JPH06100456B2 - 筒状物体の寸法測定装置 - Google Patents

筒状物体の寸法測定装置

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JPH06100456B2
JPH06100456B2 JP2652186A JP2652186A JPH06100456B2 JP H06100456 B2 JPH06100456 B2 JP H06100456B2 JP 2652186 A JP2652186 A JP 2652186A JP 2652186 A JP2652186 A JP 2652186A JP H06100456 B2 JPH06100456 B2 JP H06100456B2
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和雄 飯嶋
信芳 飯嶋
茂定 飯嶋
安明 斎藤
修一 石黒
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飯島精密工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は少なくとも部分的に円筒状または円柱状をなす
被計測物体の外径、内径、真円度あるいは筒壁の肉厚
を、その成形加工の過程において簡易且つ精密に計測す
るための寸法測定装置に関する。
[従来の技術] 機械部品の切削加工場などでは、加工途中のワークの仕
上がり寸法を1/100mm以上の精度をもってチェックした
い場合には作業者自身の手によって、一般に市販されて
いるマイクロメータ、ダイヤルゲージその他の精密計測
器が使われてきた。
[発明が解決しようとする問題点] 計測対象物が板状体であれば、その厚みや表面の平滑度
はダイヤルゲージを使って比較的簡易にまた高い精度を
もって測ることができるが、筒状体の場合には、特別の
計測用治具を用意するとしても、かなりわずらわしい手
間が掛るうえに、計測の熟練度によっては無視し難い測
定誤差を生じ勝ちである。
本発明は測定操作が簡易であり、非熟練者であっても簡
単に手早く、また高い精度をもって筒状物体の寸法を測
ることのできる、生産現場向きの測定装置を提供するこ
とを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成するために本発明による筒状物体の寸
法測定装置は、回転可能に平行に対置させた、第1基準
ローラ及び第2基準ローラと、該一対の基準ローラの対
置間隔の調節手段と、前記第1及び第2基準ローラの間
で同軸的に支持された被計測筒状物体の筒軸線と、前記
第1または第2基準ローラの一方の軸芯線とを結ぶ平面
に沿って計測子を移動させられる様に、該平面と平行す
る方向をもって設置した、寸法測定器の載置用定盤と、
前記寸法測定器の計測子を、前記の支持状態にある前記
被計測筒状物体の計測個所に接触させた状態のもとに固
定させるための、寸法測定器固定手段と、前記第1およ
び第2基準ローラの同期的回転手段とを備える構成を採
用した。
[作業および発明の効果] 上記の如き構成を備えた本発明装置はその使用に先立っ
て、一対の基準ローラの対置間隔調節手段を操作して、
筒状の被計測物体がこの一対のローラ間で同軸方向をも
って安定に支持された状態のもとで、被計測物体の筒軸
線と基準ローラの中心軸とを通過する面が定盤の盤面に
対して平行になる様に、ローラ間間隔を調節し、その位
置にローラ軸受を固定させる。この間隔は被計測物体の
所望外径と基準ローラの外径寸法に基づいて計算によっ
て容易に求められる。
次に所定の外径寸法に正しく加工されているモデル物体
を一対の基準ローラ間に同軸的に載せて安定に支持させ
たうえ、測定子の高さを被計測物体の測定個所(上記の
平面が物体の外周と交わる個所)にあらかじめ合致させ
てある寸法測定器を定盤に載せて、その測定子を測定個
所に向けて近づけ接触させる。測定器の目盛が所定の許
容測定誤差の範囲を幾分越えて揺れる位置に達した時、
寸法測定器をこの位置を保って定盤上に固定させ、測定
器の寸法支持マーク(指針)を零表示位置に合わせたう
えモデル物体を取り除くことによって装置の使用前の準
備作業が完了する。
被計測物体の測定を行うには、物体の測定個所を測定器
の測定子先端に一致させる様にして一対の基準ローラの
間に単に載せればよい。測定器の寸法表示スケールがモ
デル物体に対する被計測物体の寸法誤差を精密に表示し
てくれる。また外径と内径を測ることによって筒壁の肉
厚が知られるし、一対の基準ローラをその回動手段によ
って回転させることによって筒状体の真円度をチェック
することができる。
上記の様に本発明装置は筒状体の直径方向の寸法を測る
際に、ダイヤルゲージなどの測定器の測定子(測定個所
への接触子)が、その前後動方向を筒状体の直径方向に
正しく合致させて接触する様にして測定器を被計測筒状
物体に当接させるという、従来は極めて手間が掛かり且
つ困難であった計測時の位置決め作業が、非熟練者にも
ほとんどワンタッチ式に行えるうえに、測定者が異なる
毎に測定結果に差異が生ずる不都合もほとんど皆無にす
ることができる。従って測定器の精度の限度内において
充分に信頼性の高い測定が行える。
[実施例] 以下に付図に示す実施例に基づいて本発明装置を具体的
に説明する。
第1図〜第4図はいずれも一実施例を示したそれぞれ正
面図、上面図、側面図及び円筒状物体の測定状態の説明
図である。
1は第1の基準ローラ、2は第2の基準ローラであって
共に硬度の高い金属棒を精密仕上げ加工を施すことによ
ってミクロン単位の精度をもって所定の外径寸法に保た
れている。1aと2aは両ローラのそれぞれの回転軸であ
る。
40は装置の基台部分をなす一組の角筒状のベース部材で
あって一定の間隔をへだてて水平に平行対置されてい
る。
30は基準ローラ1及び2と、後述する寸法測定器の載置
用定盤21及び22をそれぞれ対向する位置関係のもとに、
且つ対置間隔を調節可能に取り付けるためのベッドであ
る。矩形平面を有するベッド30の長手方向の一端側に
は、第1の基準ローラと第1の定盤21の取付け用の固定
架台23が、また他端側には第2の基準ローラ2と第2の
定盤22の取付け用の可動架台24が組付けられている。2
つの架台23と24は装置の正面図及び側面図としての第1
図と第2図に明らかな様に、装置の前後方向に対置させ
た一対の側壁部材を水平部材によってH字形に連結させ
た如き全体形状を備えている。そして架台23及び24のそ
れぞれの側壁部材の上縁部は2辺の交差角θが120゜に
保たれたV字形の凹入形状が与えられている。
架台23の両側壁部材には、この架台23が今一つの架台24
と対向する側(内側)の上端角部に第1の基準ローラ1
の回転軸1aの嵌入用溝27が設けられており、回転軸1aは
この溝27内に圧接される様にして、回転軸1aの押圧部
材、この場合には2本のビス38の間に掛け渡された針金
39によって圧迫固定されている。
また架台23の両側壁部材のV字形状を有する上縁には、
この対向斜面間に掛け渡す様にして寸法測定器例えばダ
イヤルゲージの載置用定盤21が適宜の固定手段によって
取付けられている。またこの上縁部斜面には寸法測定器
の固定などに役立てるための複数個のネジ孔33が設けて
ある。架台23は固定用ボルト31を用いてベッド30に図示
の如く締結固定されている。
他方の架台24は架台23に対して対象的な同一またはほぼ
同一の形状と構造を備えている。28は第2の基準ローラ
の回転軸2aの嵌入用溝である。架台24の橋渡し状平行部
材にはこの架台の固定用ボルト32が植設または挿通され
ており、ベッド30に設けてある細長いスリット状のボル
ト挿通穴30aにボルト32を貫通させた状態のもとに、架
台24はベッド30の上面を滑動する様にして他方の架台23
に接近させまたは遠ざけることができる。34は架台24を
ベッド30上においてその滑動する方向の任意の個所にお
いて固定させるための、ボルト32の締結用ナットであ
る。
14は第1及び第2基準ローラ1と2を同期的に回転させ
るためのサーボモータなどの電動モータ、15はモータ14
用の減速機、16は減速機15の出力軸に取付けたプーリで
ある。
12はモータ14の回転力を2つの基準ローラ1と2に伝導
させるための中継回転軸であって、装置のベース部材40
に取付けられた一組の軸受11によって支持されている。
中継回転軸12の中央部には被動側プーリ13が軸嵌されて
おり、無端ベルト17および前述のプーリ16を介してモー
タ14によって回転させられる。また中継回転軸12の両端
部にはそれぞれ駆動側プーリ5が軸嵌されており、第1
及び第2の基準ローラ1と2の回転軸1aおよび2aの各両
端部に軸嵌されているプーリ3および4の間に無端ベル
ト10を渡すことによって、2本の基準ローラ1と2は同
期的に同方向に回動させられる。9は無端ベルト10の調
節用プーリ、8はテンションプーリ、6は可動架台24の
動きに対応させて無端ベルト10の張り具合を調節するた
めの可動プーリであって、架台23および24の両側壁部材
の下方部分に設けたスリット25または26にその回転軸6a
を挿通させた状態のともにこのスリット内を遊動させら
れる。29は回転軸6aに設けたネジ溝に螺着させた、可動
プーリ6の固定用ナットである。
上記実施例装置の使用法の説明図としての第4図におい
て、Aは円筒状に切削加工された被測定物体であって、
平行方向を保って対置されている2本の基準ローラ1と
2のの間に挟み込む様にして安定に載置されている。B
およびCはそれぞれ定盤21または22に載置させて被測定
物体の内径、外径、円筒の肉厚あるいは円筒の真円度を
計測するための寸法測定器としてのダイヤルゲージであ
る。100および200はダイヤルゲージの本体部分、101と2
01はゲージのベースブロック、102と202はゲージ本体を
上下動可能に支持するスタンド、103と203は被計測個所
に接触させる測定子である。
またEはダイヤルゲージBまたはCの計測感度を向上さ
せるための、テコ式の計測量拡大器であって、51はその
本体をなすテコ、52はテコの支点、53はテコの一端部に
取付けて被計測個所に接触させる計測子、54はダイヤル
ゲージなどの寸法測定器の測定子を当接させるための、
テコ51の他端側力点であって、測定子の中心部の当接位
置を正しく決められる様に円穴が設けてある。55はベー
スブロック、56は支点としてのテコの回転軸を取付けた
スタンドである。301と302は被計測物体Aの肉厚を測る
ための、図示しない別のダイヤルゲーシの測定子であ
る。
次に上記実施例装置の操作法を付図によって説明する。
先ずこの装置を用いて円筒状体の外径、内径、筒壁肉厚
あるいは真円度を精密に計測する方法の基本原理を説明
すると、2本の基準ローラ1と2の間隙部に挟み込む様
にして安定に載置させた被計測物体Aの筒軸線と、1ま
たは2のいずれか一方の基準ローラの中心軸とを通過す
る平面をaまたはbとすると(第4図参照)、定盤21ま
たは22にそのベースブロック101または201を載置させて
自在に定盤上を移動できるダイヤルゲージBまたはCが
如何な移動位置を占めても、その測定子103または203の
計測先端部中心を上記の平面aに一致した位置に保ちつ
づけさせるために、定盤21または22の盤面が平面aまた
はbに対して平行となる様に、定盤21と22はそれぞれ水
平面に対して傾斜させて各々の架台23または24に取り付
けてある。
測定子103が上記の設定条件を満足させながら移動でき
るためには、物体Aの直径によって決定されるローラー
1と2の間の間隙巾Wと、定盤21の盤面から測定子103
の先端中心までの高さHとを、後述する方法によって求
められる特定の値に保たれる様に固定させておけばよ
い。
この様な物体Aを測定子103との間の接触条件が設定さ
れれば、物体Aを2本の基準ローラ1と2の間に単に挟
み込ませることによって、転動しやすく安定に静止し難
い物体Aは装置上の所定の位置に常に正確に静止され
る。そしてダイヤルゲージBはその測定子103の前後動
方向を常に物体Aの直径方向に合致させることができ
る。
従って正しい寸法に仕上げられている基準物体をこの装
置に載置した時のダイヤルゲージBの指針をあらかじめ
ゲージ目盛の0位置に合わせて置けば、物体Aが基準寸
法物体に対してどれだけ寸法誤差があるかを、あるいは
物体Aの真円度を極めて簡単迅速に且つ精密に測ること
ができる。
つぎに筒状物体の寸法測定装置の操作方法を説明する。
まず初めに被計測物体Aの外径Dの大きさに応じて第1
の基準ローラ1と第2の基準ローラ2との間隔Wを調整
する。これは可動架台24の固定用ボルト32およびナット
34をゆるめて所定の間隔Wに正確に合致する位置に移動
させた後、架台24をベッド30上に再び締結する。
上記の設定条件を満足させることのできるWの値は、基
準寸法物体A′の外径Dと第1と第2の基準ローラ1お
よび2の直径dに基づき、角θ=30゜に関する三角関数
を用いたつぎの計算式によって容易に求められる。
d+W=(D+d)cosθ=(D+d)cos30 この実施例ではd=34.000±0.003mmに設定されてお
り、基準寸法物体A′の外径Dが与えられたとき第1の
基準ローラ1と第2の基準ローラ2との間隔Wが直ちに
求められる換算表を作っておくことなどでWの設定は容
易にできる。
このようにWを設定することで、第1の基準ローラ1の
中心P1または第2の基準ローラ2の中心P2と基準寸法物
体A′の中心PBとを通る平面は定盤21または定盤22の上
面と平行した30゜の傾斜を有する平面となる。すなわ
ち、中心PBと中心P1および中心P2とは、PBを頂点とし、
頂角120゜で底角30゜の二等辺三角形となる。
可動架台24の移動に先立ってテンションプーリ6の回転
軸6aの固定用ナット34はあらかじめゆるめて置き、架台
24の移動を終えた後に無端ベルト10に適度の張力が及ぼ
される様に、左右一組のテンションプーリ6の望ましい
固定位置を左右方向に均等に選定する。装置の背面側の
一組のテンションプーリ6も同様にして固定位置を移動
させる。
次に寸法測定器としてのダイヤルゲージBを定盤22上に
載置した時、測定子103の先端が前述の設定条件を満足
させるために定盤22の盤面から高さHの位置にある様に
調整するためには様々な方法が可能であるがその一つの
方法を第5図に示した。60はダイヤルゲージBの測定子
103の先端部高さHの位置決め用スケールであって、金
属製の細長いバー材の一端部を90゜下向きに折り曲げた
形状を備えており、この折曲げ部60aには測定子103の円
形先端部を嵌入させるための円穴61が穿たれている。62
はスケール60の固定用ボルトである。
スケール60の使用方法は固定架台23の上縁部内側斜面に
その折り曲げ部60aがはみ出すようにしてスケール60を
載置し、必要によりボルト孔33を利用してこのスケール
を固定させる。しかる後、可動架台24側の定盤22に載置
されているダイヤルゲージBの測定子103の先端部がス
ケールの円穴61のほぼ中心に一致させる様に目測によっ
てダイヤルゲージ本体100の取付け高さを調節させなが
らダイヤルゲージBをスケール60に接近させる。測定子
103の先端が円穴61内にはまり込んだ後は、ダイヤルゲ
ージの指針の動きを注目しながら、測定子103の高さ位
置を微調整しつつダイヤルゲージBを更に前進させると
測定子103の先端が円穴61内に同軸的位置関係のもとに
完全に押し込まれた時指針の揺れが止まるので、この高
さ位置でダイヤルゲージ本体100をそのスタンド102に固
定させればよい。固定架台23の内側斜面は可動架台24の
外側斜面に取付けられている定盤22に対して平行関係に
あるので、スケール60の底面から円穴61の中心までの間
隔dと第1の基準ローラ1の半径と同一の寸法に設定し
て置けば定盤22の盤面から測定子103の先端までの高さ
は容易に前述のHの値に一致させることができる。
被計測物体A(または基準寸法物体A′)の外径Dが大
きいときは、この外径Dに応じて前記第1の基準ローラ
1と第2の基準ローラ2との間隔Wが大きく設定され
る。この結果、上記の如く設定した測定子103の軸線は
必ず被計測物体Aの中心線と交差する。
この様にして一対の基準ローラ1と2の間隔Wとダイヤ
ルゲージの測定子103の高さHが設定寸法に正確に合致
されると測定装置は使用可能状態になる。
そこで装置のローラ駆動用モータ14を起動させることに
よって一対の第1基準ローラ1及び2をゆるやかに回転
させながら、先る正確な寸法に加工されている被計測物
体と同じ形状寸法のモデル物体をこの一対のローラの間
に静かに載せる。もちろんローラも物体も異物の付着の
有無を綿密に確める必要がある。物体が円滑に静かに回
転すれば異常なく物体が載置されていることが証明され
るので回転を止める。次にダイヤルゲージBを物体に接
近させて測定子103を物体の計測個所に接触させ、ゲー
ジの指針が0.10〜0.15程度振れる位置に達したら、この
位置において定盤22の面上にダイヤルゲージを固定させ
る。その際には架台23または24のネジ孔33が役立つ、ダ
イヤルゲージの指針をゲージの零表示マークに合わせた
上、基準ローラ上からモデル物体を取り除けば、被計測
物体の寸法測定のためのすべての準備は完了する。
切削ないし研削加工途中で加工個所の寸法チェックを行
うために、または加工仕上がり品について寸法測定を行
うために本発明装置を使用する方法は、被計測物体の測
定個所がダイヤルゲージの測定子との先端に振れる様に
して一対の基準ローラ1と2の間に被計測物体を静かに
載置する。この時一時的にローラ1と2を回転させてや
ることは前記のモデル物体を載せる場合と同様である。
そしてダイヤルゲージBの指針によって被計測物体の外
径寸法が基準寸法(モデル物体の寸法)と一致している
か、あるいはどれだけ偏っているかをたちどころに知る
ことができる。
ダイヤルゲージBの目盛を読み取る際に一対の基準ロー
ラ1と2を回転させつづければ、筒状物体の真円度も精
密且つ容易にチェックすることができる。ダイヤルゲー
ジの指針の振れを自動記録するためのデータメモリー装
置あるいは寸法誤差警報装置を併用すれば、工程管理や
製品の品質管理、あるいは品質証明などに役立てられ
る。
一つの定盤22に筒状物体の内径計測用の測定子を取付け
た別のダイヤルゲージを基準ローラ1および2の軸方向
にスライド可能に組み付ければ、外径と共に内径および
筒壁の肉厚を同時に測ることもできる。この内径測定用
ダイヤルゲージはもちろん他方の定盤21に載せてもよ
い。
更に第4図に描かれている様にテコ式の計測値拡大器E
をダイヤルゲージCまたはBと組み合わせて使用すれ
ば、より高い精度をもって寸法測定を行うことができ
る。
上記実施例では一対の基準ローラ1との外径をそれぞれ
34,000±3mm、架台23と24の上縁部のV字形の切り込み
の開度θ、別言すれば一対の定盤21と22の両盤面の交差
角度を120゜に設定したが、これらの値は筒状被計測物
体の外径寸法および必要とする寸法精度に対応させて適
宜に変えればよい。
本発明装置の計測精度を充分に高い水準に引き上げさせ
る要因の一つは基準ローラ1及び2の回転軸1aと2aの支
持寸法にある。通常回転物体はベアリングを用いてその
回転軸を支承させているが、ベアリングはその構造上回
転半径方向の遊びを完全になくすことは不可能に近い。
しかしこの装置てはローラ回転軸1aおよび2aを、コ字
形、V字形あるいはU字形などの適宜の形状の溝内で、
軸方向に沿った2点または一点圧接によって支持してい
るので回転動に伴う遊びをほとんど零に近づけることが
できる。
また上記実施例では寸法測定器としてダイヤルゲージを
用いているが、電子式の圧力センサ型寸法測定器などを
使用することも可能である。
第6図に本発明装置の他の実施例を模式的平面図として
示した。この装置の特長は筒状の被計測物体の外径また
は内径が筒軸方向に一様でない場合にも、一対の基準ロ
ーラの間で既述の計測条件が満たされた状態のもとに正
確に支持されることを可能にするために、第1および第
2の基準ローラの各々を軸方向に2分割して被計測物体
の寸法に応じて適宜の間隔Gを保たせた状態のもとに、
回転可能にそれぞれの架台に取り付けた点にある。
1Aと1Bは2分割された第1の基準ローラであり、23Bと2
4Bは各々のローラの架台である。
2Aと2Bは2分割された第2の基準ローラであり、23Aと2
4Aは各々のローラの架台である。
架台23Aと23Bは図中に黒矢印で示した様に相互間の隔た
りも調整可能にベッド30A上に第1実施例と同様な方法
で取付けられている。架台24Aと24Bは別のベッド30Bに
同様にして組付けられている。そしてこれら2つのベッ
ド30Aと30Bは、2分割された基準ローラ1と2の間狭巾
を被計測物体の寸法に応じて増減できる様にするため
に、それぞれ図中に白矢印で示された方向に移動可能に
第2ベッド50Aと50B上に各々載架されている。
第7図と第8図は上記の第2実施例装置の具体的な構成
の一例を示した正面図と側面図であり、35Aと35Bは定盤
21を固定架台23Aまたは23Bに取り付けるための補助架台
である。36Aと36Bは定盤22用の同様な補助架台である。
27Aおよび27Bは2分割された第1基準ローラ1Aと1Bのそ
れぞれの軸受、28Aと28Bは第2基準ローラ2Aと2B用軸受
である。40は装置の基台部分であり、第2ベッド50Aと5
0Bを相互に正確に平行移動させられる様にV字状にとが
ったガイドレール51が設けてある。52は基準ローラ回動
用中継回転軸12を軸方向に分断させた個所に遊嵌させた
スプライン嵌合式の軸継手である。図中の他の符号は前
記のそれと共通している。
第2実施例装置の取扱の方法は、基本的には第1実施例
のそれと異なる所はない。唯外径が一様でない筒状被計
測物体を、既述の測定条件が満たされている状態のもと
に、それぞれ軸方向に2本に分断されている第1の基準
ローラ1Aおよび1Bと、第2の基準ローラ2A及び2Bの上面
で第6図に模式的に描かれている様に4点支持させるた
めには、同軸的に相対向されているローラ1Aおよび1Bの
軸芯線と2本のローラ間で支持されている被計測物体A
の筒軸線Cとを貫く平面bと、定盤22の盤面とが正しく
平行面をなす様に、前述の如くあらかじめ求めてある計
算式に基づいて、ローラ1Aと2Aとの間隔が厳密に所定の
値に一致する様に、可動架台24Aの固定位置を調節す
る。
同様にしてローラ1Bおよび2Bの軸芯線と、一対の基準ロ
ーラ間で支持されており、且つこの支持個所の外径が前
記の支持個所で外径とは異なっている筒状被計測物体A
の筒軸線とを貫く平面aと、定盤21の盤面とが正しく平
行面をなす様に、相対向する2本のローラ1Bと2Bの間隔
を厳密に所定の値に合致されるべく可動架台24Bの固定
位置を調節する。
また4点支持される筒状被計測物体Aの軸方向の支持間
隔Gを物体の大きさに対応させて増減させるためには、
ベッド30B(または30A)を筒軸方向にスライドさせれば
よい。
第9図に基準ローラの回転軸をその嵌入用溝に回動時の
ガタを最低限に押えられる状態をもって圧定させるため
の別の方法を示した。第2図の基準ローラ2の回転軸2a
は、架台24の頂部に形成された開度90゜のV字状の嵌入
用溝28Bに落とし込まれたうえ、回転軸2aをその嵌入用
溝28B内に圧定させるためのボルト60の頭部に形成され
ている内向きの円錐状斜面で押圧される。回転軸2aに及
ぼされるこの押圧力は、円穴61の締め具合によって微調
整することができる。24aは架台24の頂部に、一体的に
形成された、ボルト挿通用孔を穿った突起部、62はスプ
リングワッシャまたはコイルバネである。
第10図は基準ローラの回転軸をその嵌入用溝内に圧定さ
せるための更に別の方法を示している。70は回転軸71の
周にの回動可能なテコ状をなす回転軸押圧部材であっ
て、回転軸71は基準ローラの架台24の頂部に設けた突出
部分24aに組み付けられている。テコ状をなす押圧部材7
0の力点には、ねじ込みボルト72用のねじ穴70bが設けて
あり、このボルト72を回すことによって押圧部材70の押
圧個所70aと基準ローラ回転軸2aとの間の接触圧を任意
に調節できる。押圧部材70を回転軸2aに接触させるため
の機構は様々に設計変更が可能である。
第11図は基準ローラ1または2の別の形状を示した側面
図であって、基準ローラ80はその軸方向に段違い状に順
次外径を変化させている。従って筒状被計測物体の外径
が異なる毎に、一対の基準ローラの間隔を調整するとい
う前述の如きわずらしい作業をかなり省略することがで
きる。
つまり今外径の異なる4種類の筒状被計測物体を量産し
ようとする場合、各物体の外径に対応させる所望のロー
ラ間隔が保たれている様に一対の基準ローラ87にそれぞ
れ外径の異る部分82、83、84、85を形成されておけば、
計測物体が異なる毎に一々ローラ間隔を調整する手間が
省ける。また特に外径を増大させた個所81は、物体の軸
方向位置決め用ストッパとして役立てることもできる。
あるいは外径が狭い部分83、85は、異径物体をローラ上
に載置する際の、物体の突出部の逃がし用空間としても
機能させられる。そしてこの場合には83及び85部分は外
径寸法を精密に仕上ることを要しないので、ローラの製
作コストを大巾に下げることが可能になる。
第12図は基準ローラの更に別の形状を示している。基準
ローラ90の表面は軸方向に任意の間隔を隔てて外径を所
望の寸法に精密に仕上げした部分91と、この仕上げ面に
較べて外径の小さい凹溝状部分92とを交互に設けてあ
る。
従って加工コストが著しく嵩む精密加工仕上げ部分は、
ローラ90の長さの割に大巾に少なくて済むという経済的
効果が得られる。
そかも凹溝状部分92は基準ローラ90の表面を常に異物が
付着していない清浄な状態に維持させて置くためにも役
立つ。つまり清浄に保つことを要する表面積が減少する
のに加えて、静電気の発生などによって除去しにくい微
小な塵埃をこの凹溝内に追い落すといった便宜的処置も
取ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図はいずれも第1実施例を示しており、第
1図は正面図、第2図は平面図、第3図は側面図であ
り、第4図は計測を行っている状況の説明図、そして第
5図は寸法測定器の測定子の定盤上における高さ位置の
設定作業を行っている状況の説明図である。 第6図は第2実施例装置の模式的平面図である。 第7図と第8図は第2実施例装置の構造を具体的に例示
した正面図と側面図である。 第9図と第10図は、それぞれ基準ローラの回転軸をその
嵌入用溝に圧接した状態下に支持させるための、異なっ
た2つの方法を説明した部分側面図と部分平面図であ
る。 第11図と第12図は、それぞれ前記実施例とは異なった形
状を備えた第1および第2基準ローラの側面図である。 図中 1……第1基準ローラ、2……第2基準ローラ、
10、15……ローラ1と2の回動用無端ベルトとモータ、
21、22……定盤、23……ローラ1の固定架台、24……ロ
ーラ2の可動架台、27、28……ローラ軸受部、30……ベ
ッド、30a……スリット状のボルト挿通穴、A……被計
測物体、B、C……寸法測定器(ダイヤルゲージ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)回転可能に平行に対置させた、第1
    基準ローラ及び第2基準ローラと、 (b)該一対の基準ローラの対置間隔の調節手段と、 (c)前記第1及び第2基準ローラの間で同軸的に支持
    された被計測筒状物体の筒軸線と、前記第1または第2
    基準ローラの一方の軸芯線とを結ぶ平面に沿って計測子
    を移動させられる様に、該平面と平行する方向をもって
    設置した、寸法測定器の載置用定盤と、 (d)前記寸法測定器の計測子を、前記の支持状態にあ
    る前記被計測筒状物体の計測個所に接触させた状態のも
    とに固定させるための、寸法測定器固定手段と、 (e)前記第1および第2基準ローラの同期的回転手段
    とを備えることを特徴とする筒状物体の寸法測定装置。
  2. 【請求項2】前記寸法測定器はダイヤルゲージであるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の筒状物体の
    寸法測定装置。
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