JPH06108083A - アルミニウム及びアルミニウム合金の冷間圧延油及びそれを用いる冷間圧延方法 - Google Patents

アルミニウム及びアルミニウム合金の冷間圧延油及びそれを用いる冷間圧延方法

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JPH06108083A
JPH06108083A JP26354892A JP26354892A JPH06108083A JP H06108083 A JPH06108083 A JP H06108083A JP 26354892 A JP26354892 A JP 26354892A JP 26354892 A JP26354892 A JP 26354892A JP H06108083 A JPH06108083 A JP H06108083A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 潤滑性が非水系圧延油より優れ、圧延後の板
材を焼鈍した際にオイルステンの発生のない水分散性冷
間圧延油及びそれを用いた冷間圧延方法を提供する。 【構成】 分子量200〜330のポリプロピレン、ポリイソ
ブチレン及びポリブテンの一種以上からなる基油8〜93w
t%に、(1)式のα−オレフィン5〜90wt%と(2)式のアル
コキシアルキルエステル、(3)、(4)式のネオペンチルグ
リコ−ル及び(5)、(6)式のグリセリン誘導体からなる油
性剤の1種以上を2〜20wt%添加してなるアルミニウム
及びアルミニウム合金の冷間圧延油。 CH2=CH(CH2)nCH3 (1) R2COO(Cm2mO)n1 (2) (CH32C(CH2OCOR3)CH2OH (3) (CH32C[CH2O(Cm2mO)nCOR42
(4) (R1=C1〜6のアルキル基、R2=C9〜21のアルキル
基、R3〜R9=C1〜9のアルキル基、m=2〜4の整数、
n=1〜3の整数(但し(1)式の場合n=9〜25の整数))

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム及びアル
ミニウム合金(以下、単にアルミニウムという)の圧延
における圧延油に関し、特に潤滑性が非水系圧延油ある
いは従来の水溶性圧延油より優れ、しかも圧延後の板材
を焼鈍した際にオイルステンの発生しない水溶性冷間圧
延油及びそれを用いたアルミニウムの冷間圧延方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来アルミニウムの冷間圧延には、非水
系の圧延油が使用されてきた。この圧延油は、40℃にお
ける粘度が 3〜4cstの精製鉱油を基油として、これに油
性剤としてラウリルアルコールを混合したものである。
【0003】これは光沢のよい板を得ることができる点
で優れているが、冷却能が水系圧延油に比べると低いた
め、高速、高圧下圧延ではロールや板の温度上昇が著し
く、板の形状制御が困難となり、かつ火災の発生の危険
もあるという欠点がある。
【0004】そこで上記欠点を解消するため、水溶性圧
延油及びその使用技術の開発が行われ、90〜98wt%の水
に鉱油、アルコキシアルキル・エステルを含有する潤滑
剤(特開昭62−172095)、炭素数を規定した直鎖オレフ
ィン(α−オレフィン)と水とを公知の乳化剤を添加し
てエマルジョンにした塑性加工用潤滑剤(特開平2-1334
95)、C数12〜18の脂肪酸とソルビタンエステルを含有
する潤滑剤をW/OあるいはW/O/Wエマルジョンと
してアルミニウムの圧延潤滑に使用する方法(特開昭60
-248797)、100゜Fにおける動粘度が2〜8のパラフィン
系鉱油、脂肪酸グリコールエステル及び/又は分子量35
0〜800のポリイソブチレンを配合した混合物、長鎖グリ
コール、分子量800〜6000のポリオキシエチレングリコ
ール、又は分子量150〜1200のポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸
エステル塩、アルキルアミン及び/又はトリエタノール
アミン脂肪酸塩、炭素数12〜16の飽和アルコール、α−
ブロムシンナムアルデヒド、残部水からなる冷間圧延用
水溶液性潤滑剤などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−172095
の発明は、潤滑剤組成の主成分は鉱油であり、冷間圧延
用としては40℃で3〜5cstの軽質鉱油が望ましいとして
いる。
【0006】確かに40℃で5cst以上の粘度を有する鉱油
を用いた潤滑剤でアルミニウムを圧延し、その圧延材を
330℃以下の温度で焼鈍すると、潤滑剤の燃焼残渣が材
料表面に残り、オイルステンを発生させてしまう。
【0007】したがって、40℃で5cst以下の鉱油を用い
なければならないが、その場合は同一粘度の鉱油を用い
た非水系の潤滑剤に比べ、著しく潤滑性が悪く、水溶化
した特徴が失われてしまう。すなわち、特開昭62−1720
95の発明の潤滑剤は同一粘度レベルの非水系潤滑油に比
べ潤滑性が著しく悪いという欠点がある。又、特開平2-
133495では直鎖オレフィン(αオレフィン)を水に分散
させエマルジョンとして用いるという記述があるが、何
らかの乳化剤を用いないと乳化が不安定すぎ潤滑不良に
なってしまう。また、同公報には各種公知の乳化剤を適
宜添加するという記述もあるが、一般に乳化剤は、熱分
解しにくく圧延材を焼鈍する際に残渣を生ぜしめるの
で、適宜添加などできないことである。
【0008】要するに特開昭62-172095の発明は、直鎖
オレフィンをエマルジョンとしても使用可能であるとし
ているが、その場合に具体的にどのように乳化安定剤と
組み合わせて用いるのかは全く不明である。
【0009】特開昭60−248797では、C数12〜18の脂肪
酸とソルビタンエステルを含有する潤滑剤をW/Oある
いはW/O/Wエマルジョンとしてアルミニウムの圧延
潤滑に使用すると、C数12〜18の脂肪酸やソルビタンエ
ステルにはウオーターステン防止効果があるが、オイル
ステンの発生を防止することができない。
【0010】特開昭50−67304では全般的に分子量の大
きい物質を多用しているため、オイルステンの発生が懸
念される。特にリン酸エステル塩は、オイルステンの発
生が助長されるため、アルミニウム冷間圧延油添加剤と
しては適当でない。また、増粘剤としてポリイソブチレ
ンが使用されているが、分子量が350〜800と大きいため
オイルステインの原因になっている。
【0011】そこで本発明の目的は、潤滑性が非水系圧
延油より優れ、しかも圧延後の板材を焼鈍した際にオイ
ルステンの発生のない水分散性冷間圧延油及びそれを用
いた冷間圧延方法を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、特定ポリオレフィン系基油に、特定のα−オレ
フィンと特定の添加剤を組合せることにより、上記の要
求特性を満たした冷間圧延油とすることができることを
見出し、本発明に至った。すなわち、本発明は、分子量
200〜330のポリプロピレン、ポリイソブチレン及びポリ
ブテンの少なくとも一種以上からなる基油8〜93wt%
に、下記(1)式に示すα−オレフィン5〜90wt%と下記
(2)式に示すアルコキシアルキルエステル、(3)、(4)式
に示すネオペンチルグリコ−ル及び(5)、(6)式に示すグ
リセリン誘導体からなる油性剤の1種以上を2〜20wt%
添加したことを特徴とするアルミニウムの冷間圧延油。
【0013】 CH2=CH(CH2)nCH3 (1) ここで n=9〜25 R2COO(Cm2mO)n1 (2) ここに R2=C数9〜21のアルキル基 R1=C数1〜6のアルキル基 m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 (CH32C(CH2OCOR3)CH2OH (3) (CH32C[CH2O(Cm2mO)nCOR42 (4) ここに R3、R4=C数1〜9のアルキル基 m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 ここに R5、R6、R7、R8、R9=C数1〜9のアルキ
ル基 m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 を第一の発明とし、又、前記圧延油を 3〜30%濃度の水
性エマルジョンとしたアルミニウム又はアルミニウム合
金の冷間圧延油を第二の発明とし、さらに前記圧延油を
3〜30wt%濃度の水性エマルジョンとし、これをアルミ
ニウムの冷間圧延時の冷却・潤滑油として使用する冷間
圧延方法を第三の発明とするものである。
【0014】次に、本発明において使用する各構成材料
について説明する。
【0015】ポリプロピレン、ポリイソブチレン及びポ
リブテン アルミニウム冷間圧延油の基油として、これら物質は分
子量200〜330であることが望ましい。分子量 200未満の
物質では粘度が低すぎ、潤滑性が不足する。分子量が 3
30を越える物質ではオイルステンが発生するので使用す
ることができない。なお、これらオリゴマーは水素添加
していないものが望ましいが、水素添加したものでも構
わない。
【0016】αオレフィン αオレフィンは末端に二重結合を有し、アルミニウムに
対する化学吸着力は大きいため、油性剤の機能をもって
いる。αオレフィンの吸着力はポリブデン、ポリプロピ
レン及びポリイソブチレンのそれよりも大きいが、ロー
ルと板材との間への導入量はポリブテン、ポリプロピレ
ン及びポリイソブチレンのそれよりも少ない傾向にある
と考えられる。
【0017】上記基油へ添加する割合が5%未満では、
潤滑性が不足し、90wt%を越えると、均一なエマルジョ
ンが形成し難くなる。また、式(1)においてnが9未満で
は潤滑性が不足し、nが25を越えると融点が高く使用し
にくい。
【0018】式(1) で示されるαオレフィンとしては、
1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、
1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1
−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン
等が挙げられる。
【0019】上記基油とαオレフィンとを適宜組み合わ
せることにより、ロールと板との間への導入量を多く
し、かつ、化学吸着力を増すことができ、潤滑性は単独
使用時のそれよりも向上するのである。
【0020】アルコキシアルキルエステル このタイプのエステルは優れた油性剤として機能すると
ともに弱い自己乳化性を有するので水分散性冷間圧延油
の添加剤として好適である。
【0021】添加量が 2wt%未満では潤滑性が不足する
とともに、均一なエマルジョンが得られないため、ロ−
ルと板との間への導入量が不均一になると考えられる。
又、20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオイル
ステンが発生して好ましくない。
【0022】式(2)で示されるエステルとしては、例え
ばカプリン酸メトキシエチル、カプリン酸メトキシエト
キシエチル、カプリン酸エトキシエチル、カプリン酸エ
トキシエトキシエチル、カプリン酸プロポキシエチル、
カプリン酸プロポキシエトキシエチル、カプリン酸ブト
キシエチル、カプリン酸ブトキシエトキシエチル、カプ
リン酸ペンチルオキシエチル、カプリン酸ペンチルオキ
シエトキシエチル、カプリン酸ヘキシルオキシエチル、
カプリン酸ヘキシルオキシエトキシエチル、ラウリン酸
メトキシエチル、ラウリン酸メトキシエトキシエチル、
ラウリン酸エトキシエチル、ラウリン酸エトキシエトキ
シエチル、ラウリン酸プロポキシエチル、ラウリン酸プ
ロポキシエトキシエチル、ラウリン酸ブトキシエチル、
ラウリン酸ブトキシエトキシエチル、ラウリン酸ペンチ
ルオキシエチル、ラウリン酸ペンチルオキシエトキシエ
チル、ラウリン酸ヘキシルオキシエチル、ラウリン酸ヘ
キシルオキシエトキシエチル、ミリスチン酸メトキシエ
チル、ミリスチン酸メトキシエトキシエチル、ミリスチ
ン酸エトキシエチル、ミリスチン酸エトキシエトキシエ
チル、ミリスチン酸プロポキシエチル、ミリスチン酸プ
ロポキシエトキシエチル、ミリスチン酸ブトキシエチ
ル、ミリスチン酸ブトキシエトキシエチル、ミリスチン
酸ペンチルオキシエチル、ミリスチン酸ペンチルオキシ
エトキシエチル、ミリスチン酸ヘキシルオキシエチル、
ミリスチン酸ヘキシルオキシエトキシエチル、パルミチ
ン酸メトキシエチル、パルミチン酸メトキシエトキシエ
チル、パルミチン酸エトキシエチル、パルミチン酸エト
キシエトキシエチル、パルミチン酸プロポキシエチル、
パルミチン酸プロポキシエトキシエチル、パルミチン酸
ブトキシエチル、パルミチン酸ブトキシエトキシエチ
ル、パルミチン酸ペンチルオキシエチル、パルミチン酸
ペンチルオキシエトキシエチル、パルミチン酸ヘキシル
オキシエチル、パルミチン酸ヘキシルオキシエトキシエ
チル、ステアリン酸メトキシエチル、ステアリン酸メト
キシエトキシエチル、ステアリン酸エトキシエチル、ス
テアリン酸エトキシエトキシエチル、ステアリン酸プロ
ポキシエチル、ステアリン酸プロポキシエトキシエチ
ル、ステアリン酸ブトキシエチル、ステアリン酸ブトキ
シエトキシエチル、ステアリン酸ペンチルオキシエチ
ル、ステアリン酸ペンチルオキシエトキシエチル、ステ
アリン酸ヘキシルオキシエチル、ステアリン酸ヘキシル
オキシエトキシエチル等が挙げられる。
【0023】なお、これらエステルの酸及びアルコール
の炭化水素基は直鎖炭化水素でも、側鎖をもった炭化水
素のいずれでもよい。上記一般式において、R1、R2
C数が、それぞれ前記した下限より小さいと潤滑性が悪
くなり、上限より大きくなるとオイルステンが発生す
る。また、m、nともに上限より大きいとオイルステン
が発生する。
【0024】ネオペンチルグリコール誘導体 一般式(3)、(4)で示される化合物は優れた油性剤として
機能する。特に一般式(4) で示される化合物は自己乳化
性も有するので水分散性冷間圧延油の添加剤として好適
である。添加量が 2wt%未満では潤滑性が不足し、20wt
%を越えると圧延した板を焼鈍(330℃以下)したとき
オイルステンが発生し好ましくない。
【0025】一般式(3)、(4)で示されるエステルとして
は例えばネオペンチルグリコ−ルモノ酢酸エステル、ネ
オペンチルグリコ−ルモノカプロン酸エステル、ネオペ
ンチルグリコ−ルモノカプリン酸エステル、ネオペンチ
ルグリコ−ルエチレンオキサイド2モル付加物ジ酢酸エ
ステル、ネオペンチルグリコ−ルエチレンオキサイド2
モル付加物ジカプロン酸エステル、ネオペンチルグリコ
−ルエチレンオキサイド2モル付加物ジカプリン酸エス
テル、ネオペンチルグリコ−ルエチレンオキサイド4モ
ル付加物ジ酢酸エステル、ネオペンチルグリコ−ルエチ
レンオキサイド4モル付加物ジカプロン酸エステル、ネ
オペンチルグリコ−ルエチレンオキサイド4モル付加物
ジカプリン酸エステル等が挙げられる。
【0026】なお、これらエステルの酸の炭化水素基は
直鎖炭化水素でも、側鎖をもった炭化水素いずれでもよ
い。R3、R4のC数が上限より大きいとオイルステンが
発生する。また、m、nともに上限より大きいとオイル
ステインが発生する。
【0027】グリセリン誘導体 一般式(5)、(6)で示されるこれら化合物は優れた油性剤
として機能する。特に一般式(6) で示される化合物は自
己乳化性も有するので水分散性冷間圧延油の添加剤とし
て好適である。添加量が 2wt%未満では潤滑性が不足
し、20wt%を越えると圧延した板を焼鈍(330℃以下)
したときオイルステンが発生して好ましくない。
【0028】一般式(5)、(6)で示されるエステルとして
は例えば、グリセリンジ酢酸エステル、グリセリンジカ
プロン酸エステル、グリセリンジカプリン酸エステル、
グリセリンエチレンオキサイド3モル付加物トリ酢酸エ
ステル、グリセリンエチレンオキサイド3モル付加物ト
リカプロン酸エステル、グリセリンエチレンオキサイド
3モル付加物トリカプリン酸エステル、グリセリンエチ
レンオキサイド6モル付加物トリ酢酸エステル、グリセ
リンエチレンオキサイド6モル付加物トリカプロン酸エ
ステル、グリセリンエチレンオキサイド6モル付加物ト
リカプリン酸エステル、等が挙げられる。なお、これら
エステルの酸の炭化水素基は直鎖炭化水素でも側鎖をも
った炭化水素いずれでもよい。R5〜R9のC数が上限よ
り大きいとオイルステンが発生する。また、m、nとも
に上限より大きいとオイルステインが発生する。
【0029】酸化防止剤、防腐剤、防錆剤 本発明の圧延油においては、必要に応じ少量の酸化防止
剤、防腐剤、防錆剤等を添加することができる。
【0030】酸化防止剤は、圧延油が空気と接触した際
に、酸化を受けて固有の物質が損なわれることがあり、
この酸化を防ぐために必要に応じて添加する。代表的な
酸化防止剤として、N−サリシロイル−N´−アルデヒ
ドヒドラジン、α−ナフチルアミン、2,6−ジ第3ブ
チル−P−クレゾール、2,4−ジ−メチル−6−第3
ブチルフェノール等が挙げられる。
【0031】防腐剤は、エマルジョン中には、バクテリ
アやかびなどが繁殖する可能性があり、必要に応じて添
加し、エマルジョンの腐敗を防止する。代表的な防腐剤
として、トリアジン化合物、チアゾリン化合物、モルホ
リン化合物、フェノール化合物が挙げられる。
【0032】次に、第二発明及び第三発明に使用する水
性エマルジョンの形成について述べる。
【0033】エマルジョンの形成(水と油との混合) 一般にエマルジョンは水と油とを槽の中で撹拌して形成
させるが、本発明の圧延油は乳化剤を積極的には使用し
ていないので、このような方法でエマルジョンを形成さ
せることはできない。
【0034】そこで図1に示すような混合器を用い、圧
送された水に油を圧入してエマルジョンを形成する。圧
送された水の圧力は2×98.1KPa(2気圧)以上とし、圧
入される油の圧力は水の圧力よりも2×98.1KPa(2気
圧)以上高くすることによってエマルジョンが得られ
る。
【0035】特許請求の範囲1項記載のアルミニウム用
水分散性冷間圧延油をこのような方法で3〜30%のエマ
ルジョンとした場合のエマルジョン平均粒径は3〜50μ
mで圧延潤滑に好適な乳化状態であった。なお、やや粒
径の小さなエマルジョンを形成させたい場合には、水と
油とを混合した後にスタティックミキサーを挿入するこ
とが効果的である。
【0036】このようにして形成したエマルジョンをア
ルミニウムの冷間圧延の冷却・潤滑油として供する。そ
して、使用後のエマルジョンは、以下に説明する油水分
離工程及び濾過工程にて処理される。
【0037】油水分離工程 後述する瀘過工程で微細な摩耗粉を除去するためには、
珪藻土と活性白土とを瀘過助剤とした瀘過が好ましい
が、エマルジョンの状態では不可能である。そこで、油
水分離工程で微小摩耗粉の大半が分離油中に移行するよ
うに油と水に分離する。分離した油は前述の珪藻土白土
瀘過を行う。この際、高い除去率や瀘過寿命を長く維持
するためには、分離した油中の水分量を2000ppm以下
にする必要がある。また、水中には比較的大きな摩耗粉
が存在する。この水も後述の瀘過を行うが、瀘過寿命の
関係から、油分量を2000ppm以下にするような遠心分
離装置が好ましい。なお、この遠心分離装置を用いるこ
とにより、連続処理が可能となる。
【0038】また、繊維膜分離機は繊維の孔径1〜50μ
mのものを使用するのが好ましい。 瀘過工程 分離された油中には微細な摩耗粉が含まれているので珪
藻土と活性白土を瀘過助剤とした精密瀘過を行う。分離
された水中には少量の油分と比較的大きな金属粉が含ま
れているので珪藻土を瀘過助剤とした瀘過あるいはペー
パーフィルターによる瀘過を行えばよい。
【0039】
【実施例】
実施例1 被圧延材として板厚1.2mm、幅70mm、長さ450mmのJIS 50
52アルミニウム合金板材をロ−ル径155mmの圧延機で圧
延速度35m/minで圧下率60%圧延した際の圧延荷重を測
定した。
【0040】圧延に供したエマルジョンは、水圧3×98.
1KPa、油圧8×98.1KPa、全流量4l/mimの条件で形成した
油分濃度10%のものであった。
【0041】使用後のエマルジョンを直ちに遠心分離装
置で油と水とに分離した。分離した油は珪藻土白土濾過
し、分離した水は珪藻土濾過して摩耗粉を除去し、循環
使用した。結果を表1に示した。
【0042】発明例のNo.1〜46はいずれも圧延荷重が20
Ton-f以下であり、焼鈍した際にオイルステンの発生は
認められなかった。
【0043】しかし、比較例のNo.47,49,51はオリゴマ
ーの分子量が小さいこと、No.53はαオレフィンのC数
が少ないこと、No.54はαオレフィンの添加量が少ない
こと、No.55〜57は油性剤の添加量が少ないこと、No.60
はオリゴマー量が少ないこと、No.62は油性剤中酸アル
キル基のC数が少ないことNo.72はエマルションの油分
濃度が少ないことから、潤滑性が不足、圧延荷重が22〜
26ton-fと大きくなった。
【0044】No.48,50,52,58,59,61,63〜71,73はオリゴ
マーの分子量が大きいこと、油性剤の添加量が多いこ
と、油性剤の酸或いはアルコールのC数が大きいこと、
アルキレンオキサイドの炭素数又は付加モル数が大きい
こと、或いはエマルジョン濃度が高いことから、潤滑性
が良好であるがオイルスレンの発生が認められた。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】連続使用例 実施例1の表1で示した冷間圧延油No.5で圧延油及び水
を循環使用して圧延した。油水分離装置には、遠心分離
装置あるいは繊維膜分離装置を用い、分離油の瀘過には
珪藻土と活性白土からなる瀘過助剤を用いた瀘過を行っ
た。また、水瀘過は珪藻土瀘過或いはペーパフィルター
瀘過を行い、圧延油及び水を再使用した。
【0049】表2のNo.1〜6に示すように、遠心分離100
0〜3000G及び繊維膜分離では油中水分及び水中油分と
も2000ppm以下となった。また、分離後油中には100
ppm程度の摩耗粉が含まれていたが、瀘過により5p
pm以下に減少させることができた。これら再生油及び
水で圧延した結果、板表面には何等欠陥が認められず、
かつ圧延荷重も新油及び新水時のそれと同等であった。
【0050】一方、参考例のNo.7は、分離した油を珪藻
土白土瀘過しなかったことから、油中の摩耗粉が80pp
mと多くなり、圧延板に欠陥が発生した。
【0051】No.8は分離水を瀘過しなかったことから、
水中の摩耗粉が55ppmとなり、圧延板表面に微小欠陥
が認められた。
【0052】No.9は、油水分離に静置分離槽を用いたこ
とから、油と水の分離が不完全となり、瀘過工程で目詰
まりが発生し、瀘過不能になった。
【0053】No.10はスターラ撹拌で油と水を混合した
が、エマルションは形成されず試験を中断した。
【0054】
【表4】
【0055】実施例2 表1に示す冷間圧延油No.5を使用し、被覆圧延材として
板厚1.2mm、幅70mm、長さ450mmのJIS5052アルミニウ
ム合金板材をロ−ル径155mmの圧延機で、圧延速度35m/
分で圧下率を45%から65%に変化させたときの圧延荷重
を測定し、図3に示す。また、比較例として鉱油(3.5c
st,40℃)90wt%+ラウリルアルコ−ル10wt%の組成を
有する非水圧延油を使用した場合の結果を点線で示す。
すなわち、本発明の冷間圧延油は、1パスで圧下率60%
以上の圧延が可能となり、また圧延ロ−ル及び圧延板材
の冷却が容易となり、形状のよい圧延板材が得られるこ
とがわかる。
【0056】一方、非水系圧延油を使用した場合は、圧
下率50%以上になると圧延荷重が高くなり、圧延異状が
起り易くなることがわかる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧延油
は、潤滑性が非水系圧延油より優れており、したがって
高速高圧下圧延が可能となり、しかも被圧延材にオイル
ステンを発生させないものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷間圧延油の水性エマルジョンを形成
する混合器の一例を示す説明図。
【図2】本発明の冷間圧延油を使用した圧延方法の説明
図。
【図3】本発明の圧延油を用いた実施例2における圧延
荷重と圧下率との関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:70 129:76 105:04) C10N 30:06 40:24 A 8217−4H

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量200〜330のポリプロピレン、ポリ
    イソブチレン及びポリブテンの少なくとも一種以上から
    なる基油8〜93wt%に、下記(1)式に示すα−オレフィン
    5〜90wt%と下記(2)式に示すアルコキシアルキルエステ
    ル、(3)、(4)式に示すネオペンチルグリコ−ル及び
    (5)、(6)式に示すグリセリン誘導体からなる油性剤の1
    種以上を2〜20wt%添加したことを特徴とするアルミニ
    ウム及びアルミニウム合金の冷間圧延油。 CH2=CH(CH2)nCH3 (1) ここに n=9〜25 R2COO(Cm2mO)n1 (2) ここに R2=C数9〜21のアルキル基 R1=C数1〜6のアルキル基 m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 (CH32C(CH2OCOR3)CH2OH (3) (CH32C[CH2O(Cm2mO)nCOR42 (4) ここに R3、R4=C数1〜9のアルキル基 m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 ここに R5、R6、R7、R8、R9=C数1〜9のアルキ
    ル基 m=2〜4の整数 n=1〜3の整数
  2. 【請求項2】 請求項1で示す圧延油を 3〜30%濃度の
    水性エマルジョンとすることを特徴とするアルミニウム
    及びアルミニウム合金の冷間圧延油。
  3. 【請求項3】 請求項1で示す圧延油を3〜30wt%濃度
    の水性エマルジョンとし、これをアルミニウム及びアル
    ミニウム合金の冷間圧延時の冷却・潤滑油として使用す
    ることを特徴とする冷間圧延方法。
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