JPH04234591A - スクロ−ル形圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、互いに渦巻状
のラップを形成された固定スクロ−ルと旋回スクロ−ル
とを組合わせ、両ラップの間に圧縮室を形成し、旋回ス
クロ−ルを固定スクロ−ルに対して旋回させて被圧縮ガ
スを圧縮するスクロ−ル形圧縮機に関する。

【０００２】

【従来の技術】空気調和機用の圧縮機は、一般家庭用や
業務用として広範囲に使用されるようになり、益々普及
している。最近では、インバ−タ式の空気調和機が主流
となり、ヒ−トポンプが広く普及している。そして、圧
縮機の使用範囲は低速回転から高速回転に亘り、負荷も
外気温の幅に応じて広範囲に亘っている。このため、圧
縮機の信頼性の向上と省エネルギ−化が重要な課題にな
っている。このような課題に応えるものとしてスクロ−
ル形圧縮機が注目されている。そして、スクロ−ル形圧
縮機は空気調和機用としても使われるようになった。

【０００３】一般のスクロ−ル形圧縮機は、旋回スクロ
−ルを片持支持して旋回させている。そして、軸受の部
分にモ−メント荷重が加わるため、信頼性を確保するこ
とが難しい。さらに、信頼性を確保するために、ボ−ル
ベアリングを使用すること、或いは、軸受を大きくした
り長くしたりすること等が行われているが、構造が複雑
になることや、圧縮機が大型で且つ高価になること等の
欠点があった。

【０００４】このような一般のスクロ−ル形圧縮機の欠
点を解決するために、例えば特公昭６３−５９０３２号
公報に記載されているようなタイプのスクロ−ル形圧縮
機が提供されている。

【０００５】図８および図９に示すように、このタイプ
のスクロ−ル形圧縮機１は、旋回スクロ−ル２の中心部
に軸受孔３を設け、この軸受孔３に回転軸４の偏心軸部
５を差込み、旋回スクロ−ル２に回転軸４を貫通させて
いる。そして、回転軸４は主軸受６と副軸受７とによっ
て両持ち支持されており、回転軸４に加わるモ−メント
荷重の増大が防止されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、特公昭６３
−５９０３２号公報に記載されているようなタイプのス
クロ−ル形圧縮機１においては、固定スクロ−ル８と旋
回スクロ−ル２との間で圧縮された被圧縮ガスは、吐出
孔９を通過して吐出される。そして、吐出時における被
圧縮ガスの流動プロセスは、トルク変動や振動等に影響
を与える。

【０００７】このため、旋回スクロ−ルに２回転軸４を
貫通させたタイプの圧縮機１を例えば２つの吸入孔を備
えた低振動形の圧縮機に適用し、２箇所から吸込まれた
被圧縮ガスを圧縮したのち１箇所から吐出した場合には
、吐出時の流動プロセスがアンバランスになり、トルク
変動および振動が大となることが考えられる。さらに、
流動損失が生じ、電気入力が増大することが考えられる
。

【０００８】また、旋回スクロ−ル２に回転軸４を貫通
させたタイプの圧縮機１においては、旋回スクロ−ル２
の中心部を圧縮に利用できないため、被圧縮ガスを所定
の圧力に圧縮するためには、他のタイプのスクロ−ル形
圧縮機よりも旋回スクロ−ル２の外径および圧縮機１の
外形がその分大きくなる。

【０００９】本発明の目的とするところは、吐出時にお
ける被圧縮ガスの流動プロセスのバランスがよく、低振
動・低騒音で、且つ、信頼性の高いスクロ−ル形圧縮機
を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段および作用】上記目的を達
成するために本発明は、互いに渦巻状のラップを形成さ
れた固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとをケ−ス内に備
え、ケ−スに固定されたフレ−ムに固定スクロ−ルを固
定し、旋回スクロ−ルをフレ−ムと固定スクロ−ルとの
間に配置し、固定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとを組合
せて互いのラップを噛合せ、両スクロ−ル間に圧縮室を
形成するとともに、主軸部とこの主軸部に対して偏心し
た偏心軸部とを有し旋回スクロ−ルを貫通して偏心軸部
を旋回スクロ−ルの内側に位置させた回転軸を備え、旋
回スクロ−ルを固定スクロ−ルに対して旋回させ圧縮室
に供給された被圧縮ガスを圧縮するスクロ−ル形圧縮機
において、固定スクロ−ルに、被圧縮ガスを通過させて
流出させる吐出孔を２つ設け、これら吐出孔を固定スク
ロ−ルの軸心に対称に配置したことにある。

【００１１】こうすることによって本発明は、吐出時に
おける被圧縮ガスの流動プロセスをバランスさせ、振動
および騒音を低減し、スクロ−ル形圧縮機の信頼性を向
上できるようにしたことにある。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１〜図３に基づ
いて説明する。

【００１３】図１は本発明の一実施例を示すもので、図
中の符号１１は、例えば冷凍サイクル等に用いられるス
クロ−ル形圧縮機（以下、圧縮機と称する）である。こ
の圧縮機１１は、密閉式のケ−ス１２と、このケ−ス１
２の中に収納された圧縮機本体１３とを備えている。

【００１４】圧縮機本体１３は、圧縮機構部１４と電動
モ−タ１５とにより構成されている。そして、圧縮機構
部１４には固定スクロ−ル１６と旋回スクロ−ル１７、
および、回転軸１８等が設けられており、電動モ−タ１
５にはケ−ス１２に固定されたステ−タ１９、および、
このステ−タ１９の内側に配置されたロ−タ２０等が設
けられている。

【００１５】固定スクロ−ル１６と旋回スクロ−ル１７
とは、それぞれ円形状の鏡板２１、２２に渦巻状の帯板
からなるラップ２３、２４を突設されており、互いに組
合ってラップ２３、２４を噛合わせている。そして、両
スクロ−ル１６、１７は、それぞれのラップ２３、２４
の先端面を相手の底面に略接触させるとともに、互いの
間に複数の圧縮室２５…を形成している。

【００１６】両ラップ２３、２４の形状はインボリュ−
ト曲線や円弧等により構成されており、両ラップ２３、
２４が互いに複数箇所を接触させることにより圧縮室２
５…が形成されている。

【００１７】また、固定スクロ−ル１６はその中央部に
、ラップ２３に対して逆向きに突設された段付円筒状の
主軸受部２６を有している。そして、固定スクロ−ル１
６は、ケ−ス２の内壁面に一体に結合した環状のフレ−
ム２７に固定されており、鏡板２１およびラップ２３を
フレ−ム２７の下方に突出させるとともに、主軸受部２
６をフレ−ム２７の上方に突出させている。

【００１８】一方、旋回スクロ−ル１７は、ラップ２４
の略中心に位置しラップ２４と同方向に突出した円筒状
の偏心軸受部２８を有している。また、旋回スクロ−ル
１７は、固定スクロ−ル１６と、固定ボルト２９…によ
り固定スクロ−ル１６に連結されその副軸受部３０を固
定スクロ−ル１６の主軸受部２６と同軸的に位置させた
副軸受部材３１との間に配置されており、固定スクロ−
ル１６に対して偏心している。そして、旋回スクロ−ル
１７は固定スクロ−ル１６と副軸受部材３１との間に挟
まれている。

【００１９】回転軸１８は、主軸部３２と、この主軸部
３２に対して偏心した偏心軸部３３、および、偏心軸部
３３を主軸部３２との間に介在させ下端部に位置する副
軸部３４により構成されている。そして、回転軸１８は
、主軸部３２の上部に電動モ−タ１５のロ−タ２０を外
嵌されるとともに、主軸部３２の下部を主軸受部２６の
内側に位置させている。また、回転軸１８は、偏心軸部
３３を旋回スクロ−ル１７の偏心軸受部２８の内側に位
置させるとともに、副軸部３４を副軸受部材３１の副軸
受部３０に差込んでいる。

【００２０】つまり、回転軸１８は、固定スクロ−ル１
６と副軸受部材３１に同軸的に差込まれるとともに、旋
回スクロ−ル１７を貫通している。そして、回転軸１８
は電動モ−タ１５への通電に伴ってロ−タ２０と一体に
回転して電動モ−タ１５の回転力を旋回スクロ−ル１７
へ伝達し、旋回スクロ−ル１７を固定スクロ−ル１６に
対して旋回させる。

【００２１】さらに、旋回スクロ−ル１７と副軸受部材
３１との間には、スラスト制御リング３５が設けられて
いる。このスラスト制御リング３５は副軸受部材３１の
副軸部３０の外側を同軸的に囲うとともに、副軸受部材
３１との間に板ばね３６を介在させている。そして、ス
ラスト制御リング３５は、板ばね３６により上方に付勢
されながら旋回スクロ−ル１７の鏡板２２の背面にその
上端面を接し、旋回スクロ−ル１７を旋回できるよう下
方から支持している。

【００２２】また、図１中に３７で示すのはオルダムリ
ングである。このオルダムリング３７は、スラスト制御
リング３５の外側に配置されており、旋回スクロ−ル１
７と副軸受部材３１とにそれぞれ形成されたキ−溝にそ
のキ−を係止させている。そして、オルダムリング３７
は、固定スクロ−ル１７および副軸受部材３１に係止し
ながらこれら対して相対変位し、旋回スクロ−ル１７の
自転を規制する。

【００２３】また、図１中に３８で示すのは回転軸１８
の内部に一体に形成された羽根ポンプである。この羽根
ポンプ３８は回転軸１８の下部に配置されており、回転
軸１８の下端部から主軸部３２と偏心軸部３３との境界
部へ延びている。そして、羽根ポンプ３８は、ケ−ス１
２内に溜まった潤滑油３９に浸っており、回転軸１８の
回転に伴い、回転軸１８内に設けられた油流通路４０へ
潤滑油３９を汲上げる。

【００２４】潤滑油３９は、羽根ポンプ３８の遠心作用
により回転軸１８の内部に吸上げられ、油流通路４０を
流通しながら各摺動部へ供給されて、圧縮機１１の円滑
な作動を確保する。

【００２５】ケ−ス１２には吸入管４１が接続されてい
る。この吸入管４１はケ−ス１２を貫通してフレ−ム２
７に装着されており、その内部を、圧縮室２５…のうち
最も外側に位置する吸入室２５ａに連通させている。

【００２６】また、固定スクロ−ル１６には、図１およ
び図２に示すように、２つの吐出孔４２、４２が設けら
れている。これら吐出孔４２、４２は、固定スクロ−ル
１６の中央部近傍に配置されており、鏡板２２を厚さ方
向に貫通している。そして、吐出孔４２、４２は主軸受
部２６の基端部と、圧縮室２５…のうち最も中央側に位
置する吐出室２５ｂとに開口している。さらに、吐出孔
４２、４２は、互いに略１８０度離間しており、固定ス
クロ−ル１６および回転軸１８の軸心に対称に配置され
ている。

【００２７】また、吐出孔４２、４２はその形状を、図
３に一方のみを示すように、長円形状に設定されている
。そして、吐出孔４２、４２は、固定スクロ−ル１６の
周方向に沿って湾曲するとともに、幅方向を固定スクロ
−ル１６の半径方向に沿わせている。ここで、両吐出孔
４２、４２の形状は同様に設定されており、他方の吐出
孔４２の図示は省略されている。

【００２８】また、図３において、矢印ＡおよびＢは固
定スクロ−ル１６（および、回転軸１８）の接線方向お
よび半径方向をそれぞれ示している。また、図３中の二
点鎖線Ｃは、旋回スクロ−ル１７に設けられた偏心軸受
部２８の外周部の旋回時における軌跡を示している。

【００２９】また、図１中に４３で示すのは、副軸受部
材３１の外側に位置し回転軸１８の副軸部３４に偏心し
た状態で外嵌されたバランサであり、４４で示すのは副
軸受部材３１に固定されバランサ４３を覆うとともに、
その内側に潤滑油４０を導入したバランサカバ−である
。

【００３０】さらに、４５で示すのは、固定スクロ−ル
１６に固定されて主軸受部２６を覆い、その内部空間を
吐出孔４２、４２と連通させるとともに通孔４６ａを有
する吐出カバ−である。

【００３１】このような構成の圧縮機１１においては、
電動モ−タ１５への通電に伴って回転軸１８が回転し、
偏心軸部３３は偏心回転する。そして、偏心軸部３３に
外装された旋回スクロ−ル１７は、オルダムリング３７
によって方向性を一定に保たれたまま、固定スクロ−ル
１６に対して旋回する。

【００３２】そして、両スクロ−ル１６、１７のラップ
２１、２２の複数の接触位置は、外周部から次第に中央
部へ移動し、圧縮室２５…の容積が徐々に変化する。そ
して、吸入管４１を流通して吸入室２５ａに流入した被
圧縮ガスとしての冷媒ガスが、吐出室２５ｂに達して圧
縮され、２つの吐出孔４２、４２を通過して固定スクロ
−ル１６の背面側に対称的に吐出される。

【００３３】そして、高圧な冷媒ガスが、吐出カバ−４
６内に一旦吐出されたのち、吐出カバ−４６の外側に流
出し、ケ−ス１２の上部に接続された吐出管４７により
ケ−ス１２外部に導かれる。ここで、図２中の一点鎖線
Ｄは、旋回スクロ−ル１７の最外周部の位置を示してい
る。

【００３４】すなわち、この圧縮機１１においては、圧
縮された冷媒ガスが２つの吐出孔４２、４２を介して対
称的に吐出されるので、流動損失が小となり、吐出効率
が向上する。また、圧縮された冷媒ガスが対称的に配置
された２つの吐出孔４２、４２を介して吐出されるため
、流動のバランスがよく、振動および騒音が低減する。

【００３５】さらに、吐出孔４２、４２の開口形状が、
固定スクロ−ル１６（および、回転軸１８）の周方向に
沿って延びる長円形状に設定されているので、固定スク
ロ−ル１６の径寸法を吐出孔４２、４２の大きさに合わ
せて大とする必要がない。したがって、固定スクロ−ル
１６の外形寸法を小さく設定することができ、圧縮機１
１が小型になる。

【００３６】さらに、２つの吐出孔４２、４２は吐出カ
バ−４６の内部空間を介して連通しているので、圧縮流
量のアンバランスが生じた場合であっても、流動抵抗は
最小化される。したがって、省エネルギ化が可能である
。そして、これらのことによって圧縮機１１の信頼性が
向上する。

【００３７】なお、本実施例では、吐出孔４２、４２を
固定スクロ−ル１６の周方向に沿って湾曲させているが
、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図
４に示すように、吐出孔５１を固定スクロ−ル１６の接
線方向に沿って直線状に延ばしてもよい。また、図５に
示すように、各吐出孔を複数の円形孔５２、５２により
構成してもよい。

【００３８】また、本発明は、例えば、図６および図７
に示すように固定スクロ−ル１６のラップ２３の高さと
旋回スクロ−ル１７のラップ２４の高さとを異ならせた
タイプのスクロ−ル形圧縮機にも適用可能である。

【００３９】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、互いに渦
巻状のラップを形成された固定スクロ−ルと旋回スクロ
−ルとをケ−ス内に備え、ケ−スに固定されたフレ−ム
に固定スクロ−ルを固定し、旋回スクロ−ルをフレ−ム
と固定スクロ−ルとの間に配置し、固定スクロ−ルと旋
回スクロ−ルとを組合せて互いのラップを噛合せ、両ス
クロ−ル間に圧縮室を形成するとともに、主軸部とこの
主軸部に対して偏心した偏心軸部とを有し旋回スクロ−
ルを貫通して偏心軸部を旋回スクロ−ルの内側に位置さ
せた回転軸を備え、旋回スクロ−ルを固定スクロ−ルに
対して旋回させ圧縮室に供給された被圧縮ガスを圧縮す
るスクロ−ル形圧縮機において、固定スクロ−ルに、被
圧縮ガスを通過させて流出させる吐出孔を２つ設け、こ
れら吐出孔を固定スクロ−ルの軸心に対称に配置したも
のである。

【００４０】したがって本発明は、吐出時における被圧
縮ガスの流動プロセスをバランスさせ、振動および騒音
を低減し、スクロ−ル形圧縮機の信頼性を向上できると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す側断面図。

【図２】図１中のＥ−Ｅ線に沿った断面図。

【図３】吐出孔を示す平面図。

【図４】変形例の吐出孔を示す平面図。

【図５】同じく変形例の吐出孔を示す平面図。

【図６】変形例におけるスクロ−ル形圧縮機の側断面図
。

【図７】図６中のＦ−Ｆ線に沿った断面図。

【図８】従来のスクロ−ル形圧縮機の側断面図。

【図９】図８中のＧ−Ｇ線に沿った断面図。

【符号の説明】

１１…スクロ−ル形圧縮機、１２…ケ−ス、１６…固定
スクロ−ル、１７…旋回スクロ−ル、１８…回転軸、２
３…固定スクロ−ルのラップ、２４…旋回スクロ−ルの
ラップ、２５…圧縮室、２７…フレ−ム、３２…主軸部
、３３…偏心軸部、４２、４２…吐出孔。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　互いに渦巻状のラップを形成された固
   定スクロ−ルと旋回スクロ−ルとをケ−ス内に備え、上
   記ケ−スに固定されたフレ−ムに上記固定スクロ−ルを
   固定し、上記旋回スクロ−ルを上記フレ−ムと上記固定
   スクロ−ルとの間に配置し、上記固定スクロ−ルと上記
   旋回スクロ−ルとを組合せて互いのラップを噛合せ、両
   スクロ−ル間に圧縮室を形成するとともに、主軸部とこ
   の主軸部に対して偏心した偏心軸部とを有し上記旋回ス
   クロ−ルを貫通して上記偏心軸部を上記旋回スクロ−ル
   の内側に位置させた回転軸を備え、上記旋回スクロ−ル
   を上記固定スクロ−ルに対して旋回させ上記圧縮室に供
   給された被圧縮ガスを圧縮するスクロ−ル形圧縮機にお
   いて、上記固定スクロ−ルに、上記被圧縮ガスを通過さ
   せて流出させる吐出孔を２つ設け、これら吐出孔を上記
   固定スクロ−ルの軸心に対称に配置したことを特徴とす
   るスクロ−ル形圧縮機。