JP7241925B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本開示は、空気調和機および冷凍機等に用いられるスクロール圧縮機に関するものである。
空気調和機および冷凍機等に用いられるスクロール圧縮機は、固定スクロールと揺動スクロールとを組み合わせて形成した圧縮室にて冷媒を圧縮する圧縮機構部と、圧縮機構部を収容する容器とを備えた構成を有する。固定スクロールおよび揺動スクロールはそれぞれ、台板上に渦巻体が形成された構成を有し、渦巻体同士が噛み合わされて圧縮室を形成している。そして、揺動スクロールを揺動運動させることで、圧縮室が容積を縮小しながら移動し、圧縮室にて冷媒の吸入および圧縮が行われるようになっている。この種のスクロール圧縮機では、小型および低コスト化を図るため、容器の径を同じとしつつ、可能な限り圧縮室の吸入容積を大きくして、圧縮機能力を大きくすることを目的とした技術開発が重要となっている。
スクロール圧縮機では、固定スクロールおよび揺動スクロールのそれぞれの渦巻体の先端部に、渦巻体の先端部と相対するスクロールの台板との間の隙間を封止するチップシールを備えている。渦巻体にチップシールを配置するには、渦巻体に溝を設ける必要があるため、渦巻体の肉厚を厚くする必要があり、吸入容積が低下する課題があった。この課題に対し、チップシールを保持する溝の側壁(以下、壁部という)を、渦巻体の全体に渡って外側のみとした技術がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、チップシールを保持する溝の壁部を外側のみとすることで、溝の壁部を内側と外側の両方に備える場合に比べて、渦巻体の肉厚を薄くして吸入容積の拡大を図るようにしている。
特開平11-230064号公報
しかしながら、特許文献1では、溝の壁部を外側のみとしたことで、チップシールにおいて渦巻き方向と直交する方向に対向する2面のうち片面側が壁部によって保持されない。このため、特許文献1は、吸入容積の拡大には効果的であるものの、渦巻体の先端部の摺動および圧縮室内の圧力変動によってチップシールが脱落する可能性があり、チップシールの保持性に問題があった。
本開示はこのような点を鑑みなされたもので、吸入容積の拡大を図りつつ、チップシールの保持性を確保することが可能なスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
本開示に係るスクロール圧縮機は、固定台板に固定渦巻体が形成された固定スクロールと、回転軸に取り付けられ、揺動台板に揺動渦巻体が形成された揺動スクロールと、を備え、固定渦巻体および揺動渦巻体のそれぞれの先端部に形成された渦巻形状の溝に、チップシールが配置されたスクロール圧縮機において、固定渦巻体および揺動渦巻体のそれぞれは、回転軸の軸方向に見て扁平形状であり、扁平に引き延ばされた方向である扁平方向に位置する部分が肉厚の厚い厚肉部、扁平方向に直交する方向に位置する部分が厚肉部より肉厚の薄い薄肉部、厚肉部と薄肉部との間が、肉厚が徐々に変化する肉厚変化部となっており、薄肉部は、溝の外側および内側の一方のみに壁部を有し、厚肉部は、溝の外側および内側の両方に壁部を有するものである。
本開示によれば、固定渦巻体および揺動渦巻体を扁平形状とすることで吸入容積を確保することができる。また、固定渦巻体および揺動渦巻体のそれぞれにおいて、薄肉部においては溝の外側および内側の一方のみに壁部を有する構成とすることで、固定渦巻体および揺動渦巻体のそれぞれの肉厚の拡大を抑制する。また、固定渦巻体および揺動渦巻体のそれぞれにおいて、厚肉部においては溝の外側および内側の両方に壁部を有することで、チップシールを両側から保持でき、チップシールの保持性を確保できる。
実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の横断面図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機における揺動スクロールの1回転中の動作を示す圧縮工程図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の渦巻体を示した平面図である。 実施の形態1に係るスクロール圧縮機における肉厚変化部の拡大斜視図である。
以下、実施の形態に係るスクロール圧縮機について図面等を参照しながら説明する。ここで、図1を含め、以下の図面において、同一の符号を付したものは、同一またはこれに相当するものであり、以下に記載する実施の形態の全文において共通することとする。そして、明細書全文に表わされている構成要素の形態は、あくまでも例示であって、明細書に記載された形態に限定するものではない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の全体構成の概略縦断面図である。
実施の形態1のスクロール圧縮機は、圧縮機構部8と、圧縮機構部8を回転軸6を介して駆動する電動機構部110と、その他の構成部品とを有し、これらが外郭を構成する密閉容器100の内部に収納された構成を有している。
密閉容器100内には更に、電動機構部110を挟んで対向するようにフレーム7とサブフレーム9とが収納されている。フレーム7は、電動機構部110の上側に配置されて電動機構部110と圧縮機構部8との間に位置しており、サブフレーム9は、電動機構部110の下側に位置している。フレーム7は、焼嵌めまたは溶接等によって密閉容器100の内周面に固着されている。また、サブフレーム9はサブフレームホルダ9aを介して焼嵌めまたは溶接等によって密閉容器100の内周面に固着されている。
サブフレーム9の下方には容積型ポンプを含むポンプ要素112が取り付けられている。ポンプ要素112は、密閉容器100の底部の油溜め部100aに溜められた冷凍機油を圧縮機構部8の後述の主軸受7a等の摺動部に供給する。ポンプ要素112は、上端面で回転軸6を軸方向に支承している。
密閉容器100には、冷媒を吸入するための吸入管101と、冷媒を吐出するための吐出管102とが設けられている。
圧縮機構部8は、吸入管101から吸入した冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を密閉容器100内の上方に形成されている高圧部に排出する機能を有している。圧縮機構部8は、固定スクロール1と揺動スクロール2とを備えている。
固定スクロール1はフレーム7を介して密閉容器100に固定されており、揺動スクロール2は固定スクロール1の下側に配置されて回転軸6の後述の偏心軸部6aに揺動自在に支持されている。
固定スクロール1は、固定台板1aと、固定台板1aの一方の面に形成された渦巻状突起である固定渦巻体1bとを備えている。揺動スクロール2は、揺動台板2aと、揺動台板2aの一方の面に形成された渦巻状突起である揺動渦巻体2bとを備えている。固定スクロール1および揺動スクロール2は、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとを噛み合わせた状態で密閉容器100内に配置されている。そして、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとが噛み合うことで、回転軸6の回転に伴い、半径方向外側から内側へ向かうにしたがって容積が縮小する圧縮室71が形成されている。
固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれの先端部には、渦巻形状に沿う溝が形成されており、この溝にチップシール15が配置されている。チップシール15は、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれの先端部と、対向する相手側のスクロールの台板との隙間からの冷媒の漏れを防止する部材である。チップシール15は、LCP(液晶ポリマー)またはPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの硬質プラスチックにより形成されている。チップシール15は、渦巻形状の巻き始め側から巻き終わり側にかけて、回転軸6の軸方向に見て同じ幅を有する。
固定スクロール1の固定台板1aにおいて揺動スクロール2とは反対側の面には、バッフル4が固定されている。バッフル4には、固定スクロール1の吐出口1cに連通する貫通孔4aが形成され、その貫通孔4aには吐出バルブ11が設けられている。そして、この吐出口1cを覆うように吐出マフラ12がバッフル4に取り付けられている。
フレーム7は固定スクロール1を固定配置し、揺動スクロール2に作用するスラスト力を軸方向に支持するスラスト面を有する。また、フレーム7には、吸入管101から吸入された冷媒を圧縮機構部8内に導く開口部7cが貫通形成されている。
また、フレーム7上には、揺動スクロール2の旋回運動中の自転を防止するためのオルダムリング14が配置されている。オルダムリング14のキー部14aは、揺動スクロール2の揺動台板2aの外周側に配置されている。
電動機構部110は回転軸6に回転駆動力を供給するものであり、電動機固定子110aと電動機回転子110bとを備えている。電動機固定子110aは、外部から電力を得るために、フレーム7と電動機固定子110aとの間に存在するガラス端子(図示せず)にリード線(図示せず)で接続されている。また、電動機固定子110aは回転軸6に焼嵌め等によって固定されている。また、スクロール圧縮機の回転系全体のバランシングを行うため、回転軸6には第1バランスウェイト60が固定され、電動機固定子110aには第2バランスウェイト61が固定されている。
回転軸6は、回転軸6の上部の偏心軸部6aと、主軸部6bと、回転軸6の下部の副軸部6cとを有する。偏心軸部6aには、バランスウェイト付スライダー5と揺動軸受2cとを介して揺動スクロール2が取り付けられており、回転軸6の回転により揺動スクロール2が揺動運動するようになっている。主軸部6bは、フレーム7に設けられた円筒状のボス部7bの内周に配置された主軸受7aにスリーブ13を介して嵌合され、冷凍機油による油膜を介して主軸受7aと摺動する。主軸受7aは、銅鉛合金等の滑り軸受に使用される軸受材料を圧入する等してボス部7b内に固定されている。
サブフレーム9の上部には玉軸受からなる副軸受10を備え、電動機構部110の下部で回転軸6を半径方向に軸支する。なお、副軸受10は玉軸受以外の別の軸受によって構成してもよい。副軸部6cは副軸受10と嵌合され、冷凍機油による油膜を介して副軸受10と摺動する。主軸部6bおよび副軸部6cの軸心は、回転軸6の軸心と一致している。
ここで、密閉容器100内の空間を以下の様に定義する。密閉容器100の内部空間のうち、フレーム7より電動機回転子110b側の空間を第1空間72とする。また、フレーム7の内壁と固定台板1aとにより形成される空間を第2空間73とする。また、固定台板1aより吐出管102側の空間を第3空間74とする。
次に、密閉容器100の内部における圧縮機構部8の部品配置について説明する。
図2は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の横断面図である。
密閉容器100は、平面的に見て真円形状であり、密閉容器100の内部に、フレーム7の外周面が密閉容器100の内周面に接触した状態で固着されている。よって、フレーム7の外周面も真円形状となっている。フレーム7内部の第2空間73には、固定スクロール1の固定渦巻体1bと揺動スクロール2とが配置されている。また、第2空間73内にはオルダムリング14のキー部14aが配置されている。このような仕様では、キー部14aの可動範囲を避けて揺動台板2aを配置する必要があるため、揺動台板2aの外形形状は、回転軸6の軸方向に見て扁平形状となっている。なお、扁平形状とは、長円形状および楕円形状も含むものであり、要するに円よりも平べったい形状全般を指すものとする。
このように揺動台板2aの外形形状は扁平形状である。このため、揺動台板2a上に形成される揺動渦巻体2bもまた、揺動台板2aの扁平形状に合わせて扁平に引き延ばした扁平形状とすることで、揺動台板2a上のスペースを有効に使用でき、スペース効率を高めることができる。固定台板1aおよび固定渦巻体1bについても同様であり、扁平形状とする。このようにスペース効率を高めることで、密閉容器100の大きさを同じとしたままで圧縮室71の容積の拡大、具体的には吸入容積の拡大を図ることができ、圧縮機能力を向上することが可能となる。つまり、逆に見れば、同じ圧縮機能力を確保するにあたり、密閉容器100の小型化が可能となる。なお、以下において、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとを区別せず、両方を指すときは、「渦巻体」と総称する。台板についても同様で、固定台板1aと揺動台板2aとを区別せず、両方を指すときは、「台板」と総称する。
次に、スクロール圧縮機の動作について説明する。
図3は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機における揺動スクロールの1回転中の動作を示す圧縮工程図である。図3(a)は回転位相が0[rad](2π[rad])の場合の渦巻体の位置を示している。図3(b)は回転位相がπ/2[rad]の場合の渦巻体の位置を示している。図3(c)は回転位相がπ[rad]の場合の渦巻体の位置を示している。図3(d)は回転位相が3π/2[rad]の場合の渦巻体の位置を示している。
電動機構部110の電動機固定子110aに通電されると、電動機回転子110bが回転力を受けて回転する。それに伴い、電動機回転子110bに固定された回転軸6が回転する。回転軸6の回転運動は、偏心軸部6aを介して揺動スクロール2に伝達される。揺動スクロール2の揺動渦巻体2bは、オルダムリング14によって自転が規制されながら揺動半径で揺動運動する。なお、揺動半径とは、主軸部6bに対する偏心軸部6aの偏心量を意味している。
電動機構部110の駆動に伴い、外部の冷凍サイクルから冷媒が吸入管101を介して密閉容器100内の第1空間72に流入する。第1空間72に流入した低圧冷媒は、フレーム7内に設置された2つの開口部7cを通って第2空間73に流入する。第2空間73に流入した低圧冷媒は、圧縮機構部8の揺動渦巻体2bおよび固定渦巻体1bの相対的な揺動動作に伴って圧縮室71へと吸い込まれる。圧縮室71に吸い込まれた冷媒は、図3に示すように揺動渦巻体2bおよび固定渦巻体1bの相対的な動作に伴う圧縮室71の幾何学的な容積変化によって低圧から高圧へと昇圧される。そして、高圧となった冷媒は、固定スクロール1の吐出口1cおよびバッフル4の貫通孔4aを通過し、吐出バルブ11を押し開けて吐出マフラ12内に吐出される。吐出マフラ12内に吐出された冷媒は、第3空間74に吐出され、吐出管102から高圧冷媒として圧縮機外部へと吐出される。
本実施の形態1では、上述したように揺動渦巻体2bおよび固定渦巻体1bのそれぞれの渦巻形状を扁平形状としている。このように、渦巻体の渦巻形状を扁平形状とした圧縮機構部8において、図3に示すように一定の揺動半径で揺動渦巻体2bを動作させた場合においても、揺動渦巻体2bと固定渦巻体1bとは、互いに対向する対向面同士が接触しながら動作する。すなわち、圧縮機構部8は、揺動渦巻体2bの外向面2baと固定渦巻体1bの内向面1bbとが接触するとともに、揺動渦巻体2bの内向面2bbと固定渦巻体1bの外向面1baとが接触しながら動作する。
ところで、従来のスクロール圧縮機では、チップシールを保持する溝の側壁を外側のみとすることで、吸入容積の拡大を図るようにしている。しかし、この構造では、チップシールにおいて渦巻き方向と直交する方向に対向する2面のうち片面側が側壁によって保持されないため、チップシールの保持性が低下する。そこで、本実施の形態1では、上述したように渦巻体を扁平に引き延ばした形状とすることで吸入容積の拡大を図る。また、渦巻体においてその引き延ばした部分については渦巻体の肉厚を厚くすることでチップシールを両面支持し、チップシールの保持性を確保する。
以下、チップシール15の保持性を確保するための渦巻体の具体的な構造について、図4を参照して説明する。なお、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれの形状は、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bの一方を回転軸6の軸方向に上下反転させることで他方と同一の形状となる。このため、以下では、固定渦巻体1bと揺動渦巻体2bとを区別せず、渦巻体20として説明を行う。
図4は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機の圧縮機構部の渦巻体を示した平面図である。図4には、一部を拡大した断面図も示している。図4の断面図は、いずれも図示の左側が渦巻体の外向面側、右側が渦巻体の内向面側となるように図示している。
渦巻体20の肉厚は、図4に示すように伸開角が、0[rad]、π[rad]のときの肉厚に比べ、π/2[rad]、3π/2[rad]のときの肉厚が厚い。なお、渦巻体20の肉厚とは、渦巻体20の先端部を回転軸6の軸方向に見た場合の径方向の幅である。
このように実施の形態1の渦巻体は、渦巻き形状の中心部である巻き始めから巻き終わりまでの間に、肉厚が厚い部分(以下、厚肉部21という)と、厚肉部21よりも肉厚が薄い部分(以下、薄肉部22という)とが交互に出現する渦巻形状を有する。具体的には、渦巻体20は、扁平に引き延ばされた方向である扁平方向(図4の左右方向)に位置する部分が厚肉部21、扁平方向に直交する方向(図4の上下方向)に位置する部分が薄肉部22となっている。そして、厚肉部21と薄肉部22との間は、肉厚が徐々に変化する肉厚変化部23となっている。肉厚変化部23は、厚肉部21から肉厚が徐々に減少して薄肉部22に繋がる肉厚減少部23aと、薄肉部22から肉厚が徐々に増加して厚肉部21に繋がる肉厚増加部23bとを有する。
渦巻体20の先端部には、上述したようにチップシール15を配置するための溝30が形成されている。溝30は、渦巻体20の渦巻形状に沿うように形成されており、この溝30に、チップシール15が配置されている。この例では、チップシール15は、渦巻体20の外向面20aから設定距離だけオフセットされた位置に配置されている。言い換えれば、チップシール15は渦巻体20の外向面20aに沿うように配置されている。したがって、渦巻体20において溝30よりも外側の壁部の肉厚は、渦巻き全体に渡って同じとなっている。
図4の断面図に示すように、厚肉部21においては、溝30の外側および内側の両方に壁部を有する。具体的には、溝30の外側に壁部21aを有し、溝30の内側に壁部21bを有する。そして、壁部21aと壁部21bとの間の溝30にチップシール15が配置されている。詳しくは、チップシール15は、チップシール15において渦巻き方向に直交する方向に対向する面15aおよび面15bの両方が、壁部21aおよび壁部21bによって支持されて溝30に配置されている。
薄肉部22においては、溝30の外側のみに壁部22aを有する。このため、チップシール15は、チップシール15の面15aおよび面15bのうち、外側の面15aのみが壁部22aに支持されて溝30に配置されている。
肉厚変化部23においては、溝30の外側および内側の両方に壁部を有する。具体的には、溝30の外側に壁部23aaを有し、溝30の内側に壁部23abを有する。そして、壁部23aaと壁部23abとの間の溝30にチップシール15が配置されている。詳しくは、チップシール15は、チップシール15の面15aおよび面15bの両方が、壁部23aaおよび壁部23abによって支持されて溝30に配置されている。なお、肉厚変化部23において外側の壁部23aaの軸方向の高さは一定であるが、内側の壁部23abの軸方向の高さは、次の図5に示すように、肉厚と同様に徐々に変化する。
図5は、実施の形態1に係るスクロール圧縮機における肉厚変化部の拡大斜視図である。図5には肉厚減少部23aを示している。
図5に示すように、肉厚減少部23aの内側の壁部23abは、厚肉部21から肉厚が薄くなるに連れて軸方向の高さが徐々に低くなってゼロとなる。なお、肉厚減少部23aの外側の壁部23aaの高さは、上述したように一定となっている。また、図示していないが、肉厚増加部23bの内側の壁部23abは、肉厚が厚くなるに連れて軸方向の高さが徐々に高くなって厚肉部21と同じ高さとなる。
仮に肉厚変化部23の壁部23abにおいて肉厚のみ変化し、高さが一定であると、肉厚が薄い部分では、高さを有する薄膜のようになり、その薄膜部分が破損しやすい。これに対し、肉厚変化部23の壁部23abにおいて軸方向の高さについても変化させることで、強度を確保できる。その結果、壁部23abの破損を抑制でき、信頼性を向上できる。
このようにチップシール15を渦巻体20の先端部に保持するにあたり、薄肉部22では溝30の片側のみに壁部を有する構成とすることで、渦巻体20の肉厚の増加を抑制できる。そして、厚肉部21および肉厚変化部23では、溝30の両側に壁部を有することでチップシール15が両面支持され、チップシール15が溝30から脱落しないように保持できる。
チップシール15は渦巻形状の巻き始めから巻き終わりまで連続した渦巻形状であり、チップシール15は、渦巻方向に周期的に出現する厚肉部21の壁部21aおよび壁部21bによって支持される。このため、チップシール15は、薄肉部22において片側に壁部がなくても、渦巻方向に周期的に出現する厚肉部21によって両面支持されるため、溝30から脱落することを防止できる。このように、本実施の形態1では、渦巻体20を扁平形状とすることで吸入容積を拡大しつつ、チップシール15の保持性を確保することができる。
なお、ここでは、チップシール15の全体が渦巻体20の外向面20aに沿う形状を示したが以下のようにしても良い。
(1)チップシール15の全体が、渦巻体20の内向面20bに沿っていても良い。
(2)チップシール15の一部のみが渦巻体20の外向面20aに沿い、その他の部分が渦巻体20の外向面20aに沿っていなくても良い。
(3)チップシール15の一部のみが渦巻体20の内向面20bに沿い、その他の部分が渦巻体20の内向面20bに沿っていなくても良い。
上記(2)および(3)の具体例としては、例えばチップシール15が、薄肉部22および肉厚変化部23においては外向面20aに沿い、厚肉部21に対しては内向面20bに沿った形状が考えられる。他には、チップシール15が、薄肉部22および肉厚変化部23においては外向面20aに沿い、厚肉部21に対しては、チップシール15が厚肉部21の径方向の中心部に位置する形状が考えられる。
また、チップシール15の全体が渦巻体20の外向面20aに沿う形状であって、厚肉部21において、チップシール15が厚肉部21の径方向の中心部に位置する場合、薄肉部22の肉厚によっては、薄肉部22においてチップシール15の内側部分が渦巻体20から脱落した状態となってしまう。したがって、この場合には、薄肉部22においてチップシール15が脱落しないようにチップシール15の一部を外側に湾曲させてもよい。
チップシール15を上記(2)~(3)のように構成することも可能であるが、チップシール15が配置される溝30の加工性の面からすると、チップシール15を外向面20aまたは内向面20bに沿った形状とすることが好ましい。これは、溝30を加工する際の加工工具の位置制御が単純であり、溝加工を容易に行えるからである。
また、図示していないが、薄肉部22において溝30の位置と壁部22aの位置とを径方向で逆にし、溝30の内側に壁部22aを有する構成としてもよい。その場合、溝30の位置が径方向外側にずれるため、扁平形状よりも円形に近い渦巻形状のチップシール15を使用することができる。チップシール15の形状が円形に近づくことで、扁平形状の場合に比べてチップシール15に作用する力の均等化を図ることができる。その結果、チップシール15の変形および破損、それに伴って冷媒漏れが生じる不都合を更に抑制でき、信頼性の向上を図ることができる。
以上説明したように、本実施の形態1のスクロール圧縮機は、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれが、回転軸6の軸方向に見て扁平形状である。固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれにおいて、厚肉部21、薄肉部22および肉厚変化部23を有する。厚肉部21は、扁平に引き延ばされた方向である扁平方向に位置し、肉厚の厚い部分である。薄肉部22は、扁平方向に直交する方向に位置する部分であり、厚肉部21より肉厚の薄い部分である。肉厚変化部23は、厚肉部21と薄肉部22との間の部分であり、肉厚が徐々に変化する部分である。薄肉部22は、溝30の外側および内側の一方のみに壁部22aを有し、厚肉部21は、溝30の外側および内側の両方に壁部21aおよび壁部21bを有する。
このように、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bを扁平形状とすることで吸入容積を確保することができる。また、固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれにおいて、薄肉部22においては溝30の外側および内側の一方のみに壁部22aを有する構成とする。厚肉部21においては溝30の外側および内側の両方に壁部21aおよび壁部21bを有する構成とする。これにより、肉厚の拡大を抑制しつつ、チップシール15を両側から保持でき、チップシール15の保持性を確保できる。
本実施の形態1は、肉厚変化部23は、溝30の外側および内側の両方に壁部23aaおよび壁部23abを有する。肉厚変化部23の壁部のうち、厚肉部21から薄肉部22に繋がる壁部は、肉厚が薄くなるに連れて軸方向の高さが徐々に低くなる。肉厚変化部23の壁部のうち、厚肉部21から薄肉部22に繋がる壁部は、肉厚が厚くなるに連れて軸方向の高さが徐々に高くなる。
このように、肉厚変化部23の壁部のうち、薄肉部22の壁部22aに繋がる壁部が、肉厚とともに軸方向の高さも変化することで、その壁部の強度を確保できて破損を抑制できる。
固定渦巻体1bに配置されたチップシール15は、全体が固定渦巻体1bの外向面1baまたは内向面1bbに沿う扁平形状に形成されている。揺動渦巻体2bに配置されたチップシール15は、全体が揺動渦巻体2bの外向面2baまたは内向面2bbに沿う扁平形状に形成されている。
また、固定渦巻体1bに配置されたチップシール15は、「一部が固定渦巻体1bの外向面20aに沿い、残りの部分が外向面20aに沿わない扁平形状」または「一部が内向面20bに沿い、残りの部分が内向面20bに沿わない扁平形状」に形成してもよい。また、揺動渦巻体2bに配置されたチップシール15は、「一部が揺動渦巻体2bの外向面20aに沿い、残りの部分が外向面20aに沿わない扁平形状」または「一部が内向面20bに沿い、残りの部分が内向面20bに沿わない扁平形状」としてもよい。
チップシール15は固定渦巻体1bおよび揺動渦巻体2bのそれぞれの先端部に配置されていればよく、チップシール15の扁平形状としては、これらの形状を適宜選択してよい。
実施の形態1においては、密閉容器100の内部が低圧冷媒で満たされる低圧シェル型のスクロール圧縮機について示したが、密閉容器100の内部が高圧冷媒で満たされる高圧シェル型のスクロール圧縮機とした場合でも、同様の効果が得られる。
1 固定スクロール、1a 固定台板、1b 固定渦巻体、1ba 外向面、1bb 内向面、1c 吐出口、2 揺動スクロール、2a 揺動台板、2b 揺動渦巻体、2ba 外向面、2bb 内向面、2c 揺動軸受、4 バッフル、4a 貫通孔、5 バランスウェイト付スライダー、6 回転軸、6a 偏心軸部、6b 主軸部、6c 副軸部、7 フレーム、7a 主軸受、7b ボス部、7c 開口部、8 圧縮機構部、9 サブフレーム、9a サブフレームホルダ、10 副軸受、11 吐出バルブ、12 吐出マフラ、13 スリーブ、14 オルダムリング、14a キー部、15 チップシール、15a 面、15b 面、20 渦巻体、20a 外向面、20b 内向面、21 厚肉部、21a 壁部、21b 壁部、22 薄肉部、22a 壁部、23 肉厚変化部、23a 肉厚減少部、23aa 壁部、23ab 壁部、23b 肉厚増加部、30 溝、60 第1バランスウェイト、61 第2バランスウェイト、71 圧縮室、72 第1空間、73 第2空間、74 第3空間、100 密閉容器、100a 油溜め部、101 吸入管、102 吐出管、110 電動機構部、110a 電動機固定子、110b 電動機回転子、112 ポンプ要素。

Claims (4)

  1. 固定台板に固定渦巻体が形成された固定スクロールと、回転軸に取り付けられ、揺動台板に揺動渦巻体が形成された揺動スクロールと、を備え、前記固定渦巻体および前記揺動渦巻体のそれぞれの先端部に形成された渦巻形状の溝に、チップシールが配置されたスクロール圧縮機において、
    前記固定渦巻体および前記揺動渦巻体のそれぞれは、前記回転軸の軸方向に見て扁平形状であり、扁平に引き延ばされた方向である扁平方向に位置する部分が肉厚の厚い厚肉部、前記扁平方向に直交する方向に位置する部分が前記厚肉部より肉厚の薄い薄肉部、前記厚肉部と前記薄肉部との間が、肉厚が徐々に変化する肉厚変化部となっており、
    前記薄肉部は、前記溝の外側および内側の一方のみに壁部を有し、前記厚肉部は、前記溝の外側および内側の両方に壁部を有するスクロール圧縮機。
  2. 前記肉厚変化部は、前記溝の外側および内側の両方に壁部を有し、前記肉厚変化部の前記壁部のうち、前記厚肉部から前記薄肉部に繋がる壁部は、肉厚が薄くなるに連れて前記軸方向の高さが徐々に低くなり、前記薄肉部から前記厚肉部に繋がる壁部は、肉厚が厚くなるに連れて前記軸方向の高さが徐々に高くなる請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 前記固定渦巻体に配置された前記チップシールは、全体が前記固定渦巻体の外向面または内向面に沿う扁平形状に形成され、
    前記揺動渦巻体に配置された前記チップシールは、全体が前記揺動渦巻体の外向面または内向面に沿う扁平形状に形成されている請求項1または請求項2記載のスクロール圧縮機。
  4. 前記固定渦巻体に配置された前記チップシールは、
    一部が前記固定渦巻体の外向面に沿い、残りの部分が前記外向面に沿わない扁平形状、または一部が前記固定渦巻体の内向面に沿い、残りの部分が前記内向面に沿わない扁平形状に形成され、
    前記揺動渦巻体に配置された前記チップシールは、
    一部が前記揺動渦巻体の外向面に沿い、残りの部分が前記外向面に沿わない扁平形状または一部が前記固定渦巻体の内向面に沿い、残りの部分が前記内向面に沿わない扁平形状に形成されている請求項1または請求項2記載のスクロール圧縮機。
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