JPH0610437U

JPH0610437U - 長熨斗瓦

Info

Publication number: JPH0610437U
Application number: JP40032990U
Authority: JP
Inventors: 康雄三角
Original assignee: 康雄三角
Priority date: 1990-12-11
Filing date: 1990-12-11
Publication date: 1994-02-10
Anticipated expiration: 2005-12-11
Also published as: JP2508984Y2

Abstract

(57)【要約】【目的】棟の施工が簡単であり、しかも雨漏れの心配
のない長熨斗瓦を得る。【構成】断面が山形状の板体であり、この山形状板体
の稜線方向の一方の端部に切込み部３と他の端部に前記
切込み部３に嵌合可能な突出部２とを設け、かつ前記山
形状板体の裏面の一方の面には脚６を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、瓦葺き屋根における降棟の施工に使用する長熨斗瓦に関する。

【０００２】

【従来の技術】

瓦葺き屋根の施工において、大棟や降棟は屋根を美しく見せるための重要な要素であり、特に棟反り等を設け美観に配慮した施工がなされている。

【０００３】従来の降棟施工としては、桟瓦の上部に設けた一対の丸瓦に挟まれた中央部に、瓦のくずや赤土等を充填し、下から順次、台熨斗、肌熨斗、割熨斗等の熨斗瓦を積み重ね、最後に一番上部に伏間瓦を載せて完了させている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の施工方法では降棟内部に瓦くずや赤土等を充填するだけであり、施工時に一定の高さを確保するのが困難である。また、充分な防水効果を有していないため、完了後の雨により側面から雨が浸透して赤土等が流れ出し棟の寿命を縮める原因にもなっている。

【０００５】本考案はこのような従来の欠点を解消するものであり、棟の施工が簡単であり、しかも雨漏れの心配のない長熨斗瓦を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の長熨斗瓦は、上記課題を達成するため、断面が山形状の板体からなり、この山形状板体の稜線方向の一方の端部に切込み部と他の端部に前記切込み部に嵌合可能な突出部とを設け、かつ前記山形状板体の裏面の一方の面に脚を設けたことを特徴とする。

【０００７】

【実施例】図１は本考案の長熨斗瓦の一実施例を示す斜視図、図２は長熨斗瓦の裏面図、図３は長熨斗瓦を桟瓦に載置した状態を示す斜視図、図４は桟瓦に施工した降棟の断面図を示す。

【０００８】図１、図２、図３、図４を参照して、本実施例の長熨斗瓦１は、セメント、プラスチックその他の板状部材で形成され断面が山形状をなしている。この山形状にしたのは水を両側に排出するためである。

【０００９】また、隣接した長熨斗瓦同士を連続して配置することができるように、山形状板体の稜線方向の一方の端部には切込み部２を設け、他の端部には切込み部２に嵌合可能な突出部３を設けている。施工にあたっては、この切込み部２と突出部３とをお互い嵌合させることにより前後の長熨斗瓦同士を一体化することができる。従って、長熨斗瓦の隣接した隙間に雨水が進入した場合でも、水は突出部３により両端部に導かれ熨斗瓦１の内部に進入することがない。

【００１０】４は長熨斗瓦１を貫通する孔であり、この孔４に銅線等を通して長熨斗瓦１上に載置する各熨斗瓦１１等を締付固定することができる。また、５は釘孔であり、瓦下地材と釘で固定するときに使用する。

【００１１】図３及び図４に示すように、桟瓦１０は桟部１０ａと谷部１０ｂとを有した波形状をなしている。従って、この桟瓦１０上に降棟を左右水平に施工することができるように、長熨斗瓦１の裏面の一方の面に長手方向の略全長にわたる脚６を設けている。この脚６は、セメント等で長熨斗瓦本体と一体成形することもできるし、あるいは別途成形し、接着等により一体化することも可能である。この場合、脚６先端部にゴム等を貼着すると滑り止めとして効果的である。また、この脚の高さは、使用する瓦の桟部１０ａと谷部１０ｂの高さの差及び幅等を勘案して製作することが必要である。熨斗瓦１を用いて桟瓦１０上に降棟を施工する場合、桟瓦１０の桟の部分１０ａに熨斗瓦１の板状の部分を載せ、谷部１０ｂ側に脚６を配置することにより水平状態を確保することができる。なお、長熨斗瓦１の幅を桟瓦１０の幅より広く形成することにより、長熨斗瓦１を隣接する桟瓦１０の桟部１０ａで支持するようにしてもよい。

【００１２】また、７は長熨斗瓦１の裏面に設けた板面から突出したリブであり、長熨斗瓦１の長手方向の補強のために形成したものである。

【００１３】図４は本考案の長熨斗瓦１を用いて降棟を施工した例を示す。同図におい、１０は桟瓦であり、桟部１０ａと谷部１０ｂに跨がるように本考案の長熨斗瓦１を載置している。そして、この長熨斗瓦１の上部には必要に応じて台熨斗、肌熨斗、割熨斗等の各熨斗瓦１１を積み重ね、内部はモルタル１２で充填している。なお、１３は鉄筋であり、ずれを防止し補強するために延長方向に挿入している。また、上端部には伏間瓦１４を載置している。

【００１４】このように本考案の長熨斗瓦１を用いれば、従来のように瓦くずや赤土を用いた場合に比べ、容易かつ確実に位置決めを行うことができ、しかも赤土の硬化を待つ必要もないので迅速な施工が可能となった。

【００１５】

【考案の効果】

本考案の長熨斗瓦は、山形状の板体からなり、この山形状板体の稜線方向の一方の端部に切込み部と、他の端部に切込み部に嵌合可能な突出部とを設け、かつ山形状板体の裏面の一方の面に脚を設けたため、降棟の施工が簡単になり、しかも雨漏れの心配も無く、棟線を長期にわたって美しく保つことことが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の長熨斗瓦の一実施例を示す斜視図であ
る。

【図２】長熨斗瓦の裏面図である。

【図３】長熨斗瓦を桟瓦に載置した状態を示す斜視図で
ある。

【図４】桟瓦に施工した降棟の断面図である。

【符号の説明】

１長熨斗瓦２切込み部３突出部４孔５釘孔６脚１０桟瓦１１熨斗瓦１２モルタル１３鉄筋１４伏間瓦

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】断面が山形状の板体からなり、この山形
状板体の稜線方向の一方の端部に切込み部と他の端部に
前記切込み部と嵌合可能な突出部とを設け、かつ前記山
形状板体の裏面の一方の面に脚を設けたことを特徴とす
る長熨斗瓦。