JP7308970B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、空気調和機および冷凍機等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
空気調和機および冷凍機等に用いられるスクロール圧縮機は、固定スクロールと揺動スクロールとを組み合わせて形成した圧縮室にて冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部を収容する容器とを備えた構成を有する。固定スクロールおよび揺動スクロールはそれぞれ、台板上に渦巻体が形成された構成を有し、渦巻体同士が噛み合わされて圧縮室を形成している。そして、揺動スクロールを揺動運動させることで、圧縮室が容積を縮小しながら移動し、圧縮室にて冷媒の吸入および圧縮が行われるようになっている。この種のスクロール圧縮機では、小型および低コスト化を図るため、容器の径を同じとしつつ、可能な限り圧縮室の吸入容積を大きくして、圧縮機能力を大きくすることを目的とした技術開発が重要となっている。容器の径を同じとしつつ圧縮室の吸入容積を大きくするには、渦巻体の渦巻形状を工夫することが必要である。
従来、スクロール圧縮機の渦巻形状を、所定の半径の真円を基礎円とするインボリュート曲線とし、渦巻体全体の輪郭を円形とした技術がある。これに対し、近年では渦巻体全体の輪郭を円形ではなく扁平形状とし、更に渦巻体の渦巻形状も扁平形状とした技術がある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10-54380号公報
特許文献1では渦巻体の輪郭および渦巻形状を扁平形状とすることが記載されているものの、渦巻形状の具体的な定義については記載されていない。渦巻体の渦巻形状については、上述したように所定の半径の真円を基礎円とするインボリュート曲線で定義した技術があるが、渦巻形状を扁平形状とする場合においても、渦巻体を製造する上で渦巻形状を具体的に定義することが必要である。
インボリュート曲線から成る渦巻体で構成される圧縮室の容積は、ほぼ線形で変化する。しかし、非線形で変化する圧縮室を構成できれば、吐出寸前の圧縮室容積と圧縮室の吸入容積との比率である組み込み容積比の設計自由度が高まる。非線形で変化する圧縮室を構成するには、渦巻体の渦巻形状を、扁平率の異なる複数の扁平形状を組み合わせた輪郭を有する形状とすることが考えられる。しかし、このような形状を式で定義できる先行技術は見当たらない。
本発明はこのような点を鑑みなされたもので、扁平率の異なる複数の扁平形状を組み合わせた輪郭を有する渦巻体の渦巻形状を式で定義することで、組み込み容積比の設計自由度を高めることが可能なスクロール圧縮機を提供することを目的とする。
本発明に係るスクロール圧縮機は、固定台板に固定渦巻体が形成された固定スクロールと、揺動台板に揺動渦巻体が形成された揺動スクロールとを備え、固定渦巻体と揺動渦巻体とが噛み合うことで形成される圧縮室内で冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、固定渦巻体および揺動渦巻体のそれぞれの外側曲線および内側曲線のいずれか一方のみを、基礎円の伸開線である曲線であって、x、y座標系において伸開角θを用いて式(1)および式(2)で定義される曲線とし、式(1)および式(2)における基礎円の半径である基礎円半径a(θ)が、「伸開角θに対してπ[rad]を1周期とした正弦波状または余弦波状に変化する関数」と「伸開角θに応じて値が切り替わる階段関数で表される係数」との積の項を有し、固定渦巻体および揺動渦巻体のいずれにおいても、外側曲線で特定される外向面と内側曲線で特定される内向面とでは、階段関数において値が切り替わる伸開角θがπ[rad]ずれているものである。
x=a(θ)(cоsθ+θ・sinθ) ・・・(1)
y=a(θ)(sinθ-θ・cоsθ) ・・・(2)
本発明によれば、渦巻体の渦巻形状を、x、y座標系において伸開角θを用いて式(1)および式(2)で定義し、また、式(1)および式(2)における基礎円半径a(θ)を、「伸開角θに対してπ[rad]を1周期とした正弦波状または余弦波状に変化する関数」と「π[rad]を1周期とした階段関数で表される係数」との積の項を有するものとした。また、外側曲線で特定される外向面と内側曲線で特定される内向面とでは、階段関数において値が切り替わる伸開角θがπ[rad]ずれている構成とした。これにより、扁平率の異なる複数の扁平形状を組み合わせた輪郭を有する渦巻体の渦巻形状を、式で定義できる。その結果、組み込み容積比の設計自由度を高めることが可能なスクロール圧縮機を得ることができる。
x=a(θ)(cоsθ+θsinθ) ・・・(1)
y=a(θ)(sinθ-θcоsθ) ・・・(2)
実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の概略横断面図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の固定渦巻体と揺動渦巻体の扁平形状の説明図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機における揺動スクロールの1回転中の動作を示す圧縮工程図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部を構成する渦巻形状の製図方法の説明図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機においてα=1とした場合の渦巻形状を示す図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機においてα=0とした場合の渦巻形状を示す図である。 図6と図7とを重ねた状態を示す図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機における渦巻体の渦巻形状を示す図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機における渦巻体の渦巻形状の製図に用いる基礎円半径a(θ)に関する特性の一例を示す図である。 実施の形態2に係るスクロール圧縮機においてα(θ)を切り替える伸開角を変化させた場合の渦巻体の輪郭の変化の説明図である。 実施の形態3に係るスクロール圧縮機における渦巻体の外向面の基礎円半径a(θ)に関する特性を示す図である。
以下、本発明の実施の形態に係るスクロール圧縮機について図面等を参照しながら説明する。ここで、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
本実施の形態1のスクロール圧縮機は、圧縮機構部8と、回転軸6を介して圧縮機構部8を駆動する電動機構部110と、その他の構成部品とを有し、これらが外郭を構成する密閉容器100の内部に収納された構成を有している。密閉容器100内において、圧縮機構部8は上方に配置されており、電動機構部110は圧縮機構部8よりも下方に配置されている。
密閉容器100内には更に、電動機構部110を挟んで対向するようにフレーム7とサブフレーム9とが収納されている。フレーム7は、電動機構部110の上側に配置されて電動機構部110と圧縮機構部8との間に位置しており、サブフレーム9は、電動機構部110の下側に位置している。フレーム7は、焼嵌めまたは溶接等によって密閉容器100の内周面に固着されている。また、サブフレーム9はサブフレームホルダ9aを介して焼嵌めまたは溶接等によって密閉容器100の内周面に固着されている。
サブフレーム9の下方には容積型ポンプを含むポンプ要素111が取り付けられている。ポンプ要素111は、密閉容器100の底部の油溜め部100aに溜められた冷凍機油を圧縮機構部8の後述の主軸受7a等の摺動部に供給する。ポンプ要素111は、上端面で回転軸6を軸方向に支承している。
密閉容器100には、冷媒を吸入するための吸入管101と、冷媒を吐出するための吐出管102とが設けられている。
圧縮機構部8は、吸入管101から吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を密閉容器100内の上方に形成されている後述の第3空間73に排出する機能を有している。圧縮機構部8は、固定スクロール1と揺動スクロール2とを備えている。
固定スクロール1はフレーム7を介して密閉容器100に固定されている。揺動スクロール2は固定スクロール1の下側に配置されて回転軸6の後述の偏心軸部6aに揺動自在に支持されている。
固定スクロール1は、固定台板1aと、固定台板1aの一方の面に形成された渦巻状突起である固定渦巻体1bとを備えている。揺動スクロール2は、揺動台板2aと、揺動台板2aの一方の面に形成された渦巻状突起である揺動渦巻体2bとを備えている。固定スクロール1および揺動スクロール2は、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとを逆位相で噛み合わせた対称渦巻形状の状態で密閉容器100内に配置されている。そして、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとの間には、回転軸6の回転に伴い、半径方向外側から内側へ向かうにしたがって容積が縮小する圧縮室70が形成されている。
固定スクロール1の固定台板1aには、圧縮室70で圧縮された冷媒が吐出される吐出口1cと、一対の過圧縮リリーフポート1dとが形成されている。固定台板1aにおいて揺動スクロール2とは反対側の面には、吐出口1cを開閉する吐出バルブ10aと、一対の過圧縮リリーフポート1dを開閉する過圧縮リリーフバルブ10bとが設けられている。
フレーム7は固定スクロール1を固定配置し、揺動スクロール2に作用するスラスト力を軸方向に支持するスラスト面を有する。また、フレーム7には、吸入管101から吸入された冷媒を圧縮機構部8内に導く導入流路7cが貫通形成されている。
また、フレーム7上には、揺動スクロール2の旋回運動中の自転を防止するためのオルダムリング14が配置されている。オルダムリング14のキー部14aは、揺動スクロール2の揺動台板2aの下側に配置されている。
電動機構部110は回転軸6に回転駆動力を供給するものであり、電動機固定子110aと電動機回転子110bとを備えている。電動機固定子110aは、外部から電力を得るために、フレーム7と電動機固定子110aとの間に存在するガラス端子(図示せず)にリード線(図示せず)で接続されている。電動機固定子110aは回転軸6に焼嵌め等によって固定されている。また、スクロール圧縮機の回転系全体のバランシングを行うため、回転軸6には第1バランスウェイト60が固定され、電動機固定子110aには第2バランスウェイト61が固定されている。
回転軸6は、上部の偏心軸部6aと、中間部の主軸部6bと、下部の副軸部6cとで構成されている。偏心軸部6aは、回転軸6の軸心に対して偏心している。偏心軸部6aは、バランスウェイト付スライダー5と揺動軸受2cとを介して揺動スクロール2に嵌合しており、回転軸6の回転により揺動スクロール2が揺動運動するようになっている。主軸部6bは、フレーム7に設けられた円筒状のボス部7bの内周に配置された主軸受7aにスリーブ13を介して嵌合しており、冷凍機油による油膜を介して主軸受7aに対して摺動する。主軸受7aは、銅鉛合金等の滑り軸受に使用される軸受材料を圧入する等してボス部7b内に固定されている。
サブフレーム9の上部には玉軸受からなる副軸受10を備え、副軸受10は、電動機構部110の下部で回転軸6を半径方向に軸支する。なお、副軸受10は玉軸受以外の別の軸受構成によって軸支しても良い。副軸部6cは副軸受10と嵌合され、冷凍機油による油膜を介して副軸受10に対して摺動する。主軸部6bおよび副軸部6cの軸心は、回転軸6の軸心と一致している。
ここで、密閉容器100内の空間を以下の様に定義する。密閉容器100の内部空間のうち、フレーム7より電動機回転子110b側の空間を第1空間71とする。また、フレーム7の内壁と固定台板1aとにより囲まれた空間を第2空間72とする。また、固定台板1aより吐出管102側の空間を第3空間73とする。第2空間72のうち、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとが組み合わされた構造体部分の外側を、吸入空間72aという。吸入空間72aには、圧縮室70で圧縮される前の冷媒が導入流路7cから導入される。
図2は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の概略横断面図である。
本実施の形態1において揺動台板2aの外形形状は扁平形状である。よって、揺動台板2a上に形成された揺動渦巻体2bの渦巻形状もまた扁平形状とすることで、揺動台板2a上のスペースを有効に使用でき、スペース効率を高めることができる。固定台板1aについても同様であり、固定台板1aの外形形状と固定渦巻体1bの渦巻形状とを扁平形状とする。このようにスペース効率を高めることで、密閉容器100の大きさを同じとしたままで圧縮室70の容積の拡大を図ることができ、圧縮機能力を向上することが可能となる。逆に見れば、同じ圧縮機能力を確保するにあたり、密閉容器100の小型化が可能となる。なお、扁平形状とは、長円形状および楕円形状も含むものであり、要するに真円よりも平べったい形状全般を指すものとする。
以下において、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとを区別せず、両方を指すときは、「渦巻体」と総称する。台板についても同様で、固定台板1aと揺動台板2aとを区別せず、両方を指すときは、「台板」と総称する。
図3は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の固定渦巻体と揺動渦巻体の扁平形状の説明図である。
本実施の形態1は、渦巻体の渦巻形状の外向面を、伸開角度によって扁平率の異なる扁平形状としている。内向面も同様に、伸開角度によって扁平率の異なる扁平形状としている。なお、扁平率とは、横径D1と縦径D2との比D1/D2である。
図3において、固定渦巻体1bの外向面1baおよび内向面1bbのそれぞれは、渦巻形状の巻き終わりから巻き始めまでにかけて、大小2つの扁平率の渦巻形状で構成されている。図3において、太線が扁平率の大きい渦巻形状、細線が扁平率の小さい渦巻形状を示している。
<固定スクロール1>
(固定渦巻体1bの外向面1ba)
点Fo1~点Fo2の区画:扁平率大
点Fo2~点Fo3の区画:扁平率小
(固定渦巻体1bの内向面1bb)
点Fi1~点Fi2の区画:扁平率大
点Fi2~点Fi3の区画:扁平率小
<揺動スクロール2>
揺動スクロール2でも同様であり、以下のように、外向面2baおよび内向面2bbのそれぞれは、渦巻形状の巻き終わりから巻き始めまでにかけて、大小2つの扁平率の渦巻形状で構成されている。
(揺動渦巻体2bの外向面2ba)
点Oo1~点Oo2の区画:扁平率大
点Oo2~点Oo3の区画:扁平率小
(揺動渦巻体2bの内向面2bb)
点Oi1~点Oi2の区画:扁平率大
点Oi2~点Oi3の区画:扁平率小
固定スクロール1および揺動スクロール2のいずれにおいても、外向面と内向面とで扁平率が切り替わる伸開角度がπ[rad]だけずれている。すなわち、固定スクロール1では、点Fi2と点Fo2との伸開角度差がπ[rad]であり、揺動スクロール2では、Oi2と点Oo2との伸開角度差がπ[rad]である。このようにπだけずれている理由、および以上のように構成される渦巻形状の詳細については、また改めて説明する。
次に、スクロール圧縮機の動作について説明する。
図4は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機における揺動スクロールの1回転中の動作を示す圧縮工程図である。図4(a)は揺動スクロール2の回転位相が0[rad](2π[rad])の場合の渦巻体の位置を示している。図4(b)は揺動スクロール2の回転位相がπ/2[rad]の場合の渦巻体の位置を示している。図4(c)は揺動スクロール2の回転位相がπ[rad]の場合の渦巻体の位置を示している。図4(d)は揺動スクロール2の回転位相が3π/2[rad]の場合の渦巻体の位置を示している。
電動機構部110の電動機固定子110aに通電されると、電動機回転子110bが回転力を受けて回転する。それに伴い、電動機回転子110bに固定された回転軸6が回転する。回転軸6の回転運動は、偏心軸部6aを介して揺動スクロール2に伝達される。揺動スクロール2の揺動渦巻体2bは、オルダムリング14によって自転が規制されながら揺動半径で揺動運動する。なお、揺動半径とは、主軸部6bに対する偏心軸部6aの偏心量である。
電動機構部110の駆動に伴い、外部の冷凍サイクルから吸入管101を介して、冷媒が密閉容器100内の第1空間71に流入する。第1空間71に流入した低圧冷媒は、フレーム7内に設置された導入流路7cを通って吸入空間72aに流入する。吸入空間72aに流入した低圧冷媒は、圧縮機構部8の揺動渦巻体2bおよび固定渦巻体1bの相対的な揺動動作に伴って圧縮室70へと吸い込まれる。圧縮室70に吸い込まれた冷媒は、図4に示すように揺動渦巻体2bおよび固定渦巻体1bの相対的な動作に伴う圧縮室70の幾何学的な容積変化によって低圧から高圧へと昇圧される。そして、高圧となった冷媒は、固定スクロール1の吐出口1cを通過し、吐出バルブ10aを押し開けて第3空間73に排出され、吐出管102から高圧冷媒として圧縮機外部へと吐出される。図1の矢印がこの冷媒の流れを示している。
本実施の形態1では、上述したように揺動渦巻体2bおよび固定渦巻体1bの輪郭を扁平形状としており、渦巻形状も扁平形状としている。このように、渦巻体の渦巻形状を扁平形状とした圧縮機構部8において、図4に示すように一定の揺動半径で揺動渦巻体2bを動作させた場合においても、揺動渦巻体2bと固定渦巻体1bとは、互いに対向する対向面同士が接触しながら動作する。すなわち、圧縮機構部8は、揺動渦巻体2bの外向面2baと固定渦巻体1bの内向面1bbとが接触すると共に、揺動渦巻体2bの内向面2bbと固定渦巻体1bの外向面1baとが接触しながら動作する。
このように、揺動渦巻体2bと固定渦巻体1bとが互いに接触する構成とするために、固定スクロール1および揺動スクロール2のいずれにおいても、外向面と内向面とで扁平率が切り替わる伸開角度を、π[rad]だけずれた構成としている。扁平率が切り替わる点の関係が内向面と外向面とでπずれることによって、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとで互いに対向する対向面同士が、同じ扁平率で形成される曲面となり、揺動スクロール2の揺動運動に際して互いに接触することになる。
そして、本実施の形態1は、扁平率の異なる複数の扁平形状を組み合わせた輪郭を有する渦巻体の渦巻形状を式で定義している。渦巻形状は、渦巻体の外向面を特定する外側曲線と、渦巻体の内向面を特定する内側曲線と、によって決まる。渦巻体の渦巻形状を式で定義するにあたり、具体的には、渦巻体の外側曲線および内側曲線のいずれか一方のみを、基礎円の伸開線である曲線であって、x、y座標系において伸開角θを用いて以下の式(1)および式(2)で定義される曲線とする。
式(1)および(2)におけるa(θ)は基礎円の半径である。a(θ)は、以下の式(3)に示すように、「伸開角θに対してπ[rad]を1周期とした正弦波状または余弦波状に変化する関数」と「伸開角θに応じて値が切り替わる階段関数α(θ)で表される係数α」との積の項を有する関数式で与えられる。係数αは、扁平の度合いを示す係数である。このように、扁平率の異なる複数の扁平形状を組み合わせた輪郭を有する渦巻体の渦巻形状を、式で定義できる。なお、本実施の形態1において、基礎円半径a(θ)は、一例として、式(3)とする。
Figure 0007308970000001
Figure 0007308970000002
Figure 0007308970000003
式(3)において、aは基準となる基礎円半径(以下、基準半径という)である。また、式(3)において、伸開角θに応じて値が切り替わる階段関数α(θ)とは、伸開角θに対してグラフが階段状になる実関数のことであり、任意の伸開角θで値が切り替わる指示関数が存在し、それらの線型結合で表される関数である。本実施の形態1では、外向面のαは、伸開角θがπ[rad]以上ではα1とし、π[rad]未満ではα2とする。αの値がα1とα2とに切り替わる伸開角θが、扁平率が切り替わる伸開角に相当する。
また、式(3)において、Nは1以上の自然数である。ξは定数[rad]である。
式(3)において、係数αを変更することで、渦巻体の輪郭の扁平率を任意に設定することが可能になる。具体的には、αの値が大きくなるに連れ、渦巻体の輪郭の扁平率が大きくなり、上下方向に押しつぶされて左右方向に広がった平べったい形状となる。本実施の形態1の渦巻体の渦巻形状は、係数αがα1である扁平形状と、係数αがα2である扁平形状との2つを組み合わせた形状となる。以下では、α1=0.1、α=0とした例で説明を行う。
図3において、太線で示した扁平率大の部分が、α1=0.1とした部分に該当し、細線で示した扁平率小の部分が、α2=0とした部分に相当する。そして、扁平率大の部分と扁平率小の部分とが切り替わる伸開角が、外向面ではπ、内向面では、上述したように外向面からπずれるため2πとなっている。すなわち、図3に示した渦巻形状は、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのいずれにおいても、外向面は伸開角θがπ以上の範囲で扁平率大、π未満の範囲で扁平率小の扁平形状を有する。また、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのいずれにおいても、内向面は、伸開角θが2π以上の範囲で扁平率大、2π未満の範囲で扁平率小の扁平形状を有する。また、図3では、Nの値を1、ξの値を0としている。
次に、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれの渦巻形状の製図方法について説明する。固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bの製図方法は同じであるため、以下、固定渦巻体1bを代表して説明する。
渦巻形状は、上述したように渦巻体の外向面を特定する外側曲線と渦巻体の内向面を特定する内側曲線とによって決まる。ここでは、外側曲線を式(1)および式(2)で定義される曲線とした場合の渦巻形状の製図方法について説明する。
図5は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部を構成する渦巻形状の製図方法の説明図である。図5において、(a)、(b)、(c)、(d)の手順に製図をする。図6は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機においてα=0.1とした場合の渦巻形状を示す図である。図6において、実線は「式で定義される曲線」であり、点線は「包絡線」である。
まず、図5(a)に示す通り、基礎円の伸開線30を描く。α(θ)は、伸開角θに応じて値が切り替わる関数であるが、ここではいずれの伸開角でもα(θ)=0.1とした伸開線30を描く。以下、いずれの伸開角でもα(θ)を0.1とする場合には、α=0.1と表記する。ここで描かれた伸開線30が外側曲線となる。
次に、図5(b)~図5(d)の手順で内側曲線を描く。すなわち、まず図5(b)に示す通り、手順(a)で描いた伸開線30を基礎円中心Oに対してπ[rad]回転させた曲線31を描く。ここでは内側曲線を作成するため、曲線31のうち曲線30よりも外側に位置する曲線部分(図5(b)において点線部分)は、これ以降の製図手順では使用されない。
次に、図5(c)に示す通り、手順(b)で描いた曲線31上に中心を有する、半径が揺動スクロール2の揺動半径と等しい円32、を複数描く。
次に、図5(d)に示す通り、手順(c)で描いた円群の外側包絡線33を描く。この手順(d)で描いた曲線33が内側曲線となる。
以上により、手順(a)で描いた曲線30、言い換えれば「式(1)および式(2)で定義される曲線30」が、α=0.1の場合における、固定渦巻体1bの外側曲線となる。また、手順(d)で描いた曲線33、言い換えれば、「式(1)および式(2)で定義される曲線30」に対応する「包絡線33」が、α=0.1の場合における、固定渦巻体1bの内側曲線となる。以下では、「式(1)および式(2)で定義される曲線30」を「式で定義される曲線」といい、「式(1)および式(2)で定義される曲線30」に対応する「包絡線33」を、単に「包絡線」という。
以上の製図により、α=0.1の場合における、「「式で定義される曲線」で特定される外向面」と、「「包絡線」で特定される内向面」とが決定する。図6には、「「式で定義される曲線」で特定される外向面」を実線で示し、「「包絡線」で特定される内向面」を点線で示している。
同様にして、α=0として、図5(a)~図5(d)の手順で製図する。製図したものが次の図7である。
図7は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機においてα=0とした場合の渦巻形状を示す図である。図7において、実線は「式で定義される曲線」であり、点線は「包絡線」である。
図7には、α=0の場合における、「「式で定義される曲線」で特定される外向面」と、「「包絡線」で特定される内向面」とが示されている。
図8は、図6と図7とを重ねた状態を示す図である。図9は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機における渦巻体の渦巻形状を示す図である。図8および図9において、太さに関わらず、実線は「式で定義される曲線」であり、点線は「包絡線」である。また、図8および図9において、実線であるか点線であるかに関わらず、太線がα=0.1の場合の渦巻形状、細線がα=0の場合の渦巻形状を示している。
ここでは、外側曲線を「式で定義される曲線」としたため、外側曲線で特定される固定渦巻体1bの外向面は、いずれの伸開角範囲においても、図8に示された複数曲線のうち、実線で描かれた「式で定義される曲線」を選択して形成される。
具体的には、外向面のα(θ)は、上述したように伸開角θがπ[rad]以上ではα=0.1であり、π[rad]未満ではα=0である。したがって、固定渦巻体1bの外向面は、図8において実線で示された複数の「式で定義される曲線」のうち、伸開角θがπ[rad]以上では、太実線で描かれた、α=0.1に対応する曲線が選択されて形成される。また、固定渦巻体1bの外向面は、図8において実線で示された複数の「式で定義される曲線」のうち、伸開角θがπ[rad]未満では、細実線で描かれた、α=0に対応する曲線が選択されて形成される。
一方、内側曲線で特定される固定渦巻体1bの内向面は、いずれの伸開角範囲においても、図8において点線で示された複数曲線のうち、点線で描かれた「包絡線」を選択して形成される。
具体的には、内向面では、上述したように扁平率大の部分と扁平率小の部分とが切り替わる伸開角が外向面からπずれる。このため、固定渦巻体1bの内向面は、図8に示された複数の「包絡線」のうち、伸開角θが2π[rad]以上では、太点線で描かれた、α=0.1に対応する曲線が選択されて形成される。また、固定渦巻体1bの内向面は、図8に示された複数の「包絡線」のうち、2π[rad]未満では、細点線で描かれた、α=0に対応する曲線が選択されて形成される。
以上のようにして選択された各曲線により、図9に示すように固定渦巻体1bの渦巻形状が決まる。
揺動渦巻体2bに関しては、前述の固定渦巻体1bと同様の手順を踏むものとし、固定渦巻体1bと肉厚が等しい仕様においては固定渦巻体1bの形状をπ[rad]回転させた形状となる。
なお、ここでは、外側曲線を式(1)および式(2)で定義される曲線とした場合の渦巻形状の製図方法について説明したが、内側曲線を式(1)および式(2)で定義される曲線とした場合の渦巻形状の製図方法も基本的に同様である。内側曲線を式(1)および式(2)で定義される曲線とした場合は、外側曲線を以下のようにして描けばよい。まず、図5(a)の手順を行う。次に、図5(b)の手順を行う。この際、曲線30のうち曲線31よりも外側に位置する曲線部分を、これ以降の製図手順で使用しない。そして、曲線31上に中心を有する、半径が揺動スクロール2の揺動半径と等しい円32、を複数描く。この円群の内側包絡線が外側曲線となる。
図10は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機における渦巻体の渦巻形状の製図に用いる基礎円半径a(θ)に関する特性の一例を示す図である。図10の縦軸は、基準半径aに対する基礎円半径a(θ)の比率を示している。図10の横軸は、伸開角θ[rad]を示している。また、図10の(a)は、外向面の基礎円半径a(θ)の特性を示し、図10の(b)は、内向面の基礎円半径a(θ)の特性を示している。
図10には、図3と同様に式(3)のα(θ)の値をα1=0.1およびα2=0とし、Nの値を1、ξの値を0とした場合の、伸開角θに対する基礎円半径a(θ)の変化を示している。図10に示す基礎円半径a(θ)の波形において、外向面と内向面とのa(θ)/aの差分が大きい程、渦巻体の肉厚が厚くなることを示す。よって、5π/4において、渦巻体の肉厚が厚くなる。また、基礎円半径a(θ)の波形において、1.0を超える方のピークがある伸開角の方向に、渦巻体が引き延ばされた形状となる。よって、図10の例では、外向面においては、伸開角が5π/4、7π/4、9π/4において1.0を超える方のピークがくる。また、内向面においては、伸開角が7π/4、9π/4において、1.0を超える方のピークがくる。このため、図10の特性を有する渦巻体は、図3に示すように横方向に引き延ばされた形状となる。
以上説明したように、本実施の形態1では、渦巻体の渦巻形状を、伸開角θを用いて上記式(1)および式(2)で定義した。そして、式(1)および式(2)における基礎円半径a(θ)が、「伸開角θに対してπ[rad]を1周期とした正弦波状または余弦波状に変化する関数」と「伸開角θに応じて値が切り替わる階段関数α(θ)で表される係数α」との積の項を有する。そして、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのいずれにおいても、外側曲線で特定される外向面と内側曲線で特定される内向面とでは、階段関数において値が切り替わる伸開角が、π[rad]ずれている。これにより、扁平率の異なる複数の扁平形状を組み合わせた輪郭を有する渦巻体の渦巻形状を、式で定義できる。
ところで、渦巻体の巻き数を少なく設定した場合、揺動半径を大きく設定できるため、限られた設置スペースに対し、より大きな吸入容積を確保することが可能となる。しかし、従来のインボリュート曲線から成る渦巻体では、圧縮室の容積は、ほぼ線形で変化するため、吸入容積を大きく確保すると組み込み容積比が小さくなる。したがって、圧縮比が大きい運転条件の場合、圧縮室圧力が高圧に到達する前に圧縮室70が最内室と連通し、最内室の高圧が逆流して再膨張することによる損失が増大する課題がある。このように、従来のインボリュート曲線から成る渦巻体で構成される圧縮室の容積は、ほぼ線形で変化するため、吸入容積と組み込み容積比とを両立して確保することが難しい。
これに対し、本実施の形態1では、非線形で容積が変化する圧縮室を構成できるため、吸入容積と組み込み容積比とを両立して確保することが可能である。すなわち、本実施の形態1では、α(θ)が、伸開角θに応じて値が切り替わる関数であり、αが複数の値を取る。このようなα(θ)を用いて特定される渦巻体により形成される圧縮室70は、非線形で変化する圧縮室となる。したがって、本実施の形態1では、組み込み容積比の設計自由度を高めることができる。このため、より大きな吸入容積を確保するために、巻き終わり側である外側の圧縮室容積を大きく確保しつつ、巻始め側である内側の圧縮室容積を小さくすることで、組み込み容積比を大きく設定できる渦巻体を構成できる。このように組み込み容積比を大きく設定するには、巻き終わり側の伸開角範囲のα値を、巻始め側の伸開角範囲のα値よりも大きい値とし、巻き終わり側の扁平率を大きくすればよい。
また、本実施の形態1では、基礎円半径a(θ)を式(3)とすることで、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bの輪郭を任意に設定することができる。
また、図3において、固定渦巻体1bを用いて説明すると、外向面1baと内向面1bbとでαが異なる値を取る部分、具体的には図3においてクロスのハッチングで示した部分は、外向面1baではα=0.1、内向面1bbではα=0である。このように、外向面1baと内向面1bbとでαが異なる値を取る部分では、歯厚が一様ではなく変化する。具体的には、外向面1baのα値を内向面1bbのα値に比べて大きく設定した場合、外向面1baと内向面1bbとの両方で、αの値を同じとした場合に比べて歯厚を厚くできる。歯厚を厚くできることにより、以下の効果が得られる。
過圧縮リリーフポート1dは、圧縮比の小さい運転条件において、圧縮室内部のガス冷媒を、圧縮過程の途中で軸方向に排出するために設けられている。このようにガス冷媒を圧縮過程の途中で排出することで、圧縮室70内部での過剰圧縮による損失を低減できる。過圧縮リリーフポート1dは、圧縮室70間の漏れを抑制するために、隣り合う圧縮室70の両方に同時に連通しないように形成する必要がある。このため、過圧縮リリーフポート1dのポート径は、渦巻体の歯厚よりも小さく設定する必要がある。一方で、圧縮過程のガス冷媒を効率良く排出するためには、ポート径を大きく設定することが効果的である。
本実施の形態1の渦巻体の渦巻形状では、上述したように、αの設定次第で任意の伸開角における歯厚を厚くできる。このため、揺動渦巻体2bの歯厚が大きくなる部分の、揺動スクロール2の揺動運動に伴う移動軌跡領域内に過圧縮リリーフポート1dを設置することで、以下の効果が得られる。すなわち、ポート径を揺動渦巻体2bの歯厚の範囲内で大きく設定しつつ、隣り合う圧縮室70間が、過圧縮リリーフポート1dによって連通することを防止できる。これにより、圧縮比の小さい運転条件においてガス冷媒を効率的に排出でき、冷媒の過剰圧縮を抑制できる。その結果、冷媒の過剰圧縮による無駄な電力消費を低減できる。
実施の形態2.
本実施の形態2では、上記式(3)におけるα(θ)をα1またはα2に切り替える伸開角を変化させた場合の渦巻体の輪郭の変化について説明する。以下、実施の形態2が実施の形態1と異なる構成を中心に説明するものとし、実施の形態2で説明されない構成は実施の形態1と同様である。
上記式(3)において、α(θ)を切り替える伸開角を変化させた場合の渦巻体の形状について次の図11に記す。
図11は、実施の形態2に係るスクロール圧縮機においてα(θ)を切り替える伸開角を変化させた場合の渦巻体の輪郭の変化の説明図である。図11(a)、図11(b)、図11(c)において、α(θ)の値は、いずれもα1=0.1、α2=0とし、N=1、ξ=0とした。また、図11において、太線がα=0.1の部分、細線がα=0の部分である。
図11(a)は、図3と同じである。図11(a)においてαを0.1とした領域と、αを0とした領域とは、以下の通りである。
(α=0.1)
点Fo1~点Fo2、点Fi1~点Fi2
点Oo1~点Oo2、点Oi1~点Oi2
(α=0)
点Fo2~点Fo3、点Fi2~点Fi3
点Oo2~点Oo3、点Oi2~点Oi3
つまり、外向面については、αが、巻き始め側では0、巻き終わり側では0.1となっており、伸開角θがπで切り替わっている。また、内向面についても同様に、αが、巻き始め側では0、巻き終わり側では0.1であるが、0から0.1に切り替わる伸開角が、外向面に対してπだけずれており、伸開角θが2πでαが0から0.1に切り替わっている。
図11(b)において、αを0.1とした領域と、αを0とした領域とは、以下の通りである。
(α=0.1)
点Fo1~点Fo2、点Fo3~点Fo4、点Fi2~点Fi3
点Oo1~点Oo2、点Oo3~点Oo4、点Oi2~点Oi3
(α=0)
点Fo2~点Fo3、点Fi1~点Fi2、点Fi3~点Fi4
点Oi1~点Oo2、点Oo2~点Oo3、点Oi3~点Oi4
つまり、外向面については、αが、巻き始め側から巻き終わり側にかけて、0.1、0、0.1となっている。具体的には、伸開角が、1π、4πでαが切り替わっている。また、内向面についても同様に、αが、巻き始め側から巻き終わり側にかけて、0、0.1、0となっている。また、上記図11(a)では、伸開角の巻き始めから巻き終わりまでの間にαが切り替わる点が1箇所であったが、図11(b)では、αが切り替わる点が複数(ここでは2箇所)となっている。
図11(c)において、αを0.1とした領域と、αを0とした領域とは、以下の通りである。
(α=0.1)
点Fo1~点Fo2、点Fo3~点Fo4、点Fi1~点Fi2、点Fi3~点Fi4
点Oo1~点Oo2、点Oo3~点Oo4、点Oi1~点Oi2、点Oi3~点Oi4
(α=0)
点Fo2~点Fo3、点Fi2~点Fi3
点Oo2~点Oo3、点Oi2~点Oi3
つまり、外向面については、αが、巻き始め側から巻き終わり側にかけて、0.1、0、0.1となっている。具体的には、伸開角が、3π、4πでαが切り替わっている。また、内向面についても同様に、αが、巻き始め側から巻き終わり側にかけて、0.1、0、0.1となっているが、0.1と0とに切り替わる伸開角が外向面と内向面とではπだけずれている。図11(c)においても図11(b)と同様にして、伸開角の巻き始めから巻き終わりまでの間にαが切り替わる点が複数(ここでは2箇所)となっている。また、図11(c)は、αが切り替わる点である、点Fo2、点Fo3、点Fi2、点Fi3、点Oo2、点Oo3、点Oi2、点Oi3のそれぞれの伸開角が、図11(b)とは異なっている。これにより、歯厚が大きくなる伸開角と歯厚が小さくなる伸開角とが、図11(b)と図11(c)とでは異なっている。
このように、α(θ)を切り替える伸開角を変化させることで、図11(a)~(c)に示すように、渦巻体の歯厚および扁平率を任意に設定することが可能となる。なお、ここではαが0.1と0との2つの値を取る例を説明したが、更に複数の値を取ってもよい。
また、図11から明らかなように、例えば図11(a)において、α1とα2の値によって、点Fo1~点Fo2、点Fi1~点Fi2、点Oo1~点Oo2、点Oi1~点Oi2の領域と、点Fo2~点Fo3、点Fi2~点Fi3、点Oo2~点Oo3、点Oi2~点Oi3の領域のそれぞれの扁平形状の扁平率を、それぞれ独立して設定することができる。
また、ξを変更した場合は、扁平方向が変化する。例えば、ξが0の場合には左右方向に延びた扁平形状となり、ξがπ/4の場合には、右上から左下に延びた扁平形状となり、ξが3π/4の場合には、左上から右下に延びた扁平形状となる。
本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、α1およびα2の値によって、各扁平形状のそれぞれの扁平率および歯厚を任意に設定することが可能となる。よって、過圧縮リリーフポート1dの設置スペースに合わせてα1およびα2を設定することで、過圧縮リリーフポート径を大きく設定できる。あるいは、過剰な強度を有することで吸入容積を圧迫している歯厚を縮小することで、吸入容積の拡大および組み込み容積比の拡大を実現することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3では、基礎円半径a(θ)の他の関数式について説明する。以下、実施の形態3が実施の形態1と異なる構成を中心に説明するものとし、実施の形態3で説明されない構成は実施の形態1と同様である。
図12は、実施の形態3に係るスクロール圧縮機における渦巻体の外向面の基礎円半径a(θ)に関する特性を示す図である。図12(a)~図12(d)は、順に、基礎円半径a(θ)の関数式を、上記実施の形態1で示した式(3)と、以下の式(4)~式(6)とした場合に対応している。図12の縦軸は、基準半径aに対する基礎円半径a(θ)の比率を示している。図12の横軸は、伸開角θ[rad]を示している。また、図12の(a)~(d)のいずれも、α1=0.1、α2=0、N=1、ξ=0としている。
Figure 0007308970000004
Figure 0007308970000005
Figure 0007308970000006
基礎円半径a(θ)には、実施の形態1で示した式(3)の他に、式(4)~式(6)を用いることができる。基礎円半径a(θ)を式(3)~式(6)のように変更することで、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bの輪郭を任意に設定することが可能となる。
実施の形態1~実施の形態3においては、密閉容器100の内部が低圧冷媒で満たされる低圧シェル型のスクロール圧縮機について示したが、密閉容器100の内部が高圧冷媒で満たされる高圧シェル型のスクロール圧縮機とした場合でも、同様の効果が得られる。
1 固定スクロール、1a 固定台板、1b 固定渦巻体、1ba 外向面、1bb 内向面、1c 吐出口、1d 過圧縮リリーフポート、2 揺動スクロール、2a 揺動台板、2b 揺動渦巻体、2ba 外向面、2bb 内向面、2c 揺動軸受、5 バランスウェイト付スライダー、6 回転軸、6a 偏心軸部、6b 主軸部、6c 副軸部、7 フレーム、7a 主軸受、7b ボス部、7c 導入流路、8 圧縮機構部、9 サブフレーム、9a サブフレームホルダ、10 副軸受、10a 吐出バルブ、10b 過圧縮リリーフバルブ、13 スリーブ、14 オルダムリング、14a キー部、30 伸開線、32 円、33 外側包絡線(曲線)、60 第1バランスウェイト、61 第2バランスウェイト、70 圧縮室、71 第1空間、72 第2空間、72a 吸入空間、73 第3空間、100 密閉容器、100a 油溜め部、101 吸入管、102 吐出管、110 電動機構部、110a 電動機固定子、110b 電動機回転子、111 ポンプ要素。

Claims (4)

  1. 固定台板に固定渦巻体が形成された固定スクロールと、揺動台板に揺動渦巻体が形成された揺動スクロールとを備え、前記固定渦巻体と前記揺動渦巻体とが噛み合うことで形成される圧縮室内で冷媒を圧縮するスクロール圧縮機において、
    前記固定渦巻体および前記揺動渦巻体のそれぞれの外側曲線および内側曲線のいずれか一方のみを、基礎円の伸開線である曲線であって、x、y座標系において伸開角θを用いて式(1)および式(2)で定義される曲線とし、
    前記式(1)および前記式(2)における前記基礎円の半径である基礎円半径a(θ)が、「伸開角θに対してπ[rad]を1周期とした正弦波状または余弦波状に変化する関数」と「伸開角θに応じて値が切り替わる階段関数で表される係数」との積の項を有し、
    前記固定渦巻体および前記揺動渦巻体のいずれにおいても、前記外側曲線で特定される外向面と前記内側曲線で特定される内向面とでは、前記階段関数において前記値が切り替わる前記伸開角θがπ[rad]ずれているスクロール圧縮機。
    Figure 0007308970000007
    Figure 0007308970000008
  2. 前記基礎円半径a(θ)が、式(3)~式(6)のいずれかの式で与えられる請求項1記載のスクロール圧縮機。
    ここで、aは、基準となる基礎円半径であり、α(θ)は前記階段関数であり、Nは1以上の自然数であり、ξは定数[rad]である。
    Figure 0007308970000009
    Figure 0007308970000010
    Figure 0007308970000011
    Figure 0007308970000012
  3. 前記式(1)および前記式(2)で定義された曲線が前記外側曲線であるとき、前記固定渦巻体および前記揺動渦巻体のそれぞれの前記内側曲線は、前記外側曲線を前記基礎円の中心を基準としてπ[rad]回転させた曲線上に中心を有する、半径が前記揺動スクロールの揺動半径と等しい円群の外側包絡線であり、
    前記式(1)および前記式(2)で定義された曲線が前記内側曲線であるとき、前記固定渦巻体および前記揺動渦巻体のそれぞれの前記外側曲線は、前記内側曲線を前記基礎円の中心を基準としてπ[rad]回転させた曲線上に中心を有する、半径が前記揺動スクロールの前記揺動半径と等しい円群の内側包絡線とする請求項1または請求項2記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記揺動台板は、外形形状が扁平形状である請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。
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