JP3071264B2 - アルミニウム用水分散性冷間圧延油及びその供給方法 - Google Patents

アルミニウム用水分散性冷間圧延油及びその供給方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム及びアル
ミニウム合金(以下、単にアルミニウムという)の圧延
における圧延油に関し、特に潤滑性が非水系圧延油より
優れ、しかも圧延後の板材を焼鈍した際にオイルステン
の発生しない水溶性冷間圧延油及びその供給方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来アルミニウムの冷間圧延には、非水
系の圧延油が使用されてきた。この圧延油は、40℃にお
ける粘度が 3〜4cstの精製鉱油を基油として、これに油
性剤としてラウリルアルコールを混合したものである。
【0003】これは光沢のよい板を得ることができる点
で優れているが、冷却能が水系圧延油に比べると低いた
め、高速、高圧下圧延ではロールや板の温度上昇が著し
く、板の形状制御が困難となり、かつ火災の発生の危険
もあるという欠点がある。
【0004】そこで上記欠点を解消するため、水溶性圧
延油及びその使用技術の開発が行われ、90〜98wt%の水
に鉱油、アルコキシアルキル・エステルを含有する潤滑
剤(特開昭62−172095)、60〜95wt%の水にHLB3〜5
の乳化剤、鉱油、カルボン酸などを含有する潤滑剤(特
開昭60−248797)、85〜90wt%の水に鉱油、脂肪酸グリ
コールエステル、ポリイソブチレンなどを含有する潤滑
剤(特開昭50−67304)などが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭62−172095
の発明は、潤滑剤組成の主成分は鉱油であり、冷間圧延
用としては40℃で3〜5cstの軽質鉱油が望ましいとして
いる。
【0006】確かに40℃で5cst以上の粘度を有する鉱油
を用いた潤滑剤でアルミニウムを圧延し、その圧延材を
330℃以下の温度で焼鈍すると、潤滑剤の燃焼残渣が材
料表面に残り、オイルステインを発生させてしまう。
【0007】したがって、40℃で5cst以下の鉱油を用い
なければならないが、その場合は同一粘度の鉱油を用い
た非水系の潤滑剤に比べ、著しく潤滑性が悪く、水溶化
した特徴が失われてしまう。
【0008】すなわち、特開昭62−172095の発明の潤滑
剤は同一粘度レベルの非水系潤滑油に比べ潤滑性が著し
く悪いという欠点がある。
【0009】特開昭60−248797では、C数12〜18の脂肪
酸とソルビタンエステルを含有する潤滑剤をW/Oある
いはW/O/Wエマルジョンとしてアルミニウムの圧延
潤滑に使用するとしているが、C数12〜18の脂肪酸やソ
ルビタンエステルにはウオーターステイン防止効果があ
るが、オイルステイン発生を助長することは広く知られ
ているので、アルミニウム圧延油添加剤としては適当で
ない。
【0010】また、特開昭50−67304では全般的に分子
量の大きい物質を多用しているため、オイルステインの
発生が懸念されるが、特にリン酸エステル塩は防錆(ウ
オーターステイン防止)には効果が大きいがオイルステ
インの発生を助長するので、アルミニウム冷間圧延油添
加剤としては適当でない。
【0011】また、増粘剤としてポリイソブチレンが使
用されているが、分子量が350〜800と大きいためオイル
ステインの原因となろう。
【0012】そこで本発明の目的は、潤滑性が非水系圧
延油より優れ、しかも圧延後の板材を焼鈍した際にオイ
ルステインの発生のない水分散性冷間圧延油及びその供
給方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、分子量
200〜330のポリプロピレン、ポリイソブチレン及びポリ
ブテンの少なくとも一種以上からなる基油80〜95wt%に
下記(a)〜(f)に示す油性剤の一種以上 5〜20wt%を添加
したことを特徴とするアルミニウム用水分散性冷間圧延
油を第一の発明とし、 (a) 一般式 R2COO(Cm2mO)n1で表されるア
ルコキシアルキルエステル ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R2=C数9〜21のアルキル基 R1=C数 1〜 6のアルキル基 (b) 下記一般式で表されるネオペンチルグリコール誘導
体 (b-1) 一般式(CH32C(CH2OCOR3)CH2
H (b-2) 一般式(CH32C[CH2O(Cm2mO)n
OR42 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R3、R4=C数1〜9のアルキル基 (c) 下記一般式で表されるグリセリン誘導体 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R5、R6、R7、R8、R9=C数1〜9のアルキル基 (d) 下記一般式で表されるトリメチロールプロパン誘導
体 (d-1) 一般式 C25C(CH2OCOR102CH2
H (d-2) 一般式 C25C[CH2O(Cm2mO)nCO
113 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R10、R11=C数1〜9のアルキル基 (e) 下記一般式で表される高級アルコール誘導体 一般式 R12O(Cm2mO)nH ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R12=C数10〜22のアルキル基 (f) 下記一般式で表されるオキシモノ又はジカルボン酸
エステル (f-1) 一般式 CH3CH(OH)COOR13で表され
る乳酸エステル (f-2) 一般式 C64(OH)COOR14で表されるサ
リチル酸エステル (f-3) 一般式 C62(OH)3COOR15で表される
没食子酸エステル (f-4) 一般式 C23(OH)(COOR162で表さ
れるリンゴ酸エステル (f-5) 一般式 C22(OH)2(COOR172で表さ
れる酒石酸エステル ここに R13、R14、R15、R16、R17=C数1〜18の
アルキル基、又、前記圧延油を 5〜20%濃度の水性エマ
ルジョンとしたアルミニウム用冷間圧延油を第二の発明
とし、さらに前記圧延油を圧延ロール入側直前で水に圧
入し、濃度が 3〜20%になるよう混合し、更に必要に応
じスタティックミキサーを経てノズルより圧延ロールに
供給する工程と圧延潤滑に供された圧延油と水との混合
物を遠心分離機あるいは繊維膜分離機からなる油水分離
する工程、及び油水分離された圧延油と水とを別個に瀘
過し、再使用する工程からなるアルミニウム用冷間圧延
油の供給方法を第三の発明とするものである。
【0014】次に、本発明の第一及び第二発明において
使用する各構成材料について説明する。
【0015】ポリプロピレン、ポリイソブチレン及びポ
リブテン アルミニウム冷間圧延油の基油として、これら物質は分
子量200〜330であることが望ましい。分子量 200未満の
物質では粘度が低すぎ、潤滑性が不足する。分子量が 3
30を越える物質ではオイルステインが発生するので使用
することができない。
【0016】なお、これらオリゴマーは水素添加してい
ないものが望ましいが、水素添加したものでも構わな
い。
【0017】アルコキシアルキルエステル(a) このタイプのエステルは優れた油性剤として機能すると
ともに弱い自己乳化性を有するので水分散性冷間圧延油
の添加剤として好適である。
【0018】添加量が 5wt%未満では潤滑性が不足し、
20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオイルステ
インが発生して好ましくない。
【0019】式(a)で示されるエステルとしては、例え
ばカプリン酸2−メトキシエチル、カプリン酸2−ブト
キシエチル、カプリン酸2−ヘキシルオキシエチル、パ
ルミチン酸2−メトキシエチル、パルミチン酸2−ブト
キシエチル、パルミチン酸2−ヘキシルオキシエチル、
ベヘン酸2−メトキシエチル、ベヘン酸2−ブトキシエ
チル、ベヘン酸2−ヘキシルオキシエチル、カプリン酸
2−(2メトキシエトキシ)エチル、カプリン酸2−
(2ブトキシエトキシ)エチル、カプリン酸2−(2ヘ
キシルオキシエトキシ)エチル、パルミチン酸2−(2
メトキシエトキシ)エチル、パルミチン酸2−(2ブト
キシエトキシ)エチル、パルミチン酸2−(2ヘキシル
オキシエトキシ)エチル、ベヘン酸2−(2メトキシエ
トキシ)エチル、ベヘン酸2−(2ブトキシエトキシ)
エチル、ベヘン酸2−(2ヘキシルオキシエトキシ)エ
チル、等が挙げられる。
【0020】なお、これらエステルの酸及びアルコール
の炭化水素基は直鎖炭化水素でも、側鎖をもった炭化水
素のいずれでもよい。
【0021】上記一般式において、R1、R2のC数が、
それぞれ前記した下限より小さいと潤滑性が悪くなり、
上限より大きくなるとオイルステインが発生する。ま
た、m、nともに上限より大きいとオイルステインが発
生する。
【0022】ネオペンチルグリコール誘導体(b) 一般式(b-1)、(b-2)で示されるこれら化合物は優れた油
性剤として機能する。特に一般式(b-2) で示される化合
物は自己乳化性も有するので水分散性冷間圧延油の添加
剤として好適である。
【0023】添加量が 5wt%未満では潤滑性が不足し、
20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオイルステ
インが発生し好ましくない。
【0024】一般式(b-1)、(b-2)で示されるエステルと
しては例えばネオペンチルグリコ−ルモノ酢酸エステ
ル、ネオペンチルグリコ−ルモノカプロン酸エステル、
ネオペンチルグリコ−ルモノカプリン酸エステル、ネオ
ペンチルグリコ−ルエチレンオキサイド2モル付加物ジ
酢酸エステル、ネオペンチルグリコ−ルエチレンオキサ
イド2モル付加物ジカプロン酸エステル、ネオペンチル
グリコ−ルエチレンオキサイド2モル付加物ジカプリン
酸エステル、ネオペンチルグリコ−ルエチレンオキサイ
ド4モル付加物ジ酢酸エステル、ネオペンチルグリコ−
ルエチレンオキサイド4モル付加物ジカプロン酸エステ
ル、ネオペンチルグリコ−ルエチレンオキサイド4モル
付加物ジカプリン酸エステル等が挙げられる。
【0025】なお、これらエステルの酸の炭化水素基は
直鎖炭化水素でも、側鎖をもった炭化水素いずれでもよ
い。
【0026】R3、R4のC数が上限より大きいとオイル
ステインが発生する。また、m、nともに上限より大き
いとオイルステインが発生する。
【0027】グリセリン誘導体(c) 一般式(c-1)、(c-2)で示されるこれら化合物は優れた油
性剤として機能する。特に一般式(c-2) で示される化合
物は自己乳化性も有するので水分散性冷間圧延油の添加
剤として好適である。
【0028】添加量が 5wt%未満では潤滑性が不足し、
20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオイルステ
インが発生して好ましくない。
【0029】一般式(c-1)、(c-2)で示されるエステルと
しては例えば、グリセリンジ酢酸エステル、グリセリン
ジカプロン酸エステル、グリセリンジカプリン酸エステ
ル、グリセリンエチレンオキサイド3モル付加物トリ酢
酸エステル、グリセリンエチレンオキサイド3モル付加
物トリカプロン酸エステル、グリセリンエチレンオキサ
イド3モル付加物トリカプリン酸エステル、グリセリン
エチレンオキサイド6モル付加物トリ酢酸エステル、グ
リセリンエチレンオキサイド6モル付加物トリカプロン
酸エステル、グリセリンエチレンオキサイド6モル付加
物トリカプリン酸エステル、等が挙げられる。
【0030】なお、これらエステルの酸の炭化水素基は
直鎖炭化水素でも側鎖をもった炭化水素いずれでもよ
い。
【0031】R5〜R9のC数が上限より大きいとオイル
ステインが発生する。また、m、nともに上限より大き
いとオイルステインが発生する。
【0032】トリメチロールプロパン誘導体(d) 一般式(d-1)、(d-2)で示されるこれら化合物は優れた油
性剤として機能する。特に一般式(d-2) で示される化合
物は自己乳化性も有するので水分散性冷間圧延油の添加
剤として好適である。
【0033】添加量が 5wt%未満では潤滑性が不足し、
20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオイルステ
インが発生して好ましくない。
【0034】一般式(d-1)、(d-2)で示されるエステルと
しては例えば、トリメチロ−ルプロパンジ酢酸エステ
ル、トリメチロ−ルプロパンジカプロン酸エステル、ト
リメチロ−ルプロパンジカプリン酸エステル、トリメチ
ロ−ルプロパンエチレンオキサイド3モル付加物トリ酢
酸エステル、トリメチロ−ルプロパンエチレンオキサイ
ド3モル付加物トリカプロン酸エステル、トリメチロ−
ルプロパンエチレンオキサイド3モル付加物トリカプリ
ン酸エステル、トリメチロ−ルプロパンエチレンオキサ
イド6モル付加物トリ酢酸エステル、トリメチロ−ルプ
ロパンエチレンオキサイド6モル付加物トリカプロン酸
エステル、トリメチロ−ルプロパンエチレンオキサイド
6モル付加物トリカプリン酸エステル、等が挙げられ
る。
【0035】なお、これらエステルの酸の炭化水素基は
直鎖炭化水素でも側鎖をもった炭化水素いずれでもよ
い。
【0036】R10、R11のC数が上限より大きいとオイ
ルステインが発生する。また、m、nともに上限より大
きいとオイルステインが発生する。
【0037】高級アルコ−ル誘導体(e) 一般式(e)で示されるこれら化合物は優れた油性剤とし
て機能し、かつ、自己乳化性も有するので水分散性冷間
圧延油の添加剤として好適である。
【0038】添加量が 5wt%未満では潤滑性が不足し、
20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオイルステ
インが発生して好ましくない。
【0039】一般式(e)で示される化合物としては例え
ば、エチレングリコ−ルモノ−n−デシルエ−テル、エ
チレングリコ−ルモノ−n−セチルエ−テル、エチレン
グリコ−ルモノ−n−ベヘニルエ−テル、ジエチレング
リコ−ル−n−デシルエ−テル、ジエチレングリコ−ル
−n−セチルエ−テル、ジエチレングリコ−ル−n−ベ
ヘニルエ−テル、等が挙げられる。
【0040】なお、これらアルコ−ルの炭化水素基は直
鎖炭化水素でも側鎖をもった炭化水素いずれでもよい。
【0041】R12のC数が下限より小さいと潤滑性が不
足し、上限より大きいとオイルステインが発生する。ま
た、m、nともに上限より大きいとオイルステインが発
生する。
【0042】オキシモノ又はジカルボン酸エステル(f) 一般式(f-1)〜(f-5)で示されるこれら化合物は優れた油
性剤として機能する。添加量が 5wt%未満では潤滑性が
不足し、20wt%を越えると圧延した板を焼鈍したときオ
イルステインが発生して好ましくない。
【0043】一般式(f-1)〜(f-5)で示されるエステルと
しては例えば、りんご酸ジメチル、りんご酸ジトリデシ
ル、りんご酸ジステアリル、等が挙げられる。
【0044】なお、これらエステルのアルコ−ルの炭化
水素基は直鎖炭化水素でも側鎖をもった炭化水素いずれ
でもよい。
【0045】R13〜R17のC数が上限よりも大きいとオ
イルステインが発生する。
【0046】酸化防止剤、防腐剤、防錆剤 本発明の圧延油においては、必要に応じ少量の酸化防止
剤、防腐剤、防錆剤等を添加することができる。
【0047】次に、第二発明の各工程について説明す
る。
【0048】本発明の圧延油供給方法は、図2に模式的
に示される装置により行われる。
【0049】エマルジョンの形成(水と油との混合) 一般にエマルジョンは水と油とを槽の中で撹拌して形成
させるが、本発明の圧延油は乳化剤を積極的には使用し
ていないので、このような方法でエマルジョンを形成さ
せることはできない。
【0050】そこで工夫されたのが図1に示すような混
合器を用い、圧送されている水に油を圧入してエマルジ
ョンを形成させる方法である。
【0051】その場合、圧送される水の圧力は2Kgf/cm2
以上、圧入される油の圧力は水の圧力よりも2Kgf/cm2
上高くすることによって得られる。
【0052】特許請求の範囲1項記載のアルミニウム用
水分散性冷間圧延油をこのような方法で3〜20%のエマ
ルジョンとした場合のエマルジョン平均粒径は3〜30μ
mで圧延潤滑に好適な乳化状態であった。
【0053】なお、やや粒径の小さなエマルジョンを形
成させたい場合には、水と油とを混合した後にスタティ
ックミキサーを挿入することが効果的である。
【0054】油水分離工程 後述する油の瀘過設備で微細な摩耗粉を除去するために
珪藻土と活性白土との混合物を瀘過助剤として使用する
ことが好ましいが、そのためには油中の水分量を200ppm
以下にする油水分離工程が必要となる。
【0055】油水分離の手段としては遠心分離機あるい
は繊維膜分離機が能率的でしかも油水分離後の油中水分
を200ppm以下にするために好適である。
【0056】遠心分離機は遠心効果100〜4000Gを得ら
れるものであればよい。
【0057】また、繊維膜分離機は繊維の孔径1〜50μ
mのものを使用するのが好ましい。 瀘過工程 分離された油中には微細な摩耗粉が含まれているので珪
藻土と活性白土を瀘過助剤とした精密瀘過を行う。
【0058】分離された水中には少量の油分と比較的大
きな金属粉が含まれているので珪藻土を瀘過助剤とした
瀘過あるいはペーパーフィルターによる瀘過を行えばよ
い。
【0059】
【実施例】
実施例1 被圧延材として板厚1.2mm、幅70mm、長さ450mmのJIS 50
52アルミニウム合金板材をロ−ル径155mmの圧延機で圧
延速度35m/分で圧下率60%圧延した際の圧延荷重を測定
した。
【0060】圧延潤滑に供したエマルジョンは水圧3Kgf
/cm2、油圧8Kgf/cm2、全流量4l/mimの条件で作った。
【0061】使用ずみのエマルジョンは遠心分離機(遠
心効果1000G)で油と水とに分離したが、分離は瞬時に
行なわれ、分離油中の水分は200ppmであった。
【0062】次に、分離した油は珪藻土と活性白土の混
合物を濾過助剤として用いた濾過を行ない、圧延時に発
生した摩耗粉(Al粉)を除去した後再使用に供した。
【0063】発明例のNo.1〜61はいずれも圧延荷重が20
Ton-f以下であり、焼鈍した際にオイルステインの発生
は見られなかった。
【0064】しかし、比較例のNo.62,64,66,68,8
1,85,87はオリゴマ−の分子量が小さいこと、酸やア
ルコ−ルのC数が小さいこと、エステルの添加量が少な
いこと、あるいはエマルション濃度が低いため潤滑性が
不足し、圧延荷重が23〜25Ton-fと大きくなった。
【0065】比較例のNo.63,65,67,69〜80,82〜8
4,86,88は潤滑性は良好であるが、オリゴマ−の分子
量が大きいこと、エステルの酸あるいはアルコ−ルのC
数が大きいこと、アルキレンオキサイドの付加モル数が
大きいこと、エステルの添加量が多いこと、あるいはエ
マルション濃度が高いためオイルステインの発生が見ら
れた。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】実施例2 実施例1に示した条件で圧延を行なったNo.5圧延油使用
ずみエマルションについて油水分離及び濾過の実験をお
こなった。
【0071】油水分離は遠心分離機及び繊維膜分離機を
用いて行ない、濾過は珪藻土+活性白土を濾過助剤とし
て用いた濾過を行なった。
【0072】表2発明例No.1〜10に示すごとく、遠心力
100〜4000Gの遠心分離及び孔径1〜50μmの繊維膜分離
とも100%の油水分離が短時間で可能であり、かつ分離
後油分中水分は200ppm以下であることが示された。
【0073】また、分離後の油中には100〜120ppmの摩
耗粉が含まれていたが、濾過により10ppm以下に減少さ
せることができた。
【0074】
【表5】
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の圧延油
は、潤滑性が非水系圧延油より優れており、したがって
高速高圧下圧延が可能となり、しかも被圧延材にオイル
ステインを発生させないものである。そしてこの圧延油
を使用する本発明の給油方法は、使用済み圧延油エマル
ジョンを高能率で油水分離でき、微細摩耗粉も精密瀘過
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する圧延油と水とを混合してエマ
ルジョンを形成する混合器の一例を示す説明図。
【図2】本発明の圧延油供給方法を実施するための圧延
油供給装置の説明図。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 129:16 129:74 129:76) C10N 20:04 30:00 30:06 40:24 70:00 (72)発明者 住友 正実 奈良県大和郡山市額田部北町1021 大同 化学工業株式会社奈良生産技術事業所技 術研究所内 (72)発明者 山口 一男 奈良県大和郡山市額田部北町1021 大同 化学工業株式会社奈良生産技術事業所技 術研究所内 (56)参考文献 特開 昭58−187494(JP,A) 特開 平2−225595(JP,A) 特開 昭50−77405(JP,A) 特開 昭60−248797(JP,A) 特開 昭50−67304(JP,A) 特公 昭42−15387(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 173/00 - 173/02 C10M 105/02 - 105/04 C10M 107/02 - 107/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量200〜330のポリプロピレン、ポリ
    イソブチレン及びポリブテンの少なくとも一種以上から
    なる基油80〜95wt%に下記(a)〜(f)に示す油性剤の一種
    以上 5〜20wt%を添加したことを特徴とするアルミニウ
    ム用水分散性冷間圧延油。 (a) 一般式 R2COO(Cm2mO)n1で表されるア
    ルコキシアルキルエステル ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R2=C数9〜21のアルキル基 R1=C数 1〜 6のアルキル基 (b) 下記一般式で表されるネオペンチルグリコール誘導
    体 (b-1) 一般式(CH32C(CH2OCOR3)CH2
    H (b-2) 一般式(CH32C[CH2O(Cm2mO)n
    OR42 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R3、R4=C数1〜9のアルキル基 (c) 下記一般式で表されるグリセリン誘導体 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R5、R6、R7、R8、R9=C数1〜9のアルキル基 (d) 下記一般式で表されるトリメチロールプロパン誘導
    体 (d-1) 一般式 C25C(CH2OCOR102CH2
    H (d-2) 一般式 C25C[CH2O(Cm2mO)nCO
    113 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R10、R11=C数1〜9のアルキル基 (e) 下記一般式で表される高級アルコール誘導体 一般式 R12O(Cm2mO)nH ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R12=C数10〜22のアルキル基 (f) 下記一般式で表されるオキシモノ又はジカルボン酸
    エステル (f-1) 一般式 CH3CH(OH)COOR13で表され
    る乳酸エステル (f-2) 一般式 C64(OH)COOR14で表されるサ
    リチル酸エステル (f-3) 一般式 C62(OH)3COOR15で表される
    没食子酸エステル (f-4) 一般式 C23(OH)(COOR162で表さ
    れるリンゴ酸エステル (f-5) 一般式 C22(OH)2(COOR172で表さ
    れる酒石酸エステル ここに R13、R14、R15、R16、R17=C数1〜18の
    アルキル基
  2. 【請求項2】 分子量200〜330のポリプロピレン、ポリ
    イソブチレン及びポリブテンの少なくとも一種以上から
    なる基油80〜95wt%に下記(a)〜(f)に示す油性剤の一種
    以上 5〜20wt%を添加してなる圧延油を 5〜20%濃度の
    水性エマルジョンとすることを特徴とするアルミニウム
    及びアルミニウム合金用冷間圧延油。 (a) 一般式 R2COO(Cm2mO)n1で表されるア
    ルコキシアルキルエステル ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R2=C数9〜21のアルキル基 R1=C数 1〜 6のアルキル基 (b) 下記一般式で表されるネオペンチルグリコール誘導
    体 (b-1) 一般式(CH32C(CH2OCOR3)CH2
    H (b-2) 一般式(CH32C[CH2O(Cm2mO)n
    OR42 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R3、R4=C数1〜9のアルキル基 (c) 下記一般式で表されるグリセリン誘導体 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R5、R6、R7、R8、R9=C数1〜9のアルキル基 (d) 下記一般式で表されるトリメチロールプロパン誘導
    体 (d-1) 一般式 C25C(CH2OCOR102CH2
    H (d-2) 一般式 C25C[CH2O(Cm2mO)nCO
    113 ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R10、R11=C数1〜9のアルキル基 (e) 下記一般式で表される高級アルコール誘導体 一般式 R12O(Cm2mO)nH ここに m=2〜4の整数 n=1〜3の整数 R12=C数10〜22のアルキル基 (f) 下記一般式で表されるオキシモノ又はジカルボン酸
    エステル (f-1) 一般式 CH3CH(OH)COOR13で表され
    る乳酸エステル (f-2) 一般式 C64(OH)COOR14で表されるサ
    リチル酸エステル (f-3) 一般式 C62(OH)3COOR15で表される
    没食子酸エステル (f-4) 一般式 C23(OH)(COOR162で表さ
    れるリンゴ酸エステル (f-5) 一般式 C22(OH)2(COOR172で表さ
    れる酒石酸エステル ここに R13、R14、R15、R16、R17=C数1〜18の
    アルキル基
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアルミニウム用水分散性
    冷間圧延油を圧延ロール入側直前で水に圧入し、濃度が
    3〜20%になるよう混合し、更に必要に応じスタティッ
    クミキサーを経てノズルより圧延ロールに供給する工程
    と圧延潤滑に供された圧延油と水との混合物を遠心分離
    機あるいは繊維膜分離機からなる油水分離する工程、及
    び油水分離された圧延油と水とを別個に瀘過し、再使用
    する工程からなるアルミニウム用冷間圧延油の供給方
    法。
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