JPH06100271A - 油圧エレベータ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 上昇走行中に電源が遮断したとき、エレベー
タかごが降下するのを防止し、かつ、開閉弁を通過する
圧油の圧力損失を小さくするとともに、下降走行中に電
源が遮断したとき、エレベータかごが下降する速度を小
さくする。 【構成】 油圧ジャッキ１と、油圧ポンプ３と、前記油
圧ポンプ３を回転数制御して駆動する電動機４と、前記
油圧ジャッキ１と油圧ポンプ３との間に設けられ、エレ
ベータかご２の下降走行のときに開口し、停止及び上昇
走行のときに閉止する第１の開閉弁５と、前記油圧ジャ
ッキ１と油圧ポンプ３との間に第１の開閉弁５と並列に
設けられ、エレベータかご２の上昇走行のときに圧油の
流量に対応する開度で開口し、停止のときは閉止し、か
つ、下降走行のときに油圧ジャッキ１から油圧ポンプ３
への逆流を防止する第２の開閉弁１８と、前記電動機４
の駆動及び第１の開閉弁５の開閉を制御する制御部１４
とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は油圧エレベータ装置に関
するもので、特に、電源遮断時のエレベータかごの異常
走行、或いは、油圧ポンプの吐出圧力の異常上昇を防止
する開閉弁を備えた油圧エレベータ装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】図４は例えば実開昭５７−１４４９７１
号公報に掲載された、従来の油圧エレベータ装置の油圧
回路を示す回路図である。図において、１は油圧ジャッ
キ、２は油圧ジャッキ１に支持されたエレベータかご、
３は可逆回転可能な油圧ポンプ、４は油圧ホンプ３を駆
動する電動機である。５は主室５ａと、弁体５ｂを介し
て主室５ａと隔離された背室５ｃとを有する開閉弁で、
油圧ジャッキ１と油圧ポンプ３との間に主室５ａが配置
されており、背室５ｃ内への圧油の流出入により弁体５
ｂを作動させて油圧ジャッキ１と油圧ポンプ３との間の
油圧流路を開閉し、エレベータかご２が昇降していると
きは開口し、エレベータかご２が停止しているときは閉
止する。６は油圧ジャッキ１と開閉弁５と油圧ポンプ３
とを順に接続した油圧の主回路、７はフィルタ、８は油
槽である。

【０００３】９は油圧ジャッキ１と開閉弁５の背室５ｃ
とを接続する圧油流入回路９ａ及び開閉弁５の背室５ｃ
と油槽８とを接続する第１圧油排出回路９ｂとからなる
パイロット回路、１０は圧油流入回路９ａを開路または
閉路させる常時開形の電磁弁、１１は第１圧油排出回路
９ｂを開路または閉路させる常時閉形の電磁弁、１２は
圧油流入回路９ａに設けられた可変絞り弁、１３は第１
圧油排出回路９ｂに設けられた可変絞り弁、１４は常時
開形の電磁弁１０と常時閉形の電磁弁１１と油圧ポンプ
３を駆動する電動機４とを制御する制御部である。１５
は下降運転の減速走行中に開閉弁５を全開と全閉の間の
所定開度で保持する開度調整絞り、１５ａは開度調整絞
り１５の可変絞り１５ｂの開度を調整するための調整ネ
ジ、１５ｃは調整ネジ１５ａとの間で可変絞り１５ｂの
開度を形成するスリーブ、１６は開度調整絞り１５と油
槽８との間の第２圧油排出回路９ｃに設けられた常時閉
形電磁弁、１７は可変調整絞り弁である。なお、主回路
６のうち、開閉弁５と油圧ポンプ３との間を第１回路６
ａ、油圧ジャッキ１と開閉弁５との間を第２回路６ｂと
する。

【０００４】次に、上記のように構成された従来の油圧
エレベータ装置の動作について説明する。まず、エレベ
ータかご２の上昇運転について説明する。上昇運転指令
が発せられると、制御部１４の指令信号により電動機４
が運転され、常時開形の電磁弁１０が付勢されて圧油流
入回路９ａが閉路し、常時閉形の電磁弁１１が付勢され
て第１圧油排出回路９ｂが開路する。これにより開閉弁
５の背室５ｃ内の圧油が第１圧油排出回路９ｂを通って
油槽８に排出され、油圧ポンプ３から第１回路６ａ内を
送出されてきた圧油の上方への圧力によって開閉弁５が
開口する。開閉弁５が開口すると、油圧ポンプ３から吐
出された圧油は、開閉弁５から油圧ジャッキ１内に流入
する。これによって、油圧ジャッキ１が作動し、エレベ
ータかご２は上昇する。

【０００５】エレベータかご２が所定の階床に到着する
と、エレベータかご２は停止し、制御部１４により開閉
弁５に閉止指令が出され、第１圧油排出回路９ｂに設け
られた常時閉形の電磁弁１１が消磁されて第１圧油排出
回路９ｂが閉路し、圧油流入回路９ａに設けられた常時
開形の電磁弁１０が消磁されて圧油流入回路９ａが開路
する。これにより、圧油が圧油流入回路９ａから背室５
ｃ内に流入し、弁体５ｂが押下げられて開閉弁５は全閉
となる。

【０００６】次に、エレベータかご２の下降運転につい
て説明する。下降運転指令が発せられると、制御部１４
の指令信号により常時開形の電磁弁１０が付勢されて圧
油流入回路９ａが閉路し、常時閉形の電磁弁１１が付勢
されて第１圧油排出回路９ｂが開路する。これにより開
閉弁５の背室５ｃの圧油が油槽８に排出されて開閉弁５
が開口する。開閉弁５が開口すると、油圧ジャッキ１内
の圧油は、エレベータかご２の自重により押し出されて
油圧ジャッキ１から開閉弁５を通り、油圧ポンプ３、フ
イルタ７を経て油槽８に排出される。この後、制御部１
４により電動機４で駆動される油圧ポンプ３が油圧ジャ
ッキ１内の圧油の排出を行なう。このとき、エレベータ
かご２の自重により発生する油圧ジャッキ１内の圧力と
関連して油圧ポンプ３によって油圧ジャッキ１から所定
の流量で排出するため、電動機４は発電制動運転され
る。従って、制御部１４による電動機４の回転数の制御
によってエレベータかご２は所定の運転パターンに従っ
て下降する。

【０００７】エレベータかご２が所定の階床に到着する
と、エレベータかご２は停止し、制御部１４により開閉
弁５に閉止指令が出され、第１圧油排出回路９ｂに設け
られた常時閉形の電磁弁１１が消磁されて第１圧油排出
回路９ｂが閉路し、圧油流入回路９ａに設けられた常時
開形の電磁弁１０が消磁されて圧油流入回路９ａが開路
する。これにより、開閉弁５は全閉となる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
に構成された従来の油圧エレベータ装置において、上昇
運転及び下降運転の走行中に電源が遮断した場合には、
電動機４が停止し、油圧ポンプ３が停止するため、開閉
弁５が全閉になるまでの間油圧ジャッキ１から開閉弁５
を通過して油槽８に圧油が流出するため、エレベータか
ご２は下降する。このとき、下降速度が大きいと、乗客
に不安感、不快感を与えるので、この下降するときの速
度を抑制するために開閉弁５の開度を小さくすることが
行なわれる。しかし、開閉弁５の開度を小さくすると、
上昇走行する際に、油圧ポンプ３から吐出される圧油の
開閉弁１を通過するときの圧力損失が大きくなるため、
油圧ポンプ３の吐出圧力が大きくなり、これに伴って、
電動機４の出力が大きくなる。このため、消費電力量が
大きくなるという不具合があった。

【０００９】一方、電動機４を運転し、油圧ポンプ３で
圧油を吐出しているときに、何らかの故障で異常に圧力
が上昇すると、電動機４がストールすることがあった。

【００１０】そこで、本発明は、上昇走行中に電源が遮
断したとき、エレベータかごが降下することがなく、か
つ、開閉弁を通過する圧油の圧力損失を小さくして消費
電力量を小さくするとともに、下降走行中に電源が遮断
したとき、エレベータかごが下降する速度を小さくする
ことができる油圧エレベータ装置の提供を第一の課題と
するものである。

【００１１】また、何らかの異常が発生したとき、油圧
ポンプから吐出される圧油を所定圧以下に抑制すること
ができる油圧エレベータ装置の提供を第二の課題とする
ものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明にかかる
油圧エレベータ装置は、圧油の流出入によってエレベー
タかごを昇降する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに
圧油を送排出する可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油
圧ポンプを回転数制御して駆動する電動機と、前記油圧
ジャッキと油圧ポンプとの間に設けられ、エレベータか
ごの下降走行のときに開口し、停止及び上昇走行のとき
に閉止する下降用開閉弁と、前記油圧ジャッキと油圧ポ
ンプとの間で下降用開閉弁と並列に設けられ、エレベー
タかごの上昇走行のときに圧油の流量に対応する開度で
開口し、停止のときに閉止し、かつ、下降走行のときに
油圧ジャッキから油圧ポンプへの逆流を防止する上昇用
開閉弁と、前記電動機の駆動及び下降用開閉弁の開閉を
制御する制御部とを備えたものである。

【００１３】また、請求項２の発明にかかる油圧エレベ
ータ装置は、圧油の流出入によってエレベータかごを昇
降する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を送排
出する可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポンプを
回転数制御して駆動する電動機と、前記油圧ポンプの油
圧ジャッキ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、
前記油圧ポンプから送出される圧油が所定圧以上となっ
たときに開口する圧力制御弁と、前記油圧ポンプの油圧
ジャッキ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、圧
力制御弁が所定開度以上となったときに開口し、油圧ポ
ンプから送出される圧油を油槽に排出する圧抑制開閉弁
と、前記電動機の駆動の開閉を制御する制御部とを備え
たものである。

【００１４】更に、請求項３の発明にかかる油圧エレベ
ータ装置は、圧油の流出入によってエレベータかごを昇
降する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を送排
出する可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポンプを
回転数制御して駆動する電動機と、前記油圧ジャッキと
油圧ポンプとの間に設けられ、エレベータかごの下降走
行のときに開口し、停止及び上昇走行のときに閉止する
下降用開閉弁と、前記油圧ジャッキと油圧ポンプとの間
で下降用開閉弁と並列に設けられ、エレベータかごの上
昇走行のときに圧油の流量に対応する開度で開口し、停
止のときに閉止し、かつ、下降走行のときに油圧ジャッ
キから油圧ポンプへの逆流を防止する上昇用開閉弁と、
前記油圧ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けら
れ、通常は全閉で、前記油圧ポンプから送出される圧油
が所定圧以上となったときに開口する圧力制御弁と、前
記油圧ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けら
れ、通常は全閉で、圧力制御弁が所定開度以上となった
ときに開口し、油圧ポンプから送出される圧油を油槽に
排出する圧抑制開閉弁と、前記電動機の駆動及び下降用
開閉弁の開閉を制御する制御部とを備えたものである。

【００１５】

【作用】請求項１においては、上昇走行中に電源が遮断
すると、油圧ポンプの吐出流量がなくなり、圧油の流量
に対応する開度で開口する上昇用開閉弁が閉止して、油
圧ジャッキから油圧ポンプに逆流することがない。そし
て、上昇用開閉弁が圧油の流量に対応する開度で開口す
るので、上昇走行中に圧油が開閉弁を通過するときの圧
力損失を小さくすることが可能である。一方、下降走行
中に電源が遮断すると、下降用開閉弁が開口する。ここ
で、下降するときは、上昇するときに比べ、油圧ポンプ
にかかる負荷は小さいため、下降用開閉弁の開度を小さ
くしても油圧ポンプ及び電動機に過大な負荷はかからな
い。この結果、下降用開閉弁の開度を小さくし、下降す
る速度を抑制することが可能となる。

【００１６】また、請求項２においては、圧力制御弁及
び圧抑制開閉弁は正規状態では全閉となっており、何ら
かの異常により油圧ポンプから送出される圧油が所定圧
以上となると、圧力制御弁が開口し、この圧力制御弁の
所定開度以上の開口によって圧抑制開閉弁が開口するの
で、油圧ポンプからの吐出圧力を所定圧以下に抑制でき
る。

【００１７】更に、請求項３においては、請求項１の下
降用開閉弁及び上昇用開閉弁を備え、かつ、請求項２の
圧力制御弁及び圧抑制開閉弁を備えているので、請求項
１に加え、請求項２と同様に作用する。

【００１８】

【実施例】 〈第一実施例〉まず、本発明の第一実施例を図１に基づ
いて説明する。図１は本発明の第一実施例による油圧エ
レベータ装置の油圧回路を示す回路図である。図中、図
４と同一符号は従来の構成部分と同一または相当する部
分である。

【００１９】図において、５は油圧ジャッキ１と油圧ポ
ンプ３との間に介在し、従来例と同様の第１の開閉弁
で、エレベータかご２が下降しているときは開口し、停
止または上昇しているときは閉止する。６は従来例と同
様の、油圧ポンプ３から第１の開閉弁５を介して油圧ジ
ャッキ１に接続された第１の主回路である。１８は油圧
ジャッキ１と油圧ポンプ３との間に第１の開閉弁５と並
列に設けられた第２の開閉弁、１９は油圧ポンプ３と第
２の開閉弁１８と第１の開閉弁５とを順に接続した油圧
の第２の主回路である。第２の開閉弁１８は主室１８ａ
と、弁体１８ｂと、通路１８ｃとを介して接続した背室
１８ｄと、押しばね１８ｅとを有し、油圧ポンプ３と第
１の開閉弁５との間に主室１８ａが接続されて、背室１
８ｄ内の圧油の流出入により弁体１８ｂを作動させ、油
圧ポンプ３から油圧ジャッキ１に圧油が流入するときに
は開口する。前記押しばね１８ｅの付勢力は弁体１８ｂ
を常に閉止する方向に作用している。１９ａは第２の主
回路１９の第１回路、１９ｂは第２の主回路１９の第２
回路である。

【００２０】次に、上記のように構成された本実施例の
油圧エレベータ装置の動作を説明する。まず、エレベー
タかご２の上昇運転について説明する。上昇運転指令が
油圧エレベータの運転制御部から発せられると、制御部
１４により電動機４が回転数制御されて運転され、これ
に接続された油圧ポンプ３が駆動されて第２の主回路１
９の第１回路１９ａの油圧が上昇する。そして、第２の
主回路１９の第１回路１９ａの圧力が第２の主回路１９
の第２回路１９ｂの圧力と押しばね１８ｅの力に打ち勝
ったときに弁体１８ｂが上昇し、第２の開閉弁１８が開
口して圧油が油圧ジャッキ１に流入し、エレベータかご
２が上昇を開始する。そして、電動機４の回転数が増加
していくに従って、エレベータかご２は加速走行してい
き、第２の開閉弁１８の弁体１８ｂを通過する流量に伴
って弁体１８ｂの開度が大きくなっていく。エレベータ
かご２の速度が定格速度になると、電動機４の回転数は
一定となり、油圧ポンプ３から吐出される流量も一定と
なる。

【００２１】また、上昇運転の減速走行を開始してから
目的階の所定距離手前で減速指令が出ると、電動機４の
回転数が減少していくに従ってエレベータかご２は減速
走行していき、弁体１８ｂを通過する流量に従って弁体
１８ｂの開度は小さくなる。そして、目的階の着床位置
にエレベータかご２が到着すると、第２の開閉弁１８の
弁体１８ｂが全閉し、電動機４は停止する。

【００２２】次に、エレベータかご２の下降運転につい
て説明する。下降運転指令が油圧エレベータの運転制御
部から発せられると、制御部１４により電動機４が回転
数制御されて運転され、これに接続された油圧ポンプ３
が駆動されて第１の主回路６の第２回路６ｂの油圧が上
昇する。そして、第１の主回路６の第１回路６ａの圧力
が第１の主回路６の第２回路６ｂの圧力とほぼ同一にな
ったことが検出器によって検出されると、制御部１４に
より圧油流入回路９ａに設けられた常時開形の電磁弁１
０が励磁されて圧油流入回路９ａが閉路し、常時閉形の
電磁弁１１が励磁されて第１圧油排出回路９ｂが開路す
る。これにより第１の開閉弁５の背室５ｃの圧油が油槽
８に排出されて第１の開閉弁５が開口する。第１の開閉
弁５が開口し始めた後に、油圧ジャッキ１内の圧油はエ
レベータかご２の自重により押し出されて油圧ジャッキ
１から第１の開閉弁５を通って油圧ポンプ３、フイルタ
７を経て油槽８に排出される。このとき、エレベータか
ご２の自重により発生する油圧ジャッキ１内の圧力と関
連して油圧ポンプによって油圧ジャッキ１から所定の流
量で排出するため、電動機４は発電制動運転される。従
って、制御部１４による電動機４の回転数の制御によっ
てエレベータかご２は所定の運転パターンに従って下降
する。

【００２３】今、下降運転の加速走行指令が発せられる
と、制御部１４により圧油流入回路９ａに設けられた常
時開形の電磁弁１０が励磁されて圧油流入回路９ａが閉
路し、常時閉形の電磁弁１１が励磁されて第１圧油排出
回路９ｂが開路する。このとき、加速走行時に速度が上
昇するのに伴って第１の開閉弁５の開度を除々に増加さ
せるべく、第１圧油排出回路９ｂに設けられた可変絞り
弁１３の開度を変化させることによって第１の開閉弁５
の全閉から全開になるまでの時間を調整することができ
る。

【００２４】一方、下降運転の減速走行開始後に目的階
の所定距離手前で制御部１４により第１の開閉弁５の閉
止指令が発せられると、第１圧油排出回路９ｂに設けら
れた常時閉形の電磁弁１１が消磁されて第１圧油排出回
路９ｂが閉路し、圧油流入回路９ａに設けられた常時開
形の電磁弁１０が消磁されて圧油流入回路９ａが開路す
る。また、常時閉形の電磁弁１１が消磁されると同時
に、常時閉形の電磁弁１１が消磁される。このときは開
度調節絞り１５の可変絞り１５ｂが全閉のため、第２圧
油排出回路９ｃは連通していない。

【００２５】ここで、減速走行のときに、速度が減少す
るのに伴って第１の開閉弁５の開度を除々に減少させる
べく、圧油流入回路９ａに設けられた可変絞り弁１２の
開度を変化させることによって、第１の開閉弁５の閉止
する時間を調整することができる。

【００２６】今、第１の開閉弁５の開度が除々に減少す
ると、それに伴って開度調整絞り１５のスリーブ１５ｃ
が追従して移動し、可変絞り１５ｂが除々に開いて第２
圧油排出回路９ｃは連通する。そして、開度調整絞り１
５が圧油流入回路９ａからの圧油の流入量と第２圧油排
出回路９ｃからの圧油の排出量と一致するような開度に
なったとき、第１の開閉弁５は部分開度で停止する。そ
の後、常時閉形の電磁弁１６を消磁することにより第２
圧油排出回路９ｃが閉路して圧油の排出量が無くなるた
め、圧油流入回路９ａからの圧油が第１の開閉弁５の背
室５ｃに流入し、第１の開閉弁５は除々に閉成した後、
全閉する。これによって、油圧ジャッキ１からの圧油の
排出がなくなって、エレベータかご２は停止する。

【００２７】このように、上記実施例の油圧エレベータ
装置は、圧油の流出入によってエレベータかご２を昇降
する油圧ジャッキ１と、前記油圧ジャッキ１に圧油を送
排出する可逆回転可能な油圧ポンプ３と、前記油圧ポン
プ３を回転数制御して駆動する電動機４と、前記油圧ジ
ャッキ１と油圧ポンプ３との間に設けられ、エレベータ
かご２の下降走行のときに開口し、停止及び上昇走行の
ときに閉止する下降用開閉弁としての第１の開閉弁５
と、前記油圧ジャッキ１と油圧ポンプ３との間に第１の
開閉弁５と並列に設けられ、エレベータかご２の上昇走
行のときに圧油の流量に対応する開度で開口し、停止の
ときは閉止し、かつ、下降走行のときに油圧ジャッキ１
から油圧ポンプ３への逆流を防止する上昇用開閉弁とし
ての第２の開閉弁１８と、前記電動機４の駆動及び第１
の開閉弁５の開閉を制御する制御部１４とを備えたもの
である。

【００２８】したがって、上記実施例によれば、上昇走
行中に電源が遮断したとき、油圧ポンプ３の吐出流量が
なくなり、圧油の流量に対応する開度で開口する第２の
開閉弁１８が閉止するので、油圧ジャッキ１から油圧ポ
ンプ３に逆流することがない。この結果、上昇走行中の
電源遮断時にエレベータかご２が下降するのを防止する
ことができる。そして、第２の開閉弁１８が圧油の流量
に対応する開度で開口するので、上昇走行中に圧油が第
２の開閉弁１８を通過するときの圧力損失を小さくする
ことが可能である。また、下降走行中に電源が遮断した
とき、第１の開閉弁５が開口する。ここで、下降すると
きは、上昇するときに比べ、油圧ポンプ３にかかる負荷
は小さいため、第１の開閉弁５の開度を小さくしても油
圧ポンプ３及び電動機４に過大な負荷はかからない。こ
の結果、第１の開閉弁５の開度を小さくすることによっ
て、下降する速度を抑制することができる。なお、この
第一実施例は請求項１の態様に相当するものである。

【００２９】〈第二実施例〉次に、本発明の第二実施例
を図２及び図３に基づいて説明する。図２は本発明の第
二実施例による油圧エレベータ装置の油圧回路を示す回
路図である。図中、図１と同一符号は第一実施例の構成
部分と同一または相当する部分である。

【００３０】図において、２０は第２の主回路１９の第
１回路１９ａから分岐して取付けられた第３の開閉弁、
２１は油圧ポンプ３と第３の開閉弁２０と油槽８とを順
に接続した油圧の第３の主回路である。第３の開閉弁２
０は主室２０ａと、弁体２０ｂと、弁体２０ｂを介して
主室２０ａと隔離された背室２０ｃと、押しばね２０ｄ
とを有し、油圧ポンプ３と油槽８との間に主室２０ａが
接続され、背室２０ｃ内の圧油の流出入により弁体２０
ｂを作動させて油圧ジャッキ３と油槽８との間の油圧流
路を開閉する。前記押しばね２０ｄの付勢力は弁体２０
ｂを常に閉止する方向に作用している。２２は第３の主
回路２１と第３の開閉弁２０の背室２０ｃとを接続する
パイロット回路、２２ａはパイロット回路２２の第１回
路、２２ｂはパイロット回路２２の第２回路、２３は第
３の開閉弁２０の背室２０ｃとパイロットリリーフ弁２
４と油槽８とを順に接続するパイロット回路、２５は絞
り弁である。

【００３１】次に、この第二実施例の動作について説明
する。通常の上昇運転と下降運転の場合は、第３の開閉
弁２０は全閉し、第３の主回路２１の第１回路２１ａと
第３の主回路２１の第２回路２１ｂとの間の通流を遮断
している。

【００３２】今、電動機４を運転しているときに何らか
の故障により第１の主回路６の第１回路６ａ、第２の主
回路１９の第１回路１９ａ及び第３の主回路２１の第１
回路２１ａの圧力が異常に上昇すると、パイロット回路
２２の第２回路２２ｂの圧力も上昇するため、パイロッ
トリリーフ弁２４の通路が開口し、第３の開閉弁２０の
背室２０ｃから圧油はパイロット回路２３を介して油槽
８に排出される。これにより、背室２０ｃ内の押圧力が
減少して弁体２０ｂが上昇し、第３の開閉弁２０が開口
して、第３の主回路２１の第１回路２１ａと第３の主回
路２１の第２回路２１ｂとが連通し、油圧ポンプ３が吐
出した圧油は全て油槽８に排出される。これにより、油
圧ポンプ３の吐出圧力が所定圧以上に上昇しないように
抑制することができる。

【００３３】次に、図３により、油圧ポンプ３の吐出圧
力と、安全弁として機能するパイロットリリーフ弁２４
及び第３の開閉弁２０を通流する流量との関係を説明す
る。図３は本発明の第二実施例の油圧エレベータ装置に
おける油圧ポンプの吐出圧力と油圧ポンプから油槽に流
出する油の流量との関係を示す特性図である。図におい
て、横軸は油圧ポンプ３の吐出圧力を示し、縦軸はパイ
ロットリリーフ弁２４及び第３の開閉弁２０を通過する
油の流量を示す。

【００３４】油圧ポンプ３の吐出圧力が異常に上昇する
と、横軸のａに示した圧力でパイロットリリーフ弁２４
が開口し始める。そして、圧力上昇とともにその開度が
増加し、通過流量も増加して、その流量がパイロット回
路２２の第２回路２２ｂから第３の開閉弁２０の背室２
０ｃ内に流入する流量より大きくなった時、横軸のｂに
示した圧力で第３の開閉弁２０の弁体２０ｂが上昇し始
める。更に、圧力が上昇して、横軸のｃに示した圧力に
なった時、縦軸の油圧ポンプ３から油槽８に流入する流
量が油圧ポンプ３の定格吐出流量となる。これによっ
て、油圧ポンプ３の吐出圧力が所定圧以上に上昇しない
ように抑制することができる。

【００３５】このように、第二実施例の油圧エレベータ
装置は、圧油の流出入によってエレベータかご２を昇降
する油圧ジャッキ１と、前記油圧ジャッキ１に圧油を送
排出する可逆回転可能な油圧ポンプ３と、前記油圧ポン
プ３を回転数制御して駆動する電動機４と、前記油圧ジ
ャッキ１と油圧ポンプ３との間に設けられ、エレベータ
かご２の下降走行のときに開口し、停止及び上昇走行の
ときに閉止する下降用開閉弁としての第１の開閉弁５
と、前記油圧ジャッキ１と油圧ポンプ３との間で第１の
開閉弁５と並列に設けられ、エレベータかご２の上昇走
行のときに圧油の流量に対応する開度で開口し、停止の
ときに閉止し、かつ、下降走行のときに油圧ジャッキ１
から油圧ポンプ３への逆流を防止する上昇用開閉弁とし
ての第２の開閉弁１８と、前記油圧ポンプ３の油圧ジャ
ッキ１側と油槽８との間に設けられ、通常は全閉で、前
記油圧ポンプ３から送出される圧油が所定圧以上となっ
たときに開口する圧力制御弁としてのパイロットリリー
フ弁２４と、前記油圧ポンプ３の油圧ジャッキ１側と油
槽８との間に設けられ、通常は全閉で、パイロットリリ
ーフ弁２４が所定開度以上となったときに開口し、油圧
ポンプ３から送出される圧油を油槽８に排出する圧抑制
開閉弁としての第３の開閉弁２０と、前記電動機４の駆
動及び第１の開閉弁５の開閉を制御する制御部１４とを
備えたものである。

【００３６】したがって、上記第二実施例によれば、第
１の開閉弁５及び第２の開閉弁１８を設けているので、
第一実施例と同様の効果を期待できる。また、第３の開
閉弁２０とパイロットリリーフ弁２４とを設けているの
で、何らかの異常により油圧ポンプ３から送出される圧
油が所定圧以上になると、パイロットリリーフ弁２４が
開口し、このパイロットリリーフ弁２４の所定開度以上
の開口によって第３の開閉弁２０が開口する。このた
め、油圧ポンプ３からの吐出圧力を所定圧以下に抑制す
ることができる。なお、この第二実施例は請求項３の態
様に相当するものであり、また、請求項２の態様に相当
するとすることもできる。

【００３７】

【発明の効果】以上のように、請求項１の発明の油圧エ
レベータ装置は、圧油の流出入によってエレベータかご
を昇降する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を
送排出する可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポン
プを回転数制御して駆動する電動機と、前記油圧ジャッ
キと油圧ポンプとの間に設けられ、エレベータかごの下
降走行のときに開口し、停止及び上昇走行のときに閉止
する下降用開閉弁と、前記油圧ジャッキと油圧ポンプと
の間に下降用開閉弁と並列に設けられ、エレベータかご
の上昇走行のときに圧油の流量に対応する開度で開口
し、停止のときに閉止し、かつ、下降走行のときに油圧
ジャッキから油圧ポンプへの逆流を防止する上昇用開閉
弁と、前記電動機の駆動及び下降用開閉弁の開閉を制御
する制御部とを備えたものである。したがって、上昇走
行中に電源が遮断したとき、油圧ポンプの吐出流量がな
くなり、圧油の流量に対応する開度で開口する上昇用開
閉弁が閉止するので、油圧ジャッキから油圧ポンプに逆
流することがない。この結果、上昇走行中の電源遮断時
にエレベータかごが下降するのを防止することができ
る。そして、上昇用開閉弁が圧油の流量に対応する開度
で開口するので、上昇走行中に圧油が開閉弁を通過する
ときの圧力損失を小さくすることが可能である。一方、
下降走行中に電源が遮断したとき、下降用開閉弁が開口
する。ここで、下降するときは、上昇するときに比べ、
油圧ポンプにかかる負荷は小さいため、下降用開閉弁の
開度を小さくしても油圧ポンプ及び電動機に過大な負荷
はかからない。この結果、下降用開閉弁の開度を小さく
することによって、下降する速度を抑制することができ
る。

【００３８】また、請求項２の発明の油圧エレベータ装
置は、圧油の流出入によってエレベータかごを昇降する
油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を送排出する
可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポンプを回転数
制御して駆動する電動機と、前記油圧ポンプの油圧ジャ
ッキ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、前記油
圧ポンプから送出される圧油が所定圧以上となったとき
に開口する圧力制御弁と、前記油圧ポンプの油圧ジャッ
キ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、圧力制御
弁が所定開度以上となったときに開口し、油圧ポンプか
ら送出される圧油を油槽に排出する圧抑制開閉弁と、前
記電動機の駆動の開閉を制御する制御部とを備えたもの
である。したがって、何らかの異常により油圧ポンプか
ら送出される圧油が所定圧以上となると、圧力制御弁が
開口し、この圧力制御弁の所定開度以上の開口によって
圧抑制開閉弁が開口するので、油圧ポンプからの吐出圧
力を所定圧以下に抑制できる。

【００３９】更に、請求項３の発明の油圧エレベータ装
置は、圧油の流出入によってエレベータかごを昇降する
油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を送排出する
可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポンプを回転数
制御して駆動する電動機と、前記油圧ジャッキと油圧ポ
ンプとの間に設けられ、エレベータかごの下降走行のと
きに開口し、停止及び上昇走行のときに閉止する下降用
開閉弁と、前記油圧ジャッキと油圧ポンプとの間に下降
用開閉弁と並列に設けられ、エレベータかごの上昇走行
のときに圧油の流量に対応する開度で開口し、停止のと
きに閉止し、かつ、下降走行のときに油圧ジャッキから
油圧ポンプへの逆流を防止する上昇用開閉弁と、前記油
圧ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けられ、通
常は全閉で、前記油圧ポンプから送出される圧油が所定
圧以上となったときに開口する圧力制御弁と、前記油圧
ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けられ、通常
は全閉で、圧力制御弁が所定開度以上となったときに開
口し、油圧ポンプから送出される圧油を油槽に排出する
圧抑制開閉弁と、前記電動機の駆動及び下降用開閉弁の
開閉を制御する制御部とを備えたものである。したがっ
て、請求項１の下降用開閉弁及び上昇用開閉弁を備え、
かつ、請求項２の圧力制御弁及び圧抑制開閉弁を備えて
いるので、請求項１に加え、請求項２と同様の効果を期
待することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の第一実施例による油圧エレベー
タ装置の油圧回路を示す回路図である。

【図２】図２は本発明の第二実施例による油圧エレベー
タ装置の油圧回路を示す回路図である。

【図３】図３は本発明の第二実施例の油圧エレベータ装
置における油圧ポンプの吐出圧力と油圧ポンプから油槽
に流出する油の流量との関係を示す特性図である。

【図４】図４は従来の油圧エレベータ装置の油圧回路を
示す回路図である。

【符号の説明】

１ 油圧ジャッキ ２ エレベータかご ３ 油圧ポンプ ４ 電動機 ５ 第１の開閉弁 ８ 油槽 １４ 制御部 １８ 第２の開閉弁 ２０ 第３の開閉弁 ２４ パイロットリリーフ弁

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【手続補正書】

【提出日】平成５年３月２日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】請求項２

【補正方法】変更

【補正内容】

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００２

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００２】

【従来の技術】従来の油圧エレベータ装置として、例え
ば実開昭５７−１４４９７１号公報に掲載されたものが
ある。又、別の従来の油圧エレベータ装置として図４に
示すものがある。図４は従来の油圧エレベータ装置の油
圧回路を示す回路図である。図において、１は油圧ジャ
ッキ、２は油圧ジャッキ１に支持されたエレベータか
ご、３は可逆回転可能な油圧ポンプ、４は油圧ホンプ３
を駆動する電動機である。５は主室５ａと、弁体５ｂを
介して主室５ａと隔離された背室５ｃとを有する開閉弁
で、油圧ジャッキ１と油圧ポンプ３との間に主室５ａが
配置されており、背室５ｃ内への圧油の流出入により弁
体５ｂを作動させて油圧ジャッキ１と油圧ポンプ３との
間の油圧流路を開閉し、エレベータかご２が昇降してい
るときは開口し、エレベータかご２が停止しているとき
は閉止する。６は油圧ジャッキ１と開閉弁５と油圧ポン
プ３とを順に接続した油圧の主回路、７はフィルタ、８
は油槽である。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１３

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１３】また、請求項２の発明にかかる油圧エレベ
ータ装置は、圧油の流出入によってエレベータかごを昇
降する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を送排
出する可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポンプを
回転数制御して駆動する電動機と、前記油圧ポンプの油
圧ジャッキ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、
前記油圧ポンプから送出される圧油が所定圧以上となっ
たときに開口する圧力制御弁と、前記油圧ポンプの油圧
ジャッキ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、圧
力制御弁が所定開度以上となったときに開口し、油圧ポ
ンプから送出される圧油を油槽に排出する圧抑制開閉弁
と、前記電動機の駆動及び下降用開閉弁の開閉を制御す
る制御部とを備えたものである。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２６

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２６】今、第１の開閉弁５の開度が除々に減少す
ると、それに伴って開度調整絞り１５のスリーブ１５ｃ
が追従して移動し、可変絞り１５ｂが除々に開いて第２
圧油排出回路９ｃは連通する。そして、開度調整絞り１
５が圧油流入回路９ａからの圧油の流入量と第２圧油排
出回路９ｃからの圧油の排出量と一致するような開度に
なったとき、第１の開閉弁５は部分開度で停止する。電
動機４の回転数制御により、油圧ポンプ３によって油圧
ジャッキ１から排出する油がなくなるとエレベータかご
２は停止し、その後、常時閉形の電磁弁１６を消磁する
ことにより第２圧油排出回路９ｃが閉路して圧油の排出
量が無くなるため、圧油流入回路９ａからの圧油が第１
の開閉弁５の背室５ｃに流入し、第１の開閉弁５は除々
に閉成した後、全閉する。これによって、エレベータか
ご２は停止する。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２８】したがって、上記実施例によれば、上昇走
行中に電源が遮断したとき、油圧ポンプ３の吐出流量が
なくなり、圧油の流量に対応する開度で開口する第２の
開閉弁１８が閉止するので、油圧ジャッキ１から油圧ポ
ンプ３に逆流することがない。この結果、上昇走行中の
電源遮断時にエレベータかご２が下降するのを防止する
ことができる。そして、第２の開閉弁１８が圧油の流量
に対応する開度で開口するので、上昇走行中に圧油が第
２の開閉弁１８を通過するときの圧力損失を小さくする
ことが可能である。また、下降走行中に電源が遮断した
とき、第１の開閉弁５が開口する。下降運転時にのみ使
用する第１の開閉弁５の開度を小さくすることによっ
て、下降する速度を抑制することができる。なお、この
第一実施例は請求項１の態様に相当するものである。

【手続補正６】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３７

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３７】

【発明の効果】以上のように、請求項１の発明の油圧エ
レベータ装置は、圧油の流出入によってエレベータかご
を昇降する油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を
送排出する可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポン
プを回転数制御して駆動する電動機と、前記油圧ジャッ
キと油圧ポンプとの間に設けられ、エレベータかごの下
降走行のときに開口し、停止及び上昇走行のときに閉止
する下降用開閉弁と、前記油圧ジャッキと油圧ポンプと
の間に下降用開閉弁と並列に設けられ、エレベータかご
の上昇走行のときに圧油の流量に対応する開度で開口
し、停止のときに閉止し、かつ、下降走行のときに油圧
ジャッキから油圧ポンプへの逆流を防止する上昇用開閉
弁と、前記電動機の駆動及び下降用開閉弁の開閉を制御
する制御部とを備えたものである。したがって、上昇走
行中に電源が遮断したとき、油圧ポンプの吐出流量がな
くなり、圧油の流量に対応する開度で開口する上昇用開
閉弁が閉止するので、油圧ジャッキから油圧ポンプに逆
流することがない。この結果、上昇走行中の電源遮断時
にエレベータかごが下降するのを防止することができ
る。そして、上昇用開閉弁が圧油の流量に対応する開度
で開口するので、上昇走行中に圧油が開閉弁を通過する
ときの圧力損失を小さくすることが可能である。一方、
下降走行中に電源が遮断したとき、下降用開閉弁が開口
する。この結果、下降用開閉弁の開度を小さくすること
によって、下降する速度を抑制することができる。

【手続補正７】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００３８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００３８】また、請求項２の発明の油圧エレベータ装
置は、圧油の流出入によってエレベータかごを昇降する
油圧ジャッキと、前記油圧ジャッキに圧油を送排出する
可逆回転可能な油圧ポンプと、前記油圧ポンプを回転数
制御して駆動する電動機と、前記油圧ポンプの油圧ジャ
ッキ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、前記油
圧ポンプから送出される圧油が所定圧以上となったとき
に開口する圧力制御弁と、前記油圧ポンプの油圧ジャッ
キ側と油槽との間に設けられ、通常は全閉で、圧力制御
弁が所定開度以上となったときに開口し、油圧ポンプか
ら送出される圧油を油槽に排出する圧抑制開閉弁と、前
記電動機の駆動及び下降用開閉弁の開閉を制御する制御
部とを備えたものである。したがって、何らかの異常に
より油圧ポンプから送出される圧油が所定圧以上となる
と、圧力制御弁が開口し、この圧力制御弁の所定開度以
上の開口によって圧抑制開閉弁が開口するので、油圧ポ
ンプからの吐出圧力を所定圧以下に抑制できる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 代詞男 愛知県稲沢市菱町１番地 三菱電機株式会 社稲沢製作所内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧油の流出入によってエレベータかごを
   昇降する油圧ジャッキと、 前記油圧ジャッキに圧油を送排出する可逆回転可能な油
   圧ポンプと、 前記油圧ポンプを回転数制御して駆動する電動機と、 前記油圧ジャッキと油圧ポンプとの間に設けられ、エレ
   ベータかごの下降走行のときに開口し、停止及び上昇走
   行のときに閉止する下降用開閉弁と、 前記油圧ジャッキと油圧ポンプとの間に下降用開閉弁と
   並列に設けられ、エレベータかごの上昇走行のときに圧
   油の流量に対応する開度で開口し、停止のときに閉止
   し、かつ、下降走行のときに油圧ジャッキから油圧ポン
   プへの逆流を防止する上昇用開閉弁と、 前記電動機の駆動及び下降用開閉弁の開閉を制御する制
   御部とを具備することを特徴とする油圧エレベータ装
   置。
2. 【請求項２】 圧油の流出入によってエレベータかごを
   昇降する油圧ジャッキと、 前記油圧ジャッキに圧油を送排出する可逆回転可能な油
   圧ポンプと、 前記油圧ポンプを回転数制御して駆動する電動機と、 前記油圧ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けら
   れ、通常は全閉で、前記油圧ポンプから送出される圧油
   が所定圧以上となったときに開口する圧力制御弁と、 前記油圧ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けら
   れ、通常は全閉で、圧力制御弁が所定開度以上となった
   ときに開口し、油圧ポンプから送出される圧油を油槽に
   排出する圧抑制開閉弁と、 前記電動機の駆動の開閉を制御する制御部とを具備する
   ことを特徴とする油圧エレベータ装置。
3. 【請求項３】 圧油の流出入によってエレベータかごを
   昇降する油圧ジャッキと、 前記油圧ジャッキに圧油を送排出する可逆回転可能な油
   圧ポンプと、 前記油圧ポンプを回転数制御して駆動する電動機と、 前記油圧ジャッキと油圧ポンプとの間に設けられ、エレ
   ベータかごの下降走行のときに開口し、停止及び上昇走
   行のときに閉止する下降用開閉弁と、 前記油圧ジャッキと油圧ポンプとの間に下降用開閉弁と
   並列に設けられ、エレベータかごの上昇走行のときに圧
   油の流量に対応する開度で開口し、停止のときに閉止
   し、かつ、下降走行のときに油圧ジャッキから油圧ポン
   プへの逆流を防止する上昇用開閉弁と、 前記油圧ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けら
   れ、通常は全閉で、前記油圧ポンプから送出される圧油
   が所定圧以上となったときに開口する圧力制御弁と、 前記油圧ポンプの油圧ジャッキ側と油槽との間に設けら
   れ、通常は全閉で、圧力制御弁が所定開度以上となった
   ときに開口し、油圧ポンプから送出される圧油を油槽に
   排出する圧抑制開閉弁と、 前記電動機の駆動及び下降用開閉弁の開閉を制御する制
   御部とを具備することを特徴とする油圧エレベータ装
   置。