JP3995333B2 - ねじ軸の測定方法およびその測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ねじ軸のねじ径およびリードを測定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ねじ軸のねじ径のうち有効径は、一般に三針法により測定する。
所定直径の3本の針金またはローラを180度隔てて相対する3つのねじ溝に当接し、その外側距離を測定して演算により有効径を算出している。
【0003】
またボールねじのねじ軸の場合、ねじ径としてボール中心直径BCD(呼び直径:ねじ軸と理論的接触点で接触する球の中心を包含する円筒径)を測定するが、一般にボール付きマイクロメータやデジタルトレーサ等が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
いずれにしてもねじ軸の円周上の全周ではなく一定角度方向に測定が限られるポイント測定であって、全周に亘る連続測定は困難である。
【0005】
一方ねじ軸のリードについても3次元測定装置において、基準リードを想定入力し、螺旋状に自動測定を行って類似データを得ることが可能であるが、実際のボールねじはリードが数μm位で微小に変化しており、測定誤差を生じてしまうことが多く、精度の高い測定結果が得にくい。
【0006】
ポイント測定は、時間が非常にかかる上、測定者に熟練が要求され、大量生産する上で障害となっていた。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、ねじ軸のねじ径およびリードを連続的に高い精度で測定でき、生産性に優れたねじ軸の測定方法および測定装置を供する点にある。
【0017】
【課題を解決するための手段および作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、被測定ねじ軸を軸中心に回転する回転駆動手段と、前記被測定ねじ軸と平行に配設され回転する基準ねじ軸と、前記被測定ねじ軸と前記基準ねじ軸を連動して互いに同期をとって回転させるタイミング伝動機構と、前記基準ねじ軸に螺合するナットと一体に移動する移動体と、前記移動体に軸方向に摺動自在に支持されたリニアスライドプレートと、前記リニアスライドプレートに支持され前記被測定ねじ軸のねじ溝に当接して該リニアスライドプレートとともに軸方向に移動する3点式接触子と、前記3点式接触子の3点の相互位置関係からねじ径を連続的に測定するねじ径測定手段と、前記3点式接触子の移動距離からリードを連続的に測定するリード測定手段とを備え、前記被測定ねじ軸は、一端が駆動源に連結支持され、ねじ溝の一部分が前記3点式接触子の軸方向から見て角度を有する2接触子に下方から当接支持され、前記2個の接触子を結ぶ線分の垂直二等分線上に配した前記3点式接触子の他の1接触子を測定子として上方からねじ溝に当接し、同測定子の変位を前記ねじ径測定手段が測定し、前記基準ねじ軸の回転により基準リードで移動する前記移動体に対して前記被測定ねじ軸の回転によって移動するリニアスライドプレートの相対変位を、前記リード測定手段によりリード誤差として測定すると同時に、前記リニアスライドプレートとともに移動する前記ねじ径測定手段の前記測定子でもって前記被測定ねじ軸のねじ径を測定するねじ軸の測定装置とした
【0018】
回転駆動手段により回転するねじ軸のねじ溝に3点式接触子が当接して軸方向に移動する。
移動しながら3点式接触子の3点の相互位置関係からねじ径測定手段がねじ径を精度良く連続的に測定することができ、同時に3点式接触子の移動距離からリード測定手段がリードを精度良く連続的に測定することができる。
【0019】
ねじ軸のねじ径およびリードを同時に精度良く連続して測定することができ、測定時間を短縮し生産性を向上させることができる。
【0022】
被測定ねじ軸の回転に同期して移動する移動体に3点式接触子が摺動自在に支持されているので、3点式接触子の軸方向の移動距離を高い精度で測定することが可能である。
【0024】
基準リードの精密成形された基準ねじ軸が被測定ねじ軸の回転と同期して回転し、同基準ねじ軸に螺合するナットと一体に前記移動体が移動するので、移動体に摺動自在に支持される3点式接触子の移動体に対する相対変位は、基準リードに対するリード誤差を示し、リード誤差または累積リード誤差を連続的に測定することができる。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のねじ軸の測定装置において、前記被測定ねじ軸は、ボールねじのねじ軸であり、前記ねじ径測定手段は、BCDを測定することを特徴とする。
ボールねじのねじ軸のBCDとリードを高い精度で連続的に測定することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図8に図示し説明する。
本実施の形態に係るねじ軸の測定装置は、ボールねじのねじ軸のねじ径BCDとリ−ドを連続的に測定するボールねじ軸測定装置1である。
【0029】
図1は、該ボールねじ軸測定装置1の全体外観図である。
置き台2の上に測定装置本体3とデータラベルプリンタ4が載置され、その横に制御装置5が配置されている。
【0030】
測定装置本体3には操作ボックス10があって測定方法を設定し、制御装置5にはコンピュ−タ11とともにキーボード12,CRTディスプレイ13その他各種操作スイッチ14等が設けられている。
【0031】
測定装置本体3に被測定ねじ軸6がセットされて制御装置5の制御の下で駆動制御され測定が行われる。
測定データは制御装置5のコンピュータ11により処理されて結果をデータラベルプリンタ4によりデータラベル7に印字し、またCRTディスプレイ13に表示する。
【0032】
測定装置本体3の詳細を図2ないし図5に図示し説明する。
長方形状の基台20の上面に長手方向に指向して2本のレール21,21が平行に敷設され、同レールレール21にスライダ22を介して移動体である定フィード用のリニアスライドベース23が長手方向に摺動自在に支持されている。
【0033】
レール21,21の所定前後位置に軸受台24,24が相対向して突設され、同軸受台24,24に貫通して回転自在に支持された基準ねじ軸25が、リニアスライドベース23に一体に組み込まれたナットスクリュー23aに鋼球を介して螺合してボ−ルねじ機構を構成している。
【0034】
基準ねじ軸25は、基準リード値が高精度に形成された精密ボールねじ軸であり、同基準ねじ軸25の1回転によりリニアスライドベース23は軸方向に基準リード分の移動がなされる。
なお被測定ねじ軸6は、基準ねじ軸25とねじ溝の巻き方向が同じであり、基準ねじ軸25の略2倍の径があり、基準ねじ軸25の基準リード値の2倍のリードを有する。
【0035】
このリニアスライドベース23の上面に前記レール21,21に平行に一対のレール26,26が敷設され、同レール26にスライダ27を介してリニアスライドプレート28が軸方向に摺動自在に支持されている。
リニアスライドプレート28はリニアスライドベース23に対して軸方向に自由に移動することができる。
【0036】
このリニアスライドプレート28の軸方向に平行な一側面に沿って軸方向に長尺のリード検出用のリニアスケール30が基台20に突設された支柱31,31で前後を支持されて配設されており、リニアスライドプレート28よりリニアスケール30側に突設されたリード検出用ヘッド29がリニアスケール30に臨んでいる。
【0037】
リニアスライドプレート28が軸方向に移動すると、これと一体のリード検出用ヘッド29がリニアスケール30に沿って移動してリニアスライドプレート28の位置(リード変位量)を検出できるようになっている。
【0038】
この軸方向に移動するリニアスライドプレート28の上には、3点式接触子によるBCD測定ユニット40が搭載される。
すなわちリニアスライドプレート28の上面の前記基準ねじ軸25の真上位置にBCD測定台41が固定されており、図4および図5に示すように同BCD測定台41は上面が一対の互いに90度の角度をなす傾斜面41a,41bにより軸方向に指向して溝が形成されて両傾斜面41a,41bの各所定箇所にねじピン42,43が垂直に貫通してナット42a,43aにより締結されており、同ねじピン42,43の頭部に鋼球の接触子44,45が固着されている。
【0039】
またリニアスライドプレート28にはBCD測定台41の側方に測定支持板46が立設されており、同測定支持板46に軸方向に指向して突設されたピボット47により揺動自在にBCD測定揺動アーム48が枢支されている。
【0040】
BCD測定揺動アーム48は、略中央をピボット47により枢支され、BCD測定台41側に延びた片側アーム48aの先端近傍にねじピン49が下方から貫通してナット49aにより締結されており、同ねじピン49の下端頭部にもう一つの接触子である鋼球の測定子50が固着されている。
【0041】
同測定子50は揺動して前記2個の接触子44,45を結ぶ線分の垂直二等分線上に位置することができ、接触子44,45が被測定ねじ軸6のねじ溝に係合して下方から被測定ねじ軸6を2点で支持し、上方から測定子50が同被測定ねじ軸6のねじ溝に係合して接触し、3点接触することができる。
【0042】
2つの接触子44,45は、被測定ねじ軸6のねじ溝を互いに略4分の3周した位置関係にあり、軸方向から見ると図4に示すように互いに被測定ねじ軸6を90度角度位置で支持し、軸方向に直角な方向から見ると図5に示すように互いにねじ溝を4分の3周した分だけ軸方向にずれて支持している。
【0043】
そしてBCD測定揺動アーム48の反対側の片側アーム48bは、前記片側アーム48aより長尺であり、その端部は上からスプリング51が押さえながら下からエアシリンダ52のシリンダロッド52aが突き上げるようにして接触してBCD測定揺動アーム48を揺動して測定子50を下方へ付勢している。
【0044】
同片側アーム48bにおいてピボット47に関して前記ねじピン49と対称な箇所に上からBCD検出用ヘッド53が昇降自在に当接しており、BCD検出用ヘッド53はBCD測定用のデジタルスケール54に沿って上下に変位する。
【0045】
したがってエアシリンダ52によりBCD測定揺動アーム48を介して測定子50は下方に付勢され、BCD測定揺動アーム48の揺動状態すなわち測定子43の変位量はBCD検出用ヘッド53の変位量としてデジタルスケール54により検出される。
【0046】
一方前記軸受台24,24に回転自在に支持された基準ねじ軸25は、図2において左方に延出して回転支持台60を軸受61を介して貫通しており、その端部にドリブンプーリ62が嵌着されている。
【0047】
回転支持台60には前記軸受61の上方に軸受63が内装されて回転支軸64が回転自在に支持されており、その回転支軸64の外側端部に前記ドリブンプーリ62の2倍の径を有するドライブプーリ65が嵌着され、内側端部にコレットチャック68が設けられている。
【0048】
ドライブプーリ65とドリブンプーリ62との間にタイミングベルト66が架渡され、ドライブプーリ65のさらに外側に配設されたモータ67の駆動軸が回転支軸64の端部に同軸に嵌入し一体化されている。
【0049】
回転支軸64に設けられたコレットチャック68は、コレットホルダー68aのテーパ部分をコレットチャックナット68bが外側から締付けコレット本体68cが被測定ねじ軸6の端部を掴持する。
【0050】
コレットチャック68に端部を掴持された被測定ねじ軸6は、他方のねじ部を前記2つの接触子44,45により水平に支持されて、前記基準ねじ軸25の真上位置に平行にセットされる。
【0051】
本測定装置本体3は、以上のような構造をしており、測定に際してはまずリニアスライドベース23を初期の被測定ねじ軸6のねじ測定開始位置に位置させておき、コレットチャック68に被測定ねじ軸6の端部を掴持させ、ねじ部を2つの接触子44,45に支持させる。
【0052】
その際2つの接触子44,45は、被測定ねじ軸6のねじ溝に係合して支持するようにし、上から測定子50をねじ溝に係合させてエアシリンダ52の付勢力をもって当接させ、セッティングを終える。
【0053】
そしてモータ67を駆動すると、回転支軸64およびコレットチャック68を介して被測定ねじ軸6が回転すると同時に、タイミングベルト66を介して基準ねじ軸25が同方向に回転する。
【0054】
タイミングベルト66が架渡されるドライブプーリ65とドリブンプーリ62の径の違いから被測定ねじ軸6の1回転に対して基準ねじ軸25は2回転するが、被測定ねじ軸6のリードは基準ねじ軸25の基準リード値の略2倍あるので、送り速度は略等しい。
【0055】
基準ねじ軸25の回転でこれと螺合するリニアスライドベース23が基準リードに従って移動し、リニアスライドベース23の移動によりリニアスライドベース23に搭載されるリニアスライドプレート28およびBCD測定ユニット40もともに移動する。
【0056】
しかしリニアスライドベース23に対して摺動自在に支持されるリニアスライドプレート28は、BCD測定ユニット40とともに被測定ねじ軸6の回転により被測定ねじ軸6のねじ溝に係合する接触子44,45を介してリニアスライドベース23とは別個に独立して移動する。
【0057】
すなわちリニアスライドプレート28は、リニアスライドベース23に支持されて略同じ速度で移動しているが、あくまでも被測定ねじ軸6の回転によって移動しており、よってリニアスライドプレート28の移動を検出するリニアスケール30は被測定ねじ軸6の累積リードを連続的に測定する。
【0058】
そして基準ねじ軸25の回転により基準リードで移動するリニアスライドベース23に対して被測定ねじ軸6の回転によって移動するリニアスライドプレート28の相対変位は、基準リードに対するリード誤差を示すことになる。
【0059】
同時にリニアスライドプレート28とともに移動するBCD測定ユニット40は、接触子44,45により支持されて回転する被測定ねじ軸6のねじ溝に上から係合当接する測定子50の上下方向の変位をデジタルスケール54によって連続的に検出することができる。
【0060】
基準となるBCDを備える理想のマスターねじ軸を測定したときの測定子50の高さを基準として被測定ねじ軸6のときの測定子50の相対変位を連続的に検出することで、同検出変位値と基準BCDに基づいてコンピュータ11が演算して被測定ねじ軸6のBCDを連続的に算出することができる。
【0061】
したがって本測定装置本体3は、微小なリード変動やBCD変動に対しても追従してデータ測定を連続的に行うことができ、精度の高い測定結果を得ることが可能である。
【0062】
以上のボールねじ軸測定装置1の制御系の概略図を図6に示す。
BCD測定用のデジタルスケール54により検出された信号は、カウンタ71によりデジタル信号化され表示されるとともに、このBCD用デジタル信号はカウンタ用ボード70を介してコンピュータ11に入力される。
なお前記したようにBCD用デジタル信号のデジタル値からコンピュータ11によりBCDが演算される。
【0063】
同様にリード測定用のリニアスケール30により検出されたリード信号は、カウンタ72によりデジタル信号化され表示されるとともに、このリードデジタル信号はカウンタ用ボード70を介してコンピュータ11に入力される。
またモータ67の駆動軸に結合される回転角検出用エンコーダ73の回転角検出信号もカウンタ用ボード70を介してコンピュータ11に入力される。
【0064】
そしてコンピュータ11からは、自動測定のための制御信号がパラレル入出力ボード75を介して制御用のシーケンサ76に出力される。
シーケンサ76は制御信号に基づきモータコントローラ77にモータ駆動信号を出力し、モータコントローラ77によりモータ67が駆動され、また制御信号に基づきエアシリンダ用バルブ78にバルブ駆動信号を出力し、エアシリンダ用バルブ78によりエアシリンダ52が駆動される。
【0065】
以上のような制御系により被測定ねじ軸6のBCDとリードが回転数に対応させて連続的に測定される。
その制御手順を図7の作動フローチャートに示し説明する。
まず被測定ねじ軸6を測定装置本体3にセットし、自動測定スイッチ14をオンすると(ステップ1)、エアシリンダ用バルブ78を駆動してエアシリンダ52を作動して測定子50を被測定ねじ軸6のねじ溝に係合当接する(ステップ2)。
【0066】
そしてモータ67を駆動して被測定ねじ軸6および基準ねじ軸25を回転させ(ステップ3)、回転角(θ)に対するBCD(d)およびリード(l)の測定(ステップ4)を開始する。
回転角に基づいて回転数nを確認し(ステップ5)、ステップ6で回転数nが所定回転数Nに達したか否かを判別し、達するまではステップ4に戻りステップ4,ステップ5を繰り返し、連続してBCD(d)およびリード(l)の測定を実行する。
【0067】
回転数nがNに達すると、測定を終了してステップ7に進み、モータ67を停止し、被測定ねじ軸6を取り外す。
そしてステップ8においてBCD−回転数線図(d−n線図)、累積リード誤差−回転数線図(L−n線図)をCRTディスプレイ13に画像表示し、次のステップ9において平均BCD値Xdおよび平均リード値Xlを演算してシリアルナンバーとともに、データラベルプリンタ4に出力する。
【0068】
以上のデータを保存して(ステップ10)、次ぎの被測定ねじ軸のセットに戻り、新たな被測定ねじ軸の測定に入る。
ここにステップ8のCRTディスプレイ13に画像表示されるBCD−回転数線図(d−n線図)、累積リード誤差−回転数線図(L−n線図)の例を図8に示す。
【0069】
回転角θは回転数nに変換されて横軸とされ、d−θ線図の縦軸はBCDであり、l−θ線図の縦軸は累積リードを示している。
回転数nに対応してBCD(d)と累積リード(l)が連続的に表示されている。
【0070】
またステップ9においてデータラベルプリンタ4に出力されるの平均BCD値Xdおよび平均リード値Xlは、1回転毎のBCD値d1 ,d2 ,……,dN の和およびリード値l1 ,l2 ,……,lN の和を回転数Nで割った平均値である。
【0071】
すなわちXd=(d1 +d2 +……+dN )/N
Xl=(l1 +l2 +……+lN )/N
である。
【0072】
この平均BCD値Xdおよび平均リード値Xlは、シリアルナンバーとともにデータラベルプリンタ4によりデータラベル7に印字される。
このデータラベル7は、測定を終えた対応する被測定ねじ軸6ごとに添付され、以後のボールねじの組付け工程に供される。
【0073】
また被測定ねじ軸6についてさらに精度の高い解析を行う場合には、1回転において測定したBCD値dn1,dn2,……,dnz、リード値ln1,ln2,……,lnzの和を1回転当たりのデータ数(分解能)Zで割った単位BCD値Δdn 、単位リード値Δln を求める。
【0074】
すなわちΔdn =(dn1+dn2+……+dnz)/Z
Δln =(ln1+ln2+……+lnz)/Z
である。
【0075】
各単位BCD値Δd1 ,Δd2 ,……,Δdn の最大値ΔdMAX と最小値Δdmin および各単位リード値Δl1 ,Δl2 ,……,Δln の最大値ΔlMAX と最小値Δlmin を抽出してCRTディスプレイ13に表示し、保存することが可能である。
【0076】
さらに各隣接する単位BCD値間の変動|Δdi+1 −Δdi |の半分の値RΔdi の平均値RΔdおよび隣接する単位リード値間の変動|Δli+1 −Δli |の半分の値RΔli の平均値RΔlを演算してCRTディスプレイ13に表示し、保存することも可能である。
【0077】
前記したように本測定装置本体3が被測定ねじ軸を高い精度で測定でき、さらにその測定結果を生かして上記したように精度の高い解析を行うことができる。
【0078】
以上はBCDとリードについて連続的に測定し表示等をすることとしたが、その他に被測定ねじ軸の真円度に相当するデータを得ることができる。
すなわち被測定ねじ軸の1回転つき所定回転角度毎のBCDから真円度を求めることができ、データとして表示保存することができる。
【0079】
以上のようにボールねじ製造の基本データとなるボールねじ軸のBCDおよびリード等を同時に連続的に精度良く自動的に測定するができ、高精度ボールねじの製造に利用して生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るボールねじ軸測定装置の全体外観図である。
【図2】測定装置本体の側断面図である。
【図3】図2においてIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】BCD測定ユニットの正面図である。
【図5】図4においてV−V線に沿って切断した断面図である。
【図6】ボールねじ軸測定装置の制御系の概略図である。
【図7】同制御系による作動フローチャートである。
【図8】BCD−回転数線図(d−n線図)、累積リード誤差−回転数線図(L−n線図)の一例を示す図である。
【符号の説明】
1…ボールねじ軸測定装置、2…置き台、3…測定装置本体、4…データラベルプリンタ、5…制御装置、6…被測定ねじ軸、7…データラベル、10…操作ボックス、11…コンピュータ、12…キーボード、13…CRTディスプレイ、14…各種操作スイッチ、
20…基台、21…レール、22…スライダ、23…リニアスライドベース、24…軸受台、25…基準ねじ軸、26…レール、27…スライダ、28…リニアスライドプレート、29…リード検出用ヘッド、30…リニアスケール、31…支柱、
40…BCD測定ユニット、41…BCD測定台、42,43…ねじピン、44,45…接触子、46…測定支持板、47…ピボット、48…BCD測定揺動アーム、49…ねじピン、
50…測定子、51…スプリング、52…エアシリンダ、53…BCD検出用ヘッド、54…デジタルスケール、
60…回転支持台、61…軸受、62…ドリブンプーリ、63…軸受、64…回転支軸、65…ドライブプーリ、66…タイミングベルト、67…モータ、68…コレットチャック、
70…カウンタ用ボード、71,72…カウンタ、73…回転角検出用エンコーダ、75…パラレル入出力ボード、76…シーケンサ、77…モータコントローラ、78…エアシリンダ用バルブ。

Claims (2)

  1. 被測定ねじ軸を軸中心に回転する回転駆動手段と、
    前記被測定ねじ軸と平行に配設され回転する基準ねじ軸と、
    前記被測定ねじ軸と前記基準ねじ軸を連動して互いに同期をとって回転させるタイミング伝動機構と、
    前記基準ねじ軸に螺合するナットと一体に移動する移動体と、
    前記移動体に軸方向に摺動自在に支持されたリニアスライドプレートと、
    前記リニアスライドプレートに支持され前記被測定ねじ軸のねじ溝に当接して該リニアスライドプレートとともに軸方向に移動する3点式接触子と、
    前記3点式接触子の3点の相互位置関係からねじ径を連続的に測定するねじ径測定手段と、
    前記3点式接触子の移動距離からリードを連続的に測定するリード測定手段とを備え、
    前記被測定ねじ軸は、一端が駆動源に連結支持され、ねじ溝の一部分が前記3点式接触子の軸方向から見て角度を有する2接触子に下方から当接支持され、
    前記2個の接触子を結ぶ線分の垂直二等分線上に配した前記3点式接触子の他の1接触子を測定子として上方からねじ溝に当接し、同測定子の変位を前記ねじ径測定手段が測定し
    前記基準ねじ軸の回転により基準リードで移動する前記移動体に対して前記被測定ねじ軸の回転によって移動するリニアスライドプレートの相対変位を、前記リード測定手段によりリード誤差として測定すると同時に、前記リニアスライドプレートとともに移動する前記ねじ径測定手段の前記測定子でもって前記被測定ねじ軸のねじ径を測定することを特徴とするねじ軸の測定装置。
  2. 前記被測定ねじ軸は、ボールねじのねじ軸であり、
    前記ねじ径測定手段は、BCDを測定することを特徴とする請求項1記載のねじ軸の測定装置。
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