JPH0425045Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、化粧用コンパクト容器に係る。

「従来の技術」 従来のコンパクト容器においては、固形のおし
ろい等化粧品が収納された化粧品充填皿（通称パ
レツト）がコンパクト容器本体に対して嵌着時に
より固定的に取り付け収納されるのが一般的であ
つた。

「考案が解決しようとする問題点」 上記したように化粧品充填皿がコンパクト容器
本体へ固定的に取り付けられていたため、容器を
落した場合に、コンパクト容器本体が受ける衝撃
力が化粧品充填皿にも直接伝達され、これにより
化粧品がひび割れしたりして見栄えが悪くなると
共に商品価値がなくなるという欠点があつた。

そこで、本考案はコンパクト容器本体に対して
化粧品充填皿が必要に応じて弾性的に支持される
よう構成して上記欠点を解決することを目的とす
る。

「問題点を解決するための手段」 上記目的を達成するため、本考案は底壁６周縁
から起立した周壁７の後壁部に透孔８を穿設する
と共に前壁部に係合子１０を付設したコンパクト
本体１と、上記周壁の下部内に嵌合された弾性リ
ング部１６の前部を上記周壁の前壁部に固定させ
ると共に、弾性リング部の後部に付設した突起１
７を上記透孔内に貫挿して後方へ突出させた突起
付き部材２と、上記周壁の上部内に嵌着させた外
枠１９内に内枠２０を、外枠内面と内枠外面とを
複数の弾性片２１…で結合して同心的に嵌合保持
した枠状体３と、上記内枠内に嵌着された化粧品
充填皿４と、上記コンパクト本体上面を頂壁２３
で閉塞させると共に、該頂壁後縁から垂設した軸
受部２６の下部をコンパクト本体の後壁部外面下
部に枢着させ、かつ上記頂壁前縁から垂設した係
合片２８を上記係合子に係合させたコンパクト蓋
体５とからなり、上記突起１７後端を上記軸受部
の上下方向中間部内面に圧接させて弾性リング部
１６の左、右両部を弾性に抗して内枠２０外方へ
変形させ、蓋体開放時に上記突起の軸受部への圧
接状態が解放されることで、弾性リング部の左、
右両部が内枠の下内方へ弾性復帰可能に設けたこ
とを特徴とする。

「作用」 上記構成により、蓋体閉塞時には例えば第１図
及び第２図が示すように、突起１７が軸受部２６
により前方へ押圧されて、弾性リング部１６の
左、右両部が前、後両部と共に内枠２０外方へ弾
性変形する。

これにより、化粧品充填皿４を嵌着した内枠２
０が弾性片２１…を介して外枠１９内即ち、コン
パクト本体１内において前後左右及び上下方向へ
移動可能に支持される。

この結果、容器落下時等に受けるコンパクト本
体の衝撃力が上記弾性片で効果的に吸収されて内
枠即ち、化粧品充填皿には直接伝達されない。

蓋体開放時には例えば第３図及び第４図が示す
ように、今度は突起の軸受部への圧接状態が解放
されて、弾性リング部の左、右両部が内枠の下内
方へ弾性復帰する。

これにより、内枠のコンパクト本体内における
下方向への移動が上記弾性リング部により規制阻
止される。

この結果、容器使用時には化粧品充填皿が少な
くとも上下方向固定となる。

「実施例」 以下添付図面に基づいて、本考案の実施例を説
明する。

第１図乃至第４図に示すように、本考案はコン
パクト本体１と、突起付き部材２と、枠状体３
と、化粧品充填皿４と、コンパクト蓋体５とから
なる。

コンパクト本体１は、底壁６周縁から起立した
周壁７の後壁部に透孔８を穿設すると共に、前壁
部前面に形成した第１の切欠き凹部９内に係合子
１０を付設してなる。また、図示例では上記後壁
部の後面に第２の切欠き凹部１１が形成され、該
凹部内に上記透孔８が開口されている。さらに、
底壁の前部上面には、上記第１切欠き凹部９後方
に位置して垂直板１２ａが起立されて前壁部後面
との間で係合凹部１２を形成すると共に、周壁の
左、右両側壁部の前部内面には板状突起１３，１
３が対設されている。

上記第１切欠き凹部９内には、突上げ板部１４
を備えた押ボタン１５が枢着されている。

突起付き部材２は、上記周壁７の下部内に嵌合
された板状の弾性リング部１６の前部を上記係合
凹部１２に係合させると共に、弾性リング部の後
部に付設した板状の突起１７を上記透孔８内に貫
挿して後方へ突出させてなる。図示例では、弾性
リング部１６の左、右両部の上端面から所定間隔
離間して一対のストツパ壁１８，１８がそれぞれ
起立されている。

枠状体３は、上記周壁７内に嵌着させた外枠１
９内に内枠２０を、外枠内面と内枠外面とを複数
個（図中では４個）の弾性片２１…で結合して同
心的に嵌合保持してなる。図示例では、上記外枠
１９の前枠板両側縁部が上記板状突起１３，１３
側面に圧接している。また、上記外枠１９の前後
両枠板下部には切欠き凹部２２，２２が形成さ
れ、該凹部内に上記弾性リング部１６の前後両部
及び突起１７が前後左右方向への移動が可能に貫
挿されている。

化粧品充填皿４は、上記内枠２０内に、該内枠
下端面から下方へ突出せずに嵌着されている。

コンパクト蓋体５は、上記コンパクト本体１上
面を鏡２４付きの頂壁２３で閉塞させると共に、
該頂壁周縁から周壁２５を垂設させ、かつ該周壁
の後壁部から垂設した軸受部２６の下部を上記第
２切欠き凹部１１内に枢着（ピン２７結合）さ
せ、さらに上記頂壁前縁から垂設した係合片２８
を上記係合子１０に係合させてなる。

そして、上記突起１７後端面を上記軸受部２６
の上下方向中間部内面に圧接させて弾性リング部
１６の左、右両部を弾性に抗して内枠２０外方へ
変形させ、蓋体開放時に上記突起の軸受部への圧
接状態が解放されることで、弾性リング部の左、
右両部が内枠の下内方へ弾性復帰可能に設けてい
る。図示例では、上記蓋体開放時に弾性リング部
のストツパ壁１８…が内枠外面に圧接して、内枠
の左、右両部が一対のストツパ壁間に貫挿するよ
うになつている。

尚、図中２９は化粧板を兼ねた押え枠で、３０
は上記押え枠の内周縁に担持されたパフをそれぞ
れ示す。

従つて、本実施例では、押ボタン１５の下部押
込みにより、係合子１０と係合片２８との係合が
解かれてコンパクト蓋体５の開蓋が可能となる。
また、開蓋時には、内枠２０の左、右両部が一対
のストツパ壁１８，１８間に貫挿するので、前後
左右方向への移動もある程度阻止されることにな
る。

上記実施例にて、各部は適宜合成樹脂材で成形
製作される。

「考案の効果」 以上説明したように本考案によれば、化粧品充
填皿がコンパクト本体内に、容器使用時以外即
ち、蓋体閉塞時は弾性的に支持されるようにした
ので、容器落下時等においてコンパクト本体が受
ける衝撃力が化粧品充填皿に直接伝達するのを防
止でき、依て化粧品充填皿内の化粧品がひび割れ
等を起すのが回避できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図はその一部省略平面図、第３図は作用状態の断
面図、第４図はその平面図である。 １……コンパクト本体、２……突起付き部材、
３……枠状体、４……化粧品充填皿、５……コン
パクト蓋体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底壁６周縁から起立した周壁７の後壁部に透孔
   ８を穿設すると共に前壁部に係合子１０を付設し
   たコンパクト本体１と、上記周壁の下部内に嵌合
   された弾性リング部１６の前部を上記周壁の前壁
   部に固定させると共に、弾性リング部の後部に付
   設した突起１７を上記透孔内に貫挿して後方へ突
   出させた突起付き部材２を、上記周壁の上部内に
   嵌着させた外枠１９内に内枠２０を、外枠内面と
   内枠外面とを複数の弾性片２１…で結合して同心
   的に嵌合保持した枠状体３と、上記内枠内に嵌着
   された化粧品充填皿４と、上記コンパクト本体上
   面を頂壁２３で閉塞させると共に該頂壁後縁から
   垂設した軸受部２６の下部をコンパクト本体の後
   壁部外面下部に枢着させ、かつ上記頂壁前縁から
   垂設した係合片２８を上記係合子に係合させたコ
   ンパクト蓋体５とからなり、上記突起１７後端を
   上記軸受部の上下方向中間部内面に圧接させて弾
   性リング部１６の左、右両部を弾性に抗して内枠
   ２０外方へ変形させ、蓋体開放時に上記突起の軸
   受部への圧接状態が解放されることで、弾性リン
   グ部の左、右両部が内枠の下内方へ弾性復帰可能
   に設けたことを特徴とする化粧用コンパクト容
   器。