JP3400217B2 - ヘリカルブレード式圧縮機 - Google Patents

ヘリカルブレード式圧縮機

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JP3400217B2
JP3400217B2 JP31061795A JP31061795A JP3400217B2 JP 3400217 B2 JP3400217 B2 JP 3400217B2 JP 31061795 A JP31061795 A JP 31061795A JP 31061795 A JP31061795 A JP 31061795A JP 3400217 B2 JP3400217 B2 JP 3400217B2
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聡 小山
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    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
    • F01C17/06Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements
    • F01C17/066Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with an intermediate piece sliding along perpendicular axes, e.g. Oldham coupling

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  • Rotary Pumps (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば冷凍サイ
クルの冷媒を圧縮するヘリカルブレード式圧縮機に係
り、特に回転力伝達機構としてのオルダム機構における
動的バランスの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】圧縮機において、回転駆動源の回転力を
圧縮機構部に伝達するためのオルダム機構が備えられ
る。オルダム機構を備えた上記圧縮機は、スクロール式
圧縮機と、へリカルブレード式圧縮機(以下、流体圧縮
機と呼ぶ)がある。
【0003】上記スクロール式圧縮機は、回転軸に偏心
したロール部が設けられ、このロール部にオルダムリン
グを介して旋回スクロールが掛合される。この旋回スク
ロールの鍔部は、固定スクロールの鍔部に噛合され、こ
れらの間に渦巻き状の圧縮室が形成される。
【0004】すなわち、回転軸ロール部の偏心回転力が
オルダムリングに伝達され、これは公転動作して回転力
を旋回スクロールに伝達する。旋回スクロールも同様に
偏心公転運動をなす。
【0005】上記旋回スクロールの円滑な公転運動をな
すために、ロール部にバランサなどを設けて動的バラン
スをとっているが、オルダムリングに対しては一方向の
みのバランスとなり、完全なバランスをとるまでに至ら
ない。このため、オルダムリングの軽量化が行われてい
る。
【0006】上記流体圧縮機は、シリンダ内にピストン
が偏心配置され、このピストンの周面には徐々にピッチ
を小とする螺旋状の溝が形成される。この溝には、同じ
く螺旋状のブレ−ドが嵌込まれる。
【0007】上記シリンダとピストンとの間は上記ブレ
−ドによって複数に仕切られ、シリンダ内に一端側から
他端側へ、徐々にその容積を小とする複数の圧縮室が形
成される。
【0008】シリンダの回転力は回転力伝達機構として
のオルダム機構を介してピストンへ伝達され、シリンダ
とピストンとが位置関係を保ったまま回転する。また、
これらの回転にともなってブレ−ドが溝に出入し、ピス
トンの径方向に突没する。
【0009】作動流体がシリンダ内に吸込まれ、各圧縮
室のうちで最も吸込側に位置する吸込室から、最も吐出
側に位置する吐出室へ移送され、かつ移送される間に徐
々に圧縮される。
【0010】オルダム機構を構成するオルダムリング
は、シリンダの回転にともなってシリンダとともに自転
動し、ピストンに回転力を伝達する。したがって、動的
アンバランスが生じるのはオルダムリングのみである。
そのため、スクロール式圧縮機のようにロータ側にバラ
ンサなどを設けてもアンバランスは解消できずオルダム
リングの軽量化が行われている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このように、スクロー
ル式圧縮機においては勿論のこと、流体圧縮機において
も、オルダムリングを軽量化しても動的アンバランスは
完全に解消されるものではなく、ある程度の圧縮機の運
転騒音や振動はそのまま残って、完全な解消には至らな
い。
【0012】また、単純に形状を小さくしただけの軽量
化は、オルダムリングにおけるキー部の面圧を大きくす
る結果となり、摩耗や強度的な問題が残ってしまう。さ
らには、スクロール式圧縮機においては、オルダムリン
グ径を大きくすることでキー部の面圧を低減することが
できるが、流体圧縮機はシリンダ直径の制約があり、こ
の直径を大きくとれないことから、キー部の面圧を低減
することが困難であるとともに、唯一アンバランスなオ
ルダムリングは騒音および振動の大きな要因となってい
る。
【0013】すなわち、オルダムリングの軽量化にとも
なう動的アンバランスに対するキー部の面圧の低減は相
反する関係にあって、理想の状態には容易になり得な
い。本発明は上記事情に着目してなされたものであり、
その目的とするところは、低振動であることは勿論、低
騒音で高い信頼性を得るオルダム機構を備えたヘリカル
ブレード式圧縮機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、回転駆動源の駆動力をオルダム機構を介して
圧縮機構部に伝達するヘリカルブレード式圧縮機におい
て、上記圧縮機構部は、回転駆動源に連結されるシリン
ダと、このシリンダを回転自在に枢支する一対の軸受具
と、これら軸受具に偏心して回転自在に枢支され周面
徐々に小さくなるピッチで形成された螺旋状の溝を有
シリンダ内に偏心配置される回転体と、この回転体の溝
に出入自在に嵌め込まれ、シリンダ内に徐々に容積を小
とする複数の圧縮室を形成するブレ−ドとを具備し、上
記オルダム機構は、シリンダに連結され、その一側面に
180°対称位置に設けられる一対の突部からなる第1
のキー部および、これら第1のキー部とは90°直交す
る方向で、かつ180°対称位置に設けられる一対の補
助キー溝を備えたオルダム受けと、このオルダム受けの
第1のキー部に摺動自在に係合する第1の係合溝をその
一側面に備え、他側面に第1の係合溝とは直交する方向
に第2の係合溝を備えたオルダムリングと、回転体の一
方の端部に設けられオルダムリングの第2の係合溝に摺
動自在に係合するピストンオルダム部を備えオルダム受
けからオルダムリングを介して回転体に回転力を受ける
回転力受け部と、オルダム受けとオルダムリングとの間
に介在され、オルダム受けの補助キー溝に摺動自在に係
合する補助キー部を有し、オルダムリングの公転動に対
して180°位相のずれた位置で公転動をなし、オルダ
ムリングに対して動的バランスをとるカウンタバランス
リングとを具備した。
【0015】
【0016】さらに、上記カウンタバランスリングは、
上記オルダムリングと同一の質量である。さらに、上記
カウンタバランスリングは、上記オルダムリングと比重
の異なる材質である。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】上記のごとき課題を解決する手段を採用す
ることにより、本発明によれば、オルダムリングの公転
動に対してカウンタバランスリングが180°位相のず
れた位置で公転動し、動的アンバランスを解消する。キ
ー部面積が従来の2倍となり、オルダムリングの面圧が
低下して、負荷が低減する。結果として、低振動である
ことは勿論、低騒音で高い信頼性を得るオルダム機構を
備えたヘリカルブレード式圧縮機を提供できる。
【0022】
【発明の実施の態様】以下、本発明の実施の態様を図面
にもとづいて説明する。図1に、ヘリカルブレード式圧
縮機(流体圧縮機)を示す。密閉ケース1は、軸方向が
水平方向に向けられている。この密閉ケース1内には、
圧縮機構部2および電動機部3が収容される。
【0023】上記圧縮機構部2は、両端が開口する中空
筒体からなるシリンダ4を有しており、このシリンダの
外周面にはロータ5が嵌着される。上記密閉ケース1の
内周面にはステータ6が嵌着され、ロータ5とともに上
記電動機部3が構成される。この電動機部3は、上記シ
リンダ4を回転駆動するための回転駆動源である。
【0024】上記シリンダ4内に、回転体としてのピス
トン7が偏心量eをもって配置されている。すなわち、
ピストン7は、その両側端部に、ここでは同一直径の軸
部7a,7bを備え、これら軸部相互間がピストン本体
7cとなっている。
【0025】ピストン本体7cの軸方向に沿う周壁一部
が、シリンダ4の軸方向に沿う内周壁一部に転接するよ
う収容される。さらにピストン本体7cの周面には、軸
方向中間部から両端部側へ徐々にピッチを小とする、図
において左右一対の図示しない螺旋状の溝が形成され、
それぞれの溝に螺旋状のブレ−ド8,8(簡略化して示
す)が出入り自在に嵌込まれる。
【0026】したがって、シリンダ4とピストン7との
間の空間は、この中間部を境に左右両側をそれぞれブレ
−ド8,8によって複数室に仕切られる。シリンダ4内
には、シリンダの中間部から両端部側へ、すなわち吸込
側から吐出側へ徐々にその容積を小とする複数の圧縮室
9…,9…が形成されることになる。
【0027】上記各ブレード8,8の両側端部が位置す
るピストン7周面には、ここでは4か所に逃げ用凹部1
0…が設けられる。図において、逃げ用凹部10はピス
トン両側端のみ図示し、中間部側の凹部は省略する。
【0028】それぞれの逃げ用凹部10に、シリンダ4
に設けられるブレ−ドストッパ11…の先端部が挿入す
る。図において、ブレ−ドストッパ11はピストン7両
側端のみ図示し、中間部側のストッパは省略する。
【0029】上記ピストン7の両側端部の軸部7a,7
bは、主軸受具12と副軸受具13の枢支孔部12a,
13aに差込まれて、回動自在に枢支される。上記主軸
受具12は、そのフランジ部12bが密閉ケ−ス1の一
側内壁に取付け固定される。上記副軸受具13は、その
フランジ部13bが密閉ケ−ス1の他側内壁に取付け固
定される。
【0030】上記枢支孔部12a,13aは、主,副軸
受具12,13において偏心して設けられ、よってここ
に差し込まれる上記ピストン7は、先に説明したように
偏心した位置に枢支されることになる。
【0031】上記密閉ケース1の主軸受具枢支孔部12
aに連通する部位には、図示しない冷凍サイクル機器に
連通される吸込管14が接続される。そして、ピストン
7の軸部7a端面から軸方向に沿って貫通し、他方の軸
部7bの端面に開口するガス吸込み案内路15が設けら
れていて、上記吸込管14と枢支孔部12aを介して連
通する。
【0032】この吸込み案内路15の副軸受具13側開
口端は、密閉ケース1側壁によって閉塞される。案内路
15の中間部には、縦孔15aが直交する方向に設けら
れ、ピストン7周面で開口する。この開口位置は、上記
左右一対のブレード8,8の相互間に相当する。
【0033】上記シリンダ7の両端部内周面には、それ
ぞれメタルからなるシリンダ軸受16,17が圧入嵌着
され、それぞれシリンダ4と主,副軸受具12,13の
枢支部12c,13cとの間に介在される。
【0034】ここで、主軸受具枢支部12cとシリンダ
4一端部との間に介在するシリンダ軸受16を第1のシ
リンダ軸受と呼び、副軸受具枢支部13cとシリンダ4
他側部とに介在するシリンダ軸受17を第2のシリンダ
軸受と呼ぶ。
【0035】各シリンダ軸受16,17は、肉厚の厚い
リング状に形成されていて、第1のシリンダ軸受16に
は、その肉厚部に軸方向に沿って複数の吐出孔18…が
設けられる。第2のシリンダ軸受17の内側部位である
シリンダ4側部にも、複数の吐出孔19…が設けられ
る。
【0036】それぞれの吐出孔18…,19…は、両端
部の圧縮室9と密閉ケース1内とを連通する。密閉ケー
ス1の電動機部3と副軸受具13取付け側壁間には吐出
管20が接続され、この管は外部の図示しない冷凍サイ
クル機器に連通される。
【0037】上記第2のシリンダ軸受17は、後述する
オルダム機構21を構成するオルダム受けを兼用する。
つぎに、このオルダム機構21を、図2にもとづいて詳
述する。
【0038】上記第2のシリンダ軸受17は、その一側
面であるシリンダ4の内部側面に径方向に沿って、すな
わち180°対称位置に、第1のキー部である一対の突
部からなる係合部25,25が一体に設けられる。
【0039】これら係合部25,25は、互いの内側間
隔寸法がシリンダ軸受17の内径寸法と一致し、外側間
隔寸法が外径寸法と一致する。そして、正面視で矩形状
をなし、それぞれの左右両側面は充分な研磨加工が施さ
れている。
【0040】さらに係合部25,25が設けられる第2
のシリンダ軸受17側面には、係合部25,25と正し
く90°直交する位置に、径方向に沿って、すなわち1
80°対称位置に、一対の補助キー溝30,30が設け
られる。
【0041】一方、上記ピストン7は回転力受け部を構
成することになり、この軸部7bと隣接してピストンオ
ルダム部26が設けられる。上記ピストンオルダム部2
6は、軸部7bの直径寸法と同一もしくは僅かに大の間
隔寸法を有し、互いに正確な平行度をもって加工される
一対の平滑面からなる。
【0042】さらに、ピストンオルダム部26とピスト
ン軸部7b基端部との間には、ピストンオルダム部26
を構成する一対の平滑面と正しく90°直交する方向
に、補助オルダム部31が設けられる。この補助オルダ
ム部31は、互いに正確な平行度をもって加工される一
対の平滑面からなる。
【0043】上記ピストンオルダム部26と第2のシリ
ンダ軸受17の係合部25,25との間にオルダムリン
グ27およびカウンタバランスリング33が介在され、
これらで上記オルダム機構21が構成される。
【0044】上記オルダムリング27とカウンタバラン
スリング33は、互いの外形寸法が同一に設定される。
オルダムリング27の素材は、比重3.1の窒化ケイ素
が用いられる。一方、カウンタバランスリング33の素
材は、比重7.9のS45Cなど鉄系材料で構成され
る。
【0045】このことから、カウンタバランスリング3
3の軸方向厚さ寸法を、オルダムリング27とは約半分
程度に薄くした状態で、互いの重量をほとんど同一に合
わせられる。
【0046】上記オルダムリング27は、その一側面に
上記シリンダ軸受17の係合部25,25に摺動自在に
係合する一対の第1の係合溝28a,28aが、互いに
180°対向する位置に設けられる。他側面には、上記
ピストンオルダム部26に摺動自在に係合する一対の第
2の係合溝28b,28bが、互いに180°対向する
位置に設けられる。
【0047】上記第1の係合溝28aと第2の係合溝2
8bとは、互いに直交する位置に設けられる。そして、
オルダムリング27の内径寸法は上記軸部7bに干渉し
ないよう、この軸径よりも大きく設定され、かつ外径寸
法はピストン7の外径寸法とほぼ同一である。
【0048】上記カウンタバランスリング33は、その
一側面に上記シリンダ軸受17の補助キー溝30,30
に摺動自在に係合する一対の補助キー部34,34が、
互いに180°対向する位置に設けられる。
【0049】さらに、カウンタバランスリング33の軸
芯には、上記キー部34,34と正しく90°直交する
方向に長い矩形状の逃げ孔部35が設けられる。この逃
げ孔部35は、オルダムリング27を介して上記ピスト
ン7に設けられる補助オルダム部31に図の上下方向の
み摺動自在に係合する。
【0050】上記逃げ孔部35の図における上下部位に
は、カウンタバランスリング33の周面に亘って、逃げ
孔部35と同一の横幅寸法の逃げ用切欠部36,36が
設けられる。
【0051】すなわち、カウンタバランスリング33の
逃げ用切欠部36,36は、第2のシリンダ軸受17の
係合部25,25との干渉を考慮して、カウンタバラン
スリングの変位に支障のないようになっている。
【0052】このようにして、上記カウンタバランスリ
ング33は、上記第2のシリンダ軸受17とオルダムリ
ング27との間に介設される。つぎに、圧縮機の作用を
説明すると、電動機部3への通電にともなってロ−タ5
とシリンダ4とが一体に回転する。
【0053】このシリンダ4の回転駆動力は、後述する
ようにオルダム機構21を介してピストン7に伝達され
る。シリンダ4とピストン7は、互いの半径の相違から
相違する周速で、かつ互いの位置関係を保ったまま同期
して回転する。
【0054】これらシリンダ4とピストン7との回転に
ともなってブレ−ド8が溝に対して出入し、ピストン7
の径方向に突没する。作動流体である、たとえば冷凍サ
イクル中の冷媒ガスが吸込管14から吸込まれ、主軸受
具12に形成される枢支孔部12aとガス吸込み案内路
15を導かれ、縦孔15aからシリンダ4のほぼ中間部
に導かれる。
【0055】上記ブレード8,8の相互間であるシリン
ダ4のほぼ中間部は、左右両側に形成される各圧縮室9
…の吸込部となり、ここから吐出部となる左右両側端の
圧縮室へ順次移送される。
【0056】冷媒ガスは、これら圧縮室8を順次移送さ
れる間に徐々に圧縮される。そして、左右両側端部の最
も導出側の圧縮室8,8に移送されたところで、所定圧
まで上昇する。
【0057】高圧ガスは、一方の圧縮室8から第1のシ
リンダ軸受16に設けられた吐出孔18を介して密閉ケ
ース1内へ導出され、密閉ケース側部と電動機部3との
間の空間部に充満する。
【0058】そして、電動機部3を構成するロータ5と
ステータ6との隙間や、ステータに設けられるガス案内
溝6aを介して、電動機部3と密閉ケース1側部との間
の空間部に導かれる。
【0059】他方の圧縮室8から出た高圧ガスは、シリ
ンダ4側端部に設けられる吐出孔19を介して密閉ケー
ス1内へ導出され、電動機部3と密閉ケース1側部との
間の空間部に充満する。結局、密閉ケース1内に充満す
る高圧ガスは、吐出管20から外部の冷凍サイクル機器
に吐出される。
【0060】上記オルダム機構21は、図3に示すよう
な作用をなす。すなわち、シリンダ4と、第1,第2の
シリンダ軸受16,17とは一体に形成されているとこ
ろから、これらは一斉に回転する。特に、第2のシリン
ダ軸受17の回転は、ここに設けられる一対の係合部2
5,25を介してオルダムリング27の第1の係合溝2
8a,28aに伝達され、オルダムリング27が回転す
る。
【0061】そしてまた、オルダムリング27の第2の
係合溝28b,28bにピストン7のピストンオルダム
部26が係合しているところから、オルダムリング27
の回転はピストン7に伝達される。
【0062】シリンダ4に対してピストン7は偏心した
位置に枢支されているが、上記オルダムリング27は第
1,第2の係合溝28a,28bを備えているので、シ
リンダ4とピストン7は同期して回転することになる。
【0063】その一方で、第2のシリンダ軸受17の補
助キー溝30,30に係止する補助キー部34,34を
有するカウンタバランスリング33は、シリンダ軸受1
7の回転にともなって回転する。このカウンタバランス
リング33と上記オルダムリング27との相対位置を同
図に示す。
【0064】たとえば、0°の位置で、オルダムリング
27の第1の係合溝28a,28aに係止するシリンダ
軸受17の係合部25,25が水平方向に向いたとする
と、カウンタバランスリング33の補助キー部34,3
4およびこれと係止するシリンダ軸受17の補助キー溝
30,30は垂直方向に向く。
【0065】このことから、オルダムリング27とカウ
ンタバランスリング33は、互いに上下方向に対向する
位置にある。当然、オルダムリング27が上部、カウン
タバランスリング33が下部にある。
【0066】ここから90°回動変位した位置では、オ
ルダムリング27の第1の係合溝28a,28aが垂直
方向に向き、カウンタバランスリング33の補助キー部
34,34が水平方向に向く。このことから、オルダム
リング27とカウンタバランスリング33の上下位置が
反転する。オルダムリング27が下部、カウンタバラン
スリング33が上部になる。
【0067】さらにここから90°回動変位した位置、
すなわちはじめの基準位置(0°)から180°変位し
た位置では、オルダムリング27の第1の係合溝28
a,28aが水平方向に向き、カウンタバランスリング
33の補助キー部34,34が垂直方向に向く。オルダ
ムリング27とカウンタバランスリング33の上下位置
が再び反転して、オルダムリング27が上部、カウンタ
バランスリング33が下部になる。
【0068】このようにして、シリンダ4とピストン7
が90°回動変位するのにともなって、オルダムリング
27とカウンタバランスリング33の上下位置が反転を
繰り返す。
【0069】これらオルダムリング27とカウンタバラ
ンスリング33は互いに同一の外形寸法で、かつ軸方向
厚さが異なるが、選択された素材の比重の関係で同じ重
量になるよう設定されている。
【0070】オルダムリング27の公転動に対してカウ
ンタバランスリング33は180°位相のずれた位置で
公転動することになるから、オルダム機構21としての
動的アンバランスを解消する。
【0071】そして、オルダムリング27の質量を従来
のものよりも小さくすることができ、面圧の低減を得
て、円滑な動作をなし、信頼性の向上を図れる。さら
に、これらの素材の選択から、カウンタバランスリング
33の肉厚を薄くすることができ、圧縮機としての低振
動および低騒音は勿論、小型化が実現される。
【0072】図4は、たとえばスクロール式圧縮機に用
いられるオルダム機構21Aを示す。同図(A)は、オ
ルダムリング27Aであり、この両側面にキー部k1 ,
k2が一体に突設される。すなわち、一側面のキー部k1
,k1 は互いに180°対称の位置に設けられ、他側
面のキー部k2 ,k2 も180°対称の位置にあり、か
つ一側面のキー部k1 ,k1 に対しては直交する方向に
設けられる。
【0073】同図(B)は,カウンタバランスリング3
3Aである。この内,外形寸法はオルダムリング27A
のそれと同一である。ただし、カウンタバランスリング
33Aの180°対称部位は、径方向に凹陥形成される
逃げ部37,37となっている。
【0074】これら逃げ部37,37で、カウンタバラ
ンスリング33Aの一側面に補助キー部k3 ,k3 が設
けられ、これら補助キー部とは直交する方向で、180
°対称の他側面部位には別の補助キー部k4 ,k4 が設
けられる。
【0075】同図(C)に示すように、オルダムリング
27Aに対してカウンタバランスリング33Aは逃げ部
37,37が設けられる垂直方向に偏心してセットされ
る。オルダムリング27Aおよびカウンタバランスリン
グ33Aの一面側に突設されるキー部k1 ,k1 および
補助キー部k4 ,k4 は、駆動側であるロータに設けら
れるキー溝に掛止される。他面側に突設されるキー部k
2 ,k2 および補助キー部k3 ,k3 は、駆動力の伝達
側である旋回スクロールに設けられるキー溝に掛止され
る。
【0076】図5に示すように、ロータMに対してオル
ダムリング27Aが旋回運動する。すなわち、オルダム
リング27Aは公転動してロータMの回転力を旋回スク
ロールNに伝達する。駆動側と伝達側の相対的な動きに
対して、オルダムリング27Aは角速度2倍の動きにな
る。
【0077】ここで駆動側Mと伝達側Nの公転動で生じ
る動的アンバランスは、外部よりバランスすることが可
能である。この際、オルダムリング27Aも加味し、た
とえば図の0°の位置で完全にバランスさせたとする
と、0°と180°においてバランスすることができる
が、90°および270°ではオルダムリング27Aの
バランスをとることができず、一部アンバランスが残
る。
【0078】同図では図示しないが、先に説明した上記
カウンタバランスリング33Aを備えることによって、
このような動的バランスを180°位相のずれた位置で
とることができる。
【0079】そして、ロータMと旋回スクロールNに対
する摺動自在な掛合部が、カウンタバランスリング33
Aが追加された分、摺動面積が従来の2倍に増える。こ
のことから、オルダムリング27Aの負荷が低減して、
信頼性が向上する。
【0080】さらにまた、図6に示すように、スクロー
ル式圧縮機におけるオルダム機構21Bの場合は、極く
小径で、かつ軸方向の肉厚寸法を極端に厚くして、質量
を大きくしたカウンタバランスリング33Bを用いても
よい。
【0081】このカウンタバランスリング33Bも、両
側面に補助キー部k5 ,k6 が一体に突設される。すな
わち、一側面の補助キー部k5 ,k5 は互いに180°
対称位置に設けられ、他側面の補助キー部k6 ,k6 も
180°対称の位置にあり、かつ一側面の補助キー部k
5 ,k5 に対しては直交する方向に設けられる。
【0082】オルダムリング27Aは、先に図4(A)
で示したものをそのまま用いる。そして、このオルダム
リング27Aの内側に上記カウンタバランスリング33
Bを位置させる。オルダムリング27Aの一側面にカウ
ンタバランスリング33Bの一側面を合わせることか
ら、カウンタバランスリング33Bの他側面はオルダム
リング27Aの他側面から大きく突出することになる。
【0083】そして、このようなオルダムリング27A
とカウンタバランスリング33Bを、互いに偏心量eを
もってロータと旋回スクロールとの間に介在するのであ
るが、ここではカウンタバランスリング33Bを大きく
突出しているので、それに対応するロータと旋回スクロ
ールの構造にしなければならない。
【0084】同様に、上記カウンタバランスリング33
Bを備えることによって、動的バランスを180°位相
のずれた位置でとることができる。そして、ロータと旋
回スクロールに対する摺動自在な掛合部が、カウンタバ
ランスリング33Bが追加された分、従来の2倍に増え
る。このことから、オルダムリング27Aの負荷が低減
して信頼性が向上する。
【0085】上記カウンタバランスリング33Bの場合
は、オルダムリング27Aの内周側に配設するようにし
たが、これに限定されるものではなく、オルダムリング
の外周側に配設するような構成にしてもよい。
【0086】なお、本発明のヘリカルブレード式圧縮機
は、その用途を冷凍サイクルに限定されるものではない
ことは、勿論である。そして本発明は、要旨を逸脱しな
い範囲で種々に変形することが可能である。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、ヘリカ
ルブレード式圧縮機におけるオルダム機構は、シリンダ
に連結され第1のキー部および第1のキー部とは90°
直交する方向に補助キー溝を備えたオルダム受けと、第
1のキー部に摺動自在に係合する第1の係合溝を一側面
に備え、他側面に第1の係合溝とは直交する方向に第2
係合溝を備えたオルダムリングと、回転体の一方の
部に設けられ、第2の係合溝に摺動自在に係合するピス
トンオルダム部を備えオルダム受けとオルダムリングを
介して回転体に回転力を受ける回転力受け部と、オルダ
ム受けとオルダムリングとの間に介在されオルダム受け
の補助キー溝に摺動自在に係合する補助キー部を有し、
オルダムリングの公転動に対して180°位相のずれた
位置で公転動をなすカウンタバランスリングとを具備し
た。
【0088】
【0089】さらに、カウンタバランスリングは、オル
ダムリングと同一の質量とした。さらに、カウンタバラ
ンスリングは、オルダムリングと比重の異なる材質とし
た。
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】したがって、本発明によれば、ヘリカルブ
レード式式圧縮機において、オルダムリングの公転動に
対してカウンタバランスリングが180°位相のずれた
位置で公転動し、オルダムリングの動的アンバランスを
バランスさせ、運転騒音と振動の低減を図り、静粛運転
が得られるとともに、小型化を図れる。オルダムリング
は、負荷が低減されて、高い信頼性が得られるなどの効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、実施の形態を示す、流体圧縮機の縦
断面図。
【図2】同実施の形態の、オルダム機構の構成部品を分
解して示す斜視図。
【図3】同実施の形態の、オルダム機構のオルダムリン
グおよびカウンタバランスリングの作用を0°〜180
°の範囲で説明する図。
【図4】他の実施の形態の、オルダム機構の部品図と組
立て図。
【図5】同実施の形態の、オルダムの作用を0°〜27
0°の範囲で説明する図。
【図6】さらに異なる他の実施の形態の、オルダム機構
の部品図と組立て図。
【符号の説明】
21…オルダム機構、2…圧縮機構部、3…電動機部、
17…オルダム受け(第2のシリンダ軸受)、25…第
1のキー部(係合部)、27…オルダムリング、28a
…キー部(第1の係合溝)、28b…第2のキー部(第
2の係合溝)、7…回転力受け部(ピストン)、33…
カウンタバランスリング、34…掛合部(補助キー
部)、4…シリンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−1684(JP,A) 特開 平4−128583(JP,A) 特開 平7−293462(JP,A) 特開 平4−1489(JP,A) 特開 昭63−106385(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/344 311 F04C 18/02 311

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転駆動源の駆動力をオルダム機構を介し
    て圧縮機構部に伝達するヘリカルブレード式圧縮機にお
    いて、上記圧縮機構部は、上記回転駆動源に連結される
    シリンダと、このシリンダを回転自在に枢支する一対の
    軸受具と、これら軸受具に偏心して回転自在に枢支され
    周面に徐々に小さくなるピッチで形成された螺旋状の溝
    を有し上記シリンダ内に偏心配置される回転体と、この
    回転体の溝に出入自在に嵌め込まれ、上記シリンダ内に
    徐々に容積を小とする複数の圧縮室を形成するブレ−ド
    とを具備し、 上記オルダム機構は、上記シリンダに連結され、その一側面に180°対称位
    置に設けられる一対の突部からなる第1のキー部およ
    び、これら第1のキー部とは90°直交する方向で、か
    つ180°対称位置に設けられる一対の補助キー溝を備
    えた オルダム受けと、 このオルダム受けの上記第1のキー部に摺動自在に係合
    する第1の係合溝をその一側面に備え、他側面に上記
    1の係合溝とは直交する方向に第2の係合溝を備えたオ
    ルダムリングと、 上記回転体の一方の端部に設けられ、上記オルダムリン
    グの第2の係合溝に摺動自在に係合するピストンオルダ
    ム部を備え、上記オルダム受けからオルダムリングを介
    して上記回転体に回転力を受ける回転力受け部と、 上記オルダム受けとオルダムリングとの間に介在され、
    オルダム受けの上記補助キー溝に摺動自在に係合する補
    助キー部を有し、オルダムリングの公転動に対して18
    0°位相のずれた位置で公転動をなし、オルダムリング
    に対して動的バランスをとるカウンタバランスリングと
    を具備したことを特徴とするヘリカルブレード式圧縮
    機。
  2. 【請求項2】上記カウンタバランスリングの質量は、上
    記オルダムリングの質量と同一であることを特徴とする
    請求項1記載のヘリカルブレード式圧縮機。
  3. 【請求項3】上記カウンタバランスリングの材質の比重
    は、上記オルダムリングの材質の比重と異なることを特
    徴とする請求項1記載のヘリカルブレード式圧縮機。
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