JP3350068B2 - デジタル変調波の復調装置 - Google Patents

デジタル変調波の復調装置

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JP3350068B2
JP3350068B2 JP19778991A JP19778991A JP3350068B2 JP 3350068 B2 JP3350068 B2 JP 3350068B2 JP 19778991 A JP19778991 A JP 19778991A JP 19778991 A JP19778991 A JP 19778991A JP 3350068 B2 JP3350068 B2 JP 3350068B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、衛星通信及び衛星放
送等において利用されるデジタル変調波の復調装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】映像信号または音声信号等を伝送するシ
ステムにおいて、高品質な伝送及び周波数利用効率の向
上に役立つデジタル変調技術があり、従来からマイクロ
波地上通信及び業務用の衛星通信分野で用いられてい
る。デジタル変調方式としては、地上マイクロ波回線等
では周波数利用効率のよい16QPAM(16値直交振
幅変調)、64QPAM(64値直交振幅変調)などが
用いられ、衛星回線では伝送符号誤り率の小さいBPS
K(2相位相変調)、QPSK(4相位相変調)方式等
が一般に用いられてきた。
【0003】ところで近年、このようなデジタル伝送技
術が民生用としても利用されるようになり、デジタル伝
送の高品質信号伝送特性及び周波数利用効率の点で優位
であるために、ますます普及することが考えられる。と
ころで民生用のシステムとしては安価な受信装置を実現
することが最も重要であり、以下のような要件を満たさ
なければならない。 1)構成が簡単でハードウエア規模が小さいこと。 2)初期調整箇所が少ないこと。 3)経年変化及び温度ドリフトが安定なこと。 4)IC化に適したものであること。 5)所要性能を満たすものであること。
【0004】従来用いられいた地上マイクロ波回線用の
復調システムは、例えばNTT研究実用化報告第24巻
第10号(1975)p.253−272の山本他「高
速QPSK用搬送波同期系の設計と特性」に示されてい
るように、逆変調方式の復調装置が用いられていた。し
かし、このような復調装置は複雑な構成であり、初期調
整箇所も多くコストが高いものであった。またアナログ
回路が大部分であるために安定性の問題があり、またI
C化にも適しておらず民生用の復調装置として用いるに
は問題が多かった。
【0005】上記問題点を解決するひとつの復調方式と
して、近年発展著しいデジタル信号処理技術を応用した
復調装置が公知となっている。この例は、電子情報通信
学会秋期全国大会(1990)の八木他「衛星通信用デ
ジタル復調LSIの開発」に見られる。この復調装置
は、BPSKまたはQPSK変調波の復調(同期検波)
を行う際のキャリア再生をデジタル化された位相ロック
ループ(PLL)で実現したものであり、無調整化及び
LSI化により安価な受信装置の要件を満たすものであ
る。
【0006】図5は、デジタルPLLキャリア再生を用
いた従来の受信回路ブロックである。入力端子1に導入
されたQPSK変調波は、分配されて同相検波器2、及
び直交検波器3へ供給される。検波器2及び3へ与えら
れる局部発振信号(以下局発と略称する)は、固定周波
数の局部発振器5の局発が分配器4で、0度位相の局
発、90度位相の局発とされたものである。検波器2、
3の出力はそれぞれA/D変換器6及び7に入力され、
デジタル値に変換される。さらにデジタル化された検波
出力は同一の周波数伝達特性を有するデジタル低域通過
フィルタ(LPF)8及び9にそれぞれ入力され、スペ
クトル整形される。これらのデジタル低域通過フィルタ
8、9はデジタルデータ伝送における符号間干渉防止に
要求される伝送特性を形成するフィルタであり、一般に
送信側のフィルタ特性と組合わせられたとき、いわゆる
ロールオフ特性が得られるように設計されている。故
に、デジタル低域通過フィルタ8、9の出力において、
各検波出力はアイ開口率が十分大きくなるようにスペク
トル整形される。デジタル低域通過フィルタ8、9のそ
れぞれの出力は分岐されて、一方はクロック再生回路1
0に供給され、信号中のシンボルタイミング成分が抽出
されて、A/D変換器6及び7の変換クロック入力へフ
ィードバックされる。分岐された各デジタル低域通過フ
ィルタ8、9の出力は、複素乗算器11にそれぞれ入力
される。
【0007】複素乗算器11は、中間周波数帯における
周波数変換器即ちミキサと全く同じ動作をベースバンド
帯で実現できる。(複素数を用いない実数形式の乗算器
は検波動作を行うことはできても、負の周波数成分を表
現できないので一般的周波数変換器とはならない。)複
素乗算器11の出力は、位相検波器12に入力され、入
力信号と後述する数値制御発振器(NCO)15との位
相差が検出される。位相検波器12の出力(位相差情
報)はデータ判定回路13に入力される。データ判定回
路13は位相差情報からQPSKデータを判定し、つま
り復調しその復調データを出力する。
【0008】また位相検波器12からのこの位相差情報
は、キャリア再生のためにループフィルタ14を介して
数値制御発振器15の周波数制御端子へ入力される。数
値制御発振器15はオーバーフローを禁止しない累積加
算回路であり、周波数制御端子に入力される信号の値に
応じてそのダイナミックレンジまでの加算動作を行うた
め、発振状態となりその発振周波数は、制御信号の値で
変化する。即ち、アナログ回路における電圧制御発振回
路(VCO)と全く同じように動作する。一般のVCO
と異なる点は、その発振周波数が非常に安定しているこ
とであり、いわゆる水晶を用いたVCO(VCXO)以
上の安定性とVCXOでは実現できない広い周波数可変
範囲を有する特徴がある。この数値制御発振器15の出
力は、2つに分配されてそれぞれサイン及びコサイン特
性を有するデータ変換回路16及び17を経て複素乗算
器11に戻る一巡のループは完全デジタル構成のPLL
である。ループフィルタ14に完全積分系を有する回路
が含まれていれば、PLLの周波数引き込み範囲は原理
的に無限大でありPLLとして理想的な動作が期待でき
る。また、A/D変換器6、7以降はすべてデジタル信
号処理であり、IC化すれば無調整で復調装置を実現で
き、かつ非常にコンパクトな装置とできる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記デジタルPLLを
用いた復調装置においても、周波数離調に関する問題が
残されている。衛星通信及び衛星放送では衛星搭載の中
継器内部の周波数変換器(アップリンク周波数とダウン
リンク周波数を異なるものとするために用いられる)の
安定性を高めるのが困難であり、一般に大きな周波数離
調を有する。また受信機においても、民生用の受信機を
考慮すると周波数の非常に安定な周波数シンセサイザ型
のダウンコンバータは高価になるため普及の妨げにな
る。故に、一般にはより安価な回路(例えば誘電体共振
器を局発に用いる回路)で周波数変換が行われる。この
ような周波数変換器ではやはり周波数離調を生ずること
になる。例えば、この周波数離調は12GHz帯での周
波数変換で、1MHz以上にもおよび、復調器入力でこ
の周波数離調が現れることになる。
【0010】上記デジタルPLLを有する復調器に関し
ては前述のように周波数引き込み範囲(PLLプルイン
レンジ)は無限大にできることをすでに説明した。故に
これに関しては問題はない。ところが次のような問題が
ある。
【0011】図に帯域特性として示したように入力周波
数に離調があり変調波スペクトルの中心周波数(キャリ
ア周波数)がfcになったとする。固定周波数の局発5
の周波数をfLとすると、このとき、これらの周波数ず
れのため各検波出力のスペクトルは周波数0(直流)に
対して対象なスペクトルとはならない。このスペクトル
はデジタル化された後、前記デジタルPLLでスペクト
ル整形されるが、この低域通過フィルタの特性は図示し
たように直流に対して対象な特性であるため、周波数離
調している分だけ信号のスペクトルが部分的に削りとら
れる。これは符号間干渉を防ぐための伝送特性が満足さ
れないことを意味し、この結果アイ開口率が小さくなり
符号誤り率が劣化するという問題がある。次に、上記問
題に対処するために、スペクトル整形用デジタル低域通
過フィルタを複素乗算器の後に移した復調装置が考えら
れる。
【0012】図6はその想定した装置を示している。図
6の構成は図5のデジタル低域通過フィルタ8、9を複
素乗算器11の後段に移しただけの構成である。その他
の構成及び動作は図5と全く同じである。この場合、上
述の周波数離調は複素乗算器で除去されるので、デジタ
ル変調波のスペクトルが部分的に削り取られことはなく
なる。しかし以下のような新たな問題が生じる。
【0013】スペクトル整形用のデジタル低域通過フィ
ルタは、一般にトランスバーサルフィルタを用いて構成
され、理想的な伝達特性を実現しようとすると、数10
タップを有するフィルタとなる。このような遅延素子が
PLLループ内に存在すると、フィードバック制御が不
安定状態に近くなり、ジッタ特性やプルインレンジに劣
化を生じる。
【0014】そこでこの発明は、衛星等の周波数離調ま
たは安価な受信機の周波数変換器における周波数離調が
存在するときでも、上述のような受信機性能の劣化を生
じることのないデジタル変調波の受信装置を提供するこ
とを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、変調波入力
に対して第1の局部発振器からの局部発振周波数信号を
乗算することにより検波出力を得る手段と、この手段の
検波出力をデジタル変換するアナログデジタル変換手段
と、この手段の出力に第2の局部発振器からの周波数変
換キャリアを乗算して複素乗算を施し周波数変換を得る
周波数変換手段と、この周波数変換手段の出力が供給さ
れスペクトル整形を行うデジタル低域通過フィルタと、
この低域通過フィルタ出力に再生キャリアを乗算して複
素乗算を施し、この乗算出力に位相検波を施して位相情
報を得、この位相情報から多相の復調出力を得る手段
と、前記位相情報を平滑して数値制御発振器に供給し、
前記再生キャリアを得るための位相ロックループ手段
と、前記位相情報が入力され、前記変調波入力の周波数
と前記第1の局部発振器からの局部発振周波数信号の局
部発振周波数および前記第2の局部発振器からの周波数
変換キャリアの局部発振周波数とを合わせた直交準同期
検波のための局部発振周波数との所定の関係の周波数誤
差を検出する周波数誤差検出手段と、この手段からの周
波数誤差出力を平滑化する手段と、この手段から得られ
た平滑出力により前記第2の局部発振器の発振周波数を
制御する手段とを備え、前記位相ロックループ手段と前
記周波数変換手段との間に前記デジタル低域通過フィル
タを配置させたものである。
【0016】
【作用】上記の手段により、最初の立上がり時は、周波
数誤差検出、この誤差による第2の局部発振器の周波数
制御、つまりAFC動作が実行される。これにより入力
信号と自身の局発周波数の分離状態を検出し、この検出
の周波数誤差はAFCループフィルタ手段にて低減され
る。そしてフィルタ手段の出力は、第2の局部発振器の
周波数制御入力端子に供給される。周波数制御手段は中
間周波数帯におけるミキサと同様な動作を得る。この制
御の後は位相ロックループ(PLL)によりキャリア再
生が行われる。このPLL内にはスペクトル整形用のデ
ジタル低域通過フィルタは存在しない。この結果、入力
の周波数離調分は、AFC動作により除去される。よっ
て同相及び直交検波出力をスペクトル整形するデジタル
LPF手段の出力において変調波スペクトルの一部が削
り取られるような現象が生じることは無くなり、正確な
スペクトル整形が可能となる。故に、入力に周波数離調
が存在する場合にも、アイ開口率の劣化が問題となるこ
とがなくなる。またPLLループ内に大きな遅延要素が
存在しないのでPLL動作時のジッタ特性等が劣化する
こともない。なお、周波数離調分が上記AFCで十分に
小さくされると、AFCをホールドし、PLLを有効と
する手段により今度はPLLが動作し、僅かな周波数誤
差を引き込んだ後、位相同期を達成する。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。
【0018】図1はこの発明の一実施例である。先に説
明した図5の回路と同一部分には同一符号を付してい
る。入力端子1に導入されたQPSK変調波は、分配さ
れて同相検波器2、及び直交検波器3へ供給される。検
波器2及び3へ与えられる局部発振信号(以下局発と略
称する)は、固定周波数の第1の局部発振器5の局発が
分配器4で、0度位相の局発、90度位相の局発とされ
たものである。検波器2、3の出力はそれぞれA/D変
換器6及び7に入力され、デジタル値に変換される。
【0019】ここで、デジタル化された検波出力は周波
数変換を実現する複素乗算器33に入力される。この複
素乗算器33には、周波数変換キャリアとして後述する
AFCループからの局発出力(第2の局部発振器出力)
が供給される。この複素乗算器33から得られた出力
は、同一の周波数伝達特性を有するデジタル低域通過フ
ィルタ(LPF)8及び9にそれぞれ入力され、スペク
トル整形される。これらのデジタル低域通過フィルタ
8、9はデジタルデータ伝送における符号間干渉防止に
要求される伝送特性を形成するフィルタであり、一般に
送信側のフィルタ特性と組合わせられたとき、いわゆる
ロールオフ特性が得られるように設計されている。故
に、デジタル低域通過フィルタ8、9の出力において、
各検波出力はアイ開口率が十分大きくなるようにスペク
トル整形される。デジタル低域通過フィルタ8、9のそ
れぞれの出力は分岐されて、一方はクロック再生回路1
0に供給され、信号中のシンボルタイミング成分が抽出
されて、A/D変換器6及び7の変換クロック入力へフ
ィードバックされる。分岐された各デジタル低域通過フ
ィルタ8、9の出力は、複素乗算器11にそれぞれ入力
される。
【0020】複素乗算器11は、中間周波数帯における
周波数変換器即ちミキサと全く同じ動作をベースバンド
帯で実現できる。(複素数を用いない実数形式の乗算器
は検波動作を行うことはできても、負の周波数成分を表
現できないので一般的周波数変換器とはならない。)複
素乗算器11の出力は、位相検波器12に入力され、入
力信号と数値制御発振器15との位相差が検出される。
位相検波器12の出力(位相差情報)はデータ判定回路
13に入力される。データ判定回路13は位相差情報か
らQPSKデータを判定し、つまり復調しその復調デー
タを出力する。
【0021】また位相検波器12からのこの位相差情報
は、キャリア再生のためにループフィルタ14を介して
数値制御発振器15の周波数制御端子へ入力される。数
値制御発振器15はオーバーフローを禁止しない累積加
算回路であり、周波数制御端子に入力される信号の値に
応じてそのダイナミックレンジまでの加算動作を行うた
め、発振状態となりその発振周波数は、制御信号の値で
変化する。即ち、アナログ回路における電圧制御発振回
路(VCO)と全く同じように動作する。一般のVCO
と異なる点は、その発振周波数が非常に安定しているこ
とであり、いわゆる水晶を用いたVCO(VCXO)以
上の安定性とVCXOでは実現できない広い周波数可変
範囲を有する特徴がある。この数値制御発振器15の出
力は、2つに分配されてそれぞれサイン及びコサイン特
性を有するデータ変換回路16及び17を経て複素乗算
器11に戻る一巡のループは完全デジタル構成のPLL
である。ループフィルタ14に完全積分系を有する回路
が含まれていれば、PLLの周波数引き込み範囲は原理
的に無限大でありPLLとして理想的な動作が期待でき
る。また、A/D変換器6、7以降はすべてデジタル信
号処理であり、IC化すれば無調整で復調装置を実現で
き、かつ非常にコンパクトな装置とできる。
【0022】次にこのシステムには、AFCループが形
成されている。即ち、位相検波器12から出力された位
相誤差信号は、周波数誤差検出回路19に供給される。
周波数誤差検出回路19は、入力と局発(第1の局発及
び第2の局発)との周波数誤差を検出することになる。
この周波数誤差成分は、AFCループフィルタ20で平
滑化されてラッチ回路21を経て数値制御発振器22の
周波数制御端子に供給される。数値制御発振器22の発
振出力は、鋸状波の信号であるために、サインの変換特
性を持つデータ変換器31と、コサインの変換特性を持
つデータ変換器32に入力される。データ変換器31、
32の出力は、第2の局発として先の複素乗算器33に
供給される。これによりAFCループが形成されてい
る。
【0023】AFC動作が行われ入力信号と局発との所
定関係の周波数離調が十分小さくなると、周波数誤差検
出回路19の周波数誤差検出出力が変化する。これによ
り周波数誤差検出回路19からは、ループ切換え信号が
出力されるとともにAFCホールド信号が出力される。
この信号は実質的に同一である。ループ切換え信号は、
PLLにおけるループフィルタ14が動作状態に切換え
られる。これによりPLL動作が開始され、またAFC
ループにおける誤差情報は、AFC状態が最良の状態で
ホールドされる。PLL動作は、キャリア同期となるよ
うに引き込み動作を開始する。上記複素乗算器33によ
る周波数変換動作について以下さらに説明する。
【0024】中間周波数(IF)帯における周波数変換
は一般にアナログミキサにより行われ、局発と入力の和
周波数成分または差周波数成分を求めることにより実現
される。ただし、このような操作は、原理的に各スペク
トルが直流以下とならないことを前提としている。もし
周波数変換出力の一部が直流以下の周波数成分となると
この分は直流で折り返り、結果として検波を行ってしま
うことになる。このように直流以下の負の周波数を表現
するには複素数で表現すればよい。上記ミキサ動作を複
素領域で行えばよい。ミキサ動作とは乗算に他ならない
から複素乗算器を用いれば、直流付近における(即ちベ
ースバンド帯)周波数変換が上記スペクトルの折り返し
を考慮せず自由に実現できる。
【0025】この実施例は、上記の複素乗算器33を用
いてAFCのための周波数変換を実現している。なおデ
ジタルPLLにおける複素乗算器も全く同じ動作をして
いる。
【0026】固定周波数の局発を用いている従来の復調
器と異なり、この実施例での局発は周波数誤差出力でフ
ィードバック制御されているために、ほとんど周波数離
調のない状態で直交同期検波される。故にデジタル低域
通過フィルタでスペクトル整形されるときにスペクトル
が削りとられることもなく、ほぼ理想的な状態で復調可
能である。
【0027】また、前述のようにキャリア再生PLL内
部には大きな遅延素子を含まないので、ジッタ特性の良
好なキャリア再生動作が可能である。またPLLの周波
数引き込み範囲も広くとれるのでAFC動作に非常に厳
密な特性は要求されない。即ち、このPLL回路のプル
インレンジ内の周波数誤差が残留してもキャリア再生動
作は可能である。
【0028】図2は、AFCループ用の数値制御発振器
22の具体例である。この数値制御発振器22は、PL
Lにおける数値制御発振器15と内容は同じである。周
波数制御端子200に入力された信号は、加算器201
の一方の入力に供給され、他方の入力には加算器201
の出力がラッチ回路202で1クロック分遅延されて入
力される。この結果、ラッチ回路202の出力は、同図
中に示すようにアキュムレータとして動作し鋸状波を出
力する。この発振周波数はクロックが固定周波数であれ
ば制御端子200に加えられる数値により制御すること
ができる。
【0029】図3は、上記実施例における周波数誤差検
出回路19の構成例である。入力端子300には位相誤
差信号が入力されているものとする。デジタル変調波の
シンボルタイミングをクロックとするラッチ回路301
及び減算器302から構成される回路はデジタル変調波
の各シンボル間の位相変化を検出する。このことは周波
数誤差を求めていることに他ならない。故にこの出力
は、周波数誤差検出出力としても出力端子303へ出力
される。また周波数誤差検出出力は、低域通過フィルタ
304へも分岐され、ここで十分平滑化された後、正負
の符号を除去する絶対値回路305を経て2値化回路3
06で2値化される。この2値化出力はAFC又はPL
Lのどちらの動作を行うべきかを制御する信号(先のA
FCホールド及びループ切換え信号)として出力され
る。
【0030】上記の実施例において数値制御発振器22
の出力として周波数が制御される直交検波用の局発手段
として、サイン波に変換するデータ変換器24を用い、
このデータ変換器24の出力をD/A変換器25に供給
し、さらにそのアナログ変換出力を周波数逓倍回路に供
給する構成を示した。しかしこの局発手段としては、他
の周波数変換回路を用いても実現可能である。図4
(A)は、ミキサを用いた周波数変換回路の他の実施例
である。
【0031】図1の回路と共通する部分には、同一符号
を付している。即ち、数値制御発振器22の出力は、サ
イン変換特性を有するデータ変換器24においてサイン
波とされ、D/A変換器25でアナログ正弦波とされ
る。この出力は、ミキサ回路401のRF入力端子へ供
給される。ミキサ回路401の局発入力には固定周波数
の発振器402の出力が供給される。局部発振器402
の発振周波数は、サイン波の周波数が4MHzであれば
140MHzの変換出力を得るために144MHzまた
は136MHzの周波数とされる。変換出力は、帯域通
過フィルタ(BPF)で局発リーク成分及びイメージ成
分が除去されて分配器4へ供給される。
【0032】周波数逓倍回路による周波数変換方式に比
べてこのミキサを用いた方式は、数値制御発振器22の
出力の周波数変化と帯域通過フィルタ403の出力の周
波数変化が全くおなじであり、周波数逓倍動作に生じる
位相ジッタの増大が生じない特徴がある。同図(B)は
直交変調器を用いた周波数変換器の他の実施例である。
【0033】数値制御発振器22の出力は、サイン変換
特性のデータ変換器24でサイン波とされ、D/A変換
器25でアナログサイン波とされる。この出力は、ミキ
サ501のRF入力端子へ供給される。さらに数値制御
発振器22の出力は、コサイン変換特性のデータ変換器
501に供給され、D/A変換器502でアナログコサ
イン波とされる。この出力は、ミキサ504のRF入力
端子へ供給される。
【0034】506は、固定周波数の局部発振器であ
り、その発振出力は分配器505で0度位相と90度位
相の出力に分配される。そして0度位相の発振出力は、
ミキサ504に供給され、90度位相の発振出力はミキ
サ503に供給される。各ミキサ503、504の出力
は、合成器507で合成され、帯域通過フィルタ(BP
F)508を介して分配器4へ供給される。この回路に
おいては、2つのミキサ503、504の出力に現れる
それぞれのイメージ成分が合成時にキャンセルされるた
めに帯域通過フィルタの特性が比較的緩やかであっても
よいという特徴がある。
【0035】さらにこの発明の実施例は、AFC動作と
PLL動作の切換えを行う場合、ラッチ回路21及びP
LLループフィルタ14を制御することにより実現する
のであるが、周波数誤差検出回路19において周波数誤
差が十分小さくなったという制御信号が現れたときに実
行されている。しかしこれに限らず、他の実施例も可能
である。
【0036】図6は、AFC動作、PLL動作切換え手
段の他の実施例である。位相検波器12からの出力位相
誤差信号は、周波数誤差検出回路19に供給される。こ
の周波数誤差検出回路19の動作は、前述した通りであ
り、周波数誤差が十分小さくなったときにその制御信号
を出力する。また、位相検波器12の出力は、PLL側
のループフィルタ14に供給されるまえに、スイッチ6
01を介して供給されるようになっている。また周波数
誤差検出回路19で得られた周波数誤差検出信号は、A
FCループフィルタ20に供給されるまえに、スイッチ
602を介して供給されるようになっている。そしてこ
のスイッチ601、602は、周波数誤差検出回路19
からの制御信号によりいずれか一方がオンのときは他方
がオフとなるように制御される。
【0037】この構成によっても、位相検波器12の出
力の周波数誤差が大きいときは、スイッチ602をオン
してAFC動作が実行され、周波数誤差が十分小さくな
ったときはPLL動作が実行されるようにループ切換え
を実現することができる。
【0038】上記のようにデジタル変調波の復調におい
て、伝送系に周波数離調が存在するときでもデジタル低
域通過フィルタの周波数ずれによるアイ開口率の劣化が
ほとんど生じず、復調器の固定化によるデータ伝送誤り
のない復調が可能になる。またPLL内部にデジタルP
LLが含まれていないためにループ内遅延の影響による
位相ジッタを生じることもなく、極めて良好なデジタル
変調波の復調が可能となる。
【0039】さらにまた、AFCループ全体がデジタル
回路の構成であり、アナログ部への制御が全くないため
に無調整化及びIC化が容易になりより安価な復調を得
ることができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
衛星等の周波数離調または安価な受信機の周波数変換器
における周波数離調が存在するときでも、受信機性能の
劣化が生じることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す構成説明図。
【図2】図1の数値制御発振器と周波数誤差検出回路の
具体的構成例を示す回路図。
【図3】図1におけるループ切換え手段の他の実施例を
示す図。
【図4】同じく図1におけるループ切換え手段の他の実
施例を示す図。
【図5】従来のデジタル変調波の復調器を示す図。
【図6】従来回路から考えられるデジタル変調波の復調
器を示す図。
【符号の説明】
2…同相検波器、3…直交検波器、4…分配器、6、7
…A/D変換器、8、9…デジタル低域通過フィルタ、
10…クロック再生回路、11…複素乗算器、12…位
相検波器、13…データ判定回路、14…PLLループ
フィルタ、15…数値制御発振器、16、17…データ
変換器、19…周波数誤差検出回路、20…AFCルー
プフィルタ、21…ラッチ回路、22…数値制御発振
器、31、32…データ変換器、33…複素乗算器。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−177746(JP,A) 特開 平2−32648(JP,A) 特開 平2−202747(JP,A) 実開 平1−142246(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調波入力に対して第1の局部発振器か
    らの局部発振周波数信号を乗算することにより検波出力
    を得る手段と、 この手段の検波出力をデジタル変換するアナログデジタ
    ル変換手段と、 この手段の出力に第2の局部発振器からの周波数変換キ
    ャリアを乗算して複素乗算を施し周波数変換を得る周波
    数変換手段と、 この周波数変換手段の出力が供給されスペクトル整形を
    行うデジタル低域通過フィルタと、 この低域通過フィルタ出力に再生キャリアを乗算して複
    素乗算を施し、この乗算出力に位相検波を施して位相情
    報を得、この位相情報から多相の復調出力を得る手段
    と、 前記位相情報を平滑して数値制御発振器に供給し、前記
    再生キャリアを得るための位相ロックループ手段と、 前記位相情報が入力され、前記変調波入力の周波数と前
    第1の局部発振器からの局部発振周波数信号の局部発
    振周波数および前記第2の局部発振器からの周波数変換
    キャリアの局部発振周波数とを合わせた直交準同期検波
    のための局部発振周波数との所定の関係の周波数誤差を
    検出する周波数誤差検出手段と、 この手段からの周波数誤差出力を平滑化する手段と、 この手段から得られた平滑出力により前記第2の局部発
    振器の発振周波数を制御する手段とを備え、 前記位相ロックループ手段と前記周波数変換手段との間
    に前記デジタル低域通過フィルタを配置させたことを特
    徴とするデジタル変調波の復調装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数誤差検出手段は、デジタル的
    に求められた前記位相情報に含まれるシンボル期間にお
    ける位相変化を検出して前記周波数誤差を検出すること
    を特徴とする請求項1記載のデジタル変調波の復調装
    置。
  3. 【請求項3】 変調波入力に対して第1の局部発振器か
    らの局部発振周波数信号を乗算することにより検波出力
    を得る手段と、 この手段の検波出力をデジタル変換するアナログデジタ
    ル変換手段と、 この手段の出力に第2の局部発振器からの周波数変換キ
    ャリアを乗算して複素乗算を施し周波数変換を得る周波
    数変換手段と、 この周波数変換手段の出力が供給されスペクトル整形を
    行うデジタル低域通過フィルタと、 この低域通過フィルタ出力に再生キャリアを乗算して複
    素乗算を施し、この乗算出力に位相検波を施して位相情
    報を得、この位相情報から多相の復調出力を得る手段
    と、 前記位相情報が入力され、前記変調波入力の周波数と前
    第1の局部発振器からの局部発振周波数信号の局部発
    振周波数および前記第2の局部発振器からの周波数変換
    キャリアの局部発振周波数とを合わせた直交準同期検波
    のための局部発振周波数との所定の関係の周波数誤差を
    検出するとともに周波数誤差が所定誤差より大きいか小
    かを示す制御信号を得、前記周波数誤差出力を平滑
    化した平滑出力により前記第2の局部発振器の発振周波
    数を制御し、さらに、前記周波数誤差が十分に小さくな
    ったときには前記局部発振器の制御状態を固定に保持す
    る周波数制御ループ手段と、 前記位相情報を平滑して数値制御発振器に供給し、前記
    再生キャリアを得るとともに、前記制御信号により動作
    がオンオフ制御され、前記周波数誤差が十分に小さいと
    きにのみ動作する位相ロックループ手段とを備えたこと
    を特徴とするデジタル変調波の復調装置。
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