JPH0833290B2 - 筒状物体の寸法測定装置 - Google Patents

筒状物体の寸法測定装置

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JPH0833290B2
JPH0833290B2 JP23768686A JP23768686A JPH0833290B2 JP H0833290 B2 JPH0833290 B2 JP H0833290B2 JP 23768686 A JP23768686 A JP 23768686A JP 23768686 A JP23768686 A JP 23768686A JP H0833290 B2 JPH0833290 B2 JP H0833290B2
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dimension measuring
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和雄 飯嶋
信芳 飯嶋
茂定 飯嶋
安明 斎藤
修一 石黒
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飯島精密工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は少なくとも部分的に円筒状または円柱状をな
す被計測物体の外径、内径、真円度あるいは筒壁の肉厚
を、その成形加工の過程において簡易且つ精密に計測す
るための寸法測定装置に関する。
[従来の技術] 機械部品の切削加工場などでは、加工途中のワークの
仕上がり寸法を1/100mm以上の精度をもってチェックし
たい場合には作業者自身の手によって、一般に市販され
ているマイクロメータ、ダイヤルゲージその他の精密計
測器が使われてきた。
[発明が解決しようとする問題点] 計測対象物が板状体であれば、その厚みや表面の平滑
度ダイヤルゲージを使って比較的容易にまた高い精度を
もって測ることができるが、筒状体の場合には、特別の
計測用治具を用意するとしても、かなりわずらわしい手
間が掛るうえに、計測の熟練度によっては無視し難い測
定誤差を生じ勝ちである。
本発明は測定操作が簡易であり、非熟練者であっても
簡単に手早く、また高い精度をもって筒状物体の寸法を
測ることのできる、生産現場向きの測定装置を提供する
ことを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 上記の目的を達成するために本発明による筒状物体の
寸法測定装置は、水平面に対して斜方向に配設したベッ
ドと、相互に平行方向を保たせると共に回転可能に前記
ベッド上に載架した、第1基準ローラ及び第2基準ロー
ラと、前記一対の基準ローラ対置間隔の調節手段と、前
記第1及び第2基準ローラの間で同軸的に支持された被
計測筒状物体の筒軸線と、前記第1または第2基準ロー
ラの軸芯線とを結ぶ平面に沿って計測子を移動させられ
る様に、該平面と平行する方向にその盤面方向を保たせ
て前記ベッド上に取付けた複数個の寸法測定器載置用定
盤と、前記寸法測定器の計測子を、前記の支持状態にあ
る前記被計測筒状物体の計測個所に接触させた状態のも
とに固定させるための、寸法測定器固定手段と、前記第
1および第2基準ローラの同期的回転手段とを備える構
成を採用した。
[作用および発明の効果] 上記の如き構成を備えた本発明装置はその使用に先立
って、一対の基準ローラの対置間隔調節手段を操作し
て、筒状の被計測物体がこの一対のローラ間で同軸方向
をもって安定に支持された状態のもとで、被計測物体の
筒軸線と基準ローラの中心軸とを通過する面が定盤の盤
面に対して平行になる様に、ローラ間隔を調節し、その
位置にローラ軸受を固定させる。この間隔は被計測物体
の所望外径と基準ローラの外径寸法に基づいて計算によ
って容易に求められる。
次に所定の外径、内径、肉厚などの寸法または真円度
に正しく加工されているモデル物体を一対の基準ローラ
間に同軸的に載せて安定に支持させたうえ、測定子の高
さを被計測物体の測定個所(上記の平面が物体の外周と
交わる個所)にあらかじめ合致させてある寸法測定器を
定盤に載せて、その測定子を測定個所に向けて近づけ接
触させる。測定器の目盛が所定の許容測定誤差の範囲を
幾分越えて振れる位置に達した時、寸法測定器をこの位
置を保って定盤上に固定させ、測定器の寸法指示マーク
(指針)を零表示位置に合わせたうえモデル物体を取り
除くことによって装置の使用前の準備作業が完了する。
被計測物の測定を行うには、物体の測定個所を測定器
の測定子先端に一致させる様にして一対の基準ローラの
間に単に載せればよい。測定器の寸法表示スケールがモ
デル物体に対する被計測物体の寸法誤差を精密に表示し
てくれる。また外径と内径を測ることによって筒壁の肉
厚が知られるし、一対の基準ローラをその回動手段によ
って回転させることによって筒状体の真円度をチェック
することができる。
上記の様に本発明装置は筒状体の直径方向の寸法を測
る際に、ダイヤルゲージなどの測定器の測定子(測定個
所への接触子)が、その前後動方向を筒状体の直径方向
に正しく合致させて接触する様にして測定器を被計測筒
状物体に当接させるという、従来は極めて手間が掛かり
且つ困難であった計測時の位置決め作業が、非熟練者に
もほとんどワンタッチ式に行えるうえに、測定者が異な
る毎に測定結果に差異が生ずる不都合もほとんど皆無に
することができる。従って測定器の精度の限度内におい
て充分に信頼性の高い測定が行える。
[実施例] 以下に図に示す実施例に基づいて本発明の構成を具体
的に説明する。
第1図〜第4図はいずれも一実施例を示しており、第
1図は正面図、第2図は平面図、第3図は側面図、そし
て第4図は部分拡大正面図である。
装置全体の概略の構成は、水平面に対して斜方向この
実施例では30゜斜め方向を保たせて固定した、長方形を
なすベッド10と、ベッドの中央部より幾分左側に片寄っ
た位置に、ベッド10の巾方向に対して平行を保たせて、
回転可能にローラ架台8に載架させた状態のもとに設置
した第1基準ローラ1と、この第1基準ローラ1に対し
て平行を保たせて回転可能にそのローラ架台9に載架さ
せた第2基準ローラ2と、第1及び第2基準ローラ1と
2の間隔を被測定物の直径に対応させて拡げまたは狭め
させるために、ローラ架台9をベッド10上で左右方向に
移動させるためのローラ間隔調節手段と、第1及び第2
基準ローラ1と2を同期的に同方向に回転させるための
プーリ群21〜26及びこのプーリ群に掛け渡した無端ベル
ト20と、装置の基台30に組み付けたベルト20の駆動機構
27〜29および40と、ベッド10上の左右両端部にそれぞれ
ベッド10の長手方向および巾方向に沿って移動可能な状
態のもとに固定された架台5及び6の上面に、それぞれ
水平方向を保たせて取付けた寸法測定器載置用の第1の
定盤3と第2の定盤4とを主要構成部材として成り立っ
ている。
ベッド10は第1図に示したように、その右側端を固定
用部材36を用いて基台30の上面右端部に固定し、左側端
を基台30上の左端部に組付けた架台31に固定用部材32お
よび33を用いて固定させることによって、水平面に対し
て斜方向に支持されている。筒状の被測定物Aを安定に
支持するための、同一寸法の第1及び第2基準ローラ1
と2は、共に硬度の高い金属棒を精密仕上げ加工するこ
とによってミクロン単位の精度をもって所定の外径寸法
に保たれている。
第4図に示したように第1基準ローラ1の回転支持1a
は、ローラ架台8の上端部に設けた軸嵌合用溝8aに嵌め
込んだうえ、ボルト17によって架台8にネジ止めされて
いる支軸1aの支承部材16により安定に挟持されている。
ローラ架台8は底板8Aの前後両縁部にそれぞれ縦板8
を組付けたコの字形をしており、底板8Aに挿通させたボ
ルト11によって架台8はベッド10の上面に図示の如く固
定されている。
第2基準ローラ2も第1基準ローラ1と同様にしてそ
の支軸2aをローラ架台9の軸嵌合用溝9aに嵌め込まれて
いる。そして第2基準ローラ2の架台9は、その固定用
ボルト12がベッド10に設けたボルト12の遊動用スリット
10Aに挿通されていることによって、このボルト12の締
結状態が解かれた時には、ローラ架台9はベット10上を
スリット10Aの長さの範囲内で左右動することができ
る。
第1及び第2基準ローラ1と2のそれぞれの支軸1a及
び2aの各々の両軸端部に各ローラの回動用プーリ21また
は22が取りつけられており、ベッド10の下底面にはロー
ラ架台8に対向する個所に第1図に示すプーリー群23を
取付けたプーリ取付け用部材13がローラ架台8をベッド
10に固定させるためのボルト11を利用して固定されてい
る。またローラ架台9に対向させて別のプーリ群24を取
付けたプーリ取付け用部材14が、架台9の固定用ボルト
12を利用してこの架台9と一体をなして、前記のスリッ
ト10Aにガイドされてベッド10の下底面に沿って左右動
できるように組み付けられている。
一方装置の基台30には、前記プーリ群23または24を介
して第1及び第2基準ローラの回動用プーリ21と22を同
期的に同方向に回転させるための駆動用プーリ26が取付
けられており、これらのプーリの間には第1図に示され
ているように無端ベルト20が掛け渡されている。25はプ
ーリ取付け用部材14を左右動させた時にも無端ベルト20
を常に引張状態に保つためのテンションプーリであっ
て、基台30に取付けられた支軸35の周りに回動できる回
転アーム34の先端部に取付けられ、図示が省かれている
アーム揺動機構によって支持されている。
第1図および第2図に示したようにベッド10の左端側
上面には、前後一対の側壁板の組合わせからなる定盤架
台5がボルト41を用いて固定されており、ベッド10を挟
んで対向して位置する一対のローラ架台側壁板5の水平
な頂面の間には、寸法測定器載置用の第1の定盤3がボ
ルト15を用いて取付けられている。同様にベッド10の右
端上面には1対の側壁板からなる定盤架台6がボルト42
により固定されている。架台6の頂面には架台5と同様
に、ボルト15を用いて寸法測定器載置用の第2の定盤4
が水平方向を保たせて取付けられている。
被計測物体A(B)の直径寸法の大小に応じて第2の
ローラ架台9を左右動させるのに伴って、第2の定盤架
台6にも追従的な左右動を行わせる必要が生じるので、
この定盤架台6もベッド10上を左右動可能にベッドに組
付けている。定盤架台6の移動に際しては取付ボルト42
をゆるめればよい。
ベッド10は水平面に対して斜めに固定されているの
で、定盤架台6の左右動に伴って定盤4の盤面高さも上
下する。従って定盤4上の寸法測定器を異なった背丈の
ものに取り替えたい時などにも、この定盤架台の左右動
機構を活用することができる。
同様に第1の定盤3の盤面高さを調節したい場合に備
えて、第1の定盤架台5もベッド10上に左右動可能に組
付けるのがよい。
更に被計測物体A(B)の長さ寸法が変ったり、計測
個所を変更したりした時などに、第1と定盤3または第
2の定盤4の取付け位置を前後方向(筒状被計測物体の
筒軸方向)に移動できるように、定盤3および4を定盤
架台5または6の頂面に沿って前後動できるように構成
するとよい。
次に上記実施例装置の使用法の説明図としての第5図
及び第6図において、Aは円筒状に切削加工された被測
定物体であって、平行方向を保って対置されている2本
の基準ローラ1と2の間に挟み込む様にして安定に載置
されている。CおよびGはそれぞれ定盤4または3に載
置させて被測定物体の内径、外径、円筒の肉厚あるいは
円筒の真円度を計測するための計測用としてのダイヤル
ゲージである。100および200はダイヤルゲージの本体部
分、101と201はゲージのベースブロック、102と202はゲ
ージ本体を上下動可能に支持するスタンド、103と203は
被計測個所に接触させる測定子である。
またEはダイヤルゲージCまたはGの計測感度を向上
させるための、テコ式の計測量拡大器であって、51はそ
の本体をなすテコ、52はテコの支点、53はテコの一端部
に取付けて被計測個所に接触させる計測子、54はダイヤ
ルゲージなどの寸法測定器の測定子を当接させるため
の、テコ51の他端側力点であって、測定子の中心部の当
接位置を正しく決められる様に円穴が設けてある。55は
ベースブロック、56は支点としてのテコの回転軸を取付
けたスタンドである。301と302は被測定物体Aの肉厚を
測るための、図示しない別のダイヤルゲーシの測定子で
ある。
第6図に示すFは定盤4の盤面からこの盤上に載置し
たダイヤルゲージCの測定子103の先端部までの高さを
所定の高さにもたらすための位置決め用補助具である。
次に上記実施例装置の使用法を付図によって説明す
る。
先ずこの装置を用いて円筒状物体の外径、内径、筒壁
肉厚あるいは真円度を精密に計測する方法の基本原理を
説明すると、2本の基準ローラ1と2の間隙部に挟み込
む様にして安定に載置させた被計測物体Aの筒軸線と、
第1の基準ローラ1の軸芯線とを通過する平面をaとす
ると(第5図参照)、その盤面を水平に保って固定され
ている第2の定盤4にそのベースブロック101を載置さ
せて自在に定盤上を移動できるダイヤルゲージCが如何
な移動位置を占めても、その測定子103の計測先端部中
心を上記の平面aに一致した位置に保ちつづけさせるた
めには、つまり測定子103の前後進動方向を円筒状被計
測物体Aの直径方向に一致させるためには、当然のこと
ながら、平面aは常に定盤4の盤面同様に正確に水平面
をなしていることが要件となる。
しかし被計測物体Aの外径寸法は様々であるので、被
計測物体Aの安定支持用の固定されている第1基準ロー
ラ1、およびベッド10上を左右動可能な第2基準ローラ
2の2つのローラの間隙を、上記の外径寸法の変化に応
じて調節してやらないと、平面aを正しく水平方向に保
ちつづけることはできない。
測定子103が上記の設定条件を満足させながら移動で
きるためには、下記の方法によって求められる特定値と
しての、物体Aの直径によって決定されるローラ1と2
間の間隙巾Wと、定盤4の盤面から測定子103の先端中
心までの高さHとをあらかじめ設定しておけばよい。
Wの値は、被計測物体Aの所望直径Dと、第1及び第
2基準ローラ1と2の直径、及び一組の基準ローラ上に
載置されている筒状被計測物体用の筒軸線と第1の基準
ローラ1の軸芯線とを結ぶ平面aと、同じく筒軸線と第
2の基準ローラ2の軸芯線とを結ぶ平面bとの交叉角θ
との、3つの値に基づいて角θに関する三角凾数を用い
容易に求められる。即ち、第1及び第2基準ローラ1、
2の直径をdとすると、W=D×cos(90−θ/2)−
{d−d×cos(90−θ/2)}となる。例えばθ=120
゜、d=34.000±0.0003mmの場合には、三角関数値を代
入するとW=D×0.866−4.551の関係式が成り立つの
で、この換算用スケールを用意すればローラ間隔Wは即
座に設定できる。
この様な物体Aと測定子103との間の接触条件が設定
されれば、物体Aを2本の基準ローラ1と2の間に単に
挟み込ませることによって、転動しやすく安定に静止し
難い物体Aは装置上の所定の計測位置に常に正確に静止
させられる。そしてダイヤルゲージCはその測定子103
の前後動方向を常に物体Aの直径方向に合致させること
ができる。
従って正しい寸法に仕上げられている基準物体をこの
装置に載置した時のダイヤルゲージCの指針をあらかじ
めゲージ目盛の0位置に合わせて置けば、物体Aが基準
寸法物体に対してどれだけ寸法誤差があるかを、あるい
は物体Aの真円度を被計測物体の全周に亘って極めて簡
単迅速に且つ精密に測ることができる。
一方第1の定盤3は、その盤面を第2の定盤4の盤面
に対して平行方向を保たせてベッド10に固定されている
ので、定盤3の盤面もまた上記の平面aに対して正しく
平行状態に維持されている。従って定盤3上に載置され
たダイヤルゲージGも、その測定子203の先端部が常に
前記平面a上に位置する状態のもとに定盤3上を移動さ
せることができる。
しかし定盤3の盤面と第1の基準ローラ1との相互位
置関係からして、測定子203を直接被計測物体の計測個
所に当てがうことは行い難いので、例えば第5図に描か
れているような計測子先端部の延長用の適宜のアダプタ
ー、この場合にはテコ式の測定量拡大器Eに取り付けた
補助測定子53を計測個所に当てがう方法を採用しても良
い。その際には、補助測定子53の前後動方向を被計測物
体Aの筒軸線と第2の基準ローラ2の軸芯線とを結ぶ平
面bに一致させるようにその配設方向を定める必要があ
る。
装置の操作方法を具体的に説明すると、先ず始めに被
計測物体Aの外径の如何に応じて第1の基準ローラ1と
第2の基準ローラ2との間の間隔Wを調整することによ
って、装置を前記の設定条件が満たされる状態にもたら
すために、可動ローラ架台9の固定用ボルト12をゆるめ
て所定間隔Wに正確に合致する位置に移動させた後、架
台9をベッド10上に再び締結固定させる。
可動ローラ架台9の移動に先立ってテンションプーリ
25の固定をあらかじめ解いて置き、架台9の移動を終え
た後に無端ベルト20に適度の張力が及ぼされる様に、前
後一組のテンションプーリ25の望ましい固定位置を選定
する。
次に寸法測定器としてのダイヤルゲージCを定盤4上
に載置した時、測定子103の先端が前述の設定条件を満
足させるために定盤4の盤面から高さHの位置にある様
に調整するためにはハイトゲージによって定盤4の盤面
から基準ローラ1の頂面までの高さを測定するなど、様
々な方法が可能であるがその一つの方法を第6図に示し
た。60はダイヤルゲージCの測定子103先端部高さHの
位置決め用スケールであって、金属製の細長いバー材の
一端部を90゜下向きに折り曲げた形状を備えており、こ
の折曲げ部60aには測定子103の円形先端部を嵌入させる
ための円穴61が穿たれている。スケール60の底面(定盤
3の上面)から円穴61の中心までの距離dは、定盤3の
上面から平面aまでの距離に一致させてある。スケール
60は適宜の手段によって定盤3に固定させる。
スケール60の使用方法はその折り曲げ部60aがはみ出
すようにしてスケール60を定盤上に載置し、定盤4に載
せてあるダイヤルゲージCの測定子103の先端部がスケ
ールの円穴61のほぼ中心に一致させる様に目測によって
ダイヤルゲージ本体100の取付け高さを調節させながら
ダイヤルゲージCをスケール60に接近させる。測定子10
3の先端が円穴61内にはまり込んだ後は、ダイヤルゲー
ジの指針の動きを注目しながら、測定子103の高さ位置
を微調整しつつダイヤルゲージCを更に前進させると測
定子103の先端が円穴61内に同軸的位置関係のもとに完
全に押し込まれた時指針の揺れが止まるので、この高さ
位置でダイヤルゲージ本体100をそのスタンド102に固定
させることによって定盤4の盤面から測定子103の先端
までの高さは容易に前述のHの値に一致させることがで
きる。
この様にして一対の基準ローラ1と2の間隔Wとダイ
ヤルゲージの測定子103の高さHが設定寸法に正確に合
致されると測定装置は使用可能状態になる。
そこで装置のローラ駆動用モータ40を起動させること
によって一対の基準ローラ1及び2をゆるやかに回転さ
せながら、先ず正確な寸法に加工されている被計測物体
と同じ形状寸法のモデル物体をこの一対のローラの間に
静かに載せる。もちろんローラも物体も異物の付着の有
無を綿密に確める必要がある。物体が円滑に静かに回転
すれば異常なく物体が載置されていることが証明される
ので回転を止める。次にダイヤルゲージCを物体に接近
させて測定子103を物体の計測個所に接触させ、ゲージ
の指針が0.10〜0.15程度振れる位置に達したら、この位
置において定盤4の面上に図示が省かれたクランプなど
の固定手段を用いてダイヤルゲージを固定させる。ダイ
ヤルゲージの指針をゲージの零表示マークに合わせた
上、基準ローラ上からモデル物体を取り除けば、被計測
物体の寸法測定のためのすべての準備は完了する。
切削ないし研削加工途中で加工個所の寸法チェックを
行うために、または加工仕上がり品について寸法測定を
行うために本発明装置を使用する方法は、被計測物体の
測定個所がダイヤルゲージの測定子の先端に触れる様に
して一対の基準ローラ1と2の間に被計測物体を静かに
載置する。この時一時的にローラ1と2を回転させてや
ることは前記のモデル物体を載せる場合と同様である。
そしてダイヤルゲージCの指針によって被計測物体の外
径寸法が基準寸法(モデル物体の寸法)と一致している
か、あるいはどれだけ偏っているかをたちどころに知る
ことができる。
ダイヤルゲージCの目盛を読み取る際に一対の基準ロ
ーラ1と2を回転させつづければ、筒状物体の真円度も
精密且つ容易にチェックすることができる。ダイヤルゲ
ージの指針の振れを自動記録するためのデータメモリー
装置あるいは寸法誤差警報装置を併用すれば、工程管理
や製品の品質管理、あるいは品質証明などに役立てられ
る。
一組の定盤3と4の使用方法は、例えば定盤4を主と
して被計測物体Aの外径測定に用い、定盤3は主として
筒状被計測物体の肉厚測定用計器の載置に用いるといっ
た具合に使い分けることによって、すこぶる手際よく正
確迅速に物体の外径と共に内径および筒壁の肉厚を同時
に測ることができる。
更に第5図に描かれている様にテコ式の計測値拡大器
EをダイヤルゲージGまたはCと組み合わせて使用すれ
ば、より高い精度をもって寸法測定を行うことができ
る。
また寸法測定に当って定盤3及び4の広さが不足とな
れば、あらかじめ用意しておいた補助定盤を、これらの
定盤の盤面に正しく平行になるように継ぎ足して取り付
ける方法を講じておけば、定盤3及び4の有効盤面積を
希望通りに拡大することができる。
本発明の計測精度を充分に高い水準に引き上げさせる
要因の一つは基準ローラ1及び2の回転軸1aと2aの支持
方法にある。通常回転物体はベアリングを用いてその回
転軸を支承させているが、ベアリングはその構造上回転
半径方向の遊びを完全になくすことは不可能に近い。し
かしこの装置てはローラ回転軸1aおよび2aを、コ字形、
V字形あるいはU字形などの適宜の形状の溝内に嵌め込
まれた状態のもとに支持されているので回転動に伴う遊
びをほとんど零に近づけることができる。
上記実施例では寸法測定器としてダイヤルゲージを用
いているが、電子式の圧力センサ型寸法測定器などを使
用することも可能である。
第7図に本発明装置の他の実施例を模式的平面図とし
て示した。この装置の特長は筒状の被計測物体の外径ま
たは内径が筒軸方向に一様でない場合にも、一対の基準
ローラの間で既述の計測条件が満たされた状態のもとに
正確に支持させることを可能にするために、第1および
第2の基準ローラの各々を軸方向に2分割して被計測物
体の形状と寸法に応じて適宜の間隔Lを保たせた状態の
もとに、回転可能にそれぞれの架台に取り付けた点にあ
る。
1Aと1Bは2分割された第1の基準ローラであり、51A
と51Bは各々のローラの架台である。
2Aと2Bは2分割された第2の基準ローラであり、52A
と52Bは各々のローラの架台である。
架台51Aと52Aは図中に黒矢印で示した様に相互間の隔
たりを調整可能にベッド10上に第1実施例と同様な方法
で取付けられている。
また架台51Bと架台52Bは、上記のローラ間隔Lを任意
に調節できるように、可動式の供用架台70上に組み付け
られており、この供用架台70は図中に白矢印で示したよ
うに、装置の前後方向(第8図では左右方向)に移動可
能にベッド10上に架装されている。架台51Bと架台52Bの
相互間の間隔を調節できることは架台51Aと52Aと同様で
ある。
この実施例装置を用いれば、例えば第7図に描かれて
いるような外径と内径が共に異経形状を有する複雑な形
を備えた物体であっても、2つの定盤3と4上にセット
した複数個の寸法測定器及び各測定器に付設した電子式
表示装置などによって複数の測定個所の計測結果を一瞬
にして記録させ且つ読み取ることができる。
第8図は基準ローラ1または2の別の形状を示した側
面図であって、基準ローラ80はその軸方向に段違い状に
順次外径を変化させている。従って筒状被計測物体の外
径が異なる毎に、一対の基準ローラの間隙を調整すると
いう前述の如きわずらわしい作業をかなり省略すること
ができる。
つまり今、外径の異なる4種類の筒状被計測物体を量
産しようとする場合、各物体の外径に対応させた所望の
ローラ間隙が保たれているように、一対の基準ローラに
それぞれ外径の異なる部分82、83、84、85を形成させて
おけば、計測物体が異なる毎に一々ローラ間隙を調整す
る手間が省ける。また特に外径を増大させた個所81は、
物体の軸方向位置決め用ストッパとして役立てることも
できる。
あるいは外径が狭い部分83、85は異径形状を有する被
計測物体をローラ上に載置する際の、計測を行うことを
要しない突出部分の逃がし用空間としても機能させられ
る。そしてこの場合には83および85部分は外径寸法を精
密に仕上げることを要しないで、ローラの製作コストを
大巾に下げることが可能になる。
第9図は基準ローラの更に別の形状を示している。基
準ローラ90の表面は軸方向に任意の間隙を隔てて外径を
所望の寸法に精密に仕上げした部分91と、この仕上げ面
に較べて外径の小さい凹溝状部分92とを交互に設けてあ
る。
従って加工コストが著しく嵩む精密加工仕上げ部分
は、ローラ90の長さの割に大巾に少なくて済むという経
済的効果が得られる。
しかも凹状部分92は基準ローラ90の表面を常に異物が
付着していない清浄な状態に維持させて置くためにも役
立つ。つまり清浄に保つことを要する表面積が減少する
のに加えて、静電気の発生などによって除去しにくい微
小な塵埃をこの凹溝内に追い落とすという便宜的な処置
をとることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図はいずれも一実施例を示しており、第1
図は正面図、第2図は平面図、第3図は右側側面図であ
り、第4図は要部の細部構造を示した正面図である。 第5図と第6図はそれぞれ装置の計測方法の原理説明図
と、定盤上に載置した寸法測定器の測定子の位置決め方
法の説明図である。 第7図は第2実施例装置の構成を説明した模式的平面図
である。 第8図と第9図はそれぞれ基準ローラ1または2の別の
形状例を示した側面図である。 図中 1……第1基準ローラ、2……第2基準ローラ、
3、4……寸法測定器載置用定盤、5、6……ローラ架
台、8、9……定盤架台、10……ベッド、10A、12……
ローラ間隔の調節手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)水平面に対して斜方向に配設したベ
    ッドと、 (b)相互に平行方向を保たせると共に回転可能に前記
    ベッド上に載架した、第1基準ローラ及び第2基準ロー
    ラと、 (c)前記一対の基準ローラ対置間隔の調節手段と、 (d)前記第1及び第2基準ローラの間で同軸的に支持
    された被計測筒状物体の筒軸線と、前記第1または第2
    基準ローラの軸芯線とを結ぶ平面に沿って計測子を移動
    させられる様に、該平面と平行する方向にその盤面方向
    を保たせて前記ベッド上に取付けた複数個の寸法測定器
    載置用定盤と、 (e)前記寸法測定器の計測子を、前記の支持状態にあ
    る前記被計測筒状物体の計測個所に接触させた状態のも
    とに固定させるための、寸法測定器固定手段と、 (f)前記第1および第2基準ローラの同期的回転手段
    とを備えてなる筒状物体の寸法測定装置。
  2. 【請求項2】前記寸法測定器載置用定盤の盤面方向は、
    水平方向に保たれていることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の筒状物体の寸法測定装置。
  3. 【請求項3】前記寸法測定器はダイヤルゲージであり、
    前記筒状物体の円周を自動検査できることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項または第2項記載の筒状物体の寸
    法測定装置。
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