JPH0611695A - 液晶素子及びその製造方法 - Google Patents

液晶素子及びその製造方法

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JPH0611695A
JPH0611695A JP19344692A JP19344692A JPH0611695A JP H0611695 A JPH0611695 A JP H0611695A JP 19344692 A JP19344692 A JP 19344692A JP 19344692 A JP19344692 A JP 19344692A JP H0611695 A JPH0611695 A JP H0611695A
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liquid crystal
polymer
layer
substrate
dispersion
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JP19344692A
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Inventor
Akihiko Kanemoto
明彦 金本
Yasuyuki Takiguchi
康之 滝口
Hiroyuki Takahashi
裕幸 高橋
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 液晶素子の製造における不純物混入の問題と
照射光による液晶の劣化の問題、および二色性色素によ
る光硬化反応の阻害の問題を解決したポリマー分散型な
らびにポリマーネットワーク型液晶素子を提供する。 【構成】 液晶駆動用電極を設けた二枚の基板の内の一
方の基板側に、光硬化性樹脂および該樹脂を光硬化した
ポリマーを溶解しにくい溶媒または液晶とからなる組成
物を塗布し、次に該塗布層に光照射してポリマーおよび
前記溶媒または液晶からなる分散層を形成し、形成した
該分散層から溶媒または液晶を除去した後に二色性色素
を含有する液晶を含浸させ、さらに前記のようにして得
られた二色性色素含有分散層付き基板をもう一方の基板
と貼りあわせることよりなる、二枚の基板間に少なくと
も一部が二色性色素を含んだ液晶とポリマーとからなる
分散層を液晶層として挟持して構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光散乱型液晶素子に関
する。
【0002】
【従来技術】従来最も一般的な液晶表示モードは、TN
(twisted nematic)モードやSTN(su
per twisted nematic)モードである
が、これらのモードでは電気光学特性における急峻性の
不十分さや、二枚の偏光子を用いなければならないとい
うことのために、表示が暗くなってしまう。液晶に二色
性色素を添加してゲスト−ホスト(GH)型として構成
する場合は、偏光子は一枚でも表示することが可能とな
るためにある程度明るくはなるが、この場合コントラス
トは著しく低下してしまう。カラー表示を行なう場合に
は、大きなコントラストを必要とするため、TNまたは
STNモードのGH型を採用するのは不可能である。D
AP型(またはVAN型)、ECB型も含め、これら複
屈折モードを用いてカラー液晶表示素子を構成するため
には、上述の理由により照明を非常に明るくする必要が
ある。液晶素子そのものは、非常に消費電力の小さなも
のであるが、明るい照明手段を備えることによって、そ
の特筆すべき特長は著しく損なわれてしまう。また、液
晶素子は本来薄い平面型の構成となっているのに、この
ような照明手段を備えることによって、せっかくの薄型
構造が損なわれてしまう。モノクロ表示を行う場合で
も、表示の暗さのために表示品質は充分なものとはいえ
ない。各画素毎にTFTやMIMなどの素子を設けた、
いわゆるアクティブマトリクス型の構成では、TNモー
ドでの電気光学特性における急峻性の不十分さをカバー
することができるために、アクティブマトリクスを用い
ない上述の単純マトリクス型液晶素子よりもかなり明る
い表示が可能となるが、やはり二枚の偏光子を用いるこ
とによって、照明手段を用いずに充分な明るさを得るこ
とは不可能である。さらに、全画素に欠陥なくこれらの
MIMあるいはTFT素子を設けることは非常に困難で
あり、歩留低下の原因となっていた。また、偏光子は高
価なものであるために、二枚の偏光子を用いるというこ
とはコスト上かなり不利となる。偏光子(偏光板)を液
晶素子に貼りあわせる工程も容易なものではなく、気泡
の巻き込みやシワの発生が無いように貼りあわせるのは
困難である。このための歩留低下も無視し得ない。更
に、一般の偏光板は延伸したポリビニルアルコール(P
VA)にヨウ素を含ませるか、ヨウ素を含んだPVAを
延伸するなどして作られているために、耐熱性、耐湿性
の点で劣っており、現在の液晶素子の信頼性は偏光板に
よって決定されているほどである。一方、近年、ポリマ
ーのマトリクス中に液晶の小さな球を分散させたポリマ
ー分散型液晶の提案がなされ(ファーガソン:特表昭5
8−501631)、液晶層の厚さの影響を受けにく
い、大面積化が可能、偏光板が不要等の特長を持つこと
から注目されている。また、DICの特開平1−198
725には、光硬化型樹脂が形成する三次元網目構造中
に液晶を分散させたポリマーネットワーク型液晶を表示
素子の液晶層に用いることにより、ポリマー分散型液晶
と同様の特長のほかに、低電圧駆動、優れた急峻性など
の利点が得られることが示されている。上記、ポリマー
分散型液晶、またはポリマーネットワーク型液晶を作製
する方法はいくつか知られているが、以下の二つの方法
が実用性や生産性の点で優れている。 a.キャスト法 液晶とポリマーを溶媒に溶解するか、分散した溶液を基
板上に塗布し、溶媒を蒸発させて、ポリマーと液晶の分
散層を得る(梶山:EID89−103)。ファーガソ
ン(特表昭58−501631)の方法もキャスティン
グ法の一種と考えられるが、材料系が、水−PVA−液
晶にほぼ限定されているので、除外して考える。 b.光硬化法 液晶、プレポリマー、およびプレポリマーを重合させる
ための、光官能型重合開始剤を相互に溶解させるか、分
散させて得た溶液を基板に塗布し、重合開始剤を励起で
きる波長域の光を照射して液晶とポリマーの分散層を得
る。DICの特開平1−198725は、光重合型樹脂
として紫外硬化型を用いた場合の例である。aの方法に
おいては、液晶、ポリマー、および溶媒を混合するため
に、液晶に液晶以外の不純物が混入し、液晶の特性を劣
化させる可能性がある。bの場合には溶媒を用いる必要
はないにしても、低分子量のオリゴマーやモノマーなど
を含んでいるプレポリマーと重合開始剤が液晶と混合さ
れ、しかも高強度の光を照射するために、光分解によっ
て生じた不純物が液晶に混入する危険性は更に大きい。
また、液晶そのものが光によって分解する可能性も充分
に考えられる。特に、現在入手できる光重合開始剤のほ
とんどは紫外光を吸収して反応するものがほとんどであ
るため、紫外光を照射する必要が有り、液晶組成物の一
部が光分解することを完全に防ぐことはできない。更
に、二色性色素を添加した材料系の中には、光硬化反応
が色素によって阻害され、分散構造を形成できない場合
もある。
【0003】
【目的】本発明の目的は、前記液晶素子の製造における
不純物混入の問題と照射光による液晶の劣化の問題、お
よび二色性色素による光硬化反応の阻害の問題を解決す
ること、およびポリマー分散型ならびにポリマーネット
ワーク型とよばれている液晶素子の特性をさらに向上さ
せることにある。
【0004】
【構成】本発明の液晶素子の製法の第1は、液晶駆動用
電極を設けた二枚の基板の内の一方の基板側に、光硬化
性樹脂および該樹脂を光硬化したポリマーを溶解しにく
い溶媒または液晶とからなる組成物を塗布し、次に該塗
布層に光照射してポリマーおよび前記溶媒または液晶か
らなる分散層を形成し、形成した該分散層から溶媒また
は液晶を除去した後に二色性色素を含有する液晶を含浸
させ、さらに前記のようにして得られた二色性色素含有
分散層付き基板をもう一方の基板と貼りあわせることよ
りなる。光硬化性樹脂を光硬化したポリマーと相溶性の
悪い溶媒としては、アルコール系などがあげられる。液
晶を用いたときと同じような条件で分散層を作製するた
めには、沸点が充分に高くて室温における蒸気圧が充分
低く、さらに粘度20〜100cp程度のものが好まし
い。光硬化型樹脂としては、不飽和ポリエステル/スチ
レン系、ポリエン/チオール系、エポキシ/ルイス酸
系、アクリレート系、などがあげられる。重合速度や粘
度を調節する必要のある場合は、異なった材料を混合す
るか、モノマーや重合度の異なったオリゴマーを添加す
ればよい。光重合開始剤として用いることのできる化合
物としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンジ
ル、ベンゾイン、チオキサントン、などやこれらの誘導
体、およびテトラメチルチウラムモノサルファイド(T
MS)などがある。重合開始剤の濃度は、ポリマーに対
して0.3〜3.0%、更に好ましくは0.5〜2.0
%が良い。これよりも、濃度が低い場合は充分な重合反
応が起こらず、濃度が高すぎる場合は重合開始剤の光分
解によって生じる不純物の悪影響が大きくなってしま
う。光硬化型樹脂を用いて液晶とポリマーの分散層を作
製する場合の液晶材料としては、キャスティング法の場
合と全く同様のものが例示できる。光照射強度は、用い
る重合開始剤の光吸収波長やその濃度、および照射装置
に依存するが、一般の紫外線照射装置を用いる場合であ
れば、概ね5mJ/cm2以上、好ましくは10mJ/
cm2以上の装置を用いるのが良い。これよりも弱い場
合には、長時間の照射を必要とするために非効率的であ
る。照射強度が大きい場合には、それだけ照射時間を短
くすれば良いのだが、重合速度が速すぎる場合は分散構
造形や大きさの制御が困難になるので、照射強度を適宜
調節する必要はある。最初から液晶を用いて分散層を形
成する場合には、液晶を溶解し、かつポリマーを溶解し
ないような溶媒が必要となる。このような溶媒として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、など
のアルコール類や、フロン類、ジエチルエーテルなどの
エーテル類、アセトンなどのケトン類などがあげられる
が、ポリマーによってはケトン類に侵されるものがある
ので予めテストしてから使用すれば良い。上に例示した
溶媒であれば、比較的沸点が低いので乾燥させるのも容
易である。使用できる二色性色素としては、アゾ系、ア
ントラキノン系、ベンゾキノン系、ナフトキノン系、ポ
リメチン系、およびテトラジン系色素などがある。前記
本発明の第1の液晶素子作製方法の特徴は、液晶に二色
性色素を含んでいる場合にも、光硬化型樹脂を自由に使
用することができる点にある。二色性色素は一般に紫外
領域にも吸収帯を持っているため、光硬化(紫外硬化)
樹脂の硬化反応をじゃまする傾向があり、樹脂系と色素
系の組合せによっては、全く硬化しない場合も生じてく
る。しかし、本発明の手順において、一旦分散層を作る
時点で、二色性色素を添加せずに分散層を形成し、その
後に液晶を含浸するときに液晶に二色性色素を添加して
おけば、光硬化型樹脂を用いても硬化反応が阻害される
ことはない。特にアゾ系二色性色素は、二色比と溶解度
の点で他の二色性色素よりも優れており、生産性や分散
構造の制御という観点から見て優れている光硬化法にお
いて、アゾ系二色性色素の使用を可能にするということ
は大きなメリットである。さらにまた、アゾ系に次ぐ二
色性と溶解度を持つアントラキノン系二色性色素の多く
は、その吸収帯が可視域において長波長側にあるため、
何種類かの二色性色素を組み合わせて黒色の二色性色素
を調整する場合、アゾ系色素を一切用いずに黒色の色調
を出すのは容易ではない。本発明の方法によれば、光硬
化法において作製された液晶素子において黒色二色性色
素を用いる場合でも、このような制約を受けず、黒色の
二色性色素の選択範囲が広くなる。液晶素子を表示素子
として用いる場合、白黒表示が大前提であり、カラー化
するためには白黒表示が必須であることを考慮すると、
この点も大きなメリットである。さらに前記の製造方法
で製造した液晶素子における実際に駆動する液晶組成物
は、一旦形成された分散層から液体成分を除去した後に
含浸させたものであり、最初の分散構造物を形成する際
に使用した溶媒重合開始剤、プレポリマーの成分である
モノマーやオリゴマー等が残存あるいはそれらの光分解
生成物(以下、前記のものを不純物と総称する。)が発
生したとしても、これらのものは前記除去処理によって
除去されるので、得られた液晶素子は前記不純物の影響
を受けることがない。
【0005】本発明の液晶素子の製法の第2は、液晶駆
動用電極を設けた二枚の基板の内の一方の基板側に、ポ
リマー、液晶および溶媒からなる溶液または分散液を基
板上に塗布、乾燥してポリマーと液晶との分散層を形成
し、該分散層から液晶を除去した後に二色性色素を含ん
だ液晶を含浸させ、さらに前記のようにして得られた二
色性色素含有分散層付き基板を、もう一方の基板と貼り
あわせることよりなる。前記キャスト法で液晶とポリマ
ーの分散層を作製する場合に用いることのできるポリマ
ー材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMM
A)などのアクリル系樹脂、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリ
エーテルサルフォン、シロキサン系樹脂などが、各種の
溶媒に溶けやすいために好ましいが、エポキシ樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレ
ン、およびこれらの共重合体なども溶媒系を吟味するこ
とによって使用可能である。液晶材料としては、一般の
ビフェニル系、ターフェニル系、フェニルピリミジン
系、フェニルシクロヘキサン系、フェニルエステル系な
どや、これらの混合物からなる液晶組成物を例示するこ
とができる。液晶とポリマーの共通溶媒としては、ジエ
チルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)などのエ
ーテル類、アセトンなどのケトン類、トルエン、クロロ
ベンゼンなどの芳香族系溶媒、γ−ブチロラクトン、ト
リクロロエタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルホルムアミド、N−メチルピロリドン、セロソルブ
系、カルビトール系、等が例示できる。基板に塗布する
ポリマー、液晶、溶媒からなる溶液の組成比は、作った
分散層におけるポリマーと液晶の組成比、分散層の厚
さ、および溶媒に対する両成分の溶解度によってかわる
が、ポリマーと液晶の濃度の合計が概ね5%(%は全て
重量%とする)以下では分散層の厚さが薄すぎて、充分
な光散乱性が得られない。また、高濃度すぎる場合はこ
の逆に、膜厚が厚すぎて液晶に印加される電界強度が小
さくなって、液晶が充分な応答を示さなくなる。ポリマ
ーと液晶の組成比は10:90〜60:40の範囲が好
ましい。ポリマーが約10%以下では、安定な分散構造
が得られにくく、しかも液晶が分散構造になっていない
状態とあまり変わらなくなってしまい、分散層の特徴で
ある光散乱性や高速応答性が失われてしまう。一方、ポ
リマーが60%以上になってしまうと、分散層における
液晶の体積比が小さくなりすぎて、電圧印加時の光透過
性(光散乱性)の変化が小さくなってしまう。液晶、ポ
リマー、溶媒からなる溶液を基板に塗布する方法として
は、スピン塗布、バーコーターによる塗布、ディッピン
グ法、ブレード塗布などがある。
【0006】分散層4の厚さは、電極3に印加された電
圧に対して、4に含まれている液晶分子が充分に応答で
きる程度に薄い必要があるが、薄すぎる場合には光散乱
性、および二色性色素による吸光量が低下してしまうた
めに、1〜20ミクロン、更に好ましくは2〜10ミク
ロンの範囲が良い。同様に、図2では分散層8と9の総
厚が、図3の構成では分散層13,14と液晶層15の
総厚がこの範囲にあれば良い。次に、図面に基づいて本
発明の液晶素子の構成を具体的に説明する。図1の液晶
素子は、液晶駆動用電極3を設けた二枚の基板1,2の
間に二色性色素を含んだ液晶とポリマーからなる分散層
4を挟持した構成のものであり、該電極3に印加した電
界により分散層4の光散乱性と二色性色素による光吸収
の大きさを制御して光変調を行うものである。図2の液
晶素子は、電極付き基板5または6の一方に、本発明の
液晶素子の製造法の任意の1態様で二色性色素含有分散
層8または9を形成し、他方の基板に本発明の液晶素子
の製造法の任意の別の態様あるいはキャスト法、光ある
いは熱硬化樹脂法等の従来公知の方法で分散層8または
9を形成したものである。このような構成の液晶素子に
おいては、一対の基板の各々の上に形成された各分散層
が、それぞれ異なった製法で作られているために、これ
らを貼りあわせて作った液晶素子全体としての特性に
は、単独の分散層からなる素子に比較してはるかに多様
性が期待できる。図3の液晶素子は、各々の基板10,
11に分散層13,14を設けた後、ある一定の間隙を
保って貼りあわせ、この間隙に更に液晶層15を設け、
液晶層を全部で三層の構造としたものである。この場
合、液晶層15は分散層に接して形成されているため
に、それ自身も光散乱性の配向状態となる。また、液晶
層15の液晶分子は、分散層13,14中の液晶分子よ
りも自由な状態となっているために、電極16に印加さ
れる電圧がより低くても駆動することが可能になる。し
たがって、液晶を含む層13,14,15の総厚が図1
における4の厚さや、図2における8,9の総厚と等し
ければ、この場合の方が液晶素子全体としても、より低
い電圧で駆動できることになる。また、上記液晶層15
の代りに、図4に示すようにギャップ材、例えばプラス
チックビーズ、ガラスビーズ、ガラスロッド等を含む液
晶層を設けてもよい。
【0007】
【実施例】
実施例1 日本化薬社製アクリル系プレポリマーHX620に、
E.Merck社製の光重合開始剤Darocur11
73を約1%添加し、シアノビフェニル系の液晶組成組
Aと混合した。液晶とポリマーの割合は3:1とした。
これをITO付きガラス基板上にバーコーターで塗布
し、窒素雰囲気下で、照射強度が30mJ/cm2の紫
外線照射装置を用い、15秒間照射したところ、光散乱
性の分散層が得られた。分散層の厚さは、約6ミクロン
であった。この分散層からメタノールを用いて液晶を溶
出し、さらにメタノール中に一夜浸漬して取り出し、真
空乾燥した。この薄膜に、BDH社製液晶E7に対して
日本感光色素社製二色性色素G239(アゾ系)を3%
溶解した液晶を滴下し、ポリマーと液晶からなる分散層
とした。これに、もう一枚のITO付きガラス基板を貼
りあわせて液晶素子とした。この液晶素子の電気光学特
性における閾電圧は約2Vと低く、低電圧駆動が可能で
あった。
【0008】比較例1 実施例1において、最初に液晶AとポリマーHX620
の分散層を作製する段階で、Aに同じ色素G239を添
加しておいたところ、紫外線照射しても硬化反応が起き
ず、分散層を形成することができなかった。また、G2
39のかわりに、三井東圧社製のペリレン系二色性色素
M361を同濃度添加して紫外線照射したところ、分散
層は形成できたが、これをもちいて作製した液晶素子は
電圧を印加しても透過率の変化が小さかった。
【0009】実施例2 ジメチルフォルムアミド(DMF)にフッ化ビニリデン
と3フッ化エチレンの共重合体PVTEを加え、加熱、
撹拌して濃度が10%の溶液を作った。これに、DMF
とシアノビフェニル系組成物からなる液晶Aを加え、A
とPVTEの比が3:1となるように調整した。この溶
液を、ITO付きのガラス基板にバーコーターで塗布
し、60℃のオーブンで乾燥し、ポリマーと液晶の分散
層を得た。分散層の厚さは、約5ミクロンであった。こ
の分散層から、エタノールを用いて液晶を溶出し、更に
エタノール中に一夜浸漬してから真空乾燥し、PVTE
からなる薄膜を得た。これに、BDH社製液晶E7に対
して三井東圧社製の黒色二色性色素S344を3%溶解
した液晶を滴下し、ポリマーと液晶からなる分散層とし
た。これに、もう一枚のITO付きガラス基板を貼りあ
わせて液晶素子とした。この液晶素子は良好なコントラ
ストを与え、視野角も広かった。
【0010】比較例2 液晶Aに、二色性色素S344を3%溶解し、実施例2
と同様にPVTEのDMF溶液と混合し、ガラス基板に
塗布、乾燥したところ、色素の一部が析出してしまい、
分散層の色調が赤みを帯びてしまった。もう一枚の基板
と張り合わせて液晶素子としてみたが、白黒の表示には
ならず、表示特性の劣ったものであった。
【0011】実施例3 実施例1に記載の方法で、一方の基板上に二色性色素G
239を含んだ液晶AとポリマーHX620とからなる
分散層を形成した。膜厚は、バーコーターによる塗布量
を調節して約3ミクロンとした。トルエンにPMMAを
20%溶解し、液晶Aに二色性色素G239を3%溶解
した組成物とトルエンを加えて、液晶とポリマーの重量
比が3:1となる溶液を調整した。これをもう一方の基
板上に塗布、乾燥し、PMMAと液晶組成物からなる分
散層を形成した。膜厚はやはり約3ミクロンとした。こ
の基板と、上述の光硬化法で用意した基板を貼りあわせ
て接着剤で固定し、液晶素子とした。この液晶素子の上
下基板間の抵抗値を測定したところ、従来の光硬化法の
みで作った液晶素子に比較して約15%大きな抵抗値を
示した。また、キャスト法のみで作成した素子に比較し
て、閾電圧は約20%低かった。
【0012】実施例4 実施例3において各基板上の膜厚が約2ミクロンとなる
よう調節し、これら二枚の基板を貼りあわせる前に、一
方の基板上に平均粒径が3ミクロンのプラスティックビ
ーズ(セキスイ社製のミクロパール)を散布し、間隙を
保ったまま接着、固定した。図4にその模式図を示し
た。上下基板の間隙には、液晶Aに色素G239を3%
溶解したものを封入し、液晶層22とした。分散層2
0,21および液晶層22の総厚は、約6ミクロンであ
った。この液晶素子の閾電圧は、実施例3の素子よりも
更に平均で約5%低かった。なお図4においては、電極
は省略してある。
【0013】実施例5 日本化薬社製アクリル系プレポリマーHX620に、
E.Merck社製の光重合開始剤Darocur11
73を約1%添加し、全体の濃度が25%になるよう
E.Merck社製の液晶BL007に溶解した。これ
をITO付きガラス基板上にバーコーターで塗布し、窒
素雰囲気下で照射強度が30mJ/cm2の紫外線照射
装置を用い、30秒間照射したところ、ポリマーと液晶
からなる分散層が得られた。この膜厚は、約3ミクロン
であった。もう一方の基板に、液晶BL007とポリマ
ーPMMAを用い、実施例3に記載のキャスト法と同様
にして分散層を作製した。二色性色素の濃度は4%とし
た。この基板と、上述の光硬化法で分散層を設けた基板
とを貼りあわせて接着剤で固定し、液晶素子とした。
【0014】実施例6 アクリル系モノマーとオリゴマーの混合物からなるプレ
ポリマーを用い、実施例1の光硬化法で最初に分散層を
形成する際、液晶Aのかわりにプロピレングリコールを
用いて、一旦プロピレングリコールとポリマーの分散層
を作製し、エタノールを用いてプロピレングリコールを
溶出した。更に、一夜エタノールに浸漬したあとで真空
乾燥して得た薄膜に、BDH社製液晶E7に対して日本
感光色素社製二色性色素G239(アゾ系)を3%溶解
した液晶を滴下し、ポリマーと液晶からなる分散層とし
た。これに、もう一枚のITO付きガラス基板を貼りあ
わせて液晶素子とした。
【0015】
【効果】本発明は、不純物混入の問題と照射光による液
晶の劣化の問題、および二色性色素による光硬化反応の
阻害の問題を解決した液晶素子の製造方法が提供され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】二色性色素を含んだ液晶/ポリマー分散層より
なる液晶層を挟持した本発明の液晶素子を示す図であ
る。
【図2】少なくとも一方の分散層が本発明の液晶層の製
造法で形成されたものであり、かつ双方の分散層が異な
る方法で形成されたものである本発明の液晶素子を示す
図である。
【図3】図2の液晶素子の両分散層の間に液晶層を形成
したものである本発明の液晶素子を示す図である。
【図4】図2の液晶素子の両分散層の間に液晶層とビー
ズを介在させたものである本発明の液晶素子を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 基板 2 基板 3 電極 4 分散層 5 基板 6 基板 8 分散層 9 分散層 10 基板 11 基板 13 分散層 14 分散層 15 液晶層 16 電極 20 分散層 21 分散層 22 液晶層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶駆動用電極を設けた二枚の基板の内
    の一方の基板側に、光硬化性樹脂および該樹脂を光硬化
    したポリマーを溶解しにくい溶媒または液晶とからなる
    組成物を塗布し、次に該塗布層に光照射してポリマーお
    よび前記溶媒または液晶からなる分散層を形成し、形成
    した該分散層から溶媒または液晶を除去した後に二色性
    色素を含有する液晶を含浸させ、さらに前記のようにし
    て得られた二色性色素含有分散層付き基板をもう一方の
    基板と貼りあわせることよりなる、二枚の基板間に少な
    くとも一部が二色性色素を含んだ液晶とポリマーとから
    なる分散層を液晶層として挟持して構成され、かつ電界
    により液晶層の光散乱性と二色性色素による光吸収の大
    きさを制御して光変調を行う液晶素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 液晶駆動用電極を設けた二枚の基板の内
    の一方の基板側に、ポリマー、液晶および溶媒からなる
    溶液または分散液を基板上に塗布、乾燥してポリマーと
    液晶との分散層を形成し、該分散層から液晶を除去した
    後に二色性色素を含んだ液晶を含浸させ、さらに前記の
    ようにして得られた二色性色素含有分散層付き基板を、
    もう一方の基板と貼りあわせることよりなる、二枚の基
    板間に少なくとも一部が二色性色素を含んだ液晶とポリ
    マーとからなる分散層を液晶層として挟持して構成さ
    れ、かつ電界により液晶層の光散乱性と二色性色素によ
    る光吸収の大きさを制御して光変調を行う液晶素子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記もう一方の基板として、液晶とポリ
    マーとからなる分散層で構成される液晶層を有する基板
    を使用する請求項1または2記載の液晶素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の液晶とポリマーとからな
    る分散層で構成される液晶層を有する基板として、基板
    上に形成したポリマーと分散層で構成される液晶層か
    ら、該ポリマーを溶解しにくい溶剤によって液晶を抽出
    した後、別途二色性色素を含有する液晶組成物を含浸さ
    せて形成させた液晶層付き基板を使用する請求項1また
    は2記載の液晶素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 液晶駆動用電極を設けた二枚の基板間に
    少なくとも一部が二色性色素を含んだ液晶とポリマーと
    からなる分散層を液晶層として挟持して構成され、かつ
    電界により液晶層の光散乱性と二色性色素による光変調
    を行う液晶素子において、二色性色素を含まない液晶と
    光硬化型樹脂を硬化したポリマーからなる分散層を形成
    した一方の基板と、もう一方の基板あるいは該基板に液
    晶とポリマーとからなる分散層を設けたものを貼りあわ
    せて構成されていることを特徴とする液晶素子。
  6. 【請求項6】 前記請求項5記載の基板の貼り合わせ構
    造が、その分散層と分散層の中間に液晶層あるいはギャ
    ップ材を含む液晶層を介して形成されたものである請求
    項5記載の液晶素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005512141A (ja) * 2001-12-13 2005-04-28 ソニー インターナショナル (ヨーロッパ) ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 複合材の形成方法

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