JPH06101659A - 同期回転型のスクロール形流体機械 - Google Patents

同期回転型のスクロール形流体機械

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JPH06101659A
JPH06101659A JP19372492A JP19372492A JPH06101659A JP H06101659 A JPH06101659 A JP H06101659A JP 19372492 A JP19372492 A JP 19372492A JP 19372492 A JP19372492 A JP 19372492A JP H06101659 A JPH06101659 A JP H06101659A
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功 早瀬
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茂 町田
Isamu Tsubono
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    • F04C18/00Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、不釣り合いな慣性力の発生を
防止し、各摺動部の摺動荷重を低減し、シール隙間部の
気密性を向上させるた同期回転型のスクロール形流体機
械を提供することにある。 【構成】同期回転型スクロール式流体機械において、第
1のスクロール部材と第2のスクロール部材のそれぞれ
をそれらの回転軸に対して傾斜した回転軸を持つ部材と
自在機構により結合し、その傾斜した回転軸を持つ部材
をその延長部で回転支持する。更に、傾斜回転軸の傾斜
角増減させるための機構を組み込む。 【効果】本発明によれば、振動が小さく高効率で信頼性
の高い同期回転型のスクロール形流体機械を提供するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作動流体の圧縮、膨
張、搬送、あるいは作動流体による駆動等を行なうスク
ロール形流体機械に係り、特に冷凍機や空気調和機とし
て用いるのに好敵な同期回転型のスクロール形流体機械
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の同期回転型のスクロール形流体機
械としては、例えば、特開平2−298684号公報に
記載されているように、第一のスクロール部材と第二の
スクロール部材とは、それらの間に組み込まれそれぞれ
のスクロール部材に対しその鏡板面方向で互いに略90
度の角度を成す方向に摺動が可能なように拘束された同
期をとるための摺動部材、すなわちオルダムリングによ
り回転を同期させる構造のものがある。
【0003】又、特開平2−298684号公報に記載
されているように、第一のスクロール部材と第二のスク
ロール部材とはそれぞれ、その鏡板部に対しスクロール
ラップ部と反対側に垂直に固定されたシャフトを互いに
偏心した状態で回転支持される構造であり、各スクロー
ル部材に作動流体の圧力により半径方向に作用する荷重
を前記シャフトの軸受け部で支持する構造となってい
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平2−298
684号公報に記載の同期回転型のスクロール形流体機
械では、各スクロール部材が回転すると同期をとるため
の摺動部材、すなわちオルダムリングは同時に回転しな
がらその重心が公転運動を行なう。この結果、オルダム
リングの遠心力が発生し、特に高速運転時等にその遠心
力が幾何級数的に増大するため、機械振動および遠心力
を支持する摺動面の摩耗や焼き付きの原因になるという
問題があった。
【0005】又、上記特開平2−298684号公報に
記載の同期回転型のスクロール形流体機械では、各スク
ロール部材に作用する半径方向荷重をその荷重の作用点
から偏位したシャフトの軸受部で支持するため、前記軸
受部には半径方向荷重以上の荷重が作用する。同期回転
型のスクロール形流体機械においては、シャフトの軸受
部は比較的摺動速度の大きな摺動部であり、その摺動荷
重も大きくなる事により大きな機械摩擦損失が発生し、
効率および耐久性を低下させるという問題があった。
【0006】さらに上記従来技術の同期回転型のスクロ
ール形流体機械では、各スクロール部材のスクロールラ
ップ部側面間におけるシール隙間の大きさが、各スクロ
ール部材に固定されたシャフトの軸受部の相互の偏心量
に左右されるので、安定した性能を確保するには前記軸
受部を構成する部材間の位置関係を厳密に管理する必要
があり、同期回転型のスクロール形流体機械の組立調整
作業が煩雑になるという問題があった。
【0007】本発明は、以上のような事情に着目してな
されたもので、以下の3つを主要な目的とする。
【0008】本発明の第1の目的は、回転同期機構部に
おいて不釣合な遠心力を発生させず、低振動で信頼性の
高い同期回転型のスクロール形流体機械を提供すること
にある。 本発明の第2の目的は、軸受部の摺動条件を
緩和し、高効率で信頼性の高い同期回転型のスクロール
形流体機械を提供することにある。
【0009】本発明の第3の目的は、スクロールラップ
部側面間におけるシール隙間の調整作業を容易で確実な
ものとし、量産性に優れ安定した性能の得られる同期回
転型のスクロール形流体機械を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の同期回転型のスクロール形流体機械
は、鏡板部とこれに立設するスクロールラップ部を有す
る第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部材とを備
え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材の
回転中心軸線を偏心させて組合せ、各スクロール部材の
回転に伴い各々の鏡板部とスクロールラップ部とにより
囲まれた作動空間の容積を変化させるように構成した同
期回転型のスクロール形流体機械において、前記第1の
スクロール部材と第2のスクロ−ル部材のそれぞれの回
転中心軸線上の点のまわりに回動可能であって、スクロ
ール部材に対する傾斜角度を可変にしうる自在機構を備
えた連結部材により前記第1のスクロール部材と第2の
スクロ−ル部材を連結するとともに、前記連結部材を前
記回転中心軸線の偏心を決めるための支持部により支持
するものである。
【0011】又、前記第1のスクロール部材と第2のス
クロ−ル部材の中央部であって、それぞれの回転中心軸
線上の点のまわりに回動可能であって、スクロール部材
に対する傾斜角度を可変にしうる自在機構を備えた連結
部材により前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−
ル部材を連結したものである。
【0012】又、前記第1のスクロール部材と第2のス
クロ−ル部材の中央部に、それぞれの回転中心軸線上の
点のまわりに回動可能であって、スクロール部材に対す
る傾斜角度を可変にしうる自在機構を備えた連結部材に
より前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材
を連結するとともに、前記連結部材を前記回転中心軸線
の偏心を決めるための支持部により支持し、前記第1の
スクロール部材と第2のスクロ−ル部材の回転同期をと
るための同期機構を設けたものである。
【0013】又、前記第1のスクロール部材と第2のス
クロ−ル部材のそれぞれの回転中心軸線上の点のまわり
に回動可能であって、スクロール部材に対する傾斜角度
を可変にしうる球面対偶からなる自在機構を備えた連結
部材により前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−
ル部材を連結するとともに、前記連結部材を前記回転中
心軸線の偏心を決めるための支持部により支持するもの
である。
【0014】又、鏡板部とこれに立設するスクロールラ
ップ部を有する第1のスクロ−ル部材と鏡板部の両面に
立設するスクロールラップ部を有する第2のスクロ−ル
部材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ
−ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せて、第2の
スクロ−ル部材の鏡板部の両面に2組の圧縮室を形成
し、前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材
のそれぞれの回転中心軸線上の点のまわりに回動可能な
ものであって、スクロール部材に対する傾斜角度を可変
にしうる球面対偶からなる自在機構を備えた連結部材に
より前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材
を連結するとともに、前記連結部材を前記回転中心軸線
の偏心を決めるための支持部により支持し、前記第1の
スクロール部材を電動機により駆動させることにより各
スクロール部材の回転に伴い前記圧縮室の容積を変化さ
せるように構成したものである。
【0015】又、前記第1のスクロール部材と第2のス
クロ−ル部材のそれぞれの回転中心軸線上の点のまわり
に回動可能であって、相対的な回転を規制してトルクを
伝達し、かつ各スクロール部材の回転を同期させことが
できる自在継ぎ手機構によりそれぞれのスクロール部材
と連結部材とを連結したものである。
【0016】又、密閉容器内の吸入口と連通する部分
に、鏡板部とこれに立設するスクロールラップ部を有す
る第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部材とを備
え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材の
回転中心軸線を偏心されて組合せられ、前記第1のスク
ロール部材と第2のスクロ−ル部材のそれぞれの回転中
心軸線上の点のまわりに回動可能であって、相対的な回
転を規制してトルクを伝達し、かつ各スクロール部材の
回転を同期させことができる自在継ぎ手機構によりそれ
ぞれのスクロール部材と連結部材とを連結されるととも
に、電動機より駆動される各スクロール部材の回転に伴
い各々の鏡板部とスクロールラップ部とにより囲まれた
作動空間の容積を変化させて作動媒体を圧縮して吐出す
るように構成した同期回転型の圧縮機構部を配置し、前
記密閉容器内の電動機が配置される部分を吸入圧力と吐
出圧力との中間的な圧力に維持されるように構成すると
ともに、前記吐出された作動媒体を前記回転中心軸線に
沿って設けられた吐出通路を介して密閉容器内の吐出空
間に導くように構成したものである。
【0017】又、前記自在機構が連結されているそれぞ
れのスクロール部材と連結部材との相対的な回転を規制
してトルクを伝達しえる自在継ぎ手機構であり、前記連
結部材が各スクロール部材の回転を同期させるように構
成したものである。
【0018】又、前記各スクロール部材を自在継ぎ手機
構を介して連結している同期させるための連結部材が、
前記各スクロール部材の外周側に配置されているもので
ある。又、前記同期させるための連結部材が、前記各ス
クロール部材の中央部を貫通して配置されているもので
ある。又、前記第1のスクロール部材はその鏡板部に対
し垂直に固定されたシャフト部が設けられ、該シャフト
部を回転支持されるものであって、第2のスクロール部
材は、第1のスクロール部材を案内としてこれに平行な
姿勢を維持しながら回転されるように構成されているも
のである。
【0019】又、前記第2のスクロール部材が鏡板部の
両面のそれぞれに立設するスクロールラップ部を有する
両歯スクロール部材であり、前記第1のスクロール部材
が前記第2のスクロ−ル部材の鏡板部に対抗する2つの
鏡板部を有するものであって、それぞれの鏡板部から立
設する2つのスクロールラップ部を有する両歯スクロー
ル部材であり、それぞれの両歯スクロール部材の歯を組
み合わせることにより作動空間群が2組形成されている
ものである。又、前記両歯スクロール部材のそれぞれに
形成された2つのスクロールラップ部が回転中心軸線方
向から見て重なる位置にそれらのプロフィールが同一に
形成されているものである。又、前記両歯スクロール部
材のそれぞれに形成された2つのスクロールラップ部
が、それらのプロフィールが同一で回転中心軸線方向か
ら見て該回転中心軸線の周りに互いに略180度の角度
だけ回転した位置に形成されているものである。
【0020】上記第2の目的を達成するために、本発明
の同期回転型のスクロール形流体機械は、鏡板部とこれ
に立設するスクロールラップ部を有する第1のスクロ−
ル部材と第2のスクロ−ル部材とを備え、該第1のスク
ロール部材と第2のスクロ−ル部材の回転中心軸線を偏
心させて組合せ、各スクロール部材の回転に伴い各々の
鏡板部とスクロールラップ部とにより囲まれた作動空間
の容積を変化させるように構成した同期回転型のスクロ
ール形流体機械において、前記第1のスクロール部材の
回転中心軸線上の第1の点を中心として回動可能な自在
機構と第2のスクロ−ル部材の回転中心軸線上であって
スクロールラップ部の高さ方向の中央部の第2の点を中
心として回動可能な自在機構を備えた連結部材により前
記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材を連結
するとともに、前記第1の点と第2の点との延長線上に
前記連結部材を支持する支持部を設けたものである。
【0021】又、鏡板部とこれに立設するスクロールラ
ップ部を有する第1のスクロ−ル部材と鏡板部の両面に
立設するスクロールラップ部を有する第2のスクロ−ル
部材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ
−ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せて、第2の
スクロ−ル部材の鏡板部の両面に2組の圧縮室を形成
し、前記第1のスクロール部材の回転中心軸線上の第1
の点を中心として回動可能な自在機構と第2のスクロ−
ル部材の回転中心軸線上であって鏡板部の高さ方向の中
央部の第2の点を中心として回動可能な自在機構を備え
た連結部材により前記第1のスクロール部材と第2のス
クロ−ル部材を連結するとともに、前記第1の点と第2
の点との延長線上に前記連結部材を支持する支持部を設
け、前記第1のスクロール部材を電動機で駆動させるこ
とにより各スクロール部材の回転に伴い前記圧縮室の容
積を変化させるように構成したものである。
【0022】又、前記自在機構が、スクロール部材の鏡
板部の半径方向の相対的な移動を拘束する球面対偶で形
成されており、前記連結部材がスクロール部材にその鏡
板部の半径方向に作用する荷重を支持する支持連結部材
で構成されているものである。 又、各スクロール部材
が支持連結部材の他に自在継ぎ手機構によりスクロール
部材との相対的な回転を規制されて結合された同期させ
るための連結部材によっても連結されている構造であ
り、前記同期させるための連結部材は前記各スクロール
部材の回転中心軸線に対して傾斜して設けられているも
のである。
【0023】又、前記自在継ぎ手機構が前記各スクロー
ル部材のそれぞれを同期させるための連結部材と結合さ
れており、該自在継ぎ手機構の少なくとも一方が、前記
スクロール部材と前記同期させるための連結部材との間
に中間部材を有するものであって、互いに略90度の角
度を成す二つの回転軸線を設け、前記中間部材に対し前
記スクロール部材を前記2つの回転軸線の一方の回転軸
線廻りに回転するように結合するとともに、前記同期連
結部材を他の一方の回転軸線廻りに回転するように結合
して構成したものである。又、前記中間部材の回転軸線
が鏡板部に略平行となる方向に形成されているものであ
る。又、前記中間部材および同期させるための連結部材
が前記回転軸線方向の相対的な移動を規制されるように
構成されているものである。
【0024】又、前記自在継ぎ手機構の少なくとも一方
が、前記スクロール部材と前記同期させるための連結部
材のいずれか1部材に対しその部材の回転中心軸線を含
む平面にほぼ平行に運動する滑動子を組込まれたもので
あって、該滑動子を他の1部材に対しその部材の半径方
向の軸線を回転軸として回転自在に拘束してなるもので
ある。又、前記自在継ぎ手機構が、前記各スクロール部
材のそれぞれを同期させるための連結部材と結合されて
おり、該自在継ぎ手機構が、前記スクロール部材と前記
同期させるための連結部材のそれぞれに回転中心軸線を
含む平面方向で回転中心軸線方向に形成された案内溝を
中心軸線周り周方向に複数対配置され、該対の案内溝に
沿って移動するように拘束された球を組み込んで成る等
速ボール継ぎ手機構で構成されている者である。又、前
記自在継ぎ手機構の少なくとも一方が、該自在継ぎ手機
構が結合されているスクロール部材と同期させるための
連結部材の少なくとも一方に対し中心軸線方向には移動
可能に構成されているものである。又、前記各スクロー
ル部材を自在継ぎ手機構を介して連結している同期させ
るための連結部材が、前記各スクロール部材の外周側に
配置されているものである。
【0025】上記第3の目的を達成するために、本発明
の同期回転型のスクロール形流体機械は、第1のスクロ
ール部材と同期させるための連結部材との自在継ぎ手に
よる結合部を基点として、前記同期させるための連結部
材の延長部分における回転支持位置までの距離を第2の
スロール部材と前記同期させるための連結部材との自在
継ぎ手による結合部までの距離より大きく構成したもの
である。又、前記支持連結部材の延長部分における回転
支持位置と該支持連結部材と第1のスクロール部材との
球面対偶による結合部との間に前記支持連結部材と第2
のスロール部材に対する球面対偶による結合部が配置さ
れているものである。又、同期させるための連結部材の
延長部分における回転支持位置と該同期させるための連
結部材と第1のスクロール部材との自在継ぎ手による結
合部との間に前記同期させるための連結部材と第2のス
ロール部材に対する自在継ぎ手による結合部が配置され
ているものである。又、前記支持連結部材をその延長部
分において回転支持する回転支持部材に、前記スクロー
ル部材の回転中心軸線の偏心させる方向の予圧力を印加
する変位部材を取り付けたものである。又、前記変位部
材の予圧力の方向の移動する距離を規制するためのスト
ッパを、初期組立て時に前記回転支持部材と微小な隙間
を有して組み込んだものである。又、前記連結部材をそ
の延長部分において回転支持する回転支持部材に、前記
各スクロール部材の回転中心軸線の偏心を運転条件の変
化に応じて増減させるための駆動装置を組み込んだもの
である。又、前記駆動装置が圧電素子で構成されている
ものである。又、回転支持部材あるいはストッパの当接
面の位置を運転条件の変化に応じて移動させる駆動装置
として圧電素子を用いたものである。
【0026】
【作用】上記第1の目的を達成するために上記のように
構成しているので、第1のスクロール部材と第2のスク
ロール部材のそれぞれと連結部材とは、それぞれのスク
ロール部材の回転中心軸線上の一点においてスクロール
部材に対する連結部材の傾斜方向を自由に変え得ること
ができ、その結果、前記二つのスクロール部材同士は連
結部材により連結されるとともに、上記自在機構を前記
2部材間の相対的な回転を規制してトルクを伝達するこ
とができる。
【0027】又、2つのスクロール部材の回転中心軸線
上の2点をトルクを伝達し得る自在継ぎ手機構を介して
連結部材により連結した場合は、スクロール部材同士の
回転同期が確実になり、特に連結部材の運動が二つのス
クロール部材の回転中心軸線上の2点を結んだ軸線を回
転中心とする単純な回転運動となるため、その形状が回
転中心軸線に対して対称性を有するように配慮する事に
より不釣合遠心力を発生させないようにすることが容易
に達成できる。又、軸方向に滑動出来るため、連結部材
は軸方向に拘束されず、過剰拘束となることが防止でき
る。
【0028】又、第1、第2のスクロール部材には、そ
れぞれの圧縮室が2つずつ形成されているため、それぞ
れの圧縮室に作用する圧力が互いにキャンセルし合う。
このため、各スクロール部材に作用するスラスト荷重が
低減できる。
【0029】上記第2の目的を達成するために上記のよ
うに構成しているので、スクロール部材と連結部材との
上記自在機構による結合部において、前記2部材間の半
径方向の相対的な移動を規制して半径方向に作用する荷
重を伝達する構成とする、あるいは、2つのスクロール
部材の一方ににのみその鏡板部に垂直に固定されたシャ
フト部を設け、2つのスクロール部材と連結部材との上
記自在機構による結合部において半径方向に作用する荷
重を伝達する構成とした場合、前記シャフト部のないス
クロール部材に半径方向に作用する荷重はまず自在機構
を介して連結部材により支持される。又、連結部材に2
つのスクロール部材との結合部から外側にそれが回転す
る中心軸線に沿って延びた延長部分を形成し該延長部分
において回転支持部材により回転支持した場合、前記連
結部材が支持する半径方向荷重はその延長部分における
回転支持部材と自在機構を介してシャフト部を有する他
のスクロール部材とにより支持される。今、シャフト部
のないスクロール部材と連結部材との自在機構による結
合部を荷重点(作用点)、シャフト部を有するスクロー
ル部材と連結部材との自在機構による結合部を支点、連
結部材の延長部分における回転支持部を力点と考え、支
点と荷重点間の距離に対して支点と力点間の距離を十分
大きく構成することにより、てこの原理により連結部材
延長部分の回転支持部(力点)に作用する荷重を、シャ
フト部のないスクロール部材と連結部材との自在機構に
よる結合部(荷重点)に作動流体の圧力によって作用す
る半径方向荷重に対して大幅に低減する事が可能であ
る。一方、シャフト部を有するスクロール部材には、作
動流体の圧力によって前記シャフト部のないスクロール
部材に作用する半径方向荷重と同じ大きさの荷重が半径
方向逆向きに作用するが、上記の如く連結部材との自在
機構による結合部(支点)に作用する荷重と打ち消し合
いその合計は結局前記連結部材延長部分の回転支持部
(力点)に作用する荷重と同じ大きさまで大幅に低減さ
れる。
【0030】実際には、前記シャフト部を有するスクロ
ール部材のシャフトを回転支持する各軸受け部は前記各
荷重が作用する位置から軸方向に偏位した位置に設けな
ければならず、モーメントを支える必要から各軸受け部
に作用する荷重の合計としては前記スクロール部材に作
用する荷重の合計より幾分増大するが、従来技術の場合
に比べれば大幅に低減することができる。以上のよう
に、回転運動により比較的摺動速度の大きい摺動部にお
いては、それらの摺動部荷重を大幅に低減することがで
き、機械摩擦損失の大幅な低減と摺動条件の大幅な緩和
が可能となる。
【0031】なお、2つのスクロール部材のそれぞれと
連結部材との自在機構による結合部(荷重点、支点)に
は、作動流体の圧力によってスクロール部材に作用する
半径方向荷重と同じ大きさ、あるいはそれに近い大きさ
の荷重が作用するが、前記自在機構部における摺動部の
相対運動は、連結部材がスクロール部材と共に回転した
場合にほぼ両者の回転中心軸線の微小な傾斜角を片振幅
とする揺動運動となり、その平均摺動速度は小さい。し
たがって、前記の各軸受部に比べてその機械摩擦損失は
無視できる程度に小さく、その摺動条件を大幅に緩和す
ることができる。
【0032】上記第3の目的を達成するために上記のよ
うに構成しているので、上記連結部材の延長部分におけ
る回転支持部材に、2つのスクロール部材の回転中心軸
線に対する前記連結部材の回転中心軸線の傾斜角が増大
する方向の予圧力を印加するすることができ、前記連結
部材がシャフト部を有するスクロール部材と連結部材と
の自在機構による結合部(支点)を中心として回転し、
これとシャフト部のないスクロール部材との自在機構に
よる結合部(荷重点)のシャフト部を有するスクロール
部材の回転中心軸線に対する偏心量が増大する。すなわ
ち、2つのスクロール部材間の偏心量をそれらのスクロ
ールラップの側面同士が接触するまで増大して、その部
分でのシール隙間をなくするあるいは小さくして機密性
を確保することが可能となる。同期回転型のスクロール
形圧縮機の特性として、作動流体の圧力によってスクロ
ール部材に作用する半径方向荷重は、2つのスクロール
部材の回転中心軸線同士の偏心方向と直角方向に作用す
るから、これがスクロール部材の回転中心軸線に対する
前記連結部材の回転中心軸線の傾斜角を増減させる作用
を行なうことはなく、上記スクロールラップの側面同士
の接触力は前記連結部材延長部分の回転支持部材に印加
する予圧力の大きさのみにより決まる。なお、上記のて
この原理により、スクロールラップの側面同士に与えよ
うとする接触力に比べ印加すべき予圧力の大きさは小さ
くてよい。
【0033】
【実施例】以下、本発明の第1の実施例を図1から図3
により説明する。図1は、スクロール式流体機械の一例
として、密閉形で同期回転型のスクロ−ル圧縮機に適用
した場合の実施例を示す縦断面図であり、図2および図
3はそれぞれ図1におけるA−A断面図、B−B断面図
である。
【0034】1、2はそれぞれ第1、第2のスクロール
部材であって、円板形状の鏡板部1a、2aに対して渦
巻状のスクロールラップ部1b、2bが垂直に立設され
ており、渦巻状のスクロールラップ部1b、2bが互い
に組み合わされて圧力室を形成している。スクロールラ
ップ部1b、2bが立設されている側と反対側には、シ
ャフト部3b、4bが鏡板部1a、2aに対して垂直と
なる様に、第1、第2のシャフト部材3、4がそれぞれ
ボルト等(図示せず)によりそのフランジ部3a、4a
を鏡板部1a、2aと密着されて固定されている。
【0035】第1、第2のシャフト部材のシャフト部3
b、4bには、それぞれモ−タ34、35のロ−タが取
り付けられており、第1、第2のフレーム5、6の中央
部に組み込まれたすべり軸受からなる主軸受7、8およ
び第1、第2のサブフレーム9、10の中央部に組み込
まれた球面すべり軸受からなる副軸受11、12により
回転支持されている。又、フレ−ム5、6にはモ−タ3
4、35のステ−タが取り付けられている。第1、第2
のスクロール部材の中央部には、連結軸16とスクロー
ル鏡板部1a、2aの中央の穴との隙間、後述する各自
在継ぎ手機構の構成部品間隙間、シャフト部材のシャフ
ト部3b、4bの中心に形成された吐出穴3e、4eに
より吐出通路が形成されている。
【0036】第1のフレーム5と第1のサブフレーム9
とはそれぞれそれらの中央部に組み込まれた軸受同士が
同軸となるようにボルト等(図示せず)により互いに固
定されている。第2のフレーム6と第2のサブフレーム
10もまた同様にそれらの中央部に組み込まれた軸受同
士が同軸となるようにボルト等(図示せず)により互い
に固定されいるが、この時、第1のフレーム5と第2の
フレーム6の中央部に組み込まれた主軸受7、8の相互
の軸受中心線は、スクロールラップ部1b、2bの幾何
学的形状から決まる偏心量と等しくなるように偏心され
ており、第1、第2のフレーム5、6および第1、第2
のサブフレーム9、10は一体となって固定されてい
る。これらの部品の全体は、チャンバ13およびチャン
バ14、15により構成される密閉容器の中に組み込ま
れおり、外気と隔離される構造となっている。
【0037】第1、第2のスクロ−ル部材1、2はそれ
ぞれモ−タ34、35によって回転されるが、第1、第
2のスクロ−ル部材1、2の同期回転を行わせるため、
本実施例では連結部材21が設けられている。この連結
部材21は、連結軸16の両端部に連結端部材17、1
8がキ−22を介して相互の回転を防止されて取り付け
られ、ナット19、20により固定されて構成されてい
る。又、連結端部材17、18とシャフト部材の円筒部
3c、4cとの連結は、図3に示すように構成されてい
る。
【0038】連結端部材17、18の外側にはそれぞれ
リング形状の中間部材23、24が配置され、この連結
端部材17、18と中間部材23、24は、それぞれス
クロール部材の鏡板部1a、2aとシャフト部材3、4
の間に形成された空間26、27の中に収納されてい
る。連結端部材17、18の外周にはそれぞれ同軸に形
成された1対ずつのピン穴17a、18aが連結軸16
の軸心と直角な方向にそれぞれのピン穴の方向が互いに
平行に形成されている。それぞれの中間部材23、24
には、図3に示すように連結軸16の軸心を中心として
半径方向に互いに90度の角度を成す4つのピン穴が、
2つずつピン穴が同軸に2対形成されている。連結端部
材17と中間部材23とは、2つの連結ピン25が同軸
に形成された連結端部材17のピン穴17aと中間部材
23のピン穴23aにまたがって挿入されることによっ
てピン軸廻りに回転可能に結合されている。連結端部材
18と中間部材24との結合も連結ピン25、ピン穴1
8a、24aを介して同様に行われている。
【0039】シャフト部材の円筒部3c、4cにはそれ
ぞれその中心軸と直交する1対のピン穴3d、4dが形
成されている。前記ピン穴3dと前記ピン穴4dとは、
それらと一体に固定されたスクロールラップ部1b、2
bをその幾何学的形状から決まる相対的な回転位置(同
期位置)に合わせた時に、平行となる方向に形成されて
いる。中間部材23とシャフト部材の円筒部3cとは、
2つの連結ピン28が同軸に形成された中間部材23の
ピン穴23bとシャフト部材の円筒部3cのピン穴3d
にまたがって挿入されることによってピン軸廻りに回転
可能に結合されている。中間部材24とシャフト部材の
円筒部4cとの結合も連結ピン28、ピン穴24b、4
cを介して同様に行われている。
【0040】なお、上記連結端部材17、18と中間部
材23、24との間、中間部材23、24と円筒部3
c、4cとの間にはそれぞれ隙間が設けられているが、
図3に示すようにそれぞれの連結ピン25あるいは連結
ピン28による結合部においては、連結ピン25、28
の軸方向の相対的な移動を規制するためにそれぞれの部
品間の隙間は微小となるように構成されている。
【0041】このような構成とすることにより、連結部
材21とシャフト部材3、あるいは連結部材21とシャ
フト部材4とは、それぞれ中間部材23、24を介して
互いに90度の角度を成す2つの回転軸廻りの回転が可
能となり、図1中に示す定点X、Yを中心として傾斜方
向には相対的な傾斜角を自由に変えることができ、中心
軸廻りの相対的な回転は規制されて回転トルクを互いに
伝達し合うことができる、いわゆる自在継ぎ手機構が構
成されている。
【0042】密閉容器内には、3つの圧力室が形成され
ている。各圧力室の構成は、第1、第2のスクロール部
材1、2の周囲で第1、第2のフレーム5、6に挾まれ
た空間は、吸入口36と連通する低圧室29が形成され
ている。その外側で第1、第2のフレーム5、6と第
1、第2のサブフレーム9、10とで挾まれた空間は、
吐出圧力と吸入圧力との中間の圧力の中間圧室30、3
1が形成されている。第1、第2のサブフレーム9、1
0の外側の空間は、吐出圧力雰囲気に維持される高圧室
32、33が形成されている。これら各圧力室をシャフ
ト部3b、4bが貫通しているが、圧力室間のシールは
その軸受部の微小隙間とその隙間に形成される油膜によ
り行われる。
【0043】又、第1、第2のサブフレーム9、10に
は、給油穴9a、10aが形成され、差圧給油により潤
滑油を副軸受11、12に供給した後、副軸受11、1
2の潤滑を行ないながら軸受隙間を通って中間圧室3
0、31に流入するように構成されている。第1、第2
のフレーム5、6には給油穴5a、6aが形成され、中
間圧室30、31下部に溜った潤滑油を差圧給油により
主軸受7、8に供給し、潤滑を行ないながら軸受隙間を
通って低圧室29に流入するように構成されている。
次に、以上のように構成されたスクロ−ル形流体機械の
動作を説明する。モータ34、35により第1、第2の
シャフト部材のシャフト部3b、4bが同方向に回転駆
動されると、第1、第2のスクロール部材1、2はそれ
ぞれ上記自在継ぎ手機構を介して連結部材21により連
結されているため、互いに同期して回転する。その際、
連結部材21は上記2つの定点X、Yを結んだ軸線を回
転中心として第1、第2のスクロール部材1、2の回転
中心軸線に対して一定の傾斜角を持った状態で回転運動
のみを行なう。連結部材21は、第1、第2のスクロー
ル部材1、2に対して、それらを結合する上記自在継ぎ
手機構部分においては完全には同期せず、前記傾斜角の
大きさに応じて相対的に微小な回転速度変動を伴うが、
上記したように2つの自在継ぎ手機構における連結ピン
25、28の方向を一致させてあるので、それぞれの自
在継ぎ手機構において発生する回転速度変動同士が打ち
消し合い、第1のスクロール部材1と第2のスクロール
部材2とは同期して回転し、スクロール鏡板部1a、2
aおよびスクロールラップ部1b、2bとで囲まれた圧
縮室空間の容積を連続的に変化させる。
【0044】作動ガスは、チャンバ13に設けられた吸
入口36より外部から低圧室29に流入し、図2に示し
たように、スクロ−ル部材の外周部から吸入され後、圧
縮室の容積が小さくなるように変化することにより圧縮
されて中央部に移送され、その後、連結軸16とスクロ
ール鏡板部1a、2aの中央の穴との隙間、各自在継ぎ
手機構の構成部品間隙間、シャフト部材のシャフト部3
b、4bの中心に形成された吐出穴3e、4e、を経て
高圧室32、33に吐き出され、チャンバ14、15に
設けられた吐出口37、38より外部に流出する。この
とき、作動ガスと潤滑油が混合された状態で高圧室3
2、33に吐き出されるが、高圧室32、33内で作動
ガスの速度が低下する、ケ−シンで衝突することにより
作動ガスと分離され、潤滑油は高圧室32、33の下部
に溜まる。この貯溜された潤滑油は、第1、第2のサブ
フレーム9、10に形成された給油穴9a、10aを通
って差圧給油により副軸受11、12に供給され、潤滑
を行ないながら軸受隙間を通って中間圧室30、31に
流入し、中間圧室30、31下部に溜まる。この中間圧
室30、31下部に溜った潤滑油は、第1、第2のフレ
ーム5、6に形成された給油穴5a、6aを通って差圧
給油により主軸受7、8に供給され、潤滑を行ないなが
ら軸受隙間を通って低圧室29に流入する。低圧室29
において潤滑油は圧縮室空間に吸入される作動ガスと一
緒になり、各摺動部の潤滑を行ないながら作動ガスの吸
入通路を経て圧縮室に流入し、吐出経路を通って再び高
圧室32、33に吐き出され、同様の潤滑サイクルを繰
り返す。
【0045】スクロ−ル形流体機械の動作時には、複数
の圧縮室の圧縮されたガス圧力とスクロール鏡板部1
a、2aの背面に作用する圧力とにより、スクロール鏡
板部1a、2aには、それぞれその両面に作用する圧力
の大きさに差が生じ、第1、第2のスクロール部材1、
2にはそれらを左右に引き離そうとするスラスト力が作
用する。このスラスト力は、第1、第2のスクロール部
材1、2を連結する2つの自在継ぎ手機構と連結部材2
1により支持され、連結端部材17、18と中間部材2
3、24とが球面軸受で形成されているため、スラスト
力をこの連結部材21で受けることができ、その他の構
成部品にスラスト力が作用することを防止できる。この
とき、2つの自在継ぎ手機構と連結部材21には上記ス
ラスト力が作用するが、その摺動部における相対運動
は、連結ピン25あるいは連結ピン28を中心とし連結
部材21の回転中心軸線と第1、第2のスクロール部材
1、2の回転中心軸線との微小な傾斜角を片振幅とする
揺動運動であり、その摺動速度は、上記スラスト力を例
えば主軸受7、8の端面のような固定部材で支持した場
合に比べて、かなり小さくすることができる。
【0046】以上説明したように、本実施例の同期回転
型のスクロール形流体機械によれば、2つのスクロール
部材1、2の回転を同期させる機能を果たす連結部材2
1が前記2つスクロール部材1、2の回転中心軸線に対
して一定の傾斜角を持った状態で回転運動のみを行なう
ので、不釣合な遠心力が発生せず、特に高速運転時にお
いても低振動で信頼性の高い同期回転型のスクロール形
流体機械を提供することができる。
【0047】又、本実施例によれば、2つのスクロール
部材1、2を引き離そうとするスラスト力を摺動速度の
小さい2つの自在継ぎ手機構と連結部材21とにより支
持するので、機械摩擦損失が小さく効率の高い同期回転
型のスクロール形流体機械を提供することができる。
【0048】なお、本実施例では、2つのスクロール部
材をそれぞれ別個のモータで回転駆動する型式について
説明したが、片方のスクロール部材に取り付けた1つの
モータにより回転同期機構を介して他方のスクロール部
材も回転駆動する形式の同期回転型のスクロール形流体
機械に対しても適用可能であり、同様の効果が得られ
る。
【0049】次に、本発明の第2の実施例を図4から図
8により説明する。図4は、1つのモ−タの同期回転型
のスクロール形流体機械の一例として、密閉型圧縮機に
適用した場合の実施例を示す縦断面図であり、図5から
図8はそれぞれ図4におけるC−C断面図、D−D断面
図、E−E断面図、F−F断面図である。
【0050】図4に示すように、51、52はそれぞれ
第1、第2のスクロール部材であって、円板形状の鏡板
部51a、52aに対して渦巻状のスクロールラップ部
51b、52bが垂直に立設されている。鏡板部51a
のスクロールラップ部51bが立設されている側と反対
側に、シャフト部51cが鏡板部51aに対して垂直に
一体で形成されており、シャフト部51cにはモ−タ7
3のロ−タが取り付けられている。シャフト部51cに
は、フレーム53の中央部に組み込まれた球面すべり軸
受からなる主軸受54および第1のサブフレーム55の
中央部に組み込まれた球面すべり軸受からなる副軸受5
6により回転支持されている。
【0051】第1のスクロール部材51には、第2のス
クロール部材52の外周側に向かって腕部51dが形成
されており、腕部51dにスラスト支持板57がボルト
等(図示せず)により固定されている。第2のスクロー
ル部材52は、ボルト等(図示せず)により固定された
第1のスクロール部材51とスラスト支持板57との間
に微小な隙間を有して挾まれており、第1のスクロール
部材51に対する軸方向の移動を規制された構造となっ
ている。
【0052】又、第2のスクロール部材52とスラスト
支持板57との間にはリング形状をしたオルダムリング
58が組み込まれているが、図6に示すようにオルダム
リング58には、その両面にはそれぞれ半径方向に滑動
する滑り面を持ったキー部58a、58bが1対ずつ互
いに90度の角度をなす方向に突出して形成されてい
る。キー部58a、58bは、それぞれ第2のスクロー
ル部材52とスラスト支持板57とに1対ずつ半径方向
に形成されキー溝部52c、57aに嵌入されている。
このため、第1のスクロール部材51と第2のスクロー
ル部材52とは、半径方向の相対的な並進運動は自由に
行なえるものの相対的な回転運動を規制されて、いわゆ
る相対的に旋回運動を行う。
【0053】第1のスクロール部材51と第2のスクロ
ール部材52との中央部には連結部材59が設けられて
いるが、この連結部材59には、2つの球面部59a、
59bが形成されており、かつ球面部59bに対して球
面部59aと反対側に延びた延長部の先端にはシャフト
部59cが形成されている。球面部59aは球面支持部
材60の球面状の穴部60aに球面対偶による自在機構
をもって嵌入され、さらに球面支持部材60の円筒状外
周面60bは第1のスクロール部材の鏡板部51aの中
央に設けられた円筒穴51eに嵌入されており、第1の
スクロール部材の鏡板部51aに対して自由にその傾斜
方向を変えることおよび軸方向の移動ことが可能になっ
ている。又、球面部59bは、第2のスクロール部材ス
クロールラップ部52bの鏡板部52aの中央部に設け
られたボス部52dの球面状の穴部52eに球面対偶に
よる自在機構をもって嵌入されており、自由にその傾斜
方向を変えることが可能になっている。このとき、球面
状の穴部52eの球心は、スクロールラップ部52bの
高さ方向の中心に合わせて構成されている。シャフト部
59cには、球面形状の連結部材軸61が取り付けら
れ、この連結部材軸61は、軸受支持部材62の球面状
の穴部62aにより第1のスクロール部材のシャフト部
51cの回転中心軸線から偏位した位置で回転支持され
ており、自由にその傾斜方向を変えることが可能となっ
ている。この軸受支持部材62は、図4及び図7に示す
ように、フレーム53に固定された第2のサブフレーム
63の突起部63aに設けられた穴部63bと、第2の
サブフレーム63にボルト64により固定された第3の
サブフレーム65の穴部65aとに、互いに同軸な円筒
部62b、62cを有する軸受支持部材62を嵌入し、
上部の円筒部62cが第3のサブフレームの穴部65a
に対し滑動可能なように構成されている。又、軸受支持
部材62の下部で突起部63aとの間には、外部から印
加される電圧によりその厚みを変えることのできる圧電
素子66が介在されており、第2のサブフレームの突起
部63aに接着等の方法で固定されている。また、第
1、第2のスクロール部材のスクロールラップ部51
b、52bは、第2のスクロール部材の鏡板部中央にボ
ス部52dを設ける為に、図5に示すように非対称の特
殊なラップ歯形形状を採用しているが、このラップ歯形
形状は、一方に対して他方を所定の旋回半径で相対的な
公転運動をさせた時にお互いが相手のラップ歯形の運動
の包絡線形状となるように形成してあるので、お互いの
歯が干渉することがない。
【0054】上記の電動機部および圧縮機構部は、チャ
ンバ67およびその両側に設けられたチャンバ68、6
9により構成される密閉容器の中に組み込まれて外気と
隔離される構造となっている。フレーム53と第1のサ
ブフレーム55とはそれらの中央部に組み込まれた軸受
同士が同軸となるようにチャンバ67に固定されてい
る。密閉容器内部の各圧力室は、第1、第2のスクロー
ル部材51、52および第2のサブフレーム63の周囲
のフレーム53と密閉側チャンバ69に挾まれた空間が
吸入口74と連通する低圧室70に、フレーム53と第
1のサブフレーム55とで挾まれた空間が吐出圧力と吸
入圧力の中間の圧力である中間圧室71に、第1のサブ
フレーム55とチャンバ68とで挾まれた空間が吐出圧
力である高圧室72に構成されている。各圧力室をシャ
フト部51cが貫通しているが、第1の実施例と同様
に、圧力室間のシールはその軸受部の微小隙間とその隙
間に形成される油膜により行われる。
【0055】以上のように構成することにより、上記し
たように自在機構による連結部材59と第1のスクロー
ル部材との結合の中心X、連結部材59を支持する連結
部材軸61の球面中心Zはいずれも定点となり、連結部
材59はこの2つの定点を結んだ軸線に沿って位置し、
第1のスクロール部材のシャフト部51cの回転中心軸
線に対しある一定の傾斜角を有して回転する。この時、
連結部材59と第2のスクロール部材との自在機構によ
る結合の中心Yも、上記2つの定点X、Zを結んだ軸線
上の定点となり、第1のスクロール部材のシャフト部5
1cの回転中心軸線に対して一定の偏位量を有するが、
その偏位量はスクロールラップ部51b、52bのラッ
プ歯形形状に対応する上記旋回半径と等しくなるように
構成されている。なお、連結部材59の上記傾斜角度
は、コントロ−ラからの信号により圧電素子66に印加
する電圧を制御して圧電素子66の変位量を変えて定点
Zを上下に微小量動かすことにより変化させることが可
能であり、定点Yの第1のスクロール部材のシャフト部
51cの回転中心軸線に対する偏位量も微小量だけ変化
させることが可能である。
【0056】モータ73によりシャフト部51cが回転
駆動されると、第1のスクロール部材51が回転し、第
2のスクロール部材52は、オルダムリング58を介し
て回転力を伝達され、第1のスクロール部材51と同期
して回転する。このとき、中央部を連結部材59によっ
て拘束され、両端を第1のスクロール部材51とスラス
ト支持板57とにより拘束されているので、その回転中
心軸線は、上記の定点Yを通りシャフト部51cの回転
中心軸線に平行な軸線となる。すなわち、第2のスクロ
ール部材52は、鏡板部52aに垂直なシャフト部を有
していないが、第1のスクロール部材51と互いの回転
中心軸線を平行にし、スクロールラップ部51b、52
bの幾何学的形状から決まる偏心量だけ偏心し、互いに
同期して回転する。その結果、スクロール鏡板部51
a、52aおよびスクロールラップ部51b、52bと
で囲まれた圧縮室空間の容積は連続的に変化する。
【0057】作動ガスは、図4に示すようにチャンバ6
7に設けられた吸入口74より外部(冷凍サイクル等)
から低圧室70に流入し、図5に示すように外周部から
吸入され後、圧縮室空間の容積変化により圧縮されて中
央部から吐出される。その後、第1の実施例と同様に、
連結部材の球面部59aが嵌入された球面支持部材の円
筒状外周面60bの一部に設けられた溝部60cを通
り、第1スクロール部材のシャフト部51cの中心に形
成された吐出穴51fを経て高圧室72に吐き出され、
チャンバ68に設けられた吐出口75より外部に流出す
る。このとき、各摺る動部の潤滑は、第1の実施例の場
合と同様な経路によって行なわれる。
【0058】上記作動ガスの圧縮により、第1、第2の
スクロール部材51、52には第1の実施例の場合と同
様に、第1、第2のスクロール部材51、52を左右に
引き離そうとするスラスト力が作用するが、このスラス
ト力は、第2のスクロール部材の鏡板部52aの背面部
が第1のスクロール部材51と一体となったスラスト支
持板57で支持されるため、スラスト力がその他の部品
に作用することがない。なお、第2のスクロール部材と
スラスト支持板57との摺動部における相対運動は、ス
クロールラップ部51b、52bの幾何学的形状から決
まる偏心量を旋回半径とする公転運動であり、その摺動
速度は上記スラスト力を固定部材で支持した場合の摺動
速度に比べて小さく、その機械摩擦損失も比較的小さ
い。
【0059】又、スクロールラップ部51b、52bの
側面方向に作用する圧力により、第1、第2のスクロー
ル部材51、52のそれぞれには、図4に示す紙面に垂
直方向で互いに反対向きに同じ大きさの半径方向荷重が
作用するが、そのうちの第2のスクロール部材52に作
用する半径方向荷重は、定点Xと定点Zにおいてそれぞ
れ第1のスクロール部材と連結部材軸受61において支
持される連結部材59の定点Yに作用する。定点Xを支
点、定点Yを荷重点、定点Zを力点と考えると、本実施
例においては支点と荷重点との距離に対して支点と力点
との距離を十分大きく構成しているので、てこの原理に
より力点Zで連結部材59を支持しなければならない荷
重は、荷重点Yにおいて連結部材59に作用する荷重す
なわち第2のスクロール部材52に作用する半径方向荷
重に比べ大幅に小さくなる。例えば、図4に示す寸法構
成とした場合、その荷重は約5分の1となる。連結部材
59の球面部59a、59bにおける摩擦力による駆動
トルクの方が、シャフト部59cにおける摩擦力による
抵抗トルクより格段に大きいので、機械的には拘束され
ていないにも拘らず連結部材59は各スクロール部材と
一緒に回転し、連結部材軸61の軸受荷重が大幅に低減
されることになる。又、支点Xでは残りの約5分の4の
荷重を支持するが、このことは第1のスクロール部材5
1には支点Xの位置に、第2のスクロール部材52に作
用する半径方向荷重の方向にその約5分の4の荷重が作
用することを意味する。一方、第1のスクロール部材5
1には上記したように、第2のスクロール部材52に作
用する半径方向荷重と同じ大きさの荷重が直接スクロー
ルラップ部51bに反対向きに作用するため、結局その
合計荷重も各スクロール部材に直接作用する圧力による
半径方向荷重の約5分の1となる。これに比べ、第1の
スクロール部材のシャフト部51cを回転支持する主軸
受54と副軸受56の軸受荷重の合計は、それらの軸受
がいずれも第1のスクロール部材51に作用する上記各
荷重の作用位置に対し片側に偏位した位置にあるためモ
ーメントを支えなければならないことによって若干増加
するが、それでも各スクロール部材に圧力により直接作
用する半径方向荷重に比べ大幅に小さい。球面部59
b、59aに作用する荷重はそれぞれ各スクロール部材
に直接作用する圧力による半径方向荷重と同じ大きさも
しくはそれに近い大きさであるが、球面部59b、59
aと第2のスクロール部材の球面状の穴部52eあるい
は球面支持部材の球面状の穴部60aとの相対運動は、
両者が互いの回転中心軸線を微小な角度だけ傾斜させて
共に回転するため、ほぼその微小な傾斜角を片振幅とし
球半径を揺動半径とする揺動運動となり、その平均摺動
速度はかなり小さい。
【0060】本実施例によれば、比較的摺動速度の大き
な回転摺動部である主軸受54、副軸受56、連結部材
軸受61の各軸受荷重を大幅に低減することが出来るの
で、機械摩擦損失が小さく高効率で信頼性の高い同期回
転型のスクロール形流体機械を提供することができる。
【0061】又、本実施例によれば、同期回転型のスク
ロール形流体機械において圧電素子66に印加する電圧
を変えて第1のスクロール部材51の回転中心軸線と第
2のスクロール部材52の回転中心軸線との偏心量を調
整出来るので、圧縮機の運転条件の変化に伴う各部品の
熱膨張量の変化等でスクロールラップ部51a、52b
間の半径方向シール隙間が変化するのを補正する事が出
来、高効率を維持できる同期回転型のスクロール形流体
機械を提供するするができる。
【0062】次に、本発明の第3の実施例を図9により
説明する。図9は、同期回転型のスクロール形流体機械
の一例として、密閉型圧縮機に適用した場合の実施例を
示す縦断面図である。この第3の実施例の構造は図4か
ら図8に示した第2の実施例と同様の構成であるが、以
下の点が相違する。本実施例においても連結部材159
には2つの球面部159a、159bが形成され、それ
らの間から外側に延びた延長部の先端にシャフト部15
9cが形成されているが、本実施例では球面部159a
が、第2のスクロール部材の鏡板部152aの中央部に
設けられたボス部152dの球面状の穴部152eに球
面対偶による自在機構を持って嵌入され、中央部の球面
部159bが球面支持部材160の球面状の穴部160
aに球面対偶による自在機構を持って嵌入され、球面部
159bの球心が、第1のスクロール部材151の回転
中心軸線上に位置するように配置されている。又、球面
支持部材160の円筒状外周面160bは第1のスクロ
ール部材151に固定されたスラスト支持板157の中
央部の円筒穴157bに軸方向に移動可能に挿入されて
いる。球面部159aの球心は第1のスクロール部材1
51の回転中心軸線に対して図9に示すように上方に偏
位して配置しているため、第2のスクロール部材152
の回転中心軸線は、第2の実施例と同様に第1のスクロ
ール部材151の回転中心軸線に対して図9示すように
上方に偏心している。一方、連結部材159のシャフト
部159cは、第2の実施例の場合と異なり第1のスク
ロール部材151の回転中心軸線に対して図9に示すよ
うに、下方において連結部材軸受61等の支持部材によ
って支持されている。それらの支持部材は第2の実施例
とほぼ同じ構成であるが、配置は第2の実施例と逆に組
み立てられている。
【0063】連結部材159の球面部159a、159
bの球心をそれぞれ荷重点Y、支点Xとし、球面滑り軸
受からなる連結部材軸61の球心を力点Zとすると、第
2の実施例においては、支点Xが荷重点Yと力点Zの外
側にあったのに対し、本実施例では支点Xが荷重点Yと
力点Zの間にある点が異なる。支点Xと荷重点Yとの距
離に対し支点Xと力点Zとの距離を十分大きく構成して
ある点は共通であり、第2の実施例と全く同様のてこの
原理により回転摺動を行なう主軸受54、副軸受56、
連結部材軸受61の軸受荷重を大幅に低減することが出
来る。
【0064】また、本実施例においても圧電素子66に
印加する電圧を変える事により第2の実施例と同様に第
1のスクロール部材151の回転中心軸線と第2のスク
ロール部材152の回転中心軸線との偏心量を外部から
微調整する事が可能であり、本実施例の様な構成によっ
ても第2の実施例と同様な効果が得られる。
【0065】次に、本発明の第4の実施例を図10から
図12により説明する。図10は、同期回転型のスクロ
ール形流体機械の一例として、密閉型圧縮機に適用した
場合の実施例を示す縦断面図である。図11、図12は
それぞれ図10におけるG−G断面図、H−H断面図で
ある。この第4の実施例では、第1の実施例における発
明の効果と第2、第3の実施例における発明の効果とを
合わせ持ったスクロ−ル形流体機械を提供することであ
る。以下、第1、第2の実施例と比較しながら本実施例
のスクロ−ル形流体機械の構造上の特徴を述べる。
【0066】本実施例の第1、第2のスクロール部材8
1、82は、それぞれ図11、図12に示されるよう
に、第1の実施例と同様な原理の自在継ぎ手による自在
機構により連結部材83と結合されて互いに連結されて
おり、この点が第1、第2のスクロール部材51、52
がそれぞれ連結部材59と球面対偶による自在機構によ
り結合して連結される構造であった第2の実施例と異な
る1つの点である。
【0067】図11に示すように、第1中間部材84は
リング状形状をしており、90度の間隔で4つのピン穴
83a、84aが半径方向に形成されている。そのうち
の中心軸が共通な2つのピン穴84aと他の中心軸が共
通な2つのピン穴84bは、いずれも同一平面上にあっ
てそれらの共通の軸中心線は互いに直交している。第1
のスクロール部材のつば部81dには2つのピン穴81
eが半径方向に形成されており、それらの共通の軸中心
線は、シャフト部81cの中心軸すなわち第1のスクロ
ール部材の回転中心軸線を通るように配置されている。
連結部材83には図10におけるG−G断面の位置に共
通の軸中心線を持つ2つのピン穴83aが半径方向に形
成されている。第1中間部材84と第1のスクロール部
材81とは、2つの連結ピン85がピン穴84aとピン
穴81eとにまたがって挿入されることによりそのピン
軸廻りの回転が可能に結合され、第1中間部材84と連
結部材83も2つの連結ピン85がピン穴84bとピン
穴83aとにまたがって挿入されることによりそのピン
軸廻りの回転が可能に結合されており、一方の自在継手
による自在機構が構成されている。図12に示すよう
に、第2中間部材86には2つのピン穴86aと他の2
つのピン穴86bが形成され、第2スクロール部材の鏡
板部の外周側に設けられたつば部82cには半径方向に
2つのピン穴82dが形成され、第2中間部材86と第
2スクロール部材82がピン穴86aとピン穴82dと
にまたがって挿入され2つの連結ピン85によりピン軸
廻りの回転が可能なように結合されている。このとき、
第2スクロール部材に形成された2つのピン穴82dの
共通な軸中心線は、第2スクロール部材のスクロールラ
ップ部82bの高さ方向の中央にあり、またその回転中
心軸線を通る位置に設けられている。一方、連結部材8
3には、図10におけるH−H断面の位置に2つのピン
穴83bが半径方向に形成されており、第2中間部材8
6と連結部材83がピン穴86bとピン穴83bとにま
たがって挿入された2つの連結ピン85により、ピン軸
廻りの回転が可能に結合されており、他方の自在継手に
よる自在機構が構成されている。又、図11、図12に
示す各部材は連結ピン85による結合部においてそのピ
ン軸方向の相対移動を拘束するため微小な隙間で組み立
てられている。これらの機構により、第2のスクロール
部材82は、第1のスクロール部材81を案内としてこ
れと平行な姿勢を維持することができる。
【0068】又、第2の実施例における球面対偶による
自在機構が部品間の傾斜方向も各部品の軸回りの相対的
な回転も拘束されていないのに対し、本実施例の自在継
ぎ手による自在機構は第1の実施例と同様に部品間の傾
斜方向は拘束していないが、各部品の軸回りの相対的な
回転を拘束しており、連結部材83を介して回転の同期
と駆動トルクの伝達を行なう機構となっている。このた
め、本実施例では、第2の実施例におけるオルダムリン
グ58のような回転同期機構部品は設ける必要がない。
また、本実施例の自在継ぎ手による自在機構はスラスト
荷重を伝達することができ、連結部材83を介して第
1、第2のスクロール部材81、82を引き離そうとす
る荷重を支持することができるので、第2の実施例にお
けるスラスト支持板57のようなスラスト荷重を受ける
部品も不要である。
【0069】第1の実施例における連結部材21が第
1、第2のスクロール部材1、2の中央部を貫通してそ
れらを連結していた、第1、第2のスクロール部材1、
2がそれぞれと一体に固定されたシャフト部材のシャフ
ト部3b、4bを回転支持されて回転するのに対し、本
実施例の連結部材83は、第1、第2のスクロール部材
81、82の外周部に配置されそれらを連結しているの
が特徴であり、第2のスクロール部材82はシャフト部
を有しておらず、連結部材83との自在機構による結合
の中心すなわち第2中間部材86の2つのピン穴86a
の共通軸と他の2つのピン穴86bの共通軸の交点を中
心として回転するようになっている。その際、前述した
ように、第2のスクロール部材82は第1のスクロール
部材81を案内として平行な姿勢を維持するので、その
回転中心軸線は共通な軸中心線の交点を通り第1のスク
ロール部材81の回転中心軸線に平行な軸線となる。こ
れは、第2の実施例における第2のスクロール部材52
が、連結部材59との自在機構による結合の中心すなわ
ち球面部59bの球心Yを通り第1のスクロール部材5
1の回転中心軸線に平行な軸線を回転中心軸線として回
転するのと同じである。
【0070】又、連結部材83は、第1、第2のスクロ
ール部材81、82との自在継ぎ手による結合部の間か
ら外側に延びた延長部分の先端部に形成したシャフト部
83cが、第2サブフレ−ム88に設けられた球面に嵌
合する球面軸受である連結部材軸受61により回転支持
されており、その連結部材軸受61の球心は第1のスク
ロール部材81の回転中心軸線から半径方向に偏位され
て支持されている。また、前述したように、連結部材8
3は第1のスクロール部材のつば部81dの2つのピン
穴81eの共通軸とシャフト部81cの回転中心軸線と
の交点を中心として、自在継ぎ手による自在機構により
拘束されている。このように構成されているので、連結
部材83は第1のスクロール部材81の回転中心軸線に
対して一定角度だけ傾斜した中心軸線廻りに回転する。
一方、第2のスクロール部材82の回転中心である連結
部材83との自在機構による結合の中心は上記の傾斜し
た中心軸線上の定点であり、その第1のスクロール部材
81の回転中心軸線からの偏位量は上記連結部材軸受6
1の第1のスクロール部材81の回転中心軸線からの偏
位量および位置を適当な値に設定することにより、第
1、第2のスクロール部材のスクロールラップ部81
b、82bの歯形の幾何学的形状から決定される偏位量
となるように調整されている。
【0071】以上のように構成しているので、モータ7
3により第1のスクロール部材81が回転すると、第2
のスクロール部材82が連結部材83によって駆動トル
クを伝達されて同期しながら回転し、各スクロール部材
の鏡板部81a、82aとスクロールラップ部81b、
82bとで形成される圧縮室が図12に示す様に外周部
から中央部に向かって逐次その容積を減少させて作動ガ
スの圧縮を行なう。ガス圧力により第2スクロール部材
のスクロールラップ部82bに作用する半径方向荷重
は、まず連結部材83に作用し、その荷重が連結部材8
3を支える第1のスクロール部材81と連結部材軸受6
1に作用する。連結部材83と第1のスクロール部材8
1との自在継ぎ手による結合の中心を支点X、連結部材
83と第2のスクロール部材82との自在継ぎ手による
結合の中心を荷重点Y、連結部材のシャフト部83cを
回転支持する連結部材軸受61の球面中心を力点Zと考
えると、第2の実施例の場合と同様にてこの原理によ
り、回転摺動部である連結部材軸受61、主軸受54、
副軸受56の軸受荷重が大幅に低減される。
【0072】なお、チャンバ67およびチャンバ68、
69により構成される圧力容器内部の各圧力室の構成、
作動ガスの流れ、潤滑経路については、第2、第3の実
施例の場合と同様である。
【0073】本実施例によれば、第1、第2のスクロー
ル部材の回転同期機構の主要部品である連結部材83の
運動がその中心軸廻りの単純な回転運動となり、不釣合
遠心力を発生させないので、低振動で信頼性の高い同期
回転型のスクロール形圧縮機を提供することができる。
【0074】また本実施例によれば、同期回転型スクロ
ール式圧縮機において主要な摺動部である連結部材軸受
61、主軸受54、副軸受56の軸受荷重を大幅に低減
する事が出来るので、効率および信頼性の高い同期回転
型スクロール式圧縮機を提供する事が出来るという効果
も同時に得られる。
【0075】また、本実施例によれば、連結部材83が
各スクロール部材の外周に配置され第2の実施例の場合
の様にスクロールラップ部を貫通させる必要が無いの
で、スクロールラップの歯形形状は図12に示すよう
に、一般的な形状で良く、図5に示すような特殊な歯形
形状に成形する必要がない。
【0076】次に、本発明の第5の実施例を図13から
図16により説明する。図13は、同期回転型のスクロ
ール形流体機械の一例として、密閉型圧縮機に適用した
場合の例を示す縦断面図である。図14、図15、図1
6はそれぞれ図13におけるI−I断面図、J−J断面
図、K−K断面図である。この第5の実施例のスクロー
ル形流体機械は、第4の実施例に示したものに対し、以
下に説明する構造上の特徴がある。
【0077】本実施例のスクロール形流体機械は、図1
3に示すように、第1のスクロール主部材91は、鏡板
部91aとこれに立設するスクロールラップ部91bお
よびシャフト部91cを有しており、第1のスクロール
副部材92は、鏡板部92aとこれに立設するスクロー
ルラップ部92bおよびその外周部から第1のスクロー
ル主部材91に向かって延びる腕部92cを有してい
る。第1のスクロール主部材91と第1のスクロール副
部材92とはボルト(図示せず)により一体に固定され
ており、それぞれ中央に向かって立設される2つのスク
ロールラップ部を持つ両歯型の第1のスクロール部材9
3を構成している。第2のスクロール部材94は鏡板部
94aとその両面に立設する2つのスクロールラップ部
94b、94cを有する両歯型のスクロール部材となっ
ている。第1のスクロール部材93と第2のスクロール
部材94とは、組み合わされて図12に示すものと同様
の圧縮室を2組構成している。
【0078】連結部材95は、第4の実施例に示すもの
と同様に第1のスクロール部材93と第2のスクロール
部材94のそれぞれと自在継ぎ手による自在機構によっ
て結合されて両者を連結している構成であるが、それら
の自在継ぎ手の構造が次に点で異なっている。連結部材
95と第1のスクロール部材93とを結合する自在継ぎ
手の構造は、図14に示すように構成されている。第1
のスクロール主部材のつば部91dの円筒状外周にスラ
イド部材96が軸方向に滑動可能に嵌入されており、滑
りキー97により相対的な回転が阻止されている。スラ
イド部材96と連結部材95とは、その間に組み込まれ
た中間部材98と連結ピン99とにより第4の実施例示
すものと同様の自在継ぎ手機構により連結されている。
図14に示しているように、連結ピンの位置は、図11
に示される連結ピンの位置の位置と比較して、スクロー
ルラップの位置に対して90度の角度ずれて配置されて
いるが、このように構成することもできる。図15に示
すように、連結部材95と第2のスクロール部材94と
を結合する自在継ぎ手は、次のような構造となってい
る。第2のスクロール部材の鏡板部94aには互いに1
80度の角度をなす方向に2カ所突出部94dが設けら
れており、その外周に第2のスクロール部材94の中心
(スクロールラップ部94b、94cの幾何学的回転中
心軸線上で軸方向の中央のことをいう)を球心とする凸
状の球面部94eが形成されている。一方、連結部材9
5には凹状の球面部95aが形成してあり、これに前記
凸状の球面部94eが嵌入されている。2つの球面部9
4eにはそれぞれ軸方向の案内溝部94fが形成されて
おり、そのそれぞれに第2のスクロール部材94の回転
中心軸線を含む平面と平行に滑動可能ように滑動子10
0が嵌入されているが、この滑動子100は、連結部材
95の半径方向に同軸となるように固定された2つの支
持ピン101により回転自在に支持されている。このよ
うに構成しているので、滑動子100が支持ピン101
の中心方向と案内溝部94fの溝側壁方向に規制されて
相対移動が出来ないようになっているため、第2のスク
ロール部材94と連結部材95との相対的な回転は規制
され、さらに球面部94eが球面部95aに嵌入されて
いるので、第2のスクロール部材94と連結部材95と
の半径方向の相対的な移動も規制されている。一方、滑
動子100は支持ピン101廻りに回転でき、案内溝部
94fの溝方向にも滑動できるので、第2のスクロール
部材94と連結部材95とは自由に傾斜方向を変えるこ
とができる。
【0079】このように構成することにより、第1のス
クロール部材93と第2のスクロール部材94の軸方向
の相対的な位置関係は、第2のスクロール部材94が第
1のスクロール部材93に挟み込まれる事によって拘束
されているが、スライド部材96がつば部93dに対し
て軸方向に滑動出来るため、連結部材95は軸方向に拘
束されず、過剰拘束となることが防止できる。
【0080】連結部材のシャフト部95bは、球面軸受
の連結部材軸受け61により回転支持されており、その
連結部材軸受61の球心は、第1のスクロール部材93
の回転中心軸線から半径方向に偏位されて軸受け支持部
材102により支持されている。軸受け支持部材102
は、図16に示すように中央部に連結部材軸受61が組
み込まれているが、その第1のスクロール部材93の回
転中心軸線からの偏位方向と直角な方向に延びる腕部1
02aにおいて、第2のサブフレーム103に固定され
て突出した回転支持ピン104の廻りに回転可能に支持
されている。腕部102aの反対側に延びた腕部102
bと第2のサブフレームから一体に突出した突出部10
3aとの間には予圧バネ105が組み込まれており、軸
受け支持部材102には、連結部材軸受け61の第1の
スクロール部材93の回転中心軸線からの偏位量が増大
する方向に回転しようとする回転力が印加されている。
このため、連結部材95は第1のスクロール部材93と
の自在継ぎ手による結合の中心Xを中心としてその傾斜
角を増大しようとするが、その際に第2のスクロール部
材94との自在継ぎ手による結合の中心Yが第1のスク
ロール部材93の回転中心軸線からの偏位量を増大させ
るので、連結部材95の傾斜角は自動的に第1のスクロ
ール部材93のスクロールラップ部と第2のスクロール
部材94のスクロールラップ部とを密着させる角度にな
る。また、第2のサブフレームと一体的にかつ突出して
形成された突出部103bには、軸受け支持部材102
の中央上部に対して微小な隙間を隔てて組み込まれた圧
電素子106が固定されており、圧縮機の運転によって
第1のスクロール部材93のスクロールラップ部と第2
のスクロール部材94のスクロールラップ部との密着部
が摩耗して連結部材95の傾斜角が増大した時に、軸受
け支持部材102の中央上部と圧電素子106とが接触
して連結部材95の傾斜角が際限無く増大するのを防止
するストッパとして機能し、更にその後においても外部
から印加する電圧を調整して圧縮機の運転条件に応じて
第2のスクロール部材94の回転中心軸線と第1のスク
ロール部材93の回転中心軸線との偏心量を微小量変化
させることができる。これらの構成によって第1のスク
ロール部材93のスクロールラップ部と第2のスクロー
ル部材94のスクロールラップ部との密着を確保するこ
とができる。なお、本実施例においても密閉容器内の各
圧力室構成および作動ガスの流れは、第4の実施例と同
様に構成されている。
【0081】以上のように構成された実施例において
は、第4の実施例に示す同期回転型のスクロール形流体
機械と同様に、回転同期機構の主要部品である連結部材
95がその中心軸線廻りの回転運動を行なうため、半径
方向荷重の支持機構が支点X、荷重点Y、力点Zにより
てこを構成しており、低振動化、軸受け荷重の低減によ
る高効率化、信頼性向上等の効果が得られる。
【0082】又、本実施例の同期回転型のスクロール形
流体機械においては、第1のスクロール部材93と第2
のスクロール部材94とはいずれも両歯型のスクロール
部材で形成されており、第1、第2のスクロール部材に
は、それぞれの圧縮室が2つずつ形成されているため、
それぞれの圧縮室に作用する圧力が互いにキャンセルし
合う。このため、各スクロール部材に作用するスラスト
荷重が低減できる。その結果、機械摩擦損失が低減し、
さらに高効率化、信頼性向上がはかれる効果がある。
【0083】ここで、両歯型のスクロール部材の2つの
スクロールラップの位相を同じにした場合には、上記し
たスラスト荷重はほとんど零にすることができるので、
さらに高効率化できる。又、位相を例えば180度の角
度ずらした場合には、スラスト荷重はある程度作用する
が、圧縮機のトルク変動は低減できるのでスクロール形
流体機械のさらなる低振動化の効果を得られる。
【0084】又、本実施例によれば、第1のスクロール
部材93のスクロールラップ部と第2のスクロール部材
94のスクロールラップ部との密着が自動的に確保され
るので組立が容易であり、運転条件の変化によるスクロ
ール部材の熱変形等に対しても上記密着を維持できるの
で、作動ガスの漏洩が少なく高効率な同期回転型のスク
ロール形流体機械を提供できるという効果がある。
【0085】又、本実施例によれば、半径方向荷重を支
持する摺動部とスラスト荷重を支持する摺動部の荷重を
小さくできるので、摺動条件を大幅に緩和することがで
き、潤滑油との相溶性が悪く冷凍サイクルからの潤滑油
の戻りが悪く、十分な信頼性が期待できない冷媒を使用
した時も、信頼性の高い同期回転型のスクロール形流体
機械を提供することができる。
【0086】又、本実施例によれば、潤滑油を使用せ
ず、各摺動部に自己潤滑性のある材料や表面処理を採用
することにより、オイルフリー圧縮機を構成することが
できる。すなわち、圧縮機のオイルフリー化には、潤滑
油が果たしていた潤滑と気密の機能を補うことが必要で
あるが、本実施例では、その両方の機能を達成すること
ができるため、オイルフリ−のスクロール形流体機械を
提供することができる効果がある。
【0087】次に、本発明の第6の実施例を図17と図
18により説明する。図17は、同期回転型のスクロー
ル形流体機械の一例として、密閉型圧縮機に適用した場
合の実施例を示す縦断面図である。図18は図17にお
けるL−L断面図である。この第6の実施例に示すスク
ロール形流体機械は、第1のスクロール主部材111と
第1のスクロール副部材112とをボルト等(図示せ
ず)により一体に固定して構成される第1のスクロール
部材113と、第2のスクロール部材114とは共に両
歯型のスクロール部材であり、第5の実施例ものと同様
に圧縮室を2組構成している。
【0088】それらのスクロール部材のそれぞれと連結
部材115とが自在継ぎ手機構により連結されている
が、その自在継ぎ手機構の構造が第5の実施例のものと
以下に説明する点で相違する。
【0089】図18に、連結部材115と第2のスクロ
ール部材114とを連結する自在継ぎ手機構の断面図と
して示したように、第2のスクロール部材の鏡板部11
4aには互いに60度の角度をなす方向に6カ所突出部
114dが設けてあり、その外周側に第2のスクロール
部材114の中心(スクロールラップ部114b、11
4cの幾何学的回転中心軸線上で軸方向の中央を意味す
る。)を球心とする凸状の球面部114eが形成されて
いる。それらの球面部114eには、それぞれ軸方向に
円筒状の溝114fが形成されている。これに対して連
結部材115には凹状の球面部115aが形成され、さ
らに溝114fに対応した位置に軸方向の円筒状の溝1
15bが形成されている。保持部材116は内周と外周
にそれぞれ球面部116a、116bを持つリング形状
の部材で、それらの球面部116a、116bはそれぞ
れ前記球面部114e、115aに滑動可能に嵌入され
ている。保持部材116にはまた6カ所のスリット部1
16cが円周方向に形成されており、そのそれぞれにス
リットの幅と同径の球117が挿入されている。球11
7は同時に円筒状の溝114f、115bに挟まれて組
み込まれており、いわゆる等速ボールジョイントが形成
されている。この等速ボールジョイントにおいては、球
117と保持部材116とは、連結部材115の回転中
心軸線と第2のスクロール部材114の回転中心軸線の
対称面に平行に配置され、連結部材115と第2のスク
ロール部材114とは、前記対称面に対して対称な運動
すなわち互いに同一回転速度で回転する。
【0090】連結部材115と第1のスクロール部材1
13とを連結する自在継ぎ手機構も図18に示す自在継
ぎ手機構と同様な等速ボールジョイントで構成されてい
るが、連結部材115には図18に示すような凹状の球
面部115aに対応する球面部が形成されておらず、連
結部材115と第1のスクロール部材113との軸方向
の相対移動を拘束しない構造となっている。これは、第
5の実施例でも説明したように、第1のスクロール部材
113と第2のスクロール部材114との軸方向の位置
関係を過剰に拘束しないためである。
【0091】本実施例によれば、第4の実施例における
効果と同様の効果を奏するが、この他に、回転同期機構
の主要部品である連結部材115の運動がその回転中心
軸線廻りの回転運動のみを行なって不釣り合いな遠心力
が発生しないばかりでなく、モータ部が一定速度で回転
した時その回転運動の回転速度に変動がないので、慣性
力によるトルク変動も発生せず、さらに一層低振動の同
期回転型のスクロール形流体機械を提供するできるとい
う効果がある。
【0092】なお、以上の実施例では、圧縮機を例にと
り説明したが、膨張機、搬送用のポンプ等にも適用がで
きることはいうまでもない。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、第1に振動が小さく高
効率で信頼性の高い、同期回転型のスクロール形流体機
械を提供することができるという効果がある。
【0094】第2に、半径方向荷重を支持する摺動部と
スラスト荷重を支持する摺動部の荷重を小さくできるの
で、摺動条件を大幅に緩和することができ、潤滑油との
相溶性が悪く冷凍サイクルからの潤滑油の戻りが悪く、
十分な信頼性が期待できない冷媒を使用した時も、信頼
性の高い同期回転型のスクロール形流体機械を提供する
ことができる。
【0095】第3に、潤滑油を使用せず、各摺動部に自
己潤滑性のある材料や表面処理を採用することにより、
オイルフリー圧縮機を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である同期回転型スクロ
ール式圧縮機の縦断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】図1におけるB−B断面図である。
【図4】本発明の第2の実施例である同期回転型スクロ
ール式圧縮機の縦断面図である。
【図5】図4におけるC−C断面図である。
【図6】図4におけるD−D断面図である。
【図7】図4におけるE−E断面図である。
【図8】図4におけるF−F断面図である。
【図9】本発明の第3の実施例である同期回転型スクロ
ール式圧縮機の縦断面である。
【図10】本発明の第4の実施例である同期回転型スク
ロール式圧縮機の縦断面図である。
【図11】図10におけるG−G断面図である。
【図12】図10におけるH−H断面図である。
【図13】本発明の第5の実施例である同期回転型スク
ロール式圧縮機の縦断面図である。
【図14】図13におけるI−I断面図である。
【図15】図13におけるJ−J断面図である。
【図16】図13におけるK−K断面図である。
【図17】図17は本発明の第6の実施例である同期回
転型スクロール式圧縮機の縦断面図である。
【図18】図17におけるL−L断面図である。
【符号の説明】
1…第1スクロール部材、2…第2スクロール部材、1
a、2a…鏡板部、1b、2b…スクロールラップ部、
3、4…第1、第2シャフト部材、3a、4a…フラン
ジ部、3b、4b…シャフト部、3c、4c…円筒部、
3d、4d…ピン穴、3e、4e…吐出穴、5、6…第
1、第2フレーム、5a、6a…給油穴、7、8…主軸
受け、9、10…第1、第2サブフレーム、9a、10
a…給油穴、11、12…副軸受け、13…密閉チャン
バ、14、15…密閉側チャンバ、16…連結軸、1
7、18…連結端部材、17a、18a…ピン穴、1
9、20…ナット、21…連結部材、22…キー、2
3、24…中間部材、23a、23b、24a、24b
…ピン穴、25…連結ピン、26、27…空間、28…
連結ピン、29…低圧室、30、31…中間圧室、3
2、33…高圧室、34、35…モータ、36…吸入
口、37、38…吐出口、51、52、151、152
…第1、第2スクロール部材、51a、52a、151
a、152a…鏡板部、51b、52b、151b、1
52b…スクロールラップ部、51c、151c…シャ
フト部、51d、151d…腕部、51e…円筒穴、5
1f、151f…吐出穴、52c、152c…キー溝
部、52d、152d…ボス部、52e、152e…穴
部、53、153…フレーム、54…主軸受け、55…
第1サブフレーム、56…副軸受け、57、157…ス
ラスト支持板、57a、157a…キー溝部、157b
…円筒穴、58…オルダムリング、58a、58b…キ
ー部、59、159…連結部材、59a、59b、15
9a、159b…球面部、59c、159c…シャフト
部、60、160…球面支持部材、60a、160a…
穴部、60b、160b…円筒状外周面、60c…溝
部、61…連結部材軸受け、62…軸受け支持部材、6
2a…穴部、62b、62c…円筒部、63…第2サブ
フレーム、63a…突起部、63b…穴部、64…ボル
ト、65…第3サブフレーム、65a…穴部、66…圧
電素子、67…密閉チャンバ、68、69…密閉側チャ
ンバ、70…低圧室、71…中間圧室、72…高圧室、
73…モータ、74…吸入口、75…吐出口、81、8
2…第1、第2スクロール部材、81a、82a…鏡板
部、81b、82b…スクロールラップ部、81c…シ
ャフト部、、81d、82c…つば部、81e、82d
…ピン穴、81f…吐出穴、83…連結部材、83a、
83b…ピン穴、83c…シャフト部、84、86…第
1、第2中間部材、84a、84b、86a、86b…
ピン穴、85…連結ピン、87…フレーム、88…第2
サブフレーム、91…第1スクロール主部材、92…第
1スクロール副部材、93、94…第1、第2スクロー
ル部材、91a、92a、94a…鏡板部、91b、9
2b、94b、94c…スクロールラップ部、91c…
シャフト部、92c…腕部、91d…つば部、94d…
突出部、91e…吐出穴、94e…球面部、94f…案
内溝部、95…連結部材、95a…球面部、95b…シ
ャフト部、96…スライド部材、97…滑りキー、98
…中間部材、99…連結ピン、100…滑動子、101
…支持ピン、102…軸受支持部材、102a、102
b…腕部、103…第2サブフレーム、103a、10
3b…突出部、104…回転支持ピン、105…予圧バ
ネ、106…圧電素子、111…第1スクロール主部
材、112…第1スクロール副部材、113、114…
第1、第2スクロール部材、111a、112a、11
4a…鏡板部、111b、112b、114b、114
c…スクロールラップ部、111c…シャフト部、11
1d…腕部、114d…突出部、111e、114e…
球面部、111f、114f…溝部、111g…吐出
穴、115…連結部材、115a…球面部、115b、
115c…溝部、115d…シャフト部、116…保持
部材、116a、116b…球面部、116c…スリッ
ト部、117…球、X…支点、Y…荷重点、Z…力点。

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部
    材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せ、各スクロー
    ル部材の回転に伴い各々の鏡板部とスクロールラップ部
    とにより囲まれた作動空間の容積を変化させるように構
    成した同期回転型のスクロール形流体機械において、前
    記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材のそれ
    ぞれの回転中心軸線上の点のまわりに回動可能であっ
    て、スクロール部材に対する傾斜角度を可変にしうる自
    在機構を備えた連結部材により前記第1のスクロール部
    材と第2のスクロ−ル部材を連結するとともに、前記連
    結部材を前記回転中心軸線の偏心を決めるための支持部
    により支持することを特徴とする同期回転型のスクロー
    ル形流体機械。
  2. 【請求項2】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部
    材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せるとともに、
    それぞれのスクロール部材を電動機により駆動させるこ
    とにより各スクロール部材の回転に伴い各々の鏡板部と
    スクロールラップ部とにより囲まれた作動空間の容積を
    変化させるように構成した同期回転型のスクロール形流
    体機械において、前記第1のスクロール部材と第2のス
    クロ−ル部材の中央部であって、それぞれの回転中心軸
    線上の点のまわりに回動可能であって、スクロール部材
    に対する傾斜角度を可変にしうる自在機構を備えた連結
    部材により前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材を連結したことを特徴とする同期回転型のスクロ
    ール形流体機械。
  3. 【請求項3】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部
    材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せるとともに、
    前記第1のスクロール部材を電動機により駆動させるこ
    とにより各スクロール部材の回転に伴い各々の鏡板部と
    スクロールラップ部とにより囲まれた作動空間の容積を
    変化させるように構成した同期回転型のスクロール形流
    体機械において、前記第1のスクロール部材と第2のス
    クロ−ル部材の中央部に、それぞれの回転中心軸線上の
    点のまわりに回動可能であって、スクロール部材に対す
    る傾斜角度を可変にしうる自在機構を備えた連結部材に
    より前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材
    を連結するとともに、前記連結部材を前記回転中心軸線
    の偏心を決めるための支持部により支持し、前記第1の
    スクロール部材と第2のスクロ−ル部材の回転同期をと
    るための同期機構を設けたことを特徴とする同期回転型
    のスクロール形流体機械。
  4. 【請求項4】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部
    材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せ、前記第1の
    スクロール部材を電動機で駆動させることにより各スク
    ロール部材の回転に伴い各々の鏡板部とスクロールラッ
    プ部とにより囲まれた作動空間の容積を変化させるよう
    に構成した同期回転型のスクロール形流体機械におい
    て、前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材
    のそれぞれの回転中心軸線上の点のまわりに回動可能で
    あって、スクロール部材に対する傾斜角度を可変にしう
    る球面対偶からなる自在機構を備えた連結部材により前
    記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材を連結
    するとともに、前記連結部材を前記回転中心軸線の偏心
    を決めるための支持部により支持することを特徴とする
    同期回転型のスクロール形流体機械。
  5. 【請求項5】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と鏡板部の両面に立設
    するスクロールラップ部を有する第2のスクロ−ル部材
    とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル
    部材の回転中心軸線を偏心させて組合せて、第2のスク
    ロ−ル部材の鏡板部の両面に2組の圧縮室を形成し、前
    記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材のそれ
    ぞれの回転中心軸線上の点のまわりに回動可能なもので
    あって、スクロール部材に対する傾斜角度を可変にしう
    る球面対偶からなる自在機構を備えた連結部材により前
    記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材を連結
    するとともに、前記連結部材を前記回転中心軸線の偏心
    を決めるための支持部により支持し、前記第1のスクロ
    ール部材を電動機により駆動させることにより各スクロ
    ール部材の回転に伴い前記圧縮室の容積を変化させるよ
    うに構成したことを特徴とする同期回転型のスクロール
    形流体機械。
  6. 【請求項6】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部
    材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せ、各スクロー
    ル部材の回転に伴い各々の鏡板部とスクロールラップ部
    とにより囲まれた作動空間の容積を変化させるように構
    成した同期回転型のスクロール形流体機械において、前
    記第1のスクロール部材の回転中心軸線上の第1の点を
    中心として回動可能な自在機構と第2のスクロ−ル部材
    の回転中心軸線上であってスクロールラップ部の高さ方
    向の中央部の第2の点を中心として回動可能な自在機構
    を備えた連結部材により前記第1のスクロール部材と第
    2のスクロ−ル部材を連結するとともに、前記第1の点
    と第2の点との延長線上に前記連結部材を支持する支持
    部を設けたことを特徴とする同期回転型のスクロール形
    流体機械。
  7. 【請求項7】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と鏡板部の両面に立設
    するスクロールラップ部を有する第2のスクロ−ル部材
    とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル
    部材の回転中心軸線を偏心させて組合せて、第2のスク
    ロ−ル部材の鏡板部の両面に2組の圧縮室を形成し、前
    記第1のスクロール部材の回転中心軸線上の第1の点を
    中心として回動可能な自在機構と第2のスクロ−ル部材
    の回転中心軸線上であって鏡板部の高さ方向の中央部の
    第2の点を中心として回動可能な自在機構を備えた連結
    部材により前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材を連結するとともに、前記第1の点と第2の点と
    の延長線上に前記連結部材を支持する支持部を設け、前
    記第1のスクロール部材を電動機で駆動させることによ
    り各スクロール部材の回転に伴い前記圧縮室の容積を変
    化させるように構成したことを特徴とする同期回転型の
    スクロール形流体機械。
  8. 【請求項8】鏡板部とこれに立設するスクロールラップ
    部を有する第1のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部
    材とを備え、該第1のスクロール部材と第2のスクロ−
    ル部材の回転中心軸線を偏心させて組合せ、前記各スク
    ロール部材の回転に伴い各々の鏡板部とスクロールラッ
    プ部とにより囲まれた作動空間の容積を変化させるよう
    に構成した同期回転型のスクロール形流体機械におい
    て、前記第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材
    のそれぞれの回転中心軸線上の点のまわりに回動可能で
    あって、相対的な回転を規制してトルクを伝達し、かつ
    各スクロール部材の回転を同期させことができる自在継
    ぎ手機構によりそれぞれのスクロール部材と連結部材と
    を連結したことを特徴とする同期回転型のスクロール形
    流体機械。
  9. 【請求項9】密閉容器内の吸入口と連通する部分に、鏡
    板部とこれに立設するスクロールラップ部を有する第1
    のスクロ−ル部材と第2のスクロ−ル部材とを備え、該
    第1のスクロール部材と第2のスクロ−ル部材の回転中
    心軸線を偏心されて組合せられ、前記第1のスクロール
    部材と第2のスクロ−ル部材のそれぞれの回転中心軸線
    上の点のまわりに回動可能であって、相対的な回転を規
    制してトルクを伝達し、かつ各スクロール部材の回転を
    同期させことができる自在継ぎ手機構によりそれぞれの
    スクロール部材と連結部材とを連結されるとともに、電
    動機より駆動される各スクロール部材の回転に伴い各々
    の鏡板部とスクロールラップ部とにより囲まれた作動空
    間の容積を変化させて作動媒体を圧縮して吐出するよう
    に構成した同期回転型の圧縮機構部を配置し、前記密閉
    容器内の電動機が配置される部分を吸入圧力と吐出圧力
    との中間的な圧力に維持されるように構成するととも
    に、前記吐出された作動媒体を前記回転中心軸線に沿っ
    て設けられた吐出通路を介して密閉容器内の吐出空間に
    導くように構成したことを特徴とする同期回転型のスク
    ロール形流体機械。
  10. 【請求項10】前記自在機構が連結されているそれぞれ
    のスクロール部材と連結部材との相対的な回転を規制し
    てトルクを伝達しえる自在継ぎ手機構であり、前記連結
    部材が各スクロール部材の回転を同期させるように構成
    したものである請求項1から7のいずれかに記載の同期
    回転型のスクロール形流体機械。
  11. 【請求項11】前記自在機構が、スクロール部材の鏡板
    部の半径方向の相対的な移動を拘束する球面対偶で形成
    されており、前記連結部材がスクロール部材にその鏡板
    部の半径方向に作用する荷重を支持する支持連結部材で
    構成されているものである請求項1、2、3、6又は7
    に記載の同期回転型のスクロール形流体機械。
  12. 【請求項12】各スクロール部材が支持連結部材の他に
    自在継ぎ手機構によりスクロール部材との相対的な回転
    を規制されて結合された同期させるための連結部材によ
    っても連結されている構造であり、前記同期させるため
    の連結部材は前記各スクロール部材の回転中心軸線に対
    して傾斜して設けられている請求項11に記載の同期回
    転型のスクロール形流体機械。
  13. 【請求項13】前記自在継ぎ手機構が前記各スクロール
    部材のそれぞれを同期させるための連結部材と結合され
    ており、該自在継ぎ手機構の少なくとも一方が、前記ス
    クロール部材と前記同期させるための連結部材との間に
    中間部材を有するものであって、互いに略90度の角度
    を成す二つの回転軸線を設け、前記中間部材に対し前記
    スクロール部材を前記2つの回転軸線の一方の回転軸線
    廻りに回転するように結合するとともに、前記同期連結
    部材を他の一方の回転軸線廻りに回転するように結合し
    て構成した請求項12に記載の同期回転型のスクロール
    形流体機械。
  14. 【請求項14】前記中間部材の回転軸線が鏡板部に略平
    行となる方向に形成されている請求項13に記載の同期
    回転型のスクロール形流体機械。
  15. 【請求項15】前記中間部材および同期させるための連
    結部材が前記回転軸線方向の相対的な移動を規制される
    ように構成されている請求項13又は14に記載の同期
    回転型のスクロール形流体機械。
  16. 【請求項16】前記自在継ぎ手機構の少なくとも一方
    が、前記スクロール部材と前記同期させるための連結部
    材のいずれか1部材に対しその部材の回転中心軸線を含
    む平面にほぼ平行に運動する滑動子を組込まれたもので
    あって、該滑動子を他の1部材に対しその部材の半径方
    向の軸線を回転軸として回転自在に拘束してなる構成で
    ある請求項8、9又は12に記載の同期回転型のスクロ
    ール形流体機械。
  17. 【請求項17】前記自在継ぎ手機構が、前記各スクロー
    ル部材のそれぞれを同期させるための連結部材と結合さ
    れており、該自在継ぎ手機構が、前記スクロール部材と
    前記同期させるための連結部材のそれぞれに回転中心軸
    線を含む平面方向で回転中心軸線方向に形成された案内
    溝を中心軸線周り周方向に複数対配置され、該対の案内
    溝に沿って移動するように拘束された球を組み込んで成
    る等速ボール継ぎ手機構で構成されている請求項8、9
    又は12に記載の同期回転型のスクロール形流体機械。
  18. 【請求項18】前記自在継ぎ手機構の少なくとも一方
    が、該自在継ぎ手機構が結合されているスクロール部材
    と同期させるための連結部材の少なくとも一方に対し中
    心軸線方向には移動可能に構成されている請求項8、
    9、12又は13に記載の同期回転型のスクロール形流
    体機械。
  19. 【請求項19】前記各スクロール部材を自在継ぎ手機構
    を介して連結している同期させるための連結部材が、前
    記各スクロール部材の外周側に配置されている請求項
    8、9、12又は13に記載の同期回転型のスクロール
    形流体機械。
  20. 【請求項20】前記同期させるための連結部材が、前記
    各スクロール部材の中央部を貫通して配置されている請
    求項1、4、5、6又は7に記載の同期回転型のスクロ
    ール形流体機械。
  21. 【請求項21】前記第1のスクロール部材はその鏡板部
    に対し垂直に固定されたシャフト部が設けられ、該シャ
    フト部を回転支持されるものであって、第2のスクロー
    ル部材は、第1のスクロール部材を案内としてこれに平
    行な姿勢を維持しながら回転されるように構成されてい
    る請求項1から9のいずれかに記載の同期回転型のスク
    ロール形流体機械。
  22. 【請求項22】第1のスクロール部材と同期させるため
    の連結部材との自在継ぎ手による結合部を基点として、
    前記同期させるための連結部材の延長部分における回転
    支持位置までの距離を第2のスロール部材と前記同期さ
    せるための連結部材との自在継ぎ手による結合部までの
    距離より大きく構成した請求項8、9又は12に記載の
    同期回転型のスクロール形流体機械。
  23. 【請求項23】前記支持連結部材の延長部分における回
    転支持位置と該支持連結部材と第1のスクロール部材と
    の球面対偶による結合部との間に前記支持連結部材と第
    2のスロール部材に対する球面対偶による結合部が配置
    されている請求項11又は12に記載の同期回転型のス
    クロール形流体機械。
  24. 【請求項24】同期させるための連結部材の延長部分に
    おける回転支持位置と該同期させるための連結部材と第
    1のスクロール部材との自在継ぎ手による結合部との間
    に前記同期させるための連結部材と第2のスロール部材
    に対する自在継ぎ手による結合部が配置されている請求
    項8、9又は12に記載の同期回転型のスクロール形流
    体機械。
  25. 【請求項25】前記連結部材をその延長部分において回
    転支持する回転支持部材に、前記スクロール部材の回転
    中心軸線の偏心させる方向の予圧力を印加する変位部材
    を取り付けた請求項1から9のいずれかに記載の同期回
    転型のスクロール形流体機械。
  26. 【請求項26】前記変位部材の予圧力の方向の移動する
    距離を規制するためのストッパを、初期組立て時に前記
    回転支持部材と微小な隙間を有して組み込んだ請求項2
    5に記載の同期回転型のスクロール形流体機械。
  27. 【請求項27】前記連結部材をその延長部分において回
    転支持する回転支持部材に、前記各スクロール部材の回
    転中心軸線の偏心を運転条件の変化に応じて増減させる
    ための駆動装置を組み込んだ請求項1から9のいずれか
    に記載の同期回転型のスクロール形流体機械。
  28. 【請求項28】前記駆動装置が圧電素子で構成されてい
    る請求項27に記載の同期回転型のスクロール形流体機
    械。
  29. 【請求項29】回転支持部材あるいはストッパの当接面
    の位置を運転条件の変化に応じて移動させる駆動装置と
    して圧電素子を用いた請求項26又は27に記載の同期
    回転型のスクロール形流体機械。
  30. 【請求項30】前記第2のスクロール部材が鏡板部の両
    面のそれぞれに立設するスクロールラップ部を有する両
    歯スクロール部材であり、前記第1のスクロール部材が
    前記第2のスクロ−ル部材の鏡板部に対抗する2つの鏡
    板部を有するものであって、それぞれの鏡板部から立設
    する2つのスクロールラップ部を有する両歯スクロール
    部材であり、それぞれの両歯スクロール部材の歯を組み
    合わせることにより作動空間群が2組形成されている請
    求項1、2、3、4、6、8又は9に記載の同期回転型
    のスクロール形流体機械。
  31. 【請求項31】前記両歯スクロール部材のそれぞれに形
    成された2つのスクロールラップ部が回転中心軸線方向
    から見て重なる位置にそれらのプロフィールが同一に形
    成されている請求項30に記載の同期回転型のスクロー
    ル形流体機械。
  32. 【請求項32】前記両歯スクロール部材のそれぞれに形
    成された2つのスクロールラップ部が、それらのプロフ
    ィールが同一で回転中心軸線方向から見て該回転中心軸
    線の周りに互いに略180度の角度だけ回転した位置に
    形成されている請求項30に記載の同期回転型のスクロ
    ール形流体機械。
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