JP3700218B2 - スクロール型流体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクロール型流体装置に係り、特に、互いに対向して配置され相対的な公転運動を行う各スクロールの鏡板の中心部に中心孔が形成され、この中心孔に駆動軸が挿通されてなる所謂軸貫通タイプのスクロール型流体装置に対し、その性能の向上対策及び低騒音化対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、鏡板の前面に渦巻状のラップが形成された一対のスクロールが、その前面同士が対向するように配置され、ラップ同士が互いに噛合して、このラップ間に作用室を形成したスクロール型流体装置が知られている。また、このスクロール型流体装置の1タイプとして、各スクロールの鏡板の中心部に貫通孔が夫々形成され、この貫通孔にクランク軸が挿通された所謂軸貫通タイプのものも知られている。このタイプのスクロール型流体装置では、クランク軸の一部に形成された偏心軸部が一方のスクロールの貫通孔内に位置されており、該クランク軸の回転による偏心軸部の偏心回転運動に伴って各スクロールが相対的な旋回運動を行い、これにより作用室が中央側に移動しながら収縮して流体を圧縮する。
【0003】
ところが、このタイプのスクロール型流体装置では、上記クランク軸の存在のために、スクロール中心部まで作用室を形成することができず、圧縮比を十分に得るためには装置を大型化せねばならないといった欠点があった。
【0004】
この点に鑑みられたものとして、特開平3−275901号公報や特開平4−140492号公報に開示されているスクロール型流体装置がある。これら公報に示されている装置は、互いに噛合するラップの一方の内周側端部に、他方の先端の旋回移動軌跡に沿った円弧状の摺接面を形成し、この他方のラップの先端が摺接面に摺接している間は、作用室を吐出側空間に開放させないようにして、作用室の開放を遅延させて該作用室の収縮時間を延長させ、最終圧縮容積をできるだけ小さくして、装置の大型化を招くことなしに高い圧縮比が得られるようにしている。また、各スクロールのラップの巻き終り端部(外周側端部)の周方向の位置を略一致させることで作用室を外周側に延長し、これによっても高い圧縮比が得られるようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような軸貫通タイプのスクロール型流体装置では、旋回スクロールに大きな自転トルクが発生し、また、この自転トルクの作用方向が旋回スクロールの公転位置に応じて周方向で切換わることになる。つまり、圧縮動作の最終工程で急激に流体が圧縮されることになり、また、この最終圧縮部分が旋回スクロールの軸心から偏心した位置にあるため、この流体圧力の作用方向が旋回スクロールの公転位置に応じて変化し、その自転トルクが大きくなり、且つその方向も周方向で切換わってしまう。
【0006】
つまり、各スクロールの中心部にクランク軸が貫通しないタイプの装置にあっては、図10に示すように、旋回スクロールの公転位置に拘りなく自転トルクは比較的小さく、且つ安定した状態となっているのに対し、軸貫通タイプのものでは、図7に実線で示すように、旋回スクロールの公転位置によって自転トルクが大きく変動し、その作用方向も変化することになる。
【0007】
そして、このような状況では、旋回スクロールの自転を防止している自転防止機構(例えばオルダム継手)に対する該旋回スクロールの摺接圧力が高くなり、この部分での機械損失によって性能が低下したり、摩耗の発生によって装置の寿命が短くなってしまう。また、自転トルクの方向が切換わることで、各スクロールの摺接部分の間隙が変化し、これによって流体漏れが発生し、効率及び信頼性が低下してしまったり、旋回スクロールが固定スクロールや自転防止機構に対して押圧される状態と離される状態とが自転トルクの作用方向の変化に伴って交互に生じるため、この旋回スクロールが各部材に衝突することになって振動や騒音の発生原因となる。
【0008】
本発明は、この点に鑑みてなされたものであって、軸貫通タイプのスクロール型流体装置に対し、旋回スクロールの自転トルクを低減して上記不具合を解消することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、旋回スクロールに発生する自転トルクと相殺するトルクを旋回スクロールに発生させるようにした。
【0010】
具体的に請求項1記載の発明は、図1に示す如く、中心部に中心孔(10c,11c)を有する鏡板(10a,11a)に渦巻状のラップ(10b,11b)が立設された固定スクロール(10,11)と、該固定スクロール(10,11)に対向配置され、中心部に中心孔(12d)を有する鏡板(12a)に渦巻状のラップ(12b,12c)が立設されて、該ラップ(12b,12c)が上記固定スクロール(10,11)のラップ(10b,11b)と噛合して作用室(15,16)を形成する旋回スクロール(12)と、上記各スクロール(10,11,12)の中心孔(10c,11c,12d)に挿通され、偏心部(8b)が旋回スクロール(12)の中心孔(12d)に位置された駆動軸(8)とを備え、該駆動軸(8)の回転によって上記旋回スクロール(12)が固定スクロール(10,11)に対して公転運動することにより作用室(15,16)の内部容積を変更して流体を圧縮するようにしたスクロール型流体装置を前提としている。そして、上記旋回スクロール(12)の公転時に発生する自転トルクと相殺するトルクを発生させる自転トルク相殺手段(25)を設けた構成としている。さらに、この自転トルク相殺手段 (25) を、駆動軸 (8) の偏心部 (8b) の中心 (P) を旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R) に対して偏心させた構成としている。このような構成により、旋回スクロール(12)の公転時に発生する自転トルクと自転トルク相殺手段(25)によって新たに発生するトルクとが相殺されることになり、旋回スクロール(12)の自転トルクを低減することができ、また、この自転トルク相殺手段(25)によって発生するトルクの大きさを適切に設定すれば、自転トルクの作用方向が周方向で切換わる状態を回避することができる。さらに、駆動軸 (8) の偏心部 (8b) の中心 (P) を偏心させるといった簡単な構成で、旋回スクロール (12) の自転トルクを低減することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記請求項1記載のスクロール型流体装置において、駆動軸 (8) の偏心部 (8b) の中心 (P) を、旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R) に対して、旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の内周端位置とは反対側に位置させた構成としている。この構成により、旋回スクロール (12) の自転トルクを低減するための偏心部 (8b) の中心 (P) の偏心方向を具体的に得ることができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、図1に示す如く、中心部に中心孔 (10c,11c) を有する鏡板 (10a,11a) に渦巻状のラップ (10b,11b) が立設された固定スクロール (10,11) と、該固定スクロール (10,11) に対向配置され、中心部に中心孔 (12d) を有する鏡板 (12a) に渦巻状のラップ (12b,12c) が立設されて、該ラップ (12b,12c) が上記固定スクロール (10,11) のラップ (10b,11b) と噛合して作用室 (15,16) を形成する旋回スクロール (12) と、上記各スクロール (10,11,12) の中心孔 (10c,11c,12d) に挿通され、偏心部 (8b) が旋回スクロール (12) の中心孔 (12d) に位置された駆動軸 (8) とを備え、該駆動軸 (8) の回転によって上記旋回スクロール (12) が固定スクロール (10,11) に対して公転運動することにより作用室 (15,16) の内部容積を変更して流体を圧縮するようにしたスクロール型流体装置を前提としている。そして、上記旋回スクロール (12) の公転時に発生する自転トルクと相殺するトルクを発生させる自転トルク相殺手段 (25) を設け、この自転トルク相殺手段 (25) を、旋回スクロール (12) の重心位置 (G) を旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R) に対して偏心させた構成としている。このような構成により、旋回スクロール (12) の公転時に発生する自転トルクと自転トルク相殺手段 (25) によって新たに発生するトルクとが相殺されることになり、旋回スクロール (12) の自転トルクを低減することができ、また、この自転トルク相殺手段 (25) によって発生するトルクの大きさを適切に設定すれば、自転トルクの作用方向が周方向で切換わる状態を回避することができる。さらに、この構成によっても上述した請求項1記載の発明に係る作用と同様に、簡単な構成で、旋回スクロール (12) の自転トルクを低減することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、上記請求項記載のスクロール型流体装置において、旋回スク ロール (12) の重心位置 (G) を、旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R) に対して、旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の内周端位置と反対側に位置させた構成としている。この構成によっても上述した請求項2記載の発明に係る作用と同様に、旋回スクロール (12) の自転トルクを低減するための偏心方向を具体的に得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
次に、本発明の第1実施形態を図面に基いて説明する。本形態では、冷凍機用の圧縮機として用いられ、冷媒ガスを圧縮して吐出するものであって、特に旋回スクロールの上下両側に作用室を備えた所謂両歯タイプのスクロール型流体装置に本発明を適用した場合について説明する。
【0015】
図1に示すように、このスクロール型流体装置(1)は、密閉ケーシング(2)を有し、その内部における上部には、冷媒ガスを吸入圧縮して吐出するための圧縮機構としてのスクロール機構(3)が、また下部には、スクロール機構(3)を駆動するための駆動機構(4)が夫々収容されている。また、ケーシング(2)の側壁でスクロール機構(3)に対応した位置には、冷媒ガスを吸入するための吸入管(5)が側方に向けて突設されており、ケーシング(2)の側壁におけるスクロール機構(3)の下側位置には、圧縮された冷媒ガスを外部に吐出するための吐出管(6)が突設されている。
【0016】
駆動機構(4)は、電動モータ(7)にクランク軸(8)が連結されて成る。電動モータ(7)は、ケーシング(2)の内壁面に固定されたステータ(7a)と、該ステータ(7a)に挿入されたロータ(7b)とから構成されている。ロータ(7b)には、クランク軸(8)の下部が挿入されており、該クランク軸(8)の下端部には給油ポンプ(8a)が設けられ、該給油ポンプ(8a)は、ケーシング(2)の下部の油溜め(2a)に貯留された潤滑油(O)に浸漬されている。また、クランク軸(8)の上部は、スクロール機構(3)を貫通してケーシング(2)の上端部近傍まで延びている。また、クランク軸(8)には給油ポンプ(8a)によって汲み上げられた潤滑油をスクロール機構(3)に供給するための図示しない給油路が貫通形成されている。
【0017】
スクロール機構(3)は、上下一対の固定スクロール(10,11)を備えている。各固定スクロール(10,11)は、ケーシング(2)に一体的に固定されていると共に、その外周面の一部がケーシング(2)内面との間に間隙(S)を形成し、これによってスクロール機構(3)の上下両側の空間(A,B)が互いに連通されている。尚、この間隙(S)は循環油回収用の通路としても利用される。そして、上側の固定スクロール(10)は、円板状の鏡板(10a)の下面に、渦巻状(インボリュート状)に形成したラップ(10b)が立設されて成っている。また、この上側の固定スクロール(10)の鏡板(10a)の中央部にはクランク軸(8)を挿通するための中心孔(10c)が形成されている。
【0018】
下側の固定スクロール(11)は、上述した上側の固定スクロール(10)と略対称形状で成っている。つまり、円板状の鏡板(11a)の上面に、渦巻状(インボリュート状)に形成したラップ(11b)が立設されて成っている。また、この下側の固定スクロール(11)の鏡板(11a)の中央部にもクランク軸(8)を挿通するための中心孔(11c)が形成されている。このようにして形成された各固定スクロール(10,11)が、各ラップ(10b,11b)が所定間隔を存して互いに向き合うように配置されている。
【0019】
そして、この上下各固定スクロール(10,11)の間には旋回スクロール(12)が配設されている。この旋回スクロール(12)は、円板状の鏡板(12a)の上下両面に、渦巻状(インボリュート状)に形成したラップ(12b,12c)が立設されて成っており、このラップ(12b,12c)が相対する各固定スクロール(10,11)のラップ(10b,11b)と噛合するように配置されている。これにより、各固定スクロール(10,11)と旋回スクロール(12)との間では、図2に示すように、旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の内周側及び外周側の壁面が、各固定スクロール(10,11)のラップ(10b,11b)の外周面及び内周面の壁面に渦巻方向の複数箇所で夫々接触しており、これら接触部間に冷媒ガスを圧縮するための作用室(15,16)が形成されている。また、この旋回スクロール(12)の中心部にはクランク軸(8)の偏心部(8b)を挿通するための中心孔(12d)が夫々形成されている。
【0020】
そして、クランク軸(8)の偏心部(8b)は、その軸心(中心)(P)がクランク軸(8)の軸心(Q)に対して僅かに偏心されている。このため、駆動機構(4)の駆動によりクランク軸(8)が回転すると旋回スクロール(12)がクランク軸(8)の軸心(Q)回りに公転駆動して作用室(15,16)を収縮するようになっている。
【0021】
また、各固定スクロール(10,11)には、作用室(15,16)と密閉ケーシング(2)の内部空間(A,B)とを連通させる吐出通路(10d,11d)が夫々形成されている。詳しくは、上側固定スクロール(10)に形成されている吐出通路(10d)は、一端が上側の作用室(15)の中心部に、また、他端が上側固定スクロール(10)上側のケーシング内部空間(A)に夫々開口しており、上側の作用室(15)において圧縮された冷媒ガスを上側のケーシング内部空間(A)に吐出するようになっている。また、下側固定スクロール(11)に形成されている吐出通路(11d)は、一端が下側の作用室(16)の中心部に、また、他端が下側固定スクロール(11)下側のケーシング内部空間(B)に夫々開口しており、下側の作用室(16)において圧縮された冷媒ガスを下側のケーシング内部空間(B)に吐出するようになっている。
【0022】
また、クランク軸(8)と各スクロール(10,11,12)との間には前記給油路から潤滑油が供給されるようになっている。
【0023】
また、図1の如くクランク軸(8)における下側固定スクロール(11)の下側位置及び電動モータ(7)の下側位置には、駆動機構(4)の回転駆動時にクランク軸(8)の偏心部(8b)と旋回スクロール(12)によって生じる遠心力を相殺してバランスをとるためのバランスウエイト(17a,17b)が設けられている。
【0024】
更に、旋回スクロール(12)の外周縁近傍位置には、該旋回スクロール(12)の自転を阻止して所定の公転運動を行わせるためのオルダム継手等でなる自転防止部材(18)が配設されている。
【0025】
次に、固定スクロール(10,11)及び旋回スクロール(12)の各ラップ(10b,11b,12b,12c)の巻き始め端部分(スクロールの中央部分)の形状について図2に基いて説明する。ここでは、上側固定スクロール(10)のラップ(10b)と旋回スクロール(12)の上側のラップ(12b)とについて説明するが、下側固定スクロール(11)のラップ(11b)と旋回スクロール(12)の下側のラップ(12c)も同様の形状となっている。
【0026】
固定スクロール(10)のラップ(10b)の巻き始め端(10f)から周方向外側に約320°変位した位置には、該ラップ(10b)の内周面に連続し、略半円弧状に凹陥されて成る摺接面(19)が形成されている。更に、この固定スクロール(10)のラップ(10b)には、上記吐出通路(10d)の一端部として吐出開口(20)が摺接面(19)の内側部分に開口している。尚、吐出開口(20)の摺接面(19)に対する開口位置は、摺接面(19)におけるスクロール中心側に位置する端部に設定されている。つまり、吐出開口(20)は摺接面(19)の円弧端末部分に開口されている。
【0027】
そして、旋回スクロール(12)のラップ(12b)は、その巻き始め端(12f)が上記摺接面(19)に略接触する位置まで延長されており、その公転運動に伴って、この巻き始め端(12f)が摺接面(19)に略接触した状態では、作用室(15)が吐出開口(20)と連通することが阻止され、旋回スクロール(12)の旋回に伴って巻き始め端(12f)が摺接面(19)の終端にまで達すると作用室(15)と吐出開口(20)とが連通して作用室(15)内の冷媒ガスが吐出開口(20)、吐出通路(10d)を経てケーシング内部空間(A)に吐出されるようになっている。
【0028】
また、この旋回スクロール(12)の中心孔(12d)の周囲には円筒状のボス部(12e)が形成されており、このボス部(12e)の内側にクランク軸(8)の偏心部(8b)が挿通されている。また、このボス部(12e)とラップ(12b)とは旋回スクロール(12)の半径方向に延びる連結部(12g)によって連結されている。そして、この連結部(12g)にも上記固定スクロール(10)と同様の略半円弧状に凹陥されて成る摺接面(21)が形成されており、この摺接面(21)に固定スクロール(10)のラップ(10b)の巻き始め端(10f)が当接可能となっている。このため、旋回スクロール(12)の公転運動に伴って、固定スクロール(10)のラップ(10b)の巻き始め端(10f)が摺接面(21)に略接触した状態では、作用室(15')が吐出開口(20)と連通することが阻止され、スクロール(12)の旋回に伴って作用室(15')が吐出開口(20)に連通すると、該作用室(15')内の冷媒ガスが吐出開口(20)、吐出通路(10d)を経てケーシング内部空間(A)に吐出されるようになっている。このように、旋回スクロール(12)が旋回運動することにより、作用室(15,15')が吐出開口(20)に対して区画された状態と開放された状態とが2箇所において、繰り返される構成となっている。
【0029】
そして、本形態の特徴とする構成として、上記クランク軸(8)の偏心部(8b)の軸心(P)は、旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)に対して所定寸法だけ偏心されている。これにより本発明でいう自転トルク相殺手段(25)が構成されている。詳しくは、この偏心部(8b)の軸心(P)(以下、旋回スクロール(12)の軸心(P)という)は、基礎円中心(R)に対して、旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の巻き始め端とは反対側に例えば2.5mm偏心した位置に設定されている。また、この偏心方向及びその寸法は、旋回スクロール(12)の軸心(P)がラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)に一致している状態(旋回スクロール(12)の軸心(P)を偏心させる前の状態)において旋回運動する旋回スクロール(12)に発生する自転トルクTを相殺するトルク(以下、「相殺トルクT1」という)が発生するように設定されている。つまり、図7に実線で示すような自転トルクTが発生している場合、同図一点鎖線に示すような相殺トルクT1が発生するような位置に設定されている。
【0030】
以下、この旋回スクロール(12)の軸心(P)を偏心させた場合に該旋回スクロール(12)に発生する自転トルクT´について図3〜図5を用いて説明する。今、旋回スクロール(12)の公転角が角度δである場合を考える(図3のOfsは固定スクロール(10,11)の軸心)。この際、旋回スクロール(12)の軸心(P)がラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)に一致している場合には(このときの軸心(P)および基礎円中心(R)を点Oosで示す)、この軸心Oosに対して、ラップ(12b,12c)の接線方向のガス力Ftと軸心に向う方向のガス力Frとが作用している(図3参照)。この状態では、ガス力Ftによって軸心Oosまわりに自転トルクTが生じる。ここで、軸心ずれの効果を説明するためFt,Frの作用点をOos上に移動し自転トルクTを表示する(図4参照)。つまり、図4では、ガス力Ftの作用点を仮に軸心Oos上に固定させると、軸心Oosまわりの自転トルクTが0(ゼロ)になるが、実際に生ずる自転トルクTと同じトルクTが軸心Oosまわり作用していると仮定している。
【0031】
そして、図5に示すように、軸心(P)を点Oosから本図の横軸に対して角度ψを存した方向に寸法lだけ偏心させた点Oos'に設定した場合には(つまり、軸心(P)と基礎円中心(R)とが一致していない状態)、旋回スクロール(12)に対して以下の(1)式で示される自転トルクT´が発生することになる。尚、図5におけるθは、軸心(P)の偏心方向(直線Oos−Oos')に対して直交する方向に延びる直線とガス力Ftとの成す角であり、この角度θと角度ψとの関係は、図5よりθ=ψ−δで示される。
T´=T+l・(Ft・cosθ−Fr・sinθ) ……(1)
具体的に、点Oosまわりには自転トルクTが作用し、軸心(P)を偏心させた点Oos'まわりにはガス力Ft,Frの分力によって生じるトルク(上記(1)式におけるl・(Ft・cosθ−Fr・sinθ)の項)が相殺トルクT1として作用する。つまり、上記自転トルクTと相殺トルクT1とは、トルク中心が異なるが、何れも旋回スクロール(12)に作用するトルクであり、この双方のトルクを合わせたものが旋回スクロール(12)全体に作用する自転トルクT´となる。
【0032】
このため、このT´の値を小さく且つ旋回スクロール(12)の公転位置によるトルク変化を小さくするように角度ψ及び寸法lを設定すれば、上記自転トルクTの相殺が行えることになる。なお、角度ψは、旋回スクロール(12)が自転せずに公転運動のみするので、公転角δとは無関係に一定である。そのため、角度θおよび自転トルクTは、公転角δ(公転位置)に応じて一義的に定められる。
【0033】
次に、上述の如く構成されたスクロール型流体装置(1)の圧縮動作について説明する。電動モータ(7)が駆動されると、クランク軸(8)が軸心(Q)を中心として回転する。この際、偏心部(8b)は、クランク軸(8)の軸心(Q)に対して公転運動する。これに伴い、偏心部(8b)が挿通されている旋回スクロール(12)は固定スクロール(10,11)に対して公転運動する。また、自転防止部材(18)により旋回スクロール(12)は自転することがない。これにより、旋回スクロール(12)の鏡板(12a)の上側及び下側では相対するラップ(10b,12b)、(11b,12c)の夫々の接触箇所が中心部に向って移動する。この移動に伴い、各作用室(15,16)は中心部に向って渦巻状に移動しながら収縮される。これら一連の動作によって低圧の冷媒ガスは吸入管(5)から作用室(15,16)に流入され、圧縮されて高圧となって、作用室(15,16)の中心部に達する。そして、この作用室(15,16)の中心部では、旋回スクロール(12)のラップ(12b)の巻き始め端(12f)が円弧軌道を描くように旋回しており、この旋回動作によって、ラップ(12b)の巻き始め端(12f)は、固定スクロール(10)のラップ(10b)の摺接面(19)に沿って摺動する動作と、摺接面(19)から離れる動作とを繰り返す。これにより、ラップ(12b)の巻き始め端(12f)が摺接面(19)に略接触した状態では、作用室(15)が吐出開口(20)と連通することなしに圧縮動作が行われ、旋回スクロール(12)の旋回に伴ってラップ(12b)の巻き始め端(12f)が摺接面(19)の終端にまで達すると作用室(15)と吐出開口(20)とが連通されて作用室(15)内の冷媒ガスが吐出開口(20)、吐出通路(10d)を経て上側のケーシング内部空間(A)に吐出される。また、これと同様の動作が旋回スクロール(12)の摺接面(21)と固定スクロール(10)の巻き始め端(10f)との間でも行われている。このような圧縮、吐出動作が各作用室(15,16)において行われ、ケーシング内部空間(A,B)に吐出された高圧冷媒ガスは吐出管(6)からケーシング外へ吐出される。
【0034】
そして、このような圧縮動作において、旋回スクロール(12)の軸心(P)がラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)に対して偏心されて、旋回スクロール(12)に発生する自転トルクを相殺するトルクが発生しているために、図6に実線で示すように、旋回スクロール(12)の自転トルクは、小さく且つ安定した状態になる。このため、従来のように、自転防止機構に対する旋回スクロールの摺接圧力が高くなって機械損失の増大による性能の低下や、摩耗の発生により装置寿命が短くなってしまうといったことが回避でき、また、図6に示すような自転トルクが常に一方向のみに作用するように偏心量を設定した場合には、自転トルクの作用方向が周方向で切換わることがないので、各スクロールの摺接部分の間隙が変化して冷媒漏れが発生して効率及び信頼性が低下したり、振動や騒音が発生することもない。従って、軸心(P)を偏心させるといった簡単な構成でもって、機械損失の低減及び冷媒漏れの抑制による圧縮機効率の向上、装置の長寿命化、運転音及び振動の低減を図ることができ、実用性の高いスクロール型流体装置(1)を得ることができる。
【0035】
また、本実施形態では、自転トルクが常に一方向のみに作用するように偏心量を設定したが、更に自転トルクの低減化を図る場合、軸心(P)の偏心量を大きくすれば、図6に二点鎖線で示すように自転トルクを略0に近付けることができる。ただし、この場合、自転トルクの作用方向が切換わることになる。従って、自転トルクの作用方向が切換わるのを防止することを優先する場合と、自転トルクの低減化を優先する場合とで偏心量を適宜設定することにより、所望の自転トルク発生状態が得られることになる。
【0036】
また、本形態では、旋回スクロール(12)の軸心(P)をラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)に対して偏心させたが、ラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)を旋回スクロール(12)の軸心(P)に対して偏心させても同様の効果が得られる。また、この際には、固定スクロール(10,11)のラップ(10b,11b)の基礎円中心も同方向に同寸法だけ偏心させる必要がある。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本形態は、上述したような旋回スクロール(12)の軸心(P)を偏心させたものに代えて、旋回スクロール(12)の重心位置(G)を旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R)とは異なる位置に設定することにより、自転トルク相殺手段(25)を構成している。詳しくは、図2の如く、この重心位置(G)は、旋回スクロール(12)の中心に一致する旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R)に対して、旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の巻き始め端と反対方向に例えば2.5mm変位した位置に設定されている。つまり、旋回スクロール(12)の軸心(P)を偏心させることなく、旋回スクロール(12)の形状の改良等によってその重心位置(G)を変位させた構成となっている。また、この重心位置(G)の変位方向及びその寸法は、旋回スクロール(12)の重心位置(G)が旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R)に一致している状態(旋回スクロール(12)の重心位置(G)を変位させる前の状態)において旋回運動する旋回スクロール(12)に発生する自転トルクTを相殺するトルク(以下、「相殺トルクT2」)が発生するように設定されている。つまり、図9に二点鎖線で示すような自転トルクTが発生している場合、同図一点鎖線に示すような相殺トルクT2が発生する位置に設定されている。
【0038】
以下、この旋回スクロール(12)の重心位置(G)を変位させた場合に該旋回スクロール(12)に発生する自転トルクT´について図8を用いて説明する。つまり、上記実施形態1における旋回スクロール(12)の軸心(P)の場合と同様に、重心位置(G)を点Oosから図8の横軸に対して角度ψを存した方向に寸法lだけ偏心させた点Gosに設定し、今、旋回スクロール(12)の回転角が角度δである場合を考える。この際、旋回スクロール(12)に作用する遠心力、すなわち重心位置(G)である点Gosにおける遠心力Fcは以下の(2)式で表される。
Fc=m・Ror'・ω2 ……(2)
(m:旋回スクロールの重量、Ror':点Ofsと点Gosとの距離、ω:角速度)
そして、この遠心力Fcによって生じる点Oosまわりのトルクが相殺トルクT2として以下の(3)式で表される。尚、図8におけるθは、重心位置(G)の変位方向(直線Oos−Gos)に対して直交する方向に延びる直線と遠心力Fcとの成す角であり、この角度θと角度ψとの関係は、図8よりθ=δ+90°−ψで示される。
T2=Fc・cosθ・l ……(3)
(l:重心位置の変位量)
そして、旋回スクロールの重心を点Gosに移動させた時の自転トルクT´は以下の(4)式で表される。
T´=T+T2 ……(4)
(T:重心位置変位前の自転トルク)
具体的に、重心位置変位前の自転トルクTは、実施形態1における旋回スクロール(12)の軸心(P)を偏心させる前の状態で旋回スクロール(12)に作用する自転トルクTに相当し、点Oosまわりに作用するトルクである。つまり、上記自転トルクTと相殺トルクT2とは、トルク中心が同じで、何れも旋回スクロール(12)に作用するトルクであり、この双方のトルクを合わせたものが旋回スクロール(12)全体に作用する自転トルクT´となる。
【0039】
このため、このT´の値を小さく且つ、旋回スクロール(12)の公転位置によるトルク変化を小さくするように角度ψ及び寸法lを設定すれば、上記自転トルクTの相殺が行えることになる。なお、角度ψは、旋回スクロール(12)が自転せずに公転運動のみするので、公転角δとは無関係に一定である。そのため、角度θおよび自転トルクTは、公転角δ(公転位置)に応じて一義的に定められる。
【0040】
この構成によっても上述した第1実施形態と同様に、旋回スクロール(12)に発生する自転トルクを相殺するトルクが発生しているために、図9に実線で示すように、旋回スクロール(12)の自転トルクは小さく且つ安定した状態になる。このため、本形態によっても、機械損失の低減及び冷媒漏れの抑制による圧縮機効率の向上、装置の長寿命化、運転音及び振動の低減を図ることができる。
【0041】
また、本形態の場合にも上述した第1実施形態と同様に、自転トルクの作用方向が切換わるのを防止することを優先する場合と、自転トルクの低減化を優先する場合とで重心位置(G)の変位量を適宜設定することにより、所望の自転トルク発生状態を得ることができる。
【0042】
尚、上述した各形態では、冷凍機用の圧縮機について説明したが、本発明のスクロール型流体装置(1)は真空ポンプなどに用いてもよい。
【0043】
また、各形態の各スクロール(10,11,12)は、各ラップ(10b,11b,12b,12c)の外周端が周方向で略一致した位置に設定された非対称形状のものであったが、この各外周端位置が周方向に180°ずれた位置にある対称形状のスクロールにも適用可能である。
【0044】
更に、各形態では一対の固定スクロール(10,11)の間に旋回スクロール(12)を配置した両歯タイプの装置について説明したが、本発明は、これに限らず、固定スクロール及び旋回スクロールを夫々1個づつ備えた装置に対して適用してもよい。
【0045】
また、各形態では内側に位置するスクロールを旋回スクロール(12)とし、外側に位置するスクロールを固定スクロール(10,11)としたが、逆に、内側に位置するスクロールを固定スクロールとし、外側に位置するスクロールを旋回スクロールとしたものに適用してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1及び3記載の発明によれば、所謂軸貫通タイプのスクロール型流体装置に対し、旋回スクロールの公転時に発生する自転トルクと相殺するトルクを発生させる自転トルク相殺手段を設け、旋回スクロールの公転時に発生する自転トルクと、この自転トルク相殺手段によって新たに発生するトルクとを相殺させたために、旋回スクロールの自転トルクを低減することができる。これにより、自転防止機構に対する旋回スクロールの摺接圧力が高くなって機械損失の増大による性能の低下や、摩耗の発生により装置寿命が短くなってしまうといったことが回避でき、装置の高効率化、装置の長寿命化を図ることができて、実用性の高いスクロール型流体装置を得ることができる。また、この自転トルク相殺手段によって発生するトルクの大きさを適切に設定すれば、自転トルクの作用方向が周方向で切換わる状態を回避することができるので、各スクロールの摺接部分の間隙が変化して冷媒漏れが発生して効率及び信頼性が低下したり、振動や騒音が発生することもなくなり、これによっても装置の高効率化が図れ、また、運転時の静粛性を図ることもできる。
【0047】
さらに、請求項1及び3記載の発明によれば、簡単な構成で、旋回スクロールの自転トルクを低減することができ、スクロール型流体装置の実用性をよりいっそう向上することができる。
【0048】
請求項2及び4記載の発明によれば、旋回スクロールの自転トルクを低減するための偏心部の中心或いは旋回スクロールの重心位置の変位方向を具体的に得ることができ、自転トルクの低減機能の信頼性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態に係る軸貫通タイプの両歯スクロール型圧縮機の断面図である。
【図2】 図1のII-II線における断面図である。
【図3】 旋回スクロールに作用する各ガス力を示す図である。
【図4】 各ガス力の作用点を一致させた状態を示す図である。
【図5】 第1実施形態に係る旋回スクロールの軸心を偏心させた場合に発生する自転トルクを説明するための図である。
【図6】 旋回スクロールの軸心を偏心させた場合の自転トルクを示す図である。
【図7】 軸心を偏心させる前の自転トルク及び軸心を偏心させることにより新たに発生する自転トルクを示す図である。
【図8】 第2実施形態に係る旋回スクロールの重心位置を変位させた場合に発生する自転トルクを説明するための図である。
【図9】 旋回スクロールの重心位置を変位させた場合の自転トルクを示す図である。
【図10】 非軸貫通タイプのスクロール型流体装置の自転トルクを示す図である。
【符号の説明】
(1) スクロール型流体装置
(8) クランク軸(駆動軸)
(8b) 偏心部
(10,11) 固定スクロール
(12) 旋回スクロール
(10a,11a,12a) 鏡板
(10b,11b,12b,12c) ラップ
(10c,11c,12d) 中心孔
(15,16) 作用室
(25) 自転トルク相殺手段
(P) 偏心部軸心
(R) ラップ基礎円中心
(G) 重心位置

Claims (4)

  1. 中心部に中心孔 (10c,11c) を有する鏡板 (10a,11a) に渦巻状のラップ (10b,11b) が立設された固定スクロール (10,11) と、
    該固定スクロール (10,11) に対向配置され、中心部に中心孔 (12d) を有する鏡板 (12a) に渦巻状のラップ (12b,12c) が立設されて、該ラップ (12b,12c) が上記固定スクロール (10,11) のラップ (10b,11b) と噛合して作用室 (15,16) を形成する旋回スクロール (12) と、
    上記各スクロール (10,11,12) の中心孔 (10c,11c,12d) に挿通され、偏心部 (8b) が旋回スクロール (12) の中心孔 (12d) に位置された駆動軸 (8) とを備え、
    該駆動軸 (8) の回転によって上記旋回スクロール (12) が固定スクロール (10,11) に対して公転運動することにより作用室 (15,16) の内部容積を変更して流体を圧縮するようにしたスクロール型流体装置において、
    上記旋回スクロール (12) の公転時に発生する自転トルクと相殺するトルクを発生させる自転トルク相殺手段 (25) が設けられ、
    上記自転トルク相殺手段(25)は、駆動軸(8)の偏心部(8b)の中心(P)が旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)に対して偏心した構成となっていることを特徴とするスクロール型流体装置。
  2. 駆動軸(8)の偏心部(8b)の中心(P)は、旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の基礎円中心(R)に対して、旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の内周端位置とは反対側に位置されていることを特徴とする請求項記載のスクロール型流体装置。
  3. 中心部に中心孔 (10c,11c) を有する鏡板 (10a,11a) に渦巻状のラップ (10b,11b) が立設された固定スクロール (10,11) と、
    該固定スクロール (10,11) に対向配置され、中心部に中心孔 (12d) を有する鏡板 (12a) に渦巻状のラップ (12b,12c) が立設されて、該ラップ (12b,12c) が上記固定スクロール (10,11) のラップ (10b,11b) と噛合して作用室 (15,16) を形成する旋回スクロール (12) と、
    上記各スクロール (10,11,12) の中心孔 (10c,11c,12d) に挿通され、偏心部 (8b) が旋回スクロール (12) の中心孔 (12d) に位置された駆動軸 (8) とを備え、
    該駆動軸 (8) の回転によって上記旋回スクロール (12) が固定スクロール (10,11) に対して公転運動することにより作用室 (15,16) の内部容積を変更して流体を圧縮するようにしたスクロール型流体装置において、
    上記旋回スクロール (12) の公転時に発生する自転トルクと相殺するトルクを発生させる自転トルク相殺手段 (25) が設けられ、
    上記自転トルク相殺手段(25)は、旋回スクロール(12)の重心位置(G)が旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R)に対して偏心した構成となっていることを特徴とするスクロール型流体装置。
  4. 旋回スクロール(12)の重心位置(G)は、旋回スクロール (12) のラップ (12b,12c) の基礎円中心 (R)に対して、旋回スクロール(12)のラップ(12b,12c)の内周端位置と反対側に位置されていることを特徴とする請求項記載のスクロール型流体装置。
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