JPH0749955B2 - 工具検査装置および工具検査方法 - Google Patents

工具検査装置および工具検査方法

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JPH0749955B2
JPH0749955B2 JP15507289A JP15507289A JPH0749955B2 JP H0749955 B2 JPH0749955 B2 JP H0749955B2 JP 15507289 A JP15507289 A JP 15507289A JP 15507289 A JP15507289 A JP 15507289A JP H0749955 B2 JPH0749955 B2 JP H0749955B2
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清治 中防
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、棒状ワークの工具刃先の形状を計測するため
の工具検査装置に関し、特にボールエンドミルやラジア
スエンドミル等の螺旋形状の刃先を有する工具の計測に
係るものである。
〈従来技術〉 従来の棒状ワーク1(例えばボールエンドミル)の工具
刃先の真球度等の形状に関する精度確認は、 (1)棒状ワーク1(ボールエンドミル)によって切削
された被加工物の精度を検査してその検査結果から棒状
ワーク刃先の精度を検査する方法、 (2)投影機を用いて棒状ワーク1を投影してその刃先
を検査する方法 があった。
このうち、投影機による計測については、スクリーンに
棒状ワークの切刃部の形状を拡大して写し出し、そのス
クリーン上に例えば拡大して描かれた切刃部の形状の設
計図をセツトし、写し出された棒状ワークの切刃部の実
際の形状と設計図とを比較し、その精度を求めていた。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかし、従来の方法においては、夫々次のような問題を
有していた。
(1)棒状ワーク(ボールエンドミル)により切削され
た被加工物の加工形状から間接的にボールエンドミルの
精度を検査する方法においては、加工前に切削状況の精
度を予測することができない。したがつて、精度検査に
被加工物が必要となり、材料コストが大となるばかりで
なく、検査に時間を要することになる。
また、被加工物に生じた加工形状の誤差が、棒状ワーク
の刃先の精度によるものか、その他の原因によるものか
の判断が困難であつた。
(2)投影機を用いる方法においては、単純な影絵と同
じ要領であり、検査する者にとつて0.01〜0.05mm位の読
取り誤差を生じていた。
本発明は、上記に鑑み、加工前に誰が計測しても精度の
ばらつきがなく簡単に計測できる工具検査装置の提供を
目的とする。
〈課題を解決するための手段〉 本発明による課題解決手段は、第1,2図の如く、棒状ワ
ーク1の基部2を水平に保持し回転可能に支持するワー
クヘツド3と、棒状ワーク1の切刃部4の形状を計測す
る計測プローブ5とが設けられ、該計測プローブ5を切
刃部4の周りを縦方向の旋回軸6を中心として水平方向
に旋回させる旋回手段44と、前記計測プローブ5を水平
面内で前記旋回軸6に対して進退自在に移動させる移動
手段20と、前記ワークヘツド3を旋回軸6に向かつてX
軸方向へ進退自在に移動させる進退手段43と、ワークヘ
ツド3に支持された棒状ワーク1を前記旋回軸6に直交
するX軸周りに回転する回転手段14とを備えたものであ
る。
請求項2の課題解決手段は、請求項1記載の工具検査装
置を用いて、外周切刃部と先端円弧部の先端切刃部とを
有するボールエンドミルの形状を計測する工具検査方法
であつて、その前準備段階で、計測プローブ5をその旋
回角度位置がX軸上に位置するよう配して棒状ワーク1
の先端に計測プローブ5を接触させて計測し、その後、
計測プローブ5の旋回角度位置を水平面内でX軸に直角
に位置するよう旋回させて棒状ワーク1の外周切刃部4a
の真の半径R1を測定し、棒状ワーク1の先端からその外
周切刃部4aの半径R1だけ後退した位置に旋回軸中心が位
置するよう棒状ワーク1をX軸方向へ進退させて位置決
めさせたものである。
請求項3では、外周切刃部と先端円弧切刃部とを有する
ラジアスエンドミルの形状を計測する工具検査方法にお
いて、その前準備段階で、棒状ワーク1の先端円弧切刃
部の公称半径に基づいてその公称半径の中心が旋回軸の
中心に位置するよう、棒状ワーク1を、水平面内でX軸
に直交する方向およびX軸方向へ移動させて位置決めさ
せたものである。
請求項4では、外周切刃部と先端円弧部の先端の切刃に
欠けを有するボールエンドミルの形状を計測する工具検
査方法において、その前準備段階で、計測プローブ5の
旋回角度位置をX軸に直角に配して棒状ワーク1の外周
切刃部4aの半径R1を測定し、その後、計測プローブ5を
旋回させて、棒状ワーク1の先端から所定角度だけ旋回
した位置で、計測プローブ5を接触させて計測し、この
計測結果と前記所定角度とからワークの先端円弧部の真
の半径上に所定角度の最大値がくるようにしてその半径
中心が旋回軸中心に棒状ワーク1をX軸方向へ進退させ
て位置決めさせたものである。
請求項5では、棒状ワークの先端部の形状を検査するも
のであつて、計測プローブ5を棒状ワーク1の先端切刃
部4bの周りを一定角度毎に旋回し、各角度毎に棒状ワー
ク1をX軸周りに一回転させて、そのときの計測プロー
ブ5による測定値の最大値を測定し、この最大値から先
端切刃部4bの形状を各角度において断続的に検査し、そ
のねじれ角や真球度等の形状を計測するものである。
〈作 用〉 上記課題解決手段において、棒状ワーク1を回転させる
ワーク回転手段14、ワーク進退手段43、プローブ旋回手
段44および移動手段20を使用して、ワークの先端を基準
としてその円弧部1aの真球度等の形状に関する精度確認
を行うので、ボールエンドミル、ラジアスエンドミルや
スローアウエイボールエンドミルであっても、低コスト
で立体的にかつ作業者による検査精度のばらつきがなく
計測することができる。
また、外周部は、プローブがX軸に固定されX軸とワー
クの回転から外周部の形状を測定し、先端円弧部はX軸
が固定しプローブが旋回し、円弧部の測定ができ、これ
によりボールエンドミルにとり重要な外周部と先端円弧
部のつなぎ部分の形状が正確に計測することができる。
さらに、プローブの旋回角θを任意に設定することがで
きるので、ボールエンドミルの円弧の任意の部分の詳細
を計測することができる。
〈実 施 例〉 以下、本発明の実施例について、図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明に係る工具検査装置の実施例を示す全体
概要図、第2図は同じく工具検査装置の棒状ワークと測
定プローブの関係を示す拡大平面図、第3図は工具検査
装置の縦断面図、第4図は工具検査装置の機能ブロツク
図である。
[全体の構成] 図示の如く、本実施例の工具検査装置は、棒状ワーク1
の基部2を水平に保持し回転可能に支軸するワークヘツ
ド3と、棒状ワーク1の切刃部4の形状を計測プローブ
5を縦方向の旋回軸6周りに回転させて計測する測定部
7と、該測定部7およびワークヘツド3を安定支持する
精密定盤8と、測定部7およびワークヘツド3の駆動を
制御し測定データを処理する制御部9と、該制御部9に
よつて処理された検査結果を出力する出力装置10とが設
けられている。
[ワークヘツド部の構成] 前記棒状ワーク1は、例えば円弧状の底刃を持つボール
エンドミル、底刃に丸コーナをもつラジアスエンドミ
ル、または刃先がスローアウエイチツプとして特殊形状
に形成されたスローアウエイボールエンドミル等の被検
査体で、例えば、第2図に示す棒状ワーク(ボールエン
ドミル)1では、円柱状の基部2から螺旋形状に形成さ
れた外周切刃部4aと、これに連続して先端円弧部1aの中
心で収束する先端切刃部4bとからなる複数(二枚)の切
刃4が形成されている。
前記ワークヘツド3は、第1図の如く、棒状ワーク1の
基部2を水平に保持する円筒状の保持具11と、該保持具
を回転自在に軸受するワークヘツドケース12と、該ケー
ス12に設置され保持具11を旋回軸6と直交する軸(X
軸)周り(C方向)に回転させるステツピングモータ13
等の制御用回転手段(回転駆動装置)14とを備えてい
る。
前記ワークヘツド3は、その底部がY軸案内レール15に
Y軸方向(旋回軸6と直交しかつX軸と直交する軸方
向)へ移動自在に案内されている。そして、ワークヘツ
ド3は、手動にてY軸方向へ移動し(図示せず)、リニ
アスケール15aを用いてY軸方向の位置を計測調整し、
適宜の位置決め手段(例えば固定ねじ)で位置決め可能
とされる。
前記Y軸案内レール15は、定盤8に固定されたX軸案内
レール16にX軸方向へ移動自在に案内され、該X軸案内
レール16にY軸案内レール駆動装置17が設けられてい
る。
Y軸案内レール駆動装置17は、X軸案内レール16の端部
に設置されたステツピングモータ18、およびこのモータ
18の駆動力をY軸案内レール15に位置するクロスロー
ラ、ボールねじ等(図示せず)とから構成されている。
[測定部の構成] 前記測定部7は、第1,3図の如く、定盤8に縦方向の旋
回軸6周りの回転自在に支持された円板状の旋回台19
と、該旋回台19の上面に支持され計測プローブ5を旋回
軸6に直交する二軸方向へ移動させかつ昇降自在とする
ための移動手段20とを備えている。
前記計測プローブ5は、棒状ワーク1に接触させるため
の触針22と、該触針22を摺動自在に支持するプローブ本
体23とから構成され、プローブ本体23に、触針22の機械
的移動と電気信号に変換する変換部が設けられた周知構
造のものである。なお、触針22の先端球は、0.5R以下の
小さなものが使用されている。また、触針22の先端位置
は、非当接時においてはプローブ本体23に内装されたば
ねによつて約0.08mm前進した状態で前後方向の均衡を保
つており、先端への物体の当接により約0.08mm後退した
状態まで移動することができる構造となつている。これ
により、計測プローブ5は、その前後にかけて最大約0.
08mmの計測が可能となつている。
前記移動手段20は、第3図の如く、旋回台19の外周部に
ピン24で固定された向心案内台25と、該向心案内台25に
旋回軸6の中心方向へ移動自在に案内支持された支持体
26と、前記プローブ本体23を第1図で示すW方向へ移動
調整させるよう案内する向心度調整体27と、前記プロー
ブ本体23を前記支持体26に対して昇降自在に支持する昇
降案内体28と、前記支持体26を向心方向(A軸方向)へ
移動させるためのステツピングモータ29と、該ステツピ
ングモータ29を制御するプローブ進退手段30とから構成
されている。このステツピングモータ29は、向心案内台
25の外側端部に配置されている。また、向心度調整体27
および昇降案内体28は、手作業により調整可能な構造と
なつている。
前記旋回台19は、定盤8のボス部31に回転自在に支持さ
れ、その中央孔32に中空状の前記旋回軸6が固定されて
いる。この旋回軸6および旋回台19は、前記定盤8のボ
ス部31に設置されたステツピングモータ33により正逆回
転可能に駆動される。また、旋回軸6の中央嵌合孔6a
は、基準段階の調整時にテストバー34(第6図参照)を
装着させるためのものである。
なお、第2図の如く、前記旋回台19の旋回角度位置が0
゜の時は、プローブ5の触針方向であるA軸はX軸に直
交しているものとする。また同角度位置が90゜の時に
は、前記保持具11および棒状ワーク1の軸方向であるX
軸方向に対し、触針22およびプローブ本体23の軸方向で
あるA軸方向が一直線に配されるよう計測準備段階で調
整する必要がある。
[精密定盤の構成] 前記精密定盤8、精密仕上げ加工された箱形のものであ
つて、その上面は水平に保たれている。そして、該精密
定盤8には測定部7の背後から上部にかけて、投影機36
が固定されている。また、精密定盤8は、棒状ワーク1
の形状を拡大観察するための実体顕微鏡37が着脱自在に
装着できるようになつている。
[制御部の構成] 前記制御部9は、第4図の如く、コンピユータのCPU42
と、ワークのX軸周りの回転手段(回転駆動装置)14
と、前記Y軸案内レール15およびワークヘツド3のX軸
方向の移動を制御する進退手段43と、ステツピングモー
タ33を通じて旋回台19の水平面上での旋回を制御する旋
回手段(旋回駆動装置)44と、ステツピングモータ29を
通じて支持体26、向心度調整体27およびプローブ本体23
の向心方向(A軸方向)上での移動を制御するプローブ
進退手段30とを備えている。
前記CPU42は、回転手段14、ワーク進退手段43、旋回手
段44およびプローブ進退手段30に制御信号を出力する制
御手段46と、該制御手段46の制御情報、計測プローブ5
からの信号情報およびワークヘツド3のステツピングモ
ータ13の回転情報に基づくデータを処理し、前記出力装
置10へ出力情報を送信する検査データ処理手段47とから
構成されている。
前記出力装置10は、CRTデイスプレイ装置38、ブロツク3
9並びにデイスケツト装置40等、なお、図中41はキーボ
ード等の入力装置41である。
[動作説明] 上記構成において、本発明の工具検査装置により例とし
てボールエンドミルの検査手順を第5図の流れに沿つて
説明する。
[旋回軸の中心を通つてプローブのA軸とワークのX軸
とを一直線上に位置させるための準備工程] (1)プローブの向心度の調整 第6図の如く、前記旋回軸6の中心嵌合孔6aに旋回ステ
ージ19に対して垂直にテストバー34を嵌合し、該テスト
バー34に対し計測プローブ5をA軸方向に手動操作にて
移動させて押し当てる。このとき、プローブ5の触針22
が旋回軸6の中心に向かつているとは限らないので、プ
ローブ5をその後、W方向に移動させるため向心度調整
体27を手作業により操作し、計測プローブ5の触針22を
テストバー34の形状に沿つて移動させる。そして、触針
22の旋回中心点からの距離(以下測定値という)が最大
値を示す位置において計測プローブ5の水平位置を固定
する。そうすると、テストバー34は旋回軸6の中心と一
致した半径(D1/2)の円柱であるため、触針22の最大値
を示す位置は、旋回軸6を中心として計測プローブ5を
90゜の位置に回転しかつA軸方向が旋回軸6の中心に一
致したことを示すことになる。
(2)A軸方向のスケール原点を設定 (1)における測定値の最大値をテストバー34の半径D1
/2と設定し、このときの値を制御部9のメモリに記憶さ
せ、後の計測時に利用する。この場合、旋回軸の中心が
原点となるよう定める。なお、D1はあらかじめ測定して
おいた実測値である。その後、テストバー34を取りはず
しておく。
(3)プローブの上下位置およびワークのY軸方向の調
整 第7図の如く、計測プローブ5の旋回角度位置を0゜に
設定する。そして、ワークヘツド3の保持具11にテスト
バー51を水平に嵌合させ、テストバー51の先端部が前記
旋回軸6の上を通過し、計測プローブ5の触針22がテス
トバー51の基部51aに接触可能になるまで手動でワーク
ヘツド3をX軸方向へ前進させる。次に、計測プローブ
5をテストバー51に押し当て、昇降案内体28を手作業に
より操作し、計測プローブ5の触針22をテストバー51の
形状に沿つて上下方向に移動させ、測定値が最大値d1を
示す点を記憶し、さらに、計測プローブ5の上下位置を
固定する。これにより、プローブ5のA軸はワークのX
軸と水平同一平面内に位置することになる。次に、計測
プローブ5を180゜まで旋回させ、同様にして測定値の
最大値d2を記憶する。この両測定値からテストバー51の
直径D2(=d1+d2)を計算し、測定値がD2/2となるよう
な位置にワークヘツド3をY軸方向へ移動させて固定す
る。これにより、ワークのX軸は旋回軸6の中心を通る
ことになる。そして、プローブ5を90゜旋回させれば、
A軸とX軸とは、同一直線上に位置しかつ、旋回軸6の
中心を通ることになる。
[ワークの先端を基準としてワークの先端円弧部を旋回
軸6の中心に合せるための作業工程] (4)基準データ各値の指定 最初に棒状ワーク1を前進させる際に仮基準位置を設定
しておくための棒状ワーク1の基準公称値半径R0、棒状
ワーク1の準備段階における最小回動角度を定めるため
の棒状ワーク1の刃数M、計測時の旋回ステツプ角度Δ
θ(旋回ステツプ数をnとするとΔθ=90゜/n)、およ
び棒状ワーク1の切刃4の外周切刃部4aと先端切刃部4b
との結び形状の測定範囲長K並びに測定ステツプm等、
自動計測作業に必要なデータを入力装置41により制御部
9に入力する。
(5)ワークの外周切刃部の半径R1の測定 第8図の如く、旋回台19の角度位置を90゜に合わせ、A
軸上における余裕寸法a(0〜3mm)を仮想し、測定値
がR0+aとなる位置に計測プローブ5を設定する。
そして、ワークヘツド3の棒状ワーク1がX軸上におい
て計測プローブ5の触針22に接触するまでゆるやかに回
転しながら前進させ、棒状ワーク1が計測プローブ5に
接触した時点さらに一回転しその最大値を読み取つた
後、X軸上での前進運動を停止させるよう制御する。そ
の後、棒状ワーク1はその位置で1回転以上回転させて
静止させる。これは、触針22がワーク1の切刃部4また
はそれ以外の部分に接触したかによつて先端基準位置が
異なることになり、これを防ぐためである。これによ
り、棒状ワーク1の先端をR0+aの位置に設定したこと
になる。
次に、計測プローブ5がA軸上を少し後退制御させ、旋
回台19の角度位置をB方向に回動して0゜に設定する。
しかる後、棒状ワーク5の外周切刃部4aの正確な半径R1
を検知するため、棒状ワーク5がさらにbだけ前進し、
計測プローブ5がA軸上において棒状ワーク1に接触す
るまで前進する。同時に、計測プローブ5が棒状ワーク
1の切刃部4のうち1枚目の刃を検知するよう、棒状ワ
ーク1を一回転(360゜)だけゆるやかにC方向(左回
転)に回動し、その間の測定値の最大値をワーク半径R1
とする。
(6)ワークのX軸方向の位置決め 前記(5)によつて半径R1が検知されたので、ΔLだけ
棒状ワーク1を後退させる。なお、 ΔL=(R0+a+b)−R1 である。
これによりワーク1の先端を基準として円弧部1aの中心
が旋回軸6の中心と一致することになり、ワーク1のX
軸方向の位置が決定される。
[切刃形状の検査工程] (7)外周切刃部と先端切刃部との結ぎ形状の測定 前記(6)でC方向に回動した後静止した棒状ワーク1
は、例えば第9図の如き状態となり、このときの棒状ワ
ーク1の刃先の回動角度を原点(0゜)とし、C方向の
角度を初期化する。このとき、旋回台19の角度位置を0
゜に合わせる(計測プローブ5のA軸と切刃の角度差は
原点からξだけ回動した位置となる)。
そして、棒状ワーク1は、第10図(a)の如く、前記
(6)の動作により決定された位置からKだけ前進する
(q1)。この状態で棒状ワーク1に触針22を接触させ、
棒状ワーク1を360゜/MだけゆるやかにC方向(左回
転)に回動し、その間の測定値の最大値を測定し、これ
を刃数分だけ行うことによりワークのX軸のある位置で
の外周切刃部4aの位置が検知できる。この検知作業をK/
m後退する毎(q2〜qm)に行なえば外周切刃部4aと先端
切刃部4bとの結ぎ部分の形状を測定することができる。
なお、外周切刃部4aの形状を測定する場合は、ワーク1
のX軸方向のプロット間隔を結ぎ部分よりも粗にして測
定してもよい。
(8)ワークの先端円弧部1aの切刃形状の測定 前記(6)によるワーク1の位置決めを再度行った後、
計測プローブ5の0゜位置で、触針22を棒状ワーク1の
刃先の形状に合わせて接触させながら、棒状ワーク1を
C方向に360゜回転させ、その測定値の最大値を旋回角
度位置0゜におけるR1として記憶する。
次に、旋回台19を(4)で指定したΔθ(=90゜/n)だ
け自動的に旋回させ、上記と同様に作動させてある角度
θでの測定値の最大値をR1として記憶させる。
そして、第10図(b)の如く、旋回台19の角度位置がP1
からPn(=90゜)まで、上記の操作を繰返してR1を記憶
させる。
そうすれば、棒状ワーク1の先端切刃部4bの回転形状を
断続的に検査することができる。
なお、もし途中でワークが360゜回転しても、プローブ
の最大値の検出がなされない場合には自動計測は中止
し、切刃がないことを判断する。
[出力装置の動作] (9)旋回台19の角度位置が90゜になつて段階で、第11
図(a)〜(f)の如く、出力装置10に検査結果を出力
する。なお、第11図(a)〜(f)は二枚の切刃を有す
る棒状ワーク1(ボールエンドミル)の測定結果をプリ
ントアウトした状態を示す図である。そのうち、第11図
(a)は、先端切刃部4bの二枚の切刃のうち一方の先端
切刃の計測データをプリントアウトしたもので、計測プ
ローブ5の旋回角度(測定角度)が0.000゜から90.000
゜までΔθ=3.913゜づつ旋回し、夫々の角度位置にお
ける最大測定値(ツール半径)R1およびその偏差値のデ
ータ記録したものである。同時(b)は同図(a)と同
様に他方の先端切刃を測定した結果を表したものであ
る。同図(c)は、外周部4aの切刃の計測結果をプリン
トアウトしたもので、二枚の切刃の夫々について、先端
円弧部1aと外周部4aのつなぎ部分と0.5mm後退した位置
との間を、0.05mm間隔に最大測定値(ツール半径)R1と
その偏差値を記録したものである。なお、ここでツール
角度とは最大測定値を示したワーク1の回転角度ξを示
している。また、同図(d)は、真の半径R1(=4.94
3)を基準線として、測定結果をプロツトした図、同図
(e)は、先端切刃部1aの二枚の切刃の夫々について、
各旋回角度位置θと最大測定値を記録したワーク1の回
転角度ξとの関係(ねじれ角の状態)を示した図、同図
(f)は同図(c)をグラフ化したものである。
このように、棒状ワーク1を回転させながらワーク回転
手段14、ワーク進退手段43、プローブ旋回手段44および
移動手段20を使用して、ワークの先端を基準としてその
円弧部1aの真球度等の形状に関する制度確認を行うの
で、低コストで立体的にかつ作業者による検査精度のば
らつきがなく計測することができる。
[ラジアスエンドミルの測定] 本発明の工具検査装置は、上記のようなボールエンドミ
ル以外にも、ラジアスエンドミル等の検査にも使用でき
る。
すなわち、棒状ワーク1が第12図の如き形状であり、そ
の公称値R0であるコーナー部分の精度を検査しようとす
る場合、上記手順の(3)ワークのY軸方向の調整にお
いて、棒状ワーク1のC方向回転軸C1と旋回台19のB方
向旋回中心軸6とが互いにねじれの位置関係にあり、そ
の距離Y1が Y1=D0/2−R0 となるようにワークヘツド3のY軸方向の位置を設定し
ておく。ただし、D0は棒状ワーク1の公称直径である。
そして、旋回軸6の中心にA軸が向心するため、ボール
エンドミルと同様にプローブ5による測定値の最大値を
旋回角度Δθ毎に記憶していけば、その形状を検査する
ことができる。
[スローアウエイボールエンドミルの測定] さらに、例えば、第13図に示すスローアウエイボールエ
ンドミルの如き先端中心に切刃を有しない場合には、上
記(5)の手順によっては、ワーク1の先端を基準とし
て旋回軸6の中心にワーク1の円弧部1aの中心を一致さ
せることはできない。そこで、第13図の如く、プローブ
5が円弧部1aと接触できる角度まで回転して棒状ワーク
1と測定プローブ5とを当接させ、円弧部1aの中心を旋
回軸6の中心に一致させる操作を行う。
つまり、第13図の如く、測定プローブ5の旋回角度位置
が90゜でなく(90−ζ)゜(0゜<<ζ<90゜)に設定
しておくと、図中R3をR3=R1であると推定した場合、上
記(6)のワークのX軸方向の位置決めは、余弦定理に
よる二次方程式 (△L)−2(R0+a)(△L)cos(ζ゜) +(R0+a)−R12=0 を満たす△Lを制御手段により演算し、この△Lだけ後
退することにより可能となる(なお、二次方程式の複数
解のうち、小さい方を△Lとする)。
その他の作用・効果はボールエンドミルの検査の場合と
同様である。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではな
く、本発明の範囲内で上記実施例に多くの修正および変
更を加え得ることは勿論である。
例えば、(1)および(3)で使用してテストバー34,5
1のかわりに、第14図(a)の如き先端が略く字形に形
成された芯出用ゲーシ52を使用してもよい。この場合、
まず、芯出用ゲーシ52を第14図(b)のようにA−Aが
垂直になるよう保持具11に嵌合させ、旋回角度位置が90
゜において計測プローブ5を水平面内で向心度調整体27
によりW方向に調整し、計測値が最大になる位置に固定
する。これにより、プローブ5の向心度を調整できる。
次に、芯出用ゲージ52をX軸周りに90゜回動させ、第14
図(c)のようにA−Aを水平にし、計測プローブ5を
垂直方向に昇降案内体28により移動させ、計測値が最大
になる位置に固定する。さらに、芯出用ゲージ52を回転
させて測定値に振れがないかを確認する。これにより、
プローブ5の上下位置の調整を行なうことができる。
また、上記実施例においては旋回台19が回動自在な円板
形に形成されているが、旋回軸6に支持されたアーム式
のものであつてもよい。
さらに、本実施例では計測プローブ5の位置を調整する
向心度調整体27、昇降案内体28、またはワークの位置を
調整するY軸方向位置決め手段は手動操作により行なつ
ていたが、制御部9により自動化してもよい。
〈発明の効果〉 以上の説明から明らかな通り、本発明によると、棒状ワ
ークを回転させるワーク回転手段、ワーク進退手段、プ
ローブ旋回手段および移動手段を使用して、ワークの先
端を基準としてその円弧部の真球度等の形状に関する精
度確認を行うので、ボールエンドミル、ラジアスエンド
ミルやスローアウエイボールエンドミルであっても、低
コストで立体的にかつ作業者による検査精度のばらつき
がなく計測することができるといつた優れた効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の工具検査装置の全体構造図、
第2図は同じく工具検査装置の一部拡大平面図、第3図
は工具検査装置の一部断面図、第4図は機能ブロツク
図、第5図は動作フローチヤート、第6図、第7図、第
8図は工具検査装置の一部拡大平面図、第9図は棒状ワ
ークの一部拡大断面図、第10図(a),(b)は工具検
査装置の一部拡大平面図、第11図(a)〜(f)は出力
結果を示す図、第12図、第13図は工具検査装置の一部拡
大平面図、第14図(a)は芯出用ゲージの斜視図、第14
図(b),(c)は工具検査装置の一部拡大平面図であ
る。 1:棒状ワーク、1a:円弧部、3:ワークヘツド、4:切刃
部、5:計測プローブ、6:旋回軸、14:ワーク回転手段、2
0:移動手段、30:プローブ進退手段、43:ワーク進退手
段、44:プローブ旋回手段。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】棒状ワークの基部を水平に保持し回転可能
    に支持するワークヘツドと、棒状ワークの切刃部の形状
    を計測する計測プローブとが設けられ、該計測プローブ
    を切刃部の周りを縦方向の旋回軸を中心として水平方向
    に旋回させる旋回手段と、前記計測プローブを水平面内
    で前記旋回軸に対して進退自在に移動させる移動手段
    と、前記ワークヘツドを旋回軸と直交するX軸方向へ進
    退自在に移動させる進退手段と、ワークヘツドに支持さ
    れた棒状ワークを前記旋回軸と直交するX軸周りに回転
    する回転手段とを備えたことを特徴とする工具検査装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の工具検査装置を用いて、外
    周切刃部と先端円弧部の先端切刃部とを有するボールエ
    ンドミルの形状を計測する工具検査方法において、その
    前準備段階で、計測プローブをその旋回角度位置がX軸
    上に位置するよう配し、棒状ワークの先端に計測プロー
    ブを接触させて旋回軸中心から棒状ワークの先端までの
    距離を演算し、その後、計測プローブの旋回角度位置を
    水平面内でX軸に直角に位置するよう旋回させて棒状ワ
    ークの外周切刃部の真の半径を測定し、これらの計測結
    果に基づいて棒状ワークの先端からその外周切刃部の真
    の半径だけ後退した位置に旋回軸中心が位置するよう棒
    状ワークをX軸方向へ進退させて位置決めさせたことを
    特徴とする工具検査方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の工具検査装置を用いて、外
    周切刃部と先端円弧切刃部とを有するラジアスエンドミ
    ルの形状を計測する工具検査方法において、その前準備
    段階で、棒状ワークの先端円弧切刃部の公称半径に基づ
    いてその公称半径の中心が旋回軸の中心に位置するよ
    う、棒状ワークを、水平面内でX軸に直交する方向およ
    びX軸方向へ移動させて位置決めさせたことを特徴とす
    る工具検査方法。
  4. 【請求項4】請求項1記載の工具検査装置を用いて、先
    端円弧部の先端の切刃に欠けを有するボールエンドミル
    の形状を計測する工具検査方法において、その前準備段
    階で、計測プローブの旋回角度位置をX軸に直交する方
    向に配して棒状ワークの外周切刃部の真の半径を測定
    し、その後、計測プローブを旋回させて、棒状ワークの
    先端から所定角度だけ旋回した位置で、計測プローブを
    接触させて旋回軸中心から計測接触部までの距離を演算
    し、この結果と前記所定角度情報とからワークの先端円
    弧部の真の半径上に所定角度の最大値がくるようにして
    その半径中心が旋回軸中心に位置するよう棒状ワークを
    X軸方向へ進退させて位置決めさせたことを特徴とする
    工具検査方法。
  5. 【請求項5】請求項2,3,4記載の工具検査方法におい
    て、前準備段階の後に、計測プローブを棒状ワークの先
    端切刃部の周りを一定角度毎に旋回し、各角度毎に棒状
    ワークをX軸周りに一回転させて、そのときの計測プロ
    ーブによる測定値の最大値を測定し、この最大値から先
    端切刃部の形状を各角度において断続的に検査し、その
    ねじれ角や真球度等の形状を計測することを特徴とする
    工具検査方法。
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