JP2016148297A - 圧縮機 - Google Patents

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二上 義幸
Yoshiyuki Futagami
義幸 二上
裕文 吉田
Hirofumi Yoshida
裕文 吉田
護 西部
Mamoru Nishibe
護 西部
淳 作田
Atsushi Sakuta
作田  淳
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Abstract

【課題】圧縮機運転中、固定スクロールのラップ先端は、圧縮熱による固定スクロールと旋回スクロールの熱膨張と圧力変形により面圧が高くなり、オイルを供給することができず、特に、固定スクロールのラップ先端での摺動損失の増加を引き起こしてしまう。
【解決手段】旋回スクロール13のラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dとの間のスラスト方向隙間60が、外周側にフラット部60aと、フラット部から内周側へと増加する傾斜部60bを有するように設けられ、固定スクロール12のラップ先端12dにおいて、スラスト方向隙間60の外周側のフラット部60aの範囲内に、固定スクロール12のラップ曲線に沿うような溝38を設けることにより、摺動損失低減による高効率を実現する圧縮機を提供できる。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷暖房空調装置や冷蔵庫等の冷却装置、あるいはヒートポンプ式の給湯装置等に用いられる圧縮機に関するものである。
従来、スクロール圧縮機において、旋回スクロールと固定スクロール鏡板間の摺動面の接触を良好な状態に保ち、摩擦損失を低減するために、摺動面積低減および潤滑油保持の観点から、固定スクロールにおける旋回スクロールとの摺動面に、固定スクロール外径と同心のリング状の溝を設けた構成をとっていた(例えば、特許文献1参照)。
図10は、特許文献1に記載された従来のスクロール圧縮機の圧縮機部断面図である。図10に示すように、固定スクロール12の旋回スクロール13との摺動面40に固定スクロール12の外形と同心のリング状の溝38を設けることで、旋回スクロール13との接触面積が小さくなり,摺動損失を低減できる。また溝38を設けることで,オイルで充満した環状空間が形成され,運転中において,旋回スクロール13の外周部がその環状空間内に出入りし,オイルが常に付着するため,摺動面への給油が可能となる。
また、旋回スクロールまたは固定スクロールのラップ部について、ラップ先端の温度分布を測定した結果をもとに、鏡板のラップ底面からラップ先端までの高さ寸法を調整し、組み立て状態において各ラップ先端と相手方の鏡板のラップ底面との間に最内周側で最も大きくなるようなスラスト方向隙間を形成するようにしたり、スラスト方向隙間を複数段階で変化するような構成をとっていた(例えば、特許文献2参照)。
図11は特許文献2に記載された従来のスクロール圧縮機の旋回スクロールの断面図である。図11に示すように、旋回スクロール13のラップ先端13dに、運転中の温度分布を測定した結果をもとに、内周側フラット面13fと外周側フラット面13gを有し、その内周側フラット面13fと外周側フラット面13gとの間を傾斜面として、温度上昇によるラップ先端13dの接触によるにかじりを防止し、摺動損失を低減するものである。
特許第3132339号公報 特許第3046486号公報
しかしながら、従来の構成では、固定スクロール12のリング状の溝38によるオイル潤滑により,固定スクロール12の外周部と旋回スクロール13との摺動面40における摺動損失は低減できるが、運転中の熱時に面圧が高くなり、最も摺動が厳しい固定スクロール12のラップ先端には、オイルを供給することができず、十分な摺動損失低減が発揮できないという課題を有していた。
また、旋回スクロール13のラップ先端13dに傾斜面を設けただけでは、吐出圧力と吸入圧力の差圧により、旋回スクロール13は、固定スクロール12側へ変形し、旋回スクロール13のラップ底面と固定スクロールのラップ先端が片当たりにより接触面圧が高まり、お互いにカジリが発生し、摺動損失が増加して、圧縮機としての圧縮効率、耐久性
が低下してしまうという課題を有していた。
本発明は,旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間は、外周部にフラット部と、そのフラット部から内周側へと増加する傾斜部とを有するように設けられ、固定スクロールのラップ先端において、スラスト方向隙間の外周側のフラット部の範囲内に、固定スクロールのラップ先端にラップ曲線に沿うような溝を設け、固定スクロール部品中心部付近の摺動面でのオイルの保持力を高めることによってさらなる摺動損失低減を実現できるスクロール圧縮機の提供を目的としたものである。
本発明の圧縮機は、旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間は、外周側にフラット部と、フラット部から内周側へと増加する傾斜部とを有するように設けられ、固定スクロールのラップ先端において、スラスト方向隙間の外周側のフラット部の範囲内に、固定スクロールのラップ曲線に沿うような溝を設けたものである。これによって、摺動損失の低減による高効率を実現する圧縮機を提供できる。
本発明によれば、旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間は、外周側にフラット部と、フラット部から内周側へと増加する傾斜部とを有するように設けられ、固定スクロールのラップ先端において、スラスト方向隙間の外周側のフラット部の範囲内に、固定スクロールのラップ曲線に沿うような溝を設けているため、摺動損失が低減し、高効率化を実現することができる。
本発明の実施の形態1による圧縮機の縦断面図 本発明の実施の形態1における圧縮機構部の断面図 本発明の実施の形態1における圧縮機構部の各位相時における固定スクロールに旋回スクロールを噛み合わせた状態を示す横断面図 本発明の実施の形態1における旋回スクロールの正面図 本発明の実施の形態1における固定スクロールの正面図 本発明の実施の形態1の旋回スクロールにおけるラップの内壁曲線伸開角に対する旋回スクロールと固定スクロールの形状説明図 本発明の実施の形態2における圧縮機構部の断面図 本発明の実施の形態2の旋回スクロールにおけるラップの内壁曲線の伸開角に対する旋回スクロールと固定スクロールの形状説明図 本発明の実施の形態2における固定スクロールのラップ断面図 従来のスクロール圧縮機の圧縮機構部の断面図 従来のスクロール圧縮機の旋回スクロールの断面図
第1の発明は、鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構により自転を拘束するとともに、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに、チップシール等の介在物を介さずに押し付けつつ、前記旋回スクロールを旋回運動させたときに、圧縮室が容積を変えながら移動することで、前記固定スクロールの外周側に形成された吸入室に吸入された冷媒ガスを圧縮した後、前記固定スクロールの中央部に設けられた吐出口から吐出する圧縮機において、前記旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間は、外周側にフラット部と、前記フラット部から内周側へと増加する傾斜部とを有するように設けられ、前記フラット部の範囲内に、前記固定スクロールのラ
ップ曲線に沿うような溝を形成したものである。
この構成によれば、旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間が、外周側にフラット部と、フラット部から内周側へと増加する傾斜部とを有するように設けられているため、吐出圧力と吸入圧力との差圧による圧力変形が発生した場合においても、旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端が片当たりせず、均一に接触するため、高信頼性および初期運転時から高効率を実現することができる。
また、スラスト方向隙間の外周側の前記フラット部の範囲内に、前記固定スクロールのラップ曲線に沿うような溝を形成することにより、固定スクロールのラップ先端の溝を経由して圧縮室間で冷媒が漏れることがなく、固定スクロールのラップ先端の摺動面でのオイルの保持力を高めることができ、外周部付近と比較してスラスト力のより大きなラップ先端における摺動損失の低減による性能向上が図れる。また同時に金属接触による旋回スクロールおよび固定スクロールの摩耗を低減し,信頼性の向上を図ることもできる。さらに,固定スクロールラップ先端のオイルシール性の向上により圧縮室間の冷媒漏れを少なくすることにより漏れ損失の低減を図ることもできる。
第2の発明は、第1の発明において、前記スラスト方向隙間の傾斜部は、外周側から内周側へと増加するように、前記旋回スクロールのラップ底面は、前記固定スクロールに対して、外周側から内周側に凹となる傾斜面を形成したものである。
この構成によれば、旋回スクロールのラップ先端の運転時の熱膨張を考慮して、旋回スクロールのラップ先端にも、外周側から内周側へとラップ高さが減少するように傾斜面を設けた場合、旋回スクロールのラップ底面とラップ先端を一度に加工できるため、スラスト方向隙間を精度良く加工できる。
第3の発明は、第1の発明において、前記スラスト方向隙間の傾斜部は、外周側から内周側へと増加するように、前記固定スクロールのラップ先端に、外周側から内周側へとラップ高さが減少するように傾斜面を形成したものである。
この構成によれば、旋回スクロールのラップ先端の運転時の熱膨張を考慮して、固定スクロールのラップ底面にも、外周側から内周側へとラップ高さが減少するように傾斜面を設けた場合、固定スクロールのラップ底面とラップ先端を一度に加工できるため、スラスト方向隙間を精度良く加工できる。
また、旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間の外周側フラット部の範囲内に、精度よく固定スクロールのラップ先端の溝を形成することが容易にできる。
第4の発明は、第1から3のいずれか1つの発明において、溝部の断面形状を円弧状としたものである。
この構成によれば、固定スクロールの溝と摺動面との境界線部が鈍角になり,加工後のバリの発生を抑制することができる。
第5の発明は、第1から4のいずれか1つの発明において、作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としたものである。
この構成によれば、高差圧が発生した場合でも、第1から4の発明により、旋回スクロ
ールのラップ底面が圧力変形しても、カジリや異常磨耗を効果的に防ぎ、摺動損失を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1による圧縮機の縦断面図である。
また、図2は図1の圧縮機構部の断面図である。図のように構成されたスクロール圧縮機について、以下その動作、作用を説明する。
図1に示すように、本発明の圧縮機は、密閉容器1と、その内部に圧縮機構部10、電動機部20を備えて構成されている。密閉容器1内に溶接や焼き嵌めなどして固定したシャフト5の主軸受部材11と、この主軸受部材11上にボルト止めした固定スクロール12との間に、固定スクロール12と噛み合う旋回スクロール13を挟み込んでスクロール式の圧縮機構部10を構成している。旋回スクロール13と主軸受部材11との間には、旋回スクロール13の自転を防止して円軌道運動するように案内するオルダムリングなどによる自転拘束機構14を設け、シャフト5の上端にある偏心軸部5aにて旋回スクロール13を偏心駆動することにより、旋回スクロール13を円軌道運動させる。これにより固定スクロール12と旋回スクロール13との間に形成している圧縮室15が、外周側から中央部に向かって容積を縮めながら移動することを利用して、密閉容器1外の冷凍サイクルに通じた吸接管3から、吸接管3と圧縮室15の間にある固定スクロールに設けられた常に吸入圧力である吸入室16を経て冷媒ガスを吸入し、圧縮室15に閉じ込んだのち圧縮を行う。所定の圧力に到達した冷媒ガスは、固定スクロール12の中央部の吐出口17からリード弁18を押し開けて、吐出される。
固定スクロール12の一方の容器内空間31側には、吐出口17及びリード弁18を覆うマフラー19が設けられている。マフラー19は、吐出口17を一方の容器内空間31から隔離し、マフラー空間37を形成している。
シャフト5の下端にはポンプ6が設けられ、ポンプ6の吸い込み口が貯オイル部2内に存在するように配置する。ポンプ6はスクロール圧縮機と同時に駆動されるため、ポンプ6は密閉容器1の底部に設けられた貯オイル部2にあるオイルを、圧力条件や運転速度に関係なく、確実に吸い上げることができ、オイル切れの心配も解消される。ポンプ6で吸い上げたオイルは、シャフト5内を通縦しているオイル供給穴7を通じて圧縮機構部10に供給される。なお、オイルをポンプ6で吸い上げる前もしくは吸い上げた後に、オイルフィルタ等でオイルから異物を除去すると、圧縮機構部10への異物混入が防止でき、更なる信頼性向上を図ることができる。
圧縮機構部10に導かれたオイルの圧力は、スクロール圧縮機の吐出圧力とほぼ同等であり、旋回スクロール13に対する背圧源ともなる。これにより、旋回スクロール13は固定スクロール12から離れたり片当たりしたりするようなことはなく、所定の圧縮機能を安定して発揮する。さらにオイルの一部は、供給圧や自重によって、逃げ場を求めるようにして偏心軸部5aと旋回スクロール13との嵌合部、シャフト5と主軸受部材11との間の軸受部8に進入してそれぞれの部分を潤滑した後落下し、貯オイル部2へ戻る。
高圧領域35に供給されたオイルの別の一部は、旋回スクロール13に形成され、かつ高圧領域35に一開口端を有する経路7aを通って、自転拘束機構14が位置している背圧室36に進入する。進入したオイルは、スラスト摺動部及び自転拘束機構14の摺動部を潤滑するのに併せ、背圧室36にて旋回スクロール13の背圧印加の役割を果たしてい
る。
ここで冷媒ガスの圧縮に関して、詳細に説明する。図3は固定スクロール12に旋回スクロール13を噛み合わせた状態の圧縮機構部10の横断面図であり、(a)〜(d)の順番に位相を90度刻みでずらした状態を示す図である。ここで旋回スクロール13のラップ外壁と固定スクロール12のラップ内壁に囲まれて形成される圧縮室を第1の圧縮室15a、旋回スクロール13のラップ内壁と固定スクロール12のラップ外壁に囲まれて形成される圧縮室を第2の圧縮室15bとする。図3の(a)は、第1の圧縮室15aが冷媒ガスを閉じ込めた瞬間の状態であり、その圧縮室を15a−1とする。その後、第1の圧縮室15aは、(b)の15a−2、(c)の15a−3、(d)の15a−4、(a)の15a−5、(b)の15a−6、(c)の15a−7と移動し、(d)の15a−8では固定スクロール12の中心部に形成された吐出口17を経て、点線で示したマフラー空間37に吐出される。
同様に、第2の圧縮室15bにおいて、図3の(c)は、第2の圧縮室15bが冷媒ガスを閉じ込めた瞬間の状態であり、順次中心方向に第2の圧縮室15bが移動し、固定スクロール12の中心部に形成された吐出口17を経て、マフラー空間37に吐出される。
ここで、第1の圧縮室15aと第2の圧縮室15bが、常に、吸入圧力となる領域となる吸入室16は、それぞれの圧縮室について、冷媒ガスが閉じこんだ瞬間の、固定スクロール12と旋回スクロール13のラップ接点を結んだ範囲より下流の領域となる。
本実施の形態では、図2に示すように、常温状態で旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dとの間のスラスト方向隙間60が、外周側にフラット部とフラット部から内周側へと増加する傾斜部を有するように、旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cに、固定スクロール12に対して、外周側から内周側に凹となる傾斜面を設けている。
この傾斜の一例について、更に詳細に説明する。図4は旋回スクロール13の正面図、図5は固定スクロール12の正面図、図6は、旋回スクロール13におけるラップ13bの内壁曲線の伸開角に対する旋回スクロール13のラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dの形状を示したもので内周側の始点A、外周側の終点Bは図4、図5のA地点、B地点である。
固定スクロール12におけるラップ先端12dの中心部は、熱膨張により高くなり、また、旋回スクロールの鏡板背面部に高圧部30および背圧空間29の圧力がかかることにより圧力変形し、特に中心部で固定スクロール12に押し付けられる。旋回スクロール13と固定スクロール12が異材質(例えば、固定スクロール12が、鋳鉄材、旋回スクロール13がアルミニウム合金材)である場合は、材質の熱膨張係数が異なるため、熱膨張により、旋回スクロール13と固定スクロール12が、さらに強く押し付けられる。
このことを考慮して、常温状態で旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dとの間のスラスト方向隙間60が、外周側にフラット部60aとフラット部60aから内周側へと増加するような傾斜部60bを有するように、旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cに、固定スクロール12に対して、外周側から内周側に凹となる傾斜面13eを形成している。
上記構成により、吐出圧力と吸入圧力との差圧により圧力変形が発生した場合においても、旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dが片当たりせず、均一に接触し、また、旋回スクロール13のラップ先端13
dと固定スクロール12の鏡板12aのラップ底面12cが片当たりせず、均一な隙間を形成するため、高信頼性および初期運転時から高効率を実現することができる。
また、本実施の形態では、スラスト方向隙間60の外周側のフラット部60aの範囲内に、固定スクロール12のラップ曲線に沿うような溝38を固定スクロール12のラップ先端12dに設けている。
この構成によれば、固定スクロール12のラップ先端12dの溝38を経由して圧縮室15間で冷媒が漏れることがなく、溝38にオイルを保持することが可能となり、固定スクロール12のラップ先端12dの摺動面40での潤滑性を高めることができ、外周部付近と比較してスラスト力のより大きなラップ先端12dにおける摺動損失の低減による性能向上が図れると同時に、金属接触による旋回スクロール13および固定スクロール12の摩耗を低減し,信頼性の向上を図ることができる。さらに,固定スクロール12のラップ先端12dのオイルシール性の向上により圧縮室15間の冷媒漏れを少なくすることにより漏れ損失の低減を図ることもできる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の第2の実施の形態に係わるスクロール圧縮機における圧縮機構部の断面図である。
本実施の形態の基本的な構成は、図1と同一であるので説明を省略する。また、図1で説明した構成と同一構成には同一符号を付して説明を一部省略する。
本実施の形態では、図7に示すように、常温状態で旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dとの間のスラスト方向隙間60が、外周側にフラット部とフラット部から内周側へと増加する傾斜部60bとを有するように、固定スクロール12の鏡板12aのラップ先端12dに、旋回スクロール13に対して、外周側から内周側に凹となる傾斜面12eを設けている。
この傾斜の一例について、更に詳細に説明する。図8は、旋回スクロール13におけるラップ13bの内壁曲線の伸開角に対する旋回スクロール13のラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dの形状を示したもので内周側の始点A、外周側の終点Bは図4、図5のA地点、B地点である。
固定スクロール12におけるラップ先端12dの中心部は、熱膨張により高くなり、また、旋回スクロールの鏡板背面部に高圧部30および背圧空間29の圧力がかかることにより圧力変形し、特に中心部で固定スクロール12に押し付けられる。旋回スクロール13と固定スクロール12が異材質(例えば、固定スクロール12が、鋳鉄材、旋回スクロール13がアルミニウム合金)である場合は、材質の熱膨張係数が異なるため、熱膨張により、旋回スクロール13と固定スクロール12が、さらに強く押し付けられる。
このことを考慮して、常温状態で旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dとの間のスラスト方向隙間60が、外周側にフラット部60aとフラット部60aから内周側へと増加するような傾斜部60bを有するように、固定スクロール12のラップ先端12dに、旋回スクロール13に対して、外周側から内周側に凹となる傾斜面12eを形成している。
上記構成により、吐出圧力と吸入圧力との差圧により圧力変形が発生した場合においても、旋回スクロール13の鏡板13aのラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dが片当たりせず、均一に接触し、また、旋回スクロール13のラップ先端13dと固定スクロール12の鏡板12aのラップ底面12cが片当たりせず、均一な隙間を
形成するため、高信頼性および初期運転時から高効率を実現することができる。
また、本実施の形態では、スラスト方向隙間60の外周側のフラット部60aの範囲内に、固定スクロール12のラップ曲線に沿うような溝38を固定スクロール12のラップ先端12dに設けている。
この構成によれば、固定スクロール12のラップ先端12dの溝38を経由して圧縮室15間で冷媒が漏れることがなく、溝38にオイルを保持することが可能となり、固定スクロール12のラップ先端12dの摺動面40での潤滑性を高めることができ、外周部付近と比較してスラスト力のより大きなラップ先端12dにおける摺動損失の低減による性能向上が図れると同時に、金属接触による旋回スクロール13および固定スクロール12の摩耗を低減し,信頼性の向上を図ることができる。さらに,固定スクロール12のラップ先端12dのオイルシール性の向上により圧縮室15間の冷媒漏れを少なくすることにより漏れ損失の低減を図ることもできる。
また、この構成によれば、旋回スクロール13のラップ底面13cと固定スクロール12のラップ先端12dとの間のスラスト方向隙間60の外周側のフラット部60aの範囲内つまり、固定スクロール12のラップ先端12dのフラット部の範囲内に、精度良く溝38を固定スクロール12のラップ先端12dに形成することが容易にできる。
また、旋回スクロール13のラップ先端13dの運転時の熱膨張を考慮して、固定スクロール12のラップ底面12cに、外周側から内周側へとラップ高さが減少するように傾斜面12eを設けた場合、固定スクロール12のラップ底面12cとラップ先端12dを一度に加工できるため、旋回スクロール13のラップ先端12dと固定スクロール12のラップ底面12cとの間のスラスト方向隙間を精度良く加工できる。
また、図9のように、固定スクロール12のラップ先端12dに設けた溝38の断面形状を円弧状としている。
上記構成により、固定スクロール12のラップ先端12dに設けた溝38と摺動面40との境界線部が鈍角となるため,加工後のバリの発生を抑制することができ、バリ発生による摺動損失増加を抑制することができる。
また、上記各実施の形態における圧縮機においては、冷媒として二酸化炭素を用いることができる。
二酸化炭素は高圧冷媒であるため、高差圧が発生するが、本発明により、旋回スクロール13のラップ底面13cが圧力変形しても、カジリや異常磨耗を効果的に防ぎ、摺動損失を低減することができ、更に有効である。
本発明にかかるスクロール圧縮機は、旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間が、外周側にフラット部と、フラット部から内周側へと増加する傾斜部を有するように設けられ、固定スクロールのラップ先端において、スラスト方向隙間の外周側のフラット部の範囲内に、固定スクロールのラップ曲線に沿うような溝を設けることにより、摺動損失の低減による高効率を実現することが可能であり、HFC系冷媒やHCFC系冷媒を用いたエアーコンディショナー用圧縮機のみならず、特に高圧となる自然冷媒CO2を用いたエアーコンディショナーやヒートポンプ式給湯機などの圧縮機に適している。
1 密閉容器
2 貯オイル部
3 吸接管
10 圧縮機構部
11 主軸受部材
12 固定スクロール
12d ラップ先端
12e 傾斜面
13 旋回スクロール
13d ラップ先端
13e 傾斜面
14 自転拘束機構
15a 第1の圧縮室
15b 第2の圧縮室
16 吸入室
17 吐出口
19 マフラー
20 電動機部
31 容器内空間
37 マフラー空間
38 溝
60 スラスト方向隙間
60a フラット部
60b フラット部

Claims (5)

  1. 鏡板から渦巻きラップが立ち上がる固定スクロール及び旋回スクロールを噛み合わせて双方間に圧縮室を形成し、旋回スクロールを自転拘束機構により自転を拘束するとともに、前記旋回スクロールを前記固定スクロールに、チップシール等の介在物を介さずに押し付けつつ、前記旋回スクロールを旋回運動させたときに、圧縮室が容積を変えながら移動することで、前記固定スクロールの外周側に形成された吸入室に吸入された冷媒ガスを圧縮した後、前記固定スクロールの中央部に設けられた吐出口から吐出する圧縮機において、前記旋回スクロールのラップ底面と固定スクロールのラップ先端との間のスラスト方向隙間は、外周側にフラット部と、前記フラット部から内周側へと増加する傾斜部とを有するように設けられ、前記フラット部の範囲内に、前記固定スクロールのラップ曲線に沿うような溝を形成したことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記スラスト方向隙間の傾斜部は、外周側から内周側へと増加するように、前記旋回スクロールのラップ底面は、前記固定スクロールに対して、外周側から内周側に凹となる傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  3. 前記スラスト方向隙間の傾斜部は、外周側から内周側へと増加するように、前記固定スクロールのラップ先端に、外周側から内周側へとラップ高さが減少するように傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  4. 前記溝部の断面形状を円弧状としたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 作動流体を、高圧冷媒、例えば二酸化炭素としてなる請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018076835A1 (zh) * 2016-10-26 2018-05-03 珠海格力节能环保制冷技术研究中心有限公司 压缩机、空调系统和汽车
CN110925193A (zh) * 2018-09-20 2020-03-27 艾默生环境优化技术(苏州)有限公司 涡旋压缩机及包括该涡旋压缩机的空调系统

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