JP3693041B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール圧縮機に関し、特に、可動スクロールの自転トルクが変動することに起因する運転騒音や振動を抑制する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、冷凍サイクルで冷媒を圧縮する圧縮機として、例えば特開平5−312156号公報などに開示されているように、スクロール圧縮機が用いられている。スクロール圧縮機は、ケーシング内に、互いに噛合する渦巻き状のラップが突設された固定スクロールと可動スクロールとを有する圧縮機構を備えている。固定スクロールは、ケーシングに例えば固定部材(以下、ハウジングという)を介して固定され、可動スクロールは駆動軸の偏心軸部に連結されている。そして、このスクロール圧縮機は、可動スクロールが固定スクロールに対して自転することなく公転する動作により、両ラップ間に形成される圧縮室の容積を減少させて、その内部で冷媒を圧縮するように構成されている。
【0003】
スクロール圧縮機では、可動スクロールの上記の動作を可能にするために、例えばオルダム継手が使用されている。このオルダム継手には、駆動軸の軸直角方向において互いに直交するように、2対のキーが表裏面にそれぞれ突設されている。また、ハウジングの表面及び可動スクロールの背面には、上記キーに対応するように2対のキー溝が設けられている。そして、各キー溝にキーが係合することによって、上記可動スクロールは、駆動軸の回転時に自転が防止される一方、各キー溝方向への移動量が連続的に変化することで駆動軸の回転中心の周りを公転可能になっている。
【0004】
可動スクロールには、冷媒を圧縮することにより、その冷媒の反力として、横方向荷重と軸方向荷重とが作用する。また、可動スクロールには、上記横方向荷重により自転トルクが発生する。この自転トルクは、冷媒反力の横方向成分により生じるモーメント(本明細書では自転第1トルクという)を主成分とし、可動スクロールを自転させようとする作用を有している。自転第1トルクは、可動スクロールの公転中に圧縮室内の冷媒圧力が変化するのに伴って周期的に増減し、該冷媒圧力が最大になる可動スクロールの公転位置において最大となる。
【0005】
また、可動スクロールの自転トルクは、ラップの形状、可動スクロールの重心位置、回転中心とラップ中心との製造誤差、オルダム継手の動作により変動する慣性力、そして圧縮機の運転条件等、その他の多くの要素に起因するモーメント(本明細書では、オルダム継手の慣性力によるモーメントを自転第2トルクという)によって、大きさが変化する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、固定側のラップ長と可動側のラップ長が等しいいわゆる対称渦巻き構造の場合には、上記自転トルクは作用方向が常に同じで大きさだけが増減するが、固定側のラップ長と可動側のラップ長が異なるいわゆる非対称渦巻き構造の場合には、自転トルクが1周期の間に増減するだけでなく、その作用方向が逆転することもある。これは、可動スクロールのラップ外周面と固定スクロールのラップ内周面との間に構成される第1の圧縮室の冷媒圧力による反力と、可動スクロールのラップ内周面と固定スクロールのラップ外周面との間に構成される第2の圧縮室の冷媒圧力による反力とが、対称渦巻き構造の場合は可動スクロールの公転中に基本的には常にバランスしているのに対して、非対称渦巻き構造の場合はその公転中にアンバランスになる領域があるためと考えられる。
【0007】
特に、高速運転時等の特定の運転状態では、上記オルダム継手の慣性力が大きくなるために可動スクロールにかかる自転トルクの発生方向が反転しやすくなり、そうなると、オルダム継手のキーが可動スクロール及びハウジングのキー溝との隙間の範囲内でがたつき、振動や騒音が発生するという問題があった。
【0008】
上記の振動や騒音は、対称渦巻き構造よりも非対称渦巻き構造の方が顕著に現れる傾向にあるが、対称渦巻き構造の場合でも自転トルクの変動に伴ってキーが振動するおそれがないわけではなく、トルク変動の少ない安定した運転が望ましいことは言うまでもない。
【0009】
これに対し、ラップの渦巻き形状を工夫して自転トルク自体を小さくするような設計にすることも可能であり、そのようにすると自転トルクの変動幅も小さくなり、キーのがたつきのおそれも小さくなると考えられる。しかし、この場合には、逆にラップの寸法、強度、あるいは必要とする圧縮特性等の設計条件が満たされなくなる可能性がある。したがって、実際には可動スクロールの自転トルクだけを単純に抑えるような設計をすることは非常に困難であった。
【0010】
本発明は、このような問題点に鑑みて創案されたものであり、その目的とするところは、可動スクロールの自転トルクが変動することで発生する騒音や振動を抑制できるようにするとともに、それがラップの設計上の制約になることも防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記自転トルク(T)の変動要因の一つであるオルダム継手(39)の慣性力の変動がガス反力の変動からは独立した挙動を示す点に着目し、該慣性力の変動周期とガス反力の変動周期との関係を特定することにより、合計の自転トルク(T)の変動を抑制するようにしたものである。
【0012】
具体的に、本発明は、ケーシング(10)内に、固定スクロール(24)と、固定スクロール(24)との間に圧縮室(40)を区画する可動スクロール(26)と、固定スクロール(24)に対して駆動軸(17)と軸直角の第1方向へスライド可能で可動スクロール(26)に対しては駆動軸(17)と軸直角の第2方向へスライド可能なオルダム継手(39)とを備えたスクロール圧縮機を前提としている。
【0013】
そして、請求項1に記載のスクロール圧縮機は、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力により可動スクロール(26)に周期変動を伴って作用する自転第1トルク(T1)と、オルダム継手(39)の第1方向へのスライド動作により可動スクロール(26)に周期変動を伴って作用する自転第2トルク(T2)とが、その合計トルク(T)の変動幅を自転第1トルク(T1)の変動幅よりも小さくする位相差になるように、上記第1方向が定められていることを特徴としている。
【0014】
上述したように、可動スクロール(26)の公転中に発生する自転トルク(T)は、ガス力によるモーメントを始め、種々の要素により発生するモーメントの合計であり、可動スクロール(26)の1回の公転を1周期として増減を繰り返す。
そして、請求項1の発明では、上記可動スクロール(26)の公転中に、ガスの圧縮の反力と、オルダム継手(39)のスライド動作の慣性力とにより、合計トルク(T)の変動幅を自転第1トルク(T1)の変動幅よりも縮小する作用が発生する。このため、可動スクロール(26)の公転中に該可動スクロール(26)が逆方向に自転しようとする動きの発生を防止できる。したがって、オルダム継手(39)の振動が発生しにくくなり、可動スクロール(26)の公転動作も安定する。
【0015】
次に、請求項2,3に記載の発明は、自転第1トルク(T1)と自転第2トルク(T2)の周期変動の位相差を角度で特定したものである。
【0016】
具体的には、請求項2に記載の発明は、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力により可動スクロール(26)に作用する自転第1トルク(T1)の周期変動と、オルダム継手(39)の第1方向へのスライド動作による自転第2トルク(T2)の周期変動とが、150°から210°の位相差となるように、上記第1方向が定められていることを特徴としている。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2のスクロール圧縮機において、自転第1トルク(T1)の周期変動と、自転第2トルク(T2)の周期変動とが、実質的に180°の位相差となるように、上記第1方向が定められていることを特徴としている。
【0018】
これら請求項2,3の発明においては、可動スクロール(26)の公転中のガス反力による自転第1トルク(T1)の周期変動と、オルダム継手(39)のスライド動作による自転第2トルク(T2)の周期変動とが、上記の位相差をもっているため、自転第1トルク(T1)と自転第2トルク(T2)とが打ち消し合う作用が生じる。このため、合計トルク(T)を、ガス反力による自転第1トルク(T1)よりも変動幅が縮小されたものにすることができる。したがって、可動スクロール(26)の公転中に該可動スクロール(26)が逆方向に自転しようとする動きの発生を防止できるため、オルダム継手(39)の振動が発生しにくくなり、可動スクロール(26)の公転動作も安定する。
【0019】
次に、請求項4,5に記載のスクロール圧縮機は、オルダム継手(39)のスライド方向を、可動スクロール(26)の公転中の所定位置(ガス反力が最大となる位置)を基準として特定したものである。
【0020】
具体的には、請求項4に記載の発明は、上記第1方向が、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力が最大になる公転位置において両スクロール(24,26)の中心(01,02)を通る直線に対して、駆動軸(17)と軸直角の面上で60°から120°の角度で交差するように定められていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4のスクロール圧縮機において、上記第1方向が、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力が最大になる公転位置において両スクロール(24,26)の中心(01,02)を通る直線に対して、駆動軸(17)と軸直角の面上で実質的に90°の角度で交差するように定められていることを特徴としている。
【0022】
ガス圧縮の反力による自転第1トルク(T1)は、上述したように圧縮室(40)のガス圧が最大になるときに最も大きくなり、ガス反力の横方向成分は、そのときの可動スクロール(26)の中心(02)と固定スクロール(24)の中心(01)とを結ぶ線分にほぼ直交する方向に作用すると考えてよい。このため、上記請求項4,5の発明では、オルダム継手(39)のスライド方向を上記公転角度でのガス反力の作用方向と実質的に逆向きにすることが可能となり、これによりガス反力とオルダム継手(39)の慣性力が実質的に相殺し合う状態にすることが可能となる。したがって、合計の自転トルク(T)は、ガス反力による自転第1トルク(T1)の変動幅が縮小されたものとなり、可動スクロール(26)の公転中に該可動スクロール(26)が逆方向に自転しようとする動きの発生を防止できる。その結果、オルダム継手(39)の振動が発生しにくくなり、しかも可動スクロール(26)の公転動作が安定する。
【0023】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか1のスクロール圧縮機において、固定スクロール(24)及び可動スクロール(26)が、渦巻きの長さが相違する非対称渦巻き構造に構成されていることを特徴としている。
【0024】
一般に、非対称渦巻き構造の場合は公転中のガス反力のアンバランスにより自転トルク(T)の変動幅が大きくなり、オルダム継手(39)の振動が発生しやすい。これに対して、この請求項6の発明では、上記請求項1から5の発明について説明したように、ガス反力とオルダム継手(39)の慣性力が自転トルク(T)の変動幅を縮小するように作用するため、自転トルク(T)の発生方向が反転することも防止可能である。したがって、振動の発生しやすい渦巻き構造であるにも拘わらず、振動を確実に抑制できる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本実施形態に係るスクロール圧縮機(1)を示している。このスクロール圧縮機(1)は、冷媒が循環して蒸気圧縮式の冷凍サイクル動作を行う図外の冷媒回路に接続されている。
【0026】
このスクロール圧縮機(1)は、縦長円筒状で密閉ドーム型のケーシング(10)を有している。このケーシング(10)の内部には、冷媒を圧縮するスクロール圧縮機構(15)と、このスクロール圧縮機構(15)の下方に配置される駆動モータ(図示せず)とが収容されている。スクロール圧縮機構(15)と駆動モータとは、ケーシング(10)内に上下方向に配置された駆動軸(17)によって連結されている。スクロール圧縮機構(15)と駆動モータとの間には、圧縮された冷媒ガスの充満する高圧空間(18)が形成されている。
【0027】
上記スクロール圧縮機構(15)は、ハウジング(23)と、固定スクロール(24)と、可動スクロール(26)とを備えている。ハウジング(23)は、圧縮機構(15)をケーシング(10)に固定する固定部材であり、その外周面において周方向の全体に亘ってケーシング(10)に圧入固定されている。固定スクロール(24)は、該ハウジング(23)の上面に密着して固定されている。可動スクロール(26)は、固定スクロール(24)及びハウジング(23)の間に配置され、固定スクロール(24)に対して可動に構成されている。
【0028】
上記ハウジング(23)には、その上面中央を凹陥してなるハウジング凹部(31)と、下面中央から下方に延びるラジアル軸受部(32)とが形成されている。このハウジング(23)には、後述する1対のキー溝(23a,23a)が凹設されている。また、ハウジング(23)には、上記ラジアル軸受部(32)の下端面とハウジング凹部(31)の底面との間を貫通するラジアル軸受孔(33)が設けられていて、このラジアル軸受孔(33)に上記駆動軸(17)が滑り軸受け(34)を介して回転可能に支持されている。
【0029】
上記ケーシング(10)は、上端部が上部端板(10a)で閉塞されている。ケーシング(10)の上部端板(10a)には、冷媒回路の冷媒をスクロール圧縮機構(15)に導入する吸入管(19)が接合されている。また、ケーシング(10)の上下方向の中央部には、ケーシング(10)内の高圧冷媒をケーシング(10)外に吐出するための吐出管(20)が接合されている。上記吸入管(19)の内端部は、固定スクロール(24)から、後述する圧縮室(40)に連通している。そして、この吸入管(19)から圧縮室(40)内に冷媒が吸入されるようになっている。
【0030】
上記固定スクロール(24)は、鏡板(24a)と、この鏡板(24a)の下面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(24b)とから構成されている。
一方、上記可動スクロール(26)は、鏡板(26a)と、この鏡板(26a)の上面に形成された渦巻き状(インボリュート状)のラップ(26b)とから構成されている。そして、固定スクロール(24)のラップ(24b)と可動スクロール(26)のラップ(26b)とは互いに噛合している。また、固定スクロール(24)と可動スクロール(26)との間には、両ラップ(24b,26b)の接触部間に圧縮室(40)が形成されている。
【0031】
上記圧縮室(40)は、図2に示すように、固定スクロール(24)のラップ(24b)の内周面と可動スクロール(26)のラップ(26b)の外周面との間に区画される外周側圧縮室(40a)と、固定スクロール(24)のラップ(24b)の外周面と可動スクロール(26)のラップ(26b)の内周面との間に区画される内周側圧縮室(40b)とから構成されている。この実施形態において、圧縮機構(15)は、固定スクロール(24)のラップ(24b)の長さと可動スクロール(26)のラップ(26b)の長さが相違する非対称渦巻き構造であり、外周側圧縮室(40a)と内周側圧縮室(40b)とが固定スクロール(24)の中心(O1)に対して非対称に配置されている。
【0032】
図1に示すように、上記可動スクロール(26)は、オルダム継手(39)を介してハウジング(23)に支持されている。オルダム継手(39)は、例えばアルミ製のリング状部材で、図4に示すように、一対の可動スクロール側キー(39a,39a)と、一対のハウジング側キー(39b,39b)とがそれぞれ突設されている。可動スクロール側キー(39a,39a)はオルダム継手(39)の表面側に形成され、ハウジング側キー(39b,39b)は、オルダム継手(39)の裏面側に、駆動軸(17)の軸心に対してスクロール側キー(39a,39a)とは位相が90°異なる位置に形成されている。
【0033】
一方、図5に示すように、可動スクロール(26)の背面には、可動スクロール側キー(39a,39a)に対応するようにキー溝(26c,26c)が凹設されている。また、図3の拡大図に示しているように、上記ハウジング(23)の表面にはハウジング側キー(39b,39b)に対応するようにキー溝(23a,23a)が凹設されている。そして、2対のキー溝(26c,23a)とキー(39a,39b)とがそれぞれ係合することにより、オルダム継手(39)は、固定スクロール(24)に対しては回転中心である駆動軸(17)の軸心と軸直角の第1方向(図の左右方向)へスライド可能で、可動スクロール(26)に対しては該軸心と軸直角の第2方向(図の上下方向)へスライド可能になっている。
【0034】
図1に示すように、上記可動スクロール(26)の鏡板(26a)の下面には、その中心部に円筒状のボス部(26d)が突設されている。一方、上記駆動軸(17)の上端には偏心軸部(17a)が設けられている。この偏心軸部(17a)は、上記可動スクロール(26)のボス部(26d)に滑り軸受け(27)を介して回転可能に嵌合している。さらに、上記駆動軸(17)には、上記ハウジング(23)のラジアル軸受部(32)の下側部分に、可動スクロール(26)や偏心軸部(17a)等と動的バランスを取るためのカウンタウェイト部(図示せず)が設けられている。駆動軸(17)は、このカウンタウェイト部により、重さのバランスを取りながら回転する。
【0035】
駆動軸(17)が回転することにより、オルダム継手(39)がハウジング(23)側のキー溝(23a,23a)に沿って固定スクロール(24)に対して上記第1方向へ往復スライド運動し、かつ可動スクロール(26)がそのキー溝(26c,26c)に沿ってオルダム継手(39)に対して上記第2方向へ往復スライド運動する。その結果、可動スクロール(26)は、自転を禁止された状態で、固定スクロール(24)に対する公転動作のみを行う。このとき、上記圧縮室(40)は、可動スクロール(26)の公転に伴って両ラップ(24b,26b)の間の容積が中心に向かって収縮し、それによって、上記吸入管(19)より吸入された冷媒が圧縮される。
【0036】
一方、上記スクロール圧縮機構(15)には、固定スクロール(24)とハウジング(23)とに亘って、ガス通路(図示せず)が上記圧縮室(40)と高圧空間(18)とを接続するように形成されている。このため、圧縮室(40)で圧縮された高圧の冷媒は、上記ガス通路の端部に設けられた吐出口(41)(図2参照)から該ガス通路を通って高圧空間(18)に吐出され、さらに吐出管(20)から冷媒回路へ流出する。
【0037】
本実施形態のラップ(24b,26b)の渦巻き形状では、圧縮室(40)内の冷媒圧力が最大となる可動スクロール(26)の公転位置(この位置は、冷媒の反力による自転第1トルク(T1)が最大になる公転位置と実質的に一致する)は、可動スクロール(26)の中心(O2)が図2において固定スクロール(24)の中心(01)に対して右側にあるときの公転位置を基準(0°)とすると、図2に示すようにほぼ90°(固定スクロール(24)の中心(01)の上側)の位置にある。
【0038】
そして、上記ハウジング(23)側のキー溝(23a,23a)は、それぞれ0°及び180°の位置に形成されている。また、可動スクロール(26)側キー溝(26c,26c)は、このハウジング(23)側のキー溝(23a,23a)に対して、駆動軸(17)の中心線方向から見て直交する位置に、つまり図面上で90°及び270°の位置に形成されている。
【0039】
オルダム継手(39)は、ハウジング(23)側のキー溝(23a,23a)に沿って、固定スクロール(24)に対する往復スライド運動をするため、このオルダム継手(39)のスライド方向(第1方向)は、自転第1トルク(T1)がほぼ最大になる図2の状態で両スクロール(24,26)の中心(O1,O2)を通る直線に対しては、駆動軸(17)と軸直角の面上で実質的に90°の角度で交差している。オルダム継手(39)の慣性力(FO)は、その往復スライド動作の中点となる位置で最大になる。したがって、上記の位置関係では、可動スクロール(26)の公転位置が90°及び270°の公転位置にあるときに慣性力(FO)の絶対値が最大になる。
【0040】
次に、本実施形態に係るスクロール圧縮機(1)の運転状態について説明する。駆動モータを起動すると駆動軸(17)が回転し、その動力がスクロール圧縮機構(15)の可動スクロール(26)に伝達される。このとき、駆動軸(17)の偏心軸部(17a)が所定の周回軌道上を旋回する一方、オルダム継手(39)が、固定スクロール(24)に対してキー(39b)とキー溝(23a)の作用で第1方向へスライドし、可動スクロール(26)がオルダム継手(39)に対してキー(39a)とキー溝(26c)の作用で第2方向へスライドするので、可動スクロール(26)は自転をせずに公転のみを行う。
【0041】
このことにより、図示しない冷媒回路の蒸発器で気化した低圧のガス冷媒が吸入管(19)を通って圧縮室(40)の周縁側から圧縮室(40)に吸引される。この冷媒は、スクロール圧縮機構(15)において、圧縮室(40)の容積変化に伴って圧縮され、高圧となって吐出口(41)及びガス通路を経て高圧空間(18)へ流出する。冷媒は、吐出管(20)からケーシング(10)外に吐出されると、冷媒回路を循環した後、再度吸入管(19)を通してスクロール圧縮機(1)に吸入される。本実施形態では以上の動作が繰り返される。
【0042】
一方、可動スクロール(26)の公転中には、圧縮室(40)内で冷媒が圧縮されることによって、外周側圧縮室(40a)及び内周側圧縮室(40b)を押し広げようとする冷媒反力が可動スクロール(26)に作用する。
【0043】
上記冷媒反力は、横方向荷重と軸方向荷重とからなる。図6には横方向荷重(FT)の作用を単純化して示している。この図に示すように、横方向荷重(FT)が可動スクロール(26)の中心(O2)と固定スクロール(24)の中心(O1)とを結ぶ直線上の1点(以下作用点(P1)という)に作用すると考えると、冷媒反力による自転第1トルク(T1)は、固定スクロール(24)の中心(O1)から作用点(P1)までの距離と横方向荷重(FT)との積により求められる。この自転第1トルク(T1)は、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内で圧縮される冷媒の反力が最大になる公転位置において最大になり、上記横方向荷重(FT)は、このときに固定スクロール(24)と可動スクロール(26)の中心(01,02)を通る直線にほぼ直交する方向に作用する。
【0044】
一方、可動スクロール(26)の自転トルク(T)は、前述したように、冷媒の反力による自転第1トルク(T1)と、その他の要因によるモーメントとの合計である。本実施形態では、その変動要因の一つであるオルダム継手(39)のスライド方向(第1方向)を上述のように特定したことで、その慣性力(FO)を冷媒反力の横方向荷重(FT)とは逆方向に作用させて合計トルク(T)の変動を抑制している。
【0045】
具体的には、可動スクロール(26)の公転位置が図2,図6の90°位置にあるときに、可動スクロール(26)に図6で右方向に冷媒反力の横方向成分(FT)が最大に作用しているのに対して、オルダム継手(39)は可動スクロール(26)の公転に伴ってハウジング側キー溝(23a,23a)に沿って同図で左方向に移動中であり、このときに慣性力(FO)が最大となっている。したがって、上記冷媒反力(FT)と慣性力(FO)とがいずれも最大になる状態で互いに反対方向に作用しているため、両者が打ち消し合うことにより、可動スクロール(26)に作用する合計自転トルク(T)の最大値が小さくなる。
【0046】
このようにすると、ガスの反力による自転第1トルク(T1)の周期変動と、オルダム継手(39)のスライド動作による自転第2トルク(T2)の周期変動とが、後述するように実質的に180°の位相差となる。これにより、自転第1トルク(T1)と自転第2トルク(T2)との合計トルク(T)は、その変動幅が自転第1トルク(T1)の変動幅よりも縮小されることになる。
【0047】
このため、可動スクロール(26)にかかる合計の自転トルク(T)が安定して、可動スクロール(26)が反転しようとする力が生じにくくなり、オルダム継手(39)のキー(39a,39b)と可動スクロール及びハウジングのキー溝(26c,23a)との間でのがたつきも発生しにくくなる。したがって、スクロール圧縮機(1)に発生する騒音及び振動の発生を抑制することが可能となる。
【0048】
なお、この実施形態では、冷媒反力が最大になるときの可動スクロール(26)の中心(02)と固定スクロール(24)の中心(01)とを結ぶ線分と、オルダム継手(39)のスライドする第1方向とが90°の角度で交差するものとしたが、本発明では合計自転トルク(T)の変動幅が自転第1トルク(T1)の変動幅よりも小さくなる限り、その交差角度は変更してもよい。
【0049】
【実施例】
次に、オルダム継手(39)が固定スクロール(24)に対してスライドする第1方向について、比較例を用いてより詳細に説明する。
【0050】
この比較例では、上記実施形態とは、2対のキー(39a,39b)及びキー溝(26c,23a)の設置角度が90°異なるものとした。すなわち、この比較例では、図7に示すように、可動スクロール(26)の0°及び180°の公転位置に相当する位置に可動スクロール(26)のキー溝(26c,26c)を配置し、90°及び270°の位置にハウジング(23)側のキー溝(23a,23a)を配置した。この構成においては、可動スクロール(26)は、冷媒の圧縮による自転第1トルク(T1)が最大になるときの可動スクロール(26)の中心(02)と固定スクロール(24)の中心(01)を結ぶ線分の方向と、オルダム継手(39)のスライドする第1方向(固定スクロール(24)に対するスライド方向)とが一致するように定められていることになる。
【0051】
この構成において、可動スクロール(26)を毎秒60回転させたときにオルダム継手(39)の各キー(39a,39b)にかかる慣性力による荷重特性を調べた。図8において、荷重(F1〜F4)は、順に0°,180°の可動スクロール(26)側キー(39a,39a)及び90°,270°のハウジング(23)側キー(39b,39b)に発生する荷重を示している。これらの荷重(F1〜F4)は、その値が負になるものがあると、自転トルク(T)を反転させるおそれがある。上記の荷重(F1〜F4)のなかでは、180°位置の可動スクロール(26)側キー(39a)に作用する荷重(F2)が最も小さな値になる荷重で、自転トルク(T)を反転させる可能性が高いと考えられる。そこで、この荷重(F2)について考察する。
【0052】
まず、可動スクロール(26)の回転数を毎秒60回転から100回転まで変化させ、180°の位置にある可動スクロール(26)側キー(39a)に作用する荷重(F2)について検討した。その結果を図9に示している。図示するように、回転数が増えると荷重の変動幅が大きくなり、特に回転数が毎秒90回転を超えると、可動スクロール(26)の公転位置が270°の位置になったときに上記荷重(F2)が負になる様子が分かる。したがって、このときに自転トルク(T)の作用方向が反転する可能性が高くなる。自転トルク(T)の反転が生じてしまうと、可動スクロール(26)が1回公転する間にオルダム継手(39)のキー(39a,39b)がキー溝(23a,26c)を1回叩き、これが原因でスクロール圧縮機(1)に騒音や振動が発生してしまう。
【0053】
これに対して、上記の振動を抑制するのに適したオルダム継手(39)のキー(39a,39b)の設置角度(θ)を求める。まず、比較例でのキー(39a,39b)の設置角度(θ)を基準(0°)とした場合に、設置角度を0°から180°の範囲で変化させて、荷重(F1〜F4)の変動を分析した。その結果を図10に示している。
【0054】
図10に示すように、設置角度(θ)が120°よりも大きい範囲では荷重(F1)が負の値となり、設置角度(θ)が60°よりも小さい範囲では荷重(F2)が負の値となっている。このことから、上記の角度を除く範囲(60°以上で120°以下の範囲)であれば荷重が常に正の値になるので、合計トルク(T)が反転せず、スクロール圧縮機(1)の騒音や振動も抑制できると考えられる。言い換えれば、上記実施形態の設置角度を基準としてその前後30°の範囲をキー(39a,39b)の設置角度(θ)にすればよいことが分かる。
【0055】
したがって、オルダム継手(39)のスライドする第1方向は、可動スクロール(26)の公転中に両スクロール(24,26)間の圧縮室(40)内で圧縮されるガスの反力が最大になる公転位置において固定スクロール(24)と可動スクロール(26)の中心(01,02)を通る直線を基準にすると、駆動軸(17)の回転中心と軸直角の面上で60°から120°の角度で交差するように定めておくとよいことが分かる。つまり、上記第1方向は、上記直線に対して90°の位置(自転第1トルク(T1)と自転第2トルク(T2)の変動の位相差が180°になる位置)が最も好ましいのに対して、その前後30°の範囲に設定しておくとよい。
【0056】
このようにすると、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内で圧縮されるガスの反力により可動スクロール(26)に作用する自転第1トルク(T1)の周期変動と、オルダム継手(39)の第1方向へのスライド動作による自転第2トルク(T2)の周期変動とが、ほぼ1/2周期(180°±30°)の位相差になる。したがって、自転第1トルク(T1)と自転第2トルク(T2)とがその変動幅を互いに打ち消し合うように作用して合計自転トルク(T)の反転が防止され、スクロール圧縮機(1)の騒音や振動を抑制することが可能となる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、ガスの圧縮の反力とオルダム継手(39)のスライド動作の慣性力とによる合計トルク(T)の変動幅をガス圧縮による自転第1トルク(T1)の変動幅よりも縮小する作用が発生するように、オルダム継手(39)のスライド方向を特定しているので、可動スクロール(26)の公転中に該可動スクロール(26)が逆方向に自転しようとする動きが発生するのを防止できる。したがって、オルダム継手(39)の振動やそれに起因する騒音が発生しにくくなり、トルク変動の少ない安定した動作が可能となる。また、この構成では、自転トルク(T)の変動を抑えるために可動スクロール(26)の渦巻き形状を変更することは不要であるため、オルダム継手(39)のスライド方向の設定が圧縮機構(15)の設計上の制約になることも防止でき、所期の能力が低下することもない。
【0058】
また、請求項2に記載の発明によれば、自転第1トルク(T1)の周期変動と自転第2トルク(T2)の周期変動とが150°から210°の位相差になるように、オルダム継手(39)のスライドする方向(第1方向)が定められているので、自転第1トルク(T1)の変動幅よりも合計自転トルク(T)の変動幅を小さくすることが可能であり、振動や騒音を防止できる。
【0059】
また、請求項3に記載の発明によれば、上記角度を実質的に180°にして両トルクの周期変動が1/2周期ずれるようにしているので、請求項2の効果をより高めることができる。
【0060】
また、請求項4に記載の発明によれば、オルダム継手(39)のスライドする第1方向が、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力が最大になる公転位置において固定スクロール(24)と可動スクロール(26)の中心(01,02)を通る直線に対して、軸直角方向に60°から120°の角度で交差するようにしているため、請求項2の発明と同様に、自転第1トルク(T1)の変動幅よりも合計自転トルク(T)の変動幅を小さくすることが可能であり、振動や騒音を防止できる。
【0061】
また、請求項5に記載の発明によれば、上記角度を実質的に90°にしているので、請求項3と同様に両トルク(T1,T2)の周期変動が1/2周期ずれていることになり、合計自転トルク(T)の変動幅を確実に抑制することで請求項4の効果をより高めることができる。
【0062】
さらに、請求項6に記載の発明によれば、自転トルク(T)の変動幅が大きくなりやすい非対称渦巻き構造において自転トルク(T)の変動幅を確実に抑制することができ、自転トルク(T)の発生方向が反転することも抑えられる。そして、該非対称渦巻き構造のスクロール圧縮機において、自転トルク(T)の変動に起因する振動や騒音を確実に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の部分断面図である。
【図2】圧縮室内の冷媒反力が最大になるときの可動スクロールの位置を示す要部断面図である。
【図3】オルダム継手のハウジング側キー周辺の拡大断面図である。
【図4】オルダム継手の斜視図である。
【図5】可動スクロールの斜視図である。
【図6】可動スクロールの自転トルクが発生する様子を示す説明図である。
【図7】比較例に係るスクロール圧縮機の要部断面図である。
【図8】オルダム継手の各キーに作用する荷重が公転位置により変動する状態を示すグラフである。
【図9】図8にF2で示す荷重が回転数によって変動する状態を示すグラフである。
【図10】実施例に係るオルダム継手の各キーに作用する荷重の最小値がオルダム継手のスライド方向によって変動する状態を示す図である。
【符号の説明】
(1) スクロール圧縮機
(10) ケーシング
(15) 圧縮機構
(23) ハウジング
(24) 固定スクロール
(26) 可動スクロール
(39) オルダム継手
(40) 圧縮室
(FT) 横方向荷重
(FO) オルダム継手の慣性力
(T1) 自転第1トルク(T1)
(T2) 自転第2トルク(T2)
(T) 自転トルク(合計トルク)

Claims (6)

  1. ケーシング(10)内に、固定スクロール(24)と、固定スクロール(24)との間に圧縮室(40)を区画する可動スクロール(26)と、固定スクロール(24)に対して駆動軸(17)と軸直角の第1方向へスライド可能で可動スクロール(26)に対しては駆動軸(17)と軸直角の第2方向へスライド可能なオルダム継手(39)とを備えたスクロール圧縮機であって、
    可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力により可動スクロール(26)に周期変動を伴って作用する自転第1トルク(T1)と、オルダム継手(39)の第1方向へのスライド動作により可動スクロール(26)に周期変動を伴って作用する自転第2トルク(T2)とが、その合計トルク(T)の変動幅を自転第1トルク(T1)の変動幅よりも小さくする位相差になるように、上記第1方向が定められていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. ケーシング(10)内に、固定スクロール(24)と、固定スクロール(24)との間に圧縮室(40)を区画する可動スクロール(26)と、固定スクロール(24)に対して駆動軸(17)と軸直角の第1方向へスライド可能で可動スクロール(26)に対しては駆動軸(17)と軸直角の第2方向へスライド可能なオルダム継手(39)とを備えたスクロール圧縮機であって、
    可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力により可動スクロール(26)に作用する自転第1トルク(T1)の周期変動と、オルダム継手(39)の第1方向へのスライド動作による自転第2トルク(T2)の周期変動とが、150°から210°の位相差となるように、上記第1方向が定められていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 自転第1トルク(T1)の周期変動と、自転第2トルク(T2)の周期変動とが、実質的に180°の位相差となるように、オルダム継手(39)のスライドする第1方向が定められていることを特徴とする請求項2記載のスクロール圧縮機。
  4. ケーシング(10)内に、固定スクロール(24)と、固定スクロール(24)との間に圧縮室(40)を区画する可動スクロール(26)と、固定スクロール(24)に対して駆動軸(17)と軸直角の第1方向へスライド可能で可動スクロール(26)に対しては駆動軸(17)と軸直角の第2方向へスライド可能なオルダム継手(39)とを備えたスクロール圧縮機であって、
    上記第1方向が、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力が最大になる公転位置において両スクロール(24,26)の中心(01,02)を通る直線に対して、駆動軸(17)と軸直角の面上で60°から120°の角度で交差するように定められていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. オルダム継手(39)のスライドする第1方向が、可動スクロール(26)の公転中に圧縮室(40)内のガスの反力が最大になる公転位置において両スクロール(24,26)の中心(01,02)を通る直線に対して、駆動軸(17)と軸直角の面上で実質的に90°の角度で交差するように定められていることを特徴とする請求項4記載のスクロール圧縮機。
  6. 固定スクロール(24)及び可動スクロール(26)は、渦巻きの長さが相違する非対称渦巻き構造に構成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1記載のスクロール圧縮機。
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