。つま
り、A/D変換器56、57とFIRフィルタ58、5
9の動作クロック周波数をfs 、複素乗算器60、位相
比較器65、低域通過フィルタ65、NCO66等の位
相同期ループ内の各要素の動作クロック周波数はNfs
(=N×fs )とする。このとき、位相同期ループ内部
の処理に必要な時間は、動作クロックの周波数が高くな
った分、動作クロックをすべてfsとした場合に比べて
N分の1になる。すなわち、入力シンボルのデータ情報
が検波軸の位相として位相検波用複素乗算器60にフィ
ードバックされるまでの時間はN分の1に短くなってい
る。ここで、A/D変換器56、57のサンプリング周
期はfs のままで、複素乗算器60に入力されるシンボ
ルの入力レートもfsのままなので、シンボルの入力レ
ートに対する位相同期ループ内で発生する遅延は、事実
上減少してN分の1になる。クロックfs 、Nfs は、
複素乗算器60の出力を用いてクロック再生回路68に
より作成されている。
相同期回路の周波数引き込み性能が劣化することは前に
述べた。この劣化を少なくするために、この実施例で
は、複素乗算器60から、位相比較器64、低域通過フ
ィルタ65、NCO66等を経て複素乗算器60に戻る
位相同期ループの各部の動作クロック周波数をA/D変
換器56、57や、FIRフィルタ58、59の動作ク
ロック周波数のN倍(Nは2以上の整数)とする。つま
り、A/D変換器56、57とFIRフィルタ58、5
9の動作クロック周波数をfs 、複素乗算器60、位相
比較器65、低域通過フィルタ65、NCO66等の位
相同期ループ内の各要素の動作クロック周波数はNfs
(=N×fs )とする。このとき、位相同期ループ内部
の処理に必要な時間は、動作クロックの周波数が高くな
った分、動作クロックをすべてfsとした場合に比べて
N分の1になる。すなわち、入力シンボルのデータ情報
が検波軸の位相として位相検波用複素乗算器60にフィ
ードバックされるまでの時間はN分の1に短くなってい
る。ここで、A/D変換器56、57のサンプリング周
期はfs のままで、複素乗算器60に入力されるシンボ
ルの入力レートもfsのままなので、シンボルの入力レ
ートに対する位相同期ループ内で発生する遅延は、事実
上減少してN分の1になる。クロックfs 、Nfs は、
複素乗算器60の出力を用いてクロック再生回路68に
より作成されている。
【0025】このため、検波軸と入力シンボルの位相差
が無駄に大きくなることがなくなり、すべての構成要素
が同じ周波数のクロックを用いて動作する位相検波回路
に比べて、位相同期回路内の動作周波数をN倍にしたと
きには位相検波回路の周波数の引き込み範囲が広くな
る。また、引き込み後の、位相ジッタが少なくなる。
が無駄に大きくなることがなくなり、すべての構成要素
が同じ周波数のクロックを用いて動作する位相検波回路
に比べて、位相同期回路内の動作周波数をN倍にしたと
きには位相検波回路の周波数の引き込み範囲が広くな
る。また、引き込み後の、位相ジッタが少なくなる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、復調器の位相同期
回路内で、位相同期ループを構成する、位相検波用複素
乗算器、位相比較器、低域通過フィルター、NCO等の
処理を行なう際には、それぞれ数クロックの遅延が必要
である。このために、位相同期ループ全体では数十クロ
ックの遅延が必要となり、位相同期を行なえる周波数の
範囲が大きく制限される。しかし、この発明では、これ
ら位相同期ループ内の処理の動作クロックを、ループ外
のクロックのN倍(Nは2以上の整数)としてクロック
を速くすることで、位相同期ループ内で必要な遅延の時
間を減らす。その結果、位相同期ループ全体の遅延が少
なくなり、位相同期を行なえる周波数の範囲を広げ、引
き込み後の位相ジッタを減らすことができる。
回路内で、位相同期ループを構成する、位相検波用複素
乗算器、位相比較器、低域通過フィルター、NCO等の
処理を行なう際には、それぞれ数クロックの遅延が必要
である。このために、位相同期ループ全体では数十クロ
ックの遅延が必要となり、位相同期を行なえる周波数の
範囲が大きく制限される。しかし、この発明では、これ
ら位相同期ループ内の処理の動作クロックを、ループ外
のクロックのN倍(Nは2以上の整数)としてクロック
を速くすることで、位相同期ループ内で必要な遅延の時
間を減らす。その結果、位相同期ループ全体の遅延が少
なくなり、位相同期を行なえる周波数の範囲を広げ、引
き込み後の位相ジッタを減らすことができる。
【図1】この発明の一実施例を示す構成説明図。
【図2】図1の位相同期回路の中で使用している低域通
過フィルタの構成図。
過フィルタの構成図。
【図3】図1の位相同期回路の中で使用している加算器
による遅延を説明するために示した加算回路の構成図。
による遅延を説明するために示した加算回路の構成図。
【図4】従来のデジタル復調器の構成を示す図。
【図5】従来のデジタル復調器の問題点を説明するため
に示したシンボル配置の説明図。
に示したシンボル配置の説明図。
51…準同期直交検波回路、52、53…乗算器、54
…局部発振器、55…90°移相器、56、57…A/
D変換器、58、59…FIRフィルタ、60…複素乗
算器、62、63…シンボル検出器、64…位相比較
器、65…低域通過フィルタ、66…数値制御発振器
(NCO)、67…90°位相器。
…局部発振器、55…90°移相器、56、57…A/
D変換器、58、59…FIRフィルタ、60…複素乗
算器、62、63…シンボル検出器、64…位相比較
器、65…低域通過フィルタ、66…数値制御発振器
(NCO)、67…90°位相器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 27/22 C 9297−5K (72)発明者 多賀 昇 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内 (72)発明者 小松 進 東京都港区新橋3丁目3番9号 東芝エ ー・ブイ・イー株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 入力デジタル変調波を直交する位相軸の
局部発振出力により周波数変換し、各位相軸に対応する
出力を得る準同期直交検波手段と、 前記準同期直交検波回路から出力された各信号が入力さ
れ、それぞれの信号を前記入力デジタル変調波のシンボ
ルレートと同一か、またはシンボルレートの2倍のクロ
ックで動作するA/D変換手段と、 前記A/D変換手段の各出力信号が供給され、各軸の検
波出力を得る位相検波用複素乗算手段と、 前記位相検波用複素乗算器の出力を用いて、シンボルと
所定位相軸との位相差を検出する位相比較手段と、 前記位相比較手段の出力から不要な高周波成分を除去す
るデジタルループフィルタ手段と、 前記デジタルループフィルタ手段の出力が発振周波数制
御端子に供給される数値制御発振手段と、 前記数値制御発振手段の発振出力を前記位相検波用複素
乗算器に検波軸の信号として与える手段とを具備し、 少なくとも前記位相比較手段の動作クロックの周波数
を、前記A/D変換手段の動作クロックの2倍以上の整
数倍にしたことを特徴とするデジタル復調回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4266137A JPH06120997A (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | デジタル復調回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4266137A JPH06120997A (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | デジタル復調回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06120997A true JPH06120997A (ja) | 1994-04-28 |
Family
ID=17426835
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4266137A Pending JPH06120997A (ja) | 1992-10-05 | 1992-10-05 | デジタル復調回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06120997A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7592942B2 (en) | 2007-02-09 | 2009-09-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Circuit and method for A/D conversion processing and demodulation device |
-
1992
- 1992-10-05 JP JP4266137A patent/JPH06120997A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7592942B2 (en) | 2007-02-09 | 2009-09-22 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Circuit and method for A/D conversion processing and demodulation device |
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