JP4021161B2 - 水圧エレベータ - Google Patents

水圧エレベータ Download PDF

Info

Publication number
JP4021161B2
JP4021161B2 JP2001190253A JP2001190253A JP4021161B2 JP 4021161 B2 JP4021161 B2 JP 4021161B2 JP 2001190253 A JP2001190253 A JP 2001190253A JP 2001190253 A JP2001190253 A JP 2001190253A JP 4021161 B2 JP4021161 B2 JP 4021161B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
check valve
way rotary
hydraulic pump
valve
working fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001190253A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003002560A (ja
Inventor
裕康 野渡
宣宏 望月
智四郎 山科
新平 宮川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ebara Corp filed Critical Ebara Corp
Priority to JP2001190253A priority Critical patent/JP4021161B2/ja
Publication of JP2003002560A publication Critical patent/JP2003002560A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4021161B2 publication Critical patent/JP4021161B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、昇降装置に水圧シリンダを用いた水圧エレベータに関し、特にホームエレベータに好適な水圧エレベータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、液圧を利用したエレベータとしては、昇降用駆動装置に作動流体として油を用いる油圧シリンダを使用した油圧エレベータが広く利用されている。該油圧エレベータは、住宅施設、特にホームエレベータに使用する場合は、住宅内に機械油を保有することとなり、該機械油は可燃性であるため、火災時に燃焼し被害が拡大するという問題がある。また、機械油の臭気が居住空間に充満したり、油漏れが発生したときに住宅環境を汚染し、生活上の快適さを阻害する恐れがある。
【0003】
さらに、油圧エレベータの場合は、定期的なメンテナンス時にその性能を維持するため作動油を交換する必要があるが、これら作動油の回収、補充、廃棄などの一連の作業は繁雑である上に廃棄等の処理費用も必要となる。また、近年の省資源や環境保全の観点からも、廃棄油の発生は好ましいものではない。
【0004】
一方、油圧システムと類似した方式として、作動流体として水を利用する水圧システムが近年開発されてきている。この水圧システムに用いる機器の作動原理や構造は、油圧システムの同形式の機器と略同様であるが、不錆材や水潤滑性の良好な材質の採用や構造的な工夫などにより、油圧システムと同程度の性能を有する機器も存在する。
【0005】
しかし、作動流体として水を利用した水圧システムは発展し始めたとろこであるため、現状ではまだ入手できる機器の種類や性能が限られている。従って、水圧システムを広く一般に提供するためには、上記の限られた種類や性能の機器を適宜組み合わせて利用する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、限られた種類や性能の機器を組み合わせ、作動流体として水を使用することで、安全性、清浄性に優れ、環境に与える負荷が極めて小さく、作動流体の補充、廃棄等が極めて容易な水圧エレベータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、作動流体として水を用いて水圧シリンダにより乗り籠を昇降させる水圧エレベータであって、水を備蓄するタンク、該タンク内の水を水圧シリンダへ給排する二方向回転水圧ポンプ、該二方向回転水圧ポンプと水圧シリンダとを連通する作動流体路に設けたパイロットチェック弁、二方向回転水圧ポンプを駆動する誘導電動機と、該誘導電動機を駆動するインバータ二方向回転水圧ポンプとタンクとの間に設けられ該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流すチェック弁と、二方向回転水圧ポンプとチェック弁との間から水圧シリンダ内の作動流体をタンク内に戻す第一排水回路と、該第一排水回路に設けたリリーフ弁とを備え、インバータによる誘導電動機の回転方向及び回転速度の制御と前記パイロットチェック弁の操作により前記乗り籠を昇降させることを特徴とする。
【0008】
上記のように二方向回転水圧ポンプと水圧シリンダとを連通する作動流体路にパイロットチェック弁を設け、また誘導電動機を駆動するためのインバータを設けたので、該誘導電動機の回転方向及び回転速度の制御とパイロットチェック弁の操作により乗り籠を昇降させることができるから、水を作動流体とする水圧エレベータの基本部分を簡潔に構成できる。また、作動流体に水を用いるので、安全性、清浄性に優れ、環境に与える負荷が極めて小さく、作動流体の補充、廃棄等が極めて容易となる。また、二方向回転水圧ポンプとタンクとの間に設けられ該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流すチェック弁と、二方向回転水圧ポンプとチェック弁との間から水圧シリンダ内の作動流体をタンク内に戻す第一排水回路と、該第一排水回路に設けたリリーフ弁とを備えたので、乗り籠の下降運転時において二方向回転ポンプの吐出圧力が適切に保たれるため、乗り籠を過速することなく安全に下降させる速度を維持することができる。また、乗り籠の下降運転時の水圧回路の圧力過上昇を防止することができる。
【0009】
また、本発明は、上記水圧エレベータにおいて、水圧シリンダとパイロットチェック弁との間の圧力と、該パイロットチェック弁と二方向回転水圧ポンプとの間の圧力を均衡化する均衡化回路を設けた。
【0010】
上記のように水圧シリンダとパイロットチェック弁との間の圧力と、該パイロットチェック弁と二方向回転水圧ポンプとの間の圧力を均衡化する均衡化回路を設けたことにより、乗り籠の下降運転の開始時に、均衡化回路を導通して両者の圧力を均衡化した後に、パイロットチェック弁を開き、二方向回転ポンプを始動することにより、乗り籠を滑らかに下降開始させることができる。
【0013】
また、本発明は、上記水圧エレベータにおいて、水圧シリンダとパイロットチェック弁との間からタンクまで連通する第二排水回路を設け、該第二排水回路は開度調整機構と開閉機能を有する。
【0014】
上記のように水圧シリンダとパイロットチェック弁との間からタンクまで連通する第二排水回路を設け、該第二排水回路は開度調整機構と開閉機能を有することにより、乗り籠の上昇運転時において、該第二排水回路を開くことにより、水圧シリンダに送る作動流体の単位時間当たりの量を減らすことで該乗り籠の速度を適切な速度に減速させることができる。
【0015】
上記第二排水回路をパイロットチェック弁と二方向回転水圧ポンプとの間からタンクまで連通するように設けても上記と同様の効果を奏するが、該第二排水回路の開閉の際に急激な圧力変動が生じてパイロットチェック弁が開閉し、乗り籠の滑らかな動作を損なうおそれがある。発明では、水圧シリンダとパイロットチェック弁との間にタンクまで連通する第二排水回路を設けたので、このような恐れがなく、乗り籠の滑らかな動作を可能とする。
【0016】
請求項に記載の発明は、請求項に記載の水圧エレベータにおいて、二方向回転水圧ポンプと該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流すチェック弁との間に、水圧シリンダとパイロットチェック弁との間へ作動流体の一部を戻す送水回路を設けたことを特徴とする。
【0017】
上記のように二方向回転水圧ポンプと該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流す前記チェック弁との間に、水圧シリンダとパイロットチェック弁との間へ作動流体の一部を戻す送水回路を設けたことにより、乗り籠の下降運転時において、上記送水回路を開くことにより水圧シリンダから排出される作動流体の単位時間当たりの量を減らすことで該乗り籠の速度を適切な速度に減速させることができる。また、送水回路に開度調整機構と開閉機能を付加することにより、乗り籠の下降運転時の減速を任意のタイミングで実施でき、且つ減速の度合いも調整することができる。
【0018】
上記送水回路をパイロットチェック弁と二方向回転水圧ポンプとの間へ作動流体の一部を戻すように設けても上記と同様の効果を奏するが、該二方向回転水圧ポンプの吸込部の水の流れが乱れることによるキャビテーションなどの問題が生じる恐れがある。しかし、請求項に記載の発明ではこのような恐れがない。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の水圧エレベータにおいて、パイロットチェック弁と二方向回転水圧ポンプとの間に、第一排水回路のリリーフ弁に連通する連通回路を設け、該連通回路には、前記リリーフ弁に向って作動流体を流すチェック弁を設け、前記第一排水回路二方向回転水圧ポンプからリリーフ弁に至る回路にリリーフ弁に向かって作動流体を流すチェック弁を設けたことを特徴とする。
【0020】
上記のようにパイロットチェック弁と二方向回転水圧ポンプとの間に、第一排水回路のリリーフ弁に連通する連通回路を設け、該連通回路には、前記リリーフ弁に向かって作動流体を流すチェック弁を設け、前記第一排水回路には、二方向回転水圧ポンプからリリーフ弁に至る回路に、前記リリーフ弁に向かって作動流体を流す方向にチェック弁を設けたことにより、上記段落番号[0008]に記載した乗り籠の下降運転時における効果に加え、乗り籠の上昇運転時の水圧回路の圧力過上昇を防止することができるので、リリーフ弁に二つの機能を持たせることができる。即ち、乗り籠上昇及び下降運転時に水圧回路の圧力過上昇を防止する安全弁としての機能と、乗り籠下降運転時の過速防止装置としての機能を持たせることができる。
【0021】
また、本発明は上記水圧エレベータにおいて、乗り籠の下降運転時に乗り籠の速度制御方式をインバータ及び誘導電動機による速度制御から、前記インバータ及び前記誘導電動機を停止し、乗り籠の自重を利用した第二排水回路のみによる速度制御に切り換えることを特徴とする。
【0022】
上記のように乗り籠の下降運転時に乗り籠の速度制御方式をインバータ及び誘導電動機による速度制御から、前記インバータ及び前記誘導電動機を停止し、乗り籠の自重を利用した第二排水回路のみによる速度制御に切り換え、第二排水回路を開くことにより、誘導電動機を運転せずに乗り籠の自重により該乗り籠の下降ができる。また、第二排水回路の開度調整機構により任意の下降速度を設定することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基いて説明する。図1は本発明にかかる水圧エレベータの構成例を示す図である。本水圧エレベータは、乗り籠1、水圧シリンダ2、パイロットチェック弁3、二方向回転水圧ポンプ4、誘導電動機5、インバータ6、タンク7で構成されている。なお、8は、タンク7から二方向回転水圧ポンプ4に向かって作動流体である水を流すチェック弁である。
【0024】
乗り籠1は、人又は荷物等を乗せることができ、水圧シリンダ2のプランジャ2−1により直接又はワイヤロープなどを介して間接的に駆動される。水圧シリンダ2は作動流体として水を用い、シリンダ2−2内部をプランジャ2−1が該作動水の給排により上昇・下降し、乗り籠1が上昇・下降する。
【0025】
パイロットチェック弁3は、通常は二方向回転水圧ポンプ4から水圧シリンダ2に作動水を流すチェック弁として機能するが、電磁弁9を付勢すると、水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3を連通する回路の作動水をパイロットチェック弁3のパイロットポート3−1に供給し、該パイロットチェック弁3は開かれ、水圧シリンダ2から二方向回転水圧ポンプ4に向かって作動水を流すことができるようになっている。なお、12は電磁弁9の付勢時に前記パイロットポート3−1と電磁弁9の間に流入した作動水を該電磁弁9の消勢時に大気圧に開放するときの圧力開放速度を調整する絞り弁である。
【0026】
二方向回転水圧ポンプ4は、水圧シリンダ2内に作動水を給水する正回転及び水圧シリンダ2内の作動水を排水する逆回転が可能であり、誘導電動機5により駆動される。該誘導電動機5は、インバータ6により回転方向及び回転速度が制御されるようになっている。
【0027】
タンク7には、常時作動流体である水が貯溜されており、該タンク7内はエアブリーザ11により常に大気圧に保たれている。また、13はタンク7内の作動水が基準水位に満たない場合や水圧エレベータのメンテナンス等のためタンク7内の作動水を排水した場合に、上水道からタンク7内に作動水を供給するためのボール弁である。なお、14は水圧エレベータ内の作動水が上記上水道に向かって流れ込まないようにするチェック弁である。
【0028】
次に、上記構成の水圧エレベータの基本的動作について説明する。乗り籠1の上昇運転は、図示しない制御装置から上昇運転指令が出されると、インバータ6から誘導電動機5へ駆動電力を供給し、該誘導電動機5が二方向回転水圧ポンプ4を正回転で駆動させる。タンク7内の作動水は、チェック弁8を通り、該二方向回転水圧ポンプ4に吸入される。二方向回転水圧ポンプ4内で加圧・吐出された作動水は、パイロットチェック弁3を通り、水圧シリンダ2に流入しプランジャ2−1を上昇させる。
【0029】
上記乗り籠1が、目的停止位置まで上昇したら、停止指令を出しインバータ6から誘導電動機5への駆動電力を停止し、二方向回転水圧ポンプ4を停止する。このとき、パイロットチェック弁3は、電磁弁9が消勢された状態なので通常のチェック弁として機能し、水圧シリンダ2から二方向回転水圧ポンプ4に向かって作動水を流さないので、乗り籠1は、目的停止位置に保持される。
【0030】
次に乗り籠1の下降運転について説明する。20は、水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3との間の圧力と、該パイロットチェック弁3と二方向回転水圧ポンプ4との間の圧力を均衡化する均衡化回路である。均衡化回路20は、電磁弁21、絞り弁22、水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3との間の圧力を検出する圧力検出器23及び該パイロットチェック弁3と二方向回転水圧ポンプ4との間の圧力を検出する圧力検出器24で構成されている。
【0031】
制御装置から下降運転指令が出されると、均衡化回路20の電磁弁21を付勢し均衡化回路20を開く。これによりパイロットチェック弁3の前後圧力、即ち水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3との間の圧力と、該パイロットチェック弁3と二方向回転水圧ポンプ4との間の圧力が均衡するように変化する。
【0032】
パイロットチェック弁3と二方向回転水圧ポンプ4との間の圧力は、該二方向回転水圧ポンプ4の性質上、水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3との間の圧力より低くなっていることが多く、このため乗り籠1の下降運転開始時に該乗り籠1が一瞬衝撃的に動く可能性があるが、絞り弁22で所定の時間をかけて両者の圧力を均衡化することによりこれを防止できる。圧力検出器23及び24が検出した圧力差が一定値以下になったら、電磁弁9を付勢しパイロットチェック弁3のパイロットポート3−1に水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3を連通する回路の作動水を供給し、該パイロットチェック弁3を開き、同時にインバータ6から駆動電力を供給された誘導電動機5が、二方向回転水圧ポンプ4を逆回転で駆動させる。
【0033】
水圧シリンダ2内の作動水は、パイロットチェック弁3を通り、該二方向回転水圧ポンプ4に吸入される。二方向回転水圧ポンプ4内で加圧・吐出された作動水は、第一排水回路30に送られる。第一排水回路30は、チェック弁31、リリーフ弁32、及びリターンフィルタ33で構成されている。二方向回転水圧ポンプ4より吐出された作動水は、チェック弁31を通り、リリーフ弁32により二方向回転水圧ポンプ4の吐出圧を所定圧力に保持しながら該リリーフ弁32を通過し、リターンフィルタ33を通り、タンク7に戻る。
【0034】
下降運転時における最大圧力は二方向回転水圧ポンプ4のチェック弁31側に発生するが、リリーフ弁32を所定の圧力に設定しておくことにより、該二方向回転水圧ポンプ4は過大な圧力を発生することがないので該リリーフ弁32は安全弁としての作用を奏する。また、二方向回転水圧ポンプ4の吐出圧力は、該二方向回転水圧ポンプ4の負荷となるため、二方向回転水圧ポンプ4が過速することがないので、上記リリーフ弁32は、過速防止装置としての作用も奏し、乗り籠1を安全に下降させる速度を維持することができる。
【0035】
上記乗り籠1が、目的停止位置まで下降したら、停止指令を出しインバータ6から誘導電動機5への駆動電力を停止し、二方向回転水圧ポンプ4を停止する。このとき、電磁弁9を消勢し、パイロットチェック弁3のパイロット圧力を抜き大気圧とすることで該パイロットチェック弁3を閉じる。閉じられたパイロットチェック弁3は、通常のチェック弁として機能し、水圧シリンダ2から二方向回転水圧ポンプ4に向かって作動水を流さないので、乗り籠1は、目的停止位置に保持される。
【0036】
なお、10は、パイロットチェック弁3と二方向回転水圧ポンプ4との間の作動水をリリーフ弁32に流すチェック弁であり、該チェック弁10は、第一排水回路30のリリーフ弁32に連通している。乗り籠1の上昇運転時における最大圧力は二方向回転水圧ポンプ4のパイロットチェック弁3側に発生するが、リリーフ弁32を所定の圧力に設定しておくことにより、該二方向回転水圧ポンプ4に過大な圧力が発生した場合に作動水をタンク7に戻すことにより過大な圧力の発生を防ぐので、該リリーフ弁32は安全弁としての作用を奏する。なお、上記リリーフ弁32で作動水をタンク7に戻しても過圧状態である場合には、圧力検出器15で検出し、誘導電動機5の運転を停止する。
【0037】
次に乗り籠1の上昇・下降時の速度制御について説明する。通常上昇運転時・下降運転時の速度制御は、いずれもインバータ6により誘導電動機5の回転速度制御により行なう。図2は、乗り籠の上昇又は下降時の速度変化を示す図である。上昇又は下降運転指令が出るとインバータ6は、誘導電動機5を必要な方向へ第一速度(定格速度)まで加速し、その速度で運転を継続する。乗り籠1が目的停止位置に近づくと着床のために十分に低い第二速度(着床速度)まで減速し、目的停止位置に至ると誘導電動機5を停止し、乗り籠1を着床させる。
【0038】
しかし、上記乗り籠1の上昇・下降運転時に、インバータ6、誘導電動機5又は二方向回転水圧ポンプ4の性能が十分でない場合は、図2に示す破線Aのように第二速度が高すぎ、必要な低速度が得られない場合がある。この場合に、上昇運転時には第二排水回路40、下降運転時には送水回路50により第二速度を必要な低速度に抑える。
【0039】
第二排水回路40は、電磁弁41、42、絞り弁43、44より構成されている。乗り籠1が上記基本動作により上昇運転する場合において、目的停止位置に近づき第二速度で運転する際に、誘導電動機5の下限回転速度制限などにより必要な低速度が得られない場合は、電磁弁41を付勢して開き、水圧シリンダ2内の作動水の一部を絞り弁43で流量を調整してリターンフィルタ33を通してタンク7に戻す。乗り籠1が目的停止位置に至ると誘導電動機5を停止するとともに、電磁弁41を消勢して閉じ、乗り籠1を着床させる。これにより、水圧シリンダ2に供給される作動水の単位時間当たりの供給量が減少し、必要な低速度が得られる。ここで、第二速度の調整は、絞り弁43の流量を調整することで行なう。
【0040】
なお、本実施形態では、第二排水回路の開閉機能と開度調整機構を電磁弁41、42及び絞り弁43、44で実現しているが、この構成に限定されるものではなく、例えば電磁比例弁、サーボ弁と電磁弁の組み合わせで実現しても良い。
【0041】
送水回路50は、電磁弁51、絞り弁52より構成されている。乗り籠1が上記基本動作により下降運転する場合において、目的停止位置に近づき第二速度で運転する際に、誘導電動機5の下限回転速度制限などにより必要な低速度が得られない場合は、電磁弁51を付勢して開き、二方向回転水圧ポンプ4から吐き出され、チェック弁31を通り、リリーフ弁32に至った作動水の一部を絞り弁52で流量を調整して水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3を連通する回路に戻す。乗り籠1が目的停止位置に至ると誘導電動機5を停止するとともに、電磁弁51を消勢して閉じ、乗り籠1を着床させる。これにより、水圧シリンダ2から排出される作動水の単位時間当たりの排出量が減少し、必要な低速度が得られる。ここで、第二速度の調整は、絞り弁52の流量を調整することで行なう。
【0042】
なお、本実施形態では、送水回路の開閉機能と開度調整機構を電磁弁51及び絞り弁52で実現しているが、この構成に限定されるものではなく、例えば電磁比例弁を用いて実現しても同様の効果を得ることができる。
【0043】
次に乗り籠1の下降運転時にインバータ6による速度制御から、第二排水回路40による速度制御に切り換える場合について説明する。下降運転指令が出されると、均衡化回路20の電磁弁21を付勢して開く。圧力検出器23及び24が検出した圧力差が一定値以下になったら、電磁弁9を付勢しパイロットチェック弁3のパイロットポート3−1に水圧シリンダ2とパイロットチェック弁3を連通する回路の圧力を供給し、該パイロットチェック弁3を開き、同時にインバータ6から駆動電力を供給された誘導電動機5が、二方向回転水圧ポンプ4を逆回転で駆動させる。
【0044】
図3は、乗り籠1の下降時の速度変化を示す図で、同図に示すようにインバータ6は誘導電動機5を制御して乗り籠1を第一速度まで加速させ、目的停止位置が近づくと第二速度まで減速する。なお、この間、水圧シリンダ2内の作動水は、パイロットチェック弁3を通り、該二方向回転水圧ポンプ4に吸入され、二方向回転水圧ポンプ4内で加圧・吐出された作動水は、チェック弁31を通り、リリーフ弁32により二方向回転水圧ポンプ4の吐出圧を所定圧力に保持しながら該リリーフ弁32を通過し、リターンフィルタ33を通り、タンク7に戻る。
【0045】
上記乗り籠1が、目的停止位置の直前となったらインバータ6の停止指令を出しインバータ6から誘導電動機5への駆動電力を停止し、二方向回転水圧ポンプ4を停止し、電磁弁9を消勢し、パイロットチェック弁3のパイロット圧力を抜き大気圧に開放することで該パイロットチェック弁3を閉じる。これと同時に、第二排水回路40の電磁弁42を付勢して開き、水圧シリンダ2内の作動水を絞り弁44で流量を調整してリターンフィルタ33を通してタンク7に戻す。即ち、乗り籠1の自重で下降させることにより、誘導電動機5を運転せずに図3に示す第三速度を得ることができる。なお、第三速度の調整は、絞り弁44の流量を調整することで行なうので、インバータ6及び誘導電動機5の機能・性能に束縛されない任意の下降速度を設定することができる。
【0046】
また、乗り籠1が上昇運転時において、目的停止位置まで上昇し、停止指令を出しインバータ6から誘導電動機5への駆動電力を停止し、二方向回転水圧ポンプ4を停止しても、該乗り籠1が目的停止位置を通過して過上昇する場合がある。この場合は、第二排水回路40の電磁弁42を付勢して開き、水圧シリンダ2内の作動水を絞り弁44で流量を調整してリターンフィルタ33を通してタンク7に戻すことにより、乗り籠1を自重で目的停止位置まで下降させることができる。乗り籠1が目的停止位置まで下降したら電磁弁42を消勢して閉じれば、電磁弁9は消勢しており、パイロットチェック弁3は閉じているので、乗り籠1はその位置を保つことができる。
【0047】
また、停電などにより水圧エレベータの運転が停止する場合がある。この場合は、乗り籠1の自重で下降させるため、ボール弁16を手動又は他の方法で開き、水圧シリンダ2内の作動水を絞り弁17を経由し、リターンフィルタ33を通してタンク7に戻す。なお、絞り弁17を通る作動水の流量を調整することで乗り籠1が安全に下降できる速度に制御できる。
【0048】
【発明の効果】
以上、説明したように各請求項に記載の発明によれば下記のような優れた効果が得られる。
【0049】
請求項1に記載の発明によれば、二方向回転水圧ポンプと水圧シリンダとを連通する作動流体路にパイロットチェック弁を設け、また誘導電動機を駆動するためのインバータを設けたので、該誘導電動機の回転方向及び回転速度の制御とパイロットチェック弁の操作により乗り籠を昇降させることができるから、水を作動流体とする水圧エレベータの基本部分を簡潔に構成できる。また、作動流体に水を用いるので、安全性、清浄性に優れ、環境に与える負荷が極めて小さく、作動流体の補充、廃棄等が極めて容易となる。また、二方向回転水圧ポンプとタンクとの間に設けられ該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流すチェック弁と、二方向回転水圧ポンプとチェック弁との間から水圧シリンダ内の作動流体をタンク内に戻す第一排水回路と、該第一排水回路に設けたリリーフ弁とを備えたので、乗り籠の下降運転時において二方向回転ポンプの吐出圧力が適切に保たれるため、乗り籠を過速することなく安全に下降させる速度を維持することができる。また、乗り籠の下降運転時の水圧回路の圧力過上昇を防止することができる。
【0050】
請求項2に記載の発明によれば、二方向回転水圧ポンプと該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流す前記チェック弁との間に、水圧シリンダとパイロットチェック弁との間へ作動流体の一部を戻す送水回路を設けたので、乗り籠の下降運転時において、上記送水回路を開くことにより水圧シリンダから排出される作動流体の単位時間当たりの量を減らすことで該乗り籠の速度を適切な速度に減速させることができる。また、送水回路に開度調整機構と開閉機能を付加することにより、乗り籠の下降運転時の減速を任意のタイミングで実施でき、且つ減速の度合いも調整することができる。
【0051】
請求項3に記載の発明によれば、パイロットチェック弁と二方向回転水圧ポンプとの間に第一排水回路のリリーフ弁に連通する連通回路を設け、該連通回路に前記リリーフ弁に向って作動流体を流すチェック弁を設け、第一排水回路の二方向回転水圧ポンプからリリーフ弁に至る回路に該リリーフ弁に向かって作動流体を流すチェック弁を設けたので、乗り籠の上昇運転時の水圧回路の圧力過上昇を防止することができるので、リリーフ弁に二つの機能を持たせることができる。即ち、乗り籠上昇及び下降運転時に水圧回路の圧力過上昇を防止する安全弁としての機能と、乗り籠下降運転時の過速防止装置としての機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる水圧エレベータの構成例を示す図である。
【図2】乗り籠の上昇又は下降時の速度変化を示す図である。
【図3】乗り籠の下降時の速度変化を示す図である。
【符号の説明】
1 乗り籠
2 水圧シリンダ
3 パイロットチェック弁
4 二方向回転水圧ポンプ
5 誘導電動機
6 インバータ
7 タンク
8 チェック弁
9 電磁弁
10 チェック弁
11 エアブリーザ
12 絞り弁
13 ボール弁
14 チェック弁
15 圧力検出器
16 ボール弁
17 絞り弁
20 均衡化回路
21 電磁弁
22 絞り弁
23 圧力検出器
24 圧力検出器
30 第一排水回路
31 チェック弁
32 リリーフ弁
33 リターンフィルタ
40 第二排水回路
41 電磁弁
42 電磁弁
43 絞り弁
44 絞り弁
50 送水回路
51 電磁弁
52 絞り弁

Claims (3)

  1. 作動流体として水を用いて水圧シリンダにより乗り籠を昇降させる水圧エレベータであって、
    水を備蓄するタンク、該タンク内の水を前記水圧シリンダへ給排する二方向回転水圧ポンプ、該二方向回転水圧ポンプと前記水圧シリンダとを連通する作動流体路に設けたパイロットチェック弁と、前記二方向回転水圧ポンプを駆動する誘導電動機と、該誘導電動機を駆動するインバータと、前記二方向回転水圧ポンプと前記タンクとの間に設けられ該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流すチェック弁と、前記二方向回転水圧ポンプと前記チェック弁との間から前記水圧シリンダ内の作動流体を前記タンク内に戻す第一排水回路と、該第一排水回路に設けたリリーフ弁とを備え、
    前記インバータによる誘導電動機の回転方向及び回転速度の制御と前記パイロットチェック弁の操作により前記乗り籠を昇降させることを特徴とする水圧エレベータ。
  2. 請求項1に記載の水圧エレベータにおいて、
    前記二方向回転水圧ポンプと該二方向回転水圧ポンプに向って作動流体を流す前記チェック弁との間に、前記水圧シリンダと前記パイロットチェック弁との間へ作動流体の一部を戻す送水回路を設けたことを特徴とする水圧エレベータ。
  3. 請求項1に記載の水圧エレベータにおいて、
    前記パイロットチェック弁と前記二方向回転水圧ポンプとの間に前記第一排水回路のリリーフ弁に連通する連通回路を設け、該連通回路に前記リリーフ弁に向って作動流体を流すチェック弁を設け、
    前記第一排水回路の前記二方向回転水圧ポンプから前記リリーフ弁に至る回路に該リリーフ弁に向かって作動流体を流すチェック弁を設けたことを特徴とする水圧エレベータ。
JP2001190253A 2001-06-22 2001-06-22 水圧エレベータ Expired - Fee Related JP4021161B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001190253A JP4021161B2 (ja) 2001-06-22 2001-06-22 水圧エレベータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001190253A JP4021161B2 (ja) 2001-06-22 2001-06-22 水圧エレベータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003002560A JP2003002560A (ja) 2003-01-08
JP4021161B2 true JP4021161B2 (ja) 2007-12-12

Family

ID=19029055

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001190253A Expired - Fee Related JP4021161B2 (ja) 2001-06-22 2001-06-22 水圧エレベータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4021161B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4087351B2 (ja) * 2004-04-19 2008-05-21 株式会社カワサキプレシジョンマシナリ 軟水化装置を備える水圧駆動ユニット
FR2897861B1 (fr) * 2006-02-24 2008-06-13 Saint Gobain Ct Recherches Refractaire a forte teneur en zircone a grande resistivite
FR2913013B1 (fr) * 2007-02-23 2009-12-18 Saint Gobain Ct Recherches Bloc refractaire fondu et coule a forte teneur en zircone
CN111664144B (zh) * 2020-04-22 2022-11-22 武汉船用机械有限责任公司 插销式升降平台的液压系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003002560A (ja) 2003-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR930002505B1 (ko) 유압식 승강장치
US4761953A (en) Hydraulic elevator mechanism
JP3447994B2 (ja) 油圧エレベータ装置
US6505711B1 (en) Hydraulic elevator, comprising a pressure accumulator which acts as a counterweight and a method for controlling and regulating an elevator of this type
JP3727367B2 (ja) 油圧エレベーター用制御バルブ装置
JP4021161B2 (ja) 水圧エレベータ
CN102320510A (zh) 一种液压电梯
US5285027A (en) Hydraulic elevator and a control method thereof
JPS6019091Y2 (ja) 油圧エレベ−タ−の安全装置
KR0146621B1 (ko) 유압엘리베이터의 제어장치
JPH11322207A (ja) 油圧エレベーター装置
JP3148396B2 (ja) 油圧エレベータ装置
JPH0694351B2 (ja) 溶鋼鍋昇降用油圧制御装置
JP2916899B2 (ja) 流体圧エレベータ
CN115434961B (zh) 一种卷扬式启闭机失电紧急落闸装置和启闭机
JP3371705B2 (ja) 油圧エレベータ装置
JP2003246565A (ja) 省エネルギー型油圧昇降装置
JPH11189379A (ja) 流体圧エレベーター
JP3435934B2 (ja) 油圧エレベーター装置
JPH045342A (ja) 土木・建設機械の油圧駆動装置
CN117108571A (zh) 一种负载失速自锁液压系统
JPH04121373A (ja) 流体圧エレベータ
JPS58148160A (ja) 油圧エレベ−タ−の速度制御装置
JPH05319732A (ja) 一方向吐出型オイルポンプを有する油圧エレベータの油圧回路
JPH0323199A (ja) バッテリ式産業車両における油圧装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040109

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061101

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070417

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20070615

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070926

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees