JP3708573B2 - 軸貫通二段スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、旋回スクロールが自転することなく旋回運動させるスクロール圧縮機において、クランク軸が旋回スクロール及び固定スクロールを貫通し、二段圧縮における効率を向上せしめるようにした軸貫通二段スクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
米国特許第3600114号明細書に、旋回スクロールに駆動軸を貫通させ、端板の両側にラップを設け、それぞれに固定スクロールを組み合わせて圧縮室を形成し、両圧縮室を並列に使って同時に圧縮する機構が示されている。しかし、この例では、両側の圧縮室を直列に使って二段圧縮する例は示されていない。
【0003】
特開平5−60078号公報に、旋回スクロールの端板の両側にラップを設け、それぞれに固定スクロールを組み合わせて圧縮室を形成し、下部圧縮室を一段目の圧縮機とし、上部圧縮室を二段目の圧縮室とする構造が示されているが、軸受は端板の下部にあり、旋回スクロールを貫通していない。また、上部と下部のスクロールラップは異なる形状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
二段圧縮機の効率が最高になるのは、一段目圧縮部の圧力比と二段目圧縮部の圧力比が等しい場合である。しかし、従来の方法では、上部と下部のラップ形状が異なっているために、上部の固有圧縮比と下部の固有圧縮比が異なり、圧縮機の効率は最高にはならない。 また、旋回スクロールの端板中央が貫通していないために、高圧段の吐出圧力が中央領域に作用することになり、低圧段中央領域に作用する吸入圧力との差圧による荷重が大きくなり、旋回スクロールが高圧段側から低圧段側へ強いスラスト力で押しつけられることになり、一方の面で摺動損失が増加し、他方の面では隙間が生じて漏れ損失が増加するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明による軸貫通二段スクロール圧縮機は、端板に渦巻状のラップを直立させた固定スクロール部材と旋回スクロール部材を、互いにラップを向き合わせ、偏心させて組み合わせ、旋回スクロール及び固定スクロールを貫通して設けられたクランク軸が旋回スクロール部材を自転することなく旋回運動させてガスを圧縮するようにしたスクロール圧縮機において、旋回スクロールには端板の両側にラップを直立させ、一方の面の第一ラップに第一固定スクロールラップを組合せて第一吸入室および第一圧縮室を形成し、他方の面の第二ラップに第二固定スクロールラップを組み合わせて第二吸入室および第二圧縮室を形成し、旋回スクロールの端板中央には、偏心軸が貫通する旋回軸受を設け、第一固定スクロールの端板中央には、クランク軸の一端を支持する第一固定軸受を設置し、第二固定スクロールの端板中央には、クランク軸の他端を支持する第二固定軸受を設置し、旋回スクロールが旋回駆動されることによって、第一吸入室に吸入したガスを第一圧縮室で圧縮し、圧縮し終わったガスを第二吸入室に移送して第二圧縮室で再圧縮するようにし、第一圧縮室の最小密閉容積と第二圧縮室の最大密閉容積とを等しくしたことを特徴とし、概略的には、旋回スクロールに駆動軸を貫通させ、端板の両側に渦形状が対称形で歯高が異なるスラップを直立し、上部圧縮室と下部圧縮室の受圧面を対称形にすると共に、両圧縮室の固有圧縮比を同一にする。
【0006】
【作用】
一段目圧縮部の固有圧縮比と二段目圧縮部の固有圧縮比を等しくすることにより、小形化が可能になると同時に、二段圧縮機の効率を最高にすることができ、旋回スクロールにクランク軸の偏心軸を貫通させることにより高圧段側から低圧段側へ作用するスラスト力を低減する。
【0007】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図1〜図により説明する。
【0008】
図1は本発明の密閉型スクロール圧縮機の第一の実施例の全体構造を示す断面図である。密閉容器100内に、第一固定スクロール210、端板の両側にラップを直立した旋回スクロール300及び第二固定スクロール220からなる圧縮部と、旋回スクロール300を駆動するクランク軸500、駆動用の電動機700が一体となって収納されている。クランク軸500の偏心軸520は旋回スクロール300を貫通し、両側の軸は第一固定スクロール210の端板と第二固定スクロール220の端板をそれぞれ貫通し、第一中心軸510が第一固定スクロール210の端板中央部に設けられた第一固定軸受212に、第二中心軸530が第二固定スクロール230の端板中央部に設けられた二固定軸222にそれぞれ支持されている。電動機700のロータ720の回転軸を支持する軸受721が上部に設けられている。
【0009】
旋回スクロール300は、旋回スクロール300の第二ラップ側の端板320外周部と第二固定スクロール外周部の間に設けられた、オルダムリングを使った自転防止機構400により自転を拘束され、クランク軸500の回転により偏心軸520によって旋回駆動される。クランク軸500には旋回スクロール300の遠心力を打ち消して振動の発生を防止するために、第一バランスウェイト519及び第二バランスウェイト539が取り付けられている。ガスは吸入管110から第一吸入室213に吸入され、第一固定スクロール210と旋回スクロール300で形成される第一圧縮室214で圧縮されて、中央部の第一吐出孔321から旋回スクロール端板内に設けられた連通路322へ吐出され、第二固定スクロール220と旋回スクロール300で形成される第二吸入室223に吸入され、第二圧縮室224で圧縮されて第二吐出孔225から密閉容器100内に吐出される。その後、ガスは吐出管120から密閉容器外へ吐出される。
【0010】
低圧段の複数の第一圧縮室214の内の1つの圧縮室が第一吐出孔321に開通する直前の最小密閉容積と、高圧段の第二圧縮室224が圧縮を開始するときの最大密閉容積がほぼ等しくなるように、第一圧縮室を形成するラップ211及び311と、第二圧縮室を形成するラップ221及び312は、渦巻形状が同じで、歯高比が前記最小密閉容積と最大密閉容積の比にほぼ等しくなるように設定され、かつ両室を連通する通路322が設けられており、上部の固有圧縮比と下部の固有圧縮比を同一とされる。
【0011】
図2に二段圧縮冷凍サイクルの一例を示す。圧縮機1000は一段目圧縮部1010と二段目圧縮部1020からなる。一段目吸入口1から吸入されたガスは、一段目吐出口2と二段目吸入口3の間で、中間吸入口1800からガスを余分に吸入し、二段目吐出口4から吐出される。吐出ガスは四方弁1100を通り、室内熱交換器1200を通過して凝縮し、第一膨張弁1300で減圧し、主流の冷媒は第二膨張弁1500でさらに減圧して室外熱交換器1600を経て蒸発し、四方弁1100を通って吸入口1から再び圧縮機に吸入される。一部の冷媒は分岐部6で分岐して第三膨張弁1700で減圧し、中間吸入口1800に至る。この間、主流の冷媒と分岐した冷媒は、冷媒熱交換器1400で互いに熱交換し、主流の冷媒は冷却されて液化し、分岐した冷媒は加熱されて一部蒸発し二相流となる。
【0012】
このサイクルの状態変化をモリエル線図に表わすと図3のようになる。横軸は単位重量当たりのエンタルピで、縦軸は圧力である。一段目の吸入口1から吸入されたガスは一段目圧縮部で圧縮され、一段目吐出口2から二段目吸入口3の間で中間圧の二相流冷媒を吸入して、エンタルピが一旦減少し、二段目圧縮部で再び圧縮されて二段目吐出口4からサイクルへ吐出される。サイクルでの状態は、図2の5〜10の位置に対応して同じ数字で示される。このサイクルでの圧縮機の動力は、一段で1の圧力から4の圧力まで圧縮する場合と比べて少なくて済み、効率が向上する。効率は、1から2までの固有圧縮比と3から4までの固有圧縮比が等しい場合に最高になり、前記第圧縮室の固有圧縮比と第圧縮室の固有圧縮比をほぼ等しくすることにより効率は最高とされる。
【0013】
第一の実施例によれば、一つの旋回スクロール300の両面で一段目と二段目の圧縮室を形成するので、径の小さい小型軽量の二段圧縮機が実現でき、第圧縮室の固有圧縮比と第圧縮室の固有圧縮比をほぼ等しくすることにより効率は最高とされる。また、一段目と二段目の連通路322を旋回スクロール端板320内に設けたので、連通のための配管が不要で、構造が簡単になる。また、偏心軸520をスクロール圧縮部の中央部に貫通することにより、軸の上下端面はほぼ等しい圧力が作用するため、余分なスラスト力がスクロール部に作用しなくなる。このため前記課題の項で述べた問題、即ち高圧段の吐出圧力が中央領域に作用することになり、低圧段中央領域に作用する吸入圧力との差圧による荷重が大きくなり、旋回スクロールが高圧段側から低圧段側へ強いスラスト力で押しつけられることになり、一方の面で摺動損失が増加し、他方の面では隙間が生じて漏れ損失が増加するという問題が解決される。上記第一の実施例において、第圧縮室の固有圧縮比と第圧縮室の固有圧縮比をほぼ等しくすることにより効率を最高とすること、及び偏心軸をスクロール圧縮部の中央部に貫通することにより、軸の上下端面はほぼ等しい圧力が作用するため、余分なスラスト力がスクロール部に作用しなくすることは、以下の各実施例においても同様である。
【0014】
図4〜図7は本発明の第二の実施例を示す図である。図4は全体の断面図を示している。図5は図4の視点と90°の方向から見た圧縮機構部の断面図である。図6は本実施例に使用される自転防止機構を構成するオルダムリング400の一例を示している。図7は本実施例に使用される旋回スクロール、軸受、およびフレームの一例を示している。旋回スクロールの端板320は、第一ラップ311を持つ第一端板320aと第二ラップ312を持つ第二端板320bに分かれる構造になっている。第一端板320aと第二端板320bは、図6のオルダムリング400を微少隙間を持って間に挾み、スペーサ340で間隔をおいて固定される。オルダムリング400は、円又はだ円等の環状本体部に旋回側キー401及びフレーム側キー402が設けられている。この時、オルダムリング400の旋回側キー401が端板に設けられたキー溝323に挿入される。オルダムリング400は第一端板320aと第二端板320bの間でキー溝323の方向に移動できる。
【0015】
一体となった旋回スクロール300とオルダムリング400及びフレーム600を、フレーム側キー402がフレームのキー溝601にはめ合うようにして、図4及び図5に示すように、第一固定スクロール210と第二固定スクロール220の間に挾んで、前記ふたつの固定スクロールをフレーム600に固定する。第一固定スクロールと第二固定スクロールは、旋回スクロール端板の厚さより微少寸法だけ厚い円筒形のフレームを挾持して組合される。第一端板320aと第二端板320bの間の空間は、第一吐出孔321と第二吸入室223を連通する連通路322としても使用される。第一バランスウェイト519が第一中心軸510に、第二バランスウェイト539が第二中心軸530に設けられている。
【0016】
第二の実施例によれば、自転防止機構400を旋回スクロール300の端板320に内蔵したので、ラップ側の面に圧縮に無関係の機構を組み込まなくてすみ、更に小形化することができる。また、オルダムリング400にかかる荷重が完全に対称になるため、リングを傾かせるような力が発生しない。また、バランスウェイト519、539が旋回スクロールの両側に設けられており、挙動の安定した運転ができ、信頼性が向上し、振動や騒音が低減する。
【0017】
本発明の第三の実施例を図8に示す。本実施例では、吐出経路を変更するとともに、軸受への給油経路が示されている。第一中心軸510から、偏心軸520にかけて、給油通路511が設けられている。この給油通路から、第一固定軸受212へ向かって給油口512が、旋回軸受330へ向かって給油口522が設けられている。
【0018】
圧縮機容器1内は吐出圧力であり、油槽内の油圧も吐出圧力である。第一圧縮室の中央室圧力は吐出圧力より低い中間圧力になっているので、差圧により、油が給油通路511、給油口512、522を通ってそれぞれ第一固定軸受212及び旋回軸受330に給油される。第一圧縮室から、第二圧縮室までのガスの経路は第二の実施例と同様である。第二中心軸530内には第二吐出孔に通じる吐出通路533が設けられており、第二圧縮室224で圧縮されたガスは、該通路を通って密閉容器100内上部に導かれ、吐出管120から吐出される。このとき、吐出ガス中に含まれる油がトラップ534により遠心分離され、給油孔532から第二固定軸受222へ給油される。軸の上端には電動機700のロータ720の回転軸を支えるころがり軸受721が設置されており、吐出ガス中に含まれる油ミストにより潤滑される。
【0019】
第三の実施例によれば、吸入圧力と吐出圧力がかなり大きく変動しても、第一固定スクロール軸受212への給油差圧が常に発生し、第一の固定軸受212と旋回軸受333へ給油された油が合流してトラップ534を通過するので、第二固定軸受222へは、圧力条件によらず、枯渇すること無く遠心給油されるので、信頼性が高い。
【0020】
以下、参考発明の実施の形態として、参考発明の第一ないし第四の実施例について説明する。参考発明の第の実施例を図9に示す。本実施例では、固定スクロール210及び220と旋回スクロール300からなる圧縮部を上部に、電動機700を下部に設置してある。ロータ720は第一中心軸510に取り付けられている。軸の下端には油導入管540が取り付けられている。第一中心軸510から旋回軸520にかけて、給油通路511が設けられている。該給油通路から第一固定軸受212と旋回軸受330に向かって、それぞれ給油孔512及び522が設けられている。密閉容器100内は吐出圧力であり、第一固定軸受の上端及び旋回軸受330の下端は、第一圧縮室214の中央室に連通しており、中間圧力なので、油800が差圧によりそれぞれの軸受に給油される。電動機700のロータ710の回転軸を支持するロータ軸受721が設置され、該軸受に向かって給油孔513が設けられており、遠心力により給油される。給油通路第一圧縮室から、第二圧縮室までのガスの経路は前記した本発明の第二の実施例と同様である。第二中心軸530内には第二吐出孔に通じる吐出通路533が設けられており、第二圧縮室224で圧縮されたガスは、該通路を通って密閉容器100内上部に導かれ、吐出管120から吐出される。このとき、吐出ガス中に含まれる油が途中で遠心分離され、給油孔532から第二固定軸受222へ給油される。
【0021】
参考発明のの実施例では、最上部にある第二固定軸受222にも強制給油ができるため全軸受を滑り軸受で構成することができる。また、圧縮部が上部にあるため、密閉容器100内に液冷媒が寝込んだ場合も、圧縮室内にまで寝込むおそれが小さくなる。
【0022】
参考発明の第の実施例を図10に示す。本実施例が参考発明のの実施例と異なる点は、旋回スクロールが300aと300bに分割されたままで、それぞれに旋回軸受330aと330bがつき、共通の旋回軸520に装着することにより、中心を位置決めされている点である。図11に示されるように、旋回スクロール端板320aには、相手側の固定スクロールとの位置決め用の基準孔(ホール)はなく、端板320bにスペーサ用の隆起リング350が形成されているのみである。したがって、旋回スクロールの径方向の位置決めは、それぞれ、軸受と偏心軸の位置関係によりなされる。また、回転方向の位置決めも、オルダムキー410とキー溝323の位置関係によりなされる。
【0023】
参考発明のの実施例によれば、あらかじめ、オルダムリング400を旋回スクロール端板320aと320bに挟みこんだ後、再加工する必要が無く、個々の部品をすべて組み立て時に組み込めるので、加工及び組み立てが容易になる。
【0024】
参考発明の第の実施例を図12に示す。スクロールの構成は図9に示す第四の実施例と同様である。旋回スクロール300の第一圧縮室214側の軸方向ガス力と、第二圧縮室224側の軸方向ガス力を比較すると、第二圧縮室224側の方が高圧であり、大きな軸方向ガス力を発生する。したがって、旋回スクロール300は、第一圧縮室214側へ押しつけられ、第一固定スクロールラップ211の先端と、旋回スクロール300の第一ラップ311の先端は、相手スクロールの歯底に密着して隙間が0になるが、第二固定スクロールラップ312の先端と、旋回スクロール300の第二ラップ221の先端には、わずかの隙間が生じる。本実施例では、旋回スクロール300の第2ラップ221の先端にチップシール900を装着してあり、この部分の漏れを防止している。無論、第二固定スクロールラップ221の先端にもチップシールを装着すれば漏れを防止する効果は大きくなる。
【0025】
参考発明のの実施例によれば、第二圧縮室間の漏れを小さくできるので、圧縮機の性能をより高くすることができる。
【0026】
参考発明の第の実施例を図13に示す。吸入圧力雰囲気の密閉容器100内に、上部に第一固定スクロール210、第二固定スクロール220、及び旋回スクロール300等からなる圧縮部が設置され、下部に電動機700が設置されている。第二固定スクロールの上部には吐出カバー230がかぶせられ、内部が吐出室231になっており、吐出管230で密閉容器外と連通している。吸入管110は密閉容器100に開口しており、吸入ガスは密閉容器内に導かれる。その後、第一吸入室213に導入され、第一圧縮室214で圧縮された後、第一吐出口321、連通路322を経て第二吸入室へ導入され、第二圧縮室224で圧縮され、第二吐出口225から吐出室231へ吐き出され、吐出管120から圧縮機外へ吐出される。クランク軸500の下端には油ポンプ810が取り付けられており、油800が油導入管540、軸内給油通路511を経て各軸受に給油される。
【0027】
参考発明のの実施例によれば、密閉容器内100の内部が吸入圧力雰囲気のため、容器肉厚を薄くすることができ、軽量化することができる。また、電動機700が低温雰囲気にあるため、巻線温度が低く、信頼性が高くなり、また、銅損も低くなるので電動機効率が高い状態で使用することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、旋回スクロールにクランク軸を貫通させ、端板の両側に渦形状が対称形で歯高が異なるラップを直立し、上部圧縮室と下部圧縮室の受圧面を対称形にすると共に、両圧縮室の固有圧縮比を同一にしたから、旋回スクロール端板に作用する荷重差を小さくすることができると共に、一段目の圧縮比と二段目の圧縮比を同じにして、それぞれの固有圧縮比を同一にし、二段圧縮機として、小形にできると共に、効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉型スクロール圧縮機の全体構造断面図
【図2】本発明の二段冷凍サイクルの一例を示す図
【図3】同冷凍サイクルのモリエル線図
【図4】本発明の第二の実施例の圧縮機の全体構造断面図
【図5】図4の直角方向から見た部分断面図
【図6】本発明の第二の実施例のオルダムリングの構造図
【図7】本発明の第二の実施例の旋回スクロール組立図
【図8】本発明の第三の実施例の全体構造断面図
【図9】参考発明の第の実施例の全体構造断面図
【図10】参考発明の第の実施例の全体構造断面図
【図11】参考発明の第の実施例の旋回スクロール組立図
【図12】参考発明の第の実施例の旋回スクロール組立図
【図13】参考発明の第の実施例の全体構造断面図
【符号の説明】
100−−密閉容器 110−−吸入管
120−−吐出管 130−−インジェクション管
131−−インジェクション口 210−−第一固定スクロール
211−−第一固定スクロールラップ 212−−第一固定軸受
213−−第一吸入室 214−−第一圧縮室
220−−第二固定スクロール 221−−第二固定スクロールラップ
222−−第二固定軸受 223−−第二吸入室
224−−第二圧縮室 225−−第二吐出孔
300−−旋回スクロール 311−−旋回スクロール第一ラップ
312−−旋回スクロール第二ラップ 320−−端板
321−−第一吐出孔 322−−連通路
323−−キ−溝 330−−旋回軸受
340−−ピン 341−−ホール
350−−隆起リング 400−−オルダムリング
410−−オルダムキー 500−−クランク軸
510−−第一中心軸 511−−給油通路
512−−給油孔 519−−第一バランスウェイト
520−−偏心軸 521−−給油通路
522−−給油孔 530−−第二中心軸
531−−給油通路 532−−給油孔
533−−吐出通路 539−−第二バランスウェイト
540−−油導入管 600−−フレーム
700−−電動機 710−−ステ−タ
720−−ロータ 800−−油
900−−チップシール 1000−−圧縮機
1010−−低段側圧縮部 1020−−高段側圧縮部
1100−−四方弁 1200−−室内熱交換器
1300−−第一膨張弁 1400−−冷媒熱交換器
1500−−第二膨張弁 1600−−室外熱交換器
1700−−第三膨張弁 1800−−中間吸入口

Claims (7)

  1. 端板に渦巻状のラップを直立させた固定スクロール部材と旋回スクロール部材を、互いにラップを向き合わせ、偏心させて組み合わせ、旋回スクロール及び固定スクロールを貫通して設けられたクランク軸が旋回スクロール部材を自転することなく旋回運動させてガスを圧縮するようにしたスクロール圧縮機において、旋回スクロールには端板の両側にラップを直立させ、一方の面の第一ラップに第一固定スクロールラップを組合せて第一吸入室および第一圧縮室を形成し、他方の面の第二ラップに第二固定スクロールラップを組み合わせて第二吸入室および第二圧縮室を形成し、旋回スクロールの端板中央には、偏心軸が貫通する旋回軸受を設け、第一固定スクロールの端板中央には、クランク軸の一端を支持する第一固定軸受を設置し、第二固定スクロールの端板中央には、クランク軸の他端を支持する第二固定軸受を設置し、旋回スクロールが旋回駆動されることによって、第一吸入室に吸入したガスを第一圧縮室で圧縮し、圧縮し終わったガスを第二吸入室に移送して第二圧縮室で再圧縮するようにし、第一圧縮室の最小密閉容積と第二圧縮室の最大密閉容積とを等しくしたことを特徴とする軸貫通二段スクロール圧縮機。
  2. 第一圧縮室の固有圧縮比と第二圧縮室の固有圧縮を等しくしたことを特徴とする請求項1記載の軸貫通二段スクロール圧縮機。
  3. 第一固定スクロールラップと第二固定スクロールラップは、渦巻の形状が同じであり、歯高の比が第一圧縮室の最大密閉容積と最小密閉容積との比に等しいことを特徴とする請求項1記載の軸貫通二段スクロール圧縮機。
  4. 第一圧縮室で圧縮されたガスを放出する第一吐出孔を旋回スクロールの端板に設け、該吐出孔と第二吸入室とを連通する連通路を旋回スクロールの端板内に設けたことを特徴とする請求項1記載の軸貫通二段スクロール圧縮機。
  5. 防止機構を旋回スクロール端板の厚さの範囲内に設けたことを特徴とする請求項1記載の軸貫通二段スクロール圧縮機。
  6. 旋回スクロールは、端板の厚さの範囲内で2分割可能で、該端板の間に自転防止機構部品を面内移動可能に挟み込んだことを特徴とする請求項記載の軸貫通二段スクロール圧縮機。
  7. クランク軸の油溜り端面から第一固定スクロールに支持されている第一中心軸内と偏心軸内に渡る給油通路を設け、該給油通路から、第一固定スクロールに装着した第一固定軸受の高圧雰囲気側軸受端に近い軸受面と、旋回スクロールに設けた旋回軸受の高圧雰囲気側軸受端に近い軸受面に向かって開口する給油孔をそれぞれ設け、第二固定スクロールに支持されている第二中心軸内に第二圧縮室の吐出ガスが通るガス通路を設け、該通路から遠心分離された油を第二固定軸受に給油する給油孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の軸貫通二段スクロール圧縮機。
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