JPH06103074B2 - 集合排水継手 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は高層建築物等において、その各階層に配管され
ている排水管を集合して連結するための排水継手に関す
るものである。

（従来技術およびその問題点） 高層建築物では、地階から最上階まで排水本管を縦配管
し、この排水本管と各階層のトイレ、洗面場所等の各種
排水器具とを分岐排水管で接続する配管システムが採用
されている。そして、排水本管と分岐排水管とは、集合
排水継手を介して接続されているが、従来の集合排水継
手は必ずしも満足できるものではなかった。

例えば、実公昭50−39953号には、複数本の分岐排水管
を排水本管に接続するための集合排水継手が提案されて
いる。

この集合排水継手は、分岐排水管から集合室に流入した
排水を集合室の側壁に沿って旋回させつつ排水本管内に
流下させるものであるが、排水本管の上部から大量の排
水が一度に流下したとき、あるいは固形物を含んだ汚水
が集合室に流入したときに集合室内の圧力が高まり、集
合排水継手と接続した分岐排水管から排水が逆流するこ
とがあった。

また、排水が集合室の側壁に沿って旋回している間に、
集合室への排水の流入がない分岐排水管内に逆流するこ
とがあった。

本発明は、かかる集合排水継手の問題点を解決したもの
であって、排水本管の上方から流下した排水、および分
岐排水管から集合室内に流入した排水が分岐排水管内に
逆流することのない集合排水継手を提供するものであ
る。

（問題点を解決するための手段） 本発明の集合排水継手は、集合室と、該集合室の外周側
を所定の間隔をもって包囲する外殻体とからなってい
る。集合室は筒状部から緩かな円孤面をもって漏斗状に
縮径する側壁を有し、該側壁の下部に排水流出口を設け
る。また、前記筒状部の上部を天板で覆って該天板の略
中央部に排水流入口を設け、該排水流入口に縦管を挿入
してその下端部を集合室内に所定長さ突出させて固定す
る。集合室内には天板から仕切筒を垂下させて側壁と前
記縦管の下端部との間に所定の間隔をもったドーナツ形
状の空間を形成すると共にそれぞれの空間上部の天板に
は通孔を設け、前記仕切筒、および側壁に接線方向から
分岐排水管を接続する。

以下、本発明の具体的構成を実施例に基づき詳細に説明
する。

（実 施 例） 第１図は本発明の一実施例を示す縦断面図、第２図は第
１図のII−II線断面図であって、図中符号１は集合室、
２は外殻体である。集合室１および外殻体２は、熱可塑
性合成樹脂、鋼板、アルミ板、鋳鉄等の適宜材料によっ
て形成することができるが、施工性、経済性等を考慮す
るとポリエチレン樹脂、塩化ビニル樹脂等の熱可塑性合
成樹脂で形成するのが好ましい。

集合室１は筒状部110から緩かな円孤面111をもって漏斗
状に縮径する側壁11を有し、該側壁11の下部に排水流出
口14を設け、該排水流出口14に縦管４を接続する。

一方、前記筒状部110の上部を天板12で覆い、該天板12
の略中央部に排水流入口13を設けて、該排水流入口13に
縦管３を挿入接続する。このとき、縦管３の下端部31は
集合室１内に所定長さ突出させて固定する。尚、縦管３
はその下端部31が排水流入口13に挿入されて天板３と一
体的に成形されたものであってもよい。

集合室１内には天板12から１〜複数個の仕切り筒1A、1A
…を垂下させ、側壁11と前記縦管３の下端部31との間に
所定の間隔をもったドーナツ状の空間Ａ、Ａ…を形成す
る。仕切筒1Aは第１図に断面図で示した如く、側壁11と
ほぼ相似形状となるように形成するのが好ましく、上方
を筒状としてその下方を内方向に傾斜させた円弧面とす
るとよい。このようにすると、分岐排水管から空間Ａに
流入した排水を縦管内に円滑に流下させることができ
る。

そして、それぞれの空間Ａ上部の天板12には通孔12aを
設け、前記仕切筒1A、1A…、および側壁11には接線方向
から分岐排水管5a、5b…を接続する。

また、集合室１の外周側は所定の間隔をもって外殻体２
で包囲し、該外殻体２の上部接続部23に通気管７を接続
すると共に、下部接続部24に通気管８を接続する。

かくして、上下の通気管７、８は外殻体２を介して連結
され、前記通気管７、８内に挿通された上下の縦管３、
４は集合室１を介して連結される。

（発明の作用および効果） 以上に詳述した如く、本発明の集合排水継手は、集合室
内を仕切筒で区分してそれぞれが独立した複数個のドー
ナツ形状の空間を形成し、前記仕切筒および集合室の側
壁に接線方向から分岐排水管を接続したので、集合室に
流入した排水は相互に干渉することなく旋回しながら縦
管（排水本管）内に流入して円滑に排出される。

また、集合室の外周側を所定の間隔をもって外殻体で包
囲し、集合室の天板には通孔を設けて集合室内および縦
管内の空気を排出させるようにしたので、縦管の上方か
ら一度に大量の排水が流下したとき、あるいは固形物を
含んだ排水が集合室内に流入したときにも分岐排水管内
に排水が逆流することはない。

しかも、各階層の排水が集合する集合室は、外殻体によ
って覆われた２重構造となっているので、騒音の発生が
なく、特に夜間においても騒音公害が発生することがな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すものであって、第１図は
集合排水継手の縦断面図、第２図は第１図のII−II線断
面図である。 １……集合室、11……側壁 110……円筒部、111……円弧面 12……天板、12a……通孔 13……排水流入口、14……排水流出口 ２……外殻体、３、４……縦管 5a、5b……分岐排水管 ７、８……通気管、Ａ……空間

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】集合室（１）と、該集合室（１）の外周側
   を所定の間隔をもって包囲する外殻体（２）とからなる
   集合排水継手であって、前記集合室（１）は筒状部（11
   0）から緩かな円孤面（111）をもって漏斗状に縮径する
   側壁（11）を有し、該側壁（11）の下部に排水流出口
   （14）を設けると共に、筒状部（110）の上部を天板（1
   2）で覆って該天板（12）の略中央部に排水流入口（1
   3）を設け、該排水流入口（13）に縦管（３）を挿入し
   てその下端部（31）を集合室（１）内に所定長さ突出さ
   せて固定し、また集合室（１）内には天板（12）から仕
   切筒（1A）を垂下させて側壁（11）と前記縦管（３）の
   下端部（31）との間に所定の間隔をもったドーナツ形状
   の空間（Ａ）、（Ａ）を形成すると共にそれぞれの空間
   （Ａ）上部の天板（12）には通孔（12a）を設け、前記
   仕切筒（1A）、および側壁（11）に接線方向から分岐排
   水管（5a）、（5b）を接続したことを特徴とする集合排
   水継手。