JP3370879B2 - アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法及び装置 - Google Patents
アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法及び装置Info
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Description
の表面欠陥の発生を低減したアルミニウム又はアルミニ
ウム合金板の圧延方法及び装置に関する。
熱間圧延においては、圧延板表面から圧延ロール表面へ
アルミニウムが移着して、ロールコーティング層がロー
ル表面に形成されるため、圧延板はロールコーティング
層と接触しつつ圧延されることになる。従って、圧延板
の表面品質はロールコーティング層の性状によって左右
される。また、熱間圧延時に発生した板の表面欠陥は冷
間圧延後の板表面品質にも影響するので、熱間圧延にお
けるロールコーティング層の性状は極めて重要といえ
る。ロールコーティング層の性状は、圧延諸条件(板材
質、板温度、ブラシロール操業条件等)と圧延油により
変化する。従って、圧延油の選択は、ロールコーティン
グ層を制御する上で不可欠なものである。
なるため、圧延油はエマルションの形で使用されてい
る。このため、従来、アルミニウム又はアルミニウム合
金の熱間圧延油としては、一般に、鉱物油を基油とし
て、脂肪酸、油脂及び脂肪酸エステル等の油性向上剤、
極圧剤、防錆剤及び酸化防止剤等を配合し、これを主に
陰イオン性界面活性剤で乳化し、通常3乃至10%濃
度、油粒径1乃至3μmの乳化型エマルションが使用さ
れている。
圧延油に要求される性能としては、潤滑性、ロールコー
ティング性、表面品質性、乳化安定性、作業性及び排水
処理性等が挙げられ、特に近年の大量生産化とアルミニ
ウム圧延品の高品質指向から、潤滑性、表面品質性及び
乳化安定性等の熱間圧延油に対する要求は益々高くなっ
てきている。
ルミニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油は、前述
の要求の全てを充分に満足するものではない。
添加量を選ぶことによって潤滑性を制御していたが、こ
のような乳化剤を使用した熱間圧延油においては、潤滑
性と乳化安定性とは相反する傾向を示し、両性能を共に
満足させることはできない。即ち、従来の圧延油では潤
滑性を増すと、乳化安定性は低下し、その結果潤滑性の
経時安定性が低下するため、板表面の品質安定性が問題
となる一方、乳化安定性を増すと、充分な潤滑性は得ら
れず、その結果板表面に種々の欠陥を発生するという問
題点がある。
乳化安定性を両立させるために、例えば、特公昭62−
14599号公報にみられる圧延油組成物が提案されて
いる。この圧延油組成物においては、潤滑性及び乳化安
定性は確かに両立し、それなりに従来技術にない利点を
備えているが、得られる圧延板の表面品質は必ずしも充
分ではない。
0795号公報が提案されている。しかし、これは本質
的には特公昭62−14599号公報に記載の技術と同
質であり、その選択範囲の中から、潤滑性を犠牲にした
上で表面品質性を向上させたものである。このように、
従来の潤滑油では、アルミニウム圧延における大量生産
化と高品質指向に対応することが困難である。
ウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油が有する問題点
を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の潤滑油成分
を特定の単量体の共重合物の有機酸塩を使用して水中に
乳化分散させることにより、潤滑性、乳化安定性及び板
表面品質性を同時に満足しつつ、長期使用時の熱劣化に
よる性能低下の問題が改善されることを見いだし、先に
特許出願した(特開平7−150189号公報)。
又はアルミニウム合金板の熱間圧延においては、アルミ
ニウム又はアルミニウム合金板自体から発生する金属粉
及び圧延機のロールから発生する金属粉が圧延油に混入
し、これらの金属粉のうちで比較的大きな金属粉が混入
すると、圧延時にアルミニウム又はアルミニウム合金板
に押し込み疵が発生する。従って、熱間圧延油から直接
押し込み疵を発生させる程の大きさの金属粉を除去すれ
ば、良好な熱間圧延板が得られるはずである。しかし、
特開平7−150189公報に開示された熱間圧延油を
使用して圧延した場合、この比較的粒径が大きな金属粉
を除去しても、必ずしも良好な表面性状を有したアルミ
ニウム又はアルミニウム合金熱間圧延板を定常的に得る
ことはできない。
のであって、水溶液中に油を平均粒径で5乃至15μm
に分散させる水分散型圧延油を使用するアルミニウム又
はアルミニウム合金板の圧延方法において、良好な表面
性状を定常的に得ることができるアルミニウム又はアル
ミニウム合金板の圧延方法を提供することを目的とす
る。
るアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法は、
水分散型熱間圧延油組成物を循環使用してアルミニウム
又はアルミニウム合金板を熱間圧延する方法において、
前記熱間圧延油組成物は、水溶液中に油を平均粒径で5
乃至15μmに分散させた水分散型圧延油であり、この
水分散型圧延油中に含まれる平均粒径0.1μm以下の
金属粉を4000ppm以下に規制することを特徴とす
る。
はアルミニウム合金板の圧延装置は、熱間圧延油を水溶
液中に平均粒径で5乃至15μmに分散させた水分散型
圧延熱間油を循環使用してアルミニウム又はアルミニウ
ム合金板を熱間圧延する装置において、圧延後の圧延油
を受ける第1タンクと、前記第1タンクに溜められた油
の上部に浮上するスカムを除去するスカム除去手段と、
スカム除去後の圧延油をフィルタリングして平均粒径
0.1μm以下の金属粉を4000ppm以下に規制し
て熱間圧延に供給するフィルタとを有することを特徴と
する。
7−150189号公報に開示された発明に係るもので
あり、水溶液中に油を平均粒径で5乃至15μmに分散
させる潤滑油の使用に際して、水分散型熱間圧延油に含
まれる金属粉の平均粒径0.1μm以下の金属粉を40
00ppm以下に規制すると共に、この値に制御する圧
延装置を備えることにより、熱間圧延後アルミニウム又
はアルミニウム合金板の良好な表面性状を得ることがで
きる。
10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール
類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は
2種以上の化合物:3乃至30質量%、 (c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至1
8であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又
はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:0.
5乃至10質量%、 (d)下記一般式(1)
水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0又
は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表される
単量体の1種以上と(メタ)アクリルアミド及び/又は
(メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分子
量が10,000乃至1,000,000の範囲にある
高分子化合物の一般式(2)
シアルキル基、カルボキシアルキル基又はカルボキシル
基を示す)で表される有機酸塩:0.1乃至10質量%
を含有する組成を有する。各含有量は、圧延油組成物あ
たりの質量%であり、残部は前記鉱物油である。
圧延において、アルミニウム又はアルミニウム合金板自
体から発生する金属粉及び圧延機のロールから発生する
金属粉が圧延油に混入される。この混入した金属粉のう
ち、大きな金属粉については押し込み疵等の原因となる
ので、一般的にスカムの除去と共に除去される。従っ
て、圧延時の板表面の疵は、ある程度大きな金属粉のみ
を除去することにより防止される。しかし、水分散型の
油においては直接押し込み疵の原因とならない微小な平
均粒径0.1μm以下の金属粉も板表面性状に大きく影
響してくる。即ち、平均粒径0.1μm以下の金属粉が
4000ppmより多く含まれる場合、均一分散されて
いる油に金属粉がとりかこまれて油の粘度が上昇する。
この結果、油の粒径を規定の5乃至15μmに保持して
も圧延油の油切れ性が低下し、油残り模様等の表面欠陥
が発生する原因となっている。
った結果、平均粒径0.1μm以下の金属粉を4000
ppm以下に管理することにより、粘度の上昇を防止で
き、また油切れ性が低下しない良好な表面性状の圧延板
を得ることができることを見出した。
面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例
に係るアルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延装置
を示す模式図である。アルミニウム又はアルミニウム合
金板は熱間圧延機3により熱間圧延される。この圧延時
に使用された使用済みの熱間圧延油は、圧延後に配管9
aを介して一旦第1タンク4に回収され、貯留される。
この第1タンク4の上部には、スカム除去装置1が設置
されている。このスカム除去装置1は第1タンク4に貯
留された油の上部に比重の差により浮いてきたスカムを
ベルト状の金属帯を上下方向に連続回転させることによ
り第1タンク4から除去する。この除去されたスカムは
ドレンタンク2に溜められた後に廃棄される。なお、第
1タンク4内の金属粉もスカムと共に、上昇し、ベルト
により粗除去される。
は第1タンク4の底部に設けられた排出口から配管9b
を介して圧送ポンプ7により第2タンク5に送給され
る。配管9bには圧送ポンプ7の下流側にフィルタ6が
設けられている。このフィルタ6は微粒の金属粉を除去
し、平均粒径0.1μm以下の金属粉を4000ppm
以下に規制する。このように、金属粉の粒径及び量がフ
ィルタ6により最終調整された後、熱間圧延油は第2タ
ンク5に貯留される。そして、第2タンク5内の熱間圧
延油は配管9cを介して圧送ポンプ8により圧延機3に
供給される。このようにして、熱間圧延油は圧延機3
と、第1タンク4及び第2タンク5との間を循環され、
その間に清浄化される。
は、熱間圧延機3にて熱間圧延に供された使用済みの圧
延油は第1タンク4に返戻され、この第1タンク4内
で、圧延機3から持ち込まれた金属粉のうち、圧延板に
押し込み疵を発生させるような比較的大粒のものがスカ
ム除去装置1により除去される。即ち、このような大粒
の金属粉は比重差により油中を浮上するスカムに伴って
浮上するので、スカムと共にスカム除去装置1により除
去される。次いで、この圧延油は第2タンク5に送給さ
れ、この過程でフィルタ6により比較的微粒の金属粉が
除去される。このフィルタ6により第2タンク5内の熱
間圧延油中の金属粉は平均粒径が0.1μm以下のもの
が4000ppm以下になる。従って、本実施例におい
ては、平均粒径が0.1μm以下の金属粉が4000p
pm以下となるように規制された圧延油により熱間圧延
される。
因とならないような微小な金属粉に着目し、平均粒径が
0.1μm以下のものが4000ppm以下になるよう
に圧延油を清浄化するので、圧延油の粘度の上昇が回避
される。このため、圧延油の粒径を5乃至15μmに保
持すれば圧延油の油切れ性が優れたものとなり、良好な
表面性状の圧延板を得ることができる。
ニウム又はアルミニウム合金用熱間圧延油組成物を使用
して熱間圧延すると、5μm未満の平均油粒径では板へ
の油付着量が不足し、焼き付きが発生する。一方、15
μmを超える以上の平均油粒径では板への油付着量が過
剰になり、油残り模様が発生する。また、15μmを超
える平均油粒径では圧延潤滑安定性も損なわれる。この
ため、本発明においては、平均油粒径を、5乃至15μ
mにする。
合物の投入量の調節及び圧延油タンクでの新油交換量の
調節で、油粒径を5乃至15μmの範囲に制御すること
により、適度な粘度が得られ、鉱物油を基油として脂肪
酸、油脂、脂肪酸エステル等の油性向上剤、極圧剤、防
錆剤、酸化防止剤を配合し、これを主に陰イオン性界面
活性剤で乳化し、通常3乃至10%濃度のエマルション
と同様な油粒径(1乃至3μm)で発生した潤滑不足に
よる焼き付きも無く、長期使用時の油劣化による板表面
の圧延油切り性の悪化も無い安定した圧延が可能にな
る。
上部に取付ける。第1タンク4の中部又は下部に取付け
ると、油が撹拌されるためスカムに随伴する金属粉の浮
上が阻害されるからである。一方、スカム除去装置1は
ベルト状の金属帯でスカムを掻き出す機構のものが好ま
しい。このベルト型のものは、油を撹拌することがな
く、またスカムの除去効率も優れている。また、フィル
タ6はカートリッジ式でもよいが、圧延を連続的に操業
する場合において、フィルタ交換の手間を考慮して連続
的にフィルタ布(紙)を供給できる構造のものが望まし
い。
ミニウム合金用熱間圧延油組成物について詳細に説明す
る。
成分である鉱物油としては、例えばスピンドル油、マシ
ン油、タービン油、シリンダー油、ニュートラル油等が
挙げられるが、耐熱性及び潤滑性の点から、パラフィン
系鉱物油がより好ましい。鉱物油の粘度は80cSt
(40℃)以下であることが必要であり、80cStを
超えると板表面の品質が低下してしまう。この(a)成
分は基油であり、その配合量は特に制限されないが、3
8〜96.4質量%、特に60〜85質量%が好まし
い。
脂、豚脂、ナタネ油、ヒマシ油、パーム油、ヤシ油等の
動植物油脂が挙げられる。炭素数10〜22の脂肪酸と
しては、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソ
ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸等が挙げられる。
脂肪酸モノエステルとしては、炭素数10〜22の脂肪
酸と炭素数1〜22の脂肪族1価アルコール、エチレン
グリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリ
トール、グリセリン等とのモノエステル、より具体的に
はカプリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸
ラウレート、エルカ酸2−エチルヘキシル、ペンタエリ
スリトールモノオレート、グリセリンモノオレート等が
挙げられる。これらの(b)成分は油性向上剤として作
用するものであり、単独で又は2種以上を組み合わせて
使用することができる。またその添加量は3〜30質量
%、より好ましくは10〜25質量%であり、3質量%
未満では潤滑性が低下し、30質量%を超えると板表面
の品質が低下する。また、油脂を配合する場合は、油脂
の添加量は20質量%までとするのがより好ましい。
ニルリン酸エステル又はアルキル若しくはアルケニル亜
リン酸エステルは、アルキル又はアルケニル基の炭素数
が4〜18のものであり、その具体例としてジブチルホ
スフェート、モノオクチルホスフェート、トリオレイル
ホスフェート、トリブチルホスファイト、ジイソオクチ
ルホスファイト、トリオレイルホスファイト等が挙げら
れる。モノ−、ジ−、又はトリエステルのうち、特にモ
ノ−、ジエステルであるアルキル若しくはアルケニルア
シッドホスフェート又はアルキル若しくはアルケニルア
シッドホスファイトが好ましい。この添加量は0.5〜
10質量%、より好ましくは1〜5質量%であり、0.
5質量%未満では板表面の品質の向上はなく、10質量
%を超える添加では、増量による板表面の品質の向上は
期待できない。
式(1)の単量体と(メタ)アクリルアミドとの共重合
体、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリル酸塩との
共重合体、一般式(1)の単量体(メタ)アクリルアミ
ドと(メタ)アクリル酸塩との共重合体等が挙げられ
る。このうち、一般式(1)の単量体と(メタ)アクリ
ルアミドと(メタ)アクリル酸塩とのモル比は、50〜
90:0〜20:10〜50が特に好ましい。
は、m=1のものとしてジメチルアミノエチルアクリル
アミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジエ
チルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチ
ルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリ
ルアミド、ジエチルアミノメチルメタクリルアミド等が
m=0のものとして、アリルアミン、ジメチルアミノメ
チルエチレン、ジエチルアミノメチルエチレン、ジメチ
ルアミノメチルプロペン、ジエチルアミノメチルプロぺ
ン等が挙げられるが、このうちm=1のものが特に好ま
しい。また、特に好ましい単量体(1)の具体例として
は、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミドが挙げられる。
アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム等
の(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩、(メタ)アクリ
ル酸モノエタノールアミン塩、(メタ)アクリル酸ジエ
タノールアミン塩、(メタ)アクリル酸トリエタノール
アミン塩等の(メタ)酸有機アミン塩が挙げられる。
子量が10,000〜1,000,000の範囲にある
ことが必要であり、平均分子量がこの範囲に満たないと
乳化安定性が劣り、この範囲を超えると高分子化合物自
体の安定性が劣ったり、高粘度となって取り扱いが困難
となるため好ましくない。より好ましい平均分子量は3
0,000〜300,000である。
ける必須の有機酸を示す一般式(2)中、R4としては
炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のヒドロキシ
アルキル基、アルキル部の炭素数が1〜5のカルボキシ
アルキル基及びカルボキシル基が挙げられ、このうち炭
素数1〜5のヒドロキシアルキル基が特に好ましい。R
4COO-の具体例としては、酢酸イオン、プロピオン酸
イオン、酪酸イオン、吉草酸イオン、カプロン酸イオ
ン、グリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒドロアクリル
酸イオン、シュウ酸イオン、マロン酸イオン、コハク酸
イオン、グルタル酸イオン、アジピン酸イオン等が挙げ
られるが、特にグリコール酸イオン、乳酸イオン、ヒド
ロアクリル酸イオンが好ましい。
(1)の単量体を重合し、その後一般式(2)の有機酸
で中和するのが好ましいが、一般式(1)の単量体を一
般式(2)の有機酸で予め中和したものを使用して重合
させてもよい。例えば、ジメチルアミノプロピルメタク
リルアミドのグリコール酸中和物を他の共重合単量体と
重合することによって(d)成分を得ることもできる。
2種以上を組み合わせて使用することができ、熱間圧延
油組成物全量に対して0.1〜10質量%、好ましくは
0.5〜5質量%になるように配合される。10質量%
を超える場合は、耐圧荷重性能が小さくなって耐焼付き
性の低下を招き、好ましくない。
金用熱間圧延油組成物には、上記成分の他に必要に応じ
て公知の添加剤、例えば防錆・防食剤、酸化防止剤及び
初期乳化性を向上させるための乳化剤等を添加すること
もできる。
コハク酸及びその誘導体、オレイン酸等の脂肪酸、ソル
ビタンモノオレート等のエステル、その他のアミン類等
を用いることができ、これらは圧延油組成物全量に対し
て2質量%まで添加することができる。
−ジtert−ブチル−p−クレゾール等のフェノール
系化合物、フェニル−α−ナフチルアミン等の芳香族ア
ミン等を用いることができる。これらは圧延油組成物全
量に対して5質量%まで添加することができる。
トリエタノールアミン塩、石油スルホネートナトリウム
塩等の陰イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンノニ
ルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤等を用い
ることができ、これらは圧延油組成物全量に対して2質
量%まで添加することができる。
金用熱間圧延油組成物を使用するに際しては、該組成物
を水で希釈する。この際の希釈割合は特に限定されない
が、通常該組成物濃度が1〜30質量%となるようにす
ることが好ましい。
分子化合物等の持つ電気的凝集効果、立体障害効果、保
護コロイド効果、高耐熱性能により、適度な粒径を持
ち、熱間圧延のような過酷な使用条件下においてもその
均一な乳化分散性及び粒径分布を長期間安定に保つこと
ができるため、初期の良好な圧延潤滑性を長期間維持で
きる。また、(b)成分の油性向上剤のロールコーティ
ング制御効果及び(d)成分の高分子化合物の持つ均一
濡れ効果により、ロールコーティングが均一で薄いもの
になるため、均一で欠陥の少ない板表面が得られる。
と比較して具体的に説明する。下記式にて示すカチオン
系高分子化合物を混合した熱間圧延油組成物を使用し
て、入側板厚;30mm、板幅;2000mmのアルミ
ニウムコイル(JIS3003相当)を4段圧延機(ワ
ークロール径;725mm、ワークロールバレル長;2
900mm、バックアップロール径;1530mm、バ
ックアップバレル長;2900mm)の圧延4スタンド
タンデムを使用して圧延した。
下率;30乃至60%、材料温度;300℃である。
物を濃度2容積%で調整し、熱間圧延油を作成した。な
お、圧延油の粒径は約7乃至10μmとした。 (a)成分;パラフィン系鉱物油(30cSt/40℃) 69.5質量% (b)成分;オレイン酸 20.0質量% (c)成分;オレイル酸ラウリル 5.0質量% (d)成分;ジブチルホスフェート 2.5質量% (e)成分;高分子分散剤 [ジエチルアミノプロピルアクリルアミド /アクリルアミド /アクリル酸カリウム=70/10/20の 共重合物のコハク酸 中和物(Mw=30万)]1.0質量% その他 ;酸化防止剤 1.0質量% 防錆・防食剤 1.0質量% 計100.0質量%。
機の圧延油をサンプリングして赤外線の吸光法によって
圧延油中の金属粉量を測定し、金属粉が少ない場合には
金属粉(鉄とアルミニウムの混合)の添加によって調整
した。また、アルミニウム圧延後の板表面性状を目視に
より観察を行った。
粉量及び金属粉の添加量に対応する圧延後の表面性状に
ついて調べた結果を、下記表1に示した。なお、表1に
おける表面欠陥は、油残り模様等が発生しなかった場合
を○、油残り模様等が発生した場合を×とした。
乃至3は熱間圧延油中に平均粒径0.1μm以下の金属
粉が4000ppm以下であったため、油残り模様等の
表面欠陥は生じなかった。また、圧延時の噛み込み不良
の発生も無く、圧延性は良好であった。一方、比較例4
及び5は熱間圧延油中に金属粉が4000ppm超であ
ったので、圧延後の板表面に油残り模様等が発生し、圧
延時にロールの噛み込み不良が発生した。
圧延油を使用するに際して、水分散型熱間圧延油中に含
まれる金属粉のうちの微粉末の量を規制するので、圧延
時の噛み込み不良又は油残り模様等の発生はなく、優れ
た板表面性状を得ることができる。
ウム合金板の圧延方法及びその装置によれば、水分散型
圧延油を使用するに際して、水分散型熱間圧延油に含ま
れる金属粉のうち、平均粒径0.1μm以下の微小な金
属粉を4000ppm以下に規制したので、圧延時の噛
み込み不良又は油残り模様等の発生がなく、優れた板表
面性状を安定して得ることができる。また、これによ
り、アルミニウム又はアルミニウム合金板の安定した圧
延が可能となる。
ミニウム合金板の圧延装置を示す模式図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)粘度80cSt(40℃)以下の
鉱物油に、 (b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂、及び炭素数
10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール
類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は
2種以上の化合物:圧延油組成物の3乃至30質量%、 (c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至1
8であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又
はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:圧延
油組成物の0.5乃至10質量%、 (d)下記一般式 (式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3
は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0
又は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表され
る単量体の1種以上と(メタ)アクリルアミド及び/又
は(メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分
子量が10,000乃至1,000,000の範囲にあ
る高分子化合物の一般式R4COOH(式中、R4は炭
素数1乃至5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カ
ルボキシアルキル基又はカルボキシル基を示す)で表さ
れる有機酸塩:圧延油組成物の0.1乃至10質量%を
含有し、残部が前記鉱物油である水分散型熱間圧延油組
成物を循環使用してアルミニウム又はアルミニウム合金
板を熱間圧延する方法において、前記熱間圧延油組成物
は、水溶液中に油を平均粒径で5乃至15μmに分散さ
せた水分散型圧延油であり、この水分散型圧延油中に含
まれる平均粒径0.1μm以下の金属粉を4000pp
m以下に規制することを特徴とするアルミニウム又はア
ルミニウム合金板の圧延方法。 - 【請求項2】 (a)粘度80cSt(40℃)以下の
鉱物油に、 (b)炭素数10乃至22の脂肪酸、油脂、及び炭素数
10乃至22の脂肪酸と炭素数1乃至22のアルコール
類とのモノエステルからなる群から選択された1種又は
2種以上の化合物:圧延油組成物の3乃至30質量%、 (c)アルキル基又はアルケニル基の炭素数が4乃至1
8であるアルキル若しくはアルケニルリン酸エステル又
はアルキル若しくはアルケニル亜リン酸エステル:圧延
油組成物の0.5乃至10質量%、 (d)下記一般式 (式中、R1は水素原子又はメチル基を、R2及びR3
は水素原子又は炭素数1乃至3のアルキル基を、mは0
又は1の整数を、nは1乃至3の整数を示す)で表され
る単量体の1種以上と(メタ)アクリルアミド及び/又
は(メタ)アクリル酸塩との共重合物であって、平均分
子量が10,000乃至1,000,000の範囲にあ
る高分子化合物の一般式R4COOH(式中、R4は炭
素数1乃至5のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、カ
ルボキシアルキル基又はカルボキシル基を示す)で表さ
れる有機酸塩:圧延油組成物の0.1乃至10質量%を
含有し、残部が前記鉱物油である熱間圧延油を水溶液中
に平均粒径で5乃至15μmに分散させた水分散型熱間
圧延油を循環使用してアルミニウム又はアルミニウム合
金板を熱間圧延する装置において、圧延後の圧延油を受
ける第1タンクと、前記第1タンクに溜められた油の上
部に浮上するスカムを除去するスカム除去手段と、スカ
ム除去後の圧延油をフィルタリングして平均粒径0.1
μm以下の金属粉を4000ppm以下に規制して熱間
圧延に供給するフィルタとを有することを特徴とするア
ルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延装置。
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---|---|---|---|
JP34193296A JP3370879B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法及び装置 |
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JP34193296A JP3370879B2 (ja) | 1996-12-20 | 1996-12-20 | アルミニウム又はアルミニウム合金板の圧延方法及び装置 |
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JPH10183157A JPH10183157A (ja) | 1998-07-14 |
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-
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- 1996-12-20 JP JP34193296A patent/JP3370879B2/ja not_active Expired - Lifetime
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