JP3386915B2 - 圧延油剤原液組成物および圧延油剤組成物 - Google Patents

圧延油剤原液組成物および圧延油剤組成物

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JP3386915B2 JP08497195A JP8497195A JP3386915B2 JP 3386915 B2 JP3386915 B2 JP 3386915B2 JP 08497195 A JP08497195 A JP 08497195A JP 8497195 A JP8497195 A JP 8497195A JP 3386915 B2 JP3386915 B2 JP 3386915B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アルミニウム、銅およ
びそれらの合金、さらにはステンレス鋼などを圧延加工
する際に使用されるエマルション型圧延油剤と、水で希
釈することによってエマルション型圧延油剤となる圧延
油剤原液に関する。
【0002】
【従来の技術】回転するロールの間に金属材料を通して
材料の厚みを減少させる圧延加工は、熱間圧延と冷間圧
延とに大別されるが、いずれの場合にも、ロールと金属
材料との摩擦力を減少させ、ロール等を冷却してロール
の熱変形を少なくするために、圧延油剤が使用されてい
る。最近の圧延加工では、特に冷間圧延加工では、消費
電力を節減するなどの目的で、被加工材料の圧延機への
パス回数を減らすことや、圧延速度を高速化することが
要請されて来ているが、それに伴って圧延油剤には高い
潤滑性能が要求されている。鉱油系の圧延油剤は、通常
その粘度が高いもの程、潤滑性も優れているが、圧延加
工製品に良好な表面光沢を付与するためには、あまり粘
度を増大させることができない。それどころか、圧延速
度が高い圧延機に使用する圧延油剤は、通常の速度で稼
働される圧延機の圧延油剤より、低粘度であることが必
要である。しかしながら、鉱油系圧延油剤は、一般に粘
度が低下すると引火点も低下する傾向にあるため、通常
の圧延機より温度が上昇する高速圧延機には、鉱油系圧
延油の代わりに、油脂、鉱油、合成油などを水に可溶化
または分散させたエマルション型の圧延油を使用する方
向にある。しかし、従来のエマルション型圧延油剤は、
その潤滑性を確保するために、比較的粘度の高い油成分
を水に可溶化または分散させている関係で、鉱油系圧延
油剤の場合と同様、圧延箇所でオイルピットを生成し易
く、これが生成されると、圧延製品の表面光沢が低下し
てしまう欠点がある。また、エマルション型圧延油剤に
限らず一般に圧延油剤は使い捨てにされることがなく、
先の圧延加工で使用された使用済みの圧延油剤を濾過す
ることで、先の圧延加工で生じた金属摩耗粉やその他の
夾雑物を除去した後、再度圧延加工に使用するのが通例
である。然るに、従来のエマルション型圧延油剤は、比
較的粒径の大きい油滴を含んでいるため、上記の濾過に
際してこれらが金属摩耗粉などの夾雑物と共に除去され
てしまう不都合もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする問題】本発明者らは従来のエ
マルション型圧延油剤に指摘されている上記のような欠
点を克服すべく研究を重ねた結果、特定の成分を限定さ
れた量で組み合せてエマルション型圧延油剤の有効成分
に使用することにより、従来のエマルション型圧延油剤
の欠点が解消できることを見い出し、本発明を完成し
た。従って、本発明の目的の一つは、圧延加工製品の表
面光沢を低下させることのないエマルション型圧延油剤
とその原液を提供することにある。本発明の目的の他の
一つは、エマルション型圧延油剤に含まれる油成分が水
に微細な粒子で分散し得るエマルション型圧延油剤原液
と、油成分が水に微細な粒子で分散した状態にあるエマ
ルション型圧延油剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る圧延油剤原
液組成物は、その全量基準で、 (A)鉱油、合成油および油脂の中から選ばれる1種以
上の基油、2〜50質量%、 (B)2〜10価の多価アルコールと炭素数6〜24の
脂肪酸との部分エステル、2〜50質量%、 (C)オレイルザルコシド、5〜50質量%、 (D)炭素数1〜12のアルカノールアミン、1〜30
質量%、 (E)炭素数1〜16のアミン、1〜30質量%、およ
び (F)水、0〜50質量% を含有してなり、かつ(A)成分、(B)成分、(D)
成分および(E)成分の含有量が下記の式(1)〜
(3)を満たすものである。 a1/b1=0.2〜5 (1) e1/d1=0.3〜3 (2) (a1+b1)/(d1+e1)=0.6〜7.5 (3) 但し、a1は圧延油剤原液組成物全量基準での(A)成
分の含有量(質量%)、b1は圧延油剤原液組成物全量
基準での(B)成分の含有量(質量%)、d1は圧延油
剤原液組成物全量基準での(D)成分の含有量(質量
%)、e1は圧延油剤原液組成物全量基準での(E)成
分の含有量(質量%)をそれぞれ示す。また、本発明に
係る圧延油剤組成物は、その全量基準で (A)鉱油、合成油および油脂の中から選ばれる1種以
上の基油、0.1〜25質量%、 (B)2〜10価の多価アルコールと炭素数6〜24の
脂肪酸との部分エステル、0.1〜25質量%、 (C)オレイルザルコシド、0.2〜25質量%、 (D)炭素数1〜12のアルカノールアミン、0.05
〜15質量%、および (E)炭素数1〜16のアミン、0.05〜15質量%
を含有してなり、かつ(A)成分、(B)成分、(D)
成分および(E)成分の含有量が下記の式(4)〜
(6)を満たすものである。 a2/b2=0.2〜5 (4) e2/d2=0.3〜3 (5) (a2+b2)/(d2+e2)=0.6〜7.5 (6) 但し、a2は圧延油剤組成物全量基準での(A)成分の
含有量(質量%)、 b2は圧延油剤組成物全量基準での(B)成分の含有量
(質量%)、 d2は圧延油剤組成物全量基準での(D)成分の含有量
(質量%)、 e2は圧延油剤組成物全量基準での(E)成分の含有量
(質量%) をそれぞれ示す。
【0005】本発明の圧延油剤原液組成物(以下、原液
組成物という)は、 (A)鉱油、合成油および油脂の中から選ばれる1種以
上の基油、 (B)2〜10価の多価アルコールと炭素数6〜24の
脂肪酸との部分エステル、 (C)オレイルザルコシド、 (D)炭素数1〜12のアルカノールアミン、 (E)炭素数1〜16のアミン、 および (F)水 で構成される。(A)成分の基油としては、従前からエ
マルション型圧延油剤や水可溶型圧延油剤などの基油と
して用いられていた鉱油、合成油および油脂がいずれも
使用できる。本発明で使用可能な鉱油系基油を例示すれ
ば、原油を常圧蒸留および減圧蒸留して得られた潤滑油
留分に対して、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶
剤脱ろう、接触脱ろう、水素化精製、硫酸洗浄、白土処
理等の1種もしくは2種以上の精製手段を適宜組み合わ
せて適用して得られるパラフィン系、ナフテン系の鉱油
を挙げることができる。また、合成油としては、例え
ば、ポリα−オレフィン(ポリブテン、1−オクテンオ
リゴマー、1−デセンオリゴマーなど)、アルキルベン
ゼン、アルキルナフタレン、エステル(ブチルステアレ
ート、オクチルラウレート、ジトリデシルグルタレー
ト、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシル
アジペート、ジトリデシルアジペート、ジ−2−エチル
ヘキシルセバケートなど)、ポリオールエステル(トリ
メチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロ
パンペラルゴネート、トリメチロールプロパンオレー
ト、トリメチロールプロパンステアレート、ペンタエリ
スリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリス
リトールペラルゴネート、ペンタエリスリトールオレー
ト、ペンタエリスリトールステアレートなど)、ポリオ
キシアルキレングリコール、ジアルキルジフェニルエー
テル、ポリフェニルエーテルなどが挙げられる。また、
油脂としては、例えば、パーム油、牛脂などが挙げられ
る。(A)成分の基油は、その全てを上記のような鉱
油、合成油および油脂のいずれか1種で構成させること
ができ、また2種以上を任意の割合で配合した混合物で
基油を構成させることもできる。そして、使用する鉱
油、合成油又は油脂自体も、それぞれ単一種である必要
はない。(A)成分として用いる基油は、その粘度に格
別の限定はないが、一般的には、40℃における動粘度
が1〜300mm 2 /sの範囲にあるものが好ましく、
2〜100mm 2 /sの範囲にあるものがより好まし
い。本発明の原液組成物における(A)成分の含有量
は、組成物全量基準で2〜50質量%であるが、好まし
くは5〜40質量%である。
【0006】本発明の(B)成分は、2〜10価の多価
アルコールと炭素数6〜24の脂肪酸との部分エステル
である。(B)成分でいう2〜10価の多価アルコール
としては、具体的には例えば、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレ
ングリコールの3〜15量体)、プロピレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル(プロピレングリコールの3〜15量体)、1,3−
プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル
−1,2−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−
ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5
−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の2価
アルコール;グリセリン、ポリグリセリン(グリセリン
の2〜8量体、例えばジグリセリン、トリグリセリン、
テトラグリセリンなど)、トリメチロールアルカン(ト
リメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメ
チロールブタンなど)およびこれらの2〜8量体、ペン
タエリスリトールおよびこれらの2〜4量体、1,2,
4−ブタントリオール、1,3,5−ペンタントリオー
ル、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,3,4
−ブタンテトロール、ソルビトール、ソルビタン、ソル
ビトールグリセリン縮合物、アドニトール、アラビトー
ル、キシリトール、マンニトールなどの多価アルコー
ル;キシロース、アラビノース、リボース、ラムノー
ス、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノ
ース、ソルボース、セロビオース、マルトース、イソマ
ルトース、トレハロース、シュクロースなどの糖類が挙
げられる。これらの中でも、エチレングリコール、ジエ
チレングリコール、ポリエチレングリコール(エチレン
グリコールの3〜10量体)、プロピレングリコール、
ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール
(プロピレングリコールの3〜10量体)、1,3−プ
ロパンジオール、2−メチル−1,2−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ネオペン
チルグリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリ
セリン、トリメチロールアルカン(トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタンな
ど)およびこれらの2〜4量体、ペンタエリスリトー
ル、ジペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリ
オール、1,3,5−ペンタントリオール、1,2,6
−ヘキサントリオール、1,2,3,4−ブタンテトロ
ール、ソルビトール、ソルビタン、ソルビトールグリセ
リン縮合物、アドニトール、アラビトール、キシリトー
ル、マンニトールなどの2〜6価の多価アルコールが好
ましい。さらに好ましい多価アルコールは、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロ
ールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタンであ
る。
【0007】(B)成分でいう炭素数6〜24の脂肪酸
は、飽和脂肪酸であっても不飽和脂肪酸であっても差し
支えない。従って、当該脂肪酸には、例えば、直鎖状ま
たは分岐状のヘキサン酸、直鎖状または分岐状のヘプタ
ン酸、直鎖状または分岐状のオクタン酸、直鎖状または
分岐状のノナン酸、直鎖状または分岐状のデカン酸、直
鎖状または分岐状のウンデカン酸、直鎖状または分岐状
のドデカン酸、直鎖状または分岐状のトリデカン酸、直
鎖状または分岐状のテトラデカン酸、直鎖状または分岐
状のペンタデカン酸、直鎖状または分岐状のヘキサデカ
ン酸、直鎖状または分岐状のヘプタデカン酸、直鎖状ま
たは分岐状のオクタデカン酸、直鎖状または分岐状のノ
ナデカン酸、直鎖状または分岐状のイコサン酸、直鎖状
または分岐状のヘンイコサン酸、直鎖状または分岐状の
ドコサン酸、直鎖状または分岐状のトリコサン酸、直鎖
状または分岐状のテトラコサン酸などの飽和脂肪酸;直
鎖状または分岐状のヘキセン酸、直鎖状または分岐状の
ヘプテン酸、直鎖状または分岐状のオクテン酸、直鎖状
または分岐状のノネン酸、直鎖状または分岐状のデセン
酸、直鎖状または分岐状のウンデセン酸、直鎖状または
分岐状のドデセン酸、直鎖状または分岐状のトリデセン
酸、直鎖状または分岐状のテトラデセン酸、直鎖状また
は分岐状のペンタデセン酸、直鎖状または分岐状のヘキ
サデセン酸、直鎖状または分岐状のヘプタデセン酸、直
鎖状または分岐状のオクタデセン酸、直鎖状または分岐
状のノナデセン酸、直鎖状または分岐状のエイコセン
酸、直鎖状または分岐状のヘンエイコセン酸、直鎖状ま
たは分岐状のドコセン酸、直鎖状または分岐状のトリコ
セン酸、直鎖状または分岐状のテトラコセン酸などの不
飽和脂肪酸が包含される。これらの中では、特に炭素数
8〜18の飽和脂肪酸、または炭素数8〜18の不飽和
脂肪酸が好ましい。
【0008】本発明の(B)成分は、2〜10価の多価
アルコールと炭素数6〜24の脂肪酸との部分エステル
であるが、ここでいう部分エステルとは、多価アルコー
ル中の水酸基の少なくとも1個が、エステル化されない
水酸基の形のままで残っているエステルを意味する。こ
の部分エステルは、多価アルコールと1種の脂肪酸との
部分エステルであってもよく、多価アルコールと2種以
上の混合脂肪酸との部分エステルであってもよい。ま
た、本発明の(B)成分は、その全てが上に規定した部
分エステル1種で構成されてもよく、2種以上の部分エ
ステルの混合物であっても差し支えない。本発明の原液
組成物における(B)成分の含有量は、組成物全量基準
で2〜50質量%、好ましくは5〜40質量%の範囲に
ある。
【0009】本発明の原液組成物において、(A)成分
と(B)成分との含有量の比は、下記の式(1)を満た
していることが必要である。 a1/b1=0.2〜5 (1) ここで、a1は原液組成物中の(A)成分の含有量(質
量%)を示し、b1は原液組成物中の(B)成分の含有
量(質量%)を示す。式(1)に示されるように、a1
/b1の上限値は5、好ましくは4であって、この上限
値を越えると、原液組成物を水で希釈して実用に供する
圧延油剤とした際に油滴の粒径が粗大となる。使用済み
の圧延油剤は、これをフィルターに通して、金属摩耗粉
などの微細な夾雑物を除去するのが通例であるが、油滴
が粗大であると、清浄化フィルターを通過できないた
め、圧延油剤の清浄化に微細なフィルターが使用できな
い不都合がある。a1/b1の下限値は0.2、好ましく
は0.3であって、この下限値を下回る場合は、原液組
成物を水で希釈して圧延油剤として使用した際に、金属
摩耗粉などの凝集物が生成し易くなり、圧延加工製品の
表面光沢が低下する。
【0010】本発明の(C)成分は、オレイルザルコシ
ドである。
【0011】本発明の原液組成物における(C)成分の
含有量の上限値は、組成物全量基準で50質量%、好ま
しくは45質量%であって、上限値を上回る場合は、水
で希釈した際に、乳化が不良となって二層に分離してし
まうため好ましくない。また、(C)成分の含有量の下
限値は、組成物全量基準で5質量%、好ましくは10質
量%であり、この下限値を下回る場合は、水で希釈した
際に乳化が不良となり、乳化しても油滴の粒径が粗大と
なるため、圧延油剤の清浄化に、微細なフィルターを使
用できない不都合があり、圧延性も低下する。
【0012】本発明の(D)成分は、炭素数1〜12、
好ましくは炭素数2〜10のアルカノールアミンであ
る。この種のアルカノールアミンとしては、例えば、モ
ノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノ
ールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノ(n−プロパノール)
アミン、ジ(n−プロパノール)アミン、トリ(n−プ
ロパノール)アミン、モノイソプロパノールアミン、ジ
イソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミ
ン、モノブタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジ
ブタノールアミン(全ての異性体を含む)、トリブタノ
ールアミン(全ての異性体を含む)、モノペンタノール
アミン(全ての異性体を含む)、ジペンタノールアミン
(全ての異性体を含む)、トリペンタノールアミン(全
ての異性体を含む)、モノヘキサノールアミン(全ての
異性体を含む)、ジヘキサノールアミン(全ての異性体
を含む)、モノヘプタノールアミン(全ての異性体を含
む)、ジヘプタノールアミン(全ての異性体を含む)、
モノオクタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノ
ノナノールアミン(全ての異性体を含む)、モノデカノ
ールアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデカノー
ルアミン(全ての異性体を含む)、モノドデカノールア
ミン(全ての異性体を含む)、ジエチルモノエタノール
アミン、ジエチルモノプロパノールアミン(全ての異性
体を含む)、ジエチルモノブタノールアミン(全ての異
性体を含む)、ジエチルモノペンタノールアミン(全て
の異性体を含む)、ジプロピルモノエタノールアミン
(全ての異性体を含む)、ジプロピルモノプロパノール
アミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルモノブタノ
ールアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルモノペ
ンタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブチルモ
ノエタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブチル
モノプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、ジブ
チルモノブタノールアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノエチルジエタノールアミン、モノエチルジプロパノー
ルアミン(全ての異性体を含む)、モノエチルジブタノ
ールアミン(全ての異性体を含む)、モノエチルジペン
タノールアミン(全ての異性体を含む)、モノプロピル
ジエタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノプロ
ピルジプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノプロピルジブタノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノブチルジエタノールアミン(全ての異性体を
含む)、モノブチルジプロパノールアミン(全ての異性
体を含む)、モノブチルジブタノールアミン(全ての異
性体を含む)などが挙げられる。この中でも、好ましい
ものとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン、モノ(n−プロパノー
ル)アミン、ジ(n−プロパノール)アミン、トリ(n
−プロパノール)アミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノール
アミン、モノブタノールアミン(全ての異性体を含
む)、ジブタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジ
エチルモノエタノールアミン、ジエチルモノプロパノー
ルアミン(全ての異性体を含む)、ジエチルモノブタノ
ールアミン(全ての異性体を含む)、ジエチルモノペン
タノールアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルモ
ノエタノールアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピ
ルモノプロパノールアミン(全ての異性体を含む)、ジ
プロピルモノブタノールアミン(全ての異性体を含
む)、ジブチルモノエタノールアミン(全ての異性体を
含む)、モノエチルジエタノールアミン、モノエチルジ
プロパノールアミン(全ての異性体を含む)、モノエチ
ルジブタノールアミン(全ての異性体を含む)、モノプ
ロピルジエタノールアミン(全ての異性体を含む)、モ
ノプロピルジプロパノールアミン(全ての異性体を含
む)、モノブチルジエタノールアミン(全ての異性体を
含む)、モノブチルジプロパノールアミン(全ての異性
体を含む)等の炭素数2〜10のアルカノールアミンが
挙げられる。(D)成分には、上記の各アルカノールア
ミンを単独で使用することができ、また構造を異にする
2種以上のアルカノールアミンの混合物を使用すること
もできる。本発明の原液組成物における(D)成分の含
有量は、組成物全量基準で1〜30質量%、好ましくは
2〜25質量%の範囲にある。
【0013】本発明の(E)成分は、炭素数1〜16の
アミンである。ここでいうアミンには、脂肪族アミン、
芳香族置換脂肪族アミン、脂環族アミンおよび芳香族ア
ミンが含まれるが、脂肪族アミン、芳香族置換脂肪族ア
ミンまたは脂環族アミンが、(E)成分として好ましい
アミンである。なお、芳香族置換脂肪族アミンとは、窒
素原子に結合したアルキル基の側鎖に、芳香族置換基が
結合したものを指す。(E)成分に使用可能なアミンの
具体例を摘記すると、脂肪族アミンとしては、モノメチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエ
チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ
プロピルアミン(全ての異性体を含む)、ジプロピルア
ミン(全ての異性体を含む)、トリプロピルアミン(全
ての異性体を含む)、モノブチルアミン(全ての異性体
を含む)、ジブチルアミン(全ての異性体を含む)、ト
リブチルアミン(全ての異性体を含む)、モノペンチル
アミン(全ての異性体を含む)、ジペンチルアミン(全
ての異性体を含む)、トリペンチルアミン(全ての異性
体を含む)、モノヘキシルアミン(全ての異性体を含
む)、ジヘキシルアミン(全ての異性体を含む)、モノ
ヘプチルアミン(全ての異性体を含む)、ジヘプチルア
ミン(全ての異性体を含む)、モノオクチルアミン(全
ての異性体を含む)、ジオクチルアミン(全ての異性体
を含む)、モノノニルアミン(全ての異性体を含む)、
モノデシルアミン(全ての異性体を含む)、モノウンデ
シル(全ての異性体を含む)、モノドデシルアミン(全
ての異性体を含む)、ドデシルジメチルアミン(全ての
異性体を含む)、モノトリデシルアミン(全ての異性体
を含む)、モノテトラデシルアミン(全ての異性体を含
む)、モノペンタデシルアミン(全ての異性体を含
む)、モノヘキサデシルアミン(全ての異性体を含む)
等の炭素数1〜16の脂肪族アミンが挙げられ、中でも
炭素数2〜12の脂肪族アミンが好ましい。芳香族置換
脂肪族アミンとしては、モノベンジルアミン、(1−フ
ェニルエチル)アミン、(2−フェニルエチル)アミン
(モノフェネチルアミン)、ジベンジルアミン、ビス
(1−フェニルエチル)アミン、ビス(2−フェニルエ
チル)アミン(ジフェネチルアミン)等の炭素数7〜1
6のものが挙げられ、中でもモノベンジルアミン、ジベ
ンジルアミンが好ましい。脂環族アミンとしては、モノ
シクロペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、トリ
シクロペンチルアミン、モノシクロヘキシルアミン、ジ
シクロヘキシルアミン、モノシクロヘプチルアミン、ジ
シクロヘプチルアミン等の炭素数5〜16のシクロアル
キルアミン;(メチルシクロペンチル)アミン(全ての
置換異性体を含む)、ビス(メチルシクロペンチル)ア
ミン(全ての置換異性体を含む)、(ジメチルシクロペ
ンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(ジ
メチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体を含
む)、(エチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異
性体を含む)、ビス(エチルシクロペンチル)アミン
(全ての置換異性体を含む)、(メチルエチルシクロペ
ンチル)アミン(全ての置換異性体を含む)、ビス(メ
チルエチルシクロペンチル)アミン(全ての置換異性体
を含む)、(ジエチルシクロペンチル)アミン(全ての
置換異性体を含む)、(メチルシクロヘキシル)アミン
(全ての置換異性体を含む)、ビス(メチルシクロヘキ
シル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(ジメチル
シクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、
ビス(ジメチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異
性体を含む)、(エチルシクロヘキシル)アミン(全て
の置換異性体を含む)、ビス(エチルシクロヘキシル)
アミン(全ての置換異性体を含む)、(メチルエチルシ
クロヘキシル)アミン(全ての置換異性体を含む)、
(ジエチルシクロヘキシル)アミン(全ての置換異性体
を含む)、(メチルシクロヘプチル)アミン(全ての置
換異性体を含む)、ビス(メチルシクロヘプチル)アミ
ン(全ての置換異性体を含む)、(ジメチルシクロヘプ
チル)アミン(全ての置換異性体を含む)、(エチルシ
クロヘプチルアミン(全ての置換異性体を含む)、(メ
チルエチルシクロヘプチル)アミン(全ての置換異性体
を含む)、(ジエチルシクロヘプチル)アミン(全ての
置換異性体を含む)等の炭素数6〜16のアルキルシク
ロアルキルアミン等が挙げられ、中でも炭素数5〜16
のシクロアルキルアミンが好ましい。本発明の(E)成
分としてさらに好ましいアミンは、炭素数2〜12の脂
肪族アミン、炭素数7〜16の芳香族置換脂肪族アミ
ン、炭素数5〜16のシクロアルキルアミンなどであっ
て、最も好ましいものは、炭素数7〜16の芳香族置換
脂肪族アミンおよび炭素数5〜16のシクロアルキルア
ミンである。本発明の(E)成分には、上記した各アミ
ンの単一種を使用できるほか、構造の異なる2種以上の
アミンの混合物を用いることもできる。本発明の原液組
成物における(E)成分の含有量は、組成物全量基準で
1〜30質量%、好ましくは2〜25質量%の範囲にあ
る。
【0014】本発明においては、(D)成分のアルカノ
ールアミンならびに(E)成分のアミンを併用して用い
ることが重要であり、どちらか一方でも所定の含有量に
満たない場合は、原液組成物を水で希釈して実用の圧延
油剤を調製した際に、好ましいエマルション型圧延油剤
をえることができない。本発明の原液組成物は、(D)
成分と(E)成分との含有量の比が、下記の式(2)を
満たしていることが必要である。 e1/d1=0.3〜3 (2) ここで、d1は原液組成物中の(D)成分の含有量(質
量%)を示し、e1は原液組成物中の(E)成分の含有
量(質量%)を示す。式(2)に示すように、e1/d1
の上限値は3、好ましくは2.5であり、この上限値を
越えると、原液組成物を水で希釈した際に乳化が不良と
なって二層に分離してしまうため好ましくない。また、
1/d1の下限値は0.3、好ましくは0.4であっ
て、下限値が満たされないと、原液組成物を水で希釈し
た際に油滴の粒径が粗大となり、圧延油剤の清浄化に微
細なフィルターを使用できない不都合がある。
【0015】本発明の原液組成物はまた、(A)成分と
(B)成分の含有量の合計量と、(D)成分と(E)成
分の含有量の合計量との比が、下記の式(3)を満たし
ていることが必要である。 (a1+b1)/(d1+e1)=0.6〜7.5 (3) ここで、a1、b1、d1、e1は先の定義と同じ意味を示
している。(a1+b1)/(d1+e1)の上限値は7.
5、好ましくは6であり、この上限値を越えた場合は、
原液組成物を水で希釈した際に乳化し難く、乳化しても
油滴の粒径が粗大となるため、圧延油剤の清浄化に微細
なフィルターを使用できない。また、(a1+b1)/
(d1+e1)の下限値は0.6、好ましくは0.8であ
って、下限値を下回る場合は、原液組成物を水で希釈し
た際に、良好な圧延性を示す圧延油剤を得ることができ
ない。
【0016】本発明の原液組成物は、(F)成分である
水を組成物全量基準で0〜50質量%の範囲で含有する
ことができるが、原液組成物の取り扱い易さと、輸送コ
ストその他を考慮すると、水の量は組成物全量基準で1
0〜40質量%の範囲であることが好ましい。(F)成
分の水には、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水
などが使用可能であって、その水は硬水であっても軟水
であっても差し支えない。
【0017】本発明の原液組成物には、必要に応じて種
々の公知の添加剤を配合させておくことができ、その種
の添加剤としては、例えば、スルホン酸塩、リン酸およ
びリン酸塩、ホウ素化合物などの錆止め剤;フェノール
系、アミン系、イオウ系、リン系、塩素系の酸化防止
剤;ベンゾトリアゾールなどの窒素化合物、イオウおよ
び窒素を含む化合物などの腐食防止剤;フェノール系、
ホルムアルデヒド供与体化合物、サリチルアニリド系化
合物などの防腐剤;シリコーン油などの消泡剤;脂肪
酸、エステル、アルコール等の油性剤;硫酸およびスル
ホン酸エステルなどのアニオン系界面活性剤、およびポ
リオキシエチレン化合物などのノニオン系界面活性剤な
どが挙げられる。これらの各添加剤は単独で、あるいは
2種以上組み合せて本発明の原液組成物には添加するこ
とができ、これらの添加量合計は、原液組成物全量基準
で、通常5質量%以下、好ましくは1質量%以下とする
のが一般的である。
【0018】本発明の原液組成物は、これを水で希釈す
るだけで、圧延加工油としての適性を備えたエマルショ
ン型圧延油剤を得ることができる。希釈倍率はエマルシ
ョン型圧延油剤の使用条件によって任意に選択される
が、一般には原液組成物を重量比で2〜100倍に、好
ましくは3〜70倍に水で希釈して実用のエマルション
型圧延油剤を得るのが通例である。この場合の希釈水に
は、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水などが使
用可能で、硬水であるか軟水であるかを問わない。本発
明の原液組成物を水で希釈すると、水を連続相とし、こ
れに油成分が微細に分散した状態のエマルション(乳化
液)が得られるが、水に分散する油滴の平均粒径は30
0nm以下、特に100nm以下であることが好まし
い。分散油滴の平均粒径が大きいと、オイルピットが生
成し易くなって圧延加工製品の表面光沢が損なわれるば
かりなく、圧延油剤の清浄化に微細なフィルターを使用
できなくなるからである。
【0019】進んで、本発明の係るエマルション型圧延
油剤組成物(以下、これを油剤組成物という)について
説明すると、本発明の油剤組成物は、水を基剤とし、組
成物全量基準で、上記した(A)成分を0.1〜25質
量%、好ましくは0.2〜20質量%含有し、(B)成
分を0.1〜25質量%、好ましくは0.2〜20質量
%含有し、(C)成分を0.2〜25質量%含有し、
(D)成分を0.05〜15質量%含有し、さらに
(E)成分を0.05〜15質量%含有する。そして、
本発明の油剤組成物は、(A)成分と(B)成分との含
有量の比が、下記の式(4)を満たしていることが必要
である。 a2/b2=0.2〜5 (4) ここで、a2は油剤組成物中の(A)成分の含有量(質
量%)を示し、b2は油剤組成物中の(B)成分の含有
量(質量%)を示す。式(4)に示されるように、a2
/b2の上限値は5、好ましくは4であり、この上限値
を越えると、油剤組成物中に分散する油滴が粗大とな
り、油剤組成物の清浄化に微細なフィルターが使用でき
ない不都合がある。a2/b2の下限値は0.2、好まし
くは0.3であって、この下限値が満たされない場合
は、油剤組成物を圧延加工に金属摩耗粉等の凝集物が生
成し易く、圧延加工製品の表面光沢が低下して好ましく
ない。本発明の圧延油剤組成物において、(C)成分の
含有量の上限値は、組成物全量基準で25質量%、好ま
しくは20質量%であり、下限値は同じく組成物全量基
準で、0.2質量%、好ましくは0.5質量%である。
(C)成分の含有量が上記の上限値を上回る場合および
下限値を下回る場合は、油剤組成物の乳化状態が好まし
くなく、特に下限値を下回る場合は、乳化状態が保持で
きても油滴が粗大となるため、その油剤組成物には良好
な圧延性を期待できず、また油剤組成物の清浄化に微細
なフィルターを使用できない。本発明の油剤組成物は、
(D)成分と(E)成分との含有量の比が、下記の式
(5)を満足していることが必要である。 e2/d2=0.3〜3 (5) ここで、d2は油剤組成物中の(D)成分の含有量(質
量%)を示し、e2は油剤組成物中の(E)成分の含有
量(質量%)を示す。この比e2/d2の上限値は3、好
ましくは2.5であり、上限値を上回る場合は、油剤組
成物は乳化不良となって二層に分離する。一方、e2
2の下限値は0.3、好ましくは0.4であって、下
限値を下回る場合は、油滴が粗大となって油剤組成物の
清浄化に微細なフィルターが使用できない。また、本発
明の圧延油剤組成物は、(A)成分と(B)成分の含有
量の合計量と、(D)成分と(E)成分の含有量の合計
量との比が、次の式(6)を満たしている必要がある。 (a2+b2)/(d2+e2)=0.6〜7.5 (6) ここで、a2、b2、d2、e2は先の定義と同じ意味を示
している。(a2+b2)/(d2+e2)の比の上限値は
7.5、好ましくは6であって、この上限値を越えた場
合は、油剤組成物の油滴が粗大となり、オイルピットが
生成し易くなって圧延加工製品の表面光沢が損なわれる
虞がある。(a2+b2)/(d2+e2)の比の下限値は
0.6、好ましくは0.8であり、この下限値が満たさ
れない場合は、良好な圧延性を示す油剤組成物を得るこ
とができない。本発明の油剤組成物では、基剤である水
の量は任意に加減することができるが、一般的には水の
量は、油剤組成物全量基準で99.5〜50質量%、好
ましくは99.0〜65質量%の範囲にある。基剤とな
る水は、水道水、工業用水、イオン交換水、蒸留水など
のいずれであっても差し支えなく、また、硬水であるか
軟水であるかも問わない。本発明の油剤組成物は、水を
連続相とし、これに油成分が微細に分散したエマルショ
ン(乳化液)状態にあり、水に分散する油滴の平均粒径
は300nm以下、好適には100nm以下にある。念
のため付言すれば、本発明の油剤組成物は、先に説明し
た原液組成物を水で希釈して調製することができ、ま
た、本発明の油剤組成物を水が少ない状態で保管し、実
際に使用する際に適宜水を補って所定の組成に戻すこと
もできる。
【0020】上記したように、水を基剤として所定量の
(A)〜(E)成分を含有する本発明の油剤組成物は、
そのままの状態で金属材料の圧延加工に使用して加工油
として充分な作用を奏するが、この油剤組成物には、必
要に応じて種々の公知の添加剤を配合することができ
る。配合可能な添加剤としては、原液組成物への配合可
能な添加剤として先に説明したものが挙げられるが、そ
の合計配合量は、油剤組成物全量基準で一般に2.5質
量%以下、通常は0.5質量%以下である。
【0021】本発明の圧延油剤組成物は、例えばステン
レス鋼、銅、アルミニウムおよびそれらの合金などの金
属材料を冷間圧延する場合の圧延油剤として、また、ア
ルミニウムおよびアルミニウム合金などを熱間圧延する
場合の圧延油剤として、好適に用いることができる。そ
して、圧延加工製品の表面に良好な光沢を付与できるこ
とから、本発明の圧延油剤組成物は冷間圧延用圧延油剤
として特に好ましい。本発明の圧延油剤組成物はまた、
切削油、研磨油、プレス加工油、引き抜き加工油、熱処
理油、DI缶製造用油剤等の金属加工油としても用いる
ことができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明の内
容をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら
限定されるものではない。表1に示す組成で各種の圧延
油剤原液組成物を調製し、次いで、これら組成物を水道
水で希釈率で希釈して圧延油剤組成物とした。原液組成
物調製に用いた各成分は以下のとおりである。 (A)成分;A1:パラフィン系鉱油(40℃における動粘度32cSt) A2:ブチルステアレート A3:トリメチロールプロパントリオレート (B)成分;B1:グリセリンモノオレート B2:トリメチロールプロパンモノオレート (C)成分;C1:オレイン酸 C2:オレイルザルコシド (D)成分;D1:トリエタノールアミン D2:ジエタノールアミン (E)成分;E1:ジシクロヘキシルアミン E2:ジベンジルアミン (F)成分;水道水 次に、各圧延油剤組成物について、外観および濾過性を
評価し、併せて、圧延性および圧延後の金属材表面の光
沢性を評価した。結果を表1および表2に示す。 圧延条件 圧延材:ステンレス鋼(SUS430 2B材) 厚さ0.5mm×幅50mm ワークロール径:51mmφ ワークロール粗さ:Ra 0.03μm 圧延速度:100m/min 圧下率:25%(圧延性試験においては25〜60%) 油供給方法:圧延ロールの手前で、ノズルを用いて被圧
延材および圧延ロールに実施例、比較例で用いた圧延油
剤組成物を個々に噴射した。 評価方法 外観性:実施例、比較例で用いた圧延油剤組成物を5分
間攪拌後、24時間放置した際の状態が、半透明のエマ
ルションになっているものを○、白濁したエマルション
状態にあるものを△、分離油が見られる状態であるもの
を×とした。なお、×の場合実用上使用できるものでは
ないので他の試験は省略した。 濾過性:実施例、比較例で用いた圧延油剤組成物50m
lを、メンブレンフィルター(0.22μm)を用いて
水流吸引濾過し、5分以内にろ過が終了したものは○、
5分を越えてもろ過が終了しないものには×とした。 圧延性:の圧延条件(圧下率25%)で3回圧延した
後、4回目の圧延において圧下率30%で圧延を開始し
その後逐次圧下率を上げて圧延し、圧延可能な最大圧下
率を求めた。 光沢性:の圧延条件(圧下率25%)で3回圧延した
後の圧延材表面の光沢を、SMカラーコンピュータ(型
式 SM−2;スガ試験機(株)製により、裏面直角6
0゜でのGloss値で求めた。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】表1の結果から明らかなとおり、本発明に
係る実施例の圧延油剤組成物は、半透明のエマルショ
ンとなっており、かつ濾過性にも優れている。また、圧
延性および圧延後の圧延材の光沢性も十分優れている。
これに対して、各成分が本発明が規定する量ないしは比
率で含まれていない比較例の各組成物では、乳化不良と
なってエマルションの状態にならなかったり(比較例
4、6、10、11および12)、エマルションの状態
になっても、油滴が粗大となって光沢性、濾過性等に劣
る(比較例2、3、8および9)。また、微細な粒子か
らなるエマルション状態となった場合でも、(A)成分
が(B)成分と比較して少ない場合(比較例1および
7)や、(A)成分と(B)成分の合計量が所定の値よ
り少ない場合(比較例5)は、圧延性および圧延後の圧
延材の光沢性が本発明の組成物よりも劣っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 133:16) C10N 30:00 A C10N 30:00 Z 30:06 30:06 40:24 Z 40:24 (72)発明者 柴田 潤一 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本 石油株式会社中央技術研究所内 (72)発明者 夏目 芳孝 神奈川県横浜市中区千鳥町8番地 日本 石油株式会社中央技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−88089(JP,A) 特開 昭50−67304(JP,A) 特開 昭55−133488(JP,A) 特開 昭59−147094(JP,A) 特開 昭56−133395(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 173/00 - 173/02 C10M 129/28 - 129/46 C10M 129/76 C10M 133/02 - 133/20 C10M 141/06 C10N 30:00 C10N 30:06 C10N 40:24

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧延油剤原液組成物全量基準で、 (A)鉱油、合成油および油脂の中から選ばれる1種以
    上の基油、2〜50質量%、 (B)2〜10価の多価アルコールと炭素数6〜24の
    脂肪酸との部分エステル、2〜50質量%、 (C)オレイルザルコシド、5〜50質量%、 (D)炭素数1〜12のアルカノールアミン、1〜30
    質量%、 (E)炭素数1〜16のアミン、1〜30質量%、およ
    び (F)水、0〜50質量% を含有してなり、かつ(A)成分、(B)成分、(D)
    成分および(E)成分の含有量が下記の式(1)〜
    (3)を満たす圧延油剤原液組成物。 a1/b1=0.2〜5 (1) e1/d1=0.3〜3 (2) (a1+b1)/(d1+e1)=0.6〜7.5 (3) 但し、a1は圧延油剤原液組成物全量基準での(A)成
    分の含有量(質量%)、b1は圧延油剤原液組成物全量
    基準での(B)成分の含有量(質量%)、d1は圧延油
    剤原液組成物全量基準での(D)成分の含有量(質量
    %)、e1は圧延油剤原液組成物全量基準での(E)成
    分の含有量(質量%)をそれぞれ示す。
  2. 【請求項2】 水を基剤とし、圧延油剤組成物全量基準
    で (A)鉱油、合成油および油脂の中から選ばれる1種以
    上の基油、0.1〜25質量%、 (B)2〜10価の多価アルコールと炭素数6〜24の
    脂肪酸との部分エステル、0.1〜25質量%、 (C)オレイルザルコシド、0.2〜25質量%、 (D)炭素数1〜12のアルカノールアミン、0.05
    〜15質量%、および(E)炭素数1〜16のアミン、
    0.05〜15質量% を含有してなり、かつ(A)成分、(B)成分、(D)
    成分および(E)成分の含有量が下記の式(4)〜
    (6)を満たす圧延油剤組成物。 a2/b2=0.2〜5 (4) e2/d2=0.3〜3 (5) (a2+b2)/(d2+e2)=0.6〜7.5 (6) 但し、a2は圧延油剤組成物全量基準での(A)成分の
    含有量(質量%)、 b2は圧延油剤組成物全量基準での(B)成分の含有量
    (質量%)、 d2は圧延油剤組成物全量基準での(D)成分の含有量
    (質量%)、 e2は圧延油剤組成物全量基準での(E)成分の含有量
    (質量%) をそれぞれ示す。
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