JP3383318B2 - デジタル変調波の復調装置 - Google Patents

デジタル変調波の復調装置

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JP3383318B2 JP19779091A JP19779091A JP3383318B2 JP 3383318 B2 JP3383318 B2 JP 3383318B2 JP 19779091 A JP19779091 A JP 19779091A JP 19779091 A JP19779091 A JP 19779091A JP 3383318 B2 JP3383318 B2 JP 3383318B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、衛星通信及び衛星放
送等において利用されるデジタル変調波の復調装置に関
する。 【0002】 【従来の技術】映像信号または音声信号等を伝送するシ
ステムにおいて、高品質な伝送及び周波数利用効率の向
上に役立つデジタル変調技術があり、従来からマイクロ
波地上通信及び業務用の衛星通信分野で用いられてい
る。デジタル変調方式としては、地上マイクロ波回線等
では周波数利用効率のよい16QPAM(16値直交振
幅変調)、64QPAM(64値直交振幅変調)などが
用いられ、衛星回線では伝送符号誤り率の小さいBPS
K(2相位相変調)、QPSK(4相位相変調)方式等
が一般に用いられてきた。 【0003】ところで近年、このようなデジタル伝送技
術が民生用としても利用されるようになり、デジタル伝
送の高品質信号伝送特性及び周波数利用効率の点で優位
であるために、ますます普及することが考えられる。と
ころで民生用のシステムとしては安価な受信装置を実現
することが最も重要であり、以下のような要件を満たさ
なければならない。 1)構成が簡単でハードウエア規模が小さいこと。 2)初期調整箇所が少ないこと。 3)経年変化及び温度ドリフトが安定なこと。 4)IC化に適したものであること。 5)所要性能を満たすものであること。 【0004】従来用いられいた地上マイクロ波回線用の
復調システムは、例えばNTT研究実用化報告第24巻
第10号(1975)p.253−272の山本他「高
速QPSK用搬送波同期系の設計と特性」に示されてい
るように、逆変調方式の復調装置が用いられていた。し
かし、このような復調装置は複雑な構成であり、初期調
整箇所も多くコストが高いものであった。またアナログ
回路が大部分であるために安定性の問題があり、またI
C化にも適しておらず民生用の復調装置として用いるに
は問題が多かった。 【0005】上記問題点を解決するひとつの復調方式と
して、近年発展著しいデジタル信号処理技術を応用した
復調装置が公知となっている。この例は、電子情報通信
学会秋期全国大会(1990)の八木他「衛星通信用デ
ジタル復調LSIの開発」に見られる。この復調装置
は、BPSKまたはQPSK変調波の復調(同期検波)
を行う際のキャリア再生をデジタル化された位相ロック
ループ(PLL)で実現したものであり、無調整化及び
LSI化により安価な受信装置の要件を満たすものであ
る。 【0006】図5は、デジタルPLLキャリア再生を用
いた従来の受信回路ブロックである。入力端子1に導入
されたQPSK変調波は、分配されて同相検波器2、及
び直交検波器3へ供給される。検波器2及び3へ与えら
れる局部発振信号(以下局発と略称する)は、固定周波
数の局部発振器5の局発が分配器4で、0度位相の局
発、90度位相の局発とされたものである。検波器2、
3の出力はそれぞれA/D変換器6及び7に入力され、
デジタル値に変換される。さらにデジタル化された検波
出力は同一の周波数伝達特性を有するデジタル低域通過
フィルタ(LPF)8及び9にそれぞれ入力され、スペ
クトル整形される。これらのデジタル低域通過フィルタ
8、9はデジタルデータ伝送における符号間干渉防止に
要求される伝送特性を形成するフィルタであり、一般に
送信側のフィルタ特性と組合わせられたとき、いわゆる
ロールオフ特性が得られるように設計されている。故
に、デジタル低域通過フィルタ8、9の出力において、
各検波出力はアイ開口率が十分大きくなるようにスペク
トル整形される。デジタル低域通過フィルタ8、9のそ
れぞれの出力は分岐されて、一方はクロック再生回路1
0に供給され、信号中のシンボルタイミング成分が抽出
されて、A/D変換器6及び7の変換クロック入力へフ
ィードバックされる。分岐された各デジタル低域通過フ
ィルタ8、9の出力は、複素乗算器11にそれぞれ入力
される。 【0007】複素乗算器11は、中間周波数帯における
周波数変換器即ちミキサと全く同じ動作をベースバンド
帯で実現できる。(複素数を用いない実数形式の乗算器
は検波動作を行うことはできても、負の周波数成分を表
現できないので一般的周波数変換器とはならない。)複
素乗算器11の出力は、位相検波器12に入力され、入
力信号と後述する数値制御発振器(NCO)15との位
相差が検出される。位相検波器12の出力(位相差情
報)はデータ判定回路13に入力される。データ判定回
路13は位相差情報からQPSKデータを判定し、つま
り復調しその復調データを出力する。 【0008】また位相検波器12からのこの位相差情報
は、キャリア再生のためにループフィルタ14を介して
数値制御発振器15の周波数制御端子へ入力される。数
値制御発振器15はオーバーフローを禁止しない累積加
算回路であり、周波数制御端子に入力される信号の値に
応じてそのダイナミックレンジまでの加算動作を行うた
め、発振状態となりその発振周波数は、制御信号の値で
変化する。即ち、アナログ回路における電圧制御発振回
路(VCO)と全く同じように動作する。一般のVCO
と異なる点は、その発振周波数が非常に安定しているこ
とであり、いわゆる水晶を用いたVCO(VCXO)以
上の安定性とVCXOでは実現できない広い周波数可変
範囲を有する特徴がある。この数値制御発振器15の出
力は、2つに分配されてそれぞれサイン及びコサイン特
性を有するデータ変換回路16及び17を経て複素乗算
器11に戻る一巡のループは完全デジタル構成のPLL
である。ループフィルタ14に完全積分系を有する回路
が含まれていれば、PLLの周波数引き込み範囲は原理
的に無限大でありPLLとして理想的な動作が期待でき
る。また、A/D変換器6、7以降はすべてデジタル信
号処理であり、IC化すれば無調整で復調装置を実現で
き、かつ非常にコンパクトな装置とできる。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】上記デジタルPLLを
用いた復調装置においても、周波数離調に関する問題が
残されている。衛星通信及び衛星放送では衛星搭載の中
継器内部の周波数変換器(アップリンク周波数とダウン
リンク周波数を異なるものとするために用いられる)の
安定性を高めるのが困難であり、一般に大きな周波数離
調を有する。また受信機においても、民生用の受信機を
考慮すると周波数の非常に安定な周波数シンセサイザ型
のダウンコンバータは高価になるため普及の妨げにな
る。故に、一般にはより安価な回路(例えば誘電体共振
器を局発に用いる回路)で周波数変換が行われる。この
ような周波数変換器ではやはり周波数離調を生ずること
になる。例えば、この周波数離調は12GHz帯での周
波数変換で、1MHz以上にもおよび、復調器入力でこ
の周波数離調が現れることになる。 【0010】上記デジタルPLLを有する復調器に関し
ては前述のように周波数引き込み範囲(PLLプルイン
レンジ)は無限大にできることをすでに説明した。故に
これに関しては問題はない。ところが次のような問題が
ある。 【0011】図に帯域特性として示したように入力周波
数に離調があり変調波スペクトルの中心周波数(キャリ
ア周波数)がfcになったとする。固定周波数の局発5
の周波数をfLとすると、このとき、これらの周波数ず
れのため各検波出力のスペクトルは周波数0(直流)に
対して対象なスペクトルとはならない。このスペクトル
はデジタル化された後、前記デジタルPLLでスペクト
ル整形されるが、この低域通過フィルタの特性は図示し
たように直流に対して対象な特性であるため、周波数離
調している分だけ信号のスペクトルが部分的に削りとら
れる。これは符号間干渉を防ぐための伝送特性が満足さ
れないことを意味し、この結果アイ開口率が小さくなり
符号誤り率が劣化するという問題がある。次に、上記問
題に対処するために、スペクトル整形用デジタル低域通
過フィルタを複素乗算器の後に移した復調装置が考えら
れる。 【0012】図6はその想定した装置を示している。図
6の構成は図5のデジタル低域通過フィルタ8、9を複
素乗算器11の後段に移しただけの構成である。その他
の構成及び動作は図5と全く同じである。この場合、上
述の周波数離調は複素乗算器で除去されるので、デジタ
ル変調波のスペクトルが部分的に削り取られことはなく
なる。しかし以下のような新たな問題が生じる。 【0013】スペクトル整形用のデジタル低域通過フィ
ルタは、一般にトランスバーサルフィルタを用いて構成
され、理想的な伝達特性を実現しようとすると、数10
タップを有するフィルタとなる。このような遅延素子が
PLLループ内に存在すると、フィードバック制御が不
安定状態に近くなり、ジッタ特性やプルインレンジに劣
化を生じる。 【0014】そこでこの発明は、衛星等の周波数離調ま
たは安価な受信機の周波数変換器における周波数離調が
存在するときでも、上述のような受信機性能の劣化を生
じることのないデジタル変調波の受信装置を提供するこ
とを目的とする。 【0015】 【課題を解決するための手段】この発明は、変調波入力
に対して局部発振器からの局部発振周波数信号を乗算す
ることにより検波出力を得る手段と、この手段の検波出
力をデジタル変換する手段と、この手段の出力が供給さ
れスペクトル整形を行うデジタル低域通過フィルタと、
この低域通過フィルタ出力に再生キャリアを乗算して複
素乗算を施し、この乗算出力に位相検波を施して位相情
報を得、この位相情報から多相の復調出力を得る手段
と、記位相情報が入力され、前記変調波入力の周波数
と前記局部発振器からの局部発振周波数信号の局部発振
周波数との所定の関係の周波数誤差を検出するとともに
周波数誤差が所定誤差より大きいか小さいかを示す制御
信号を得、前記周波数誤差出力を平滑化した平滑出力に
より前記局部発振器の発振周波数を制御し、さらに、前
記周波数誤差が十分に小さくなったときには前記局部発
振器の制御状態を固定に保持する周波数制御ループ手段
と、前記位相情報を平滑して数値制御発振器に供給し、
前記再生キャリアを得るとともに、前記制御信号により
動作がオンオフ制御され、前記周波数誤差が十分に小さ
いときにのみ動作する位相ロックループ手段とを備え、
前記周波数制御ループ手段は、前記周波数誤差の平滑出
力により発振周波数が制御される数値制御発振器と、こ
の数値制御発振器の発振出力をサイン変換特性によりデ
ータ変換する第1のデータ変換器、コサイン変換特性に
よりデータ変換する第2のデータ変換器と、前記第1、
第2のデータ変換器の出力をそれぞれアナログ変換する
第1、第2のD/A変換器とを備え、前記局部発振器
は、前記第1、第2のD/A変換器の出力と固定周波数
発振器の位相の異なる発振出力とをそれぞれ乗算する第
1、第2の乗算器と、前記第1、第2の乗算器の出力を
合成する合成器と、この合成器の出力が供給される帯域
通過フィルタとを備えたものである。 【0016】 【作用】上記手段により、最小の立上がり時は、周波数
誤差検出、この誤差による局発周波数制御、つまりAF
C動作が実行される。これにより入力信号と自身の局発
周波数の分離状態を検出し、この検出の周波数誤差は
波数制御ループ手段にて低減される。そして周波数制御
ループ手段の出力は、発振周波数制御信号として数値制
御発振器の発振周波数制御入力端子に供給される。この
制御の後は位相ロックループ(PLL)によりキャリア
再生が行われる。このPLL内にはスペクトル整形用の
デジタル低域通過フィルタは存在しない。この結果、A
/D変換された同相及び直交検波出力をスペクトル整形
するLPF手段の出力において変調波スペクトルの一部
が削り取られる現象が生じることは無くなり、正確なス
ペクトル整形が可能となる。故に、入力に周波数離調が
存在する場合にも、アイ開口率の劣化が問題となること
がなくなる。またPLLループ内に大きな遅延要素が存
在しないのでPLL動作時のジッタ特性等が劣化するこ
ともない。なお、周波数離調分が上記AFCで十分に小
さくされると、AFCをホールドし、PLLを有効とす
る手段により今度はPLLが動作し、僅かな周波数誤差
を引き込んだ後、位相同期を達成する。ここにおいて、
本発明では、周波数制御ループ手段において、周波数誤
差の平滑出力により数値制御発振器の発振周波数を制御
し、この数値制御発振器の発振出力を第1のデータ変換
器にてサイン変換特性によりデータ変換し、同時に第2
のデータ変換器にてコサイン変換特性によりデータ変換
し、それぞれのデータ変換出力を第1、第2のD/A変
換器にてアナログ変換する。そして、局部発振器におい
て、第1、第2のD/A変換器の出力を第1、第2の乗
算器に入力して固定周波数発振器の位相の異なる発振出
力とそれぞれ乗算し、各乗算出力を合成器にて合成し、
この合成出力から帯域通過フィルタにて再生キャリアを
取り出す構成としている。この構成によれば、第1、第
2の乗算器の出力に現れるそれぞれのイメージ成分が合
成時にキャンセルされるため、帯域通過フィルタの特性
が比較的緩やかであってもよいという効果が得られる。 【0017】 【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。 【0018】図1はこの発明の一実施例である。先に説
明した図5の回路と同一部分には同一符号を付してい
る。入力端子1に導入されたQPSK変調波は、分配さ
れて同相検波器2、及び直交検波器3へ供給される。検
波器2及び3へ与えられる局部発振信号(以下局発と略
称する)は、局部発振器である周波数変換器23からの
局発が分配器4で、0度位相の局発、90度位相の局発
とされたものである。検波器2、3の出力はそれぞれA
/D変換器6及び7に入力され、デジタル値に変換され
る。さらにデジタル化された検波出力は同一の周波数伝
達特性を有するデジタル低域通過フィルタ(LPF)8
及び9にそれぞれ入力され、スペクトル整形される。こ
れらのデジタル低域通過フィルタ8、9はデジタルデー
タ伝送における符号間干渉防止に要求される伝送特性を
形成するフィルタであり、一般に送信側のフィルタ特性
と組合わせられたとき、いわゆるロールオフ特性が得ら
れるように設計されている。故に、デジタル低域通過フ
ィルタ8、9の出力において、各検波出力はアイ開口率
が十分大きくなるようにスペクトル整形される。デジタ
ル低域通過フィルタ8、9のそれぞれの出力は分岐され
て、一方はクロック再生回路10に供給され、信号中の
シンボルタイミング成分が抽出されて、A/D変換器6
及び7の変換クロック入力へフィードバックされる。分
岐された各デジタル低域通過フィルタ8、9の出力は、
複素乗算器11にそれぞれ入力される。 【0019】複素乗算器11は、中間周波数帯における
周波数変換器即ちミキサと全く同じ動作をベースバンド
帯で実現できる。(複素数を用いない実数形式の乗算器
は検波動作を行うことはできても、負の周波数成分を表
現できないので一般的周波数変換器とはならない。)複
素乗算器11の出力は、位相検波器12に入力され、入
力信号と数値制御発振器15との位相差が検出される。
位相検波器12の出力(位相差情報)はデータ判定回路
13に入力される。データ判定回路13は位相差情報か
らQPSKデータを判定し、つまり復調しその復調デー
タを出力する。 【0020】また位相検波器12からのこの位相差情報
は、キャリア再生のためにループフィルタ14を介して
数値制御発振器15の周波数制御端子へ入力される。数
値制御発振器15はオーバーフローを禁止しない累積加
算回路であり、周波数制御端子に入力される信号の値に
応じてそのダイナミックレンジまでの加算動作を行うた
め、発振状態となりその発振周波数は、制御信号の値で
変化する。即ち、アナログ回路における電圧制御発振回
路(VCO)と全く同じように動作する。一般のVCO
と異なる点は、その発振周波数が非常に安定しているこ
とであり、いわゆる水晶を用いたVCO(VCXO)以
上の安定性とVCXOでは実現できない広い周波数可変
範囲を有する特徴がある。この数値制御発振器15の出
力は、2つに分配されてそれぞれサイン及びコサイン特
性を有するデータ変換回路16及び17を経て複素乗算
器11に戻る一巡のループは完全デジタル構成のPLL
である。ループフィルタ14に完全積分系を有する回路
が含まれていれば、PLLの周波数引き込み範囲は原理
的に無限大でありPLLとして理想的な動作が期待でき
る。また、A/D変換器6、7以降はすべてデジタル信
号処理であり、IC化すれば無調整で復調装置を実現で
き、かつ非常にコンパクトな装置とできる。 【0021】次にこのシステムには、AFCループが形
成されている。即ち、位相検波器12から出力された位
相誤差信号は、周波数誤差検出回路19に供給される。
周波数誤差検出回路19は、入力と局発との周波数誤差
を検出する。この周波数誤差成分は、AFCループフィ
ルタ20で平滑化されてラッチ回路21を経て数値制御
発振器22の周波数制御端子に供給される。数値制御発
振器22の発振出力は、鋸状波の信号であるために、サ
イン、またはコサインの変換特性を持つデータ変換器2
4に入力される。データ変換器24の出力は、D/A変
換器15に供給されアナログ信号に変換される。このD
/A変換器25の出力は、周波数逓倍回路を構成する位
相検波器26に供給される。周波数逓倍回路から出力さ
れた発振出力は、局発として分配器4に入力され、先に
説明した90度の局発と、0度の局発とに分配される。
逓倍回路の構成及び動作については後述することにす
る。 【0022】AFC動作により周波数離調が十分小さく
なると、周波数誤差検出回路19の周波数誤差検出出力
が変化する。これにより周波数誤差検出回路19から
は、ループ切換え信号が出力されるとともにAFCホー
ルド信号が出力される。この信号は実質的に同一であ
る。ループ切換え信号は、PLLにおけるループフィル
タ14を動作状態に切換える。これによりPLL動作が
開始され、またAFCループにおける誤差情報は、AF
C状態が最良の状態でホールドされる。PLL動作は、
キャリア同期となるように引き込み動作を開始する。次
に、先の周波数変換器23における周波数逓倍回路につ
いて説明する。 【0023】周波数逓倍回路は、位相検波器26、この
検波出力を増幅する増幅器27、この増幅器27の出力
が周波数制御端子に供給される電圧制御発振器28、こ
の電圧制御発振器28の出力をN分周する分周器29か
らなる。分周器29の出力は位相検波器26に供給され
ている。この回路はPLLを構成している。例えばD/
A変換器25の出力が4.375MHzであり、分周器
29の分周比が32であれば、電圧制御発振器28の発
振周波数は140MHzとなる。なお周波数誤差がない
状態で数値制御発振器22の発振周波数を4.275M
Hzとするには、予め数値制御発振器22の周波数制御
入力にこの発振周波数に相当するオフセット分を加えて
おけばよい。 【0024】この結果、数値制御発振器22から電圧制
御発振器28までを1つの140MHz数値制御発振器
と見なすことができる。故に、この発振周波数は極めて
安定であり通常の電圧制御発振器の数10倍の安定度を
得ることができる。なお、周波数逓倍回路に含まれてい
る増幅器27は通常はループフィルタであるが、この場
合にはなるべく周波数逓倍回路の応答を高速にしたほう
がAFCループ全体の設計が容易になる利点がある。故
に、ここでは敢えてループフィルタとせず、単に増幅器
として示してある(周波数逓倍回路の応答が低速である
と、この時定数がAFCループフィルタの時定数の総合
特性で決定される)。電圧制御発振器28の出力は、図
5における固定周波数の発振器5と同様に0度と90度
の分配器4に入力されて、それぞれ同相検波及び直交検
波の局発とされる。 【0025】固定周波数の局発を用いている従来の復調
器と異なり、この実施例での局発は周波数誤差出力でフ
ィードバック制御されているために、ほとんど周波数離
調のない状態で直交同期検波される。故にデジタル低域
通過フィルタでスペクトル整形されるときにスペクトル
が削りとられることもなく、ほぼ理想的な状態で復調可
能である。 【0026】また、前述のようにキャリア再生PLL内
部には大きな遅延素子を含まないので、ジッタ特性の良
好なキャリア再生動作が可能である。またPLLの周波
数引き込み範囲も広くとれるのでAFC動作に非常に厳
密な特性は要求されない。即ち、このPLL回路のプル
インレンジ内の周波数誤差が残留してもキャリア再生動
作は可能である。 【0027】図2は、AFCループ用の数値制御発振器
22の具体例である。この数値制御発振器22は、PL
Lにおける数値制御発振器15と内容は同じである。周
波数制御端子200に入力された信号は、加算器201
の一方の入力に供給され、他方の入力には加算器201
の出力がラッチ回路202で1クロック分遅延されて入
力される。この結果、ラッチ回路202の出力は、同図
中に示すようにアキュムレータとして動作し鋸状波を出
力する。この発振周波数はクロックが固定周波数であれ
ば制御端子200に加えられる数値により制御すること
ができる。 【0028】図3は、上記実施例における周波数誤差検
出回路19の構成例である。入力端子300には位相誤
差信号が入力されているものとする。デジタル変調波の
シンボルタイミングをクロックとするラッチ回路301
及び減算器302から構成される回路はデジタル変調波
の各シンボル間の位相変化を検出する。このことは周波
数誤差を求めていることに他ならない。故にこの出力
は、周波数誤差検出出力としても出力端子303へ出力
される。また周波数誤差検出出力は、低域通過フィルタ
304へも分岐され、ここで十分平滑化された後、正負
の符号を除去する絶対値回路305を経て2値化回路3
06で2値化される。この2値化出力はAFC又はPL
Lのどちらの動作を行うべきかを制御する信号(先のA
FCホールド及びループ切換え信号)として出力され
る。 【0029】上記の実施例において数値制御発振器22
の出力として周波数が制御される直交検波用の局発手段
として、サイン波に変換するデータ変換器24を用い、
このデータ変換器24の出力をD/A変換器25に供給
し、さらにそのアナログ変換出力を周波数逓倍回路に供
給する構成を示した。しかしこの局発手段としては、他
の周波数変換回路を用いても実現可能である。図4
(A)は、ミキサを用いた周波数変換回路の他の実施例
である。 【0030】図1の回路と共通する部分には、同一符号
を付している。即ち、数値制御発振器22の出力は、サ
イン変換特性を有するデータ変換器24においてサイン
波とされ、D/A変換器25でアナログ正弦波とされ
る。この出力は、ミキサ回路401のRF入力端子へ供
給される。ミキサ回路401の局発入力には固定周波数
の発振器402の出力が供給される。局部発振器402
の発振周波数は、サイン波の周波数が4MHzであれば
140MHzの変換出力を得るために144MHzまた
は136MHzの周波数とされる。変換出力は、帯域通
過フィルタ(BPF)で局発リーク成分及びイメージ成
分が除去されて分配器4へ供給される。 【0031】周波数逓倍回路による周波数変換方式に比
べてこのミキサを用いた方式は、数値制御発振器22の
出力の周波数変化と帯域通過フィルタ403の出力の周
波数変化が全くおなじであり、周波数逓倍動作に生じる
位相ジッタの増大が生じない特徴がある。同図(B)は
直交変調器を用いた周波数変換器の他の実施例である。 【0032】数値制御発振器22の出力は、サイン変換
特性のデータ変換器24でサイン波とされ、D/A変換
器25でアナログサイン波とされる。この出力は、ミキ
サ501のRF入力端子へ供給される。さらに数値制御
発振器22の出力は、コサイン変換特性のデータ変換器
501に供給され、D/A変換器502でアナログコサ
イン波とされる。この出力は、ミキサ504のRF入力
端子へ供給される。 【0033】506は、固定周波数の局部発振器であ
り、その発振出力は分配器505で0度位相と90度位
相の出力に分配される。そして0度位相の発振出力は、
ミキサ504に供給され、90度位相の発振出力はミキ
サ503に供給される。各ミキサ503、504の出力
は、合成器507で合成され、帯域通過フィルタ(BP
F)508を介して分配器4へ供給される。この回路に
おいては、2つのミキサ503、504の出力に現れる
それぞれのイメージ成分が合成時にキャンセルされるた
めに帯域通過フィルタの特性が比較的緩やかであっても
よいという特徴がある。 【0034】さらにこの発明の実施例は、AFC動作と
PLL動作の切換えを行う場合、ラッチ回路21及びP
LLループフィルタ14を制御することにより実現する
のであるが、周波数誤差検出回路19において周波数誤
差が十分小さくなったという制御信号が現れたときに実
行されている。しかしこれに限らず、他の実施例も可能
である。 【0035】図6は、AFC動作、PLL動作切換え手
段の他の実施例である。位相検波器12からの出力位相
誤差信号は、周波数誤差検出回路19に供給される。こ
の周波数誤差検出回路19の動作は、前述した通りであ
り、周波数誤差が十分小さくなったときにその制御信号
を出力する。また、位相検波器12の出力は、PLL側
のループフィルタ14に供給されるまえに、スイッチ6
01を介して供給されるようになっている。また周波数
誤差検出回路19で得られた周波数誤差検出信号は、A
FCループフィルタ20に供給されるまえに、スイッチ
602を介して供給されるようになっている。そしてこ
のスイッチ601、602は、周波数誤差検出回路19
からの制御信号によりいずれか一方がオンのときは他方
がオフとなるように制御される。 【0036】この構成によっても、位相検波器12の出
力の周波数誤差が大きいときは、スイッチ602をオン
してAFC動作が実行され、周波数誤差が十分小さくな
ったときはPLL動作が実行されるようにループ切換え
を実現することができる。 【0037】上記のようにデジタル変調波の復調におい
て、伝送系に周波数離調が存在するときでもデジタル低
域通過フィルタの周波数ずれによるアイ開口率の劣化が
ほとんど生じず、復調器の固定化によるデータ伝送誤り
のない復調が可能になる。またPLL内部にデジタルP
LLが含まれていないためにループ内遅延の影響による
位相ジッタを生じることもなく、極めて良好なデジタル
変調波の復調が可能となる。 【0038】 【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
衛星等の周波数離調または安価な受信機の周波数変換器
における周波数離調が存在するときでも、受信機性能の
劣化が生じることはない。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例を示す構成説明図。 【図2】図1の数値制御発振器と周波数誤差検出回路の
具体的構成例を示す回路図。 【図3】図1におけるループ切換え手段の他の実施例を
示す図。 【図4】同じく図1におけるループ切換え手段の他の実
施例を示す図。 【図5】従来のデジタル変調波の復調器を示す図。 【図6】従来回路から考えられるデジタル変調波の復調
器を示す図。 【符号の説明】 2…同相検波器、3…直交検波器、4…分配器、6、7
…A/D変換器、8、9…デジタル低域通過フィルタ、
10…クロック再生回路、11…複素乗算器、12…位
相検波器、13…データ判定回路、14…PLLループ
フィルタ、15…数値制御発振器、16、17…データ
変換器、19…周波数誤差検出回路、20…AFCルー
プフィルタ、21…ラッチ回路、22…数値制御発振
器、24…データ変換器…データ変換器、26〜29…
周波数逓倍回路。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−177746(JP,A) 特開 平2−32648(JP,A) 特開 平2−279048(JP,A) 特開 平2−149155(JP,A) 八木敏晴、谷本義夫、大谷進、吉沢康 則、大庭英雄、河野公彦,“衛星通信用 ディジタル復調LSIの開発”,1990年 電子情報通信学会秋季全国大会講演論文 集,1990年9月15日,分冊2,p.2− 174 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04L 27/00 - 27/38

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 変調波入力に対して局部発振器からの局
    部発振周波数信号を乗算することにより検波出力を得る
    手段と、 この手段の検波出力をデジタル変換する手段と、 この手段の出力が供給されスペクトル整形を行うデジタ
    ル低域通過フィルタと、 この低域通過フィルタ出力に再生キャリアを乗算して複
    素乗算を施し、この乗算出力に位相検波を施して位相情
    報を得、この位相情報から多相の復調出力を得る手段
    と、 記位相情報が入力され、前記変調波入力の周波数と前
    記局部発振器からの局部発振周波数信号の局部発振周波
    数との所定の関係の周波数誤差を検出するとともに周波
    数誤差が所定誤差より大きいか小さいかを示す制御信号
    を得、前記周波数誤差出力を平滑化した平滑出力により
    前記局部発振器の発振周波数を制御し、さらに、前記周
    波数誤差が十分に小さくなったときには前記局部発振器
    の制御状態を固定に保持する周波数制御ループ手段と、 前記位相情報を平滑して数値制御発振器に供給し、前記
    再生キャリアを得るとともに、前記制御信号により動作
    がオンオフ制御され、前記周波数誤差が十分に小さいと
    きにのみ動作する位相ロックループ手段とを備え、 前記周波数制御ループ手段は、 前記周波数誤差の平滑出力により発振周波数が制御され
    る数値制御発振器と、 この数値制御発振器の発振出力をサイン変換特性により
    データ変換する第1のデータ変換器、コサイン変換特性
    によりデータ変換する第2のデータ変換器と、 前記第1、第2のデータ変換器の出力をそれぞれアナロ
    グ変換する第1、第2のD/A変換器とを備え、 前記局部発振器は、 前記第1、第2のD/A変換器の出力と固定周波数発振
    器の位相の異なる発振出力とをそれぞれ乗算する第1、
    第2の乗算器と、 前記第1、第2の乗算器の出力を合成する合成器と、 この合成器の出力が供給される帯域通過フィルタとを備
    えたことを特徴とするデジタル変調波の復調装置。
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八木敏晴、谷本義夫、大谷進、吉沢康則、大庭英雄、河野公彦,"衛星通信用ディジタル復調LSIの開発",1990年電子情報通信学会秋季全国大会講演論文集,1990年9月15日,分冊2,p.2−174

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