JP2916899B2 - 流体圧エレベータ - Google Patents

流体圧エレベータ

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JP2916899B2
JP2916899B2 JP8258053A JP25805396A JP2916899B2 JP 2916899 B2 JP2916899 B2 JP 2916899B2 JP 8258053 A JP8258053 A JP 8258053A JP 25805396 A JP25805396 A JP 25805396A JP 2916899 B2 JP2916899 B2 JP 2916899B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体圧エレベータ
に係り、特に、流体圧シリンダに供給しまたはこのシリ
ンダから排出する流体の流量を制御して流体圧シリンダ
の速度を制御し、シリンダで直接的または間接的に支持
した乗りかごの速度を制御する方式の流体圧エレベータ
に関する。
【0002】
【従来の技術】圧力流体を制御して流体圧シリンダの速
度を制御し、乗りかごの速度を制御する流体圧エレベー
タにおいては、速度指令に対応して流量制御弁で圧力流
体を制御する方法、モータで流体圧ポンプの回転速度を
制御して圧力流体を制御する方法などが知られている。
特に、電子制御装置および制御技術の進歩に伴い、イン
バータによるモータの回転速度制御が容易になったこと
から、流体圧ポンプの回転数をモータで直接制御する流
体圧エレベータの実用性が高まっている。
【0003】この種の従来技術を示す例としては、特開
昭57−81073号,特開昭60−57471号等がある。
【0004】モータの回転数を制御して乗りかごの速度
を制御する方式では、制御装置の故障などにより回転数
が定格値を超えた場合、乗りかごの定格速度を超えて上
昇または下降することも考えられる。また、停電などで
駆動動力がゼロになった場合、乗りかごは自由落下状態
になり、安全速度を超えて降下することもありうる。こ
のような万一の場合にも安全性を確保することが不可欠
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】モータの回転速度を制
御して乗りかごの速度を制御する方式の流体圧エレベー
タでは、運転方向,乗客数,流体温度が変わることによ
り起動時の加速度変化が大きくなって乗り心地を低下さ
せたり、乗りかごの上昇または下降の速度が許容値を超
えて大きくなる可能性がある。すなわち、起動時に乗り
かごの位置保持用の逆止め弁を開くと、弁前後の圧力差
によって流体が急激に圧縮されるので、大きな加速度変
動を生じる。また、制御装置の異常などでポンプが定格
速度以上で駆動された場合や、停電などで駆動動力がな
くなった場合に、許容速度以上で走行する可能性があ
る。
【0006】本発明の目的は、エレベータの運転方向,
乗客数,流体温度に関係なく、一定の速度特性を実現す
るとともに、非常時にもエレベータのかご速度を速やか
に減速することにより良好な速度特性すなわち良好な乗
り心地が得られ、安全性および信頼性の高い流体圧エレ
ベータを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は、乗りかごの
位置保持のために流体圧ポンプと流体圧シリンダとを連
絡する流路に通常用いられているパイロット操作型逆止
め弁の構造および制御方法を改良した制御弁または制御
弁と過速防止弁を配置し、これらの弁に起動初期の流量
制御能力と最大流量制限機能とを持たせることにより達
成される。ここで、起動初期の制御能力とは、起動指令
に従ってモータを起動させ制御弁も制御して円滑に起動
する一方で、停電などの非常時に備えて、動力源が停止
したときには自動的に制御弁を閉じて、流体圧シリンダ
から流出する圧力流体の流量を減少させ、乗りかごを減
速,停止させる能力である。最大流量制限機能とは、制
御弁を流れる流体が規定流量を超えると、制御弁や過速
防止弁での圧力降下も規定値を超えて大きくなることを
利用して、自動的に制御弁の開口面積を狭くし、流量を
制限しまたはそのまま弁を閉鎖して流れを止める(乗り
かごを停止させる)機能である。
【0008】すなわち、本発明は、上記目的を達成する
ために、流体圧ポンプの回転数の制御により流体圧シリ
ンダに供給しまたは流体圧シリンダから排出する流体の
流量を制御し、流体圧シリンダで直接的にまたは間接的
に乗りかごを上昇または下降させる流体圧エレベータに
おいて、流体圧ポンプと流体圧シリンダとの間に、パイ
ロット弁の励磁を解除するとパイロット圧流体を排出し
て主弁を閉鎖する形式のパイロット操作型逆止め弁を配
置し、流体圧ポンプと流体圧シリンダとを接続する流路
から分岐した流路に、流体圧ポンプの出口圧力が所定値
以上になると流体圧ポンプの吐出流体を流体タンクに排
出するリリーフ弁を配置し、前記リリーフ弁の弁体に作
用するパイロット圧をパイロットリリーフ弁またはパイ
ロット切り換え弁で制御し、リリーフ弁にリリーフ圧と
アンロード圧とを設定可能にした流体圧エレベータを提
案するものである。
【0009】本発明においては、起動時制御弁前後の流
体圧の平衡を待ってモータすなわちポンプを起動するの
で、円滑運転が可能となり、エレベータの乗り心地が向
上する。
【0010】また、流体圧ポンプと流体圧シリンダとを
連絡する流路に流量制御弁または流量制御弁と絞り弁と
の組合わせを配置する。この制御弁や絞り弁を流れる流
体の流量が規定値を超えると、流量制御弁や絞り弁での
圧力降下も規定値を超えて大きくなる。
【0011】本発明では、この圧力降下を利用して制御
弁を動作させ、流量制御弁の開口面積を自動的に狭く
し、制御弁を流れる流量を制限する。制御弁を流れる流
体の流れ方向はエレベータの上昇または下降に対応して
変化するが、本発明では制御弁での圧力降下のみに対応
して流体の流れ方向に関係なく、制御弁を同じように動
作させる。
【0012】したがって、制御弁は乗りかごの運転方向
に関係なく、制御弁または制御弁と絞り弁との組合わせ
を流れる流体により生ずる流体の圧力損失のみに応じて
動作し、制御弁を流れる流体の流量が制限される。
【0013】その結果、エレベータのかご速度を規定値
以下に制限するとともに安全に停止させることになり、
エレベータの安全性および信頼性が確保される。
【0014】
【発明の実施の態様】図1は、本発明による流体圧エレ
ベータの一実施例を示す流体圧回路図である。図におい
て、1は乗りかご10を直接または間接に駆動する流体
圧シリンダ(ここでは直接駆動方式)、2は制御弁(ここ
では流量制御機能付きパイロット操作型逆止め弁)、4
はアンロード機能付きリリーフ弁、5はポンプ保護用の
吸い込み弁、6は正逆回転可能な流体圧ポンプ、7はモ
ータ、8はフィルタ、9は流体タンクである。11はモ
ータ7を駆動するインバータ、12はエレベータの制御
装置、13はパイロット弁、15,16,17は流路で
ある。
【0015】制御弁2は、主弁20とパイロット弁21
a,21bとからなるパイロット操作型逆止め弁であ
り、通常時は図示のように流体圧シリンダ1への流れを
許容し、その逆の流れを遮断している。パイロット弁2
1a,21bに指令が入った時は主弁20が開かれ、流
体圧シリンダ1からの流体の排出が可能となる。ここで
は、パイロット弁21a,21bをON−OFF弁とし
ているが、2位置3方弁でも同様の効果があり、例示し
た回路に限定されない。
【0016】リリーフ弁4は流体温度を制御するアンロ
ード運転および回路の保護のために設けてあり、吸い込
み弁5は流路15aが真空になるのを防止するために設
けてある。
【0017】このような構成の本実施例において、乗り
かご10を上昇させる場合と、下降させる場合について
説明する。
【0018】(1) 上昇時 制御装置12からの上昇指令に基づいてインバータ11
を駆動してモータ7を起動し(この時の回転方向を正回
転とする)、速度信号に従って定格回転数まで加速して
駆動する。流体はフィルタ8を通り、流体圧ポンプ6で
昇圧され、速度信号に比例するポンプ回転数に比例して
増大し、逆止め弁として作用する制御弁2を通り、流体
圧シリンダ1に供給される。
【0019】これにより、乗りかご10を直接または間
接に駆動する流体圧シリンダ1が起動され、速度信号
(モータ回転数)に比例して定格速度まで徐々に加速され
る。一方、減速信号(速度信号)によりモータ7の回転数
を減ずれば、加速の場合とは逆に、流体圧シリンダ1
(乗りかご10)は減速し、遂には停止に至る。その後指
令が解除されても制御弁2が閉じて乗りかご1の位置を
保持する。
【0020】この時なんらかの異常でポンプ6の出口圧
力が規定値(リリーフ圧)より大きくなると、リリーフ弁
4が作用してポンプ6の吐出流体をタンク9へ排出し、
流体圧回路の異常圧力上昇を防止し、機器や配管の破損
を防止する。
【0021】(2) 下降時 制御装置12からの下降指令に基づいて制御弁2のパイ
ロット弁21a,21bを動作させ、緩やかに主弁20
を切り換え、流体圧シリンダ1と流体圧ポンプ6とを連
通させ、流路15aと15cの圧力を平衡させる。その
後、モータ7を上昇とは逆方向に起動し(逆回転)、速度
信号に従って加速してポンプ6で流体圧シリンダ1の高
圧流体をタンク9へ戻す。したがって流体圧シリンダ1
及び乗りかご10は下降起動され、加速される。
【0022】こうすると、制御弁2とポンプ6との間の
流路の流体とシリンダ1の流体とがつりあってからポン
プ起動することになるので、下降起動時に円滑な起動が
可能となり、起動ショックがない。上昇時と同様に、モ
ータ7の加速,定格速度駆動,減速,停止により、乗り
かご10も加速,定格速度走行,減速の過程を経て、停
止する。その後パイロット弁21a,21bへの信号を
解除すれば、主弁20も復帰して、最初の状態に戻る。
【0023】下降起動時、主弁20を急激に切り換える
と、流路15a内の流体が急激に圧縮されるため、大き
なショックを生ずる。したがって、エレベータの良好な
乗り心地を確保するには、主弁20を緩やかに切り換え
る方が好ましい。そのためには、パイロット弁21a,
21bとしてPWM駆動の弁や指令に比例して動作する
弁などを用いると更に良い。
【0024】この時制御弁2の開動作とモータ7の起動
動作との間に不平衡を生じて、ポンプ6の吸い込み流量
がシリンダ1の排出流量より大きくなることが考えられ
る。その場合、吸い込み弁5を介してタンク9から流体
を補給し、回路15aが真空になってキャビテーション
が発生しポンプ6が損傷したりすることを防止する。
【0025】(3) 非常時 停電などにより駆動動力が無くなると、乗りかご10は
自重により許容速度を超えて落下し始め、安全上不都合
である。このような場合は、制御指令が解除されるの
で、パイロット弁21a,21bは励磁解除となり、基
準位置(図示状態)に復帰し、パイロット圧流体を排出す
る。本発明のパイロット圧流体を排出する方式では、パ
イロット圧流体を供給する方式と比べて、主弁20は速
やかに図示の状態に戻る。したがって、流体圧シリンダ
1からの流体の流れは遮断されて乗りかご10を減速,
停止させるから、安全性は飛躍的に向上する。停電以外
の非常時でもパイロット弁の制御信号を解除すると、同
様にエレベータを停止させることができる。このような
例としては、制御装置の異常によるオーバースピードで
の下降やポンプとモータとの間のカップリングの破損な
どが考えられる。
【0026】図2は、本発明の他の実施例を示す流体圧
回路図である。図1と同じ記号は同じ作用をする部分を
示している。図1の実施例との相違は、制御弁2とポン
プ6との間の流路15aに加速防止弁3を追加した点で
ある。加速防止弁3は主弁30と絞り弁31とからな
り、下降側にこの弁3を流れる流体流量が規定値を超え
たとき動作する。すなわち、この弁を流れる流量が規定
値を超えて、この弁前後の圧力差が大きくなると、この
圧力差で主弁30が動作し、速やかに回路を遮断して乗
りかご10を停止させる。こうすると、停電などのほか
に、制御装置の誤動作などによる加速も防止でき、安全
性が向上する。
【0027】図3は、制御弁2の一実施例の構造を示す
断面図である。主弁20は、弁本体22と弁体23とば
ね20cとピストン24とストッパ25とを主要構成要
素とし、ポート22a,22bは各々流路15a(15
b),15cに接続されている。弁体23はそのスカー
ト部23aにオリフィス23bを有し、スカート部23
aと軸23cをガイドに弁本体22に対し摺動可能で、
ばね20cで弁座に押しつけられている。ピストン24
はパイロット弁21a,21bで駆動され、弁体23を
駆動する。ピストン24はストッパ25によりその動作
範囲を制限されている。
【0028】パイロット弁21a,21bは励磁される
と、ピストン室22fへパイロット流体を供給しまたは
そこから排出する。通常時は、ピストン室22fをタン
ク9に開放しているが、パイロット弁21aが励磁され
ると、絞り21cを介して流体室22dとピストン室2
2fとを接続し、パイロット弁22bを励磁すると、流
体室22をタンク9と遮断する。
【0029】(1) 上昇動作 制御弁2は単に逆止め弁として作用し、流体圧ポンプ6
の吐出流体はポート22a(流路15aまたは15b)か
らポート22b(流路15c)への流れ(自由流)となり、
流体圧シリンダ1を押し上げる。この時弁2を流れる流
体の圧力損失を小さくするため、弁体23は充分開くよ
うにばね20cを設定する。乗りかご10の速度制御は
ポンプ6の回転数制御により行う。
【0030】(2) 下降動作 下降信号によりパイロット弁21a,21bを励磁して
ピストン室22fに高圧流体を供給し、ピストン24を
押して主弁弁体23を変位させ、ポート22aと22b
とを連通させ、流体圧シリンダ1の高圧流体を流体圧ポ
ンプ6により排出し、流体圧シリンダ1及び乗りかご1
0を下降させる。この時絞り21cは弁体23の動作速
度を制御し、スカート23aに設けたオリフィス23b
はポート22bと22aとの間の開口面積を徐々に増加
させる。このオリフィス23bと絞り21cにより、エ
レベータの起動ショックの発生が防止される。パイロッ
ト弁を指令に比例して動作する比例ソレノイド弁やPW
M制御弁などで構成し、パイロット流量を制御してもよ
い。
【0031】この時ストッパ25でピストン24の変位
すなわち主弁20の開度を制限し、ポート22bから2
2aへの流れに対して一定の圧力降下量をもたせる。こ
うすると、停電などで駆動動力が無くなれば主弁20は
この弁前後の圧力差で自動的に閉じてシリンダ1からの
排出流量を減少させ、乗りかご10を減速、停止させ、
安全性を向上させる。
【0032】下降が終了すると、パイロット弁の励磁を
解除してピストン室22fの高圧流体を排出し、主弁弁
体23を図示の状態に復帰させ、下降動作を終了する。
この時パイロット弁出口圧力は大気圧であり、ピストン
室22fからは流体が短時間で排出されるので主弁の応
答時間は短い。
【0033】このことを図4を用いて詳細に説明する。
同図は、上昇及び下降動作時の主弁弁体23の動きとポ
ート22aの圧力を示している。
【0034】(1) 上昇時(破線) ポンプ6を起動すると、その吐出流体でポート22aの
圧力が上昇し、シリンダ圧を超えたところで流体は主弁
20の弱いばね20cの力に逆らって弁体23を押し開
き、ポート22b(シリンダ1に連通)に流れる。ポンプ
回転数が指令に従って加速から全速へと増大すると、こ
の弁を流れる流量も増大し、主弁弁体23の変位も大き
くなる。この時主弁弁体23に働く力は小さなばね力で
あるので、ポート22aの圧力はこの弁を流れる流量に
かかわらずほぼ一定で、シリンダ圧よりわずかに大きい
Pu(差圧△Pu)である。というのは、主弁20がクラ
ッキング圧の小さな逆止め弁とし作用するからである。
【0035】ポンプ6の流量が減少して乗りかご10が
減速を経て停止すると、弁体23は流量にほぼ比例して
変位し閉じる。この間、前述の理由により、ポート22
aの圧力は図示のようにほぼ一定である。主弁20が閉
じると、ポンプ6からの流体の漏れによりポート22a
の圧力が急激に低下する。すなわち、弁体23は流量に
ほぼ比例して変位し、図に示すように加速,全速,減速
が明瞭に表われるが、ポート22aの圧力はエレベータ
の走行中ほぼ一定の値である。
【0036】(2) 下降時(実線) パイロット弁21a,21bを励磁しピストン24によ
り、弁体23を変位させると、ポート22aはポート2
2bに連通し、圧力が上昇する。その後ポンプ8を駆動
して乗りかご10を加速し、全速で走行させる。主弁2
0はポンプ6の回転よりわずかに早めに全開となるが、
この時の開度は前述のように上昇時より小さい。したが
って、下降時のポート22aの圧力Pdとシリンダ圧と
の差はΔPdとなり、上昇時の差圧ΔPuより大きい。
その後指令にしたがってポンプ回転数を減速,停止さ
せ、ポンプ停止後にパイロット弁21a,21bを励磁
解除すれば、同図に示すように主弁20も復帰して下降
動作を完了する。圧力差ΔPdは減速が始まると小さく
なって停止時にはほとんどゼロになり、制御弁20が閉
鎖すると、ポート22aの圧力Puは急に低下する。
【0037】(3) 非常停止時(一点鎖線) 流体圧エレベータが走行中になんらかの原因で非常停止
をする場合がある。この時乗りかご10が上昇中であれ
ば、重力によって乗りかごは一旦停止し、その後下降を
始め、下降速度は増大する。下降中であればそのまま下
降速度は増大する。
【0038】いずれの場合も安全性を損なう。そこで、
本発明の制御弁2では、パイロット弁21a,21bの
励磁を解除してピストン弁22fの流体を排出させ、図
4に一点鎖線で示すように、主弁20の弁体23前後の
圧力差ΔPdにより弁体23を強制的に閉じ、乗りかご
10を減速,停止させるので安全である。
【0039】このように図3に示した本発明の制御弁に
よれば、上昇,下降,非常停止ができ、乗り心地が良く
安全性の高い流体圧エレベータを提供できる。
【0040】図5は、制御弁2の他の実施例の構造を示
す断面図である。図3と同じ記号は同じ機能の部分を示
している。この実施例が図3の実施例と相違する点はス
トッパ25の位置である。図3の実施例ではピストン2
4にストッパ25を設けていたが、図5の実施例では弁
体23の変位を直接制限している。作用及び効果は図3
と同様なので、ここでは説明を省略する。
【0041】図6は、図3または図4の実施例と同様の
実施例であるが、弁体23に流体室22cと22gとを
連通させる連通孔23eを設け、流体室22cと同一の
流体圧が流体室22gにも作用し、弁体23に働く流体
からの力を小さくしてある。こうすると、流体圧エレベ
ータの起動時に万一弁体23の前後の圧力差が大きくて
も、ピストン24を駆動する力が小さくて済む。このこ
とは、弁体23を駆動するピストン24の受圧面積が小
さく、パイロット弁を流れる流量が小さくなり、パイロ
ット弁も小さくてよいことを意味する。このように、パ
イロット弁が小さくなると、制御弁を駆動する流体流量
を節約でき、流体圧エレベータとして起動ショックが小
さくなり好都合である。また、先に述べた非常時のよう
に、制御弁を急速に閉鎖させる必要が生じた場合は、流
体室22fから排出する流体の流量が少なくなるので、
制御弁の動作が高速になり、好ましい。
【0042】制御弁の機能は、図3または図4の実施例
と同じであるから、ここでは説明を省略する。図7は、
制御弁2の更に他の実施例を示す断面図である。図3,
図4と同じ記号は同じ機能の部分を示している。この実
施例が図3,図4の実施例と相違する点はピストン2
4,ストッパ25の構造である。すなわち弁体23の軸
23cに摺動自在にピストン24を設け、ストッパ23
dでそれらの離脱を防止している。ピストン24は弁本
体22の部材22cに設けられたピストン室22e,2
2f内を摺動可能であり、ばね24aで押されつつスト
ッパ25で動作範囲を制限されている。
【0043】(1) 上昇動作 図3の実施例と同様に、エレベータ上昇のときはポンプ
6からの圧力流体はポート22aから流入し、弁体23
を押し上げてポート22bからシリンダ1へ流入する。
この時ピストン24は弁体23に対して作用せず、弁体
23のみが動作し、逆止め弁としてだけ働く。
【0044】(2) 下降動作 下降のときは指令によりパイロット弁21a,21bを
励磁してピストン室22fにパイロット流体を供給し、
ばね20cの力及び流体圧にさからってピストン24を
引上げ(弁体23も引き上げ)、流体圧シリンダ1と流体
圧ポンプ6とを徐々に連通させ、流体圧ポンプ6でシリ
ンダ1内の流体を排出して乗りかご10を下降起動,加
速させる。ピストン24はストッパ25でその移動量を
制限されているから、この時の弁体23の位置が下降時
の最大弁開度で、ポート22bから22aへの流れに一
定の圧力差を持たせる。この圧力差が図3でも説明した
ように、停電などのとき自動的に制御弁2を閉じる力と
なる。減速,停止ではポンプ6の回転速度を減少させて
シリンダ1からの排出流量を減少させ、停止すると、パ
イロット弁21a,21bの励磁を解除してピストン室
22fの流体を排出し、ピストン24及び弁体23を元
の位置に復帰させる。
【0045】停電などの非常時には図4に説明したと同
様に、パイロット弁21,21bの励磁を解除すれば、
ピストン室22fの流体が排出されるとともに、弁体2
3はばね24a,20cの力と弁体23前後の流体室2
2d,22c間の圧力差とにより下方に引かれ、ポート
22bから22aへの流路を速やかに遮断する。これに
より乗りかご10は停止する。
【0046】図8は、制御弁2の更に他の実施例の構造
を示す断面図である。
【0047】図7と同じ記号は同じ機能の部分を示して
いる。この実施例が図7の実施例と相違する点はストッ
パ25である。図7の実施例ではピストン24の移動量
のみを制限していたが、図8の実施例では弁体23の変
位を直接制限している。作用及び効果は図7の実施例と
同様なので、ここでは説明を省略する。
【0048】図9は、図7または図8の実施例と同様の
実施例を示しているが、弁体23に流体室22cと22
gとを連通させる連通孔23eを設け、流体室22cと
同一の流体圧が流体室22gにも作用させ、弁体23に
働く流体からの力を小さくしている。
【0049】図10は、過速防止弁3の一実施例の構造
を示す断面図である。主弁30と絞り31とで構成す
る。主弁30は弁本体32と弁体33とばね30cとか
らなり、流体室32c,32dと各流体室に連なるポー
ト32aと32bを有している。絞り31は流量に合わ
せて流路面積を調整する邪魔板などである。弁体33は
受圧部30a,30bを持ち、各々流路15とポート3
2aの圧力を受ける。ポート32aの圧力Paが流路1
5の圧力Pbより大きい(Pa>Pb)場合は弁体33は
図示の状態となり、ポート32aと32bとを連通させ
る。逆の場合(Pa<Pb)には弁体33は流路15とポ
ート32aとの圧力差に相当する力を右方向に受け、こ
の力が規定値より大きくなると、弁体33はばね30c
に逆らって流路を閉じる方向に動く。すなわち、乗りか
ご10の下降状態で流体がポート32bから32aの方
向に流れているとき流量が規定値より大きくなると、流
路を閉じる。弁体33の動作によりポート32aと32
bとの間の圧力差はますます大きくなり、弁体の動作を
助長する。
【0050】そこで、過速防止弁3を流れる流量に対応
して絞り31を調整しておけば、規定値以上の流量が流
れると、主弁30が作用して、ポート32aと32bを
遮断し、流体の流れを遮断する。このことはシリンダ1
から流出する流体を遮断することであり、乗りかご10
を規定速度以上に高速にすることなく安全に停止させる
ことになる。
【0051】図では絞り31として単独の絞りを例示し
たが、制御弁2を用いても同様の効果があり、図示の構
造に限定されない。前述のように制御弁2では下降時に
圧力差を生ずるから、その圧力差を用いて過速防止弁3
を動作させれば、弁装置の構造を簡素化できる。
【0052】図11は、過速防止弁3の他の実施例を示
し、図12は、そのより具体的な構造を示している。過
速防止弁3は、主弁30とパイロット弁34,35と絞
り31からなる。絞り31は流量に合わせて流路面積を
調整する邪魔板などである(図10で説明したように絞
り31を制御弁2の流体抵抗に置き換えてもよい)。主
弁30は弁本体32と弁体33とばね30c,30fと
からなり、流体室30c,30d,30fと各流体室に
連なるポート30a,30b,30eとを有し、各ポー
トは流路15a,15b,16(タンク9)に連なる。弁
体33d,33eは受圧部33a,33bを持ち、各々
パイロット弁34,35からの圧力を受ける。パイロッ
ト弁34,35は2位置3方向切り換え弁体であり、弁
体38,39を持ち、弁体38,39の動作位置によっ
て流体を切り換える。その端面に流路37a,37d及
び37b,37eを経てポート30a,30bの圧力を
受ける。
【0053】ポート30aの圧力Paがポート30bの
圧力Pbより大きい(Pa>Pb)場合に弁体34,35
は図示の状態となり、流路37bと37a,37fと3
7eを連通し、流路37bと37dを遮断する。逆の場
合(Pa<Pb)には弁体34,35は図示と逆の位置に
なり、流路37cと37b,37fと37dを連通し、
37aと37eを遮断する。すなわち、ポート30a,
30bの高圧側を主弁の弁体33dの受圧部33aに低
圧側を弁体33の受圧部33bに接続する。したがっ
て、弁体33d,33eはポート30aと30bとの圧
力差に相当する力を右方向に受ける。この力が規定値よ
り大きくなると、弁体33d,33eはばね30cの力
に逆らってポート30aと30bとの間の流路を閉じる
方向に動く。弁体33の動作によりポート30aと30
bとの間の圧力差はますます大きくなり、弁体の動作を
助長する。すなわち、過速防止弁3を流れる流量に対応
して絞り31を調整しておけば、設定値以上の流量が流
れると主弁30が作動して、ポート30bを遮断し、ポ
ート30aと30eとを連通させる。
【0054】このことはエレベータの上昇中であれば、
ポンプ6の吐出流体をタンク9へ戻し、シリンダ1への
流路を閉じることであり、またエレベータの下降中であ
れば、シリンダ1から流出する流体を遮断し、流体をタ
ンク9からポンプ6へ供給することであり、いずれの場
合も乗りかご10を規定速度以上に高速にすることなく
安全に停止させることになる。さらに上述のようにポン
プ吐出圧の異常昇圧または吸い込み圧の異常低圧(真空)
からポンプを保護する。
【0055】流体の温度が変化すると粘度も変わり、制
御弁での制御特性やポンプの容積効率が変わって乗り心
地の低下を招いたり、エネルギー損失を増大させたりす
るので、通常の場合流体は一定以上の温度範囲で使用さ
れる。しかし、この流体を温めるエネルギー源としてヒ
ーターを用いるのは価格上昇を招く。そこで本発明の実
施例では、リリーフ弁4にアンロード運転も可能なよう
に設定圧力を二段に変えられる構造を提供し、アンロー
ド運転によって流体温度を上昇させている。
【0056】図13は、アンロード弁を兼ねたリリーフ
弁4の実施例の構造を示す断面図である。リリーフ弁4
は弁本体40と弁体41とパイロット弁43とアンロー
ド圧設定用パイロット弁44を主要構成要素とする。弁
体41は軸41aを有するポペット形で、弁本体40と
の間に流体室40d(ポペット背面)と40e(軸端面)と
40c(ポペット側面)とを形成している。流体室40d
は絞り42を介してポート40aと連通し、絞り42a
を介して流体室40eと連通している。ポート40a,
40bは各々流路15a,16に接続されている。パイ
ロット弁43は流体室40dに連通し、弁体43aとば
ね43bとねじ43cとからなり、ばね43bの押しつ
け力を調節して流体室40dのリリーフ圧を設定する。
他のパイロット弁44は流体室40eに連通し、弁体4
4a,ばね44bとソレノイド44cとからなり、通常
閉じているが、ソレノイド44cを励磁すると、流体室
40eを大気に開放する。
【0057】リリーフ弁4では通常時流体室40d,4
0eから弁体41に働く力が、40a,40cから働く
力より大きく、図の状態のように、ポート40aと40
bとの間を遮断している(ポート40bはタンク圧)。ポ
ート40aの圧力がパイロット弁43で設定した圧力よ
り大きくなると、パイロット弁43が開いて、流体室4
0d及び40eの流体を排出してポペット41をばね4
1bの力や流体室40d,40eの圧力に逆らって変位
させ、ポート40aから40bへ流体を流し、ポート4
0aの圧力をそれ以上には上昇させない。
【0058】このリリーフ弁4をアンロード弁として作
用させる場合は、パイロット弁44を励磁して流体室4
0eをタンク9へ開放すれば、ポペット41の背面に作
用する力が軸41aの断面積分だけ小さくなり、ポート
40aがリリーフ圧より低い圧でも主弁は開く。この圧
力がアンロード圧で、リリーフ圧とアンロード圧の差は
軸41aの大きさで決まる。すなわち、リリーフ圧の設
定値に関係なく、アンロード圧は常にリリーフ圧より一
定の値だけ小さく設定される。
【0059】図14は、リリーフ弁の他の実施例の構造
を示す断面図である。図13と同じ記号は同じ機能を果
たす部分を表す。リリーフ圧の設定は図13の実施例と
同様であり、パイロット弁43により設定する。アンロ
ード圧の設定はストッパ45により弁体41の変位量を
制限して行う。アンロードはパイロット弁44を励磁し
て流体室40dを大気開放し、弁体41をストッパ45
まで変位させた状態にしてこの隙間でのエネルギ損失を
熱に変換する。アンロード圧はリリーフ圧より低いの
で、弁体41の変位量はリリーフ作用時よりアンロード
作用時の方が大きい。したがって、リリーフ圧の設定と
は別にアンロード圧の設定が可能になる。この場合、図
13の実施例に比べて、アンロード圧の設定は手数を要
するが、リリーフ弁の構造が簡素化される。
【0060】図15は、本発明による流体圧エレベータ
の図1および図2とは異なる実施例の流体圧回路図であ
る。図において、1は乗りかご10を直接または間接に
駆動する流体圧シリンダ、2はパイロット操作形逆止め
弁、3は過速防止弁、4はアンロード弁を兼ねたリリー
フ弁、5はポンプ保護用の逆止め弁、6は正逆回転可能
な流体圧ポンプ、7はモータ、8はフィルタ、9は流体
タンクである。11はモータ7を駆動するインバータ、
12はエレベータの制御装置、15,16,17は流路
である。
【0061】パイロット操作形逆止め弁2は主弁20と
パイロット弁21とからなり、通常時は図示のように流
体圧シリンダ1からの流体の流れを遮断し、流体圧シリ
ンダ1への流れを許容している。パイロット弁21に指
令が入ったら主弁20が開かれ、流体圧シリンダ1から
の流体の排出が可能となる。過速防止弁3は絞り31と
主弁30とパイロット弁34,35とからなり、通常時
は図示のように、流体は絞り31および主弁30を通っ
て流れる。過速防止弁3の前後の圧力差が予め設定した
規定値を超えた場合すなわち流量が規定値を超えた場
合、パイロット弁34,35を通って主弁30に作用す
る流体圧により主弁30を切り換え、流体の流れを制御
する。
【0062】このような構成の本実施例において、乗り
かご10を上昇させる場合と下降させる場合について説
明する。
【0063】(1) 上昇時 制御装置12からの上昇指令および速度信号に基づいて
インバータ11を駆動してモータ7を徐々に起動し、加
速する(この時の回転方向を正回転とする)。その後、
速度信号に従い、モータ7を定格回転数まで加速し、さ
らに定格回転数で駆動する。流体圧ポンプ6が正方向に
起動,加速されると、流体はフィルタ8を通り流体圧ポ
ンプ6に吸入され、除々に昇圧される。高圧になった流
体は過速防止弁3とパイロット操作形逆止め弁2とを通
り、流体圧シリンダ1に供給される。この時、モータ回
転数の増加に従い流体圧ポンプ6の吐出流量も増加し、
流体圧シリンダ1が起動され、定格速度まで徐々に加速
される。流体圧シリンダ1により直接または間接的に駆
動される乗りかご10も速度信号(モータ回転数)に比
例して、起動,加速され定格速度に至る。一方、減速信
号(速度信号)によりモータ7の回転数を減ずれば、加
速の場合とは逆に、流体圧シリンダ1の速度は減速し、
遂には停止に至る。すなわち乗りかご10も減速,停止
する。
【0064】(2) 下降時 制御装置12からの下降起動信号でパイロット操作形逆
止め弁2のパイロット弁21を動作させ、主弁20を切
り換える。これにより、逆止め弁2,過速防止弁3を経
て、流体圧シリンダ1とポンプ6とが連通する。その
後、速度信号に従い、モータ7を上昇とは逆方向に起
動,加速し(負回転)、ポンプ6で流体圧シリンダ1の
高圧流体を吸い込み、タンクへ戻す。この時主弁20を
急激に切り換えると、流路15a,15b内の流体を急
激に圧縮するため、大きなショックを生ずる。したがっ
て、良好なエレベータの乗り心地を確保するには、主弁
20を緩やかに切り換えることが望ましい。上昇時と同
様に、モータの加速,定格速度駆動,減速,停止によ
り、乗りかごも加速,定格速度走行,減速の過程を経
て、停止する。その後パイロット弁21への信号を解除
すれば、主弁20も復帰して、最初の状態に戻る。
【0065】リリーフ弁4は流体圧装置の保護のために
設置してあり、流体圧が異常高圧になるのを防ぐ。また
パイロット弁13,絞り弁14とともに動作してアンロ
ード運転を行う。逆止め弁5は下降動作時、パイロット
操作形逆止め弁2と流体圧ポンプ6との同期がずれて、
流路15が真空になるのを防止する。すなわち、流路1
5が低圧になるとタンク9から流路16を経て流体を流
路15に吸い込む。
【0066】過速防止弁3は流体の流れ方向に関係な
く、主弁30と絞り31での圧力降下量が規定値を万一
超えるとすなわち規定以上の流量が流れると、主弁30
を切り換えて回路15bを遮断し、流路15aを流路1
6に接続する。その結果、流体圧シリンダ1への流体の
出入りを停止し、ポンプ6の吐出流体をタンク9へ戻
す。上昇時,下降時は各々次のように動作する。
【0067】上昇時、流体はポンプ6から過速防止弁3
の主弁30,絞り弁31,パイロット操作形逆止め弁2
を経て流体圧シリンダに流れる。このときの主弁30と
絞り弁31の圧力降下量(Pa−Pb)が規定値より大
きいと、パイロット弁34,35は図示の状態となる。
ただし、Paは流路15aの圧力、Pbは流路15bの
圧力である。そして、図17について後述する主弁30
の受圧部33aにはPaが作用し、受圧部33bにはP
bが作用するので(Pa>Pb)、主弁30はばね33
cの力に逆らって切り換わり、流路15bを遮断して、
流路15aを流路16に連通させる。これにより、流体
圧シリンダ1への流体の供給は停止し、ポンプ6の吐出
流体はタンク9に戻る。
【0068】下降時、流体は流体圧シリンダ1からパイ
ロット操作形逆止め弁2,過速防止弁3の絞り31,主
弁30を経てポンプ6に流れる。この時絞り弁31と主
弁30の圧力降下量(Pb−Pa)が規定値より大きい
と、パイロット弁34,35は図示の状態から切り換わ
り、主弁30の受圧部33aにPbが作用し、受圧部3
3bにPaが作用するので(Pb>Pa)、上昇時と同
様に主弁30は切り換わる。したがって、上昇時と同様
に流体圧シリンダ1からの流体の排出が停止する。
【0069】図16は、パイロット操作逆止め弁2の一
実施例の構造を示している。主弁20は、弁本体22と
弁体23とばね23cとストッパ25aとを主要構成要
素とし、そのポート22b,22cは各々流路15b,
15cに接続されている。弁体23はスカート部23a
にオリフィス23bを有し、ストッパ25aによりその
変位を制限される。パイロット弁21は弁本体26と弁
体27とソレノイド28とを主要構成要素とし、そのポ
ート26a,26b,26cは各々ポート22c,主弁
20の流体室22e,タンク9に接続されている。通常
時は、ポート26aと26bを連通させ、ポート22c
の高圧流体を流体室22eに導入して、弁体23を図示
の位置に保持している。指令によりソレノイド28が励
磁されると、弁体27が駆動され、ポート26aと26
bとを遮断し、ポート26bと26cを連通させ、流体
室23eをタンク9へ開放する。これにより弁体23は
流体室22dに働く流体圧によりばね23cの力に逆ら
って動作し、ポート22cと22bを連通させる。エレ
ベータを上昇させる場合は、流体圧ポンプ6の吐出流体
はポート22b(流路15b)からポート22c(流体
15c)への流れ(自由流)となり、流体圧シリンダ1
を押し上げる。下降させる場合は、下降信号によりソレ
ノイド28を励磁して主弁20のポート22cと22b
連通し、流体圧シリンダ1の高圧流体を流体圧ポンプ6
により排出して、流体圧シリンダ1を下降させる。下降
が終了すると、ソレノイドが励磁解除されて、流体室2
2eに高圧流体が導入され、主弁20は図示の状態に復
帰する。この時絞り弁29は弁体23の動作速度を制御
し、スカート23aに設けたオリフィス23bはポート
22cと22bとの間の開口面積を徐々に増加させる。
このオリフィス23bと絞り29により、エレベータの
起動ショックの発生が防止される。
【0070】図17は、過速防止弁3の構造の一例を示
す図、図18は、パイロット弁33を拡大して示す図、
図19は、パイロット弁34を拡大して示す図である。
絞り31は流量に合わせて邪魔板などで流路面積を調整
する。主弁30は弁本体32と弁体33とばね33cと
からなり、流体室30d,30e,30fと各流体室に
連なるポート30a,30b,30cとを有し、各ポー
トは流路15a,15b,16(タンク9)に連なる。
弁体33は受圧部33a,33bを持ち、各々パイロッ
ト弁34,35からの圧力を受ける。パイロット弁3
4,35は2位置3方向切り換え弁であり、溝または同
等の機能を果す部分38a,38b,39aを設けた弁
体38,39を持ち、弁体38,39の動作位置によっ
て流体を切り換える。その端面に流路37a,37dお
よび37b,37eを経てポート30a,30bの圧力
を受ける。ポート30aの圧力Paがポート30bの圧
力Pbより大きい(Pa<Pb)場合に弁体38,39
は図示の状態となり、流路37aと37c,37eと3
7fを連通し、流路37b,37dを遮断する。逆の場
合(Pa<Pb)には弁体38,39は図示と逆の位置
になり、流路37bと37c,37dと37fを連通
し、37a,37eを遮断する。すなわちポート30
a,30bの高圧側を主弁弁体36の受圧部36aに、
低圧側を受圧部26bに接続する。したがって、弁体3
6はポート30aと30bとの圧力差に相当する力を右
方向に受ける。この力が規定値より大きくなると、弁体
33はばね33cに逆らって流路を閉じる方向に動く。
弁体33の動作によりポート30aと30bとの間の圧
力差はますます大きくなり、弁体の動作を助長する。す
なわち、過速防止弁3を流れる流量に対応して絞り31
を調整しておけば、設定値以上の流量が流れると、主弁
30が作用してポート30bを遮断し、ポート30aと
30cとを連通させる。このことはエレベータの上昇中
であれば、ポンプの吐出流体をタンクへ戻し、流体圧シ
リンダ1への流路を閉じることであり、またエレベータ
の下降中であれば、流体圧シリンダ1から流出する流体
を遮断することであり、いずれの場合も乗りかご10を
規定速度以上に高速にすることなく安全に停止させるこ
とになる。
【0071】図20は、アンロード弁を兼ねたリリーフ
弁4の構造の一例を示している。このリリーフ弁4は、
弁本体40と弁体41とパイロット弁43とアンロード
圧設定用パイロット弁44とを主要構成要素とする。弁
本体41は軸41aを有するポペット形で、弁本体40
との間に流体室40c(ポペット背面)と40d(軸端
面)と40e(ポペット前面)とを形成している。流体
室40cは絞り45を介してポート40aと連通し、絞
り48を介して流体室40dと連通している。ポート4
0a,40bは各々流路15a,16に接続されてい
る。パイロット弁43は流体室40cに連通し、弁体4
3aとばね43bとねじ43cとからなり、ばね43b
の押しつけ力を調節して流体室40cのリリーフ圧を設
定する。他のパイロット弁44は流体室40dに連通
し、弁体44aとばね44bとソレノイド44cとから
なり、通常閉じているが、ソレノイド44cを励磁する
と流体室40dを大気開放する。
【0072】リリーフ弁4では通常時流体室40c,4
0dから弁体46に働く力が、40eから働く力より大
きく、図の状態のように、ポート40aと40b間を遮
断している(ポート40bはタンク圧)。ポート40a
の圧力がパイロット弁43で設定した圧力より大きくな
ると、パイロット弁43が開いて、流体室40cおよび
40dの流体を排出してポペット41をばね41bに逆
らって変位させ、ポート40aから40bへ流体を流
し、ポート40aの圧力をそれ以上には上昇させない。
【0073】このリリーフ弁4をアンロード弁として作
用させる場合は、パイロット弁44を励磁して流体室4
0dをタンク9へ開放すれば、ポペット41の背面に作
用する力が軸41aの断面積分だけ小さくなり、ポート
40aがリリーフ圧より低い圧で主弁は開く。この圧力
がアンロード圧で、リリーフ圧とアンロード圧の差は軸
41aの大きさで決まる。すなわち、リリーフ圧の設定
値に関係なく、アンロード圧は常にリリーフ圧より一定
の値だけ小さく設定される。規定速度以上に高速にする
ことなく安全に停止させることになる。
【0074】図21は、リリーフ弁の他の実施例の構造
を示す断面図である。図20と同じ記号は同じ機能を果
す部分を表す。リリーフ圧の設定は図20の実施例と同
様であり、パイロット弁43により設定する。ただし、
アンロード圧の設定は異なる。パイロット弁13を励磁
すると、流体室40cの流体はパイロット弁44,絞り
46を通ってタンクへ開放される。そこで、2つの絞り
45と46との調整により、アンロード圧を設定する。
【0075】なお、図15の実施例においても、図12
の過速防止弁3を採用できる。図12の過速防止弁3
は、図17に示す過速防止弁と同様の構造であるが、ポ
ンプ保護用逆止め弁(吸い込み弁)5の機能を併せ持っ
ている。すなわち、図17実施例と異なる点は、弁体3
3が33dと33eとに分割され、ばね33fが追加さ
れていることである。エレベータの上昇,下降の際の過
速防止作用では弁体33dと33eとが一体となって動
作し、図17で説明した場合と同様である。ばね33f
は通常時2つの弁体33dと33eとが別動作しないよ
うにする。
【0076】吸い込み弁としての作用は、流体圧ポンプ
6に連通するポート30aがタンク9に連通するポート
30cよりも低圧になるような場合は、ポート30bは
ポート30aと同じかそれより高圧であるので、パイロ
ット弁の弁体38,39は下方にあり、流路37c,3
7fは各々37b,37dに連通している。したがっ
て、弁体33eには左からの力が働き、更に左側端面
(流体室30f)に働く圧力によって右方向に押され、
ポート30cと30aとを連通させ、流体をタンク9か
ら流体圧ポンプ6に供給する。これは吸い込み弁5の作
用そのものである。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。
【0078】(1)乗りかごの位置を保持するためのパ
イロット操作形逆止め弁を徐々に切り換えるので、エレ
ベータの下降起動時、この逆止め弁と流体圧ポンプとの
間の流路の圧力がゆっくり上昇してサージ圧の発生を防
止し、円滑な下降加速特性が得られる。
【0079】(2)パイロット弁の励磁によりパイロッ
ト流体圧を供給して制御弁の主弁を動作させ、励磁を解
除して主弁を復帰させる構造であるので、停電などの異
常時に制御指令を遮断すれば、主弁は流路を速やかに遮
断し、乗りかごが高速で降下することを防止できる。
【0080】(3)乗りかごの運転方向に関係なく、過
速防止弁を通過する流体の流量が規定値を超えると過速
防止弁が動作して、エレベータ上昇の場合はポンプ吐出
流量をタンクに戻すとともに、流体圧シリンダと流体圧
ポンプとの間の流路を遮断し、エレベータ下降の場合は
流体圧シリンダからの流れを遮断し、いずれの場合もエ
レベータ乗りかごを安全に停止させる。
【0081】(4)本発明のリリーフ弁は、もちろんリ
リーフ弁本来の動作はするが、パイロット弁を切り換え
てアンロード弁の作用もさせることができ、アンロード
運転により流体を発熱させ流体の温度を制御することも
可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による流体圧エレベータの一実施例を示
す回路図である。
【図2】本発明による流体圧エレベータの他の実施例を
示す回路図である。
【図3】本発明による制御弁の一実施例の構造を示す図
である。
【図4】図3の実施例の動作を説明する図である。
【図5】制御弁の他の実施例の構造を示す図である。
【図6】制御弁の更に他の実施例の構造を示す図であ
る。
【図7】制御弁の別の実施例の構造を示す図である。
【図8】制御弁の更に別の実施例の構造を示す図であ
る。
【図9】制御弁のもう一つの実施例の構造を示す図であ
る。
【図10】本発明による過速防止弁の一実施例の構造を
示す図である。
【図11】本発明による過速防止弁の他の実施例の構造
を示す図である。
【図12】過速防止弁のより具体的な構造を示す図であ
る。
【図13】アンロード機能付きリリーフ弁の一実施例の
構造を示す図である。
【図14】アンロード機能付きリリーフ弁の他の実施例
の構造を示す図である。
【図15】本発明による流体圧エレベータの別の実施例
を示す回路図である。
【図16】パイロット操作型逆止め弁の構造を示す図で
ある。
【図17】過速防止弁の構造を示す図である。
【図18】過速防止弁のパイロット弁の構造を示す図で
ある。
【図19】過速防止弁のパイロット弁の構造を示す図で
ある。
【図20】アンロード弁を兼ねたリリーフ弁の構造を示
す図である。
【図21】他のリリーフ弁の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 流体圧シリンダ 2 制御弁(流量制御機能付きパイロット操作型逆止め
弁) 3 過速防止弁 4 アンロード機能付きリリーフ弁 5 吸い込み弁(逆止め弁) 6 流体圧ポンプ 7 モータ 8 フィルタ 9 流体タンク 10 乗りかご 11 インバータ 12 エレベータ制御装置 13 パイロット弁 15 流路 16 流路 17 流路 20 制御弁主弁 21 パイロット弁 22 制御弁本体 23 スカート部 24 ピストン 25 ストッパ 30 過速防止弁主弁 31 絞り弁 32 過速防止弁本体 33 弁体 34 パイロット弁 35 パイロット弁 40 リリーフ弁本体 41 弁体 42 絞り 43 パイロット弁 44 アンロード圧設定用パイロット弁 45 ストッパ 46 パイロット弁本体 47 弁体 48 絞り
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野上 忠彦 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 赤坂 吉道 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所 機械研究所内 (72)発明者 佐々木 英一 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社 日立製作所 水戸工場内 (56)参考文献 特開 昭56−117962(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B66B 9/04 B66B 1/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体圧ポンプの回転数の制御により流体
    圧シリンダに供給しまたは当該流体圧シリンダから排出
    する流体の流量を制御し、前記流体圧シリンダで直接的
    にまたは間接的に乗りかごを上昇または下降させる流体
    圧エレベータにおいて、 前記流体圧ポンプと前記流体圧シリンダとの間に、パイ
    ロット弁の励磁を解除するとパイロット圧流体を排出し
    て主弁を閉鎖する形式のパイロット操作型逆止め弁を配
    置し、 前記流体圧ポンプと流体圧シリンダとを接続する流路か
    ら分岐した流路に、流体圧ポンプの出口圧力が所定値以
    上になると流体圧ポンプの吐出流体を流体タンクに排出
    するリリーフ弁を配置し、 前記リリーフ弁の弁体に作用するパイロット圧をパイロ
    ットリリーフ弁またはパイロット切り換え弁で制御し、
    前記リリーフ弁にリリーフ圧とアンロード圧とを設定可
    能にしたことを特徴とする流体圧エレベータ。
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