JP2002180979A - スクロール型圧縮機およびガス圧縮方法 - Google Patents

スクロール型圧縮機およびガス圧縮方法

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JP2002180979A
JP2002180979A JP2000374812A JP2000374812A JP2002180979A JP 2002180979 A JP2002180979 A JP 2002180979A JP 2000374812 A JP2000374812 A JP 2000374812A JP 2000374812 A JP2000374812 A JP 2000374812A JP 2002180979 A JP2002180979 A JP 2002180979A
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Kazuhiro Kuroki
和博 黒木
Hiroyuki Motonami
博之 元浪
Takeshi Mizufuji
健 水藤
Yasushi Watanabe
靖 渡辺
Kazuya Kimura
一哉 木村
Masahiro Kawaguchi
真広 川口
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スクロール型圧縮機において、低速運転時に
おける起動性の向上と、高速運転時における圧縮容積の
増加とを簡便に両立させることができる合理的なガス圧
縮技術を提供する。 【解決手段】 スクロール型圧縮機1において、固定渦
巻羽根28の最外周には、可動渦巻羽根30の最外周壁
部33との間で第1のガス閉じ込み領域C1を形成可能
な延長羽根部29が設けられている。また、固定スクロ
ール基板3における可動スクロール基板24の端部との
軸方向対向部には、凹状の座ぐり逃がし部31aが設け
られている。第1のガス閉じ込み領域C1は、可動スク
ロール20の旋回に伴って吐出に至るまでの区間のうち
の所定区間、座ぐり逃がし部31aを介して吸入側と連
通される。これにより、ガス閉じ込み領域C1の冷媒ガ
スは、可動スクロール20の低回転時には座ぐり逃がし
部31aを介して吸入側へ洩れ込み易く、可動スクロー
ル20の回転速度が増加するにつれて吸入側へ洩れ込み
難くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転圧縮機等とし
て用いられるスクロール型圧縮機において、ガスを圧縮
して高圧化するガス圧縮技術に関する。
【0002】
【従来の技術】特開平11−82331号公報には、一
般的なスクロール型圧縮機が開示されている。このスク
ロール型圧縮機は、可動スクロールを固定スクロールに
対して旋回させながら圧縮室の体積を縮小させて冷媒ガ
スを圧縮するものである。また可動スクロールおよび固
定スクロールのいずれにも渦巻き状の渦巻羽根が立設し
ており、この渦巻羽根を構成する延長羽根部の内壁に
は、羽根の厚みが薄くなる方向に変位させた変位面が設
けられている。この変位面は、圧縮室とその圧縮室より
も低圧側の圧縮室とを連通するように構成されている。
このような構成において、可動スクロールの低速運転時
では、圧縮室の冷媒ガスは変位面を介して低圧側の圧縮
室へ洩れ込み易く、高速運転になるにつれて変位面を介
して低圧側の圧縮室へ洩れ込む冷媒ガスの量は低下し、
圧縮室での冷媒ガスの閉じ込み性が向上するようになっ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような構成のス
クロール型圧縮機は、高速運転になるにつれて圧縮容積
が増加するため、低速運転時における起動性の向上と、
高速運転時における圧縮容積の増加とを両立させること
ができ、低速運転から高速運転までの広範囲にわたって
高い効率が得られるという点において有効である。とこ
ろが、渦巻羽根に変位面を形成するには、渦巻羽根の曲
面部分を径方向に加工する必要があるため、加工が難し
いという問題がある。
【0004】そこで本発明は、以上のような点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、スクロ
ール型圧縮機において、低速運転時における起動性の向
上と、高速運転時における圧縮容積の増加とを簡便に両
立させることができる合理的なガス圧縮技術を提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明のスクロール型圧縮機は、請求項1〜3に記
載の通りに構成されている。また、本発明のガス圧縮方
法は、請求項4に記載の通りである。
【0006】請求項1に記載したスクロール型圧縮機で
は、固定スクロールの固定スクロール基板に固定渦巻羽
根が立設し、可動スクロールの可動スクロール基板に可
動渦巻羽根が立設している。そして、可動スクロールを
固定スクロールに対して旋回させると、吸入したガスは
両スクロールの対向位置に形成される圧縮室で圧縮さ
れ、高圧化され吐出される。また、固定スクロールおよ
び可動スクロールが相互に対向する軸方向対向部のうち
の少なくとも一方に連通部が設けられている。この連通
部は、所定のガス閉じ込み領域と該領域よりも低圧の低
圧側領域とを連通するものである。なお、この「連通
部」は、固定スクロールあるいは可動スクロールに設け
てもよいし、これらスクロールの両方に設けてもよい。
このように連通部を軸方向対向部に設けるため、例え
ば、固定渦巻羽根や可動渦巻羽根の径方向の曲面に設け
る場合に比して加工が容易である。ガス閉じ込み領域内
のガスは、可動スクロールの旋回に伴って徐々に圧縮さ
れながら吐出側へ移動し、圧縮が完了したガスが吐出部
から吐出される。そして、このガス閉じ込み領域は、吐
出に至るまでの区間のうちの所定区間、連通部を介して
低圧側領域と連通される。これにより、可動スクロール
の旋回速度の変化に伴って、ガス閉じ込み領域が連通部
を介して低圧側領域と連通される連通時間が変化するこ
ととなる。すなわち可動スクロールの旋回速度が低い場
合は、旋回速度が高い場合に比して低圧側領域との連通
時間が長くなり、可動スクロールの旋回速度が高い場合
は、旋回速度が低い場合に比して低圧側領域との連通時
間が短くなる。可動スクロールの旋回速度が低い場合に
は、ガス閉じ込み領域のガスは旋回速度が高い場合より
も低圧側領域へ洩れ込み易くなり、これにより回転トル
クが増加するのを抑え、起動性を向上させることができ
る。また、可動スクロールの旋回速度が高い場合には、
ガス閉じ込み領域のガスは旋回速度が低い場合よりも低
圧側領域へ洩れ込み難くなり、これによりガス閉じ込み
領域におけるガスの閉じ込み性を向上させ、圧縮効率を
向上させることができる。そのうえ、可動スクロールの
旋回速度が高い場合に圧縮容量をアップさせるため、例
えば圧縮容量の不足を可動スクロールの回転数のアップ
で補う必要がなく、従って、可動スクロールの最大回転
数を抑え、ノイズや振動等が発生するのを極力抑制する
ことができる。なお、ここでいう「ガス」とは、冷凍機
や空調機において用いられる冷媒ガスのみならず、各種
のガスがこれに含まれる。また、一部が凝縮している状
態のものであっても本発明における「ガス」の範疇に含
まれるものとする。以上のように、請求項1に記載のス
クロール型圧縮機によれば、ガス閉じ込み領域と低圧側
領域とを連通する連通部を加工が容易な軸方向対向部に
設けたため、低速運転時における起動性の向上と、高速
運転時における圧縮容積の増加とを簡便に両立させるこ
とができる。
【0007】また、請求項2に記載したスクロール型圧
縮機では、固定スクロールと可動渦巻羽根の最外周面と
によって最外周ガス閉じ込み領域が形成される。また、
最外周ガス閉じ込み領域は、連通部を介して吸入側と連
通されている。この連通部は、固定スクロールと可動ス
クロール基板の端部とが対向する箇所に設けられてい
る。これにより、可動スクロールの旋回速度が低い場合
には、最外周ガス閉じ込み領域のガスは旋回速度が高い
場合よりも吸入側へ洩れ込み易くなり、これにより回転
トルクが増加するのを抑え、起動性を向上させることが
できる。また、可動スクロールの旋回速度が高い場合に
は、最外周ガス閉じ込み領域のガスは旋回速度が低い場
合よりも洩れ込み難くなり、これにより最外周ガス閉じ
込み領域におけるガスの閉じ込み性を向上させ、圧縮効
率を向上させることができる。なお、この連通部は、請
求項2に記載のように最外周ガス閉じ込み領域と吸入側
とを連通するように構成されるのが好ましい。ガス閉じ
込み領域においてある程度圧縮されたガスが連通部を介
して低圧側領域へ洩れ込むと、一旦圧縮されたガスが有
効に用いられず圧縮効率の低下につながるが、最外周ガ
ス閉じ込み領域内のガスは、圧縮室に形成されるガス閉
じ込み領域の中で最も低圧であるため、圧縮効率の低下
を極力抑えることができるからである。
【0008】また、請求項3に記載したスクロール型圧
縮機では、更に最外周ガス閉じ込み領域よりも圧縮側の
ガス閉じ込み領域は、連通部を介して最外周ガス閉じ込
み領域と連通されている。この連通部は、固定スクロー
ルと可動渦巻羽根の先端部とが対向する箇所に設けられ
ている。これにより、最外周ガス閉じ込み領域よりも圧
縮側のガス閉じ込み領域は、2つの連通部と最外周ガス
閉じ込み領域を介して吸入側と連通されることとなる。
従って、可動スクロールの旋回速度が低い場合の回転ト
ルクを抑え起動性を更に向上させることができる。
【0009】請求項4に記載したガス圧縮方法によれ
ば、ガス閉じ込み領域を吐出に至るまでの区間のうちの
所定区間、連通部を介して低圧側領域と連通させる行程
を設けることで、低速運転時における起動性の向上と、
高速運転時における圧縮容積の増加とを簡便に両立させ
ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施の形態の
スクロール型圧縮機の構成等を図面に基づいて説明す
る。本実施の形態は、本発明を、吸入したガスを固定ス
クロールと可動スクロールとの間に形成される圧縮室に
おいて圧縮し、高圧化して吐出するスクロール型圧縮機
に適用したものである。ここで、図1は本発明の一実施
の形態のスクロール型圧縮機1の全体を示す縦断面図で
ある。図2は図1の横断面図であって、固定スクロール
2と可動スクロール20の最外壁との間で冷媒ガスの閉
じ込み領域を形成した状態を示している。また、図3は
図2中の可動スクロール20が固定スクロール2に対し
て180°旋回した状態を示している。図4は図2中の
IV−IV線断面矢視図であって、固定スクロール2に
座ぐり逃がし部31aを有する場合を示している。
【0011】図1に示すように、スクロール型圧縮機1
は、固定スクロール2、センターハウジング4、モータ
ハウジング6等によって密閉されたケーシング内に、可
動スクロール20と、その可動スクロール20を駆動す
るための駆動機構部が収容されている。固定スクロール
2にはセンターハウジング4の一端面が接合されてお
り、そのセンターハウジング4の他端面にはモータハウ
ジング6が接合されている。センターハウジング4とモ
ータハウジング6とには、駆動軸8がラジアルベアリン
グ10,12を介して回転可能に支持されており、その
駆動軸8のセンターハウジング4側には、駆動軸8に対
して偏心した偏心軸14が一体に形成されている。
【0012】固定スクロール2は、円板状の固定スクロ
ール基板26の片面に立設した渦巻状(インボリュート
状)の固定渦巻羽根(ラップ)28を有している。同様
に可動スクロール20は、円板状の可動スクロール基板
24の片面に立設した渦巻状(インボリュート状)の可
動渦巻羽根(ラップ)30を有している。そして、各ス
クロールは、渦巻羽根28,30が互いに噛合すように
配置されている。なお、固定渦巻羽根28の先端にチッ
プシール28aが設けられ、可動渦巻羽根30の先端に
チップシール30aが設けられている。固定スクロール
2の固定スクロール基板26及び固定渦巻羽根28、可
動スクロール20の可動スクロール基板24及び可動渦
巻羽根30は、固定渦巻羽根28と可動渦巻羽根30が
複数の点で接触することで、三日月状の圧縮室32(ガ
ス閉じ込み領域)が複数形成される。そして、スクロー
ル外周側に形成された圧縮室32は、可動スクロール2
0の旋回に伴って、圧縮容積を減少しながらスクロール
内周側へ移動していき、最も圧縮された冷媒ガスが吐出
ポート50から吐出される。
【0013】可動スクロール20は偏心軸14の回転
(旋回運動)に伴って公転(旋回運動)し、そのとき、
バランスウエイト18は可動スクロール20の公転に伴
う遠心力を相殺する。駆動軸8と一体に回転する偏心軸
14、ブッシュ16、及び偏心軸14と可動スクロール
20のボス部24aとの間に介在されたベアリング22
は公転機構を構成する。偏心軸14には相互に平行な2
つの平面部(2面幅)14aが形成され、その平面を介
してブッシュ16が一体回転するように嵌合されてい
る。ブッシュ16の一端部にはバランスウエイト18が
一体回転するように取り付けられ、また、ブッシュ16
の他端部側には、可動スクロール20が固定スクロール
2と対向するようにベアリング22を介して相対回転可
能に取り付けられている。なお、ベアリング22は、可
動スクロール20における可動スクロール基板24の背
面(図1中の右側)に突設された筒状のボス部24a内
に収容されている。
【0014】可動スクロール基板24の背面(偏心軸1
4との対向面)側には、吐出ポート50を開閉するリー
ド弁式の吐出弁52が設けられている。この吐出弁52
は、吐出ポート50に対応した形状のリード弁54、こ
のリード弁54を保持する弁押え56、リード弁54お
よび弁押え56を可動スクロール基板24に固定する固
定ボルト58を有し、可動スクロール基板24の背面側
に形成された吐出弁収納部25に収納されている。な
お、リード弁54の開閉動作は、吐出ポート50に連通
する圧縮室32と高圧室70との圧力差で行われる。す
なわち、圧縮室32側の圧力が高圧室70側の圧力より
も高い場合は、リード弁54は開放され、圧縮室32側
の圧力が高圧室70側の圧力よりも低い場合は、リード
弁54は閉止される。また、弁押え56は、リード弁5
4を保持するとともに、リード弁54の最大開度を規制
するように構成されている。
【0015】センターハウジング4の端面には、同一円
周線上に複数(例えば4個)の自転阻止用の凹部41が
等間隔角度位置に形成されている。センターハウジング
4に固定された固定ピン42と、可動スクロール基板2
4に固定された可動ピン40とは、凹部41に挿入され
た状態で止着されている。可動スクロール20は偏心軸
14の回転に伴って凹部41及び固定ピン42、可動ピ
ン40によって自転が阻止される。すなわち、凹部41
及び固定ピン42、可動ピン40によって可動スクロー
ル20の自転防止機構が形成されている。
【0016】モータハウジング6の内周面にはステータ
46が固着されており、駆動軸8にはロータ48が固着
されている。ステータ46及びロータ48はモータを構
成し、ステータ46への通電によりロータ48及び駆動
軸8が一体となって回転する。駆動軸8の偏心軸14が
回転することに伴い、可動スクロール20が公転(旋
回)し、固定スクロール2に形成された吸入ポート44
から導入された冷媒ガス(本発明におけるガスに対応し
ている)は、両スクロール2,20の周縁側から固定ス
クロール基板26と可動スクロール基板24との間へ流
入する。また、可動スクロール20の公転に伴い、可動
ピン40が固定ピン42の周面に沿って摺動する。そし
て、偏心軸14が回転するとき、該偏心軸14にベアリ
ング22を介して相対回転可能に取り付けられた可動ス
クロール20は、自転することなく駆動軸8の中心軸線
回りに公転する。可動スクロール20が公転することに
伴い、吸入ポート44から導入された冷媒ガスは圧縮室
32へ流入され、圧縮度を強めながら可動スクロール2
0の中心方向へ導かれ、高圧化される。そして、高圧化
された冷媒ガスは、可動スクロール基板24の中心位置
に形成され、最も高圧となる圧縮室32と連通される吐
出ポート50へ流入していく。
【0017】そして、吐出ポート50および吐出弁52
を通過した圧縮冷媒ガスは、ボス部24a内の高圧室7
0に吐出される。この高圧室70は、駆動軸8(偏心軸
14を含む)の軸線に沿って形成された通路72を介し
てモータハウジング6内に連通しており、モータハウジ
ング6内へ流入した冷媒ガスは、駆動軸8の別の通路7
4からモータハウジング6の壁に設けられた出口76を
経て外部冷媒回路へと吐出される。なお、通路72から
通路74へと移動する冷媒ガスによって、モータが冷却
されることとなる。
【0018】なお、図2に示すように、固定渦巻羽根2
8の最外周には、可動渦巻羽根30の最外周壁部33と
の間で第1のガス閉じ込み領域C1を形成可能な延長羽
根部29が設けられている。すなわち、図3に示す状態
では、固定渦巻羽根28の延長羽根部29と、可動渦巻
羽根30の最外周壁部33との間に冷媒ガスの閉じ込み
領域が形成されないのに対し、図2に示すように可動ス
クロール20が180°旋回した状態では、可動渦巻羽
根30の最外周壁部33の先端が固定渦巻羽根28の延
長羽根部29と当接し、延長羽根部29と最外周壁部3
3との間に第1のガス閉じ込み領域C1が形成されるこ
ととなる。この第1のガス閉じ込み領域C1が本発明に
おける最外周ガス閉じ込み領域に対応している。これに
より、固定渦巻羽根28に延長羽根部29を設けない場
合に比して、圧縮室全体としての冷媒ガスの閉じ込み容
積をアップすることができる。
【0019】図4に示すように、固定スクロール基板3
における可動スクロール基板24の端部との軸方向対向
部には、凹状の座ぐり逃がし部31a(隙間)が設けら
れている。また、座ぐり逃がし部31aは、図2および
図3に示すように延長羽根部29の円弧に沿って形成さ
れている。この座ぐり逃がし部31aが本発明における
連通部に対応している。このように座ぐり逃がし部31
aを固定スクロール基板3の軸方向対向部に設けるた
め、例えば、可動渦巻羽根30や固定渦巻羽根28の径
方向の曲面に設ける場合に比して加工が容易である。
【0020】そして、第1のガス閉じ込み領域C1が可
動スクロール20の旋回に伴って吐出ポート50に対応
する位置へ移動するまでの区間のうちの所定区間、この
第1のガス閉じ込み領域C1は、座ぐり逃がし部31a
を介して吸入側(低圧側領域)と連通される。従って、
可動スクロール20の低回転時には、第1のガス閉じ込
み領域C1と吸入側との連通時間が高回転時よりも長く
なり、第1のガス閉じ込み領域C1の冷媒ガスは、圧縮
過程において座ぐり逃がし部31aを介して吸入側へ洩
れ込み易い。よって、回転トルクが増加するのを抑え、
起動性を向上させることができる。これに対し、可動ス
クロール20の旋回速度が増加するにつれて、第1のガ
ス閉じ込み領域C1の冷媒ガスは吸入側へ洩れ込み難く
なる。よって、第1のガス閉じ込み領域C1の冷媒ガス
の閉じ込み性が高まり、圧縮効率が向上することとな
る。このように、座ぐり逃がし部31aは、可動スクロ
ール20の旋回速度の変化に伴って所望の冷媒ガス閉じ
込み性が得られるような形状になっている。従って、こ
の座ぐり逃がし部31aの形状は必要に応じて適宜変更
可能である。
【0021】なお、所定のガス閉じ込み領域と、低圧側
領域とを連通する座ぐり逃がし部を設ける箇所は、固定
スクロール2側に限定されず、例えば可動スクロール2
0側に設けることもできる。また、座ぐり逃がし部を設
ける箇所は、固定スクロール2が可動スクロール基板2
4の端部と対向する箇所に限定されない。以下に、別の
実施の形態の座ぐり逃がし部の構成について図面を参照
しながら説明する。ここで、図5は図2中のIV−IV
線断面矢視図であって、固定スクロール2に座ぐり逃が
し部31aおよび31bを有する場合を示している。ま
た、図6は図2中のIV−IV線断面矢視図であって、
可動スクロール20に座ぐり逃がし部21を有する場合
を示している。また、図7は図2中のIV−IV線断面
矢視図であって、固定スクロール2に座ぐり逃がし部3
1bを有する場合を示している。なお、これらの図にお
いて、図4に示す要素と同一の要素には同一の符号を付
している。
【0022】まず、図5に示す実施の形態では、固定ス
クロール2は、可動スクロール基板24の端部との軸方
向対向部に凹状の座ぐり逃がし部31a(隙間)を備
え、可動渦巻羽根30の先端部との軸方向対向部に凹状
の座ぐり逃がし部31b(隙間)を備えている。本発明
における連通部としての座ぐり逃がし部31bは、座ぐ
り逃がし部31aと同様の形状に形成されている。そし
て可動スクロール20が旋回する過程で、第1のガス閉
じ込み領域C1は、座ぐり逃がし部31aを介して吸入
側と連通され、第2のガス閉じ込み領域C2は、座ぐり
逃がし部31bを介して第1のガス閉じ込み領域C1と
連通されることとなる。これにより、可動スクロール2
0の旋回速度が低い場合には、第2のガス閉じ込み領域
C2の冷媒ガスは第1のガス閉じ込み領域C1へ洩れ込
み易くなり、第1のガス閉じ込み領域C1の冷媒ガスは
吸入側へ洩れ込み易くなる。一方、可動スクロール20
の旋回速度が高い場合には、第1および第2のガス閉じ
込み領域C1,C2におけるガスの閉じ込み性が向上す
ることとなる。そのうえ、可動スクロール20の旋回速
度が高い場合に圧縮容量をアップさせるため、圧縮容量
の不足を可動スクロール20の回転数のアップで補う必
要がなく、従って、可動スクロール20の最大回転数を
抑え、ノイズや振動等が発生するのを極力抑制すること
ができる。
【0023】次に、図6に示す実施の形態では、可動ス
クロール基板24の端部は、固定スクロール基板3との
軸方向対向部に凹状の座ぐり逃がし部21(隙間)を備
えている。この座ぐり逃がし部21は、可動渦巻羽根3
0の先端を座ぐり逃がし部31a,31bと同様の形状
に加工することで形成することができる。この座ぐり逃
がし部21が本発明における連通部に対応している。そ
して可動スクロール20が旋回する過程で、第1のガス
閉じ込み領域C1は、座ぐり逃がし部21を介して吸入
側と連通されることとなる。また、図7に示す実施の形
態では、固定スクロール2は、可動渦巻羽根30の先端
部との軸方向対向部に凹状の座ぐり逃がし部31b(隙
間)を備えている。そして可動スクロール20が旋回す
る過程で、第2のガス閉じ込み領域C2は、座ぐり逃が
し部31bを介して第1のガス閉じ込み領域C1と連通
されることとなる。
【0024】以上のように、本実施の形態のスクロール
型圧縮機1および該スクロール型圧縮機1を用いたガス
圧縮方法によれば、固定スクロール2側に設けられた座
ぐり逃がし部31a,31bおよび可動スクロール20
側に設けられた座ぐり逃がし部21は、いずれも軸方向
の平坦面を加工することで形成されるため、例えば、可
動渦巻羽根30や固定渦巻羽根28の径方向の曲面に設
ける場合に比して加工が容易である。そして、可動スク
ロール20の旋回速度が低い場合には、例えば第1のガ
ス閉じ込み領域C1の冷媒ガスは旋回速度が高い場合よ
りも吸入側へ洩れ込み易くなり、これにより回転トルク
が増加するのを抑え、起動性を向上させることができ
る。また、可動スクロール20の旋回速度が高い場合に
は、例えば第1のガス閉じ込み領域C1の冷媒ガスは旋
回速度が高い場合よりも洩れ込み難くなり、これにより
第1のガス閉じ込み領域C1における冷媒ガスの閉じ込
み性を向上させ、圧縮効率を向上させることができる。
そのうえ、可動スクロール20の旋回速度が高い場合に
圧縮容量をアップさせるため、可動スクロール20の最
大回転数を抑え、ノイズや振動等が発生するのを極力抑
制することができる。とりわけ、図4に示す実施の形態
では、可動渦巻羽根30の最外周壁部33と固定スクロ
ール基板3との間に第1のガス閉じ込み領域C1が形成
されるように構成し、この第1のガス閉じ込み領域C1
が座ぐり逃がし部31bを介して吸入側と連通されるよ
うにしたため、ある程度圧縮されたガス閉じ込み領域の
冷媒ガスが低圧側領域へ洩れ込む場合に比して圧縮効率
の低下を極力抑えることができる。
【0025】なお、本発明は上記実施の形態のみに限定
されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施す
ることもできる。
【0026】(A)上記実施の形態では、座ぐり逃がし
部を固定スクロール2あるいは可動スクロール20に設
ける場合について記載したが、固定スクロール2と可動
スクロール20の両方に座ぐり逃がし部を設けることも
できる。また、座ぐり逃がし部の形状は必要に応じて種
々変更可能である。
【0027】(B)また、上記実施の形態では、冷媒ガ
スを圧縮し高圧化する場合について記載したが、本発明
を冷媒ガス以外のガスを圧縮する技術に適用することも
できる。
【0028】以上説明してきた実施の形態や様々な変更
例の説明に鑑みた場合、本発明では、以下の構成を採り
得る。すなわち、「固定スクロール基板に固定渦巻羽根
が立設する固定スクロールと、可動スクロール基板に可
動渦巻羽根が立設する可動スクロールと、前記両スクロ
ールの対向位置に形成される圧縮室とを有し、前記可動
スクロールを前記固定スクロールに対して旋回させるこ
とで、吸入したガスを前記圧縮室で圧縮し、高圧化して
吐出するスクロール型圧縮機であって、前記固定スクロ
ールおよび前記可動スクロールが相互に対向する軸方向
対向部のうちの少なくとも一方には、前記圧縮室のガス
閉じ込み領域と該領域よりも低圧の低圧側領域とを連通
する連通部が設けられ、前記連通部を介して前記ガス閉
じ込み領域から前記低圧側領域へ移動するガス流量は、
前記可動スクロールの旋回速度に応じて可変とされてい
ることを特徴とするスクロール型圧縮機。」という構成
が考えられる。このような構成によれば、好適な量のガ
スをガス閉じ込み領域から低圧側領域へ移動させること
ができる。すなわち、可動スクロールの旋回速度が低い
場合には、旋回速度が高い場合よりも多い量のガスをガ
ス閉じ込み領域から低圧側領域へ移動させ、可動スクロ
ールの旋回速度が高い場合には、旋回速度が低い場合よ
りも少ない量のガスをガス閉じ込み領域から低圧側領域
へ移動させることができる。従って、本実施の形態と同
様に、低速運転時における起動性の向上と、高速運転時
における圧縮容積の増加とを簡便に両立させることがで
きるという効果を奏する。
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
スクロール型圧縮機において、低速運転時における起動
性の向上と、高速運転時における圧縮容積の増加とを簡
便に両立させることができる合理的なガス圧縮技術を実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のスクロール型圧縮機1
の全体を示す縦断面図である。
【図2】図1の横断面図であって、固定スクロール2と
可動スクロール20の最外壁との間で冷媒ガスの閉じ込
み領域を形成した状態を示している。
【図3】図2中の可動スクロール20が固定スクロール
2に対して180°旋回した状態を示している。
【図4】図2中のIV−IV線断面矢視図であって、固
定スクロール2に座ぐり逃がし部31aを有する場合を
示している。
【図5】図2中のIV−IV線断面矢視図であって、固
定スクロール2に座ぐり逃がし部31aおよび31bを
有する場合を示している。
【図6】図2中のIV−IV線断面矢視図であって、可
動スクロール20に座ぐり逃がし部21を有する場合を
示している。
【図7】図2中のIV−IV線断面矢視図であって、固
定スクロール2に座ぐり逃がし部31bを有する場合を
示している。
【符号の説明】
1…スクロール型圧縮機 2…固定スクロール 3…固定スクロール基板 20…可動スクロール 21,31a,31b…座ぐり逃がし部 24…可動スクロール基板 28…固定渦巻羽根 29…延長羽根部 30…可動渦巻羽根 32…圧縮室 33…最外周壁部 50…吐出ポート C1…第1のガス閉じ込み領域 C2…第2のガス閉じ込み領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水藤 健 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 渡辺 靖 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 木村 一哉 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 川口 真広 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H039 AA02 AA06 BB23 BB28 CC02 CC03 CC05 CC27

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定スクロール基板に固定渦巻羽根が立
    設する固定スクロールと、可動スクロール基板に可動渦
    巻羽根が立設する可動スクロールと、前記両スクロール
    の対向位置に形成される圧縮室とを有し、前記可動スク
    ロールを前記固定スクロールに対して旋回させること
    で、吸入したガスを前記圧縮室で圧縮し、高圧化して吐
    出するスクロール型圧縮機であって、 前記固定スクロールおよび前記可動スクロールが相互に
    対向する軸方向対向部のうちの少なくとも一方には、前
    記圧縮室のガス閉じ込み領域と該領域よりも低圧の低圧
    側領域とを連通する連通部が設けられ、 前記ガス閉じ込み領域は、前記可動スクロールの旋回に
    伴って吐出に至るまでの区間のうちの所定区間、前記連
    通部を介して前記低圧側領域と連通されるように構成さ
    れていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したスクロール型圧縮機
    であって、 前記固定スクロールと前記可動渦巻羽根の最外周面との
    間に最外周ガス閉じ込み領域が形成され、該最外周ガス
    閉じ込み領域は、前記固定スクロールと前記可動スクロ
    ール基板の端部とが対向する箇所に設けられた連通部を
    介して吸入側と連通されるように構成されていることを
    特徴とするスクロール型圧縮機。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載したスクロール型圧縮機
    であって、 更に、前記最外周ガス閉じ込み領域よりも圧縮側のガス
    閉じ込み領域は、前記固定スクロールと前記可動渦巻羽
    根の先端部とが対向する箇所に設けられた連通部を介し
    て前記最外周ガス閉じ込み領域と連通されるように構成
    されていることを特徴とするスクロール型圧縮機。
  4. 【請求項4】 可動スクロール基板に可動渦巻羽根が立
    設する可動スクロールを、固定スクロール基板に固定渦
    巻羽根が立設する固定スクロールに対して旋回させ、吸
    入したガスを前記両スクロールの対向位置に形成される
    圧縮室で圧縮し、高圧化して吐出するガス圧縮方法であ
    って、 前記固定スクロールおよび前記可動スクロールが相互に
    対向する軸方向対向部のうちの少なくとも一方に、前記
    圧縮室のガス閉じ込み領域と該領域よりも低圧の低圧側
    領域とを連通する連通部を設け、 前記ガス閉じ込み領域を、前記可動スクロールの旋回に
    伴って吐出に至るまでの区間のうちの所定区間、前記連
    通部を介して前記低圧側領域と連通させる行程を有する
    ことを特徴とするガス圧縮方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101099094B1 (ko) 2009-03-17 2011-12-26 주식회사 두원전자 스크롤 압축기

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