JPH0611201U - 車両用灯具の遮光フード - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の遮光フードにおいては取付部が左右に
分割されて形成される構成とされていたために、精度が
低く且つ強度も弱いと云う問題点を生ずるものとなって
いた。 【構成】 本考案により、フード部２とステー部３とを
一体の函状とする函体部５を形成すると共に、前記函体
部５のステー部に対応する部分の底面５１を内側に折曲
げて前記フード部２の側面とし、取付部４は前記函体部
５のステー部側の側面５５を外側に折曲げて取付穴４ａ
を設けた構成の遮光フード１とすることで、全体を函体
構造として強度を増すと共に、取付部４の一体化を可能
として精度も向上させ課題を解決する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば車両用のヘッドランプの配光特性において、光源からの直射 光が眩惑光となることを防止するために光源を覆うようにして反射鏡の内部に設 けられる遮光フードに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の遮光フード９０の構成の例を示すものが図２であり、このフー ド９０は平板状の金属板で形成されるものとされ、外形抜き加工が行われた後に 左右側面９１ａ、９１ｂ、上面９１ｃ及び下面９１ｄの折曲げが行われて略函状 となるフード部９１が形成される。このときに、前記左右側面９１ａ、９１ｂは 前記フード部９１の上下方向の長さよりも下方向に長いものとされ、上記した折 曲工程によりステー部９２も同時に形成されるものとなる。その後に前記左右側 面９１ａ、９１ｂの夫々の下端側に二回の折曲加工を行うことで左右に分割した 取付部９３が形成され、この取付部９３には当初に行われた外形抜き加工により 一対の取付穴９３ａが設けられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら前記した従来の遮光フード９０は、先ず第一に、前記取付穴９３ ａが都合三回の折曲加工により所定の位置となるものであり、且つ左右が分割し た状態とされているので、前記した折曲加工ごとの製造誤差が加算されて正規の 位置とすることが困難であり、従って、反射鏡への取付が困難となる問題点を生 じるものとなっている。

【０００４】 また第二には、前記フード部９１が左右側面９１ａ、９１ｂの二枚の板厚強度 のみで支持されるものとなるので、走行時の振動などにより共振を生じ易く、前 記左右側面９１ａ、９１ｂに絞り加工によるリブを形成して補強するなどの対策 が必要となり、これにより生産工程が煩雑化する問題点を生じ、これらの点の解 決が課題とされるものとなっていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、略函状と されたフード部と、該フード部から反射鏡からの反射光の進行方向に板厚を平行 するように設けられるステー部と、前記ステー部の前記フード部の反対側の端部 に設けられ前記反射光の進行方向に直交する一対の取付穴を含む取付部からなる 車両用灯具の遮光フードにおいて、前記フード部とステー部とを一体の函状とす る函体部を形成すると共に、前記函体部のステー部に対応する部分の底面を内側 に折曲げて前記フード部の側面とし、前記取付部は前記函体部のステー部側の下 面を外側に折曲げて前記取付穴を設けた構成としたことを特徴とする車両用灯具 の遮光フードを提供することで、寸法精度の向上と強度の向上とを可能とし課題 を解決するものである。

【０００６】

【実施例】

つぎに、本考案を図に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。 図１に符号１で示すものは本考案に係る遮光フードであり、この遮光フード１ は板状の金属部材で形成され、フード部２とステー部３と取付部４とで構成され るものであることは従来例のものと同様であるが、本考案により前記フード部２ とステー部３とに対応する部分が、折曲加工などにより一体の函状として形成さ れて函体部５とされている。

【０００７】 従って、前記函体部５が形成された当初の状態ではこの函体部５は底面５１、 左右の側面５２、５３、上側面５４、下側面５５の五面で成る函状であり、本考 案においては、前記函体部５の底面５１の前記ステー部３に対応する下方寄りの 部分に前記フード部２側で接続する略舌状の切欠片５１ａを設け、この切欠片５ １ａを函体部５の内側に折曲げることで、前記フード部２とステー部３とを形成 するものである。

【０００８】 即ち、上記の函体部５に対する加工により、前記函体部５の上方寄りには前記 上側面５４と左右の側面５２、５３の上半部及び前記切欠片５１ａにより四方を 取囲まれる略函状のフード部２が形成され、前記函体部５の下方寄りは前記切欠 片５１ａが折曲げられたとこで開口し、前記左右の側面５２、５３によりステー 部３が形成されるものとなる。

【０００９】 また、本考案においては前記取付部４も前記函体部５の一部を利用して形成す るものであり、即ち、前記取付部４は前記下側面５５を適宜な位置から前記底面 ５１と平行となるように外側に折曲げることで形成され、この取付部４には一対 の取付穴４ａが設けられるものとされる。

【００１０】 尚、上記の説明における加工手順は遮光フード１の構成の理解を容易とするた めに設定したものであり、実際の生産に当たっては、例えば前記取付部４に設け られる一対の取付穴４ａは前記函体部５を形成するための外形抜きの時点で同時 に形成するなど、異なる加工手順で行っても良いものであることは云うまでもな い。

【００１１】 次いで、上記の構成とした本考案の遮光フード１の作用及び効果について説明 を行えば、先ず第一には函体部５の下側面５５をもって取付部４を形成するもの としたことで、取付部４は一体化され、この取付部４に設けられる一対の取付穴 ４ａ間のピッチ、相互位置など精度の向上を可能とするものとなる。また、第二 には函体部５を形成し、この函体部５に加工することでフード部２、ステー部３ 、取付部４が形成される構成としたことで、本考案の遮光フード１は全体が函体 構造のものとなり強度の向上が可能となる。

【００１２】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案により、先ず函体部を形成しこの函体部の底面の 一部を内側に折曲げることでフード部とステー部とを形成し、更に前記函体部の 下側面を外側に折曲げて取付部を構成する遮光フードの構成としたことで、第一 には取付部を一体化するものとして、この取付部の精度を向上させ車両用灯具へ の取付を容易なものとして生産工程を簡素化するものであり、また第二には全体 を函状とすることで強度を向上させて、補強のためのリブの形成などを不要とし 工程数を低減し、もって遮光フード１の生産性の向上に極めて優れた効果を奏す るものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る車両用灯具の遮光フードの一実
施例の一部を破断した状態で示す斜視図である。

【図２】 従来例の一部を破断した状態で示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１……遮光フード ２……フード部 ３……ステー部 ４……取付部 ４ａ……取付穴 ５……函体部 ５１……底面 ５１ａ……切欠片 ５２、５３……左右の側面 ５４……上側面 ５５……下側面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 略函状とされたフード部と、該フード部
   から反射鏡からの反射光の進行方向に板厚を平行するよ
   うに設けられるステー部と、前記ステー部の前記フード
   部の反対側の端部に設けられ前記反射光の進行方向に直
   交する一対の取付穴を含む取付部からなる車両用灯具の
   遮光フードにおいて、前記フード部とステー部とを一体
   の函状とする函体部を形成すると共に、前記函体部のス
   テー部に対応する部分の底面を内側に折曲げて前記フー
   ド部の側面とし、前記取付部は前記函体部のステー部側
   の側面を外側に折曲げて前記取付穴を設けた構成とした
   ことを特徴とする車両用灯具の遮光フード。