JP2001234877A - スクロール圧縮機及びその騒音防止方法 - Google Patents

スクロール圧縮機及びその騒音防止方法

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JP2001234877A JP2000044957A JP2000044957A JP2001234877A JP 2001234877 A JP2001234877 A JP 2001234877A JP 2000044957 A JP2000044957 A JP 2000044957A JP 2000044957 A JP2000044957 A JP 2000044957A JP 2001234877 A JP2001234877 A JP 2001234877A
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orbiting
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compressor
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Kazuhiro Sato
和弘 佐藤
Susumu Matsuda
進 松田
Hiroyuki Kobayashi
寛之 小林
Yoichi Sakao
洋一 坂尾
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール歯噛合いに起因する騒音問題を解
決できるスクロール圧縮機及びその騒音防止方法の提供
を課題とする。 【解決手段】 固定スクロール14の中心O”が、これ
を旋回スクロール側から見て、旋回スクロールの旋回方
向ωを正の角度、逆旋回方向−ωを負の角度とした場合
に、旋回スクロールの、旋回半径変化を生じない基準旋
回中心Oに対して、歯面押し付け力が最小となる回転角
度方向pより−180度〜0度範囲内の偏心角度方向q
に偏心させる構成及び方法を採用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スクロール圧縮機
に関し、特にスクロール歯噛合いに起因する騒音問題を
解決できるスクロール圧縮機及びその騒音防止方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】圧縮機の一例として、従来のスクロール
圧縮機を図6に示す。この種のスクロール圧縮機は、高
効率かつ低騒音で稼動できるため、例えば空調用や冷凍
用圧縮機等としてますます広く使用されるようになって
きている。従来のスクロール圧縮機は、同図に示すよう
に、ボディハウジング1と、スクロール型圧縮機構2
と、その下方、すなわち、ボディハウジング1内下部に
フレーム1aで配設された電動モータ3とを備え、電動
モータ3の回転軸3aが、スクロール型圧縮機構2の下
部に連結されている。
【0003】このスクロール型圧縮機構2は、端板とそ
の内面に立設された渦巻状ラップからなる一対のスクロ
ール4,5が互いに噛み合わされており、そのうち一方
のスクロール(旋回スクロール5)が、回転軸3aを介
して電動モータ3によって、フレーム1aに固定された
他方のスクロール(固定スクロール4)に対して相対的
に旋回運動するようになっている。電動モータ3の回転
軸3aの上端には、その軸心から所定量偏心された偏心
軸3bが上端に向かって突出した状態に設けられてい
る。この偏心軸3bは、旋回スクロール5の下部に、偏
心軸3bと軸線を同じくして立設された円筒形のドライ
ブブシュ5a内に挿入されており、回転軸3aが回転す
ると、偏心軸3bを介して、旋回スクロール5が固定ス
クロール4の軸心回りを偏心した状態で回転するように
なっている。密閉空間である複数の圧縮室6が外側の吸
入ポート(図示せず)から中心の吐出ポート4aにかけ
て移動する間に次第に容積を減少し、ここを流通する流
体(例えば冷媒ガスなど)に対して圧縮仕事を行う。
【0004】ここで、固定スクロール4の上部には仕切
壁となる吐出カバー1bが気密状態に固定されており、
ボディハウジング1の内部を上下に区切るようになって
いる。この吐出カバー1bを境として、ボディハウジン
グ1内の上方には高圧室となる吐出チャンバ7が形成さ
れており、該吐出チャンバ7は、吐出管8と接続され、
圧縮された流体が吐出管8から吐出されるようになって
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記説明の
従来のスクロール圧縮機では、旋回スクロールと固定ス
クロールとの噛合いに起因して騒音が発生するという問
題を有していた。この騒音発生現象の詳細について、以
下に説明を続ける。図7は、旋回スクロール5の作用力
を示すスクロール型圧縮機構要部を示している。同図に
おいて、偏心軸3bと旋回スクロール5との間にはドラ
イブブシュ5aが設置されており、このドライブブシュ
5aが偏心軸3bに対してスライド移動することによ
り、旋回スクロール5の旋回半径が変化できるようにな
っている。このような構成により、旋回スクロール5
は、加工・組立て誤差があったり異物が混入しても、固
定スクロール4と常に接触した状態を保ちながら旋回運
動可能となっている。すなわち、加工誤差等の何らかの
理由で突起物がある場合には、ドライブブシュ5aが滑
ることにより前記突起物を回避し、また、組立て誤差等
によって固定スクロール4の中心が偏心している場合に
は、ドライブブシュ5aが回転軸3aに対して往復移動
することで、両スクロール歯同士が噛合ったまま旋回運
動が行えるようになっている。このときの歯面押し付け
力FLは、下記数式(1)で表現することができる。な
お、図7の符号ωは、旋回スクロール5の旋回方向を示
している。
【0006】
【数1】
【0007】ここで、ドライブブシュ5aのスライド移
動に伴って、ドライブブシュ5aのスライド面Aと偏心
軸3bのスライド面Bとの間に生じるスライド面摩擦力
Ffの方向が変化する。図8(a)が、ドライブブシュ
5aのスライド移動に伴うスライド面摩擦力Ffの方向
変化及び騒音発生メカニズムを説明する図である。固定
スクロール4の中心が偏心している場合、ドライブブシ
ュ5aが回転軸3aの軸心に近づく際には、スライド面
摩擦力Ffが歯面押し付け力FLと同じ方向に作用し、
歯面押し付け力FLが増大する(ポイントP1,P2を
結ぶ直線を境とする、紙面左斜め上の領域)。
【0008】一方、ドライブブシュ5aが回転軸3aの
軸心から遠ざかる際には、スライド面摩擦力Ffが歯面
押し付け力FLの反対方向に作用し、歯面押し付け力FL
が減少する(ポイントP1,P2を結ぶ直線を境とす
る、紙面右斜め下の領域)。従って、固定スクロール4
の中心が偏心している場合には、1回転中180度ずつ
にこのような歯面押し付け力FLの増大減少傾向を繰り
返す。また、この歯面押し付け力FLの増大減少傾向が
切り換わる方向(同図に示すポイントP1,P2を結ぶ
直線方向)は、固定スクロール4の偏心方向できまり、
偏心方向から180度間では歯面押し付け力FLが増大
し、それ以後の180度、すなわち偏心方向に再び戻る
までの180度間では歯面押し付け力FLが減少する。
【0009】以上説明の現象を、図9(a)及び図9
(b)を参照しながらさらに詳説する。図9(a)は、
旋回スクロール5が半径方向外側にスライド移動する際
の作用力を示したものである。同図に示すように、この
ときの旋回スクロール5は、半径方向外側に向かってス
ライド移動するため、スライド面摩擦力Ffは、そのス
ライド移動方向と反対である半径方向内側に向かって作
用する。すなわち、歯面押し付け力FLの反対方向に作
用し、歯面押し付け力FLの大きさが減少することとな
る。一方、図9(b)は、旋回スクロール5が半径方向
内側に向かってスライド移動する際の作用力を示したも
のである。同図に示すように、旋回スクロール5が半径
方向内側にスライド移動するため、スライド面摩擦力F
fは、半径方向外側に向かって作用する。すなわち、歯
面押し付け力FLと略同じ方向に作用し、歯面押し付け
力FLの大きさが増大する。
【0010】以上説明したように、旋回スクロール5が
旋回時にスライド移動することによってスライド面摩擦
力Ffの方向が変化して、これに伴って歯面押し付け力
Lが変化するのである。したがって、図8(b)の騒
音発生メカニズムのフローチャートに示すように、前述
した、歯面押し付け力FLが減少する過程において、歯
面押し付け力FLが不足し、固定スクロール4のスクロ
ール歯面に対して旋回スクロール5のスクロール歯面が
離脱する場合があり、そして、一度離れたスクロール歯
面が再噛合いし、その際に衝撃が発生して騒音が発生す
るのである。ここで、歯面押し付け力FLの不足が発生
するかどうかは、上記偏心方向及び運転圧力条件によ
る。
【0011】図10(a)〜図10(c)が、騒音発生
現象と運転圧力条件との関係を調査した結果を、横軸に
旋回スクロール5の回転角、縦軸にドライブブシュ5a
の変位(実測値),ボディハウジング1の振動(実測
値),歯面押し付け力FL(力学解析による波形)とし
てグラフ化したものである。破線が圧力比(吸入圧力
に対する吐出圧力の比)の低い条件であり、実線が圧
力比の高い条件の試験結果を示している。同図に示すよ
うに、歯面押し付け力FLは実線に示す高圧力比条件
にて低下しやすい。高圧力比条件では、通常、前述した
対称な圧縮室6が吐出ポート4aに連通するタイミング
C1点で歯面押し付け力FLが最小になり、それ以降増
大する傾向がある。
【0012】従って、この歯面押し付け力FLが最小に
近いタイミングで前記スライド面摩擦力Ffが歯面押し
付け力FLの反対方向に作用するような方向に固定スク
ロール4が偏心していると、スクロール歯面間の離脱が
発生しやすくなる。そして、歯面押し付け力FLが正へ
と回復してスクロール歯面間が再噛合いしたとき(B1
点)に、衝撃が発生して騒音を発生する。それを図10
(a)〜(c)が示しており、実線に示す高圧力比条
件では、上記偏心による摩擦力方向変化に加えて、高圧
力比であるために、図10(c)に示すように歯面押し
付け力FLが低下し、A1点付近で零となる。これに伴
い、図10(a)に示すように本来のドライブブシュ5
aの変位からずれ、スクロール歯面間が離脱しているこ
とがわかる。そして、吐出ポート4aに連通する(C1
点)ことで、図10(c)に示すように歯面押し付け力
Lが回復して正の押し付け力となると、離れていたス
クロール歯面間が近づき、しばらくして図10(a)の
B1点にてスクロール歯面間が再噛合いし、その際、図
10(b)に示すように衝撃が発生する。
【0013】本発明は、上記事情を鑑みてなされたもの
であって、スクロール歯噛合いに起因する騒音問題を解
決できるスクロール圧縮機及びその騒音防止方法の提供
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のスクロール圧縮
機及びその騒音防止方法は、上記課題を解決するために
以下の手段を採用した。すなわち、請求項1記載のスク
ロール圧縮機は、各端板の互いを向いた側面に渦巻状ラ
ップからなるスクロール歯がそれぞれ形成された固定ス
クロール及び旋回スクロールを有し、これらのスクロー
ル歯が互いに噛み合った状態で前記固定スクロールに対
して前記旋回スクロールを旋回運動させることで前記各
スクロール歯間の空間内に導かれた流体を圧縮する圧縮
機であって、前記旋回運動の駆動力を加える偏心軸が挿
入されると共に、該偏心軸に対して略垂直な平面方向に
スライド移動可能なドライブブシュが、前記旋回スクロ
ールの、前記スクロール歯が形成された側面とは反対側
側面に設けられているスクロール圧縮機において、前記
固定スクロールの中心が、これを前記旋回スクロール側
から見て、前記旋回スクロールの旋回方向を正の角度、
逆旋回方向を負の角度とした場合に、前記旋回スクロー
ルの、旋回半径変化を生じない基準旋回中心に対して、
歯面押し付け力が最小となる回転角度方向より−180
度〜0度範囲内の偏心角度方向に偏心されていることを
特徴とする。
【0015】上記請求項1記載のスクロール圧縮機によ
れば、偏心軸が旋回スクロールを旋回駆動する際に、こ
の偏心軸がドライブブシュに対して加える摩擦力は、旋
回スクロールと固定スクロールとのスクロール歯間に発
生する歯面押し付け力を低減させる方向に生じることが
ない。
【0016】また、請求項2記載のスクロール圧縮機
は、請求項1記載のスクロール圧縮機において、前記偏
心角度方向が、約−90度であることを特徴とする。
【0017】上記請求項2記載のスクロール圧縮機によ
れば、偏心角度方向としては、請求項1に記載したよう
に、歯面押し付け力が最小となる回転角度方向より−1
80度〜0度範囲内の方向であれば良いが、その中央値
である約−90度を採用した方が、多少の偏心ばらつき
が生じた場合でも確実に効果を得ることが可能であり、
より好ましい。
【0018】また、請求項3記載のスクロール圧縮機
は、請求項1または2記載のスクロール圧縮機におい
て、前記固定スクロールの偏心量が、少なくとも、前記
固定スクロールの前記スクロール歯のプロファイル誤差
量と、前記旋回スクロールの前記スクロール歯のプロフ
ァイル誤差量と、前記固定スクロールの組み付け誤差量
と、前記偏心軸が先端に設けられた回転軸の偏心誤差量
と、前記ドライブブシュの偏心誤差量との総和誤差量以
上であることを特徴とする。
【0019】上記請求項3記載のスクロール圧縮機によ
れば、工作上考えられる最大の偏心誤差量が生じたとし
ても、歯面押し付け力不足による各スクロール歯間の離
脱・再歯合による衝撃を生じることがなく、スクロール
歯噛合いに起因する騒音問題を解決することができる。
【0020】また、請求項4記載のスクロール圧縮機
は、請求項1〜3のいずれかに記載のスクロール圧縮機
において、前記固定スクロールの偏心が、前記固定スク
ロールと前記旋回スクロールとの組立における両者の相
対位置をずらせる偏心組立で得たものであることを特徴
とする。
【0021】上記請求項4記載のスクロール圧縮機によ
れば、請求項1と同様の作用を得ることが可能となる。
【0022】また、請求項5記載のスクロール圧縮機
は、請求項1〜3のいずれかに記載のスクロール圧縮機
において、前記固定スクロールの偏心が、前記固定スク
ロールまたは前記旋回スクロールのいずれか一方もしく
は両方の前記スクロール歯のプロファイル加工により得
たものであることを特徴とする。
【0023】上記請求項5記載のスクロール圧縮機によ
れば、請求項1と同様の作用を得ることが可能となる。
【0024】また、請求項6記載のスクロール圧縮機の
騒音防止方法は、各端板の互いを向いた側面に渦巻状ラ
ップからなるスクロール歯がそれぞれ形成された固定ス
クロール及び旋回スクロールを有し、これらのスクロー
ル歯が互いに噛み合った状態で前記固定スクロールに対
して前記旋回スクロールを旋回運動させることで前記各
スクロール歯間の空間内に導かれた流体を圧縮する圧縮
機であって、前記旋回運動の駆動力を加える偏心軸が挿
入されると共に、該偏心軸に対して略垂直な平面方向に
スライド移動可能なドライブブシュが、前記旋回スクロ
ールの、前記スクロール歯が形成された側面とは反対側
側面に設けられているスクロール圧縮機の騒音を防止す
る方法において、前記固定スクロールの中心を、これを
前記旋回スクロール側から見て、前記旋回スクロールの
旋回方向を正の角度、逆旋回方向を負の角度とした場合
に、前記旋回スクロールの、旋回半径変化を生じない基
準旋回中心に対して、歯面押し付け力が最小となる回転
角度方向より約−90度の偏心角度方向に偏心させるこ
とを特徴とする。
【0025】上記請求項6記載のスクロール圧縮機の騒
音防止方法によれば、偏心軸が旋回スクロールを旋回駆
動する際に、この偏心軸がドライブブシュに対して加え
る摩擦力は、旋回スクロールと固定スクロールとのスク
ロール歯間に発生する歯面押し付け力を低減させる方向
に生じることがない。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明のスクロール圧縮機及びそ
の騒音防止方法についての各実施の形態を、図面を参照
しながら以下に説明するが、本発明がこれらに限定解釈
されるものでないことは勿論である。まず、本発明に係
わるスクロール圧縮機及びその騒音防止方法の第1の実
施の形態について、図1及び図2を参照しながら以下に
説明を行う。本実施の形態のスクロール圧縮機は、ボデ
ィハウジング11と、スクロール型圧縮機構12と、そ
の下方、すなわち、ボディハウジング11内下部にフレ
ーム11aで配設された電動モータ13とを備え、電動
モータ13の回転軸13aが、スクロール型圧縮機構1
2の下部に連結されている。
【0027】このスクロール型圧縮機構12は、端板と
その内面に立設された渦巻状ラップからなる一対のスク
ロール14,15が互いに噛み合わされており、そのう
ち一方のスクロール(旋回スクロール15)が、回転軸
13aを介して電動モータ13によって、フレーム11
aに固定された他方のスクロール(固定スクロール1
4)に対して相対的に旋回運動するようになっている。
電動モータ13の回転軸13aの上端には、その軸心か
ら所定量偏心された偏心軸13bが上端に向かって突出
した状態に設けられている。この偏心軸13bは、旋回
スクロール15の下部(スクロール歯が形成された側面
とは反対側側面)に、偏心軸13bと軸線を同じくして
立設された円筒形のドライブブシュ15a内に挿入され
ており、回転軸13aが回転すると、偏心軸13bを介
して、旋回スクロール15が固定スクロール14の軸心
回りを偏心した状態で回転駆動するようになっている。
なお、このときのドライブブシュ15aは、偏心軸13
bに対して垂直な平面方向にスライド移動可能となって
いる(すなわち、旋回スクロール15全体が、偏心軸1
3bに垂直な平面方向にスライド移動可能となってい
る。)。そして、密閉空間である複数の圧縮室16が外
側の吸入ポート(図示せず)から中心の吐出ポート14
aにかけて移動する間に次第に容積を減少し、ここを流
通する流体(例えば冷媒ガスなど)に対して圧縮仕事を
行うようになっている。
【0028】ここで、固定スクロール14の上部には仕
切壁となる吐出カバー11bが気密状態に固定されてお
り、ボディハウジング11内部空間を上下に仕切るよう
になっている。この吐出カバー11bを境として、ボデ
ィハウジング11内の上方には高圧室となる吐出チャン
バ17が形成されており、該吐出チャンバ17は、吐出
管18と接続され、圧縮された流体が吐出管18から吐
出されるようになっている。
【0029】以上説明の基本構成は従来のスクロール圧
縮機の基本構成と同様であるが、本実施の形態のスクロ
ール圧縮機は、以下に説明する点が従来と特に異なって
いる。すなわち、図2に示すように、固定スクロール1
4の中心O”が、これを同図に示す前記旋回スクロール
15(図示せず)側から見て、前記旋回スクロール15
の旋回方向ωを正の角度、逆旋回方向−ωを負の角度と
した場合に、前記旋回スクロール15の、旋回半径変化
を生じない基準旋回中心Oに対して、歯面押し付け力が
最小となる回転角度方向pより−180度〜0度範囲
内、より好ましくは約−90度の偏心角度方向qに偏心
されているのである。なお、ここで言う−180度〜0
度範囲内とは、0度未満かつ−180度以上(0度は含
まない)の角度範囲を示すものである。本実施の形態で
は、この偏心角度方向qへの固定スクロール14の中心
O”の偏心は、固定スクロール14と前記旋回スクロー
ル15との組立における両者の相対位置をずらせる偏心
組立で得ている。
【0030】固定スクロール14と前記旋回スクロール
15(図示せず)との組立てにおいては、基準穴と組立
てピンを利用するのが一般的であり、例えば図2の第1
組立て基準穴O1及び第2組立て基準穴O2を基準とし
てスクロールプロファイル(スクロール歯14a)を加
工し、続いて、前記フレーム11aにおける前記各基準
穴O1,O2の固定位置を基準として、前記回転軸13
aの軸穴を加工する。一方、前記旋回スクロール15の
ドライブブシュ15aを基準としてプロファイル(図1
に示すスクロール歯15b)を加工する。そして、固定
スクロール14の第1組立て基準穴O1及び第2組立て
基準穴O2及び前記フレーム11aに加工した各基準穴
とを一致させた後、これら各基準穴に、ほぼ同径寸法の
組立てピン(図示せず)を挿入、位置決めしつつ、固定
スクロール14をフレーム11aに固定する。
【0031】そこで、固定スクロール14の第1組立て
基準穴O1及び第2組立て基準穴O2の位置に対して、
新たな第1組立て基準穴O1′及び第2組立て基準穴O
2′を、固定スクロール14の中心O”が旋回半径変化
の生じない旋回スクロール14の基準旋回中心Oに対し
て、歯面押し付け力が最小となる回転角(前記p方向)
より概ね回転角で−90度の偏心角度方向(前記q方
向)に偏心させるように、位置を偏心させて組み立てる
ことで、前記偏心組立を行うのである。
【0032】このように固定スクロール14を偏心させ
たことにより、各スクロール歯14a,15a間離脱発
生の恐れがある、歯面押し付け力が最小に近くなる前記
p方向で、スライド面摩擦力が歯面押し付け力の反対方
向に作用しないため(言い換えれば、スライド面摩擦力
のベクトルと歯面押し付け力のベクトルとが互いに反対
方向とならないため)、歯面押し付け力不足を防止する
ことができる。
【0033】なお、前記偏心角度方向qは、固定スクロ
ール14の中心O”が、旋回半径変化の生じない前記旋
回スクロール15の基準旋回中心Oに対して、歯面押し
付け力が最小となる回転角度方向pより概ね回転角で約
−90度の方向に偏心させるものとしたが、歯面押し付
け力が最小となる回転角にてスライド面摩擦力が歯面押
し付け力の反対方向に作用しなければ良いので、約−9
0度に限らず、歯面押し付け力が最小となる回転角より
回転角で−180度から0度の方向にあれば良い。しか
しながら、各構成要素の多少の偏心ばらつき等を考慮し
ながらも効果を確実に得るためには、中央値である前記
約−90度がやはり好ましいものとなる。ちなみに、前
記偏心角度方向qを、旋回スクロール15の旋回方向負
角側(−ω側)とし、旋回方向正角側(+ω側。すなわ
ち、+180度から0度。もしくは+90度の方向)と
しないのは、歯面押し付け力が最小に近くなる前記p方
向で、スライド面摩擦力が歯面押し付け力と反対方向に
作用し、歯面押し付け力を低下させ、歯面離脱しやすく
なるという理由によるものである。
【0034】また、偏心量に関しては、その狙いとする
ところが、加工・組立てによるばらつきによる偏心があ
っても、最終的な偏心方向が歯面押し付け力が最小とな
る回転角度方向pより回転角で−180度から0度の偏
心角度方向qにあることなので、前記各構成要素の偏心
ばらつきの大きさの総和を考慮して偏心量を設定すれば
良い。すなわち、固定スクロール14の偏心量は、少な
くとも、固定スクロール14のスクロール歯14aのプ
ロファイル誤差量と、旋回スクロール15のスクロール
歯15bのプロファイル誤差量と、前記フレーム11a
に対する固定スクロール14の組み付け誤差量と、前記
偏心軸13bが先端に設けられた回転軸13aの偏心誤
差量と、ドライブブシュ15aの偏心誤差量等との総和
誤差量以上であれば良い。これにより、工作上考えられ
る最大の偏心誤差量が生じたとしても、歯面押し付け力
不足による各スクロール歯間の離脱・再歯合による衝撃
を生じることがなく、スクロール歯噛合いに起因する騒
音問題を解決することが可能となる。
【0035】以上説明の本実施の形態のスクロール圧縮
機によれば、いずれの回転角においても歯面押し付け力
が不足せず常に正の歯面押し付け力が作用するため、ス
クロール歯面の離脱は起こらず、スクロール歯14a,
15b間の離脱・再噛合いに伴う衝撃により発生する騒
音を防止することが可能となる。なお、本実施の形態で
は、固定スクロール14に形成する第1組立て基準穴O
1及び第2組立て基準穴O2の位置を、第1基準穴O
1’及び第2基準穴O2’へと偏心させる例を説明した
が、これに限らず、前記フレーム11aに設ける基準穴
位置を偏心させても同様の効果を得ることが可能であ
る。
【0036】次に、図3を参照しながら本発明のスクロ
ール圧縮機の第2の実施の形態についての説明を以下に
行う。本実施の形態のスクロール圧縮機は、上述した第
1の実施の形態に比較して、固定スクロール14と旋回
スクロール15との相対的な偏心を、旋回スクロール1
5のスクロール歯15bのプロファイル加工により得た
ものである点が特に異なっているので、この点について
の説明を以下に行うものとし、図1などに示すその他構
成は第1の実施の形態と同様であるとして、その説明を
省略する。
【0037】図3に示すように、通常、旋回スクロール
15の中心Oは、加工の容易さからラップを立設する端
板の中心及び、ドライブブシュ15a(図示せず)の中
心と一致する点であり、かつ旋回インボリュート中心と
一致する点である。
【0038】この構成によれば、旋回スクロール15の
インボリュート中心O’を、旋回スクロール15の、旋
回半径変化の生じない基準旋回中心Oに対して、歯面押
し付け力が最小となる回転角(図中p方向)より概ね回
転角で−90度の偏心角度方向qに偏心させたことにな
り、各スクロール歯14a,15a間の離脱発生の恐れ
がある歯面押し付け力が最小に近い方向pで、スライド
面摩擦力が歯面押し付け力の反対方向に作用しないた
め、歯面押し付け力不足を防止することができる。本実
施の形態によれば、上述したように歯面押し付け力が不
足せず常に正の歯面押し付け力が作用するため、スクロ
ール歯面の離脱は起こらず、スクロール歯面の離脱・再
噛合いに伴う衝撃により発生する騒音を防止することが
できる。
【0039】なお、本実施の形態では、機械加工により
旋回インボリュート中心O′が、旋回スクロール15
の、旋回半径変化の生じない基準旋回中心Oに対して、
歯面押し付け力が最小となる回転角(図中p方向)より
概ね回転角で−90度(旋回スクロール15の旋回方向
ωを正とする)の偏心角度方向qに偏心させるように、
位置を偏心させて形成されているものとしたが、例えば
下記方法でも同様の効果を得ることが可能である。すな
わち、(1)旋回スクロール15ではなく、固定スクロ
ール14の方のインボリュート中心を偏心させる、
(2)旋回スクロール15及び固定スクロール14両方
のインボリュート中心を偏心させる、(3)ドライブブ
シュ15aが嵌合する旋回スクロール15のボス穴中心
を偏心させる、(4)フレーム11aに形成される回転
軸13aの軸穴中心を偏心させる、等の方法である。
【0040】以上に本発明の第1及び第2の実施の形態
の説明を行ったが、従来提案において他に偏心に関する
提案があるため、それらとの相違を明確にすべく、それ
らの説明を以下に続ける。まず、図4を参照しながら、
特開平10−184569に開示されている第1の従来
例の概略内容説明と、この第1の従来例及び本発明の相
違とについて説明する。なお、この図4において、符号
21は固定スクロール、符号22は旋回スクロール、符
号23は貫通穴、符号24は吐出ポート、符号25,2
6は軸受、符号27は弾性支持部材、符号28は吸入
口、符号29は軸受位置規制手段をそれぞれ示してい
る。
【0041】この第1の従来例のスクロール圧縮機は、
旋回スクロール22の端板の両側に渦巻き形の溝もしく
はラップを構成し、旋回スクロール22の両方の渦巻き
形の溝もしくはラップに噛合って圧縮室を形成する固定
スクロール21を配設し、旋回スクロール22の外周部
に配置した複数のクランク軸によって旋回スクロール2
2を旋回運動させることによって圧縮作用する外周駆動
型圧縮機において、複数ある駆動軸のうちの一本を弾性
支持するとともに、いずれか一方のスクロールラップを
基準位置からオフセットして配置したものである。
【0042】この第1の従来例のスクロール圧縮機によ
れば、スクロールラップの熱変形量は、圧縮熱に伴って
生じるスクロール部材自身の熱膨張が中心からの距離に
ほぼ比例して発生するが、スクロールの熱変形量はスク
ロールラップ全体が平行移動する変形量となるため、両
スクロールの相対熱膨張差を補正できる構成となってい
る。従って、スクロールラップ形状と駆動軸への荷重の
負担を軽減することができ、高温になりがちなダブルス
クロール型圧縮機の信頼性や性能を高く維持することが
可能となっている。
【0043】この第1の従来例と本発明との相違につい
て述べると、まず第一に、第1の従来例のスクロール圧
縮機は、端板の両側面にスクロールラップを有するダブ
ルスクロールに関するものであり、かつ外周側に駆動軸
を有するこの構造では、本発明のスクロール圧縮機のよ
うに可変旋回半径機構(前記偏心軸13bに対して前記
旋回スクロール15がスライド移動し、旋回スクロール
15の旋回半径が変化可能な機構)は成立せず、従って
本発明が課題とする上記騒音発生と全く関係ない構造で
ある。また、狙いとする課題も、熱膨張による影響を防
止するものであり、課題も異なっている。
【0044】次に、図5を参照しながら、特開昭60−
198301に開示されている第2の従来例の概略内容
説明と、この第2の従来例と本発明との相違について説
明する。なお、この図5において、符号30は固定スク
ロール渦巻き体、符号31は旋回スクロール渦巻き体、
符号32,33は位置決め穴を示している。この第2の
従来例のスクロール圧縮機は、固定スクロール渦巻き体
30に穿設された位置決め穴33を、あらかじめ予想さ
れる初期摩耗eに対して角度ε(=e/r:rは基礎円
半径を示す)[rad]だけ旋回スクロール渦巻き体3
1に穿設された位置決め穴32から回転軸の回転方向に
ずれた位置に設け、旋回スクロール渦巻き体31と固定
スクロール渦巻き体30の位相を初期摩耗eに応じてず
らして組立てた構成となっている。
【0045】この第2の従来例のスクロール圧縮機によ
れば、固定スクロール渦巻き体30及び旋回スクロール
渦巻き体31の初期摩耗eによって、固定スクロール渦
巻き体30と旋回スクロール渦巻き体31との位相がず
れても、これらのラップ面相互間に隙間が生じないよう
になっている。このようにして、隙間を防止すること
で、圧縮ガスの漏れを防いでスクロール圧縮機の性能低
下を阻止可能な構成となっている。
【0046】この第2の従来例と本発明との相違につい
て述べると、まず第一に、この第2の従来例は、回転方
向に変位させるものであって、本発明のように平行移動
(回転軸線に垂直な平面に沿った平行移動を)させるも
のでない点が異なっている。さらに、この第2の従来例
の狙いとする課題は、渦巻き体であるスクロールの初期
摩耗eによって生ずる旋回スクロール渦巻き体31と固
定スクロール渦巻き体30との位相ずれに伴う隙間防止
による性能維持にあり、課題が異なっている。また、こ
の第2の従来例の技術によっても、前述のスライド面摩
擦力方向変化に伴う歯面押し付け力不足によるスクロー
ル歯面の離脱発生及び再噛合いによって発生する衝撃騒
音を防止する効果は、その発生メカニズムから全く得ら
れないことは明確である。したがい、この第2の従来例
では、本発明の課題を解決することができない。
【0047】以上説明したように、本発明は、上記第1
及び第2の従来例に記載も示唆もない構成を有し、これ
に基づいて本発明特有の効果を奏するものである。
【0048】
【発明の効果】本発明の請求項1記載のスクロール圧縮
機は、固定スクロールの中心が、これを旋回スクロール
側から見て、旋回スクロールの旋回方向を正の角度、逆
旋回方向を負の角度とした場合に、旋回スクロールの、
旋回半径変化を生じない基準旋回中心に対して、歯面押
し付け力が最小となる回転角度方向より−180度〜0
度範囲内の偏心角度方向に偏心されている構成を採用し
た。この構成によれば、偏心軸が旋回スクロールを旋回
駆動する際に、この偏心軸がドライブブシュに対して加
える摩擦力は、旋回スクロールと固定スクロールとのス
クロール歯間に発生する歯面押し付け力を低減させる方
向に生じないので、歯面押し付け力不足による各スクロ
ール歯間の離脱・再歯合によって衝撃を生じることがな
く、スクロール歯噛合いに起因する騒音問題を解決する
ことが可能となる。
【0049】また、請求項2記載のスクロール圧縮機に
よれば、偏心角度方向としては、請求項1に記載したよ
うに、歯面押し付け力が最小となる回転角度方向より−
180度〜0度範囲内の方向であれば良いが、その中央
値である約−90度を採用した方が、多少の偏心ばらつ
きが生じた場合でも確実に効果を得ることが可能であ
り、より好ましい。
【0050】また、請求項3記載のスクロール圧縮機
は、固定スクロールの偏心量が、少なくとも、固定スク
ロールのスクロール歯のプロファイル誤差量と、旋回ス
クロールのスクロール歯のプロファイル誤差量と、固定
スクロールの組み付け誤差量と、偏心軸が先端に設けら
れた回転軸の偏心誤差量と、ドライブブシュの偏心誤差
量との総和誤差量以上とする構成を採用した。この構成
によれば、工作上考えられる最大の偏心誤差量が生じた
としても、歯面押し付け力不足による各スクロール歯間
の離脱・再歯合による衝撃を生じることがなく、スクロ
ール噛合いに起因する騒音問題を解決することが可能と
なる。
【0051】また、請求項4記載のスクロール圧縮機
は、固定スクロールの偏心が、固定スクロールと旋回ス
クロールとの組立における両者の相対位置をずらせる偏
心組立で得た構成を採用した。この構成によれば、請求
項1と同様の効果を得ることが可能となる。
【0052】また、本発明の請求項5記載のスクロール
圧縮機は、固定スクロールの偏心が、固定スクロールま
たは旋回スクロールのいずれか一方もしくは両方のスク
ロール歯のプロファイル加工により得た構成を採用し
た。この構成によれば、請求項1と同様の効果を得るこ
とが可能となる。
【0053】また、請求項6記載のスクロール圧縮機の
騒音防止方法は、固定スクロールの中心を、これを旋回
スクロール側から見て、旋回スクロールの旋回方向を正
の角度、逆旋回方向を負の角度とした場合に、旋回スク
ロールの、旋回半径変化を生じない基準旋回中心に対し
て、歯面押し付け力が最小となる回転角度方向より約−
90度の偏心角度方向に偏心させる方法を採用した。こ
の騒音防止方法によれば、偏心軸が旋回スクロールを旋
回駆動する際に、この偏心軸がドライブブシュに対して
加える摩擦力は、旋回スクロールと固定スクロールとの
スクロール歯間に発生する歯面押し付け力を低減させる
方向に生じないので、歯面押し付け力不足による各スク
ロール歯間の離脱・再歯合による衝撃を生じることがな
く、スクロール噛合いに起因する騒音問題を解決するこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスクロール圧縮機の第1の実施の形
態を示す図であって、縦断面図である。
【図2】 同実施の形態のスクロール圧縮機の固定スク
ロールを示す図であって、スクロール歯が形成された側
から見た正面図である。
【図3】 本発明のスクロール圧縮機の第2の実施の形
態を示す図であって、旋回スクロールを、スクロール歯
が形成された側から見た正面図である。
【図4】 第1の従来例を示す図であって、固定スクロ
ール(紙面上側)と旋回スクロール(紙面下側)との正
面図である。
【図5】 第2の従来例を示す図であって、固定スクロ
ールと旋回スクロールの各スクロール歯間の噛み合いを
示す説明図である。
【図6】 一般的な従来のスクロール圧縮機の一例を示
す図であって、縦断面図である。
【図7】 同スクロール圧縮機における旋回スクロール
の作用力を示す説明図である。
【図8】 (a)は、同スクロール圧縮機におけるドラ
イブブシュの移動に伴うスライド面摩擦力の方向変化及
び騒音発生メカニズムを説明する図であり、(b)は、
その騒音発生メカニズムを示すフローチャートである。
【図9】 同スクロール圧縮機における旋回スクロール
の作用力を示す説明図であり、(a)は、歯面押し付け
力に対してスライド面摩擦力がほぼ正反対の向きに加わ
った状態を示す図であり、(b)は、歯面押し付け力と
スライド面摩擦力とがほぼ同方向となった状態を示す図
である。
【図10】 騒音発生現象と運転圧力条件との関係を調
査した結果を、横軸を旋回スクロールの回転角としてま
とめたものであり、(a)は、縦軸にドライブブシュ変
位の実測値を示したもの、(b)は、縦軸にボディハウ
ジング振動の実測値を示したもの、(c)は、縦軸に力
学解析による歯面押し付け力を示したものである。
【符号の説明】
13a・・・回転軸 13b・・・偏心軸 14・・・固定スクロール 14a,15b・・・スクロール歯 15・・・旋回スクロール 15a・・・ドライブブシュ 16・・・圧縮室(各スクロール歯間の空間) FL・・・歯面押し付け力 O・・・基準旋回中心 O”・・・固定スクロールの中心 p・・・回転角度方向 q・・・偏心角度方向 ω・・・旋回スクロールの旋回方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 寛之 愛知県名古屋市中村区岩塚町字高道1番地 三菱重工業株式会社名古屋研究所内 (72)発明者 坂尾 洋一 愛知県西春日井郡西枇杷島町旭町3丁目1 番地 三菱重工業株式会社エアコン製作所 内 Fターム(参考) 3H039 AA03 AA04 AA12 BB02 BB08 BB15 CC02 CC03 CC04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各端板の互いを向いた側面に渦巻状ラッ
    プからなるスクロール歯がそれぞれ形成された固定スク
    ロール及び旋回スクロールを有し、これらのスクロール
    歯が互いに噛み合った状態で前記固定スクロールに対し
    て前記旋回スクロールを旋回運動させることで前記各ス
    クロール歯間の空間内に導かれた流体を圧縮する圧縮機
    であって、 前記旋回運動の駆動力を加える偏心軸が挿入されると共
    に、該偏心軸に対して略垂直な平面方向にスライド移動
    可能なドライブブシュが、前記旋回スクロールの、前記
    スクロール歯が形成された側面とは反対側側面に設けら
    れているスクロール圧縮機において、 前記固定スクロールの中心は、これを前記旋回スクロー
    ル側から見て、前記旋回スクロールの旋回方向を正の角
    度、逆旋回方向を負の角度とした場合に、前記旋回スク
    ロールの、旋回半径変化を生じない基準旋回中心に対し
    て、歯面押し付け力が最小となる回転角度方向より−1
    80度〜0度範囲内の偏心角度方向に偏心されているこ
    とを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のスクロール圧縮機におい
    て、 前記偏心角度方向は、約−90度であることを特徴とす
    るスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のスクロール圧縮
    機において、 前記固定スクロールの偏心量は、少なくとも、前記固定
    スクロールの前記スクロール歯のプロファイル誤差量
    と、前記旋回スクロールの前記スクロール歯のプロファ
    イル誤差量と、前記固定スクロールの組み付け誤差量
    と、前記偏心軸が先端に設けられた回転軸の偏心誤差量
    と、前記ドライブブシュの偏心誤差量との総和誤差量以
    上であることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のスクロ
    ール圧縮機において、 前記固定スクロールの偏心は、前記固定スクロールと前
    記旋回スクロールとの組立における両者の相対位置をず
    らせる偏心組立で得たものであることを特徴とするスク
    ロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のスクロ
    ール圧縮機において、 前記固定スクロールの偏心は、前記固定スクロールまた
    は前記旋回スクロールのいずれか一方もしくは両方の前
    記スクロール歯のプロファイル加工により得たものであ
    ることを特徴とするスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 各端板の互いを向いた側面に渦巻状ラッ
    プからなるスクロール歯がそれぞれ形成された固定スク
    ロール及び旋回スクロールを有し、これらのスクロール
    歯が互いに噛み合った状態で前記固定スクロールに対し
    て前記旋回スクロールを旋回運動させることで前記各ス
    クロール歯間の空間内に導かれた流体を圧縮する圧縮機
    であって、 前記旋回運動の駆動力を加える偏心軸が挿入されると共
    に、該偏心軸に対して略垂直な平面方向にスライド移動
    可能なドライブブシュが、前記旋回スクロールの、前記
    スクロール歯が形成された側面とは反対側側面に設けら
    れているスクロール圧縮機の騒音を防止する方法におい
    て、 前記固定スクロールの中心を、これを前記旋回スクロー
    ル側から見て、前記旋回スクロールの旋回方向を正の角
    度、逆旋回方向を負の角度とした場合に、前記旋回スク
    ロールの、旋回半径変化を生じない基準旋回中心に対し
    て、歯面押し付け力が最小となる回転角度方向より約−
    90度の偏心角度方向に偏心させることを特徴とするス
    クロール圧縮機の騒音防止方法。
JP2000044957A 2000-02-22 2000-02-22 スクロール圧縮機及びその騒音防止方法 Withdrawn JP2001234877A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100371604C (zh) * 2003-12-16 2008-02-27 Lg电子株式会社 径向顺从性涡旋式压缩机中的偏心连接装置
CN100371603C (zh) * 2003-12-16 2008-02-27 Lg电子株式会社 径向顺从性涡旋式压缩机中的偏心衬套装置
CN100386525C (zh) * 2003-12-16 2008-05-07 Lg电子株式会社 径向顺从性涡旋式压缩机中的偏心连接装置
KR101074104B1 (ko) 2008-07-02 2011-10-17 주식회사 두원전자 스크롤 유체기계

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CN100371604C (zh) * 2003-12-16 2008-02-27 Lg电子株式会社 径向顺从性涡旋式压缩机中的偏心连接装置
CN100371603C (zh) * 2003-12-16 2008-02-27 Lg电子株式会社 径向顺从性涡旋式压缩机中的偏心衬套装置
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