JPH0611726A - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶素子及びその製造方法

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JPH0611726A
JPH0611726A JP19344592A JP19344592A JPH0611726A JP H0611726 A JPH0611726 A JP H0611726A JP 19344592 A JP19344592 A JP 19344592A JP 19344592 A JP19344592 A JP 19344592A JP H0611726 A JPH0611726 A JP H0611726A
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liquid crystal
substrate
polymer
crystal layer
layer
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Akihiko Kanemoto
明彦 金本
Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、液晶素子の製造における不
純物混入の問題と照射光による液晶の劣化の問題を解決
すること、さらにポリマー分散型ならびにポリマーネッ
トワーク型とよばれている液晶素子の特性をさらに向上
させることにある。 【構成】 液晶駆動用電極を設けた二枚の基板間に液晶
層を挟持して構成され、かつ該液晶層の光散乱性を前記
電極に印加した電界により制御して光変調を行う液晶素
子において、前記液晶層が該二枚の基板上にそれぞれ異
なった製造法で形成された液晶層を貼合わせて構成され
たものであることを特徴とする液晶素子及びその製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、光散乱型液晶素子に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】従来最も一般的な液晶表示モードは、TN
(twisted nematic)モードやSTN(su
per twisted nematic)モードである
が、これらのモードでは電気光学特性における急峻性の
不十分さや、二枚の偏光子を用いなければならないとい
うことのために、表示が暗くなってしまう。液晶に二色
性色素を添加してゲスト−ホスト(GH)型として構成
する場合は、偏光子は一枚でも表示することが可能とな
るためにある程度明るくはなるが、この場合コントラス
トは著しく低下してしまう。カラー表示を行なう場合に
は、大きなコントラストを必要とするため、TNまたは
STNモードのGH型を採用するのは不可能である。D
AP型(またはVAN型)、ECB型も含め、これら複
屈折モードを用いてカラー液晶表示素子を構成するため
には、上述の理由により照明を非常に明るくする必要が
ある。液晶素子そのものは、非常に消費電力の小さなも
のであるが、明るい照明手段を備えることによって、そ
の特筆すべき特長は著しく損なわれてしまう。また、液
晶素子は本来薄い平面型の構成となっているのに、この
ような照明手段を備えることによって、せっかくの薄型
構造が損なわれてしまう。モノクロ表示を行う場合で
も、表示の暗さのために表示品質は充分なものとはいえ
ない。各画素毎にTFTやMIMなどの素子を設けた、
いわゆるアクティブマトリクス型の構成では、TNモー
ドでの電気光学特性における急峻性の不十分さをカバー
することができるために、アクティブマトリクスを用い
ない上述の単純マトリクス型液晶素子よりもかなり明る
い表示が可能となるが、やはり二枚の偏光子を用いるこ
とによって、照明手段を用いずに充分な明るさを得るこ
とは不可能である。さらに、全画素に欠陥なくこれらの
MIMあるいはTFT素子を設けることは非常に困難で
あり、歩留低下の原因となっていた。また、偏光子は高
価なものであるために、二枚の偏光子を用いるというこ
とはコスト上かなり不利となる。偏光子(偏光板)を液
晶素子に貼りあわせる工程も容易なものではなく、気泡
の巻き込みやシワの発生が無いように貼りあわせるのは
困難である。このための歩留低下も無視し得ない。更
に、一般の偏光板は延伸したポリビニルアルコール(P
VA)にヨウ素を含ませるか、ヨウ素を含んだPVAを
延伸するなどして作られているために、耐熱性、耐湿性
の点で劣っており、現在の液晶素子の信頼性は偏光板に
よって決定されているほどである。一方、近年、ポリマ
ーのマトリクス中に液晶の小さな球を分散させたポリマ
ー分散型液晶の提案がなされ(ファーガソン:特表昭5
8−501631)、液晶層の厚さの影響を受けにく
い、大面積化が可能、偏光板が不要等の特長を持つこと
から注目されている。また、DICの特開平1−198
725には、光硬化型樹脂が形成する三次元網目構造中
に液晶を分散させたポリマーネットワーク型液晶を表示
素子の液晶層に用いることにより、ポリマー分散型液晶
と同様の特長のほかに、低電圧駆動、優れた急峻性など
の利点が得られることが示されている。上記、ポリマー
分散型液晶、またはポリマーネットワーク型液晶を作製
する方法はいくつか知られているが、以下の二つの方法
が実用性や生産性の点で優れている。 a.キャスト法 液晶とポリマーを溶媒に溶解するか、分散した溶液を基
板上に塗布し、溶媒を蒸発させて、ポリマーと液晶の分
散膜を得る(梶山:EID89−103)。ファーガソ
ン(特表昭58−501631)の方法もキャスティン
グ法の一種と考えられるが、材料系が、水−PVA−液
晶にほぼ限定されているので、除外して考える。 b.光硬化法 液晶、プレポリマー、およびプレポリマーを重合させる
ための、光官能型重合開始剤を相互に溶解させるか、分
散させて得た溶液を基板に塗布し、重合開始剤を励起で
きる波長域の光を照射して液晶とポリマーの分散膜を得
る。DICの特開平1−198725は、光重合型樹脂
として紫外硬化型を用いた場合の例である。aの方法に
おいては、液晶、ポリマー、および溶媒を混合するため
に、液晶に液晶以外の不純物が混入し、液晶の特性を劣
化させる可能性がある。bの場合には溶媒を用いる必要
はないにしても、低分子量のオリゴマーやモノマーなど
を含んでいるプレポリマーと重合開始剤が液晶と混合さ
れ、しかも高強度の光を照射するために、光分解によっ
て生じた不純物が液晶に混入する危険性は更に大きい。
また、液晶そのものが光によって分解する可能性も充分
に考えられる。特に、現在入手できる光重合開始剤のほ
とんどは紫外光を吸収して反応するものがほとんどであ
るため、紫外光を照射する必要が有り、液晶組成物の一
部が光分解することを完全に防ぐことはできない。
【0003】
【目的】本発明の目的は、前記液晶素子の製造における
不純物混入の問題と照射光による液晶の劣化の問題を解
決すること、さらにポリマー分散型ならびにポリマーネ
ットワーク型とよばれている液晶素子の特性をさらに向
上させることにある。
【0004】
【構成】本発明の液晶素子は、液晶駆動用電極を設けた
二枚の基板間に液晶層を挟持し、該二枚の基板の内側に
設けた構造が、該液晶層に光散乱性の配向状態をとら
せ、該電極に印加した電界により該液晶層の光散乱性を
制御して光変調を行う液晶素子において、該二枚の基板
のそれぞれに、異なった方法によって該構造を設けた
後、該二枚の基板を、該構造が向き合うように配置した
構成となっている。この構成例のひとつを図1に示し
た。電極3付きの上基板1と下基板2には、それぞれ異
なった方法によって光散乱性の構造4と5が設けられて
いる。光散乱性の構造4と5は、液晶と液晶の配向方向
が適当に乱雑となるような手段とからなっており、基板
上に凹凸を設けることによっても液晶の配向を乱すこと
は可能であるが、光散乱性の効率を上げるためと、作製
の簡便性から考えて、液晶とポリマーの分散構造とする
のが最も良い。光散乱層4と5の厚さは、電極3に印加
された電圧に対して、4と5に含まれている液晶分子が
充分に応答できる程度に薄い必要があるが、薄すぎる場
合には光散乱性が低下してしまうために、1〜20ミク
ロン、更に好ましくは2〜10ミクロンの範囲が良い。
【0005】本発明のもう一つの構成では、異なった方
法によって作られた二つの光散乱性の構造の間に、更に
液晶層あるいはギャップ材、例えば、プラスチックビー
ズ、ガラスビーズ、マイラーフィルム、フォトレジスト
等を含む液晶層を配置した構成となっている。この構成
例の一つを図2に示した。電極8および、光散乱層9と
10を備えた基板6と7の間に、さらに液晶層11が配
置されている。液晶層11を構成する液晶は、それに接
して配置されている光散乱層9と10の液晶の乱雑さの
ためにやはり乱雑な配向となり、光散乱性となる。この
構成では、図1の構成に比較して液晶層11が自由な状
態となっているために、小さな電界に対しても液晶は応
答できる。液晶層11を設けるには、基板6と7に光散
乱層9と10を設けた後、一般の液晶セルを作るよう
に、一定の間隔を保って基板6と7を貼りあわせ、液晶
を封入する。図2の構成では液晶を含む層が全部で三層
であるために、光散乱層9,10および液晶層11のそ
れぞれの厚さは、図1の場合よりも少し薄いほうが良
く、1〜15ミクロン、更に好ましくは2〜7ミクロン
が良い。
【0006】本発明の構成の液晶素子においては、一対
の基板の各々の上に形成された光散乱性層が、それぞれ
異なった製法で製膜されるために、これらを貼りあわせ
て作った液晶素子全体としての特性には、単独の光散乱
性層からなる素子に比較してはるかに多様性が期待でき
る。更に液晶層を設け、光散乱層が三層の構成でも同様
のことがいえ、かつ駆動電圧を下げることが可能であ
る。
【0007】本発明に記載の液晶素子の作製方法では、
一対の基板上に形成したポリマーと液晶の分散膜のうち
一方、または両方から、該ポリマーを溶解しにくい溶剤
で洗浄することによって該液晶を抽出、乾燥した後、別
途用意した液晶組成物を改めて含浸させて光散乱層を作
製するので、分散膜を作る工程で液晶に不純物が混入し
たり、液晶が分解したとしても、実際に動作させるのは
新たに含浸させた液晶であるために、特性の劣化の心配
がない。液晶を溶解し、かつポリマーを溶解しないよう
な溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパ
ノールなどのアルコール類や、フロン類、ジエチルエー
テルなどのエーテル類、アセトンなどのケトン類などが
あげられる。上に例示した溶媒であれば、比較的沸点が
低いので乾燥させるのも容易である。
【0008】さらに本発明に記載の液晶素子の作製方法
では、一対の基板上にポリマーと液晶の分散膜を製膜す
る工程で、該液晶のかわりに、該ポリマーと相溶性の悪
い溶媒を用いてこの溶媒とポリマーの分散膜を製膜した
後に、該溶媒を溶解しやすい溶媒を用いて抽出、乾燥
し、別途用意した液晶組成物を改めて含浸させて分散膜
とするので、光(紫外線)照射によって液晶が分解する
ことを防ぐことができる。この方法でも、一対の基板の
両方に対して溶媒とポリマーの分散膜を作る必要はな
く、光硬化型樹脂を用いて分散膜を作る基板側に適応す
るのが好ましい。ポリマーと相溶性の悪い溶媒として
は、極性のあまり強くないものであればほとんどの溶媒
があてはまる。液晶を用いたときと同じような条件で分
散膜を作製するためには、沸点が充分に高くて室温にお
ける蒸気圧が充分低く、さらに粘度が20〜100cp
程度のものを使用するのが好ましい。
【0009】キャスト法で液晶とポリマーの分散膜を作
製する場合に用いることのできるポリマー材料として
は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのアク
リル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリビ
ニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルサルフ
ォン、シロキサン系樹脂などが、各種の溶媒に溶けやす
いために好ましいが、エポキシ樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、およびこれ
らの共重合体なども溶媒系を吟味することによって使用
可能である。液晶材料としては、一般のビフェニル系、
ターフェニル系、フェニルピリミジン系、フェニルシク
ロヘキサン系、フェニルエステル系などや、これらの混
合物からなる液晶組成物を例示することができる。液晶
とポリマーの共通溶媒としては、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン(THF)などのエーテル類、アセト
ンなどのケトン類、トルエン、クロロベンゼンなどの芳
香族系溶媒、γ−ブチロラクトン、トリクロロエタン、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリドン、セロソルブ系、カルビトー
ル系、等が例示できる。基板に塗布するポリマー、液
晶、溶媒からなる溶液の組成比は、作った分散膜におけ
るポリマーと液晶の組成比、分散膜の厚さ、および溶媒
に対する両成分の溶解度によってかわるが、ポリマーと
液晶の濃度の合計が概ね5%(%は全て重量%とする)
以下では分散膜の厚さが薄すぎて、充分な光散乱性が得
られない。また、高濃度すぎる場合はこの逆に、膜厚が
厚すぎて液晶に印加される電界強度が小さくなって、液
晶が充分な応答を示さなくなる。ポリマーと液晶の組成
比は10:90〜60:40の範囲が好ましい。ポリマ
ーが約10%以下では、安定な分散構造が得られにくい
のと液晶がバルクの状態とあまり変わらなくなってしま
い、分散膜の特徴である光散乱性や高速応答性が失われ
てしまう。一方、ポリマーが60%以上になってしまう
と、分散膜における液晶の体積比が小さくなりすぎて、
電圧印加時の光透過性(光散乱性)の変化が小さくなっ
てしまう。液晶、ポリマー、溶媒からなる溶液を基板に
塗布する方法としては、スピン塗布、バーコーターによ
る塗布、ディッピング法、ブレード塗布などがある。本
発明で使用できる光硬化型樹脂としては、不飽和ポリエ
ステル/スチレン系、ポリエン/チオール系、エポキシ
/ルイス酸系、アクリレート系、などがあげられる。重
合速度や粘度を調節する必要のある場合は、異なった材
料を混合するか、モノマーや重合度の異なったオリゴマ
ーを添加すればよい。光重合開始剤として用いることの
できる化合物としては、アセトフェノン、ベンゾフェノ
ン、ベンジル、ベンゾイン、チオキサントン、などやこ
れらの誘導体、およびテトラメチルチウラムモノサルフ
ァイド(TMS)などがある。重合開始剤の濃度は、ポ
リマーに対して0.3〜3.0%、更に好ましくは0.
5〜2.0%が良い。これよりも、濃度が低い場合は充
分な重合反応が起こらず、濃度が高すぎる場合は重合開
始剤の光分解によって生じる不純物の悪影響が大きくな
ってしまう。光硬化型樹脂を用いて液晶とポリマーの分
散膜を作製する場合の液晶材料としては、キャスティン
グ法の場合と全く同様のものが例示できる。光照射強度
は、用いる重合開始剤の光吸収波長やその濃度、および
照射装置に依存するが、一般の紫外線照射装置を用いる
場合であれば、概ね5mJ/cm2以上、好ましくは1
0mJ/cm2以上の装置を用いるのが良い。これより
も弱い場合には、長時間の照射を必要とするために非効
率的である。照射強度が大きい場合には、それだけ照射
時間を短くすれば良いのだが、重合速度が速すぎる場合
は分散構造形や大きさの制御が困難になるので、照射強
度を適宜調節する必要はある。ポリマーと液晶の分散膜
において、液晶が液滴状となってポリマー中に分散する
か、スポンジ状、または三次元網目状のポリマー構造の
間隙に液晶が含まれるように分散するかは、膜の製法に
もよるが、ポリマーと液晶の組み合わせや、液晶の組成
比にも依存する。一般に、同じ方法、材料で成膜する場
合には、液晶の組成比が小さい場合に前者の構造、液晶
の組成比が大きい場合に後者の構造になりやすい傾向が
あり、中間的な場合にはその両方の構造が膜の中に形成
されることがある。
【0010】
【実施例】
実施例1 トルエンにPMMAを加え、加熱、撹拌して濃度が15
%の溶液を作った。これに、トルエンとBDH社製の液
晶E7を加え、E7とPMMAの比が3:1となるよう
に調整した。この溶液をITO付きのガラス基板にバー
コーターで塗布し、室温で放置したところ、光散乱性の
薄膜(ポリマーと液晶の分散膜)が得られた。分散膜の
厚さは、約4ミクロンであった。次に、日本化薬社製ア
クリル系プレポリマーHX620に、E.Merck社
製の光重合開始剤Darocur1173を約1%添加
し、BDH社製の液晶E7と混合した。液晶とポリマー
の割合は3:1とした。これをITO付きガラス基板上
にバーコーターで塗布し、ガラス容器に入れて容器内を
窒素置換した。この状態で照射強度が30mJ/cm2
の紫外線照射装置で、15秒間照射したところ、光散乱
性の分散膜が得られた。この膜厚は、約2ミクロンであ
った。上述の二枚の基板を、分散膜が接するむきに貼り
あわせ、接着剤にて固定し、液晶素子とした。この素子
は、各々一枚ずつの基板をITO付きガラス基板と貼り
あわせて液晶素子としたときよりも、大きな光散乱性を
有していた。
【0011】実施例2 実施例1に記載の方法と同様にして、上下基板12,1
3(図3)上に、膜厚がそれぞれ約2ミクロンの分散膜
14,15を設けた。図3では、上下基板上の電極は省
略した。分散膜付き基板13の上に、粒径が5.0ミク
ロンのセキスイ社製プラスチックビーズ17を散布し、
間隙を保って二枚の基板を貼りあわせた。この間隙にE
7を封入し、図3に示したような液晶素子とした。セル
を65℃にまで加熱し、透明な状態での透過スペクトル
を測定し、干渉波形から図3の14,15,16の総厚
を計算したところ、約6.5ミクロンであった。計算に
用いた屈折率は、E7のne=1.75、no=1.5
2の平均=(1.75+1.52×2)/3=1.60
とPMMAの屈折率1.49の重み付き平均値=(1.
60×3+1.49)/4=1.57を用いたが、これ
は室温での値なので、65℃での値はこれよりも小さ
く、従ってセル厚は6.5ミクロンよりも少し大きいは
ずである。これから液晶層11のみの厚さを見積もると
約2.5ミクロンである。この素子の電気光学特性にお
ける閾電圧は、従来の光硬化樹脂を用いた方法のみで作
製した同じセル厚の閾電圧よりも、平均で約2ボルト低
かった。
【0012】実施例3 日本化薬社製アクリル系プレポリマーHX620に、
E.Merck社製の光重合開始剤Darocur11
73を約1%添加し、BDH社製の液晶BL007と混
合した。液晶とポリマーの割合は3:1とした。これを
ITO付きガラス基板上にバーコーターで塗布し、ガラ
ス容器に入れて容器内を窒素置換した。この状態で照射
強度が30mJ/cm2の紫外線照射装置で、30秒間
照射したところ、光散乱性の分散膜が得られた。この膜
厚は、約3ミクロンであった。次に、メタノールで液晶
を洗い流し、さらにフレオン中に一夜浸漬してから真空
乾燥し、新たにBL007を滴下して分散膜とした。も
う一方の基板に、液晶BL007とポリマーPMMAを
用い、実施例1に記載のキャスト法と同様にして分散膜
を作製した。この基板と、本実施例記載の光硬化法で分
散膜を設けた基板とを貼りあわせて接着剤で固定し、液
晶素子とした。この液晶素子の上下基板間の抵抗値を測
定したところ、BL007を入れ替えないこと以外は全
く同様に作製した素子に比較して約20%大きな抵抗値
を示した。
【0013】実施例4 日本化薬社製アクリル系プレポリマーHX620に、
E.Merck社製の光重合開始剤Darocur11
73を約1%添加し、全体の濃度が25%になるようプ
ロピレングリコールに溶解した。これをITO付きガラ
ス基板上にバーコーターで塗布し、ガラス容器に入れて
容器内を窒素置換した。この状態で照射強度が30mJ
/cm2の紫外線照射装置で、30秒間照射したとこ
ろ、光散乱性の分散膜が得られた。この膜厚は、約3ミ
クロンであった。次に、エタノールでプロピレングリコ
ールを洗い流した後、さらにフレオン中に一夜浸漬して
から真空乾燥した。これに液晶BL007を滴下して分
散膜とした。もう一方の基板に、液晶BL007とポリ
マーPMMAを用い、実施例1に記載のキャスト法と同
様にして分散膜を作製した。この基板と、本実施例記載
の光硬化法で分散膜を設けた基板とを貼りあわせて接着
剤で固定し、液晶素子とした。この液晶素子の上下基板
間の抵抗値を測定したところ、光硬化法で分散膜を設け
る基板側を始めからBL007を用いて作製した液晶素
子に比較して、約15%大きな抵抗値を示した。
【0014】
【効果】
(1)本発明の液晶素子は、液晶層を構成する光散乱性
層が、それぞれ異なった製法で形成されるため、単独の
光散乱性層からなる素子に比較して多様性が期待でき、
駆動電圧を低下させることも可能である。 (2)本発明の液晶素子の製法によると、不純物混入の
問題と照射光による液晶の劣化の問題が解決される。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶層が異なる製造方法で作製された光散乱性
液晶層を貼合わせて構成された本発明の液晶素子を示す
図である。
【図2】図1の両液晶層を、その間にさらに液晶層と配
置して貼合わせて構成された本発明の液晶素子を示す図
である。
【図3】図1の両液晶層を、その間にさらに液晶層とプ
ラスチックビーズを配置して貼合わせて構成された本発
明の液晶素子を示す図である。
【符号の説明】
1 上基板 2 下基板 3 電極 4 光散乱層 5 光散乱層 6 基板 7 基板 8 電極 9 光散乱層 10 光散乱層 11 液晶層 12 上基板 13 下基板 14 光散乱層 15 光散乱層 16 液晶層 17 プラスチックビーズ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶駆動用電極を設けた二枚の基板間に
    液晶層を挟持して構成され、かつ該液晶層の光散乱性を
    前記電極に印加した電界により制御して光変調を行う液
    晶素子において、前記液晶層が該二枚の基板上にそれぞ
    れ異なった製造法で形成された液晶層を貼合わせて構成
    されたものであることを特徴とする液晶素子。
  2. 【請求項2】 液晶層が、前記各基板付き液晶層をその
    間に更に液晶層あるいはギャップ材を含む液晶層を配置
    して、貼合わせて形成されたものである請求項1記載の
    液晶素子。
  3. 【請求項3】 前記液晶層の少なくとも一部が、液晶が
    ポリマーにより形成された網状構造に取り囲まれること
    により、またはポリマーのマトリックス中に粒子状の液
    晶を分散させることにより、あるいはこれら両方の構造
    を形成することによって製造されたものである請求項1
    または2記載の液晶素子。
  4. 【請求項4】 液晶駆動用電極を設けた一対の基板の一
    方に、ポリマー、液晶および溶媒からなる溶液または分
    散液を塗布し、乾燥あるいは洗浄により溶媒を除去する
    ことによりポリマーと液晶とからなる液晶層付き基板を
    形成し、またもう一方の基板に光硬化型樹脂と液晶の溶
    液または分散液を塗布後、該樹脂に光照射して硬化させ
    ることによりポリマーと液晶とからなる液晶層付き基板
    を形成し、次に前記両液晶層付き基板を、場合によりこ
    れら両者間にさらに液晶層あるいはギャップ材を含む液
    晶層を配置して、貼合わせることよりなる請求項1,2
    または3記載の液晶素子の製造法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の液晶素子の製造法におい
    て、光硬化型樹脂と液晶の溶液または分散液を使用して
    液晶層付き基板を製造する工程を、液晶の代りにポリマ
    ーと相溶性の悪い溶媒を用いて基板上に分散層を形成
    し、該樹脂に光照射して硬化後、該分散層より前記溶媒
    のみを該溶媒を溶解しやすい溶媒を用いて抽出、乾燥
    し、別途液晶を改めて含浸することよりなる工程で行う
    ことを特徴とする液晶素子の製造法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512141A (ja) * 2001-12-13 2005-04-28 ソニー インターナショナル (ヨーロッパ) ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 複合材の形成方法

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JP2005512141A (ja) * 2001-12-13 2005-04-28 ソニー インターナショナル (ヨーロッパ) ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 複合材の形成方法

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