JPH0610883Y2 - 化粧用コンパクト - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、押釦付きの化粧用コンパクトに係るものであ
る。

「従来の技術と考案が解決しようとする課題」 従来、容器本体と該容器本体の蓋体とを後部で枢着する
とともに、前部で相互の係合突起が乗り越え係合する閉
蓋係止手段を講じた平面形状四角形の化粧用コンパクト
において、その閉蓋係止手段を解除させるための操作レ
バーを装備させた実開昭61-89314号公報のものがある。

この場合の操作レバーは、平面形状小長方形に形成し
て、容器本体の上面前部の片隅に配し、その中途部を容
器本体の適所から突設した横軸にて枢着し、ボス部に復
帰用トーションスプリングを備えている。

而して、蓋体の前部の片隅にその操作レバーを逃げる平
面形状方形の切欠を設け、閉蓋態勢にて、該切欠内に操
作レバーを表出させるとともに、その操作レバーの作用
端たる先端をその切欠の縁部に係合させ、もって、操作
レバーの操作端を復帰用トーションスプリングに抗して
押し下げることにより、前記作用端で蓋体を突き上げ、
閉蓋係止手段の係合を解除させるようにしている。

しかし、このように装備させた操作レバーは、化粧に供
する際に、開口する容器本体の前部で容器本体の上に大
きく突出するため、甚だ邪魔になるだけでなく、目障り
となる。また、開いた蓋体には、操作レバー用の切欠が
目立って、これまた見栄えが悪い。その上、構造が複雑
になり、組立に手間がかかり、コスト高となる等々の欠
点がある。

また、他のものとして、蓋体自体を操作レバーに兼用す
るようにした実開昭60-30722号公報の化粧用コンパクト
がある。

この場合は、容器本体と曲げの弾性変形可能な蓋体とを
後部で枢着するとともに、容器本体と蓋体との中途部に
相互の係合突起が乗り越え係合する閉蓋係止手段を講
じ、該閉蓋係止手段の手前で容器本体の底壁から支点板
を起立させて蓋体の下面に当接させ、かつ、蓋体の蓋体
前端部を自由端として成り、閉蓋態勢において、その蓋
体前端部を押し下げることにより、支点板の上端を支点
に蓋体中間部を上方へと弾性屈曲させて、閉蓋係止手段
の係合を離脱させるようにしている。

しかし、閉蓋係止手段の係合を離脱させるためには、蓋
体全体を弾性変形させねばならず、その離脱操作には多
大な力を要して、甚だ使い辛い欠点があり、極小さな蓋
体であればともかく、比較的大きく強靱な蓋体を有する
もの、つまり、一般的な化粧用コンパクトでは、到底こ
のような構成にはできない。

更に、容器本体の上面に設けた磁石で磁性体の蓋体を着
脱自在に吸着させた実開昭60-97506号公報の化粧用コン
パクトがある。

この場合、蓋体の一端に対応させて容器本体の上面に窪
みを設け、該窪みにその蓋体の一端を押し込みすること
で、吸着されている蓋体を一旦起こして取り外すように
したものである。

しかし、閉蓋係止手段のない全くタイプの異なるもので
あり、また、この場合も、商品見本用の小さな容器と
か、極小さな中蓋等に利用するものであればともかく、
一般的な化粧用コンパクトに係る比較的大きく強靱な蓋
体では、到底利用できない。

本考案は、それらの欠点、問題点のない優れた化粧用コ
ンパクトを提供しようとするものである。

「課題を解決するための手段」 上記目的達成のため、本考案は、容器本体１と該容器本
体の蓋体２とを後部で枢着するとともに、前部で相互の
係合突起が乗り越え係合する閉蓋係止手段を講じた平面
形状四角形の化粧用コンパクトにおいて、前記蓋体２の
前部の片隅に、後部を薄肉ヒンジ４にて蓋体２と連ねる
他は切り離し線３にて蓋体２と分離させた平面形状小四
角形の押釦５を形成し、また、その押釦５に対応する前
記容器本体１の前部の片隅に、その押釦５の下面に対面
させてその押釦中間部に接するてこ支点（イ）と押釦前
部の押し込みを可能にする押込み凹部７とを形成したこ
とを特徴とする。

「作用」 如上の構成であり、蓋体２を開蓋させる際は、第１図の
状態から第２図の状態へと押釦５の前部を押し下げる。
すると、第３図の二点鎖線が示すように、その押釦５の
前部が押込み凹部７内に入り込み、押釦５は、てこの原
理に従い、てこ支点（イ）を支点に回動して、薄肉ヒン
ジ４部分が押し上げられる。その結果、蓋体２の前部が
突き上げられて、閉蓋係止手段が解除される。

「実施例」 図面は、本考案の実施例で、ここに示す化粧用コンパク
トは、合成樹脂成型した平面形状四角形の扁平な容器本
体１と蓋体２とを後部で枢着12している。

容器本体１は、内部の前後に化粧用具収容室９と化粧料
収容室８とを有し、前壁６の上面中央に閉蓋係止手段を
なす係合溝10を形成し、該係合溝の後溝壁面下部に係合
突起11を付設し、また、前壁６の上面右隅に、後記する
押釦５の下面中間部に対応するてこ支点（イ）と、該て
こ支点より前に位置して押釦５の下面前部に対応する斜
め内底の押釦用押込み凹部７とから成る押釦対応部6aを
形成している。

蓋体２は、容器本体１と枢着12した蓋基体2aの外面に、
前部右隅15の押釦部分を残して天板2bを貼着するととも
に、内面適所に、所要の鏡17を貼着し、かつ、内面の前
部中央から前記係合溝10内へと出入自在に挿入させる弾
性係合片13を垂設し、該弾性係合片の先端に、その係合
溝10内の前記係合突起11と乗り越え係合させる係合突起
14を設け、もって、閉蓋係止手段を構成している。

また、蓋体２の蓋基体2aには、前部の右隅に、容器本体
１の前記押釦対応部6aと対面させて、後部を薄肉ヒンジ
４にて蓋体２と連ねる他は切り離し線３にて蓋体２と分
離させた平面形状小四角形の押釦５を形成し、閉蓋態勢
において、該押釦下面中間部を前記てこ支点（イ）に当
接させるとともに、押釦前部を前記押込み凹部７の上に
押し込み可能に位置させている。なお、押釦５は、厚肉
の一枚板状とし、薄肉ヒンジ４は、その押釦５の基部上
面に凹溝を形成することにより弾性変形可能な薄肉にし
て成る。そして、その凹溝には、天板2bから垂設した垂
下縁16を嵌め込んでいる。

如上の構成であり、図の閉蓋態勢では、閉蓋係止手段に
おいて蓋体２の弾性係合片13が容器本体１の係合溝10内
に入り込み、相互の係合突起11，14が乗り越え係合し
て、閉蓋状態が維持される。この閉蓋態勢にて押釦５の
前部を押し下げれば、前述の「作用」の項で述べた通り
に閉蓋係止手段が解除される。

「考案の効果」 本考案によれば、蓋体２の前部の片隅に、後部を薄肉ヒ
ンジ４にて蓋体２と連ねる他は切り離し線３にて蓋体２
と分離させた平面形状小四角形の押釦５を形成している
ので、押釦５を蓋体２と合成樹脂により一体成型でき、
かかる押釦５に対応させて、容器本体１の前部の片隅
に、その押釦中間部に接するてこ支点（イ）と押釦前部
の押し込みを可能にする押込み凹部７とを形成している
ので、これまた合成樹脂による成型にて容器本体１に簡
単に形成でき、したがって、押釦関係構造には、組立作
業をなくすることができて、容易、迅速に製作でき、安
価に提供できる。

また、押釦５は、蓋体２の前部の一隅に蓋体の一部とし
て存在し、容器本体１の上面に存するものではないの
で、開蓋させて化粧に供する際にも一切邪魔にならず、
勿論、目障りとなることもない。そして、開いた蓋体２
は、外観上のバランスを崩さず、見栄えが悪くなること
はない。

しかも、そのような押釦５を蓋体２に備え、これに対応
する、てこ支点（イ）と押込み凹部７とを容器本体１の
適所に備えて、てこの原理により閉蓋係止手段を機械的
に解除させることができるので、その操作は軽快に行
え、蓋体２が比較的大きく強靱な一般的化粧用コンパク
トであっても、支障なく適用することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の一実施例を示し、第１図は、斜視図、
第２図は、押釦を押し下げた状態の斜視図、第３図は、
要部の拡大縦断側面図である。 １……容器本体、８……化粧料収容室 ６……前壁、９……化粧用具収容室 ７……押込み凹部、（イ）……てこ支点 10……係合溝、11……係合突起 14……係合突起、２……蓋体 2a……蓋基体、2b……天板 13……弾性係合片、５……押釦 ３……切り離し線、４……薄肉ヒンジ 17……鏡

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体１と該容器本体の蓋体２とを後部
   で枢着12するとともに、前部で相互の係合突起が乗り越
   え係合する閉蓋係止手段を講じた平面形状四角形の化粧
   用コンパクトにおいて、前記蓋体２の前部の片隅に、後
   部を薄肉ヒンジ４にて蓋体２と連ねる他は切り離し線３
   にて蓋体２と分離させた平面形状小四角形の押釦５を形
   成し、また、その押釦５に対応する前記容器本体１の前
   部の片隅に、その押釦５の下面に対面させてその押釦中
   間部に接するてこ支点（イ）と押釦前部の押し込みを可
   能にする押込み凹部７とを形成したことを特徴とする化
   粧用コンパクト。