JPH10281083A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

Info

Publication number
JPH10281083A
JPH10281083A JP8686497A JP8686497A JPH10281083A JP H10281083 A JPH10281083 A JP H10281083A JP 8686497 A JP8686497 A JP 8686497A JP 8686497 A JP8686497 A JP 8686497A JP H10281083 A JPH10281083 A JP H10281083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slider
scroll
balance weight
eccentric
shaft portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8686497A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Ishii
稔 石井
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
Masayuki Tsunoda
昌之 角田
Hiroshi Ogawa
博史 小川
Eiji Watanabe
英治 渡辺
Wataru Izumisawa
渉 泉沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP8686497A priority Critical patent/JPH10281083A/ja
Publication of JPH10281083A publication Critical patent/JPH10281083A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 揺動スクロールに作用する遠心力の一部また
は全部を相殺するようなバランスウェイト付スライダー
を搭載したスクロール圧縮機では、バランスウェイト付
スライダーに作用する遠心力の作用点とその遠心力を半
径方向に支持する支持点が軸方向にずれていることによ
り、バランスウェイト付スライダーを転倒させるモーメ
ントが作用し、揺動軸受に対してスライダー部外周面が
片当たりを起こす。 【解決手段】 バランスウェイト付スライダーの重心の
軸方向位置を、揺動軸受とスライダー部外周面の軸方向
の回転摺動範囲の中央位置にほぼ一致させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は空気調和機、冷凍
機等に用いられるスクロール圧縮機に関するもので、更
に詳細にはバランスウェイトが一体的に取り付けられた
スライダーによって、揺動スクロールに作用する遠心力
の一部または全部を相殺し、かつスライダーのスライド
移動により揺動スクロールの公転半径を可変として通常
運転中は揺動スクロールの渦巻体側面を前記固定スクロ
ールの渦巻体側面に押圧摺動させる高速運転に適したス
ライダー機構を有したスクロール圧縮機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】バランスウェイトが一体的に取り付けら
れたスライダーを用いた従来のスクロール圧縮機は、例
えば実開平4−49602号公報や特開平7−4909
2号公報等に開示されている。図13および図14はそ
の実開平4−49602号公報に示された要部の縦断面
図および横断面図である。図13において1は台板1a
に渦巻体1bを立設させた固定スクロール、2は台板2
aに渦巻体2bを立設させた揺動スクロールで、両渦巻
体1b,2bを互いに位相を180度ずらし、偏心させ
て組み合わせることによって圧縮室3が形成される。揺
動スクロール2の台板2aの反渦巻体2b側の面の中央
部には、円筒状のボス部2cが形成されており、該ボス
部2cの内周面にはアルミ鉛合金等の滑り軸受に使用さ
れる軸受材料からなる揺動軸受4が圧入等により固定さ
れている。5はバランスウェイト付スライダーであり、
スライダー部5aにバランスウェイト部5bが固着され
ており、バランスウェイト付スライダー5として一体化
されている。このバランスウェイト付スライダー5は、
一部材から形成されるもののあれば、複数の部材を相互
に固着させることで一体化するものもある。該スライダ
ー部5aは前記揺動軸受4内に回動自在に嵌合されるこ
とで、揺動軸受4とスライダー部5aの外周面間には滑
り軸受構造が形成されており、供給される潤滑油により
揺動スクロール2とバランスウェイト付スライダー5の
力の伝達を半径方向に支承している。6は揺動スクロー
ル2を公転駆動させる回転軸であり、その上端には回転
軸6の軸心とは偏心して突出する偏心軸部6aが設けら
ている。6bは回転軸6を半径方向に軸支する図示され
ていない主軸受と嵌合される主軸部であり、偏心軸部6
aと主軸部6bの間には、バランスウェイト付スライダ
ー5を軸方向に支承する主軸部6bの外径より径の大き
い鍔部6cが形成されている。図14に示されるよう
に、前記スライダー部5aにはスライド溝5cが形成さ
れており、前記偏心軸部6aを該スライド溝5c内に装
着している。そして揺動スクロール2が両スクロール
1,2の渦巻体1b,2bで決定される正規公転半径R
cの位置を占めた状態において、スライド溝5cと偏心
軸部6aには、長手方向に間隙50a,50bが設定さ
れていて、バランスウェイト付スライダー5はスライド
溝5cと偏心軸部6aの接触面に沿ってすなわちその長
手方向に、回転軸6の軸線と直角な面内でスライド移動
が可能となり、これにより揺動スクロール2の偏心量
(公転半径)を変化させることができる。なお間隙50
aは揺動スクロール2の反偏心方向側の間隙で、50b
は揺動スクロール2の偏心方向側の間隙である。また図
14に示すRsは、揺動スクロール2が正規公転半径R
cの位置を占めた状態にを表し、バランスウェイト付ス
ライダー5の正規回転半径を意味する。
【0003】回転軸6が回転すると、その回転駆動トル
クが偏心軸部6aからスライダー部5aおよび揺動軸受
4を介して、揺動スクロール2に伝達され、図示されな
い自転防止機構によって自転を阻止されることによっ
て、揺動スクロール2は公転運動を行い、固定スクロー
ル1と組み合わされたことによって形成された圧縮室3
の容積が減少し、冷媒ガス等が圧縮される。このとき揺
動スクロール2には公転運動に伴い、その重心位置に自
身の偏心方向に向かって遠心力Fcが作用する。なお本
明細書にて述べる揺動スクロール2の遠心力Fcは、揺
動スクロール2に揺動軸受4も含めた状態でのもので、
また揺動スクロール2の重心とは同じく揺動軸受4が含
まれた状態での重心であるものとする。一方バランスウ
ェイト付スライダー5も回転運動により、その重心に遠
心力Fbが発生する。遠心力Fbの向きが揺動スクロー
ル2の遠心力Fcとは180度反対方向となるように、
バランスウェイト付スライダー5の重心方向は揺動スク
ロール2の偏心方向の180度反対の方向に設定されて
いる。バランスウェイト付スライダー5の遠心力Fbは
揺動軸受4を介して揺動スクロール2に伝達され、これ
により遠心力Fbの値を適宜設定することで、揺動スク
ロール2の遠心力Fcの一部または全部を相殺すること
ができる。
【0004】一般的には特開平7−49092号公報に
示されるように、スライド溝5cおよび偏心軸部6aの
向きは、回転軸6の軸心と揺動軸受4の内径中心とを結
ぶ線すなわち揺動スクロール2の偏心方向に対して、回
転軸の回転方向とは反対方向に所定量θ傾斜されてお
り、これによって図15に示すように、揺動スクロール
2の遠心力Fcをバランスウェイト付スライダー5の遠
心力Fbで相殺し、遠心力の影響を極力小さくし、揺動
スクロール2の遠心力Fc方向とは回転軸6の反回転方
向に90度ずれて揺動スクロール2作用する圧縮ガスに
よる接線方向ガス負荷Fgの分力Fg・sinθによ
り、バランスウェイト付スライダー5は揺動スクロール
2の公転半径が増加される方向に押推され、通常運転中
は揺動スクロール2の渦巻体2b側面が固定スクロール
1の渦巻体1b側面に押圧しながら摺動し、圧縮ガスの
洩れのない高効率運転が達成される。また、遠心力の影
響を極力小さくしているため、インバータ等により可変
速度運転される場合でも、両渦巻体1b,2bの接触押
圧力を回転軸6の回転数によらない安定したものとする
ことができるので、両渦巻体1b,2bの摺動損失を考
慮すると高速運転を行う場合に極めて有効なスライダー
機構である。なお偏心方向側の間隙50bは圧縮室3内
に異物が混入したときに揺動スクロール2をリリーフす
るため等、渦巻体1b,2bの形状精度のような微小値
ではない十分大きな隙間が必要である。
【0005】近年のスクロール圧縮機では、特開昭63
−80088号公報に示されるような回転軸を半径方向
に軸支する軸受が、回転軸を回転駆動させる電動機を挟
んでその電動機の両側に1個ずつ設置されるような構造
のものが多い。図16はそのような構造のスクロール圧
縮機を示す縦断面図であり、図16において、1は固定
スクロール、2は揺動スクロールである。7は固定スク
ロール1を固定配置し、揺動スクロール2に作用するス
ラスト力を軸方向に支持するスラスト面を有するフレー
ムで、8はガラス端子9が取り付けられた密閉容器、6
は回転軸である。10は回転軸6に回転駆動力を供給す
る電動機固定子、11は同じく電動機回転子であり、電
動機固定子10は密閉容器8に焼嵌め固定されていて、
フレーム7と電動機固定子10の間に存在する前記ガラ
ス端子9に、外部から電力を得るためにリード線10a
で接続されている。また電動機回転子11は回転軸6に
焼嵌め固定されていて、電動機回転子11には、スクロ
ール圧縮機の回転系全体のバランシングを行うための第
1バランスウェイト60および第2バランスウェイト6
1が固定されている。12は電動機10,11の上部
(両スクロール1、2の存在する側)で、回転軸6を半
径方向に軸支する主軸受であり、フレーム7に設けれた
ボス部内周にアルミ鉛合金等の滑り軸受に使用される軸
受材料が圧入等により固定され形成されている。この主
軸受12と嵌合され、運転時潤滑油による油膜を介して
主軸受12と摺動する回転軸6の部位が主軸部6bであ
る。また13は電動機10、11の下部に位置するサブ
フレームで、その上部には主軸受12と同様な構成の副
軸受14が設けられ、電動機10、11の下部で、回転
軸6を半径方向に軸支する。この副軸受14と嵌合さ
れ、運転時潤滑油による油膜を介して副軸受14と摺動
する回転軸6の部位が副軸部6dで、主軸部6b、副軸
部6dの軸心は、回転軸6の軸心と一致している。20
は主軸受12等の摺動部に密閉容器8の底部に溜められ
た潤滑油を供給するための容積型ポンプを含むポンプ要
素で、サブフレーム13に収納され、その上端面で回転
軸6を軸方向に支承している。また55はスライダー
で、このスライダー55にはバランスウェイトは固着さ
れてはおらず、スライダー55に作用する押推力は、接
線方向ガス負荷Fgの分力の他に揺動スクロール2とス
ライダー55自身の遠心力の分力も加わり、回転数が高
くなるほど、揺動スクロール2の渦巻体2b側面と固定
スクロール1の渦巻体1b側面の接触圧は大きくなり、
両渦巻体1b,2b間の摺動損失が増加するものであ
る。
【0006】図16に示されたスクロール圧縮機の組み
立て方法について説明する。まず電動機固定子10を密
閉容器8の下部(サブフレーム13が存在することにな
る側)から挿入するかたちで密閉容器8に焼嵌め固定
し、電動機固定子10の上部から出ているリード線10
aをガラス端子9に接続する。次にフレーム7を密閉容
器8の上側(ガラス端子9が存在する側)より挿入する
かたちで密閉容器8に焼嵌め固定する。そして電動機固
定子10とフレーム7が焼嵌め固定された密閉容器8を
反転させ、予め電動機回転子11が焼嵌め固定された回
転軸6をサブフレーム13が存在することになる側から
偏心軸部6aを先頭として挿入する。すなわち偏心軸部
6aが電動機固定子10そして次に主軸受12の内周を
通過するようなかたちとなって挿入する。続いて副軸受
14を副軸部6dに嵌合するようにサブフレーム13を
設置し、主軸受12と副軸受14の同軸が確保されるよ
うにサブフレーム13をスポット溶接等で固定する。そ
の後スライダー55や両スクロール1,2等を組み立
て、密閉容器8の両端部を密閉して組み立てが完了す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図13に示されるよう
なスクロール圧縮機において、前述の通りバランスウェ
イト付スライダー5は、回転運動時その重心位置に遠心
力Fbが作用し、該遠心力Fbは揺動軸受4を介して揺
動スクロール2に伝達され、公転運動により揺動スクロ
ール2の重心に前記遠心力Fbとは反対方向に作用する
揺動スクロール2の遠心力Fcの一部または全部を相殺
する。バランスウェイト付スライダー5の遠心力Fbが
揺動軸受4を介して揺動スクロール2に伝達される際、
揺動軸受4とスライダー部5aの外周面(揺動軸受4と
の摺動面)が平行状態であれば、遠心力Fbの伝達は潤
滑油によって発生する油膜圧力によって揺動軸受4とス
ライダー部5a外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位
置で行われる。すなわち揺動軸受4とスライダー部5a
の外周面が平行状態であれば、バランスウェイト付スラ
イダー5の重心に作用する遠心力Fbは、揺動軸受4と
スライダー部外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置
で半径方向に支持されるわけである。
【0008】よって図13のように、バランスウェイト
付スライダー5の重心が揺動軸受4とスライダー部5a
外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置よりも下方に
位置している場合には、遠心力Fbの作用点とその遠心
力Fbを半径方向に支持する支持点が軸方向にずれて距
離を有していることにより、図13において時計方向に
バランスウェイト付スライダー5を転倒させようとする
モーメントがバランスウェイト付スライダー5に作用し
てしまう。このため揺動軸受4に対してスライダー部5
a外周面は傾斜することとなり、揺動軸受4の負荷容量
は低下し、揺動軸受4とスライダー部5a外周面が片当
たりを起こし、摩耗が生じたり、最悪の場合では焼付き
により運転不能となってしまう問題点があった。このモ
ーメントは高速になるほど遠心力Fbが大きくなるの
で、大きくなってくる。
【0009】例えば特開平4−47104号公報には前
記のような片当たりを防止する手段として、一体的なバ
ランスウェイト付スライダー5のバランスウェイト部5
bとスライダー部5aを便宜上個別に取り扱い、それぞ
れの重心の軸方向位置を実質的に一致させたものが提案
されているが、この場合バランスウェイト付スライダー
5単独の回転運動を考えれば、別個に取り扱っているス
ライダー部5aとバランスウェイト部5bの方向が相反
することになる遠心力の作用点が軸方向に一致すること
で、転倒させようとするモーメントは生じない。しかし
これはあくまで別個に取り扱おうと考えて、かつバラン
スウェイト付スライダー5単独の回転運動についていえ
ることであり、実際には一体的でかつスライダー部5a
は揺動軸受4内に嵌合されて滑り軸受構造を形成してい
るので、バランスウェイト付スライダー5全体の重心位
置にバランスウェイト付スライダー5全体の遠心力Fb
が作用し、かつその遠心力Fbは揺動軸受4とスライダ
ー部5a外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置で半
径方向に支持されるわけであるので、スクロール圧縮機
の運転時にはバランスウェイト部5bとスライダー部5
aのそれぞれの重心の軸方向位置を実質的に一致させた
としても、その重心位置が揺動軸受4とスライダー部5
a外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置すなわち遠
心力Fbの支持点と軸方向にずれていれば、バランスウ
ェイト付スライダー5を転倒させようとするモーメント
が結局バランスウェイト付スライダー5に作用してしま
い、揺動軸受4とスライダー部5a外周面の片当たりは
防止されない。
【0010】また図16に示されるような構成のスクロ
ール圧縮機において、バランスウェイト付スライダー5
を軸方向に支承する主軸部6bの外径より径の大きい鍔
部6cを形成すると組み立て方法の変更を余儀なくさ
れ、組み立て方法が複雑になる問題点がある。このよう
な鍔部6cを形成してしまうと、組み立て時偏心軸部6
aが主軸受12内を電動機固定子10側から通過するよ
うな前述の回転軸6の挿入方法が不可能となる。それは
主軸受12の内径より鍔部6cの外径の方が大きいた
め、鍔部6cが主軸受12内を通過できないためであ
り、主軸部6bと主軸受12が嵌合されなくなってしま
うためである。よってフレーム7の上部から副軸部6d
を先頭として回転軸6を挿入して、その後で、電動機回
転子11を偏心軸部6aの向きと第1および第2バラン
スウェイト60,61の位相を設定通りに合わせて、回
転軸6に焼嵌め固定しなければならないなど組み立て方
法が難しくなってしまう。そのため図16に示されるよ
うな構成のスクロール圧縮機では、バランスウェイト付
スライダー5を軸方向に支承する主軸部6bの外径より
径の大きい鍔部6cを形成すると、従来通りの容易な圧
縮機の組み立て方法が採用できないという問題点があっ
た。
【0011】運転中のスクロール圧縮機を停止すれば、
圧縮室3内は均圧されるべく、揺動スクロール2に圧縮
室3間の差圧が作用するため、スライド溝5cと偏心軸
部6a間の長手方向間隙のうち、偏心方向側の間隙50
bが狭まって、揺動スクロール2の渦巻体2b側面と固
定スクロール1の渦巻体1bの側面間に半径方向に隙間
が形成されたリリーフ状態で安定的に静止される。偏心
方向側の間隙50bが狭まっている状態とは、揺動スク
ロール2が正規公転半径Rc位置を占める状態と比べ
て、バランスウェイト付スライダー5の位置が揺動スク
ロール2の反偏心方向側に移動した位置に存在している
ことを意味するもので、このような状態では、回転軸6
の軸心と揺動軸受4内径中心間の水平距離すなわち揺動
スクロール2の公転半径は、正規公転半径Rcよりも小
さくなっている。一方で揺動スクロール2の反偏心方向
に存在するバランスウェイト付スライダー5の重心と回
転軸6の軸心間の水平距離すなわちバランスウェイト付
スライダー5の回転半径は、揺動スクロール2が正規公
転半径Rc位置を占める状態時の正規回転半径Rsより
も大きくなっていて、その状態でバランスウェイト付ス
ライダー5は静止している。よってこの静止状態から起
動すると、回転半径が増加しているバランスウェイト付
スライダー5の遠心力Fbの方が、公転半径が減少して
いる揺動スクロール2の遠心力Fcよりも大きくなって
しまう場合がある。こうなると遠心力の差によって偏心
方向側の間隙50bが零になるまで、バランスウェイト
付スライダー5は揺動スクロール2の反偏心方向側へ移
動し、揺動スクロール2は最大のリリーフ状態(両渦巻
体1b,2b間に最大の半径方向隙間が形成された状
態)で公転運動されることとなり、冷媒ガス等の圧縮作
用は行われない。圧縮作用が行われないと、圧縮ガスに
よる接線方向ガス負荷Fgも発生されないため、揺動ス
クロール2の公転半径を大きくさせようとする力は発生
せず、いつまでも圧縮作用は行われない。このようにバ
ランスウェイト付スライダー5を搭載した場合、偏心方
向側の間隙50bが狭まって、揺動スクロール2の渦巻
体2b側面と固定スクロール1の渦巻体1bの側面間に
半径方向に隙間が形成されたリリーフ状態から起動する
と、冷媒ガス等の圧縮ができなくなるという問題点があ
った。また組み立てた直後のスクロール圧縮機でもスラ
イド溝5cと偏心軸部6a間の長手方向間隙のうち、偏
心方向側の間隙50bが狭まって、揺動スクロール2の
渦巻体2b側面と固定スクロール1の渦巻体1bの側面
間に半径方向に隙間が形成された状態であることがあ
り、初起動時に同様な問題が起こり得る。
【0012】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、バランスウェイト付スライダー
を搭載した場合でも、揺動軸受とバランスウェイト付ス
ライダーのスライダー部外周面の片当たりを防止し、摩
耗や焼付きのない信頼性の高いスクロール圧縮機を得る
ことを目的とする。
【0013】またこの発明は、主軸部の直径より径の大
きい鍔部を形成することなく、バランスウェイト付スラ
イダーが搭載可能となるスクロール圧縮機を得ることを
目的とする。
【0014】またこの発明は、組み立て直後や停止直後
に圧縮室内が均圧されるべく揺動スクロールがリリーフ
状態となった場合でも、起動時から確実に冷媒ガス等の
圧縮が行われるバランスウェイト付スライダーが搭載さ
れたスクロール圧縮機を得ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成させるた
めに、この発明の第1の発明に係わるスクロール圧縮機
は、バランスウェイト付スライダーの重心の軸方向位置
を、揺動軸受と前記スライダー部外周面の軸方向の回転
摺動範囲の中央位置にほぼ一致させたものである。
【0016】また、第2の発明のに係わるスクロール圧
縮機は、バランスウェイト付スライダーの下端面からバ
ランスウェイト部の上端面までの軸方向距離を、バラン
スウェイト付スライダーの下端面からスライダー部の上
端面までの軸方向距離よりも大きくしたものである。
【0017】また、第3の発明に係わるスクロール圧縮
機は、バランスウェイト付スライダーのバランスウェイ
ト部を、密度の異なる材料を軸方向に揺動軸受とスライ
ダー部外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置より圧
縮機構側で一体的に結合して形成し、圧縮機構側の材料
の密度を他のバランスウェイト部およびスライダー部の
材料の密度より大きくしたものである。
【0018】また、第4の発明に係わるスクロール圧縮
機は、主軸部の上端面とバランスウェイト付スライダー
の下端面を接触させ、バランスウェイト付スライダーの
スライド移動可能な全範囲で、バランスウェイト付スラ
イダーの重心の位置を主軸部の直径内に位置させたもの
である。
【0019】また、第5の発明に係わるスクロール圧縮
機は、バランスウェイト付スライダーのバランスウェイ
ト部の揺動スクロール偏心方向側面を回転軸の軸心より
揺動スクロールの偏心方向側に位置させるとともに、バ
ランスウェイト付スライダー下端面からバランスウェイ
ト部の上端面までの軸方向距離を、バランスウェイト付
スライダーの下端面からスライダー部の上端面までの軸
方向距離よりも大きくしたものである。
【0020】また、第6の発明に係わるスクロール圧縮
機は、スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール偏心方
向側の間隙に、スライド溝の揺動スクロール偏心方向側
端壁に対して両端支持状態となる平板を装入し、固定ス
クロールを揺動スクロールに組み合わせて固定すること
で、両端支持位置のほぼ中央で平板に偏心軸部の揺動ス
クロール偏心方向側端面が軸方向に線接触し、平板が変
形して弾性力を発生し、スクロール圧縮機が停止中はこ
の弾性力により常時揺動スクロールの渦巻体側面を固定
スクロールの渦巻体側面に押圧接触させたものである。
【0021】また、第7の発明に係わるスクロール圧縮
機は、スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール偏心方
向側の間隙に、スライド溝の揺動スクロール偏心方向側
端壁に対して両端支持状態となる平板を装入し、揺動ス
クロールが固定スクロールの渦巻体および揺動スクロー
ルの渦巻体によって決定される正規公転半径位置を占め
た状態では平板は変形することなく、両端支持位置のほ
ぼ中央で平板に偏心軸部の揺動スクロール偏心方向側端
面が軸方向に線接触しており、揺動スクロールが正規公
転半径位置より小さい公転半径に位置したときには、線
接触位置を起点として平板が変形して正規公転半径位置
に移動させようとする弾性力を発生させるよう構成した
ものである。
【0022】また、第8の発明に係わるスクロール圧縮
機は、スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール偏心方
向側の間隙が零となるような揺動スクロールの渦巻体側
面と固定スクロールの渦巻体側面の半径方向隙間が最大
となる状態(最大リリーフ状態)にあっても、バランス
ウェイト付スライダーの遠心力が揺動スクロールの遠心
力よりも小さくなるようバランスウェイト付スライダー
の重量および重心位置を設定したものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下この発明の実施の形態1を図により
説明する。図1は実施の形態1を示す要部縦断面図であ
り、従来例と同様あるいは相当する部分については同一
符号を付し、その説明は省略する。5dはバランスウェ
イト付スライダー5の下端面、5eはバランスウェイト
部5bの上端面、5fはスライダー部5aの上端面であ
る。スライダー部5aは揺動軸受4の軸方向幅の全域で
回転摺動するように、スライダー部上端面5fは揺動軸
受4の上端と同等か上部に位置している。そしてバラン
スウェイト付スライダー5の重心Cの軸方向位置を揺動
軸受4の軸方向幅のほぼ中央位置となるように設定して
いる。なお、図1の線分P−Pは、陽動軸受4とスライ
ダ−部5a外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置を
示す線分である(後に述べる図2、図3においても同
じ)。
【0024】本スクロール圧縮機が運転されると、バラ
ンスウェイト付スライダー5は、回転運動時その重心C
位置に遠心力Fbが作用し、この遠心力Fbが揺動軸受
4を介して揺動スクロール2に伝達され、公転運動によ
り揺動スクロール2の重心に前記遠心力Fbとは反対方
向に作用する揺動スクロール2の遠心力Fcの一部また
は全部を相殺するが、バランスウェイト付スライダー5
の遠心力Fbが揺動軸受4を介して揺動スクロール2に
伝達される際、遠心力Fbの伝達は潤滑油によって発生
する油膜圧力によって揺動軸受4とスライダー部5a外
周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置で行われる。す
なわちバランスウェイト付スライダー5の重心に作用す
る遠心力Fbは、揺動軸受4とスライダー部5a外周面
の軸方向の回転摺動範囲の中央位置で半径方向に支持さ
れるわけであり、本実施の形態では、揺動軸受4の軸方
向幅全域が回転摺動範囲なので、揺動軸受4の軸方向幅
中央位置で支持されることになる。そして、バランスウ
ェイト付スライダー5の重心の軸方向位置を揺動軸受4
の軸方向幅のほぼ中央位置に設定しているので、バラン
スウェイト付スライダー5に作用する遠心力Fbの作用
点とその遠心力Fbを半径方向に支持する支持点が、ほ
ぼ同一平面上に配置されることになり、このためバラン
スウェイト付スライダー5にはモーメントが作用するこ
とはなく、揺動軸受4とスライダー部5a外周面は常に
平行状態を維持でき、片当たりは起こらず、良好な潤滑
状態が安定的に維持できる。
【0025】バランスウェイト付スライダー5には、ス
ライダー部5aとバランスウェイト部5bの間に揺動ス
クロール2のボス部2cおよび揺動軸受4が介在するの
に必要な半径方向の空間が必要であるため、バランスウ
ェイト部5bはその一部をボス部2cの下側でスライダ
ー部5aと連結しなければならない。そのためバランス
ウェイト付スライダー5の重心の軸方向位置は、従来例
のように揺動軸受4の軸方向幅の中央位置よりもバラン
スウェイト付スライダー5の下端面5d側に位置しがち
であるが、本実施の形態ではバランスウェイト付スライ
ダー5の重心の軸方向位置を揺動軸受4とスライダー部
5a外周面の軸方向の回転摺動範囲のほぼ中央位置とな
るように設定する方法として、図1に示すように、バラ
ンスウェイト部5bの高さをスライダー部5aの高さよ
り高くする方法を取っている。すなわちバランスウェイ
ト付スライダーの下端面5dからバランスウェイト部の
上端面5eまでの距離をバランスウェイト付スライダー
の下端面5dからスライダー部の上端面5fまでの距離
よりも大きく設定していて、バランスウェイト付スライ
ダー5のなかで重量割合の大きいバランスウェイト部5
bの単独の重心の軸方向位置を揺動スクロール2側に移
行させて、バランスウェイト付スライダー5全体の重心
位置が揺動軸受4の軸方向幅のほぼ中央位置となるよう
に設定している。
【0026】また別の方法として、図2にその縦断面を
示すようにバランスウェイト部5bが密度の異なる2種
類の材料を軸方向に、ボルト固定や強制的な嵌合、ある
いは溶接や化学的な溶着または接着剤による結合等で揺
動軸受4とスライダー部5a外周面の軸方向の回転摺動
範囲の中央位置すなわち揺動軸受4の軸方向幅の中央位
置より揺動スクロール2側で一体的に結合して形成し、
揺動スクロール2側の部位51bを下部の残りのバラン
スウェイト部およびスライダー部5aの材料より密度の
大きい材料でバランスウェイト付スライダー5を構成す
ることで、バランスウェイト部5bの単独の重心の軸方
向位置を揺動スクロール2側に移行させて、バランスウ
ェイト付スライダー5全体の重心位置を揺動軸受4の軸
方向幅のほぼ中央位置となるように設定することが可能
となる。このようにバランスウェイト付スライダー5を
構成すれば、バランスウェイト付スライダー5を収納す
る空間を大きくする必要がない。
【0027】また図3にその縦断面を示すように揺動軸
受4とスライダー部5a外周面の軸方向の回転摺動範囲
の中央位置すなわち揺動軸受4の軸方向幅の中央位置よ
り揺動スクロール2側で境を持つように、バランスウェ
イト部5bを外径が2つある軸方向に2段構造として、
揺動スクロール2側の部位の外径を下部の残りのバラン
スウェイト部の外径より大きく設定することでも、バラ
ンスウェイト部5bの単独の重心の軸方向位置を揺動ス
クロール2側に移行させて、バランスウェイト付スライ
ダー5全体の重心位置を揺動軸受4の軸方向幅のほぼ中
央位置となるように設定することが可能となる。このよ
うにバランスウェイト付スライダー5を構成すれば、バ
ランスウェイト付スライダー5を収納する空間を軸方向
に大きくする必要がない。
【0028】なお上記実施の形態とは異なり、揺動軸受
4の軸方向幅全域がスライダー部5a外周面との回転摺
動範囲に使われない場合(例えば揺動軸受4の上端より
スライダー部上端面5fが下方に位置する場合等)に
は、揺動軸4受の中央位置ではなくその回転摺動範囲の
軸方向中央位置にバランスウェイト付スライダー5の重
心の軸方向位置を設定することで、バランスウェイト付
スライダー5に作用する遠心力Fbの作用点とその遠心
力Fbを半径方向に支持する支持点が、ほぼ同一平面上
に配置されることになり、同様な効果が得られる。
【0029】実施の形態2.次にこの発明の実施の形態
2を図により説明する。図4は実施の形態2を示す要部
縦断面図であり、図5は要部横断面図である。従来例お
よび実施の形態1と同様あるいは相当する部分について
は同一符号を付し、その説明は省略する。図4に示され
ない他の部分は図16と同様に構成されていて、回転軸
6を半径方向に軸支する主軸受12が、回転軸6を回転
駆動させる電動機10,11の上側にまた同じく回転軸
6を半径方向に軸支する副軸受14が電動機10,11
の下側に配置された全体構成を有するものである。図5
に示す5gはバランスウェイト部5bの揺動スクロール
2の偏心方向側面である。図4に示すように従来例の図
13とは異なり、回転軸6には偏心軸部6aと主軸部6
bの間には主軸部6bの外径より径の大きい鍔部は形成
されておらず、主軸部6bが主軸受12より圧縮機構側
に突出され、主軸部6bの上端面6eに直接バランスウ
ェイト付スライダー5の下端面5dが接触している。図
5は揺動スクロール2が正規公転半径Rcに位置してい
る状態を示し、その状態にあって、バランスウェイト付
スライダー5の重心C位置は主軸部6bの直径内に存在
されるよう設定している。なお図5において破線で示す
円が主軸部6bの外径を示している。
【0030】バランスウェイト付スライダー5の遠心力
Fbは、回転軸6の軸心Aとバランスウェイト付スライ
ダー5の重心C位置との水平距離、これが回転半径で、
この回転半径とバランスウェイト付スライダー5の重量
で決定される。所定の遠心力Fbを得るためには、回転
数を除けば、回転半径と重量を操作することになる。所
定の遠心力Fbをバランスウェイト付スライダー5の重
量を軽くしようとして得ようとすれば、回転半径を大き
く設定すればよいが、それは重心の位置をよりバランス
ウェイト5bの外周側よりに設定することを意味する。
バランスウェイト付スライダー5の重心位置でバランス
ウェイト付スライダー下端面5dを軸方向に支持する部
材がないとバランスウェイト付スライダー5は軸方向に
支持されず転倒してしまう。従来例では主軸部6bの直
径の外側にバランスウェイト付スライダー5の重心位置
が位置されるため、主軸部6b直径より径の大きい鍔部
6cが形成され、この鍔部6cの直径内にバランスウェ
イト付スライダー5の重心位置を位置させて、鍔部6c
で軸方向に支持して転倒を防止しているわけである。
【0031】しかし本実施の形態では、バランスウェイ
ト付スライダー5の重心位置を主軸部6bの直径内に存
在させているので、従来例図13のような鍔部を形成す
ることなく、直接的に主軸部6bの上端面6eにバラン
スウェイト付スライダー5の下端面5dを接触させて
も、バランスウェイト付スライダー5の重心位置の軸方
向線上でバランスウェイト付スライダー下端面5dと主
軸部上端面6eが接触しているため、バランスウェイト
付スライダー5は軸方向に安定して支持される。そのた
め回転軸を半径方向に軸支する軸受が、回転軸を回転駆
動させる電動機を挟んでその電動機の両側に1個ずつ設
置される構成であっても、鍔部がないため図16に示し
た従来例と同様に偏心軸部6aが先頭となって主軸受1
2の反圧縮機構側から主軸受12内周を通過するような
かたちとなって挿入する容易な組み立て方法での組み立
てが可能となる。
【0032】またこの本実施の形態のバランスウェイト
付スライダー5の重心位置は揺動スクロール2が両スク
ロールの渦巻体1b,2bで決定される正規公転半径R
c位置を占めた状態の時だけでなく、図6に示すように
スライド溝5cと偏心軸部6a間の長手方向間隙のう
ち、偏心方向側の間隙50bが零となって、逆に言えば
反偏心方向側の間隙50aが最大となって、回転軸6の
軸心A(主軸部6bの中心と同心)とバランスウェイト
付スライダー5の重心C位置間の水平距離が最も大きく
なる状態でも、バランスウェイト付スライダー5の重心
の位置が主軸部6bの直径内に存在するように設定して
いる。図6において破線で示す円が主軸部6bの外径を
示している。このため、運転中圧縮室3内に異物が混入
したりして、揺動スクロール2の公転半径が正規公転半
径Rcより小さくなってリリーフした時や、前述したよ
うに停止した時に圧縮室3内が均圧されるべく、揺動ス
クロール2に圧縮室3間の差圧が作用して揺動スクロー
ル2がリリーフ状態で静止された場合すなわち偏心方向
側間隙50bが狭まるか零になった場合でも、バランス
ウェイト付スライダー5は、その重心位置の軸方向線上
で下端面5dが主軸部上端面6eと接触しており、安定
的に軸方向に支持され、転倒することはない。よって運
転中や起動時に揺動軸受4に対してスライダー部5a外
周面は常に平行状態を維持でき、片当たりは起こらず、
良好な潤滑状態を安定的に維持できる。
【0033】偏心方向側間隙50bが零となるような状
態でも、バランスウェイト付スライダー5の重心位置が
主軸部6bの直径内に存在するように設定されていれ
ば、配置関係からいって当然反偏心方向側の間隙50a
が零となってもバランスウェイト付スライダー5の重心
C位置が主軸部6bの直径内に存在される。もちろん固
定スクロール1が組み合わされた状態ではこのような状
態は起こり得ないが、固定スクロール1の装着前の組み
立て時、偏心軸部6aにバランスウェイト付スライダー
5を嵌装させ、引き続き揺動スクロール2を揺動軸受4
がスライダー部5aに嵌合されるように設置するとき、
バランスウェイト付スライダー5は偏心軸部6aに対し
てスライド移動可能な全範囲のどこに位置されていて
も、転倒することはなく回転軸6軸線に平行状態に安定
した姿勢を保てるので、揺動軸受4とスライダー部5a
外周面の嵌合はスムースに行え、揺動スクロール2の設
置に特別な手段を用いる必要はない。
【0034】なお本実施の形態では、バランスウェイト
付スライダー5のスライド移動可能な全範囲で、バラン
スウェイト付スライダー5の重心位置が主軸部6bの直
径内に位置するように設定する方法として、図5に示す
ようにバランスウェイト部5bの偏心方向側面5gをス
ライダー部5aの外径中心(揺動軸受4の中心と同じ)
より揺動スクロール2の偏心方向側へ位置させている。
このようにしてバランスウェイト付スライダー5の重心
位置を回転軸6の軸心により近づけ、主軸部6bの直径
内に位置させる。それにより回転半径が小さくなるが、
その分を補うためにバランスウェイト付スライダー下端
面5dからバランスウェイト部の上端面5eまでの距離
をバランスウェイト付スライダー下端面5dからスライ
ダー部の上端面5fまでの距離よりも大きく設定し、バ
ランスウェイト部5bの重量を増して所定の遠心力Fb
を得るようにしている。なおここでは偏心方向側面5g
をスライダー部5aの外径中心(揺動軸受4の中心と同
じ)より揺動スクロール2の偏心方向側へ位置させた
が、回転軸6の軸心より揺動スクロール2の偏心方向側
へ位置させれば、同様な設定が可能である。
【0035】ところで主軸部6bの直径を変更すること
を認めれば、どのような形状のバランスウェイト付スラ
イダー5であっても簡単にバランスウェイト付スライダ
ー5の重心位置を主軸部6bの直径内に位置させること
は可能である。しかし主軸部6b直径増加が主軸受12
の摺動損失増加に与える影響がかなり大きいため、高速
運転を考えれば、主軸部6bの直径は可能な限り小さく
する設計を行い、摺動損失を小さくしようとするもので
あり、バランスウェイト付スライダー5を軸方向に安定
的に支持するだけのために、主軸部6bの直径を増加さ
せるようなことは行いたくない。本実施の形態でも特別
に主軸部6bの直径を増加させることはしておらず、前
述のような方法を取っているのである。
【0036】なお図5ではスライド溝5cの長手方向す
なわちバランスウェイト付スライダー5のスライド方向
が、揺動スクロール2の遠心力Fc方向(偏心方向)と
一致しているが、圧縮ガスによる接線方向ガス負荷Fg
の分力を利用するべく、バランスウェイト付スライダー
5のスライド方向を揺動スクロール2の遠心力Fc方向
と傾斜させても構わない。なお、バランスウエイト付ス
ライダ−の重心の位置に関して、前記実施の形態1及び
実施の形態2に記載のことを組合わせて、軸方向の重心
位置を揺動軸受とスライダ−部外周面の軸方向の回転摺
動範囲の中央位置にほぼ一致させ、かつ、軸方向と直角
方向の重心位置をバランスウエイト付スライダ−のスラ
イド移動範囲の全範囲で、主軸部の直径内に位置させる
ことで、それぞれ実施の形態に記載の作用、効果を兼ね
備えたバランスウエイト付スライダ−を得ることができ
る。
【0037】実施の形態3.次にこの発明の実施の形態
3を図により説明する。図7は実施の形態3を示す要部
縦断面図、図8は図7の要部横断面図である。従来例お
よび実施の形態1,2と同様あるいは相当する部分につ
いては同一符号を付し、その説明は省略する。図7およ
び図8において、 51cはスライド溝5cの揺動スク
ロール2の偏心方向側に位置する偏心方向側端壁で、ス
ライド溝5cの長手方向に直交しており、スライダー部
5aの外周側に窪んだ段部15が形成されている。15
aは段部15の端面である。16は平板であり、段部1
5に対して両端支持状態となるように、偏心方向側間隙
50bに装入されている。61aは偏心軸部6aの揺動
スクロール2の偏心方向側に位置する偏心方向側端面で
あり、略円弧状に形成されている。固定スクロール1が
揺動スクロール2に組み合わされる前の段階では、図8
に示されるように平板16は変形しておらず、揺動スク
ロール2は、正規公転半径Rcの位置よりも大きい公転
半径となる位置に位置しているが、固定スクロール1を
揺動スクロール2に組み合わせてフレーム7に固定する
と、揺動スクロール2が正規公転半径Rcの位置に戻さ
れ、このような状態になると平板16は図8のように両
端支持位置のほぼ中央すなわち段部15のほぼ中央位置
で偏心軸部の偏心方向側端面61aの頂点と軸方向に線
接触し、その接触線を中心として湾曲的に変形し、スラ
イド溝5cの長手方向すなわちバランスウェイト付スラ
イダー5のスライド方向に沿う弾性力Fsが発生され、
この弾性力Fsはバランスウェイト付スライダー5を揺
動スクロール2の公転半径を大きくしようとする方向す
なわち偏心方向側に押推しようとする力となって作用す
る。従ってスクロール圧縮機停止中もこの弾性力によ
り、常時揺動スクロール2の渦巻体2b側面は固定スク
ロール1の渦巻体1b側面に押圧接触されていて、揺動
スクロール2は正規公転半径Rcに位置する。なお正規
公転半径Rcに揺動スクロール2が位置しているとき、
図8に示すように変形された平板16と段部15の端面
15a間には隙間が形成されるようにしている。そのた
め圧縮室3に異物等が混入されたときも、平板16が図
8の状態より更に変形可能であり、揺動スクロール2は
公転半径が正規公転半径Rcより小さくなってリリーフ
することは可能である。
【0038】このように構成された運転中のスクロール
圧縮機を停止すれば、圧縮室3内は均圧されるべく、揺
動スクロール2に圧縮室3間の差圧が作用し、弾性力F
sに打ち勝って一旦揺動スクロール2の渦巻体2b側面
と固定スクロール1の渦巻体1bの側面間に半径方向に
隙間が形成されるリリーフ状態になるが、常時バランス
ウェイト付スライダー5を揺動スクロール2の公転半径
を大きくしようとする方向に押推しようとする弾性力を
作用させているので、均圧後はすぐにこの弾性力により
揺動スクロール2の渦巻体2b側面は固定スクロール1
の渦巻体1b側面に押圧接触されるようになる。つまり
揺動スクロール2は停止中常時正規公転半径Rcに位置
されることとなるわけである。よって停止中揺動スクロ
ール2がリリーフされた状態すなわち公転半径Rcより
小さい公転半径の位置で静止されることがないため、起
動時の揺動スクロール2の公転半径は必ず正規公転半径
Rcであり、またバランスウェイト付スライダー5の回
転半径も正規の値となる。このため起動時バランスウェ
イト付スライダー5の遠心力Fbの方が、揺動スクロー
ル2の遠心力Fcよりも大きくなってしまうことはな
く、遠心力に関連した揺動スクロール2のリリーフの問
題は生じない。したがって起動した瞬間から確実に冷媒
ガス等の圧縮作用は行われ、図15で示すような圧縮ガ
スによる接線方向ガス負荷Fgが得られ、平板16の弾
性力と併せた押推力が得られる。
【0039】なお固定スクロール1を揺動スクロール2
と組み合わせてフレーム7に固定する際、平板16を変
形させて固定することになるが(これにより弾性力が発
生する)、この弾性力は静止中の揺動スクロール2とバ
ランスウェイト付スライダー5をそれぞれの軸方向支持
部材(揺動スクロールの場合はフレームのスラスト面、
バランスウェイト付スライダーの場合は回転軸の主軸部
上端面あるいは鍔部上面)との静摩擦力に打ち勝って移
動できる程度の大きさでよいため、固定スクロール1の
装着に特別な治具は必要でない。
【0040】またこのように固定スクロール1を固定す
るにより弾性力が発生するので、組み立て後には揺動ス
クロール2は必ず正規公転半径Rcに位置されており、
初起動時も起動した瞬間から確実に冷媒ガス等の圧縮作
用は行われる。なお、本実施の形態では、スライド溝5
cの長手方向を揺動スクロ−ル2の遠心力方向(偏心方
向)と傾斜させているが、揺動スクロ−ル2の遠心方向
と一致させてもほん実施の構成をとることにより、同様
に揺動スクロ−ル2は停止中常時正規公転半径に位置さ
れ、起動時には起動によりかならず圧縮状態となり、遠
心力に関連した、冷媒ガスの圧縮作用ができないといっ
た問題は生じない。
【0041】実施の形態4.次にこの発明の実施の形態
4を図により説明する。図9は実施の形態4を示す要部
縦断面図、図10は図9の要部横断面図である。従来例
および実施の形態1〜3と同様あるいは相当する部分に
ついては同一符号を付し、その説明は省略する。図10
は揺動スクロール2が正規公転半径Rcに位置されたと
きの状態であり、このような状態にあって、平板16は
段部15に対して両端支持状態となっていて、両端支持
位置のほぼ中央すなわち段部15のほぼ中央位置で偏心
軸部の偏心方向側端面61aの頂点と軸方向に線接触し
ているが、変形はしていない。よってこの状態では平板
16は弾性力を発生していない。しかし揺動スクロール
2の公転半径が正規公転半径位置Rcより小さくなって
リリーフした時、すなわち図10の状態からバランスウ
ェイト付スライダー5が反偏心方向側間隙50aが大き
くなる方向に移動した時には、平板16は偏心軸部の偏
心方向側端面61aの頂点との軸方向線接触位置を起点
として湾曲的に変形し、弾性力が発生される。
【0042】このように構成された運転中のスクロール
圧縮機を停止すれば、圧縮室3内は均圧されるべく、揺
動スクロール2に圧縮室3間の差圧が作用し、揺動スク
ロール2の渦巻体2b側面と固定スクロール1の渦巻体
1bの側面間に半径方向に隙間が形成されるリリーフ状
態になるが、こうなると平板16は変形して弾性力を発
生するので、均圧後にはこの弾性力によりバランスウェ
イト付スライダー5は揺動スクロール2が正規公転半径
Rcの位置になる図10の状態(平板16の変形が零と
なる状態)まで戻される。よって揺動スクロール2は停
止中常時正規公転半径Rcに位置されることとなるわけ
であり、停止中揺動スクロール2がリリーフされた状態
すなわち正規公転半径Rcより小さい公転半径の位置で
静止されることはなく、そのため起動時の揺動スクロー
ル2の公転半径は必ず正規公転半径Rcとなり、またバ
ランスウェイト付スライダー5の回転半径も正規の値と
なる。このため起動時バランスウェイト付スライダー5
の遠心力Fbの方が、揺動スクロール2の遠心力Fcよ
りも大きくなってしまうことはなく、遠心力に関連した
揺動スクロール2のリリーフの問題は生じない。したが
って起動した瞬間から確実に冷媒ガス等の圧縮作用は行
われ、図15で示すような圧縮ガスによる接線方向ガス
負荷Fgが得られ、分力Fg・sinθなる押推力が得
られる。
【0043】またこのように固定スクロール1をフレー
ム7に固定する際も、正規公転半径Rc位置では平板1
6は弾性力を発生しないので、固定スクロール1の固定
に平板16の影響は全くない。そして組み立て後には揺
動スクロール2は必ず正規公転半径Rcに位置されるこ
とになるので、初起動時も起動した瞬間から確実に冷媒
ガス等の圧縮作用は行われる。なお、本実施の形態で
は、スライド溝5cの長手方向を揺動スクロ−ル2の遠
心力方向(偏心方向)と傾斜させているが、揺動スクロ
−ル2の遠心方向と一致させてもほん実施の構成をとる
ことにより、同様に揺動スクロ−ル2は停止中常時正規
公転半径に位置され、起動時には起動によりかならず圧
縮状態となり、遠心力に関連した、冷媒ガスの圧縮作用
ができないといった問題は生じない。
【0044】実施の形態5.次にこの発明の実施の形態
5を図により説明する。図11は実施の形態5を示す要
部縦断面図、図12は図11の要部横断面図である。従
来例および実施の形態1〜4と同様あるいは相当する部
分については同一符号を付し、その説明は省略する。図
12はスライド溝と偏心軸部間の偏心方向側の間隙が
零、逆に言えば図示される反偏心方向側の間隙50aが
最大値となるような状態であり、揺動スクロール2の渦
巻体2b側面と固定スクロール1の渦巻体1b側面の半
径方向隙間が最大となる揺動スクロール2の最大リリー
フ状態である。このような最大リリーフ状態における回
転軸6の軸心Aと揺動軸受4内径中心B間の水平距離す
なわち揺動スクロール2の公転半径をRr、回転軸6の
軸心Aとバランスウェイト付スライダー5重心C間の水
平距離すなわちバランスウェイト付スライダー5の回転
半径をRtとする。当然公転半径Rrは正規公転半径R
cより小さく、揺動スクロール2の公転半径としては最
小値となり、また回転半径Rtは正規回転半径Rsより
も大きく、バランスウェイト付スライダー5の回転半径
としては最大値となる。そして揺動スクロール2の重量
(含む揺動軸受4)をMc、バランスウェイト付スライ
ダー5の重量をMsとすると、本実施の形態では、 Mc×Rr > Ms×Rt [式1] となるようにバランスウェイト付スライダー5の重量M
Sおよび重心C位置が設定されている。
【0045】そのためこのような最大リリーフ状態から
起動された場合でも、揺動スクロール2に作用する遠心
力Fcの方がバランスウェイト付スライダー5に作用す
る遠心力Fbより大きいため、揺動スクロール渦巻体2
bの側面が固定スクロール渦巻体1bの側面に接触する
まで、揺動スクロール2およびバランスウェイト付スラ
イダー5は遠心力の差によって移動でき、揺動スクロー
ル2は正規公転半径Rcの位置に、またバランスウェイ
ト付スライダー5は正規回転半径Rsの位置に位置され
る。
【0046】よって本スクロール圧縮機を停止して、圧
縮室3内が均圧されるべく、揺動スクロール2に圧縮室
3間の差圧が作用して、揺動スクロール2がリリーフ状
態とされ、その位置で安定的に静止されてしまったり、
また偏心方向側の間隙50bが狭まって、揺動スクロー
ル2の渦巻体2b側面と固定スクロール1の渦巻体1b
の側面間に半径方向に隙間が形成された状態で組み立て
られた場合から起動されても、遠心力の差で揺動スクロ
ール渦巻体2bの側面が固定スクロール渦巻体1bの側
面に押圧接触されるので、確実に冷媒ガス等の圧縮作用
が行われる。そ用を行うことができる。
【0047】本実施の形態では、揺動スクロール2の最
大リリーフ状態においても、揺動スクロール2の遠心力
Fcの方がバランスウェイト付スライダー5の遠心力F
bより大きくなるようにバランスウェイト付スライダー
5を設定しているので、揺動スクロール2が正規公転半
径Rcに位置しているときには、最大リリーフ状態の遠
心力の差よりもっと大きな差で、揺動スクロール2の遠
心力Fcの方が大きくなる。これは正規公転半径Rcは
最大リリーフ時公転半径Rrより大きく、正規回転半径
Rsは最大リリーフ時回転半径Rtより小さいためで、
前述の[式1]から明らかである。よって通常のガス圧
縮運転時に揺動スクロール2に作用する遠心力Fcをバ
ランスウェイト付スライダー5の遠心力Fbによって全
部を相殺することはできないが、一部を相殺できること
だけでも高速運転時にはバランスウェイトの付いていな
いスライダーに比べれば、はるかに両スクロール渦巻体
側面間の接触押圧力は小さくできるし、また部品点数を
増やすことなく、確実に冷媒ガス等の圧縮作用は行うこ
とができる。
【0048】なお図12ではスライド溝5cの長手方向
すなわちバランスウェイト付スライダー5のスライド方
向が、揺動スクロール2の遠心力Fc方向(偏心方向)
と一致しているが、圧縮ガスによる接線方向ガス負荷F
gの分力を利用するべく、バランスウェイト付スライダ
ー5のスライド方向を揺動スクロール2の遠心力Fc方
向と傾斜させても構わない。
【0049】
【発明の効果】以上説明したとおり第1の発明に係わる
スクロール圧縮機によれば、バランスウェイト付スライ
ダーの重心の軸方向位置を、揺動軸受とスライダー部外
周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置にほぼ一致させ
たので、バランスウェイト付スライダーに作用する遠心
力の作用点とその遠心力を半径方向に支持する支持点
が、ほぼ同一平面上に配置されることになり、このため
バランスウェイト付スライダーにはモーメントが作用す
ることはなく、揺動軸受とスライダー部外周面は常に平
行状態を維持でき、片当たりは起こらず、良好な潤滑状
態が安定的に維持できる信頼性の高いスクロール圧縮機
が得られる効果がある。
【0050】また、第2の発明に係わるスクロール圧縮
機によれば、バランスウェイト付スライダーの下端面か
らバランスウェイト部の上端面までの軸方向距離を、バ
ランスウェイト付スライダーの下端面からスライダー部
の上端面までの軸方向距離よりも大きくしたので、容易
にバランスウェイト付スライダーの重心の軸方向位置
を、揺動軸受とスライダー部外周面の軸方向の回転摺動
範囲の中央位置に一致させることが可能となる。
【0051】また、第3の発明に係わるスクロール圧縮
機によれば、バランスウェイト付スライダーのバランス
ウェイト部を密度の異なる材料を軸方向に一体的に結合
して形成し、圧縮機構側の材料の密度を他のバランスウ
ェイト部およびスライダー部の材料の密度より大きくし
たので、容易にしかもバランスウェイト付スライダーを
収納する空間を大きくする必要もなく、バランスウェイ
ト付スライダーの重心の軸方向位置を、揺動軸受とスラ
イダー部外周面の軸方向の回転摺動範囲の中央位置に一
致させることが可能となる。
【0052】また、第4の発明に係わるスクロール圧縮
機によれば、主軸部の上端面とバランスウェイト付スラ
イダーの下端面を接触させ、バランスウェイト付スライ
ダーのスライド移動可能な全範囲で、バランスウェイト
付スライダーの重心位置が主軸部の直径内に位置させた
ので、特別にバランスウェイト付スライダーを軸方向に
支承する主軸部の外径より径の大きい鍔部を偏心軸部と
主軸部の間に形成する必要はなく、そのため回転軸を半
径方向に軸支する軸受が、回転軸を回転駆動させる電動
機を挟んでその電動機の両側に1個ずつ設置されるよう
な構成のスクロール圧縮機であっても、従来例で示され
た偏心軸部が先頭となって主軸受の反圧縮機構側から主
軸受内周を通過するようなかたちとなって挿入する容易
な組み立て方法をそのまま採用でき、圧縮機の組み立て
方法を複雑化することなくバランスウェイト付スライダ
ーの搭載が可能となり、また運転中圧縮室内に異物が混
入したりして、揺動スクロールがリリーフした時や、停
止した時に圧縮室内が均圧されるべく、揺動スクロール
に圧縮室間の差圧が作用して揺動スクロールがリリーフ
された状態で静止された場合でも、バランスウェイト付
スライダーは、安定的に軸方向に支持され、転倒するこ
とはなく、よって運転中や起動時に揺動軸受に対してス
ライダー部外周面は常に平行状態を維持でき、片当たり
は起こらず、良好な潤滑状態を安定的に維持できる信頼
性が高いスクロール圧縮機が得られる効果がある。また
鍔部が必要ないため、回転軸の材料コストも低減でき
る。
【0053】また、第5の発明に係わるスクロール圧縮
機によれば、バランスウェイト付スライダーのバランス
ウェイト部の揺動スクロール偏心方向側面を回転軸の軸
心より揺動スクロールの偏心方向側に位置させるととも
に、バランスウェイト付スライダー下端面からバランス
ウェイト部の上端面までの軸方向距離を、バランスウェ
イト付スライダーの下端面からスライダー部の上端面ま
での軸方向距離よりも大きくしたので、容易にバランス
ウェイト付スライダーのスライド移動可能な全範囲で、
バランスウェイト付スライダーの重心位置を主軸部の直
径内に位置させることが可能となる。
【0054】また、第6の発明に係わるスクロール圧縮
機によれば、スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール
偏心方向側の間隙に、スライド溝の揺動スクロール偏心
方向側端壁に対して両端支持状態となる平板を装入し、
固定スクロールを揺動スクロールに組み合わせて固定す
ることで、両端支持位置のほぼ中央で平板に偏心軸部の
揺動スクロール偏心方向側端面が軸方向に線接触し、平
板が変形して弾性力を発生し、スクロール圧縮機が停止
中はこの弾性力により常時揺動スクロールの渦巻体側面
を固定スクロールの渦巻体側面に押圧接触させる構成と
したので、スクロール圧縮機を停止した時、圧縮室内は
均圧されるべく、揺動スクロールに圧縮室間の差圧が作
用し、揺動スクロールがリリーフされても、均圧後はす
ぐに弾性力により揺動スクロール渦巻体側面は固定スク
ロール渦巻体側面に押圧接触されるようになるため、起
動時にバランスウェイト付スライダーの遠心力で揺動ス
クロールがリリーフしてしまい冷媒ガス等の圧縮作用が
できないといった不具合は生じず、バランスウェイト付
スライダーを搭載していても起動した瞬間から確実に圧
縮作用が可能となる信頼性の高いスクロール圧縮機が得
られる効果がある。
【0055】また、第7の発明に係わるスクロール圧縮
機によれば、スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール
偏心方向側の間隙に、スライド溝の揺動スクロール偏心
方向側端壁に対して両端支持状態となる平板を装入し、
揺動スクロールが固定スクロールの渦巻体および揺動ス
クロールの渦巻体によって決定される正規公転半径位置
を占めた状態では平板は変形することなく、両端支持位
置のほぼ中央で平板に前記偏心軸部の揺動スクロール偏
心方向側端面が軸方向に線接触しており、揺動スクロー
ルが正規公転半径位置より小さい公転半径に位置したと
きには、線接触位置を起点として平板が変形して正規公
転半径位置に移動させようとする弾性力を発生させるよ
う構成したので、スクロール圧縮機を停止した時、圧縮
室内は均圧されるべく、揺動スクロールに圧縮室間の差
圧が作用し、揺動スクロールがリリーフされても、均圧
後はすぐに弾性力により揺動スクロールは正規公転半径
位置に戻されるため、起動時にバランスウェイト付スラ
イダーの遠心力で揺動スクロールがリリーフしてしまい
冷媒ガス等の圧縮作用ができないといった不具合は絶対
に生じず、バランスウェイト付スライダーを搭載してい
ても起動した瞬間から確実に圧縮作用が可能となる信頼
性の高いスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0056】また、第8の発明に係わるスクロール圧縮
機によれば、スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール
偏心方向側の間隙が零となるような揺動スクロールの渦
巻体側面と前記固定スクロールの渦巻体側面の半径方向
隙間が最大となる状態にあっても、バランスウェイト付
スライダーの遠心力が揺動スクロールの遠心力よりも小
さくなるようバランスウェイト付スライダーの重量およ
び重心位置を設定したので、スクロール圧縮機を停止し
た時、圧縮室内は均圧されるべく、揺動スクロールに圧
縮室間の差圧が作用し、揺動スクロールがリリーフされ
て、その位置で安定的に静止されてしまった場合でも、
起動時には揺動スクロールに作用する遠心力の方がバラ
ンスウェイト付スライダーの遠心力より必ず大きいた
め、揺動スクロールがリリーフしてしまい冷媒ガス等の
圧縮作用ができないといった不具合は絶対に生じず、バ
ランスウェイト付スライダーを搭載していても起動から
確実に圧縮作用が可能となる信頼性の高いスクロール圧
縮機が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1を示す要部縦断面図で
ある。
【図2】この発明の実施の形態1の図1とは異なるバラ
ンスウェイト付スライダーを示す断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1の図2とは異なるバラ
ンスウェイト付スライダーを示す断面図である。
【図4】この発明の実施の形態2を示す要部縦断面図。
【図5】この発明の実施の形態2を示す要部横断面図。
【図6】実施の形態2で最大リリーフ状態示す要部横断
面図。
【図7】この発明の実施の形態3を示す要部縦断面図。
【図8】この発明の実施の形態3を示す要部横断面図。
【図9】この発明の実施の形態4を示す要部縦断面図。
【図10】この発明の実施の形態4を示す要部横断面
図。
【図11】この発明の実施の形態5を示す要部縦断面
図。
【図12】この発明の実施の形態5を示す要部横断面
図。
【図13】従来のバランスウェイト付スライダーを搭載
したスクロール圧縮機の要部縦断面図。
【図14】図13のスクロール圧縮機の要部横断面図。
【図15】図13とは別の従来のバランスウェイト付ス
ライダーを搭載したスクロール圧縮機の要部横断面図。
【図16】図13、図15とは別のスクロール圧縮機の
縦断面図。
【符号の説明】
1 固定スクロール、1a 台板、1b 渦巻体、2
揺動スクロール、2a台板、2b 渦巻体、3 圧縮
室、4 揺動軸受、5 バランスウェイト付スライダ
ー、5a スライダー部、5b バランスウェイト部、
5c スライド溝、5g バランスウェイト部偏心方向
側面、6 回転軸、6a 偏心軸部、6b主軸部、6d
副軸部、10、11 電動機、12 主軸受、14
副軸受、15 段部、16 平板、50a 反偏心方向
側間隙、50b 偏心方向側間隙、51c 偏心方向側
端壁、61a 偏心方向側端面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 博史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 渡辺 英治 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 泉沢 渉 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台板上に渦巻体を突設させた固定スクロ
    ールと、該固定スクロール渦巻体と位相を180度ずら
    して偏心させて組み合わせることにより圧縮室を形成す
    る渦巻体を台板上に突設させ、かつ台板の反渦巻体側に
    揺動軸受を有する揺動スクロールと、一端に偏心軸部を
    有する回転軸と、スライド溝を有するスライダー部とバ
    ランスウェイト部が一体的に形成されたバランスウェイ
    ト付スライダーとを有し、 該バランスウェイト付スライダーは前記スライド溝が前
    記偏心軸部に嵌装され、前記スライダー部の外周面が前
    記揺動軸受と回転可能に嵌合されており、偏心軸部に対
    して回転軸の軸線と直角な面内にスライド溝に沿ったス
    ライド移動が可能であって、このスライド移動により前
    記揺動スクロールの公転半径を可変としたスクロール圧
    縮機において、 前記バランスウェイト付スライダーの重心の軸方向位置
    を、前記揺動軸受と前記スライダー部外周面の軸方向の
    回転摺動範囲の中央位置にほぼ一致させたことを特徴と
    するスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記バランスウェイト付スライダーの下
    端面から前記バランスウェイト部の上端面までの軸方向
    距離を、前記バランスウェイト付スライダーの下端面か
    ら前記スライダー部の上端面までの軸方向距離よりも大
    きくしたことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧
    縮機。
  3. 【請求項3】 前記バランスウェイト付スライダーのバ
    ランスウェイト部を密度の異なる材料を軸方向に前記揺
    動軸受と前記スライダー部外周面の軸方向の回転摺動範
    囲の中央位置より揺動スクロ−ル側で一体的に結合して
    形成し、揺動スクロ−ル側の材料の密度を他のバランス
    ウェイト部およびスライダー部の材料の密度より大きく
    したことを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮
    機。
  4. 【請求項4】 台板上に渦巻体を突設させた固定スクロ
    ールと、該固定スクロール渦巻体と位相を180度ずら
    して偏心させて組み合わせることにより圧縮室を形成す
    る渦巻体を台板上に突設させ、かつ台板の反渦巻体側に
    揺動軸受を有する揺動スクロールと、一端に偏心軸部を
    有するとともに、主軸部および副軸部を有する回転軸
    と、スライド溝を有するスライダー部とバランスウェイ
    ト部が一体的に形成されたバランスウェイト付スライダ
    ーと、前記回転軸に回転駆動させる電動機と、該電動機
    を挟んで、揺動スクロ−ル側で前記主軸部と嵌合され、
    前記回転軸を半径方向に軸支する主軸受と、反揺動スク
    ロ−ル側で前記副軸部と嵌合され、前記回転軸を半径方
    向に軸支する副軸受とを有し、 前記バランスウェイト付スライダーは前記スライド溝が
    前記偏心軸部に嵌装され、前記スライダー部の外周面が
    前記揺動軸受と回転可能に嵌合されており、偏心軸部に
    対して回転軸の軸線と直角な面内にスライド溝に沿った
    スライド移動が可能であって、このスライド移動により
    前記揺動スクロールの公転半径を可変としたスクロール
    圧縮機において、 前記主軸部の上端面と前記バランスウェイト付スライダ
    ーの下端面を接触させ、バランスウェイト付スライダー
    のスライド移動可能な全範囲で、バランスウェイト付ス
    ライダーの重心位置が主軸部の直径内に位置することを
    特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記バランスウェイト付スライダーのバ
    ランスウェイト部の揺動スクロール偏心方向側面を前記
    回転軸の軸心より揺動スクロールの偏心方向側に位置さ
    せるとともに、前記バランスウェイト付スライダー下端
    面から前記バランスウェイト部の上端面までの軸方向距
    離を、前記バランスウェイト付スライダーの下端面から
    前記スライダー部の上端面までの軸方向距離よりも大き
    くしたことを特徴とする請求項4記載のスクロール圧縮
    機。
  6. 【請求項6】 台板上に渦巻体を突設させた固定スクロ
    ールと、該固定スクロール渦巻体と位相を180度ずら
    して偏心させて組み合わせることにより圧縮室を形成す
    る渦巻体を台板上に突設させ、かつ台板の反渦巻体側に
    揺動軸受を有する揺動スクロールと、一端に偏心軸部を
    有する回転軸と、スライド溝を有するスライダー部とバ
    ランスウェイト部が一体的に形成されたバランスウェイ
    ト付スライダーとを有し、 該バランスウェイト付スライダーは前記スライド溝が前
    記偏心軸部に嵌装され、前記スライダー部の外周面が前
    記揺動軸受と回転可能に嵌合されており、偏心軸部に対
    して回転軸の軸線と直角な面内にスライド溝に沿ったス
    ライド移動が可能となるよう前記スライド溝と前記偏心
    軸部の間にはスライド移動方向に揺動スクロールの偏心
    方向側と反偏心方向側の両方に間隙が形成され、このス
    ライド移動により前記揺動スクロールの公転半径を可変
    としたスクロール圧縮機において、 前記スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール偏心方向
    側の間隙に、スライド溝の揺動スクロール偏心方向側端
    壁に対して両端支持状態となる平板を装入し、前記固定
    スクロールを揺動スクロールに組み合わせて固定するこ
    とで、前記両端支持位置のほぼ中央で前記平板に前記偏
    心軸部の揺動スクロール偏心方向側端面が軸方向に線接
    触し、前記平板が変形して弾性力を発生し、スクロール
    圧縮機が停止中はこの弾性力により常時揺動スクロール
    の渦巻体側面を固定スクロールの渦巻体側面に押圧接触
    させていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 台板上に渦巻体を突設させた固定スクロ
    ールと、該固定スクロール渦巻体と位相を180度ずら
    して偏心させて組み合わせることにより圧縮室を形成す
    る渦巻体を台板上に突設させ、かつ台板の反渦巻体側に
    揺動軸受を有する揺動スクロールと、一端に偏心軸部を
    有する回転軸と、スライド溝を有するスライダー部とバ
    ランスウェイト部が一体的に形成されたバランスウェイ
    ト付スライダーとを有し、 該バランスウェイト付スライダーは前記スライド溝が前
    記偏心軸部に嵌装され、前記スライダー部の外周面が前
    記揺動軸受と回転可能に嵌合されており、偏心軸部に対
    して回転軸の軸線と直角な面内にスライド溝に沿ったス
    ライド移動が可能となるよう前記スライド溝と前記偏心
    軸部の間にはスライド移動方向に揺動スクロールの偏心
    方向側と反偏心方向側の両方に間隙が形成され、このス
    ライド移動により前記揺動スクロールの公転半径を可変
    としたスクロール圧縮機において、 前記スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール偏心方向
    側の間隙に、スライド溝の揺動スクロール偏心方向側端
    壁に対して両端支持状態となる平板を装入し、前記揺動
    スクロールが前記固定スクロールの渦巻体および揺動ス
    クロールの渦巻体によって決定される正規公転半径位置
    を占めた状態では前記平板は変形することなく、前記両
    端支持位置のほぼ中央で前記平板に前記偏心軸部の揺動
    スクロール偏心方向側端面が軸方向に線接触しており、
    揺動スクロールが前記正規公転半径位置より小さい公転
    半径に位置したときには、前記線接触位置を起点として
    前記平板が変形して正規公転半径位置に移動させようと
    する弾性力を発生させるよう構成したことを特徴とする
    スクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 台板上に渦巻体を突設させた固定スクロ
    ールと、該固定スクロール渦巻体と位相を180度ずら
    して偏心させて組み合わせることにより圧縮室を形成す
    る渦巻体を台板上に突設させ、かつ台板の反渦巻体側に
    揺動軸受を有する揺動スクロールと、一端に偏心軸部を
    有する回転軸と、スライド溝を有するスライダー部とバ
    ランスウェイト部が一体的に形成されたバランスウェイ
    ト付スライダーとを有し、該バランスウェイト付スライ
    ダーは前記スライド溝が前記偏心軸部に嵌装され、前記
    スライダー部の外周面が前記揺動軸受と回転可能に嵌合
    されており、偏心軸部に対して回転軸の軸線と直角な面
    内にスライド溝に沿ったスライド移動が可能となるよう
    前記スライド溝と前記偏心軸部の間にはスライド移動方
    向に揺動スクロールの偏心方向側と反偏心方向側の両方
    に間隙が形成され、このスライド移動により前記揺動ス
    クロールの公転半径を可変としたスクロール圧縮機にお
    いて、 前記スライド溝と偏心軸部間の揺動スクロール偏心方向
    側の間隙が零となるような前記揺動スクロールの渦巻体
    側面と前記固定スクロールの渦巻体側面の半径方向隙間
    が最大となる状態にあっても、前記バランスウェイト付
    スライダーの遠心力が前記揺動スクロールの遠心力より
    も小さくなるようバランスウェイト付スライダーの重量
    および重心位置を設定したことを特徴とするスクロール
    圧縮機。
JP8686497A 1997-04-04 1997-04-04 スクロール圧縮機 Pending JPH10281083A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8686497A JPH10281083A (ja) 1997-04-04 1997-04-04 スクロール圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8686497A JPH10281083A (ja) 1997-04-04 1997-04-04 スクロール圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10281083A true JPH10281083A (ja) 1998-10-20

Family

ID=13898693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8686497A Pending JPH10281083A (ja) 1997-04-04 1997-04-04 スクロール圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10281083A (ja)

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2371091A (en) * 1999-12-02 2002-07-17 Scroll Tech Counterweight for reduced height sealed compressor
JP2014118954A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
JP2014185589A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
WO2015107705A1 (ja) * 2014-01-20 2015-07-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2015190195A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2015194000A1 (ja) * 2014-06-18 2015-12-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機およびその製造方法
JPWO2016129070A1 (ja) * 2015-02-12 2017-06-29 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2017138098A1 (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2017199588A1 (ja) * 2016-05-20 2017-11-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2019026272A1 (ja) 2017-08-04 2019-02-07 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JP2020112142A (ja) * 2019-01-16 2020-07-27 サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 スクロール型流体機械
JP2021509162A (ja) * 2018-02-28 2021-03-18 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 スクロール圧縮機における動的半径方向コンプライアンス
US20210340983A1 (en) * 2020-04-30 2021-11-04 Emerson Climate Technologies Gmbh Coupling Between Crankshaft And Orbiting Scroll Plate
EP4095386A4 (en) * 2020-01-21 2024-02-14 Emerson Climate Technologies (Suzhou) Co., Ltd. SPIRAL COMPRESSOR

Cited By (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2371091A (en) * 1999-12-02 2002-07-17 Scroll Tech Counterweight for reduced height sealed compressor
JP2014118954A (ja) * 2012-12-19 2014-06-30 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
JP2014185589A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機
WO2015107705A1 (ja) * 2014-01-20 2015-07-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JPWO2015107705A1 (ja) * 2014-01-20 2017-03-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
US10208750B2 (en) 2014-06-11 2019-02-19 Mitsubishi Electric Corporation Posture control of a balance weight in a scroll compressor
WO2015190195A1 (ja) * 2014-06-11 2015-12-17 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
CN106415012A (zh) * 2014-06-11 2017-02-15 三菱电机株式会社 涡旋压缩机
JPWO2015190195A1 (ja) * 2014-06-11 2017-04-20 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2015194000A1 (ja) * 2014-06-18 2015-12-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機およびその製造方法
JPWO2015194000A1 (ja) * 2014-06-18 2017-04-20 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機およびその製造方法
US10480508B2 (en) 2015-02-12 2019-11-19 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor
JPWO2016129070A1 (ja) * 2015-02-12 2017-06-29 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2017138098A1 (ja) * 2016-02-09 2017-08-17 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JPWO2017138098A1 (ja) * 2016-02-09 2018-04-26 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
CN108603500A (zh) * 2016-02-09 2018-09-28 三菱电机株式会社 涡旋压缩机
JPWO2017199588A1 (ja) * 2016-05-20 2018-12-06 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
WO2017199588A1 (ja) * 2016-05-20 2017-11-23 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
US10859083B2 (en) 2016-05-20 2020-12-08 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor
WO2019026272A1 (ja) 2017-08-04 2019-02-07 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
US11193488B2 (en) 2017-08-04 2021-12-07 Mitsubishi Electric Corporation Scroll compressor
JP2021509162A (ja) * 2018-02-28 2021-03-18 日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社 スクロール圧縮機における動的半径方向コンプライアンス
JP2020112142A (ja) * 2019-01-16 2020-07-27 サンデン・オートモーティブコンポーネント株式会社 スクロール型流体機械
EP4095386A4 (en) * 2020-01-21 2024-02-14 Emerson Climate Technologies (Suzhou) Co., Ltd. SPIRAL COMPRESSOR
US20210340983A1 (en) * 2020-04-30 2021-11-04 Emerson Climate Technologies Gmbh Coupling Between Crankshaft And Orbiting Scroll Plate
US11668306B2 (en) * 2020-04-30 2023-06-06 Emerson Climate Technologies Gmbh Coupling between crankshaft and orbiting scroll plate

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4560021B2 (ja) スクロール型機械
US4734020A (en) Scroll type compressor with spiral oil feeding grooves in thrust bearing
JPH10281083A (ja) スクロール圧縮機
JPH04272403A (ja) 最適のカプリングを有する共回転式スクロール装置
JP2017078361A (ja) スクロール流体機械
KR100274943B1 (ko) 소음 감소형 스크롤 기계
JP2897449B2 (ja) スクロール圧縮機の可変クランク機構
JPH10220369A (ja) スクロール圧縮機
JPS6213789A (ja) スクロ−ル圧縮機
JP3951349B2 (ja) スクロール圧縮機
JP2616093B2 (ja) スクロール圧縮機
WO2019073605A1 (ja) スクロール圧縮機
JP6685689B2 (ja) スクロール流体機械
JPH10281084A (ja) スクロール圧縮機
CN112384699A (zh) 涡旋式压缩机
JP7241925B2 (ja) スクロール圧縮機
JP3252687B2 (ja) スクロール圧縮機
KR100390430B1 (ko) 스크롤 유체기계의 축방향 순응구조
WO2024042984A1 (ja) スクロール圧縮機
WO2022158198A1 (ja) スクロール型圧縮機
JP2886968B2 (ja) スクロール流体機械
JPH08232873A (ja) スクロール型圧縮装置
KR880001666B1 (ko) 스크롤(scroll) 유체기계
CN117514774A (zh) 压缩机和组装该压缩机的方法
JPH0794824B2 (ja) スクロール圧縮機