JP2010174732A - スクロール流体機械 - Google Patents

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昌之 角田
Kenji Yano
賢司 矢野
Fumihiko Ishizono
文彦 石園
Masaaki Sugawa
昌晃 須川
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Abstract

【課題】スクロール流体機械(渦巻歯)の設計自由度を保つことができ、流体を圧縮又は膨張する行程で流体の漏れを抑制することが可能なスクロール流体機械を得る。
【解決手段】揺動スクロール及び固定スクロールを組合せて、揺動スクロールを揺動運動させることにより、揺動スクロールの渦巻歯52と固定スクロールの渦巻歯62との間に形成された室の容積を増減させ、流体を圧縮または膨張させるスクロール流体機械において、渦巻歯52及び渦巻歯62の形状を、基礎円半径が伸開角でπ/n(nは自然数)毎にステップ状に変化するインボリュートとし、歯厚及びピッチがステップ状に変化する形状としたものである。
【選択図】図2

Description

本発明は圧縮機や膨張機等に用いられるスクロール流体機械に関し、特に渦巻歯の歯厚等が一定ではないスクロール流体機械に関するものである。
圧縮機や膨張機等に用いられるスクロール流体機械は、ピッチと歯厚が一定のインボリュート形状渦巻歯を用いたものが一般的である。これらの渦巻歯の形状は、基礎円半径が一定の伸開線(インボリュート)となっている。しかしながら、このようなスクロール流体機械は、スペース的な制約の下では、行程容積、組込容積比及び歯厚等に関する設計自由度が少ないという問題点を有していた。
このため、スペース的な制約がある場合でも行程容積や組込容積等を用途に応じて最適化できるように、つまりスクロール流体機械の設計自由度が増すように、渦巻歯の歯厚やピッチを変化させた渦巻歯形状のスクロール流体機械が従来より提案されている。このような従来のスクロール流体機械としては、例えば「旋回スクロール1及び固定スクロール2の渦巻体の形状は、伸開角に応じて基礎円の半径が変わる円の伸開線により形成されている。渦巻体2bの形状は、渦巻体の内側の形状を表す伸開線の基礎円の半径は、渦巻体2bの外側の形状を表す伸開線の基礎円の半径に対し、伸開角λに対しπだけ小さい値となるように形成されている。」(例えば特許文献1参照)というものがある。
特開2002−81387号公報(段落0016,0017、図5)
しかしながら、従来のスクロール流体機械(例えば特許文献1参照)は、流体を圧縮又は膨張する行程において、流体の漏れが多いという問題点があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、従来のスクロール流体機械と同様にスクロール流体機械(渦巻歯)の設計自由度を保つことができ、流体を圧縮又は膨張する行程で流体の漏れを抑制することが可能なスクロール流体機械を得ることを目的とする。
本発明に係るスクロール流体機械は、台板上に渦巻歯を形成した2つのスクロール部品を組合せて、一方の前記スクロール部品を他方の前記スクロール部品に対して相対的に揺動運動させることにより、前記渦巻歯の間に形成された室の容積を増減させ、流体を圧縮または膨張させるスクロール流体機械において、前記渦巻歯の形状を、基礎円半径が伸開角に応じてステップ状に変化するインボリュートとし、歯厚及びピッチがステップ状に変化する形状としたものである。
本発明においては、従来のスクロール流体機械と同様にスクロール流体機械(渦巻歯)の設計自由度を保つことができ、流体を圧縮又は膨張する行程で流体の漏れを抑制することが可能なスクロール流体機械を得ることができる。
本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の縦断面模式図である。 図1のA−A断面図である。 従来のスクロール流体機械における揺動スクロールの渦巻歯と固定スクロールの渦巻歯との関係を示す説明図である。 歯厚及びピッチが連続的に変化する従来の渦巻歯を組み合わせた状態を示す断面模式図である。 本発明の一実施の形態にかかる渦巻歯の形状を説明するためのインボリュートの図である。 本発明の一実施の形態に係る圧縮部の冷媒圧縮動作を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の揺動半径可変機構での横断面模式図である。
スクロール流体機械は、圧縮機や膨張機等、種々の機械に用いられている。本実施の形態では、スクロール圧縮機を例に、本発明に係るスクロール流体機械について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の縦断面模式図である。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさが実際のものとは異なる場合がある。
スクロール圧縮機100は、流体の1つである冷媒を吸入し、圧縮して高温高圧の状態として吐出させるものである。そして、スクロール圧縮機100は、圧縮部16及び駆動部17等から構成されている。これら圧縮部16及び駆動部17は、圧力容器である密閉容器(シェル)10内に収納されている。この密閉容器10の底部は、冷凍機油1を貯留する油だめ11となっている。また、密閉容器10には、冷媒ガスを吸入するための吸入側配管12と、冷媒ガスを吐出するための吐出側配管13とが接続されている。
圧縮部16は、吸入側配管12から吸入した冷媒ガスを圧縮して密閉容器10内の吐出空間15に排出する機能を有している。この吐出空間15に排出された冷媒ガスは、吐出側配管13からスクロール圧縮機100の外部に吐出されるようになっている。駆動部17は、圧縮部16で冷媒ガスを圧縮するため、圧縮部16を構成する揺動スクロール50を駆動する。つまり、駆動部17がクランクシャフト40を介して揺動スクロール50を駆動することによって、圧縮部16で冷媒ガスを圧縮するようになっている。
圧縮部16は、揺動スクロール50、固定スクロール60及びフレーム70等から構成されている。これら揺動スクロール50及び固定スクロール60が、スクロール部品に相当する。固定スクロール60には、台板61の下面部に渦巻歯62が形成されている。揺動スクロール50には、台板51の上面部に、渦巻歯62と実質的に同一形状の渦巻歯52が形成されている。揺動スクロール50及び固定スクロール60は、渦巻歯52と渦巻歯62とを互いに組合わせるようにして、密閉容器10内に設けられている。そして、渦巻歯52と渦巻歯62との間には、相対的に容積が変化する室18が形成される。
固定スクロール60は、フレーム70にボルト等(図示せず)によって固定されている。固定スクロール60の中央部には、圧縮され、高圧となった冷媒ガスを吐出する吐出ポート63が形成されている。そして、圧縮され、高圧となった冷媒ガスは、固定スクロール60の上部に設けられている吐出空間15に排出されるようになっている。揺動スクロール50は、固定スクロール60に対して自転運動することなく公転旋回運動するようになっている。つまり、揺動スクロール50は、固定スクロール60に対して揺動運動するようになっている。また、揺動スクロール50の台板51には、渦巻歯52形成面とは反対側の面(以下、スラスト面55と称する)の略中心部に、中空円筒形状のボス部53が形成されている。
フレーム70は、その外周面が密閉容器10の内周面に固定され、中心部にクランクシャフト40を貫通させるため貫通孔が形成されている。また、フレーム70には、揺動スクロール50のスラスト面55側から軸方向下側に貫通する排油穴71が形成されており、スラスト面55を潤滑した冷凍機油1を油だめ11に戻すようになっている。
駆動部17は、クランクシャフト40に固定されたロータ(回転子)19と、密閉容器10に収容され、固着保持された集中巻ステータ(固定子)20と、駆動軸であるクランクシャフト40等から構成されている。ロータ19は、クランクシャフト40に固定され、発生する回転磁界からの回転力を受けて回転する。
クランクシャフト40は、ロータ19の中心部に挿着されている。このクランクシャフト40の上端部には、キー部41が形成されている。このキー部41は、略円筒形状のスライダ30に形成された挿入口31に摺動自在に挿入されている。また、スライダ30は、揺動スクロール50のボス部53に回動自在に挿入されている。キー部41がスライダ30に挿入されている状態において、スライダ30の中心軸はクランクシャフト40の中心軸から所定寸法Rrだけ偏心している。つまり、クランクシャフト40が回転した際、このRrが揺動スクロール50の揺動半径となる。ここで、キー部41及びスライダ30が、揺動半径可変機構に相当する。なお、揺動半径可変機構の詳細については後述する。
また、クランクシャフト40の内部には、上端面まで連通している給油流路42が形成されている。この給油流路42は、油だめ11に貯留してある冷凍機油1の流路となるものである。油だめ11に溜まっている冷凍機油1は、クランクシャフト40の回転に伴い、冷凍機油1を吸い上げて給油流路42を流れて圧縮部16に給油されるようになっている。
揺動スクロール50と固定スクロール60との間には、揺動スクロール50の偏心旋回運動中における自転運動を阻止するためのオルダムリング80が配設されている。このオルダムリング80は、揺動スクロール50と固定スクロール60との間に配設され、揺動スクロール50の自転運動を阻止するとともに、公転旋回運動を可能とする機能を果たすようになっている。つまり、オルダムリング80は、揺動スクロール50の自転防止機構として機能している。
(圧縮部構成)
次に、揺動スクロール50の渦巻歯52及び固定スクロール60の渦巻歯62の形状について説明する。
図2は、図1のA−A断面図である。なお、図2では、揺動スクロール50の渦巻歯52と固定スクロール60の渦巻歯62との判別を容易とするため、渦巻歯52の形状を破線で表している。横断面において、揺動スクロール50の渦巻歯52の形状と固定スクロール60の渦巻歯62の形状とは、実質的に同一となっている。より詳しくは、渦巻歯52及び渦巻歯62は、側面部が互いに対向している範囲(室18を形成する範囲)において同一形状をしている。また、渦巻歯52は、渦巻歯62に対して位相がπだけずれて配置されている。なお、渦巻歯52における最外周部は、室18を形成する必要がない外側側面を削除することにより、歯厚を減じている。また、渦巻歯62における最外周部も、室18を形成する必要がない外側側面を削除することにより、歯厚を減じている。これにより、圧縮部16を小型化している。
室18を形成する範囲において、渦巻歯52及び渦巻歯62の側面部形状は、基礎円半径が伸開角に応じてステップ状に変化するインボリュートとなっている。本実施の形態では、伸開角π毎に基礎円半径を変更している。このように渦巻歯52及び渦巻歯62を形成することにより、渦巻歯52及び渦巻歯62の歯厚及びピッチを変化させているので、スクロール圧縮機100は、従来のスクロール圧縮機(例えば特許文献1参照)と同様に、渦巻歯52及び渦巻歯62の設計自由度を確保している。
さらに、本実施の形態のように渦巻歯52及び渦巻歯62を形成することにより、冷媒(流体)を圧縮する過程において、室18から冷媒(流体)が漏れることを抑制することが可能となっている。
なお、圧縮過程における冷媒(流体)漏れ抑制効果をより増大させるため、本実施の形態に係る渦巻歯52及び渦巻歯62には、基礎円半径が変化する箇所に形成される段部にR加工を施している。より詳しくは、この段部のR部は、内側側面において凹んでいる箇所の加工半径Riが外側側面において突出している箇所の加工半径Ro+揺動半径Rrよりも大きくすることにより、基礎円半径が変化する箇所に形成される段部で渦巻歯52及び渦巻歯62が相互干渉することを防止できる。特にRi=Ro+Rrとすると幾何学的に側面接触可能となり、圧縮過程における冷媒(流体)漏れ抑制効果をより増大させることが可能となっている。
以下に、特許文献1に示す従来のスクロール圧縮機(スクロール流体機械)と比較しながら、本実施の形態に係る冷媒(流体)漏れ抑制効果について説明する。
特許文献1の概念にしたがって具体的な渦巻歯の形状を定義すると、以下のようになる。渦巻歯の基礎円半径aを伸開角φの関数a=a(φ)とすると、渦巻歯の外側側面の座標(形状)xo,yo、及び渦巻歯の内側側面の座標(形状)xi,yiはそれぞれ以下の式で表される。
Figure 2010174732
Figure 2010174732
このとき、渦巻歯の外側側面の歯厚toと渦巻歯の外側側面の歯厚tiも伸開角φの関数となる。
なお、ある伸開角φでの渦巻歯の実際の歯厚tは、(to/2)+(ti/2)となる。
図3は、従来のスクロール圧縮機における揺動スクロールの渦巻歯と固定スクロールの渦巻歯との関係を示す説明図である。この図3は、揺動スクロールと固定スクロールが組み合わさった状態での一部断面模式図である。また、この図3は、揺動スクロールの渦巻歯152の中心位置と固定スクロールの渦巻歯162の中心位置とが同一位置にある状態を示している。
この図3と上述の式(1)及び式(2)から、揺動スクロールの揺動半径Rrは次のように表すことができる。
例えば、伸開角φの固定スクロールの内側側面と伸開角φ−πの揺動スクロールの外側側面に注目すると、揺動スクロールの揺動半径Rrは
Figure 2010174732
となる。
また、この式を変形すると、
Figure 2010174732
となる。
また、例えば、伸開角φ−πの揺動スクロールの内側側面と伸開角φ−2πの固定スクロールの外側側面に注目すると、揺動スクロールの揺動半径Rrは
Figure 2010174732
となる。
また、この式を変形すると、
Figure 2010174732
となる。
ここで、歯厚t及び基礎円半径aが伸開角φに応じてリニアに変化する渦巻歯を設計することとする。また、その基準として、歯厚一定の渦巻歯を用いることとする。
歯厚一定の渦巻歯の基礎円半径a0は、a0=p0/2πとなる。ここで、p0は、ピッチ(渦巻歯の中心間距離)を表す。
歯厚一定の渦巻歯の歯厚t0は、t0=2a0αとなる。ここで、αは歯厚角を表す。
これら基礎円半径a0と歯厚t0から、揺動半径Rrは、次式で表すことができる。
Figure 2010174732
基礎円半径aが、次式(8)のように、伸開角φに応じてリニアに変化すると、上述の式(4)及び式(6)は、次式(9)及び次式(10)となる。
Figure 2010174732
Figure 2010174732
Figure 2010174732
そして、式(9)から式(10)を引くことにより、次式(11)を得ることができる。
Figure 2010174732
渦巻歯の外側側面の歯厚toと渦巻歯の外側側面の歯厚tiの変化割合が等しいとすると、
Figure 2010174732
と表すことができる。
また、歯厚tはリニアに変化するので、
渦巻歯の内側側面の歯厚t0i、このときの伸開角φ0i、渦巻歯の外側側面の歯厚t0o、このときの伸開角φ0o、のそれぞれを定数とすると、式(12)は次式(13)で表すことができる。
Figure 2010174732
そして、式(13)を式(9)(又は式(10))に代入すると、
Figure 2010174732
という関係を得ることができる。
例えば、φ0o=0のときt0o=t0、φ0i=πのときt0i=t0とすれば、式(14)の関係を満たし、式(13)は次式(15)と表すことができる。
Figure 2010174732
式(5)のリニアな基礎円半径変化に対してこの式(15)の歯厚変化を与えることにより、式(1)及び式(2)の渦巻形状を具体的な形状として定義することができる。つまり、揺動半径Rrで揺動した際に、対応する(つまり、シール形成点となる箇所の)固定スクロール60の内側側面と揺動スクロール50の外側側面、又は対応する(つまり、シール形成点となる箇所の)固定スクロール60の外側側面と揺動スクロール50の内側側面の座標が一致し、歯厚及びピッチが連続的に変化する渦巻歯の形状を定義することができる。
上述のように具体的形状が定義された従来の渦巻歯を組合せた状態を図4に示す。この図4は、渦巻歯152(揺動スクロール)がY軸方向に揺動した状態を示している。なお、図4では、揺動スクロールの渦巻歯152と固定スクロールの渦巻歯162との判別を容易とするため、渦巻歯152の形状を破線で表している。
渦巻歯152及び渦巻歯162は、伸開角によってピッチ及び歯厚が連続的に変化していくにもかかわらず、対応する箇所(シール形成点となる箇所)において、渦巻歯152の内側側面と渦巻歯162の外側側面の座標が一致している。同様に、渦巻歯152及び渦巻歯162は、対応する箇所(シール形成点となる箇所)において、渦巻歯152の外側側面と渦巻歯162の内側側面の座標が一致している。
渦巻歯152の側面と渦巻歯162の側面が接触するためには、シール形成点となる箇所の座標が一致するとともに、シール形成点となる箇所の接線の傾きが一致することが必要である。
渦巻歯152及び渦巻歯162の接線の傾きを求めるための微係数は、外側側面については、式(1)より次式(16)となる。
Figure 2010174732
また、渦巻歯152及び渦巻歯162の接線の傾きを求めるための微係数は、内側側面については、式(2)より次式(17)となる。
Figure 2010174732
そして、これら式(16)及び式(17)より、渦巻歯152及び渦巻歯162の接線の傾きは、次式(18)のように求めることができる。
Figure 2010174732
この式(18)を基に、シール形成点となる箇所の座標及びシール形成点となる箇所の接線の傾きを発明者らが計算した。この結果、例えば渦巻歯152の外側側面におけるシール形成点のある伸開角φと、例えば渦巻歯162の内側側面におけるシール形成点の伸開角φ+πとについては、
Figure 2010174732
を満たし、シール形成点となる箇所の座標が一致した。しかしながら、このシール形成点における接線の傾きが等しくなるのは、つまり、
Figure 2010174732
を満たすのは、Δ=0の場合のみ、すなわち歯厚変化しない場合のみであることがわかった。また、渦巻歯の歯厚を変化させると、接線の傾きに微小なずれが生じることが分かった。
このため、連続的に歯厚及びピッチが変化するような渦巻歯(渦巻歯152及び渦巻歯162)を用いる場合、渦巻歯152及び渦巻歯162の互いの側面を接触させずに、微小なクリアランスを保って揺動運動させる必要がある。したがって、連続的に歯厚及びピッチが変化するような渦巻歯(渦巻歯152及び渦巻歯162)を用いたスクロール圧縮機は、2つ渦巻歯が互いの側面を接触させるスクロール圧縮機に較べて、冷媒圧縮過程での冷媒の漏れが多くなってしまう。
一方、本実施の形態のスクロール圧縮機は、歯厚及びピッチを変化させることによって渦巻歯52及び渦巻歯62の設計的自由度の拡大という利点を残しながら、渦巻歯152及び渦巻歯162の互いの側面を接触させることが可能となっている。
図5は、本発明の一実施の形態にかかる渦巻歯の形状を説明するためのインボリュートの図である。比較のため、この図5には基礎円半径を連続的に増大させた従来の渦巻歯を破線で示している。
図5に示すように、本実施の形態の渦巻歯の形状は、半周(伸開角でπ)毎に基礎円半径がステップ状に変化するインボリュートとなっている。そして、半周(伸開角でπ)の間は基礎円半径が一定となっている。なお、基礎円半径は、必ずしも半周(伸開角でπ)毎に変更しなければいけないことはなく、伸開角でπ/n(nは自然数)毎に変更してもよい。基礎円半径を伸開角でπ/n(nは自然数)毎に変更しても、外側側面において突出している箇所が内側側面において凹んでいる箇所に接触可能となる。
伸開角でπ/n(nは自然数)毎に基礎円半径がステップ状に変化する渦巻歯の形状は、以下のように求めることができる。
渦巻歯の中心部から数えてi番目(iは任意の自然数)の段の部分は、
Figure 2010174732
のとき、
Figure 2010174732
Figure 2010174732
と表すことができる。これら式(23)及び式(24)と上述の式(1)及び式(2)から、伸開角でπ/n(nは自然数)毎に基礎円半径がステップ状に変化する渦巻歯の形状を定義することができる。つまり、図2に示す渦巻歯52及び渦巻歯62の形状は、式(1),式(2),式(23)及び式(24)にn=1を代入し、段部にR加工を施すことで定義することができる。
(圧縮動作)
続いて、本実施の形態に係る圧縮部16での冷媒(流体)圧縮動作について説明する。
図6は、本発明の一実施の形態に係る圧縮部の冷媒圧縮動作を示す説明図である。図6では、揺動スクロール50の渦巻歯52と固定スクロール60の渦巻歯62との判別を容易とするため、渦巻歯52の形状を破線で表している。
この図6の(a)から(d)は、渦巻歯52(揺動スクロール50)を90度ずつ揺動させた状態を示している。この図6からわかるように、渦巻歯52(揺動スクロール50)が揺動するにしたがって、室18の容積が減少する。したがって、吸入側配管12(図1に示す)から流入した冷媒は、この室18の容積が減少するにしたがって圧縮され、吐出側配管13(図1に示す)から吐出される。
渦巻歯52が揺動する際、基礎円半径が一定の区間では、渦巻歯52及び渦巻歯62のシール形成点となる箇所(側面)は、座標及び接線の傾きが一致する。このため、渦巻歯52及び渦巻歯62のシール形成点となる箇所(側面)は、幾何学的には接触することができる。また、基礎円半径が変化する箇所である段部は、内側側面において凹んでいる箇所の加工半径Riを外側側面において突出している箇所の加工半径Ro+揺動半径Rrよりも大きくすることにより渦巻歯52と渦巻歯62の相互干渉を防止できるが、特にRi=Ro+Rrとすると外側側面において突出している箇所は、内側側面において凹んでいる箇所において、幾何学的には継続して接触することができる。したがって、冷媒圧縮過程において、室18から冷媒(流体)が漏れることを抑制することができる。
(揺動半径可変機構)
冷媒圧縮過程において、渦巻歯52及び渦巻歯62の互いの側面部は、基礎円半径が変化する段部の内側側面が突出し外側側面が凹んでいる部分を除いて、幾何学的には接触可能となっている。しかしながら、渦巻歯52(揺動スクロール50)及び渦巻歯62(固定スクロール60)を加工する際の加工誤差等により、渦巻歯52の側面部と渦巻歯62の側面部との間に隙間が空いてしまう場合がある。そこで、本実施の形態では、渦巻歯52及び渦巻歯62の側面部をより接触しやすくするため、揺動半径可変機構を備えている。
なお、揺動半径可変機構を用いても、圧縮部を構成する2の渦巻歯が幾何学的に接触可能でなければ、渦巻歯の互いの側面部を接触させることはできない。このため、渦巻歯の歯厚及びピッチが連続的に変化する従来の渦巻歯(渦巻歯152及び渦巻歯162)では、シール形成点における両渦巻歯間の隙間が空いてしまう。したがって、揺動半径可変機構を用いても、連続的に歯厚及びピッチが変化するような渦巻歯(渦巻歯152及び渦巻歯162)を用いたスクロール圧縮機は、渦巻歯152及び渦巻歯162の互いの側面を接触させずに、微小なクリアランスを保って揺動運動させる必要がある。つまり、揺動半径可変機構を用いても、連続的に歯厚及びピッチが変化するような渦巻歯(渦巻歯152及び渦巻歯162)を用いたスクロール圧縮機は、冷媒圧縮過程での冷媒の漏れが多くなってしまう。
図7は、本発明の一実施の形態に係るスクロール圧縮機の揺動半径可変機構での横断面模式図である。この図7は、渦巻歯52(揺動スクロール50)がX方向に揺動した状態を示している。なお、図7には、説明を容易とするため、揺動スクロール50の渦巻歯52及び固定スクロール60の渦巻歯62も示している。
図7に示すように、クランクシャフト40の上端部に形成されたキー部41は、横断面が略直方体形状をしており、スライダ30に形成された横断面略直方体形状の挿入口31に挿入されている。挿入口31とキー部41との間には、長手方向に空隙が形成されており、キー部41は挿入口31内で長手方向に摺動自在となっている。
キー部41及び挿入口31は、その長手方向が渦巻歯52(揺動スクロール50)の揺動方向(図7においてはX軸方向)に対して所定角度θslだけ傾いて形成されている。これにより、冷媒を圧縮する際の反力が渦巻歯52(揺動スクロール50)に作用して、
渦巻歯52(揺動スクロール50)がキー部41及び挿入口31の長手方向に沿って揺動方向(揺動半径が増える方向)に移動する。つまり、シール形成点において渦巻歯52が渦巻歯62に近づくように、渦巻歯52(揺動スクロール50)が移動する。より詳しくは、渦巻歯52(揺動スクロール50)には、X方向成分FgrとY方向成分Fgθとの合力である冷媒圧縮時の反力Fgが作用する。この反力Fgにより、渦巻歯52(揺動スクロール50)がキー部41及び挿入口31の長手方向に沿って揺動方向(揺動半径が増える方向)に移動する。したがって、渦巻歯52及び渦巻歯62の側面部がより接触しやすくする。
なお、この反力Fgの方向は、揺動スクロール50の渦巻歯52及び固定スクロール60の渦巻歯62の形状等により決まる。したがって、キー部41及び挿入口31の長手方向の傾き角度θslは、反力Fgが作用した際に渦巻歯52(揺動スクロール50)がキー部41及び挿入口31の長手方向に沿って揺動方向(揺動半径が増える方向)に移動可能となる角度に設定される。
このように構成されたスクロール圧縮機100においては、渦巻歯52及び渦巻歯62の側面部形状は、基礎円半径が伸開角でπ/n(nは自然数)毎にステップ状に変化するインボリュートとなっている。このため、限られたスペースで行程容積、組込容積比、歯厚等が調整可能となる。
また、基礎円半径が一定の区間では、渦巻歯52及び渦巻歯62のシール形成点となる箇所(側面)は、座標及び接線の傾きが一致する。このため、渦巻歯52及び渦巻歯62のシール形成点となる箇所(側面)は、幾何学的には接触することができる。したがって、冷媒圧縮過程において、室18から冷媒(流体)が漏れることを抑制することができる。
また、基礎円半径が変化する箇所である段部は、内側側面において凹んでいる箇所の加工半径Riが外側側面において突出している箇所の加工半径Ro+揺動半径Rrとすることで外側側面において突出している箇所は、内側側面において凹んでいる箇所において、幾何学的には継続して接触することができる。したがって、冷媒圧縮過程における冷媒抑制効果が増大する。
また、揺動半径可変機構を備えているので、渦巻歯52及び渦巻歯62の側面部がより接触しやすくする。したがって、高効率で信頼性の高いスクロール圧縮機100を得ることができる。
なお、本実施の形態では一方のスクロール(揺動スクロール50)のみが旋回運動するスクロール圧縮機100について説明したが、圧縮部を構成する2つのスクロールが旋回運動するスクロール圧縮機としてもよい。つまり、一方のスクロールが他方のスクロールに対して相対的に揺動可能であればよい。
また、本実施の形態では冷媒圧縮時の反力Fgによって揺動スクロール50が移動する揺動半径可変機構を用いたが、その他の機構や作用により揺動スクロール50の揺動半径が変化する揺動半径可変機構を用いてもよい。例えば、揺動スクロール50に作用する遠心力により揺動スクロール50の揺動半径が変化する揺動半径可変機構を用いてもよい。例えば、リンク機構により揺動スクロール50の揺動半径が変化する揺動半径可変機構を用いてもよい。
1 冷凍機油、10 密閉容器、11 油だめ、12 吸入側配管、13 吐出側配管、15 吐出空間、16 圧縮部、17 駆動部、18 室、19 ロータ、20 集中巻ステータ、30 スライダ、31 挿入口、40 クランクシャフト、41 キー部、42 給油流路、50 揺動スクロール、51 台板、52 渦巻歯、53 ボス部、55 スラスト面、60 固定スクロール、61 台板、62 渦巻歯、63 吐出ポート、70 フレーム、71 排油穴、80 オルダムリング、100 スクロール圧縮機、152 揺動スクロールの渦巻歯(従来形状)、162 固定スクロールの渦巻歯(従来形状)。

Claims (3)

  1. 台板上に渦巻歯を形成した2つのスクロール部品を組合せて、
    一方の前記スクロール部品を他方の前記スクロール部品に対して相対的に揺動運動させることにより、前記渦巻歯の間に形成された室の容積を増減させ、流体を圧縮または膨張させるスクロール流体機械において、
    前記渦巻歯の形状を、
    基礎円半径が伸開角に応じてステップ状に変化するインボリュートとし、
    歯厚及びピッチがステップ状に変化する形状としたことを特徴とするスクロール流体機械。
  2. シール形成点において前記渦巻歯のそれぞれが近づくように、揺動半径を変更する揺動半径可変機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のスクロール流体機械。
  3. 前記基礎円半径は、
    伸開角がπ/n(nは自然数)のときに、ステップ状に変化することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール流体機械。
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